JP4766937B2 - イベント駆動型論理回路 - Google Patents

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    • H03K19/0963Synchronous circuits, i.e. using clock signals using transistors of complementary type

Description

本発明は、論理回路に関するものであり、特に、順序回路の遅延および消費電力を低減するための回路構成技術に関する。
現在の半導体集積回路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路を中心とするスタティック回路が広く用いられている。CMOS回路には、入力が変化しない限り出力は変化せず、かつ、電流消費は微小なリーク成分および値遷移時に発生するアクティブ成分のみであり、消費電流が比較的小さいという長所がある。一方、CMOS回路の欠点として、高速動作実現時における電力遅延積が比較的大きくなると点が挙げられる。
図62は、CMOS回路を概念的に表したものである。一般に、CMOS回路は、実現したい関数、すなわち、評価関数f、およびその相補的な関数f*の論理演算を実現する回路をそれぞれ有する。通常、関数fおよびf*は、それぞれ、N型およびP型トランジスタで構成される。そして、それぞれの関数から生成された信号が次段の関数に伝播することによって回路動作が実現される。このように、CMOS回路では、一つの関数に対して二重の回路が構成されるため、回路規模および信号の入力負荷が比較的大きくなる。特に、P型トランジスタについては、キャリア移動度の差から、そのトランジスタサイズをN型トランジスタの2倍程度にする必要があるため、入力負荷の増加が顕著となる。この問題は、CMOS回路以外に、DCVSL(Differential Cascode Voltage Switch Logic)などを含むスタティック回路全般に共通するものである。
スタティック回路の欠点を補う回路構成として、ダイナミック回路が知られている(たとえば、特許文献1参照)。図63は、ダイナミック回路を概念的に表したものである。一般に、ダイナミック回路では、初期化関数gによる出力の初期化フェーズと、実現したい関数、すなわち、評価関数fによる入力の評価フェーズとが時分割動作する。評価関数fおよび初期化関数gによる動作は、それぞれ、評価動作およびプリチャージ動作と呼ばれる。そして、評価動作によって信号が生成、伝搬され、かつ、次段の関数がプリチャージ動作および評価動作を行うことによって回路動作が実現される。このように、ダイナミック回路は、一つの関数に対して初期化関数を追加するのみでよいため、回路規模および信号の入力負荷が比較的小さくて済む。特に、初期化動作はクロックを用いて行われるため、入力負荷は評価関数fのみに左右され、CMOS回路の1/3程度となる。
しかし、ダイナミック回路では常に初期化フェーズと評価フェーズとが交互に動作するため、活性化率がスタティック回路よりも高くなるという問題点が指摘されている。そのためクロックゲーティング制御を導入するなどして活性化率の低減が必要となる。また、ダイナミック回路では組み合わせ回路の動作にクロックを用いるため、クロックツリーの構成およびクロック波形の調整など設計制約が複雑となり、設計難易度が高くなる。なお、ダイナミック回路の活性化率を低減する技術として、非同期回路を用いたもの(たとえば、非特許文献1参照)、および入力信号の変化に応じてクロック制御を行うもの(たとえば、特許文献2参照)が公知である。
米国特許第5532625号明細書(第3A図) 特開平5―206791号公報(第1図) Scott Hauck, "Asynchronous Design Methodologies: An Overview", Proceedings of IEEE, Vol.83, No.1, Jan.,1995, pp69-93(第7―8図)
しかし、非同期回路では一般に要求信号および応答信号のハンドシェイクによって動作が完結するため、ハンドシェイクのための回路が必要となる。また、組み合わせ回路の動作にハンドシェイクを伴うため、設計難易度が極めて高くなる。一方、入力信号の変化に応じたクロック制御は、入力信号の変化を検出するという原理上、その適用範囲がフリップフロップやメモリなどの順序素子に限定されてしまう。
このように、スタティック回路における入力負荷の増加、ダイナミック回路における活性化率の増加および設計の高難度化、非同期回路におけるハンドシェイク回路のオーバーヘッドの発生および設計の高難度化、および入力信号の変化によるクロック制御における適用制限などにより、論理回路について高速かつ低消費電力を両立することが困難となっている。回路動作が、スタティック回路のように信号入力を逐次関数評価した結果を伝搬するか、または、ダイナミック回路のように信号入力をある時間ごとに関数評価した結果を伝搬するかのいずれか一方に基づく限り、信号負荷、活性化率および回路規模などの問題を同時に解決することは困難である。
上記問題に鑑み、本発明は、論理回路について入力負荷および活性化率の双方を低減し、高速かつ低消費電力での動作が可能な論理回路を実現することを課題とする。
上記の課題を解決するために本発明が講じた手段は、論理回路として、信号源から出力されたデータの変化を検出し、当該データが変化したことを示すイベントを発生させるイベント発生器と、イベントを連鎖的に伝搬する複数の伝搬素子と、初段が信号源から出力されたデータを受け、入力されたデータを評価して評価結果を伝搬する複数の評価素子とを備えたものとする。複数の伝搬素子のそれぞれは、複数の評価素子のそれぞれにイベントを発する。そして、複数の評価素子のそれぞれは、複数の伝搬素子のそれぞれから発せられたイベントを受け、かつ、そのイベントを受けたとき、入力されたデータの評価を行うものとする。
図1は、本発明に係る論理回路を概念的に表したものである。信号源100から出力されたデータはイベント発生器10および初段の評価素子30に伝わる。イベント発生器10は信号源100の出力の変化を検出してイベントを発生させる。イベントは伝搬素子20によって伝搬される。また、イベントの伝搬に伴って各伝搬素子20から評価素子30にイベントが発せられる。各評価素子30は、対応付けられた伝搬素子20から発せられたイベントに基づいて、入力されたデータの評価を行う。従来の論理回路ではデータが評価素子を通じて伝搬されることによって回路が動作するのに対して、上記のように本発明に係る論理回路では、データとイベントとがそれぞれ異なるパスで伝播し、イベントを受けた評価素子のみが活性化して入力されたデータの評価を行う。
図2は、本発明に係る論理回路をダイナミック回路に拡張した場合の概念図である。各信号源100から出力された各データは、各イベント発生器10および初段の各評価素子30に伝わる。各イベント発生器10において発生した各イベントは、伝搬素子群200を伝播する。これに伴い伝搬素子群200から各イベントが発せられ、各評価制御器40に与えられる。イベントを受けた各評価制御器40は対応する各評価素子30(評価部)に制御信号を出力する。
本発明によると、スタティック回路およびダイナミック回路のそれぞれに固有の問題点が同時に解消され、イベント伝播による評価制御に関する動作、およびデータ伝播による関数評価に関する動作のそれぞれについて、互いに独立して回路要素および接続構成が最適化される。したがって、論理回路の入力負荷および活性化率の双方が同時に低減され、高速かつ低消費電力動作が可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、評価素子として、入力データを記憶する記憶素子31を備えている。本実施形態に係る論理回路の動作は次のとおりである。まず、信号源100の出力変化に伴い、イベント発生器10で発生したイベントが各伝搬素子20を伝播する。初段の記憶素子31は、初段の伝搬素子20から発せられたイベントに基づいて、信号源100から出力されたデータを記憶する。初段の記憶素子31に記憶されたデータは組み合わせ回路32によって論理演算が行われ、演算結果が次段の記憶素子31に与えられる。次段の記憶素子31は、対応付けられた伝搬素子20から発せられたイベントに基づいて、組み合わせ回路32から受けたデータを記憶する。
以上、本実施形態によると、信号源の出力が変化したときに影響を受ける記憶素子のみが動作する。したがって、論理回路全体の活性化率が低減される。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。本実施形態に係る評価素子は、キャパシタ301、イベントに基づいてキャパシタ301への電荷の充放電を制御する充放電制御器302、充放電制御器302の制御によってキャパシタ301を充電する充電デバイス303および放電する放電デバイス304、関数による放電パスを決定する評価論理回路305、およびインバータなどのスタティックゲート306を備えている。なお、キャパシタ301は強誘電体のものを用いるのが好ましい。
次に、本実施形態に係る評価素子の動作について、図5のタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、イベントが発生することによって充電デバイス303が動作し、キャパシタ301の電荷保持状態が初期化される。次に、放電デバイス304が活性化し、評価論理回路305による入力データの評価状態に応じてキャパシタ301の電荷が放電され、出力データが確定状態となる。そして、確定状態の出力データはインバータなどのスタティックゲート306を経由して次段の評価素子に伝播する。
以上、本実施形態によると、評価結果を保持する手段としてキャパシタを用いているため、論理回路が小型化される。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路において評価素子30は、伝搬素子20からイベントを受け、各種制御信号および基板バイアスを出力する評価制御器40と、評価制御器40による制御に従って、入力されたデータの評価を行う評価部30´とを備えている。
図7は、本実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。なお、評価制御器の記載は省略している。本実施形態に係る評価素子は、与えられた初期化制御信号に基づいてプリチャージ動作を制御するデバイス303、与えられた評価制御信号に基づいて評価動作を制御するデバイス304、関数による放電パスを決定する評価論理回路305、インバータなどのスタティックゲート306、および充放電した電位を保持するレベルキーパー307を備えている。デバイス304には、評価制御器によって制御される基板バイアスが印加されている。また、評価論理回路305を構成する各N型トランジスタについても同様の基板バイアスが印加されている。
次に、本実施形態に係る評価素子の動作について、図8のタイミングチャートを参照しながら説明する。イベントが発生することによって、各評価素子30が動作する間、各評価部30´に正方向の基板バイアスが印加される。イベントは順次評価素子30に発せられ、これに伴い、正方向の基板バイアスは順次評価部30´に印加される。
以上、本実施形態によると、イベントが発せられたときに、その制御対象の評価素子における評価部に正方向の基板バイアスが印加され、評価部を構成するトランジスタの性能が向上する。なお、評価部に逆方向の基板バイアスを常時印加しておいて、イベントに基づいてこの逆方向の基板バイアスの印加を停止するようにしてもよい。
ところで、初期化(プリチャージ)制御および評価制御が行われるダイナミック回路では、一般に、プリチャージが完全に終わるための十分なパルス幅、評価素子の入力データと各段の評価タイミングとの間のセットアップを確保する必要がある。
図9は、図4に示した評価素子のタイミングチャートである。この評価素子はプリチャージ期間以外では常に評価動作しており、さらに、ある評価素子のプリチャージが完全に終了することで次段の評価素子に出力されるデータが確定するため、制御信号生成時に、制御信号の最小パルス幅、および次段の制御信号との最小離隔の両方を制御する必要がある。このため、プリチャージ制御と評価制御とのタイミング調整が比較的困難である。
一方、図10は、図7に示した評価素子のタイミングチャートである。この評価素子では、プリチャージ制御および評価制御が互いに独立して行われる。すなわち、評価制御信号が非活性状態(図10では論理レベルLo)のとき、初期化制御信号が活性化(図10では論理レベルLo)すればプリチャージ制御が行われる。したがって、初期化制御信号のパルス幅のみをその生成時に制御し、評価制御信号については別途制御可能である。したがって、タイミング調整が比較的容易である。
なお、これら二つの評価素子の制御方法については、回路および配線のオーバーヘッド、ならびに設計生産性などを考慮して適宜選択するとよい。
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。本実施形態に係る評価素子は、図6の評価素子30と同様に、評価制御器と評価部とを備えている。なお、ここでは、評価制御器の記載は省略している。本実施形態に係る評価素子は、与えられた制御信号に基づいて入力データの通過および保持を切り替えるゲート回路308、および関数による放電パスを決定する評価論理回路305および309を備えたスタティック回路である。評価論理回路305および309は、それぞれ、複数のN型およびP型トランジスタで構成されている。また、ゲート回路308は、入力データを通過させる伝達デバイス310、および伝達デバイス310がオフのときに電位を保持するレベルキーパー311を備え、制御信号が活性化状態のとき、入力データを通過させる一方、それ以外のとき、直前の電位を保持する。なお、ゲート回路308に与えられる制御信号は、図6に示したような評価制御器40から出力されたものである。
次に、本実施形態に係る評価素子の動作について、図12のタイミングチャートを参照しながら説明する。イベントが発生することによって、各評価素子30が動作する間、制御信号が活性化し、入力データはゲート回路308を通過する。各評価素子30の制御信号は順次活性化し、これに伴い、各評価素子30の入力データは順次ゲート回路308を通過する。
以上、本実施形態によると、イベントが発せられたときに、評価素子において入力データがゲート回路を通過し、各評価論理回路によって評価される。これにより、各評価論理回路への入力のグリッチが抑制され、消費電力が低減する。
なお、ダイナミック回路形式の評価素子に上記のゲート回路を設けてもよい。特に、ダイナミック回路はグリッチに弱いため、上記のゲート回路を設けてグリッチの抑制をすることは大変効果がある。
ところで、本発明の特徴は、回路動作を、関数評価のきっかけとなるイベントの伝播と関数評価の入力となるデータの伝播とに分離し、イベント伝播による評価制御に関する動作およびデータ伝播による関数評価に関する動作のそれぞれについて、回路要素および接続構成を独立して最適化することにある。以下、いくつかの実施形態を示しながら、この特徴について詳細に説明する。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、イベント発生器10、およびm段(mは自然数)に縦続接続された伝搬素子20および評価素子30を備えている。以下、本実施形態に係る論理回路を例に、本発明の遅延パスの特性について説明する。
一般に、回路の最大遅延は、各要素の遅延の組み合わせ、すなわち、遅延パスで決定される。本発明に係る論理回路では、イベントの伝播とデータの伝播とが分離されているため、伝搬素子20および評価素子30のそれぞれを経由する遅延パスが存在する。ここで、各要素の遅延を表すために、Tdata[k](kは、初段の評価素子30から起算した評価素子30の段数、または、初段の評価素子20から起算した伝搬素子20の段数である。)、Tevent[k]、Tdata#[k]、Tevent#[k]という変数を定義する。Tdata[k]は、k段目の評価素子30のデータ入力から次段の評価素子30のデータ入力の直前までの遅延を表す。Tdata[0]は、信号源100から初段の評価素子30までの遅延を表す。Tevent[k]は、k段目の伝搬素子20のイベント入力から次段の伝搬素子20のイベント入力の直前までの遅延を表す。Tevent[0]は、信号源100からイベント発生器10を経由して初段の伝搬素子20までの遅延を表す。Tdata#[k]は、k段目の評価素子30のイベント入力から次段の評価素子30のデータ入力の直前までの遅延を表す。Tevent#[k]は、k段目の伝搬素子20のイベント入力からこの伝搬素子20に接続されている評価素子30のイベント入力の直前までの遅延を表す。
まず、イベント発生器10によってイベントが生成される際に遅延が生じるため、次の関係式が成り立つ。
Tevent[0]>Tdata[0]
なお、イベント発生器10の回路構成によっては遅延が改善され、Tevent[0]>Tdata[0]とはならない場合もあるが、ここでは、イベント発生器10における遅延が最悪の場合を想定して、上記の関係式を導いている。
次に、伝搬素子20は論理演算を行わないため、評価素子30よりも十分に遅延が少ないと考えられる。したがって、次の関係式が成り立つ。
Tevent[k]<<Tdata[k]
そして、イベントおよびデータの伝播遅延について、伝搬素子20および評価素子30の構造によって変化するものの、概ね次の関係式が成り立つ。
Tevent[k]≒Tevent#[k]
Tdata[k]≒Tdata#[k]
上記のことから、伝搬素子20を経由する伝播遅延は、評価素子30を経由する伝播遅延に比べて少なく、ある時点(k段目)まではイベント発生器10による遅延のために評価素子30を経由する遅延の方が少ないが、それ以降は伝搬素子20を経由する遅延の方が少ないと言える。したがって、次の関係式が成り立つ。
ΣTdata[0..k0]≦ΣTevent[0..k0-1]+Tevent#[k0]+Tdata#[k0]
ΣTdata[0..k0+1]>ΣTevent[0..k0]+Tevent#[k0+1]+Tdata#[k0+1]
ここで、評価素子30の段数の最大値はmであるから、本実施形態に係る論理回路の最大遅延(Max-Delay)は次式のようになる。
Max-Delay[0..m]=ΣTevent[0..k0-1]+Tevent#[k0]+Tdata#[k0]+ΣTdata[k0+1..m]
従来のCMOS回路では論理演算に使用する関数の構成によって信号の入力負荷が大きくなるのに対して、本発明に係る論理回路では、イベントが独立して伝播するため、評価素子30におけるデータ遅延は、従来のCMOS回路と比較して十分に小さい。したがって、従来のデータ伝播の遅延をTdata0として、次の関係式が成り立つ。
Tdata<<Tdata0
したがって、従来のCMOS回路の最大遅延をMax-Delay0として、次の関係式が成り立つ。
Max-Delay[0..m]<<Max-Delay0
図14は、本発明の論理回路の最大遅延分布を表す。縦軸はパス個数を表し、横軸は最大遅延を表す。本発明に係る論理回路にはイベント遅延およびデータ遅延の二つが存在し、これら二つを総合したものが最大遅延分布となる。上述したように、本発明に係る論理回路の最大遅延は従来よりも十分に小さいため、その分布もまた、従来よりも遅延が小さくなる方向に移動している。
(第6の実施形態)
一般に、論理回路には、回路構造の不均一性に起因する回路遅延のばらつきが存在する。クロックスキューによるオーバーヘッドやホールドタイム違反などを考慮した場合、最小遅延と最大遅延との差が小さいことが好ましい。そこで、本発明に係る論理回路について、回路構造が不均一な場合の遅延特性について説明する。
図15は、本発明の第6の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路では、評価素子30の回路構造が不均一であり、縦続接続された評価素子30について、m段(mは自然数)の最大遅延パスおよびn段(nはmよりも小さい自然数)の最小遅延パスが存在する。伝搬素子20は、評価素子30の最大遅延パスに対応して縦続接続されている。最大遅延パスおよび最小遅延パスの別にかかわらず、最終段から数えて等しい段数に位置する評価素子30は、同じ伝搬素子20からイベントを受ける。すなわち、初段の伝搬素子20から起算してk段目の伝搬素子20から発せられたイベントは、着目したデータ伝播パスにおいて、初段の評価素子30から起算して(k−m+n)段目の評価素子30に供給される。
ここで、k段目のとき、(k−m+n)=1となるとする。この場合、最小遅延パスは、1段目から(k−1)段目までは伝搬素子20のみで構成され、k段目以降は伝搬素子20および評価素子30で構成される。したがって、最小遅延(Min-Delay)は次式のようになる。なお、各変数は、第5の実施形態で説明したとおりである。
Min-Delay[0..m]=ΣTevent[0..k1-1]+Tevent#[k1]+Tdata#[k1]+ΣTdata[k1+1..m]
この式からわかるように、最小遅延は最小遅延パスの段数(n)とは無関係となる。従来のCMOS回路では、評価素子30の段数に応じて遅延が決定される。したがって、回路構造に不均一性がある場合、遅延分布は分散し、最大遅延パスと最小遅延パスとの差が比較的大きくなる。これに対して、本発明に係る論理回路では、最小遅延パスの段数と最大遅延パスの段数とが等しくなり、かつ、最小遅延パスおよび最大遅延パスに与えられるイベントの伝播パスが同じであるため、最小遅延は従来よりも十分に大きくなる。したがって、従来の最小遅延をMin-Delay0として、次の関係式が成り立つ。
Min-Delay[0..m]>>Min-Delay0
図16は、本発明に係る論理回路について不均一な回路構造を有する場合の遅延分布を表す。縦軸はパス個数を表し、横軸は遅延を表す。データ伝播パスの遅延分布は、回路構造の不均一性に起因して分散したものとなる。従来の論理回路の遅延分布もこれと同様である。一方、イベント伝播パスの遅延分布は、回路構造の不均一性に関わらず局在的なものとなる。そして、総合的な遅延分布は、イベント伝播パスの遅延特性が大きく影響し、局在的なものとなる。すなわち、本発明に係る論理回路では、回路構造が不均一であっても、最大遅延と最小遅延との差は比較的小さくなる。
(第7の実施形態)
次に、第5の実施形態で説明した本発明の遅延パスの特徴をより効果的にすることを考える。これには、評価素子および伝搬素子の内部回路構成を実質的に等しくし、伝搬素子の遅延特性を評価素子の遅延特性と近似させることが好ましい。図17は、本発明の第7の実施形態に係る評価素子および伝搬素子の回路構成を示す。具体的には、図17(a)に示した評価素子の入力の一部を固定信号に置き換えることにより、図17(b)に示した伝搬素子を構成する。これにより、評価素子および伝搬素子について、プロセスや温度などの各種ばらつきに対してそれぞれの特性が近似する。
図18は、本発明に係る論理回路において、評価素子および伝搬素子の内部回路構成を等しくした場合の遅延分布を表す。縦軸はパス個数を表し、横軸は遅延を表す。イベント伝播パスの遅延分布について、上記近似を行った場合、上記近似を行わない場合と比較して、より局在的な分布となる。したがって、本発明に係る論理回路の総合的な遅延分布もまたより局在的となる。すなわち、最大遅延と最小遅延との差がより小さくなる。
ところで、本発明に係る論理回路において、伝搬素子の回路要素および接続構成を工夫することで新たな利点が生じる。以下、この特徴についていくつかの例を示しながら説明する。
(第8の実施形態)
回路動作を、関数評価のきっかけとなるイベントの伝播と関数評価の入力となるデータの伝播とに分離した場合、伝搬素子および評価制御器について、回路および配線のオーバーヘッドを極力抑える工夫が必要となる。図19は、本発明の第8の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路では、一の評価制御器40に複数の評価部30´が対応付けられている。本実施形態では、いずれか一つの評価部30´および複数の評価部30´に共用された評価制御器40から一の評価素子が構成される。なお、伝搬素子20と評価部30´との対応関係は、第6の実施形態で説明した考え方に基づくことが好ましい。
以上、本実施形態によると、評価制御器の総数が削減され、回路面積および消費電力が低減される。なお、一の評価制御器に接続される評価部の個数は、配線負荷に伴う遅延の増加およびレイアウト効率などを考慮して決定することが望ましい。
(第9の実施形態)
回路動作をイベント伝播とデータ伝播とに分離した場合、評価素子に有効なデータが到着した後にイベントによる評価制御が行われるようにする必要がある。このため、イベントとデータとの間にタイミング制約が発生する。設計効率化を図ってセルベース設計を行う場合、このタイミング制約を自動設計で検証する工夫が必要となる。そこで、一の評価制御器に複数の評価部を対応付ける(たとえば、図19参照。)のではなく、評価制御器と評価部とを一対一に対応付けて回路構成を行うようにする。図20は、本発明の第9の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。各評価素子30は、評価制御器40および図19に示した評価部30´を備えている。なお、伝搬素子20と評価素子30との対応関係は、第6の実施形態で説明した考え方に基づくことが好ましい。
図21は、本実施形態に係る評価素子30のライブラリモデルを概念的に表したものである。データおよびイベントに関するセットアップ/ホールド制約300A、データ入力を起点とする遅延300B、およびイベント入力を起点とする遅延300Cを定義することによって、評価素子30のライブラリモデルが、フリップフロップやラッチなどの順序素子と類似したものとなる。これにより、自動設計ツールでの検証が容易になる。
なお、本実施形態に係る論理回路の設計思想と第8の実施形態に係る論理回路の設計思想とは相反する関係にあるため、設計対象によってこれらを使い分け、あるいは組み合わせるとよい。
(第10の実施形態)
一の評価素子から複数の評価素子にデータが伝播する場合、回路の活性化率が増大するおそれがある。図22は、評価素子が不要な動作を起こすおそれのある論理回路の概略構成を示す。この論理回路では、信号源101の出力が変化した場合、信号源102に接続された評価素子30にもイベントが発せられる。この結果、信号源102の出力が変化していないにもかかわらず、この評価素子30が不要に動作し、電力を無駄に消費してしまう。
図23は、本発明の第10の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、2以上のイベントを統合する統合素子50を備えている。信号源101および102のそれぞれの出力変化によって発生したイベントは、統合素子50に入力され、一の新たなイベントとして出力される。信号源101の出力変化によって発生したイベントは、信号源102に接続された評価素子30に与えられることはない。したがって、この評価素子30が不要に動作することはない。
なお、本実施形態に係る論理回路では、伝搬素子20および統合素子50の増加により、回路要素および配線が増加したり、レイアウト効率が低下したりするおそれがある。本実施形態に係る論理回路の設計思想と図22の論理回路の設計思想とは相反する関係にあるため、設計対象によってこれらを使い分け、あるいは組み合わせるとよい。
(第11の実施形態)
イベントの実体であるイベント信号について、イベントの初期状態を論理レベルHiとし、論理レベルがHiからLoに遷移することをもってイベントの発生として定義したとき、イベントの発生後、何らかのタイミングでイベント信号を初期状態の論理レベルHiに戻す必要がある。このようなイベントの初期化にクロックを用いることも可能であるが、クロック負荷に伴い消費電力が増加するため好ましくない。そこで、クロック以外によるイベントの初期化を考える。
図24は、本発明の第11の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、イベント初期化回路60を備えている。イベント初期化回路60は、伝搬素子20のいずれかからイベント初期化信号を受け、イベント発生器10が発生させたイベントを初期化する。
図25は、本実施形態に係る論理回路のタイミングチャートである。2段目の伝搬素子20からイベント初期化信号を受けることによって、イベント発生器10が発生させたイベントは初期化される。このように、伝搬素子20とイベント発生器10とのハンドシェイク動作によって、イベントの伝播が終了した後に初期化を行うといった非同期動作が可能となる。これにより、回路の消費電力が低減する。
なお、イベント初期化回路60は、初段の伝搬素子20からイベント初期化信号を受けるようにしてもよい。また、イベント初期化信号として、伝搬素子20が出力するイベントを用いることが可能である。
(第12の実施形態)
イベント発生器に不具合が発生すると、信号源の出力が変化してもイベントが発生されなくなり、論理回路が動作しなくなるおそれがある。そこで、イベント発生器が正常か否かを判定可能にすることを考える。図26は、本発明の第12の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、テスト制御器70を備えている。テスト制御器70はイベント発生器10にテスト信号を出力する。イベント発生器10は、テスト信号を受けると、信号源100の出力変化の有無にかかわらずイベントを発生させる。これにより、イベント発生器10が正常にイベントを発生させることができるか否かが判定できる。
(第13の実施形態)
一般に、ドミノ回路に代表されるダイナミック回路では、プリチャージ期間における貫通電流を防ぐために評価制御を行う必要がある。具体的には、入力データの評価を行う評価論理回路と直列に、評価制御を行うデバイスを接続して、貫通電流が流れるのを防いでいる。しかし、評価制御を行うことにより遅延が増大するため、評価制御が不要な部分では評価制御を行うデバイスを省略することが望ましい。
図27は、本発明の第13の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。すでに述べたように、本発明に係る論理回路では、ある時点(k段目)までは、イベント発生器10による遅延のため、イベントよりもデータの方が各評価素子30に先着するが、それ以降は、イベントの方が先着する。さらに、k+1段目以降については、入力データが初期化状態になってからイベントが到着する場合と、入力データが初期化状態になる前にイベントが到着する場合とがある。したがって、図27に示したように、本発明に係る論理回路は、データが先着する部分Xと、イベントが先着する部分Yとに区分することができる。イベントが先着する部分Yは、さらに、入力データ初期化がイベント到着よりも先行する部分Y1と、イベント到着が入力データ初期化よりも先行する部分Y2とに区分することができる。
部分Xおよび部分Y2に属する評価素子30A(以下、タイプIと呼ぶ。)は、貫通電流が流れるのを防ぐため、たとえば、図7に示した評価素子と同様に、評価部30´は評価制御器40から評価制御信号を受け、評価動作を行う。一方、部分Y1に属する評価素子30B(以下、タイプIIと呼ぶ。)については、イベントが到着したときには入力データが初期化されており、かつ、データが到着したときにはすでにプリチャージが完了しているため、評価制御を特に行わなくても貫通電流が流れることはない。図28は、評価素子30Bの回路構成図である。なお、評価制御器の記載は省略している。評価素子30Bでは評価制御を行うデバイスが省略されている。
評価素子のタイプの別は次の方法に従って決定するとよい。すなわち、初段の評価素子から数えてp段目(pは自然数)の評価素子について、プリチャージ後の入力データ到達時間をTdtp[p]、出力データの確定時間をTdt[p]、そして、評価制御の開始時間をTev[p]とする。ここで、p=1のとき、次の関係式が成り立つ。
Tdt[p]<Tev[p]
なお、イベント発生器10の回路構成によっては遅延が改善され、Tdt[p]Tev[p](ただし、p=1)とはならない場合もあるが、ここでは、イベント発生器10における遅延が最悪の場合を想定して、上記の関係式を導いている。また、p≧2のとき、次の関係式が成り立つ。
Tdtp[p]<Tev[p]
Tdtp[p]<Tdt[p]
そして、p≧2においてTev[p]、Tdt[p]およびTdtp[p]の関係が、Tdt[p]≦Tev[p]またはTev[p]≦Tdtp[p]の場合にはタイプIを選択し、Tdtp[p]<Tev[p]<Tdt[p]の場合にはタイプIIを選択する。
図29は、本実施形態に係る論理回路のタイミングチャートである。k段目までの評価素子にはイベントよりもデータの方が先に到着しており、また、k+1段目以降でイベント到着が入力データ初期化よりも先行する部分Y2に属する評価素子(本例では、m段目の評価素子)については、イベントが到着したときに入力データの初期化はまだ行われていない。しかし、評価制御が有効であるため、たとえ入力データによって貫通電流が流れるパスが形成され、プリチャージが行われても、貫通電流が流れることはない。
一方、k+1段目以降で入力データ初期化がイベントの到着よりも先行する部分Y1に属する評価素子(本例では、k+1段目の評価素子)については、データよりもイベントの方が先に到着し、かつ、イベントが到着したときには入力データが初期化されている。このため、データが初期化されてから到着するまでの間にプリチャージが行われ、その後に到着したデータが評価されることとなる。したがって、この場合にも、貫通電流は流れない。
以上、本実施形態によると、論理回路を構成する評価素子の一部について評価制御用のデバイスが省略となるため、遅延の増大が抑制される。また、論理回路の回路規模がより小さくなる。
(第14の実施形態)
一般に、加算器などの回路では最終段に排他的論理和(XOR)を代表とする反転論理が必要となる。そこで、本発明に係る論理回路によって反転論理を実現することを考える。図30は、本発明の第14の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、データ伝播の最終段に評価記憶素子80を備えている。評価記憶素子80は、評価部810および記憶部820を備えている。
図31は、評価記憶素子80の回路構成を示す。評価部810は、入力の極性反転および非反転を出力する極性反転回路811、および極性反転回路811の出力について論理演算を行う評価論理回路812を備えたダイナミック回路である。なお、極性反転回路811および評価論理回路812によって入力データの排他的論理和が演算される。また、記憶部820は、ダイナミック回路のインバータなどのスタティックゲートのプルダウンパスに設けられたプルダウン制御デバイス821、および出力データを記憶する記憶回路822を備えている。
評価部810および記憶部820は、いずれも、イベントとは異なるクロックによって制御される。クロックの論理レベルがLoのとき、評価部810はプリチャージ制御され、Hiのとき評価制御される。プリチャージ期間中は、記憶部820におけるプルダウン制御デバイス821がオフになるため、出力データはプリチャージ前の状態が保持される。そして、評価期間にプルダウン制御デバイス821がオンとなり、出力データが更新される。なお、評価部810による評価結果が確定してからわずかに遅れてプルダウン制御デバイス821をオンにすることが好ましいため、記憶部820にバッファ823を設けている。
図32は、本実施形態に係る評価記憶素子のタイミングチャートである。評価記憶素子80は、実質的に論理評価機能を有するレジスタとして動作する。したがって、評価記憶素子80の動作には、クロックの立ち上がりエッジに対してデータのセットアップ制約が存在する。また、図31に示した評価記憶素子80の構成では、クロックが論理レベルHiの期間は常に評価部810が評価動作しているため、クロックの立ち下がりエッジに対してデータのホールド制約が存在する。
以上、本実施形態によると、排他的論理和を実現する論理が構築されるため、加算器などの論理回路が実現される。
(第15の実施形態)
第14の実施形態に係る評価記憶素子80には、図32に示したように、データのホールド制約が存在するため、クロックの半周期の間は、入力データが確定している必要がある。入力データの最小遅延が半周期以上でない場合、ホールド制約を満たすことができなくなる。しかし、一般に、クロック周期は用途に応じて変更されるものであるため、第14の実施形態に係る評価記憶素子80の場合、動作周波数が限定されてしまう。そこで、評価記憶素子のタイミング制約の緩和について考える。
図33は、本発明の第15の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路において評価記憶素子80Aは、初期化制御器41、評価部810A、および記憶部820を備えている。初期化制御器41は、評価制御器40と同様の構成をしており、伝搬素子20からイベントを受けたとき、初期化制御信号を出力する。
図34は、評価記憶素子80Aの回路構成を示す。評価部810Aは、初期化制御器41から出力された初期化制御信号に従ってプリチャージ動作をする一方、与えられた評価制御信号に従って評価動作をする。なお、記憶部820におけるプルダウン制御デバイス821は、この評価制御信号をバッファ823によってわずかに遅延させた信号に従って動作する。
図35は、本実施形態に係る評価記憶素子のタイミングチャートである。評価制御信号は初期化制御信号とは独立しており、活性化(本例の場合、論理レベルHi)の期間は任意である。評価制御信号の活性化期間を比較的短く設定した場合、評価制御信号の活性化によって評価動作を行う評価部810Aについて、評価制御信号の立ち下がりエッジに対するデータのホールド制約が存在しない。
以上、本実施形態によると、評価記憶素子に係るプリチャージ制御と評価制御との間のタイミング制約が緩和される。
(第16の実施形態)
一般に、CMOS回路に代表されるスタティック回路では、データの論理値は一のデータ線上の論理レベルに対応している。すなわち、論理レベルがHiのとき、論理値はたとえば“1”であり、論理レベルがLoのとき、論理値はたとえば“0”である。したがって、データ線上での論理レベルは、LoからHiへ、または、HiからLoへと双方向に遷移する。これに対して、ドミノ回路に代表されるダイナミック回路では、データの論理値に対応してデータ線が存在する。各データ線の論理レベルは、常に初期状態(たとえば、論理レベルLo)を起点とし、LoからHiへと単方向に遷移するのみである。したがって、ダイナミック回路によって反転論理を含むすべての論理を構成するには、デュアル・レイル構成のように正極性および負極性信号およびこれら信号に対応した回路が必要となり、ダイナミック回路によって得られる利点の一部が失われてしまう。そこで、本発明に係る論理回路にシングル・レイル構成を適用することを考える。
図36は、本発明の第16の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路では、信号源100から初段の評価素子30に出力されるデータは双方向遷移の論理に基づく一方、2段目以降の評価素子30内部におけるデータおよび伝搬されるデータは単方向遷移の論理に基づく。これにより、初段の評価素子30において反転論理が実現でき、加法標準形の論理が構築可能となる。
図37は、本実施形態の論理回路のタイミングチャートである。初段の評価素子30では、入力データの確定後、十分なセットアップを確保してから評価制御が行われる。2段目以降の評価素子30では、入力データが単方向遷移の論理に基づいているため、入力データの初期値に対して十分なセットアップを確保してから評価制御が行われる。なお、図37に示した各変数については、第13の実施形態で説明したとおりである。
以上、本実施形態によると、シングル・レイル構成のままで反転論理を含むすべての論理が表現可能となる。したがって、データ線および回路の増大が抑制され、ダイナミック回路によって得られる利点が最大限に生かされる。
(第17の実施形態)
図36に示した論理回路において、信号源100にフリップフロップの正極性出力および負極性出力を用いた場合、初段の評価素子30は、入力データについて十分なセットアップを確保してから評価を行う必要がある。一般に、このようなセットアップを確保する場合、クロックスキューや波形なまりなどを考慮してマージンを設定する必要があるが、これは速度スペックの観点からして好ましくない。したがって、このようなマージンを削減すべく、初段の評価素子30にデータを出力する回路として、単方向遷移をし、かつ、正極性および負極性の両方の出力を有するデュアル・レイル論理に基づいた回路を使用することが望ましい。しかし、そのような回路は、フリップフロップとは異なり、出力が更新されるごとに初期状態となるため、出力変化の検出が困難である。そこで、本発明に係る論理回路における最終段の評価素子はまた新たな信号源となることに着目し、この最終段の評価素子と、この評価素子を信号源とするイベント発生器とを組にして回路構成することを考える。
図38は、本発明の第17の実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。なお、評価制御器の記載は省略している。評価素子30Dは、正論理評価部320、負論理評価部330およびインバータなどのスタティックゲート340を備え、さらに、イベント発生器10Aを備えている。正論理評価部320は、入力データの論理評価を行う評価論理回路321を有する。負論理評価部330は、入力データの論理反転を行う論理反転回路331、およびこの反転したデータの論理評価を行う評価論理回路332を有する。一方、イベント発生器10Aは、ゲート回路11、記憶回路12および区間比較回路13を備えている。記憶回路12は、プリチャージ直前の評価素子30Dの出力を記憶する。区間比較回路13は、記憶回路12に記憶された評価素子30Dの出力と、評価制御後の評価素子30Dの出力とを比較して、出力に変化が生じたか否かを検出する。
正論理評価部320および負論理評価部330は、図示しない評価制御器から与えられる初期化制御信号に従ってプリチャージ制御される。また、ゲート回路11は、初期化制御信号を受けたとき、評価素子30Dの出力を通過させて記憶回路12に与える。なお、記憶回路12に評価素子30Dの出力が記憶される状態更新制御のタイミングは、正論理評価部320および負論理評価部330のプリチャージ制御のタイミングよりもわずかに前であることが好ましいため、バッファ350を設けて、プリチャージ制御を遅らせている。
一方、正論理評価部320および負論理評価部330は、図示しない評価制御器から与えられる評価制御信号に従って評価制御される。また、区間比較回路13は、評価制御信号を受けたとき、評価素子30Dの出力変化の検出結果を出力する。なお、区間比較回路13の比較区間制御のタイミングは、正論理評価部320および負論理評価部330の評価制御のタイミングよりもわずかに後であることが好ましいため、バッファ14を設けて、比較区間制御を遅らせている。
図39は、本実施形態の評価素子のタイミングチャートである。評価素子30Dは、実質的に論理評価機能を有するレジスタとして動作する。したがって、評価素子30Dの動作には、クロックの立ち上がりエッジに対してデータのセットアップ制約、およびホールド制約が存在する。評価素子30Dの出力QおよびNQは、プリチャージ制御によって初期化され、評価制御後に確定状態となる。そして、評価制御の直後に出力変化の検出が行われ、検出結果Mが出力される。その後、次サイクルのプリチャージ制御の直前に状態更新制御が行われ、記憶回路12の記憶内容が評価後の内容に更新される。
図40は、本発明の第17の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。本実施形態に係る論理回路は、イベント発生器拡張110およびクロック生成器120を備えている。イベント発生器拡張110は、実質的に、第10の実施形態で説明した統合素子と、第11の実施形態で説明したイベント初期化回路とを組み合わせたものである。本実施形態に係るイベント発生器拡張110は、信号源101としての評価素子30D、および信号源102としての評価素子30Dのそれぞれから出力されたイベントAおよびBを、新たな一のイベントDに統合するとともに、イベント初期化信号Cを受けたとき、イベントDを初期化する。一方、クロック生成器120は、伝搬素子20からイベントを受けたとき、原クロックから所定のパルス幅の評価制御信号を生成し、評価素子30Dに出力する。この評価素子30Dはまた信号源103として機能する。
なお、図40では、伝搬素子20はバッファで構成されるものとしているが、第7の実施形態で説明したように、評価素子30と実質的に同様の回路構成にすることが好ましい。これにより、論理回路の遅延特性が改善される。
(第18の実施形態)
第3の実施形態に関して、図7に示したプリチャージ方式にすることでタイミング調整が比較的容易になること、また、第13の実施形態に関して、図27に示した回路構成にすることで貫通電流を発生させずに、評価制御を行うデバイスを省略可能であることを説明した。しかし、ここでプリチャージ制御についてさらに考慮すべき点が2点ある。
第1に、一定時間のパルスによってプリチャージを行う場合、評価素子の動作条件のばらつき、および、プリチャージに係る電荷を蓄えるダイナミックノードの容量ばらつきに対応すべく、十分なパルス幅を確保する必要がある。特に、遅延バッファによってパルス幅を確保する場合、動作条件によってダイナミックノードの充電時間が異なるため、最悪条件でもプリチャージができるように遅延量のマージンを設ける必要がある。このため、回路オーバーヘッドが大きくなる傾向にある。
第2に、本発明に係る論理回路に関して、イベントを発生させるための信号検出の粒度を決定する際、活性化率およびクロック負荷といった電力増加要因を削減するために、次のトレードオフが発生する。
1)活性化率:粒度を細かくするほど、活性化率を削減することができる。
2)クロック負荷:粒度を荒くするほど、ゲートの全入力がLoとなる条件が成立しやすくなり、評価制御を行うデバイス(以下、「フットデバイス」という)を削除した評価素子を適用しやすくなる。
上記の2点を本質的に解決するためには、プリチャージ制御を適応的に行い、条件に応じたパルス幅の制御、および、貫通電流が発生しない条件でのみプリチャージ動作を行う制御を行うことが望ましい。そこで、第18および第19の実施形態では、そのような適応的なプリチャージ制御が可能な評価素子を提供する。
図41は、本発明の第18の実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。本実施形態に係る評価素子は、遅延発生回路312、プリチャージ回路313、評価論理回路305を備えている。
遅延発生回路312は、直列に接続されたP型トランジスタ3121、および第1および第2のスイッチ回路としてのN型トランジスタ3122および3123を備えており、P型トランジスタ3121およびN型トランジスタ3123のゲートにはイベントが与えられる。また、N型トランジスタ3122のゲートはダイナミックノードdnに接続されている。そして、P型トランジスタ3121およびN型トランジスタ3122の接続点からイベントとは正負逆論理の遅延イベントを出力する。この構成によると、遅延イベントは、イベントを受けてから、ダイナミックノードdnの電圧レベルがN型トランジスタ3122の閾値レベルに達してN型トランジスタ3122がターンオンするまでの間だけ遅延して発生する。なお、遅延イベントの電圧レベルを維持するためのレベルキーパーや、イベントを受けたとき、当該電圧レベルを初期化するキーパープルダウン制御回路などを適宜設けてもよい。
プリチャージ回路313は、直列に接続されたP型トランジスタ3131および3132を備えている。P型トランジスタ3131のゲートにはイベントの反転が与えられる。また、P型トランジスタ3132のゲートには遅延イベントの反転が与えられる。
評価論理回路305は、図4などに示したものと同様に、入力データに対する論理演算結果に基づいてダイナミックノードdnの放電パスを構成するN型トランジスタツリーである。
なお、図41に示したように、正論理に基づくデータを出力するインバータなどのスタティックゲート306や、ダイナミックノードdnの電圧レベルを維持するレベルキーパー307Aを適宜設けてもよい。
また、イベントは正論理、すなわち、Hiレベルがイベント発生を表すものとして説明したが、本発明はイベントの論理極性にはかかわらず適用可能である。イベントが負論理、すなわち、Loレベルがイベント発生を表す場合には、たとえば、P型トランジスタ3131にはイベントを反転せずにそのまま与え、遅延発生回路312にイベントの反転論理を与えるようにするとよい。
次に、本実施形態に係る評価素子の適応プリチャージ制御について、図42のタイミングチャートを参照しながら説明する。時刻t1でイベントが活性化したことにより、プリチャージ回路313によるダイナミックノードdnへのプリチャージが始まる。ここで、プリチャージ回路313の駆動能力が比較的高い場合またはダイナミックノードdnの容量が比較的小さい場合(ケースA)、ダイナミックノードdnの電圧レベルがN型トランジスタ3122の閾値レベルVthに達するまでには比較的短い時間で済む(時刻t2)。一方、プリチャージ回路313の駆動能力が比較的低い場合またはダイナミックノードdnの容量が比較的大きい場合(ケースB)、ダイナミックノードdnの電圧レベルがN型トランジスタ3122の閾値レベルVthに達するまでには比較的長い時間を要する(時刻t3)。すなわち、ケースBよりもケースAの方がプリチャージの期間が短くなっており、適応的なプリチャージ制御が行われている。
(第19の実施形態)
図43は、第19の実施形態に係る評価素子の回路構成を示す。本実施形態に係る評価素子における遅延発生回路312Aは、図41に示した遅延発生回路312に、さらにレプリカ回路3124を追加したものである。
レプリカ回路3124は、N型トランジスタ3122に並列に接続されており、その論理構成および入力は、評価論理回路305と同じである。すなわち、評価論理回路305が放電パスを構成するとき、レプリカ回路3124も同様に両端が導通状態となる。
次に、評価論理回路305による放電パスが構成される評価条件成立時における、本実施形態に係る評価素子の適応プリチャージ制御について、図44のタイミングチャートを参照しながら説明する。時刻t1でイベントが活性化したことにより、プリチャージ回路313はダイナミックノードdnへのプリチャージを開始しようとするが、レプリカ回路3124において評価条件が成立しているため、すぐさま遅延イベントが活性化し、プリチャージは行われない。これにより、貫通電流の発生が抑制される。換言すると、本実施形態に係る評価素子では、貫通電流が発生しない条件でのみプリチャージ制御が行われる。
なお、レプリカ回路3124において評価条件が成立している場合に、遅延発生回路312がイベントを受けて遅延イベントを発生させるタイミングは、イベントが活性化してプリチャージが開始されるタイミングよりも、レプリカ回路3124での遅延時間相当だけ遅れている。このため、本来評価条件が不成立であるべきところが、データの到着遅延のために評価条件成立状態で先にイベントが入力された場合であっても、遅延イベントが活性化する前にデータが到着することにより評価条件は不成立となり、プリチャージ制御が行われる。すなわち、イベントとデータのタイミング制約に若干の余裕が存在することになる。従来のダイナミック回路では評価サイクルで入力データが確定していなければ誤動作となるが、本発明に係る論理回路では、誤動作に至るまでに若干の時間的余裕が存在する。現在のLSIは微細化が進み、経時劣化、ランダムばらつきなどによる遅延変動が大きな問題となっているが、本発明は、上述したように、イベントとデータのタイミング制約に時間的余裕をもたらし、遅延変動に対してロバスト性を付加するといった副次的効果を奏するものである。
(第20の実施形態)
本発明に係るイベント駆動型の論理回路について、データおよびイベントの出力波形について考慮すべき点が3点ある。
第1に、信号源のデータ更新前後の値の比較を行い、更新が検出された場合にイベントを発生させる場合、データ伝播経路よりもイベント伝播経路の方が論理段数が多くなる。ここで、初段の評価素子はイベントを受けてから動作を始めるため、イベント伝播経路における論理段数の増加は論理回路全体の動作遅延の要因となる。
第2に、二つ以上の信号源から出力されたデータが初段の評価素子に入力される場合、各信号源に対応するイベントが統合素子(図23参照)を経由した後に初段の評価素子に入力される。前述したように、初段の評価素子はイベントを受けてから動作を始めるため、イベントが統合素子を経由することによる遅延増加は論理回路全体の動作遅延に影響する。
第3に、イベント発生器からのイベント出力において、配線容量、抵抗による波形なまりなどによってパルス波形が消失する可能性がある。パルス波形消失を防ぐためには、十分なパルス幅を確保する必要がある。
上記の3点を本質的に解決するには、1)データ出力過程での状態変化検出、2)ワイヤードOR構成による論理段数削減、および、3)クロックのHi、Loレベルに応じてそれぞれ動作してパルス状の信号を出力するダイナミック回路の使用、などを考慮する必要がある。そこで、第20の実施形態では、イベント発生遅延のない論理回路を提供する。
図45は、本発明の第20の実施形態に係る論理回路の概略構成を示す。評価素子30は、初段の評価素子であり、信号源から出力されたnビットデータの各ビットb[0]〜b[n−1]に対応して設けられたn個のビット値評価回路33を備えている。イベント発生器10Bは、図示しない信号源から出力されたnビットデータの各ビットb[0]〜b[n−1]に対応して設けられたn個のビット変化検出回路15、プリチャージ回路としてのP型トランジスタ16、およびこれに直列に接続されたN型トランジスタ17を備えている。P型トランジスタ16およびN型トランジスタ17は、ゲートに下記のクロックCLKを遅延させた遅延クロックdclkを受けて、プリチャージ制御および評価制御を行う。なお、イベント発生器10Bに、正論理に基づくイベントMを出力するインバータなどのスタティックゲート18や、ダイナミックノードdn1の電圧レベルを維持するレベルキーパー19を適宜設けてもよい。
本実施形態に係る論理回路は、さらに、ダイナミック回路90を備えている。ダイナミック回路90は、クロックCLKに同期して、図示しない信号源からのデータINを評価して各ビットb[i](ただし、0≦i≦n−1)を、イベント発生器10Bにおける各ビット変化検出回路15および評価素子30における各ビット値評価回路33に与える。
なお、スキャンテスト可能にするためにデータ選択回路91を設けてもよい。データ選択回路91において、スキャンデータ選択信号SENがLoのとき、ダイナミック回路90には通常のデータINが入力され、スキャンデータ選択信号SENがHiのとき、ダイナミック回路90にはスキャンデータSIが入力される。
図46は、ビット変化検出回路15およびビット値評価回路33の回路構成を示す。以下、図46に示したダイナミック回路90、ビット変化検出回路15およびビット値評価回路33を含む回路を、イベント出力機能付きの評価素子30Eとして参照する。イベントMが非活性状態(ここではLoレベル)のとき、ビット値評価回路33におけるダイナミックノードdn2およびdn3はプリチャージされ、イベントMが活性化(ここではHiレベル)したとき、入力されたデータb[i]を評価して、信号OUTおよびNOUTのいずれか一方のパルスが出力される。たとえば、データb[i]が論理値“1”(ここではLoレベル)のとき、信号OUTのパルスが出力され、論理値“0”(ここではHiレベル)のとき、信号NOUTのパルスが出力される。なお、ここでは、信号OUTおよびNOUTは正論理に基づいているが、負論理に基づくものであってもよい。
一方、ビット変化検出回路15は、記憶回路151、および評価論理回路152および153を備えている。記憶回路151は、たとえば、図46に示したように2入力NANDをリング状に接続したRSラッチ回路で実現することができる。記憶回路151は、ビット値評価回路33におけるダイナミックノードdn2およびdn3の論理レベルをそれぞれセット信号およびリセット信号として受け、ビット値評価回路33の評価結果を記憶するとともに、記憶内容を信号qおよびその反転/qとして出力する。なお、スキャンテスト可能にするために記憶回路151の記憶内容を信号SOとして、また、スタティックデータとしての信号Qを、それぞれ外部に出力するようにしてもよい。
評価論理回路152は、直列に接続されたN型トランジスタ1521および1522を備えている。トランジスタ1521および1522は、それぞれ、ゲートにデータb[i]および記憶回路151の出力qを受ける。たとえば、データb[i]が論理値“0”(ここではHiレベル)であり、記憶回路151に記憶されている論理値が“1”、すなわち、信号qがHiレベルのとき、トランジスタ1521および1522はいずれもオンとなり、評価論理回路152は、ダイナミックノードdn1の放電パスを構成する。
同様に、評価論理回路153は、直列に接続されたN型トランジスタ1531および1532を備えている。トランジスタ1531および1532は、それぞれ、ゲートに反転されたデータb[i]および記憶回路151の信号/qを受ける。たとえば、データb[i]が論理値“1”(ここではその反転がHiレベル)であり、記憶回路151に記憶されている論理値が“0”、すなわち、信号/qがHiレベルのとき、トランジスタ1531および1532はいずれもターンオンして評価論理回路153は、ダイナミックノードdn1の放電パスを構成する。
評価論理回路152および153は並列に接続されているため、いずれか一方が放電パスを構成することによって、ダイナミックノードdn1にプリチャージされた電荷が放電され、その結果、イベントMが発生する。すなわち、ビット変化検出回路15は、記憶しているビットデータと入力されたビットデータが異なるとき、換言すると、信号源から出力されたデータが更新されたとき、イベントMが発生する。
図46に示した評価素子30Eから出力される信号SOが別の評価素子30Eの信号SIとして入力されるように接続することで、図47に示したようなシフトレジスタが構成される。各評価素子30Eは、ダイナミック回路またはスタティック回路から信号INを受け、ダイナミック回路には信号OUTおよびNOUTを、スタティック回路には信号Qを出力する。このように、当該レジスタは、信号Qがスタティック回路用の信号として利用可能なため、特にインタフェース用の回路を設けなくとも、ダイナミック回路とスタティック回路との間でデータを受け渡しすることができ、ダイナミック回路とスタティック回路とを混在させた回路設計が容易となる。
次に、本実施形態に係る論理回路の動作について、図48のタイミングチャートを参照しながら説明する。図48では、クロックCLKの4周期(期間A〜D)でデータb[i]が“1”、“1”、“0”、“0”と変化したことを想定している。
まず、期間Aにおいて遅延クロックdclkがLoの間、ダイナミックノードdn1はプリチャージされ、これにより、ダイナミックノードdn2およびdn3もまたプリチャージされる。遅延クロックdclkがHiとなったとき、記憶回路151の記憶値oldは“0”(信号/qがHiレベル)であり、データb[i]は“1”(その反転論理がHiレベル)であることにより、ダイナミックノードdn1の放電パスが構成され、ダイナミックノードdn1は放電してLoとなる。これにより、イベントMが出力される。また、このとき、ダイナミックノードdn2も放電し、イベントMの出力とほぼ同時に信号OUTのパルスが出力されるとともに、記憶値oldが“1”に更新される。
次に、期間Bにおいて遅延クロックdclkがHiとなったとき、記憶値oldおよびデータb[i]はいずれも“1”であるため、プリチャージされたダイナミックノードdn1の電圧レベルは変化しない。したがって、イベントM、ならびに信号OUTおよびNOUTのいずれも出力されない。
次に、期間Cにおいて、ダイナミックノードdn1〜dn3のプリチャージ後に、遅延クロックdclkがHiとなったとき、記憶回路151の記憶値oldは“1”(信号qがHiレベル)であり、データb[i]は“0”(Hiレベル)であることにより、ダイナミックノードdn1の放電パスが構成され、ダイナミックノードdn1は放電してLoとなる。これにより、イベントMが出力される。また、このとき、ダイナミックノードdn3も放電し、イベントMの出力とほぼ同時に信号NOUTのパルスが出力されるとともに、記憶値oldが“0”に更新される。
そして、期間Dにおいて遅延クロックdclkがHiとなったとき、記憶値oldおよびデータb[i]はいずれも“0”であるため、プリチャージされたダイナミックノードdn1の電圧レベルは変化しない。したがって、イベントM、ならびに信号OUTおよびNOUTのいずれも出力されない。
以上のように、本実施形態に係る論理回路によると、ビット値評価回路によるデータ出力と同時に信号源のデータ変化が検出され、データ伝播に対してイベント伝播が遅れることがない。また、ビット変化検出回路はワイヤードOR構成されるため、統合素子は不要であり、また、論理段数が削減される。さらに、イベントの論理レベルの遷移はクロックの派生信号(遅延クロック)に基づいているため、この派生信号を適切なクロック波形にすることで十分なパルス幅を有するイベントを生成することができる。
なお、上記の説明は正論理に基づくものであるが、負論理に基づくものであっても同様の効果を得られる。
(第21の実施形態)
図23に示した統合素子50は、CMOS回路によるOR論理構成で容易に実現可能である。しかし、単純なOR論理構成では、入力されるイベントが多い場合、P型トランジスタの直列段数が増加することによって入力容量が増大し、結果として、回路遅延を招くこととなる。
上記の問題を本質的に解決するには、N型およびP型トランジスタで相補論理を形成することなくOR論理を実現する必要がある。そこで、第21の実施形態では、相補論理を用いないOR論理を実現する統合素子を提供する。
図49は、第21の実施形態に係る統合素子の回路構成を示す。本実施形態に係る統合素子50Aは、入力されるm個のイベントev[0]〜ev[m−1]のそれぞれに対応するm個の活性検出回路51、およびm個の非活性検出回路52を備えている。これら活性検出回路51および非活性検出回路52は、いずれも共通のダイナミックノードdnに接続されている。なお、統合素子50Aに、正論理に基づくイベントMを出力するインバータなどのスタティックゲート53や、ダイナミックノードdnの電圧レベルを維持するレベルキーパー54を適宜設けてもよい。統合素子50Aから出力されるイベントMは、ダイナミックノードdnがLoレベルとなったときに活性化し、Hiレベルとなったとき非活性化する。
本実施形態に係る活性検出回路51は、プルダウン回路として動作し、対応するイベントev[j]が活性化(ここではHiレベル)してから所定期間、ダイナミックノードdnにグランド電圧を供給する。具体的には、活性検出回路51は、直列に接続されたN型トランジスタ5101および5102、および遅延反転回路5103を備えている。N型トランジスタ5101のゲートには対応するイベントev[j](ただし、0≦j≦m−1)が与えられる。遅延反転回路5103は、イベントev[j]を受け、これを反転して遅延させた遅延反転イベントを出力する。N型トランジスタ5102のゲートには遅延反転イベントが与えられる。なお、N型トランジスタ5102および遅延反転回路5103を省略して、単にN型トランジスタ5101のみで活性検出回路51を構成するようにしてもよい。
同様に、本実施形態に係る非活性検出回路52は、プリチャージ回路として動作し、対応するイベントev[j]が非活性化(ここではLoレベル)してから所定期間、ダイナミックノードdnに電源電圧を供給する。具体的には、非活性検出回路52は、直列に接続されたP型トランジスタ5201および5202、および遅延反転回路5203を備えている。P型トランジスタ5201のゲートには対応するイベントev[j]が与えられる。遅延反転回路5203は、イベントev[j]を受け、遅延反転イベントを出力する。P型トランジスタ5202のゲートには遅延反転イベントが与えられる。なお、P型トランジスタ5202および遅延反転回路5203を省略して、単にP型トランジスタ5201のみで非活性検出回路52を構成するようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る統合素子の動作について、図50のタイミングチャートを参照しながら説明する。時刻t1以前はダイナミックノードdnはHiレベルとなっており、時刻t1にイベントev[j]が活性化(ここではHiレベル)したことにより活性検出回路51によるディスチャージが開始され、イベントMが発生する。このディスチャージは、時刻t2に遅延反転イベントdnev[j]が活性化(ここではLoレベル)するまで継続する。そして、時刻t3にイベントev[j]が非活性化(ここではLoレベル)したことにより活性検出回路51によるディスチャージが終了し、非活性検出回路52によるプリチャージが開始され、イベントMは非活性化する。このプリチャージは、時刻t4に遅延反転イベントのdnev[j]が非活性化(ここではHiレベル)するまで継続する。こうして、ダイナミックノードdnは元のHiレベルに戻る。
以上、本実施形態によると、統合素子に入力されるイベントの活性化および非活性化をそれぞれ検出する活性検出回路および非活性化検出回路がワイヤードOR構成されるため、複数のイベントが入力される場合であっても、P型トランジスタの直列接続段数が増えることがない。したがって、複数のイベント入力に対する統合した新たなイベント出力の応答性がよくなる。
(第22の実施形態)
図50に示した統合素子50Aにおいて、活性検出回路51および非活性検出回路52のうちいずれかを1個のトランジスタで構成した場合、回路構成が簡易となり回路規模が削減される。しかし、この回路構成では、複数のイベントの発生タイミングによっては貫通電流が発生してしまうことがある。たとえば、あるイベントが活性状態にあり、1個のN型トランジスタで構成された活性検出回路51がプルダウン動作中に、別のイベントが非活性状態となり、ある非活性検出回路52がプリチャージ動作を行うことにより、貫通電流が発生する。そこで、第22の実施形態では、貫通電流の発生を抑制した統合素子を提供する。
図51は、本実施形態に係る統合素子の回路構成を示す。本実施形態に係る統合素子50Bは、活性検出回路51、遅延発生回路55およびプリチャージ回路56を備えている。
遅延発生回路55は、直列に接続されたP型トランジスタ5501、および第1および第2のスイッチ回路としてのN型トランジスタ5502および5503を備えている。ここでは、遅延発生回路55は、イベントev[j]に対応したものとして説明する。P型トランジスタ5501およびN型トランジスタ5502のゲートにはイベントev[j]が与えられる。N型トランジスタ5503のゲートはダイナミックノードdnに接続されている。また、N型トランジスタ5503に並列に複数のスイッチ回路としての複数のN型トランジスタ5504が接続されている。これらN型トランジスタ5504のそれぞれのゲートには、イベントev[j]以外のイベントが与えられる。そして、遅延発生回路55は、P型トランジスタ5501およびN型トランジスタ5503の接続点からイベントとは正負逆論理の遅延イベントを出力する。この構成によると、遅延イベントは、イベントev[j]以外のイベントが発生していない場合には、イベントev[j]を受けてから、ダイナミックノードdnの電圧レベルがN型トランジスタ5503の閾値レベルに達してN型トランジスタ3122がターンオンするまでの間だけ遅延して発生する。一方、イベントev[j]以外にいずれかのイベントが発生している場合には、遅延発生回路55は、イベントev[j]を受けると即座に遅延イベントを発生させる。なお、遅延イベントの電圧レベルを維持するためのレベルキーパーや、イベントを受けたとき、当該電圧レベルを初期化するキーパープルダウン制御回路などを適宜設けてもよい。
プリチャージ回路56は、直列に接続されたP型トランジスタ5601および5602を備えている。P型トランジスタ5601のゲートにはイベントev[j]が与えられる。また、P型トランジスタ5602のゲートには遅延イベントの反転が与えられる。
活性化検出回路51は、単体のN型トランジスタ5101で構成され、ダイナミックノードdnに対するプルダウン回路として動作する。
次に、本実施形態に係る統合素子の動作について、図52のタイミングチャートを参照しながら説明する。ここで、時刻t1以前において、イベントev[j]およびev[k]が活性状態にあるとする。時刻t1にイベントev[j]が非活性化(ここではLoレベル)したとき、プリチャージ回路56はダイナミックノードdnのプリチャージを開始しようとするが、遅延反転イベントdnev[j]がすぐさま活性化(ここではLoレベル)するため、プリチャージは行われない。そして、時刻t2にイベントev[k]が非活性化(ここではLoレベル)したとき、統合素子に入力されるすべてのイベントが非活性となり、遅延反転イベントdnev[k]が活性化する時刻t3までプリチャージが行われる。こうして、ダイナミックノードdnは元のHiレベルに戻る。
以上、本実施形態によると、統合素子に関して、貫通電流の発生を防ぎつつ、動作条件に応じたプリチャージ動作が実現される。
(第23の実施形態)
統合素子と評価素子との対応関係をどのようにするかによって回路全体の活性化率が左右される。また、どのような対応関係が活性化率を削減できるかについては回路構成に依存する。次に、並列加算器(Parallel Prefix Adder)に関して、本発明に係る論理回路を適用して活性化率を削減する構成について説明する。
並列加算器では、半加算値(Half Sum)とキャリー(Carry)とに分離して加算を行い、さらに、キャリーを生成(Generate)と伝播(Propagate)とに分解してそれぞれ計算し、最後にキャリーと半加算値を加算して加算結果を得る。特に、キャリー計算について4ビットごとに計算する形態をRadix−4並列加算器と呼ぶ。
図53は、第23の実施形態に係るRadix−4並列加算器の構成を示す。本実施形態に係る並列加算器は、キャリー生成信号(G)、キャリー伝播信号(P)、半加算信号(HS)、加算信号(SUM)の生成および計算を行う評価素子1010、各信号をバッファリングするだけの評価素子1020、値を保持する記憶素子1030、および各素子を繋ぐ信号経路1040から構成される。図53において、たとえば、1段目のキャリー生成信号および伝播信号の計算(P/G計算)を行う評価素子1010aは、ビット31〜28に関するP/G計算を行うことを表す。また、2段目のP/G計算を行う評価素子1010bは、1段目における評価素子1010aを含む4つの評価素子1010の出力からビット31〜16に関するP/G計算を行うことを表す。
さらに、本実施形態に係る並列加算器では、キャリー計算についてはイベント駆動型の評価素子を使用し、加算信号の計算を行う評価素子1010については一般的なCMOS回路を用いるものとする。図54は、本実施形態に係る並列加算器のイベントネットワークの構成を示す。本実施形態に係る並列加算器のイベントネットワークは、伝搬素子20、統合素子50および各素子を繋ぐイベント信号経路1050から構成される。また、本実施形態に係る並列加算器は、8個の4ビットレジスタ1060を備えている。各レジスタ1060は、図46に示した評価素子30Eで構成される。各レジスタ1060の各ビットの値は図46に示した記憶回路151が記憶している。また、各レジスタ1060における統合素子50は、4ビットのうちいずれかのビットの値が変化したときイベントを発生させる。これにより、1段目の各評価素子1010のデータが確定する前に、これら評価素子1010にイベントを供給することができる。
また、図53に示したように、評価素子1010aを含む4つの評価素子1010からデータを受ける評価素子1010bに対応して統合素子50を設け、データ信号経路とイベント信号経路とが同じトポロジとなるようにする。すなわち、P/G計算を行う評価素子1010に入力されるキャリー生成信号またはキャリー伝播信号を計算する評価素子1010に入力されるイベントを統合素子50によって統合し、この統合した新たなイベントを当該P/G計算を行う評価素子1010に与えるようにする。これにより、各評価素子1010の活性化率が削減される。
以上、本実施形態に係る並列加算器によると、ゲート遅延およびクロック負荷を削減しつつ評価素子の活性化率を削減することができる。これにより、ダイナミック回路特有の電力増加要因が削減される。
(本発明に係る論理回路のレイアウト)
本発明に係るイベント駆動型論理回路は、図4などに示したようにN型トランジスタで評価論理回路が構成される。したがって、本発明に係る論理回路をレイアウトするにあたって、P型およびN型トランジスタの数が同じことを前提とするCMOSセルのレイアウト方法をそのまま適用したのではゲート電極長が長くなりセルの入力容量が大きくなってしまうという不都合な点があるため、イベント駆動型論理回路に最適なレイアウト方法を適用することが望ましい。以下、イベント駆動型論理回路に好適なセルレイアウトについて説明する。
図55は、図43に示した評価素子を構成するトランジスタのレイアウトを示す。評価論理回路305を構成するN型トランジスタTr1とレプリカ回路3124を構成するN型トランジスタTr2とは対構成され、一のゲート電極GTで接続されている。そして、これらトランジスタTr1およびTr2は、Pch領域とNch領域との境界に対して垂直方向に延びるようにレイアウトされている。トランジスタTr1およびTr2の間のゲート電極上には入力端子INが設けられている。
このようなレイアウトによると、トランジスタTr1およびTr2を接続するゲート電極長が最短となり、ゲート入力容量が削減される。これにより、論理回路の動作の高速化および低消費電力化が実現される。また、入力端子INをトランジスタTr1およびTr2の間に設けることにより、入力端子INからトランジスタTr1およびTr2のいずれに対してもゲート電極長が最小化される。入力端子からトランジスタまでの距離が短い方がトランジスタは速く動作するため、上記のレイアウトにより、論理回路がより高速に動作するようになる。
ところで、本発明に係るイベント駆動型論理回路では、まずイベントを受けてから所定のノードのプリチャージを行い、次にデータを評価して評価論理成立時にはディスチャージを行う。したがって、プリチャージのトリガーとなるイベントは、データよりも早く評価素子に到着することが好ましい。また、イベントよりも先にデータの評価が行われた場合、プリチャージ時に貫通電流が発生してしまうことはすでに説明したとおりである。そこで、イベント駆動型論理回路では、伝搬素子を評価素子よりもデータの入力側、すなわち、信号源に近い側に配置して、イベント入力に係る配線長を少しでも短くすることが好ましい。
図56は、本発明に係るイベント駆動型論理回路のレイアウトを示す。伝搬素子20は、前段の伝搬素子20または図示しないイベント発生器からのイベントを入力端子INに受け、出力端子OUTから次段の伝搬素子20にイベントを出力する。評価素子30は、前段の伝搬素子20または図示しないイベント発生器からのイベントを入力端子INeに受け、また、前段の評価素子30または図示しない信号源からのデータを入力端子INdに受け、出力端子OUTdから次段の評価素子30にデータを出力する。このように、伝搬素子20を、この伝搬素子20からイベントを受ける評価素子30よりも信号源に近い側にレイアウトすることにより、評価素子30へのイベント入力に係る信号経路が短くなり、より早く評価素子30にイベントが入力されるようになる。これにより、貫通電流の発生が抑制され、論理回路全体としての消費電力が低減する。
(本発明の応用形態)
以下、本発明に係る論理回路の応用形態についていくつか例示する。図57は、本発明に係る論理回路を備えた通信装置の概観を示す。携帯電話500は、ベースバンドLSI501およびアプリケーションLSI502を備えている。ベースバンドLSI501およびアプリケーションLSI502は、本発明に係る論理回路を有する半導体集積回路である。本発明に係る論理回路は従来よりも少ない消費電力で動作可能であるため、ベースバンドLSI501およびアプリケーションLSI502ならびにこれらを備えた携帯電話500についてもまた低電力動作が可能となる。さらに、携帯電話500が備えている半導体集積回路であってベースバンドLSI501およびアプリケーションLSI502以外のものについても、当該半導体集積回路が備える論理回路を本発明に係る論理回路とすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る論理回路を備えた通信装置は、携帯電話に限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、通信システムにおける送信機・受信機やデータ伝送を行うモデム装置などを含むものである。すなわち、本発明によって、有線・無線や光通信・電気通信の別を問わず、また、デジタル方式・アナログ方式の別を問わず、あらゆる通信装置について消費電力低減の効果を得ることができる。
図58は、本発明に係る論理回路を備えた情報再生装置の概観を示す。光ディスク装置510は、光ディスクから読み取った信号を処理するメディア信号処理LSI511と、その信号の誤り訂正や光ピックアップのサーボ制御を行う誤り訂正・サーボ処理LSI512とを備えている。そして、メディア信号処理LSI511および誤り訂正・サーボ処理LSI512は、本発明に係る論理回路を有する半導体集積回路である。本発明に係る順序回路は従来よりも少ない消費電力で動作可能であるため、メディア信号処理LSI511および誤り訂正・サーボ処理LSI512ならびにこれらを備えた光ディスク装置510もまた低電力動作が可能となる。さらに、光ディスク装置510が備えている半導体集積回路であってメディア信号処理LSI511および誤り訂正・サーボ処理LSI512以外のものについても、当該半導体集積回路が備える論理回路を本発明に係る論理回路とすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る論理回路を備えた情報再生装置は、光ディスク装置に限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、磁気ディスクを内蔵した画像録画再生装置や半導体メモリを媒体とした情報記録再生装置などを含むものである。すなわち、本発明によって、情報が記録されたメディアの別を問わず、あらゆる情報再生装置(情報記録機能を含んでいてもよい)について消費電力低減の効果を得ることができる。
図59は、本発明に係る論理回路を備えた画像表示装置の概観を示す。テレビジョン受像機520は、画像信号や音声信号を処理する画像・音声処理LSI521と、表示画面やスピーカなどのデバイスを制御するディスプレイ・音源制御LSI522とを備えている。そして、画像・音声処理LSI521およびディスプレイ・音源制御LSI522は、本発明に係る論理回路を有する半導体集積回路である。本発明に係る論理回路は従来よりも少ない消費電力で動作可能であるため、画像・音声処理LSI521およびディスプレイ・音源制御LSI522ならびにこれらを備えたテレビジョン受像機520もまた低電力動作が可能となる。さらに、テレビジョン受像機520が備えている半導体集積回路であって画像・音声処理LSI521およびディスプレイ・音源制御LSI522以外のものについても、当該半導体集積回路が備える論理回路を本発明に係る論理回路とすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る論理回路を備えた画像表示装置は、テレビジョン受像機に限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、電気通信回線を通じて配信されるストリーミングデータを表示する装置をも含むものである。すなわち、本発明によって、情報の伝送方法の別を問わず、あらゆる画像表示装置について消費電力低減の効果を得ることができる。
図60は、本発明に係る論理回路を備えた電子装置の概観を示す。デジタルカメラ530は、本発明に係る論理回路を有する半導体集積回路である信号処理LSI531を備えている。本発明に係る論理回路は従来よりも少ない消費電力で動作可能であるため、信号処理LSI531およびこれを備えたデジタルカメラ530もまた低電力動作が可能となる。さらに、デジタルカメラ530が備えている半導体集積回路であって信号処理LSI531以外のものについても、当該半導体集積回路が備える論理回路を本発明に係る論理回路とすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明に係る論理回路を備えた電子装置は、デジタルカメラに限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、各種センサ機器や電子計算機など、およそ半導体集積回路を備えた装置全般を含むものである。そして、本発明によって、電子装置全般について消費電力低減の効果を得ることができる。
図61は、本発明の論理回路を備えた電子制御装置およびその電子制御装置を備えた移動体の概観を示す。自動車540は、電子制御装置550を備えている。電子制御装置550は、本発明に係る論理回路を有する半導体集積回路であって、自動車540のエンジンやトランスミッションなどを制御するエンジン・トランスミッション制御LSI551を備えている。また、自動車540は、ナビゲーション装置541を備えている。ナビゲーション装置541もまた電子制御装置550と同様に、本発明に係る論理回路有する半導体集積回路であるナビゲーション用LSI542を備えている。
本発明に係る順序回路は従来よりも少ない消費電力で動作可能であるため、エンジン・トランスミッション制御LSI551およびこれを備えた電子制御装置550もまた低電力動作が可能となる。同様に、ナビゲーションLSI542およびこれを備えたナビゲーション装置541もまた低電力動作が可能となる。さらに、電子制御装置550が備えている半導体集積回路であってエンジン・トランスミッション制御LSI551以外のものについても、当該半導体集積回路が備える論理回路を本発明に係る論理回路とすることによって、上記と同様の効果を得ることができる。ナビゲーション装置541についても同様のことが言える。そして、電子制御装置550の低消費電力化によって、自動車540における消費電力も低減することができる。
なお、本発明に係る論理回路を備えた電子制御装置は、上記のエンジンやトランスミッションを制御するものに限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、モータ制御装置など、およそ半導体集積回路を備え、動力源を制御する装置全般を含むものである。そして、本発明によって、そのような電子制御装置について消費電力低減の効果を得ることができる。
また、本発明に係る論理回路を備えた移動体は、自動車に限定されるべきではなく、これ以外にも、たとえば、列車や飛行機など、およそ動力源であるエンジンやモータなどを制御する電子制御装置を備えたもの全般を含むものである。そして、本発明によって、そのような移動体について消費電力低減の効果を得ることができる。
本発明に係る論理回路は、その入力負荷および活性化率がいずれも低いため、高速かつ低消費電力動作が要求される用途への適用が可能である。
本発明に係る論理回路の概念図である。 本発明に係る論理回路をダイナミック回路に拡張した場合の概念図である。 第1の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第2の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図4に示した評価素子のタイミングチャートである。 第3の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第3の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図7に示した評価素子のタイミングチャートである。 図4に示した評価素子のタイミングチャートである。 図7に示した評価素子のタイミングチャートである。 第4の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図11に示した評価素子のタイミングチャートである。 第5の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 本発明に係る論理回路の最大遅延分布図である。 第6の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 本発明に係る論理回路の遅延分布図である。 第7の実施形態に係る評価素子および伝搬素子の回路構成図である。 本発明に係る論理回路の遅延分布図である。 第8の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第9の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図20に示した評価素子のライブラリモデルを概念図である。 評価素子が不要な動作を起こすおそれのある論理回路の概略構成図である。 第10の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第11の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図24に示した論理回路のタイミングチャートである。 第12の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第13の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図27においてイベントが先着する部分に属する評価素子の回路構成図である。 図27に示した論理回路のタイミングチャートである。 第14の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図30に示した評価記憶素子の回路構成図である。 図30に示した評価記憶素子のタイミングチャートである。 第15の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図33に示した評価記憶素子の回路構成図である。 図33に示した評価記憶素子のタイミングチャートである。 第16の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図36に示した論理回路のタイミングチャートである。 第17の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図38に示した評価素子のタイミングチャートである。 第17の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 第18の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図41に示した評価素子のタイミングチャートである。 第19の実施形態に係る評価素子の回路構成図である。 図43に示した評価素子のタイミングチャートである。 第20の実施形態に係る論理回路の概略構成図である。 図45に示したビット変化検出回路およびビット値評価回路の回路構成図である。 図45に示した論理回路を用いて構成されたレジスタの構成図である。 図46に示した論理回路のタイミングチャートである。 第21の実施形態に係る統合素子の回路構成図である。 図49に示した統合素子のタイミングチャートである。 第22の実施形態に係る統合素子の回路構成図である。 図51に示した統合素子のタイミングチャートである。 第23の実施形態に係るRadix−4並列加算器の構成図である。 図53に示した並列加算器のイベントネットワークの構成図である。 図43に示した評価素子を構成するトランジスタのレイアウト図である。 イベント駆動型論理回路のレイアウト図である。 本発明に係る論理回路を備えた通信装置の概観図である。 本発明に係る論理回路を備えた情報再生装置の概観図である。 本発明に係る論理回路を備えた画像表示装置の概観図である。 本発明に係る論理回路を備えた電子装置の概観図である。 本発明に係る論理回路を備えた電子制御装置およびその電子制御装置を備えた移動体の概観図である。 CMOS回路の概念図である。 ダイナミック回路の概念図である。
10,10A,10B イベント発生器
15 ビット変化検出回路
151 記憶回路
152 評価論理回路(第1の評価論理回路)
153 評価論理回路(第2の評価論理回路)
16 プリチャージ回路
20 伝搬素子
30,30A,30B,30D,30E 評価素子
30´ 評価部
305 評価論理回路
312,312A 遅延発生回路
3122 N型トランジスタ(第2のスイッチ回路)
3123 N型トランジスタ(第1のスイッチ回路)
3124 レプリカ回路
313 プリチャージ回路
31 記憶素子
33 ビット値評価回路
40 評価制御器
41 初期化制御器
50,50A,50B 統合素子
51 活性検出回路
52 非活性検出回路
55 遅延発生回路
5502 N型トランジスタ(第1のスイッチ回路)
5503 N型トランジスタ(第2のスイッチ回路)
5504 N型トランジスタ(複数のスイッチ回路)
56 プリチャージ回路
60 イベント初期化回路
70 テスト制御器
80,80A 評価記憶素子
810,810A 評価部
820 記憶部
1060 レジスタ
dn,dn1 ダイナミックノード(所定のノード)

Claims (36)

  1. 信号源から出力されたデータの変化を検出し、当該データが変化したことを示すイベントを発生させるイベント発生器と、
    前記イベントを連鎖的に伝搬する複数の伝搬素子と、
    初段が前記信号源から出力されたデータを受け、入力されたデータを評価して評価結果を連鎖的に伝搬する複数の評価素子とを備え、
    前記複数の伝搬素子のそれぞれは、前記複数の評価素子のうち対応する評価素子にイベントを発するものであり、
    前記複数の評価素子のそれぞれは、前記複数の伝搬素子のうち対応する伝搬素子から発せられたイベントを受け、かつ、前記イベントを受けたとき、入力されたデータの評価を行う
    ことを特徴とする論理回路。
  2. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、前記評価結果として、入力されたデータを記憶する記憶素子である
    ことを特徴とする論理回路。
  3. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、
    キャパシタと、
    入力されたデータについて論理演算を行い、当該演算結果に基づいて、前記キャパシタの放電パスの開閉を行う評価論理回路と、
    前記イベントに基づいて、前記キャパシタの充電、および前記放電パスを通じての前記キャパシタの放電を制御する充放電制御器とを有する
    ことを特徴とする論理回路。
  4. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、
    入力されたデータの評価を行う評価部と、
    前記イベントを受けてから所定期間、前記評価部に、相対的に正方向の基板バイアスを与える評価制御器とを有する
    ことを特徴とする論理回路。
  5. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、
    前記イベントを受けてから所定期間、入力端に与えられたデータの通過の可否を指示する制御信号を生成する評価制御器と、
    前記制御信号に基づいて、前記入力端に与えられたデータの通過および保持を切り替えるゲート回路と、
    前記ケート回路を通過したデータについて論理演算を行う評価論理回路とを有する
    ことを特徴とする論理回路。
  6. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の回路トポロジと前記複数の伝搬素子の回路トポロジとは、同一であり、
    前記複数の評価素子のそれぞれは、前記複数の伝搬素子のうちトポロジ的に対応するものからイベントを受けたとき、入力されたデータの評価を行う
    ことを特徴とする論理回路。
  7. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の伝搬素子は、前記複数の評価素子の回路トポロジにおいて前記信号源から最長となるパスに対応して、縦続接続されたものであり、
    前記複数の評価素子のうち最終段から起算してl段目(lは自然数)のものは、前記複数の伝搬素子のうち最終段から起算してl段目のものからイベントを受けたとき、入力されたデータの評価を行うものである
    ことを特徴とする論理回路。
  8. 請求項7に記載の論理回路において、
    前記伝搬素子の内部回路構成と前記評価素子の内部回路構成とは、実質的に等しい
    ことを特徴とする論理回路。
  9. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子のそれぞれは、制御信号が与えられたとき、入力されたデータの評価を行う評価部を有するものであり、
    当該論理回路は、
    前記複数の評価素子のうち少なくとも二つ以上のものに共用され、イベントを受けたとき、前記制御信号を生成する評価制御器を備えた
    ことを特徴とする論理回路。
  10. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、
    制御信号が与えられたとき、入力されたデータについて論理演算を行う評価論理回路と、
    前記イベントを受けたとき、前記制御信号を出力する評価制御器とを有する
    ことを特徴とする論理回路。
  11. 請求項1に記載の論理回路において、
    少なくとも2系統のイベントを受け、これらイベントを新たな一のイベントとして出力する統合素子を備えた
    ことを特徴とする論理回路。
  12. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の伝搬素子のいずれか一つは、前記イベントを受けたとき、イベント初期化信号を出力するものであり、
    当該論理回路は、
    前記イベント初期化信号を受けたとき、前記複数の伝搬素子のうち初段に入力されたイベントを初期化するイベント初期化回路を備えた
    ことを特徴とする論理回路。
  13. 請求項1に記載の論理回路において、
    テスト信号を出力するテスト制御器を備え、
    前記イベント発生器は、前記テスト信号を受けたとき、前記イベントを発生させる
    ことを特徴とする論理回路。
  14. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子のそれぞれは、
    入力されたデータの評価を行う評価部と、
    前記イベントを受けたとき、前記評価部を初期化するための初期化制御信号を出力する評価制御器とを有するものであり、
    前記初期化制御信号の到着よりもデータの到着の方が時系列的に早い評価素子における前記評価制御器は、さらに、前記評価部に、入力されたデータの評価を行わせるための評価制御信号を出力する
    ことを特徴とする論理回路。
  15. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記信号源と前記初段の評価素子との間に設けられたデータ線、および前記複数の評価素子のいずれか二つの間に設けられたデータ線は、いずれも単線であり、
    前記信号源から前記初段の評価素子に出力されるデータは、双方向遷移の論理に基づくものであり、
    前記初段の評価素子以降に伝搬されるデータは、単方向遷移の論理に基づくものである
    ことを特徴とする論理回路。
  16. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の最終段から出力されたデータについて、論理反転を含む論理演算を行う評価部と、前記評価部による評価結果を記憶する記憶部とを有する評価記憶素子を備えた
    ことを特徴とする論理回路。
  17. 請求項16に記載の論理回路において、
    前記評価記憶素子は、
    前記複数の伝搬素子の最終段から出力されたイベントを受けたとき、前記評価部を初期化するための初期化制御信号を出力する初期化制御器を有するものであり、
    前記評価部は、与えられた評価制御信号に基づいて、前記論理演算を行う
    ことを特徴とする論理回路。
  18. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の評価素子の少なくとも一つは、
    前記イベントを受け、これを遅延させた遅延イベントを発生させる遅延発生回路と、
    前記イベントを受けたとき、当該評価素子における所定のノードのプリチャージ動作を開始し、前記遅延イベントを受けたとき、当該プリチャージ動作を停止するプリチャージ回路と、
    入力されたデータについて論理演算を行い、当該演算結果に基づいて、前記所定のノードの放電パスを構成する評価論理回路とを有するものであり、
    前記遅延発生回路は、前記プリチャージ回路によって前記所定のノードがプリチャージされたとき、前記遅延イベントを発生させるものである
    ことを特徴とする論理回路。
  19. 請求項18に記載の論理回路において、
    前記遅延発生回路は、
    前記イベントを受けたときオンとなる第1のスイッチ回路と、
    前記所定のノードの電圧が所定レベルに達したときオンとなる第2のスイッチ回路とを有し、
    前記第1および第2のスイッチ回路がいずれもオンとなったとき、前記遅延イベントを発生させる
    ことを特徴とする論理回路。
  20. 請求項19記載の論理回路において、
    前記遅延発生回路は、前記第2のスイッチ回路に並列に接続され、前記評価論理回路と同じ論理構成および同じ入力のレプリカ回路を有する
    ことを特徴とする論理回路。
  21. 請求項20記載の論理回路において、
    前記評価論理回路を構成するトランジスタと前記レプリカ回路を構成するトランジスタとは対構成されており、
    前記評価論理回路およびレプリカ回路のデータ入力端は、前記対構成されたトランジスタ間にレイアウトされている
    ことを特徴とする論理回路。
  22. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記初段の評価素子は、前記信号源から出力されたデータの各ビットに対応して設けられ、前記イベント発生器から前記イベントを受けたとき、当該対応するビットの値を評価して評価結果を出力する複数のビット値評価回路を有するものであり、
    前記イベント発生器は、
    当該イベント発生器における所定のノードをプリチャージするプリチャージ回路と、
    前記信号源から出力されたデータの各ビットに対応して設けられ、かつ、並列に接続され、当該対応するビットの値の変化を検出したとき、前記所定のノードの放電パスを構成する複数のビット変化検出回路とを有し、
    前記所定のノードが放電したとき、前記イベントを発生させるものであり、
    前記複数のビット変化検出回路のそれぞれは、
    前記複数のビット値評価回路のうち対応するものから評価結果を受け、当該評価結果を記憶する記憶回路と、
    前記対応するビットの値が第1の論理値であり、かつ、前記記憶回路の記憶値が第2の論理値のとき、前記所定のノードの放電パスを構成する第1の評価論理回路と、
    前記第1の評価論理回路に並列に接続され、前記対応するビットの値が前記第2の論理値であり、かつ、前記記憶回路の記憶値が前記第1の論理値のとき、前記所定のノードの放電パスを構成する第2の評価論理回路とを有するものである
    ことを特徴とする論理回路。
  23. 請求項22に記載の論理回路において、
    前記複数のビット値評価回路のそれぞれは、
    前記評価結果が真のとき、前記イベント発生器から受けた前記イベントに同期した信号を出力する第1の出力端と、
    前記評価結果が偽のとき、前記イベント発生器から受けた前記イベントに同期した信号を出力する第2の出力端とを有する
    ことを特徴とする論理回路。
  24. 請求項22に記載の論理回路において、
    前記複数のビット変化検出回路のそれぞれは、当該ビット変化検出回路における記憶回路に記憶されている値を出力する出力端を有する
    ことを特徴とする論理回路。
  25. 請求項11に記載の論理回路において、
    前記統合素子は、
    前記少なくとも2系統のイベントのそれぞれに対応して設けられ、当該対応するイベントが活性化したとき、当該統合素子における所定のノードに第1の電圧を供給する複数の活性検知回路と、
    前記少なくとも2系統のイベントのそれぞれに対応して設けられ、当該対応するイベントが非活性化したとき、前記所定のノードに第2の電圧を供給する複数の非活性検知回路とを有し、
    前記所定のノードの電圧が前記第1の電圧となったとき、前記新たな一のイベントを活性化する一方、前記所定のノードの電圧が前記第2の電圧となったとき、前記新たな一のイベントを非活性化するものである
    ことを特徴とする論理回路。
  26. 請求項25に記載の論理回路において、
    前記複数の活性検知回路の少なくとも一つは、前記対応するイベントが活性化してから所定期間、前記所定のノードに前記第1の電圧を供給する
    ことを特徴とする論理回路。
  27. 請求項25に記載の論理回路において、
    前記複数の非活性検知回路の少なくとも一つは、前記対応するイベントが非活性化してから所定期間、前記所定のノードに前記第2の電圧を供給する
    ことを特徴とする論理回路。
  28. 請求項25に記載の論理回路において、
    前記複数の非活性検知回路の少なくとも一つは、
    入力されたイベントを遅延させた遅延イベントを発生させる遅延発生回路と、
    前記イベントを受けたとき、前記所定のノードのプリチャージ動作を開始し、前記遅延イベントを受けたとき、当該プリチャージ動作を停止するプリチャージ回路とを有するものであり、
    前記遅延発生回路は、
    前記イベントを受けたときオンとなる第1のスイッチ回路と、
    前記所定のノードの電圧が所定レベルに達したときオンとなる第2のスイッチ回路と、
    前記統合素子に入力されるイベントのうち前記第1のスイッチ回路に入力されるもの以外に対応して設けられ、かつ、前記第2のスイッチ回路に並列に接続され、当該対応するイベントを受けたときオンとなる複数のスイッチ回路とを有し、
    前記第1のスイッチ回路がオンとなり、かつ、前記第2のスイッチ回路および前記複数のスイッチ回路のいずれかがオンとなったとき、前記遅延イベントを発生させるものである
    ことを特徴とする論理回路。
  29. 請求項1に記載の論理回路において、
    前記複数の伝搬素子のそれぞれは、前記複数の評価素子のうち当該伝搬素子からのイベントを受けるものよりも、前記信号源に近い側にレイアウトされている
    ことを特徴とする論理回路。
  30. 請求項22記載の論理回路を備えた並列加算器において、
    前記初段の評価素子は、演算対象のレジスタであり、
    前記イベント発生器は、前記レジスタの値が変化したとき、前記イベントを発生させるものであり、
    前記複数の評価素子のそれぞれは、前記イベントを受けたとき、前記評価結果として、キャリー生成信号またはキャリー伝播信号を生成するものである
    ことを特徴とする並列加算器。
  31. 半導体集積回路を備えた通信装置であって、
    前記半導体集積回路は、請求項1に記載の論理回路を有する
    ことを特徴とする通信装置。
  32. 半導体集積回路を備えた情報再生装置であって、
    前記半導体集積回路は、請求項1に記載の論理回路を有する
    ことを特徴とする情報再生装置。
  33. 半導体集積回路を備えた画像表示装置であって、
    前記半導体集積回路は、請求項1に記載の論理回路を有する
    ことを特徴とする画像表示装置。
  34. 半導体集積回路を備えた電子装置であって、
    前記半導体集積回路は、請求項1に記載の論理回路を有する
    ことを特徴とする電子装置。
  35. 半導体集積回路を備えた電子制御装置であって、
    前記半導体集積回路は、請求項1に記載の論理回路を有する
    ことを特徴とする電子制御装置。
  36. 電子制御装置を備えた移動体であって、
    前記電子制御装置は、請求項35に記載の電子制御装置である
    ことを特徴とする移動体。
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