JP4766962B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デファレンシャル装置に関する。
特許文献1に記載されたデファレンシャル装置は、デフケースと、デフケースに連結されたベベルギア式の差動機構と、差動制限機構と、この差動制限機構を操作するアクチュエータなどから構成されており、差動機構は、出力軸に連結されたサイドギアと、サイドギアと噛み合ったピニオンギアと、デフケースに支持されピニオンギアを支承するピニオンシャフトから構成されており、デフケースのフランジ部には原動機からの駆動力が入力するリングギアが固定されている。
特開2004−100924号公報
上記のような構成のデファレンシャル装置において、出力軸をCクリップ(C字形状の止め輪)を用いて差動機構のサイドギアに位置決めする場合は、位置決めの前にピニオンシャフトを抜き出す(径方向外側に移動させる)必要があり、その際、デフケースに固定されているリングギアとピニオンシャフトの先端部とが干渉することがある。
このような場合、アクチュエータをリングギア側に配置し、差動機構(ピニオンシャフト)の位置をリングギアから遠ざける(デファレンシャル装置の中心と差動機構の中心とをオフセットする)ことによってリングギアとピニオンシャフトの干渉を防止している。
しかし、アクチュエータをリングギア側に配置すると、デフケースを支持するベアリングとアクチュエータとが干渉することがあり、アクチュエータを搭載可能な機種(デファレンシャル装置)がそれだけ制限される。
そこで、この発明は、Cクリップによる出力軸の位置決めを可能にしたデファレンシャル装置の提供を目的としている。
請求項1のデファレンシャル装置は、キャリヤに収容され、入力する駆動トルクによって回転可能な入力部材と;前記入力部材から駆動トルクが伝達される差動部材と、前記駆動トルクを授受するトルク伝達部を介して前記差動部材と相対回転可能に連結された第1及び第2の出力部材とを含み、前記入力部材と共に同軸回転可能な差動機構と;前記差動機構の差動回転を制限する差動制限装置とを含み、前記差動制限装置は、前記差動機構の差動制限を制御するアクチュエータと軸方向移動可能なクラッチ部材とを含み、前記入力部材は、前記差動機構と前記クラッチ部材とを収容するデフケースを含み、前記デフケースは、エンジンからの駆動トルクが入力するリングギアが固定されたフランジを含み、前記アクチュエータは、環状のコイルと該コイルの外周側と軸方向の一方側の側壁と内周側とを環状に覆うコイルハウジングとからなる電磁ソレノイドと前記コイルハウジングの内周側に配置された環状のプランジャとを含む電磁式アクチュエータであり、前記電磁ソレノイドは、前記リングギア側に配置され、前記デフケースに対して軸方向に相対移動しないように配置され、前記デフケースには前記コイルの軸方向の他方側に対向して側壁が設けられ、前記プランジャは、内周側に一体に構成された非磁性体のガイド部材により前記デフケースの外周に支持されており、
前記コイルへ電流が供給されると、前記コイルハウジングと前記プランジャと前記デフケースに設けられた側壁とを透過する磁力線ループが形成され、磁力により前記プランジャを軸方向移動させ、前記ガイド部材の軸方向先端部が前記デフケースに設けられた側壁に形成された貫通孔を通じて前記クラッチ部材を押圧することを特徴とする。
請求項1のデファレンシャル装置は、デフケースを電磁コイルの磁路の一部に利用し、プランジャをデフケースで支持したことにより、電磁式アクチュエータがそれだけ小型化されている。
従って、電磁式アクチュエータをリングギア側に配置してもベアリングと干渉することがなくなり、搭載機種(デファレンシャル装置)の制限が抑制されると共に、Cクリップ(Cワッシャ)による出力軸の位置決め(ピニオンシャフトの径方向外側移動を伴う)は可能に保たれる。
<一実施形態>
図1によってデファレンシャル装置としてのリヤデフ1(本発明の一実施形態)の説明をする。以下の説明の中で左右の方向はリヤデフ1が用いられた4輪駆動車及び図1での左右の方向である。
[リヤデフ1の特徴]
リヤデフ1は、キャリヤ3に収容され、入力する駆動トルクによって回転可能な入力部材と;回転可能なピニオン5(差動部材)と、駆動トルクを授受する噛み合い部7,9(トルク伝達部)を介してピニオン5と噛み合った(相対回転可能に連結された)第1及び第2のサイドギア11,13(出力部材)とを含み、前記入力部材と共に同軸回転可能な差動機構15(ベベルギア式)と;差動機構15の差動回転を制限する差動制限装置17とを含み、差動制限装置17は、差動機構15の差動制限を制御するアクチュエータを含み、前記入力部材は、差動機構15を収容するデフケース19を含み、デフケース19は、エンジンからの駆動トルクが入力されるリングギア21が固定されたフランジ23を含み、前記アクチュエータは、デフケース19のボス部31の外周側に位置する環状のコイル22と、このコイル22の外周側と軸方向の一方側の側壁と内周側の一部とを環状に覆うコイルハウジング71とからなる電磁ソレノイド25と、電磁ソレノイド25のコイル22に電流が供給されるとコイルの周囲のコイルハウジング71と環状のプランジャ27とデフケース19の側壁20とを透過する磁力線ループ24に作用するように磁力によって軸方向に移動操作力を受けるプランジャ27とを含む電磁式アクチュエータ29である。電磁ソレノイド25は、リングギア21側に配置され、キャリヤ3によって支持され、デフケース19の側壁20は、電磁ソレノイド25の磁路の一部を構成し、プランジャ27は、デフケース19のボス部31の外周に支持されていることを特徴とする。
上記4輪駆動車では、4輪駆動走行するとき、トランスファ内蔵の2−4切替え機構を連結させるとエンジンの駆動力は後輪側プロペラシャフトなどからリヤデフ1に伝達され左右の後輪に配分されると共に、2−4切替え機構と前輪側プロペラシャフトなどを介してフロントデフに伝達され左右の前輪に配分される。
また、車両が2輪駆動走行するときは、2−4切替え機構の連結を解除させると、車両は後輪駆動の2輪駆動状態になる。
[リヤデフ1の構成]
デフケース19は一体に形成されており、キャリヤ3の内部に配置され、左のボス部31はベアリング33を介し、右のボス部35はベアリングを介し、それぞれキャリヤ3に支承されている。リングギア21はフランジ23にボルトで固定されており、デフケース19はリングギア21から入力するエンジンの駆動力によって回転駆動される。
差動機構15において、ピニオン5はピニオンシャフト37に支持されており、ピニオンシャフト37はデフケース19の貫通孔39に外側端部を係合し、ネジ付きロッド41で回り止め及び抜け止めされている。ロッド41はネジ付きにしたことによって自身の抜き出しが容易であり、ネジ付きロッド41を用いたことによりピニオンシャフト37の組付けや抜き出し(外側への移動)も容易になっている。また、左右のサイドギア11,13のスプライン部43,45には出力軸47,49が連結されており、各サイドギア11,13と出力軸47,49はCクリップと、サイドギア11,13の内周に設けられた溝51,53とによって軸方向に位置決め(抜け止め)されている。
差動制限装置17は、電磁式アクチュエータ29と、ドッグクラッチ55と、リターンスプリング57と、コントローラなどから構成されている。
ドッグクラッチ55は軸方向アクチュエータ29側でデフケース19の内側に軸方向移動可能に配置されたクラッチリング63(クラッチ部材)に設けられた噛み合い歯59と第1のサイドギヤ11のギヤ部の背面側に溶接にて一体的に固着されたリングに形成された噛み合い歯61が軸方向に対向して設けられている。クラッチリング63は脚部65をデフケース19の貫通孔67で回り止めされ、軸方向移動自在に配置されている。図1の下半部のようにクラッチリング63が右に移動するとドッグクラッチ55が噛み合い、図1の上半部のようにクラッチリング63が左に移動するとドッグクラッチ55の噛み合いが解除される。リターンスプリング57は左サイドギア11(噛み合い歯61)とクラッチリング63(噛み合い歯59)との間に配置され、クラッチリング63をドッグクラッチ55の噛み合い解除側(左方)に付勢している。
デフケース19には2点鎖線で描いた開口69が設けられており、内部の各コンポーネント(部材15、55、57、61、63)はこの開口69から組み付けられる。つまり、デフケース19は1ピース構造を採用している。
電磁式アクチュエータ29は、電磁ソレノイド25と、プランジャ27などから構成されている。コイルハウジング71とプランジャ27とデフケース19は磁性材料(例えば、JISS10Cなど)で作られており、電磁ソレノイド25の磁路はこれらの部材上に磁束ループ24のように形成される。コイルハウジング71(電磁ソレノイド25)は支持部材73を介してキャリヤ3に支持され、回り止めされ、デフケース19との間で軸方向に相対移動しないように、配置されている。
プランジャ27は、内周側にステンレスなどの非磁性材のガイド部材75の外周にプランジャ本体77を一体に固定して構成されており、ガイド部材75は左ボス部31(デフケース19)の外周で軸方向移動可能に支持され、その先端部79は側壁20に形成された貫通孔67を通してクラッチリング63の脚部65の端壁面26を押圧できるようになっている。
図示外のコントローラからの指令によりバッテリーからリード線を伝わりコイル22へ電流が供給されると電磁ソレノイド25が励磁され、コイルハウジング71とプランジャ本体77の側壁20との間に磁束ループが生じると共に、ガイド部材75を支持するデフケース19の左ボス部31も磁路の一部になって磁束ループが強化され、プランジャ27(プランジャ本体77)を右方に移動させてクラッチリング63を押圧し、ドッグクラッチ55を噛み合わせて差動機構15の差動をロックする。また、電磁ソレノイド25の励磁を停止するとリターンスプリング57によってドッグクラッチ55の噛み合いと差動機構15の差動ロックが解除される。
[リヤデフ1の効果]
リヤデフ1は次のような効果が得られる。
コイルハウジング71(電磁ソレノイド25)をキャリヤ3で支持し、デフケース19を電磁ソレノイド25の磁路の一部に利用し、デフケース19の側壁20と合わせて一体的に配置したことによって電磁式アクチュエータ29がデファレンシャル装置を合わせてそれだけ小型化されているので、電磁式アクチュエータの搭載可能な機種(デファレンシャル装置)の制限が抑制される。さらにプランジャ27をデフケース19で支持したことによりデフケース19とプランジャ27の同芯度が良く、支持、作動性が向上している。
また、電磁式アクチュエータ29は、デフケース19のリングギア21側に配置されてもベアリング33と干渉することがなくなり、搭載可能な機種(デファレンシャル装置)の制限がさらに抑制される。また、ピニオンシャフト37を抜き方向へ移動させてもリングギア21との干渉が生じないから、Cクリップによる出力軸47,49の位置決め(ピニオンシャフト37の抜き出しを伴う)作業は可能に保たれている。
また、電磁式アクチュエータ29がデファレンシャル装置と合わせて小型化されたことによって、差動機構15と、電磁式アクチュエータ29を含めたリヤデフ1全体とのオフセットが不要になるか、あるいは、オフセット量を最小限にすることができるから、出力軸47,49やキャリヤ3などの互換性低下を最小限に留めることができる。
〈第1参考例
図2によってリヤデフ101(本発明の第1参考例)の説明をする。リヤデフ101は上記の4輪駆動車においてリヤデフ1と置き換えて用いられている。以下、リヤデフ1と同機能の部材には同符号を与えて引用しながら相違点を説明する。
[リヤデフ101の特徴]
リヤデフ101は、入力する駆動トルクによって回転可能なデフケース103(入力部材)と;回転可能なピニオン5(差動部材)と、前記駆動トルクを授受する噛み合い部7,9(トルク伝達部)を介してピニオン5と噛み合った(相対回転可能に連結された)サイドギア11,13(第1及び第2の出力部材)とを含み、デフケース103と共に同軸回転可能な差動機構15と;差動機構15の差動制限装置105とを含み、差動制限装置105は、差動機構15の差動回転を制限するドッグクラッチ107(差動制限機構部)と、ドッグクラッチ107を操作する電磁式アクチュエータ109(アクチュエータ部)とを含み、ドッグクラッチ107と電磁式アクチュエータ109とを差動機構15の軸方向中心に対して軸方向の反対側にそれぞれ配置すると共に、電磁式アクチュエータ109の操作力をドッグクラッチ107に伝達する複数本のプッシュロッド111(伝達機構)が設けられ、
ドッグクラッチ107は、サイドギア11と一体回転可能に連結されたクラッチリング113(第1の部材)と、デフケース103と一体回転可能に連結されたクラッチリング115(第2の部材)との間に設けられ、サイドギア11とクラッチリング113の間には、差動トルクを受けて作動しドッグクラッチ107の差動制限力を強化するカム機構117が設けられていることを特徴とする。
[リヤデフ101の構成]
差動制限装置105は、上記のドッグクラッチ107と電磁式アクチュエータ109とプッシュロッド111と、コントローラによって構成されている。
デフケース103は、ケーシング本体119とカバー121をボルト123で固定して構成されており、キャリヤ3の内部に配置され、ケーシング本体119とカバー121に形成された左右のボス部125,127をベアリングを介してキャリヤ3に支承され、フランジ部129にはリングギア21がボルトで固定され、リングギア21に入力するエンジンからの駆動力によって回転駆動される。
差動機構15のピニオンシャフト37はデフケース103の貫通孔131に外側端部を係合している。左右のサイドギア11,13のスプライン部43,45には出力軸47,49がそれぞれ連結され、各サイドギア11,13と出力軸47,49はCクリップと、サイドギア11,13の内周に設けられた溝51,53とによって軸方向に位置決めされている。
サイドギア11側のクラッチリング113はカム機構117を介してサイドギア11に軸方向移動可能に連結され、デフケース103側のクラッチリング115は連結部133でデフケース103に連結され左方への移動を規制されており、ドッグクラッチ107は、サイドギア11側クラッチリング113に形成された噛み合い歯135とデフケース103側クラッチリング115に形成された噛み合い歯137とで構成されている。図2の下半部のようにクラッチリング113が左に移動するとドッグクラッチ107が噛み合い、図2の上半部のようにクラッチリング113が右に戻るとドッグクラッチ107の噛み合いが解除される。リターンスプリング57は各クラッチリング113,115の間に配置され、クラッチリング113をドッグクラッチ107の噛み合い解除側(右方)に付勢している。
カム機構117は、ドッグクラッチ107のセルフロック用カムであり、ドッグクラッチ107が噛み合った状態で差動トルクを受けると作動し、生じたカムスラスト力によってクラッチリング113をドッグクラッチ107の噛み合い側(左方)へ付勢し、電磁式アクチュエータ109の操作力(ドッグクラッチ107の差動制限力)を強化する。
電磁式アクチュエータ109は、電磁コイル25と、コイルハウジング71と、プランジャ139と、プランジャ139の外周に固定されたガイド部材140などから構成されており、コイルハウジング71とプランジャ139は磁性材料(S10C)で作られ、電磁コイル25の磁路はこれらの部材上で形成される。コイルハウジング71(電磁コイル25)は、コイルハウジング71の内周側に固定されたガイド部141がデフケース103の段差部143とベアリング側のワッシャ145とに挟まれて軸方向に位置決めされている。
各プッシュロッド111はデフケース103の貫通孔147を貫通し、サイドギア11,13の径方向外側から各ピニオン5の間を通りそれぞれの左端部でドッグクラッチ107のクラッチリング113を左方へ押圧できるように配置されている。各プッシュロッド111の右端部にはリング149が取り付けられており、プランジャ139のガイド部材140はこのリング149と各プッシュロッド111とを介しクラッチリング113を左方へ押圧できるようにされている。
電磁コイル25が励磁されると、上記のようにプランジャ139(ガイド部材140)がリング149と各プッシュロッド111とを介してクラッチリング113を左方へ押圧し、ドッグクラッチ107を噛み合わせて差動機構15の差動をロックする。このとき作動したカム機構117のカムスラスト力がクラッチリング113を左へ付勢し、ドッグクラッチ107を噛み合い状態に保つ。
電磁コイル25の励磁を停止するとリターンスプリング57によってドッグクラッチ107の噛み合いと差動機構15の差動ロックが解除される。
[リヤデフ101の効果]
リヤデフ101は次のような効果が得られる。
差動制限装置105を構成するドッグクラッチ107と電磁式アクチュエータ109を互いに分離し、これらを差動機構15の軸方向中心に対して軸方向の反対側にそれぞれ配置したことにより、(ドッグクラッチ107を分離しただけ)電磁式アクチュエータ109が小型化されている。
このように電磁式アクチュエータ109が小型化されたことによって、差動機構15とリヤデフ101とのオフセットが不要になるか、あるいは、オフセット量が最小限ですむから、出力軸47,49やキャリヤ3などの互換性低下を最小限に留めることができる。
また、電磁式アクチュエータ109は、ベアリングと干渉することがなくなり、搭載可能なデファレンシャル装置の制限が回避されると共に、Cクリップによる出力軸47,49の位置決め(ピニオンシャフト37の径方向外側移動を伴う)は可能に保たれる。
なお、小型化された電磁式アクチュエータ109は、フランジ部129(リングギア21)側に配置することも可能であり、そのような場合でもベアリングとの干渉が防止されるから、搭載可能なデファレンシャル装置の制限が回避されると共に、Cクリップによる出力軸47,49の位置決めが可能に保たれる。
〈第2参考例
図3と図4によってリヤデフ201(本発明の第2参考例)の説明をする。リヤデフ201は上記の4輪駆動車においてリヤデフ1,101と置き換えて用いられている。以下、リヤデフ1,101と同機能の部材には同符号を与えて引用しながら相違点を説明する。
[リヤデフ201の特徴]
リヤデフ201は、入力するエンジンの駆動トルクによって回転可能な入力部材と;回転可能なピニオン5(差動部材)と、前記駆動トルクを授受する噛み合い部7,9(トルク伝達部)を介してピニオン5と噛み合った(相対回転可能に連結された)サイドギア11,13(第1及び第2の出力部材)とを含み、前記入力部材と共に同軸回転可能な差動機構15と;差動機構15の差動回転を制限する差動制限装置203とを含み、差動制限装置203は、差動機構15の差動制限を制御する電磁式アクチュエータ109(アクチュエータ)を含み、前記入力部材は、差動機構15を収容するデフケース103を含み、デフケース103は、エンジンからの駆動トルクが入力するリングギア21が固定されたフランジ129を含み、ピニオン5は、ピニオンシャフト205(支持軸)上に支持されており、ピニオンシャフト205は、その外側端部をデフケース103によって径方向移動可能に支持されると共に、内側端部をデフケース103の回転中心軸側に配置されたスラストブロック207(支持部材)によって着脱可能に支持されていることを特徴とする。
[リヤデフ201の構成]
差動機構15は、2箇のピニオン5と、図3のようにリングギア21の径方向内側に配置された2本のピニオンシャフト205と、サイドギア11,13から構成されている。図4のように2本のピニオンシャフト205は一直線上に配置されており、各ピニオンシャフト205はデフケース103の貫通孔208に外側端部を係合し、ピニオンシャフト205に取り付けられたOリング209によって貫通孔208からのオイル漏れが防止されている。また、ピニオンシャフト205内側の先端部211はスラストブロック207の係合部213に係合して支持されている。各ピニオンシャフト205の先端部211を係合部213から抜くと、スラストブロック207を取り出すことができる。また、スラストブロック207には出力軸47,49と突き当たって自らの径方向位置決めをするフランジ部215が設けられている。
デフケース103には図3に破線で描いた開口217が設けられており、出力軸47,49の位置決めに当たって、スラストブロック207とCクリップ223,223の取り出しと組み付けはこの開口217から行われる。
差動制限装置203は、上記の電磁式アクチュエータ109と、ドッグクラッチ55と、ポジションスイッチ219と、コントローラなどから構成されている。
ドッグクラッチ55は、クラッチリング63に形成された噛み合い歯59と右サイドギア13に溶接された噛み合い歯61とによって構成されている。クラッチリング63はデフケース103側に回り止めされ、軸方向移動自在に配置されている。図3の下半部のようにクラッチリング63が左に移動するとドッグクラッチ55が噛み合って差動機構15の差動がロックされ、図3の上半部のようにクラッチリング63が右に戻るとドッグクラッチ55の噛み合いと差動ロックが解除される。リターンスプリング57はサイドギア13とクラッチリング63との間でクラッチリング63をドッグクラッチ55の噛み合い解除側(右方)に付勢している。
ドッグクラッチ55のクラッチリング63にはプレッシャープレート221がボルト止めされており、電磁式アクチュエータ109(プランジャ139のガイド部材140)の押圧力はプレッシャープレート221を介してクラッチリング63を右に移動させ、リターンスプリング57の付勢力はクラッチリング63とプレッシャープレート221を介してプランジャ139を右方に押し返す。
ポジションスイッチ219はドッグクラッチ55が断続されるときのプレッシャープレート221の移動に伴って断続(0FF−ON)し、リヤデフ201の差動ロック状態を運転席に表示させる。
上記のように、ピニオン5を支持するピニオンシャフト205の外側端部をデフケース103で径方向移動可能に支持し、内側端部211をデフケース103の回転中心側に配置されたスラストブロック207によって着脱可能に支持したことにより、各ピニオンシャフト205の内側端部211をスラストブロック207から抜いた後、スラストブロック207を外部に取り出し、図3と図4に2点差線で描いたように、各ピニオンシャフト205を必要なだけ径方向外側に移動させることにより、出力軸47,49をCクリップ223(図4)で差動機構15の各サイドギア11,13に位置決めすることができる。
[リヤデフ201の効果]
リヤデフ201は次のような効果が得られる。
上記のように、ピニオンシャフト205,205をデフケース103の回転中心側に配置したスラストブロック207で着脱可能に支持したことにより、スラストブロック207を取り出し、ピニオンシャフト205,205を必要なだけ径方向外側に移動させるだけで出力軸47,49とサイドギア11,13とをCクリップ223で位置決めすることができる。
また、スラストブロック207を取り出すように構成したことによりデフケース103の回転中心部に充分な空間が得られるから、Cクリップ223によってサイドギア11,13と位置決めする個所まで出力軸47,49を軸方向移動させることが可能になり、出力軸47,49の位置決めに当たって各ピニオンシャフト205を径方向外側へ大きく移動させる必要がなくなり、リヤデフ201のように各ピニオンシャフト205がリングギア21の径方向内側に配置されていても、リングギア21と各ピニオンシャフト205との干渉が回避される。
従って、リヤデフ201はリングギア21とピニオンシャフト205との干渉を回避する目的で差動機構15をオフセットする必要がなくなり、電磁式アクチュエータ109とベアリングとの干渉による搭載機種(デファレンシャル装置)の制限と、出力軸47,49やキャリヤ3の互換性低下など、差動機構15のオフセットに伴う問題が本質的に回避される。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
本発明のデファレンシャル装置に適用可能な差動機構は、ベベルギア式の差動機構に限らず、他のギア機構を用いた差動機構でも、あるいは、ギア機構を用いない差動機構でもよい。
また、差動制限装置は、差動をロックするものに限らず、例えば、摩擦クラッチで差動制限力を連続可変的に制御するものでもよい。
また、本発明のデファレンシャル装置は、リヤデフでなく、フロントデフ(原動機の駆動トルクを左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)や、センターデフ(原動機の駆動トルクを前輪と後輪に配分するデファレンシャル装置)として用いてもよい。
第1実施形態のリヤデフ1を示す縦断面図である。 1参考例のリヤデフ101を示す縦断面図である。 2参考例のリヤデフ201を示す縦断面図である。 リヤデフ201の横断面図である。
符号の説明
1 リヤデフ(デファレンシャル装置)
3 キャリヤ
5 ピニオン(差動部材)
11,13 サイドギア(第1及び第2の出力部材)
15 差動機構
17 差動制限装置
19 デフケース(入力部材)
21 リングギア
23 フランジ
25 電磁コイル
27 プランジャ
29 電磁式アクチュエータ(アクチュエータ)
101 リヤデフ(デファレンシャル装置)
103 デフケース(入力部材)
105 差動制限装置
107 ドッグクラッチ(差動制限機構部)
109 電磁式アクチュエータ(アクチュエータ部)
111 プッシュロッド(伝達機構)
113 クラッチリング(第1の部材)
115 クラッチリング(第2の部材)
117 カム機構
201 リヤデフ(デファレンシャル装置)
203 差動制限装置
205 ピニオンシャフト(支持軸)
207 スラストブロック(支持部材)

Claims (1)

  1. キャリヤに収容され、
    入力する駆動トルクによって回転可能な入力部材と;
    前記入力部材から駆動トルクが伝達される差動部材と、前記駆動トルクを授受するトルク伝達部を介して前記差動部材と相対回転可能に連結された第1及び第2の出力部材とを含み、前記入力部材と共に同軸回転可能な差動機構と;
    前記差動機構の差動回転を制限する差動制限装置とを含み、
    前記差動制限装置は、前記差動機構の差動制限を制御するアクチュエータと軸方向移動可能なクラッチ部材とを含み、
    前記入力部材は、前記差動機構と前記クラッチ部材とを収容するデフケースを含み、
    前記デフケースは、エンジンからの駆動トルクが入力するリングギアが固定されたフランジを含み、
    前記アクチュエータは、環状のコイルと該コイルの外周側と軸方向の一方側の側壁と内周側とを環状に覆うコイルハウジングとからなる電磁ソレノイドと前記コイルハウジングの内周側に配置された環状のプランジャとを含む電磁式アクチュエータであり、
    前記電磁ソレノイドは、前記リングギア側に配置され、前記デフケースに対して軸方向に相対移動しないように配置され、
    前記デフケースには前記コイルの軸方向の他方側に対向して側壁が設けられ、
    前記プランジャは、内周側に一体に構成された非磁性体のガイド部材により前記デフケースの外周に支持されており、
    前記コイルへ電流が供給されると、前記コイルハウジングと前記プランジャと前記デフケースに設けられた側壁とを透過する磁力線ループが形成され、磁力により前記プランジャを軸方向移動させ、前記ガイド部材の軸方向先端部が前記デフケースに設けられた側壁に形成された貫通孔を通じて前記クラッチ部材を押圧することを特徴とするデファレンシャル装置。
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