JP4766625B2 - 鋼製梁の貫通孔補強部材及びその貫通孔補強構造 - Google Patents

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本発明は、鉄骨造等において配管などのために鋼製梁のウェブに形成される貫通孔に対する補強技術に関する。
この鋼製梁に形成した貫通孔の補強手段としては、対象たる貫通孔の周辺部のウェブの片面に対して平板状の補強部材を溶接等により固着するもの(特許文献1中の従来技術参照)や、対象たる貫通孔の周辺部のウェブの両面に対して平板状の補強部材を溶接や高力ボルトにより固着するもの(特許文献2参照)が知られている。また、対象たる貫通孔にスリーブ状の補強部材を貫通させた状態で溶接するものや、菱形リング状の補強部材を対象たる貫通孔の周辺部のウェブに対して溶接等により固着するトラス形式のものも知られている。しかしながら、これらの従来技術のうち、対象たる貫通孔の周辺部のウェブの両面に対して平板状の補強部材を固着するタイプの場合には、大きな補強作用を比較的容易に確保できるものの、使用する補強部材の個数が裏表で倍になり溶接箇所も倍増することから、補強部材の固着作業に関する作業性に問題があった。また、対象たる貫通孔の周辺部のウェブの片面に対して平板状の補強部材や菱形リング状の補強部材を固着するタイプの場合には、固着作業に関する作業性はよいものの、必要な補強作用を確保すべく補強部材の寸法を大きくとろうとすると、梁のフランジ部に干渉して制約を受けるといった問題があった。すなわち、ウェブの両面に対して補強部材を固着するタイプの場合には固着作業の作業性に問題があり、他方のウェブの片面に対して補強部材を固着するタイプの場合には十分な補強作用の確保に問題があった。なお、対象たる貫通孔にスリーブ状の補強部材を貫通させた状態で溶接するタイプの場合には、補強効果が少なく耐力確保に不向きであるだけでなく、スリーブによって配管などの自由度が制約されるという問題があった。また、スリーブの分だけウェブに形成された貫通孔の有効開口面積が縮小されるという問題もあった。
特開昭63−35946号公報 実開平5−57149号公報
本発明は、以上のような従来の技術的状況に鑑みて開発したものであり、鋼製梁に対する補強部材の固着作業に関する作業性がよく、しかもより効率的な補強作用を得ることができ、材料の削減に有効であり、かつ補強部材と鋼製梁側との溶接部に対する応力集中の軽減にも有効な、鋼製梁に形成する貫通孔に対する優れた補強技術を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するため、種々の実験やシミュレーション解析を重ねた結果、鋼製梁に形成される貫通孔とほぼ同形の開口部を有し、断面が略矩形状からなるリング状の補強部材を前記貫通孔の周辺部のウェブの片面に溶接した状態において、前記鋼製梁に対して外力を加えた場合には、補強部材の断面において前記貫通孔の周縁部近傍の隅部と、その対角上の隅部を中心により大きな応力が生じていることが判明した。すなわち、前記補強部材からみて、そのリング軸心方向に沿った断面において、ウェブに近接する側の内周部と、ウェブから離れた側の外周部により大きな補強作用が必要とされ、中央部にはそれ程大きな補強作用は必要とされないことが判明した。本発明では、そのような観点から、鋼製梁に形成される円形の貫通孔とほぼ同形の開口部を有する外形が円形のリング状に形成するとともに、そのリングの軸心方向に沿った断面において両側部の肉厚に比べてそれらの両側部の間に位置する中央部の肉厚を小さく設定するという技術手段を採用した。また、その補強部材を用いて前記貫通孔の周辺部のウェブの片面に溶接して一体化することにより、鋼製梁に形成する貫通孔を補強するという技術手段を採用した。
本発明によれば、上述のように円形リングの軸心方向に沿った断面において両側部の肉厚に比べて中央部の肉厚を小さく設定した補強部材を用いて、貫通孔の周辺部のウェブの片面に対して溶接するという技術手段を採用したので、次の効果を得ることができる。
(1)補強部材の中央部の肉厚の縮小により、貫通孔に対するより効率的な補強作用が実現されるので、より少ない材料で合理的かつ十分な補強作用が得られ、延いてはコストの削減にも有効である。
(2)補強部材の中央部の肉厚の縮小により軽量化され、しかもウェブの片面に対する溶接作業だけで済むので、補強部材の固着作業に関する作業性がきわめてよい。
(3)補強部材が肉厚のある円形のリング状に構成されることから、鋼製梁を構成するフランジ部から受ける寸法的な制約も少ない。
(4)補強部材の中央部の肉厚の縮小により、溶接部に対する応力集中が緩和され、溶接部からの破壊の低減にきわめて有効であり、延いては塑性変形能力の向上も可能である。
本発明に係る鋼製梁の貫通孔補強技術においては、図1及び図2に示したように、鋼製梁1のウェブ2に形成される円形の貫通孔3とほぼ同形の開口部4を有する外形が円形のリング状からなる補強部材5が使用される。その補強部材5の開口部4の大きさに関しては、図3の(A)に示したように鋼製梁1のウェブ2に形成される貫通孔3と同じ大きさに設定してもよいし、(B),(C)に示したように貫通孔3に比べて若干大きくあるいは小さく設定して、その差分を溶接代として利用するようにしてもよい。図中6は溶接部を示したものである。また、図1に示したリングの軸心方向L−Lに沿った断面においては、図4の拡大図に示したように、補強部材5を構成する両側部a,cの肉厚Ta,Tcに比べてそれらの両側部a,cの間に位置する中央部bの肉厚Tbを小さく設定して、補強作用に必要のない部分を削減するようにしており、この点で特徴を有する。そして、主としてウェブ2に近接する部分aとその開口部4側の周縁部から立上がる中央部bによって貫通孔3周辺部のウェブ2が補強されて降伏耐力の低下や初期剛性の低下が防止され、ウェブ2から離れた部分cによって終局耐力や塑性変形能力が向上されることになる。補強部材5の具体的な断面形状に関しては、以下の実施例に例示するように種々の形態が可能である。


因みに、補強部材5の具体的な断面形状を設定するに際しては、その断面の外側面を結んだ矩形状断面の輪郭線を想定し、(1)0.15≦Ar/Aw≦0.7、(2)0.6≦Vr/Vw≦3.3、(3)0.5≦Hr/Tr≦5.0(Arは補強部材の真の断面積、Awは貫通孔によるウェブの欠損部の断面積、Vrは補強部材の真の体積、Vwは貫通孔によるウェブの欠損部の体積、Hrは補強部材の真の高さ、Trは想定矩形断面上の肉厚)の3つの条件を満たすように設定すれば、より簡便に効率的でかつ十分な補強作用を有する補強部材を得ることができる。なお、補強部材5の断面における外側面を結ぶことによりできる外形は、ほぼ矩形状に形成するのが原則であるが、例えば位置決め用の凹凸部などの性能上関係のない部分の多少の凹凸は構わない。また、補強部材5を構成する両側部a,cの肉厚Ta,Tcは必ずしも同じ寸法にする必要はなく、Tcは必要耐力に応じてTaより小さくすることが望ましい。なお、補強部材5を構成する中央部bの設置位置に関しては、前記貫通孔3の周縁部に近い側において両側部a,cを連結する位置に設ける形態が望ましいが、それらの両側部a,cの中間部において連結する形態も可能である。さらに、図3に示したように、補強部材5の前記貫通孔3の周辺部のウェブ2に対する溶接は、それらの補強部材5とウェブ2との間の一体化が可能な形態であれば、補強部材5の内周部あるいは外周部のいずれか一方とウェブ2とを溶接する形態でも、補強部材5の内周部と外周部の双方をウェブ2に溶接する形態でもよい。
図5は補強部材5の前記リング軸心方向L−Lの具体的断面形状に関する実施例を示したものである。この図5に例示した(イ)〜(ル)の実施例は、補強部材5が板状の両側部a,cと中央部bとの組合わせからなり、かつ中央部bの肉厚Tbが両側部a,cの肉厚Ta,Tcより小さく設定された場合を例示したものである。また、図6は補強部材5の前記リング軸心方向L−Lの具体的断面形状に関する他の実施例を示したものである。この図6に例示した(ヲ)〜(ム)の実施例は、矩形状断面の上面に凹部7を形成することにより補強部材5を構成する両側部a,cと中央部bとを形成した場合を例示したものである。本実施例の場合においても、凹部7の底部に位置する中央部bの肉厚Tbが両側部a,cの肉厚Ta,Tcより小さく設定されている。なお、両側部a,cの肉厚Ta,Tcとは、(ネ)、(ナ)で示したように必ずしも一致させる必要はない。また、(ム)の実施例で示したように、上下両面から凹部7を形成したものでもよい。因みに、図5及び図6は、各断面形状の左側面側をウェブ2に沿わせて溶接し、下方に開口部4が位置する向きにて示したものであり、とりわけ図6に示した(ヲ)〜(ム)の実施例のように、側部aのウェブ2と反対側の側面を開口部4側すなわち図中下方へ向けてウェブ2からの高さが高くなるように傾斜させた状態に形成すれば、補強作用を更に効果的に強化することが可能である。
本発明に係る補強部材の設置状態を示した縦断面図である。 同補強部材の設置状態を示した正面図である。 同補強部材の設置の形態を例示した部分拡大図である。 同補強部材を構成する各部を示した部分拡大図である。 補強部材の具体的断面形状に関する実施例を例示した縦断面図である。 補強部材の具体的断面形状に関する他の実施例を例示した縦断面図である。
符号の説明
1…鋼製梁、2…ウェブ、3…貫通孔、4…開口部、5…補強部材、6…溶接部、7…凹部

Claims (2)

  1. 鋼製梁に形成される円形の貫通孔とほぼ同形の開口部を有する外形が円形のリング状からなり、かつそのリングの軸心方向に沿った断面において両側部の肉厚に比べてそれらの両側部の間に位置する中央部の肉厚を小さく設定したことを特徴とする鋼製梁の貫通孔補強部材。
  2. 鋼製梁に形成される円形の貫通孔とほぼ同形の開口部を有する外形が円形のリング状からなり、かつそのリングの軸心方向に沿った断面において両側部の肉厚に比べてそれらの両側部の間に位置する中央部の肉厚を小さく設定した補強部材を用い、該補強部材を前記貫通孔の周辺部のウェブの片面に溶接して一体化することにより、鋼製梁に形成する貫通孔を補強したことを特徴とする鋼製梁の貫通孔補強構造。
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