JP4765293B2 - 光ファイバーケーブルのテンションメンバーとして用いられる繊維強化樹脂線状物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂線状物及びその製造方法に関し、特に、光ファイバーケーブル等の抗張力体、即ち、テンションメンバーとして用いられる繊維強化樹脂線状物及びその製造方法に関する。
光ファイバーケーブルは、複数の光ファイバーを含むケーブルであり、日本ではオフィス、マンション等に急速に普及してきている。光ファイバーケーブルには、光ファイバーが規定以上に伸びるのを防止するため、テンションメンバーが含まれている。光ファイバーケーブルは、例えば、特許文献1〜6に記載されている。
そして、このテンションメンバーとしては、特許文献6に記載されているようにアラミド繊維強化樹脂や、特許文献7に記載されているように、ガラス繊維強化樹脂が用いられている。なお、特許文献1〜7の全ての開示が本明細書に組み込まれる。
特開2003−15000号公報 特開2000−241681号公報 特開2003−107307号公報 特開平11−23925号公報 実用新案登録第2503790号公報 特開2000−199840号公報 特開平10−10382号公報
近年、光ファイバーケーブルは軽量化、コンパクト化が進み、光ファイバー自体の許容伸びも非常に小さいものが開発され光ファイバーケーブルの曲げ性能(以下、柔軟性と称する)が飛躍的に向上している。それに伴いテンションメンバー自体の柔軟性もより高いものが求められている。また、光ファイバーケーブルを室内でコネクター等に接続する工事作業において、中央に配置された光ファイバー部と両サイドに配置されたテンションメンバー部を分離する作業が行なわれる。その際には、テンションメンバー部を人手で握り締めたりして、引き裂くため、テンションメンバー部が非常に鋭角に屈曲され、柔軟性のないテンションメンバーではすぐに曲げ破壊を生じる。さらに、光ファイバーケーブルから引き裂き分離されたテンションメンバー部をコネクター等の固定個所に巻きつけるため、非常に小さな曲率に曲げられてもテンションメンバーとして張力を維持できることが期待されている。一方、引き裂き分離されたテンションメンバーはそれ自体で剛直性が求められ、接続作業中に自重でたるんだり、曲がったりしないような十分な作業性を有していなくてはならない。テンションメンバーの柔軟性と剛直性は相反する要求である。
アラミド繊維強化樹脂のテンションメンバーは、ガラス繊維強化樹脂のテンションメンバーに比較して、最小曲げ直径(円弧上に曲げたときテンションメンバーが座屈する限界の直径)が大きいという欠点や、テンションメンバーをボビンに巻き付けた後、使用のため巻ほぐした状態で、ボビンの巻径に対応した湾曲状を呈し、いわゆる巻癖が大きいという欠点や剛直性がないといった欠点がある。なお、特許文献6では、マトリックス樹脂として、過酸化物系触媒を含むビニルエステル樹脂が用いられている。
一方、ガラス繊維強化樹脂のテンションメンバーの場合でも、その最小曲げ直径Dが、該線状物の直径dの20倍未満であるような、高い柔軟性は持たなかった。特許文献7では、比較例として外形dが0.252mmのテンションメンバーが記載されているが、その最小曲げ直径Dは6〜7mmであり、D/dは20以上である。なお、特許文献7の実施例では、メタクリル酸エステル系単量体含有ノボラック型ビニルエステル樹脂がマトリックス樹脂として用いられている。
テンションメンバーでは、引張強度の絶対値を向上させ、なお且つ、最小曲げ直径Dを小さくすることは、相反する要求であり、特に、0.6mm以下の直径の極細テンションメンバーでは限界がある。即ち、従来のテンションメンバーでは、D/dが20以下である柔軟性の高いテンションメンバーは提供できなかった。また、ガラス繊維を使用した光ファイバーケーブルの場合に、光ファイバーケーブルの光ファイバーを芯出しする際に、テンションメンバー部を非常に小さな曲率に曲げることがある。そうすると、テンションメンバー部のガラス繊維が破断する。アラミド繊維を使用した光ファイバーケーブルの場合に、光ファイバーケーブルの光ファイバーを芯出しをする際に、テンションメンバー部を非常に小さな曲率に曲げると、アラミド繊維が圧縮側の強度が弱いため、圧縮側で永久座屈を起こし、破断しない。しかしながら、アラミド繊維を使用したテンションメンバーでは、ガラス繊維のような剛直性がないため、光ファイバーケーブルの接続作業中に自重でたるんだり、曲がったりして作業性に問題がある。
そこで、本発明者らはテンションメンバーにおいて、引張強度を維持しつつ、曲げ性能・柔軟性の向上を目的として鋭意研究し本発明を完成した。
本発明の第1の側面では、複数の無機繊維と、複数の有機繊維と、前記無機繊維と前記有機繊維との間のマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂線状物が提供される。
本発明において、前記有機繊維の周囲に前記無機繊維が配置されていることが好ましい。
また、前記有機繊維が前記無機繊維で実質的に囲まれていることが好ましい。
更に、前記無機繊維がガラス繊維であることが好ましい。
更にまた、前記ガラス繊維が、55〜79.9重量%のSiO、12.6〜32重量%のAl、4〜20重量%のMgOを含むことが好ましい。
更に、前記有機繊維がポリエステル繊維又は芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。
更にまた、前記マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましい。
更に、前記マトリックス樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。
更にまた、前記マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が15000mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を、熱カチオン重合触媒又は酸無水物により硬化させたものであることが好ましい。
更に、前記マトリックス樹脂は、前記液状エポキシ樹脂を平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂と共に硬化させたものであることが好ましい。
更にまた、前記マトリックス樹脂は、前記液状エポキシ樹脂を可撓性付与剤と共に硬化させたものであることが好ましい。
更に、前記マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が3500mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を前記熱カチオン重合触媒により硬化させたものであることが好ましい。
更にまた、前記繊維強化樹脂線状物の最小曲げ直径Dと前記繊維強化樹脂線状物の直径dの比であるD/dが20以下であることが好ましい。
また、前記繊維強化樹脂線状物の直径dが1mm以下であることが好ましい。
本発明の第2の側面では、複数の無機繊維と、複数の有機繊維と、前記無機繊維と前記有機繊維との間に配置されているマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂線状物の製造方法であって、複数の無機繊維と複数の有機繊維とを、液状未硬化樹脂組成物に含浸させる工程と、前記無機繊維と前記有機繊維と共に前記液状未硬化樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む、繊維強化樹脂線状物の製造方法が提供される。
本発明において、前記液状樹脂が、25℃にて粘度が15000mPa・s以下の液状エポキシ樹脂であり、前記液状エポキシ樹脂は熱カチオン重合触媒又は酸無水物を含むことが好ましい。
また、前記液状樹脂は、25℃にて粘度が3500mPa・s以下の液状エポキシ樹脂であり、前記エポキシ樹脂は熱カチオン重合触媒を含むことが好ましい。
更に、前記無機繊維がガラス繊維であることが好ましい。
また、前記ガラス繊維が、55〜79.9重量%のSiO、12.6〜32重量%のAl、4〜20重量%のMgOを含むことが好ましい。
更に、前記有機繊維がポリエステル繊維又は芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。
更にまた、前記硬化工程で、前記液状未硬化樹脂組成物を80〜200℃に加熱することが好ましい。
本発明の第3の側面では、光ファイバーと、テンションメンバーとを含む光ファイバーケーブルであって、前記テンションメンバーが上記の何れかに記載の繊維強化樹脂線状物である光ファイバーケーブルが提供される。
本発明の第1の側面では、無機繊維が繊維強化樹脂線状物の引張強度を維持している。一方、光ファイバーケーブルの接続作業中に繊維強化樹脂線状物が大きな曲げ変形を受けて、一部の無機繊維が破断しても、その他の無機繊維及び中心の有機繊維は破断しないので、テンションメンバーとして破壊されない。従って、引き裂き分離されたテンションメンバー部をコネクター等の固定個所に巻きつけることができ、最終的なケーブルの引張強度は有機繊維でも維持される。これに伴って、本発明の繊維強化樹脂線状物は、引張り強度が大きく、かつ、曲げ性能が高く、鋭利なコーナー部に巻きつけられても、有機繊維が破断せず、ひいては、繊維強化樹脂線状物がすることなく、引張性能を維持できる。
なお、無機繊維の周囲に無機繊維を囲むように、破断伸びが大きい複数の有機繊維を配置した場合には、剛直性能が劣り作業性が悪い。また、テンションメンバー部をコネクター等の鋭利な固定個所に巻きつける作業中に、中心の無機繊維が先に破断し、その部分を袋状に有機繊維が取り囲むので、テンションメンバー部の柔軟性が低下する。
したがって、本発明の繊維強化樹脂線状物では、中心部に破断伸びが大きい複数の有機繊維を配置し、この有機繊維の周囲に有機繊維を囲むように引張り強度が高い複数の無機繊維を配置することが好ましい。
無機繊維は、引張強度が3GPa以上であることが好ましく、有機繊維は、破断伸びが10%以上であることが好ましい。
また、本発明の繊維強化樹脂線状物のマトリックス樹脂がエポキシ樹脂の場合には、繊維強化樹脂線状物を光ファイバーケーブルに後加工する際に、熱可塑性樹脂の被覆工程における加熱処理時に悪影響を及ぼすスチレンガス等が発生せず、非常に良好な光ファイバーケーブルの加工が可能となる。
本発明の第2の側面では、繊維強化樹脂線状物の製造方法が提供され、これにより、引張り強度が大きく、かつ、曲げ性能が高い繊維強化樹脂線状物を得ることができる。
本発明の第3の側面では、上記テンションメンバーを用いることにより、曲げ性能と剛直性が高い光ファイバーケーブルを得ることができる。
図1は、本発明の繊維強化樹脂線状物の一実施態様を示す。繊維強化樹脂線状物とは、繊維で強化された樹脂を含む線状物をいう。図1の実施態様の繊維強化樹脂線状物1では、中心部の複数の有機繊維2の周囲に有機繊維2を囲むように、複数の無機繊維5が配置されている。有機繊維2と無機繊維5との間には、マトリックス樹脂4が位置している。
25〜800本の無機繊維5のモノフィラメントがヤーン3を形成してもよく、100〜200本の無機繊維5のモノフィラメントがヤーン3を形成することが好ましい。各々のヤーン3の横断面は、実質的に円形であることが好ましい。ヤーン3とヤーン3とは互いに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。図1では、隣接するヤーン3が接触していて、個々のヤーン3を区別し難くなっている。繊維強化樹脂線状物1は、2〜20本のヤーン3を含むことが好ましく、4〜10本のヤーン3を含むことが更に好ましい。
無機繊維により、細い繊維強化樹脂線状物であっても、十分な引張り強度を保持することができる。繊維強化樹脂線状物1の直径は、1.0mm以下であることが好ましく、0.6mm以下であることが更に好ましい。光ファイバーケーブルのテンションメンバーとしての用途では、このように細いことが求められるからである。また、繊維強化樹脂線状物1の直径は、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることが更に好ましい。
図1では、複数の有機繊維2を囲むように、複数の無機繊維5が配置されている。具体的には、中心の有機繊維2の周囲に有機繊維2を囲むように、複数の無機繊維5が配置されている。そして、有機繊維2は互いに接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
図1では、複数の有機繊維2が、9本の無機繊維5で囲まれている。例えば、図1の変形実施例として、無機繊維5が3本少なく、6本の無機繊維5が用いられている場合でも、有機繊維2が6本の無機繊維で実質的に囲まれていることになる。
本発明では、中央部に配置された破断伸びが高い有機繊維の周辺に高強度な無機繊維を配置しているため、繊維強化樹脂線状物は、高い剛直性と屈曲性を有し、最終破断までの曲げ直径を減少させることができる。
本発明の繊維強化樹脂線状物は、無機繊維の含有率が30〜60体積%であることが好ましい。無機繊維の含有率が30体積%以上である場合には、繊維強化樹脂線状物の剛性が向上する。一方、無機繊維の含有率が60体積%より大きい場合には、無機繊維と未硬化樹脂組成物との濡れ性が悪くなる。
本発明の繊維強化樹脂線状物は、有機繊維の含有率が10〜30体積%であることが好ましい。有機繊維の含有率が10体積%より小さい場合には、繊維強化樹脂線状物の曲げ性能を十分に向上することができない。一方、有機繊維の含有率が30体積%より大きい場合には、無機繊維と有機繊維の間に十分なマトリックス樹脂が存在しない場合がある。
マトリックス樹脂4及びヤーン6の外周は、熱可塑性樹脂7で被覆されている場合がある。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が用いられ、ポリエチレンのようなポリオレフィンが好ましい。なお、熱可塑性樹脂7は必須の構成ではない。
図2は、本発明の繊維強化樹脂線状物の他の実施態様を示す。有機繊維2の周囲に有機繊維2を囲むように、複数の無機繊維5が配置されている。具体的には、中心の有機繊維2の周囲に有機繊維2を囲むように、複数の無機繊維5が配置されている。本発明では、図2に示すように、マトリックス樹脂4から無機繊維5の外側が突出していてもよい。図2のように、マトリックス樹脂4が熱可塑性樹脂7で被覆される場合には、熱可塑性樹脂7とマトリックス樹脂4との接着が接着面積の増大と物理的形状によるくさび効果により増大し、ケーブルとなった後の品質が向上する。なお、図1の実施態様及び図2の実施態様と比較して、1本又は2本の無機繊維5が欠如している実施態様であっても、「有機繊維の周囲に無機繊維が配置されている」といえるし、また、「有機繊維が無機繊維で実質的に囲まれている」といえる。
無機繊維は、引張強度が3GPa以上であることが好ましい。本発明の繊維強化樹脂線状物では、中心部の有機繊維の周囲に有機繊維を囲むように引張り強度が高い複数の無機繊維を配置することが好ましいからである。
無機繊維は、破断伸びが4%以上であることが好ましく、破断伸びが5%以上であることが更に好ましい。繊維強化樹脂線状物を伸びないようにするためである。無機繊維の直径は、20μm以下が好ましく、15μm以下が更に好ましい。具体的には、無機繊維としては、ガラス繊維、セラミックス繊維、カーボンファイバー等を用いることができる。
ガラス繊維としては、例えば、55〜79.9重量%のSiO、12.6〜32重量%のAl、4〜20重量%のMgOを含むガラス組成物からなるガラス繊維を用いることができる。このガラス組成物は、また、1重量%未満のZrOを含んでいてもよい。例えば、米国特許第3,402,055に記載されているガラス繊維を用いることができる。ガラス繊維としては、日東紡績(株)から販売されている高強度ガラス繊維(商品名「Tガラス」)が、好適に使用できる。
ガラス繊維の表面がエポキシシラン処理されていることが好ましい。ガラス繊維とマトリックス樹脂との界面における濡れ性が向上するからである。
セラミックス繊維としては、例えば、クオーツ、δ−アルミナ、α−アルミナ、又は、炭化珪素からなる繊維を用いることができる。クオーツ、δ−アルミナ、又は、α−アルミナからなるセラミックス繊維は、例えば、三井鉱山マテリアル(日本、東京)から商業的に入手することができる。炭化珪素繊維は、有機ケイ素系高分子であるポリカルボシランを溶融紡糸して繊維とし、この繊維を融点以上の高温以上に加熱しても溶けないように不融化処理した後、不活性ガス中で焼成することにより、合成することができる。不融化処理はセラミック化の過程で高分子が溶融して繊維の形状が壊れてしまうことを防ぐためのプロセスである。
カーボンファイバーとしては、市販されているものを用いることができる。
有機繊維としては、繊維強化樹脂線状物の高い柔軟性を実現するために、破断のびが5%以上ある有機繊維が好ましい。破断のびが10%以上である有機繊維が更に好ましい。
無機繊維は、引張強度が3GPa以上であることが好ましい。有機繊維の周囲の無機繊維の引張強度が光ファイバーケーブルが巻き付けられたときなどに維持されるからである。
具体的には、有機繊維は、合成繊維であることが好ましく、合成繊維には、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリイミド繊維が含まれる。
ポリアミド繊維には、芳香族ポリアミド及び脂肪族ポリアミドが含まれる。芳香族ポリアミドには、いわゆるアラミド繊維が含まれる。脂肪族ポリアミドには、いわゆるナイロン繊維が含まれる。芳香族ポリアミドの繰り返し単位には、芳香族環(例えば、ベンゼン環)と、アミド結合(−C(=O)−NH−)とが含まれている。
アラミド繊維は高強力で耐熱性にも優れた「パラ系」と、難燃性、耐熱性の高い「メタ系」に分けられる。パラ系は同一重量の場合、引っ張り強度が鉄の8倍に達し、ロープやプラスチック、ゴム、コンクリートの補強に、メタ系は消防服、レーサー服などに使われている。パラ系アラミド繊維は、本発明にも好適に使用できる。
ポリエステル繊維は、繰り返し単位にエステル結合(−C(=O)−O−)が含まれている合成高分子からなる繊維をいう。ポリエステルには、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、全芳香族ポリエステル(クラレ・ベクトラン)などが含まれる。
本発明の繊維強化樹脂線状物に含まれるマトリックス樹脂については、マトリックス樹脂の破断伸びλが5.0%以上であり、かつ、マトリックス樹脂の弾性率が2GPa以上であることが好ましい。この条件を満たした場合には、繊維強化樹脂線状物が破断しない限界の曲げの直径Dと繊維樹脂線状物の直径dの比であるD/dが安定的に20以下になるからである。なお、マトリックス樹脂の物性については、強化繊維が含まれていない状態で樹脂組成物を硬化させて、マトリックス樹脂を形成し、その破断伸び及び弾性率を測定する。
マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又は、ビニルエステル樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂がであることが更に好ましい。
マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が15000mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を、熱カチオン重合触媒又は酸無水物により硬化させたものが、材料物性値や製造条件を考慮すると好ましい。このマトリックス樹脂は、無機繊維又は有機繊維で強化されていない場合であっても、従来の熱硬化性樹脂よりも、その破断伸び及び弾性率が向上しているものである。また、液状エポキシ樹脂は、25℃にて粘度が15000mPa・s以下なので、未硬化樹脂組成物の段階にて、無機繊維及び有機繊維との濡れ性が良く、硬化後に無機繊維及び有機繊維と良好な接着性を有する。
液状エポキシ樹脂は1種を用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。2種以上の混合物の場合には、少なくとも一つの液状エポキシ樹脂の粘度が、25℃にて15000mPa・s以下であればよく、2種以上の混合物の全体として、25℃にて15000mPa・s以下であることが好ましい。
もっとも、未硬化樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂の他に、硬化剤(熱カチオン重合触媒又は酸無水物)及び所望により他の成分が含まれている。そして、未硬化樹脂組成物の粘度は、25℃にて10000Pa・s以下であることが好ましい。未硬化樹脂組成物の粘度が低い方が、未硬化樹脂組成物がガラス繊維の間に浸入し易くなるからである。
本明細書では、「未硬化樹脂組成物」とは、熱による硬化をする前の樹脂組成物をいい、典型的には、80〜200℃の雰囲気温度にて硬化をする前の樹脂組成物をいう。「未硬化樹脂組成物」であっても、室温にて、わずかに硬化が進行している場合がある。
(1)液状エポキシ樹脂
液状エポキシ樹脂は、エポキシシクロヘキサン環又は2,3−エポキシプロピロキシ基(2,3−epoxypropyloxy)を含むことが好ましい。熱カチオン重合触媒を用いる場合には、エポキシシクロヘキサン環を含む液状エポキシ樹脂が特に好ましい。液状エポキシ樹脂が低粘度であるのにもかかわらず、カチオン重合性が高く、硬化後物性が優れているからである。なお、2,3−エポキシプロピロキシ基を含むということは、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂ということである。
エポキシシクロヘキサン環を含む液状エポキシ樹脂としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキサン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(1)(ダイセル化学、セロキサイド2021P、25℃での粘度:350mPa・s)、1−(1,2−エポキシ−2−プロパニル)−3−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサン(2)(ダイセル化学、セロキサイド3000、25℃での粘度が3500mPa・s以下)、3,4−エポキシシクロヘキサン酸エステル(3)、(ダイセル化学、セロキサイド2081、25℃での粘度:350mPa・s)が挙げられる。これらの化学式を下記に示す。
2,3−エポキシプロピロキシ基を含む液状エポキシ樹脂の場合には、2,3−エポキシプロピロキシ基が、6員炭素環に結合していることが好ましい。この6員炭素環としては、ベンゼン環、シクロヘキサン環などが挙げられる。この6員炭素環は5員炭素環、6員炭素環などと縮合していてもよい。
2,3−エポキシプロピロキシ基を含む液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス(4−(2,3−エポキシプロピロキシ)フェニル)メタン(4)(旭電化工業、EP−4901、粘度:3500mPa・s)、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロピロキシ)シクロヘキシル)プロパン(5)(大日本インキ化学工業、エピクロン830)、水素添加ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビス(4−(2,3−エポキシプロピロキシ)シクロヘキシル)メタン(6)(旭電化工業、EP−4080E、粘度:2000mPa・s;ジャパンエポキシレジン、YX8000、粘度:1800mPa・s)が挙げられる。
2,3−エポキシプロピロキシ基を含む液状エポキシ樹脂としては、更に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、2,2−ビス[4−(2−(2,3−エポキシプロピロキシ)プロピル)フェニル]プロパン(7)(旭電化工業、EP−4000S、粘度:1800mPa・s)が挙げられる。
一般に反応性希釈剤として分類されている低粘度エポキシ樹脂も、本発明の液状エポキシ樹脂として用いることができる。このような反応性希釈剤は、液状エポキシ樹脂の全体を100重量%とした場合に、30重量%以下で用いることが好ましい。30重量%より多い場合には、硬化後の樹脂マトリックス強度が低下するときがあるからである。
反応性希釈剤としては、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピロキシメチル)シクロヘキサン(8)(旭電化工業、EP−4085、粘度:45mPa・s)、ジシクロペンタジエンジメタノールのジグリシジルエーテル(9)(旭電化工業、EP−4088、粘度:335mPa・s)、パラ−t−ブチルフェニル=グリシジル=エーテル(10)(ナガセケムテックス、デナコールEX146、粘度:20mPa・s)、イソプロピルフェニル=グリシジル=エーテル(11)(大日本インキ化学工業、エピクロン520、粘度:15mPa・s)が挙げられる。
また、単独で粘度が3500mPa・s以上であるエポキシ樹脂も低粘度エポキシ樹脂や反応性希釈剤と混合することにより、必要に応じて3500mPa・s以下にして用いることができる。単独で粘度が3500mPa・s以上であるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(12)(旭化成、AER260、粘度:14000mPa・s)、長鎖水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂(13)(ジャパンエポキシレジン、YL6834(粘度:80000mPa・s)が挙げられる。
硬化剤が熱カチオン重合触媒である場合には、マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が3500mPa・s以下の液状エポキシ樹脂をにより硬化させたものであることが好ましい。上述の液状エポキシ樹脂については、硬化剤が熱カチオン重合触媒である場合にも酸無水物である場合にも好適に用いられる。
次に、硬化剤が酸無水物である場合に主に用いられる液状エポキシ樹脂について述べる。
液状エポキシ樹脂としては、ジアルキルシクロヘキセン誘導体のジグリシジルエステル(14)(ジャパンエポキシレジン、エピコート871、粘度:650mPa・s)を用いることができる。
また、単独で粘度が15000mPa・s以上であるエポキシ樹脂、及び、単独で固体のエポキシ樹脂も低粘度エポキシ樹脂や反応性希釈剤と混合することにより15000mPa・s以下にして用いることができる。単独で粘度が15000mPa・s以上であるエポキシ樹脂としては、例えば、ジアルキルシクロヘキセン誘導体のジグリシジルエステル(14)(ジャパンエポキシレジン、エピコート872)が挙げられる。
単独で固体のエポキシ樹脂としては、例えば、3,5,3’,5’−テトラメチルー4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ビフェニル(16)、(ジャパンエポキシレジン、YX4000)、1,4−ジ−t−ブチル−2,5−ジ(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン(17)(東都化成工業、YDC−1312)、ノボラック型エポキシ樹脂(18)(日本化薬工業、RE−306)、ノボラック型エポキシ樹脂(19)(日本化薬工業、EOCN−4500)、ノボラック型エポキシ樹脂(20)(日本化薬工業、EPPN−501H)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(21)(大日本インキ化学工業、HP−7200)が挙げられる。
(2)熱カチオン重合触媒
熱カチオン重合触媒としては、加熱により活性化されエポキシ基の開環を誘発する触媒が用いられ、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩等の各種オニウム塩、並びに、有機金属錯体類などが例示される。
スルホニウム塩としては、例えば、式(22)及び(23)で示されるヘテロ環誘導体が挙げられる(旭電化工業、アデカオプトンCP−66およびアデカオプトンCP−77)。
また、式(24)で示されるスルホニウム塩も用いることができる(式中、Rは、ベンゼン環の置換基を示す。R’及びR”は、同一又は異なって、置換していてもよい炭化水素基である。三新化学工業(株)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L)。スルホニウム塩としては、例えば、トリスアリールスルホニウムアンチモンヘキサフルオライドが用いられる。更に、オニウム塩としては、日本曹達(株)、CIシリーズ(製)の化合物も用いることができる。また、有機金属錯体類としては、例えば、アルコキシシラン−アルミニウム錯体などが挙げられる。
また、カチオン重合開始剤の配合割合は、未硬化樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲とするのが好ましく、更に好ましくは0.3〜3重量部である。
(3)酸無水物
酸無水物は、水素添加されていてもよい無水フタル酸骨格を有することが好ましい。酸無水物としては、例えば、無水メチルテトラヒドロフタル酸(Me−THPA)(Quinhard200(日本ゼオン)、HN−2200(日立化成工業)、リカシッドMT−500(新日本理化))、無水メチルヘキサヒドロフタル酸(Me−HHPA)(Quinhard500(日本ゼオン)、HN−5500(日立化成工業)、リカシッドMH−700(新日本理化)),無水メチルナジック酸(25)(MHAC−P(日立化成工業))、無水メチルナジック酸の水素添加物(26)(HNA(新日本理化)),アルキル変性酸無水物(27)(エピキュアYH−306、エピキュアYH−307(ジャパンエポキシレジン))などが挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ基1モルに対し、酸無水物基が0.5〜2モル、好ましくは0.7〜1.3モルとなるように配合する。低粘度且つ速硬化性に優れているという観点から、MH−700が好ましい。また、周囲の湿気の影響を受けにくい、高温にて短時間で硬化させるという条件でも酸無水物の揮発が少ないとの観点からはYH−306が好ましい。
(3)平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂
本発明では、マトリックス樹脂は、前記液状エポキシ樹脂を平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂と共に硬化させたものであることが好ましい。平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、一般的には、25℃にて固体である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(28)の一般式は、下記の通りである。
(式中、nは1以上の整数である。)
例えば、ジャパンエポキシレジンのエピコート1001(平均分子量:900)、エピコート1002(平均分子量:1200)、エピコート1003(平均分子量:1300)、エピコート1055(平均分子量:1600)を用いることができる。未硬化樹脂組成物の粘度上昇が比較的低く抑えられ、硬化後に充分な靭性を付与しやすいという観点からエピコート1002が望ましい。
なお、本発明では、平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂(28)の代わりに、繰り返し単位がビスフェノールAの水素添加物であるエポキシ樹脂を用いてもよい。
(4)可撓性付与剤
可撓性付与剤としては、例えば、カルボン酸末端脂肪族ポリエステルのエポキシ樹脂アダクト物(29)、例えば、SD551(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)を用いることができる。
式中、n、m、lは、同一又は異なって、1以上、10000以下の整数である。Rは、炭素数2〜16の直鎖又は分枝状のアルキレン基、Rは、炭素数2〜16の直鎖若しくは分枝状のアルキレン基、式−(CH−CH(CH)−O)−CH−CH(CH)−で示される基、又は、式−(CH−CH−CH−CH−O)−CH−CH−CH−CH−で示される基である。
また、SD665(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)を用いることができる。これは、SD551(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)の末端のエポキシ部分が、下記式(30)に置換されている。
また、水酸基末端ポリブタジエン(31)、例えばPBR−15HT,PBR−45HT(出光石油化学)、又は、水酸基末端ポリブタジエンの酸無水物アダクト物(32)を用いることができる。
式中、n、m、及びlは、同一又は異なって、1以上の整数である。
更に、カルボン酸末端アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(33)(CTBN)、例えばHYCAR CTBN1300×13、HYCAR CTBN1300×8、HYCAR CTBN1300×9等(宇部興産)、又は、それらのエポキシ樹脂アダクト物(34)を用いることができる。
これらの中で反応性が良好で硬化後架橋構造中に組み込まれ、硬化物に靭性を付与する効果が高いという観点からSD551、CTBNエポキシアダクトが好ましい。
平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び可撓性付与剤の配合量の合計は、液状エポキシ樹脂と、平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、可撓性付与剤との配合量との合計の5〜50重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることが更に好ましい。なお、マトリックス樹脂には、平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂、可撓性付与剤の双方が含まれていても良いし、何れかが含まれていてもよいし、双方が含まれていなくてもよい。
(5)硬化促進剤
硬化剤として酸無水物を用いた場合には、硬化促進剤を用いることが好ましい。硬化促進剤としては、イミダゾール誘導体を用いることができる。例えば、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のアルキルイミダゾール;1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のジアルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール等のアリールイミダゾール;2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール等を用いることができる。
また、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン7(DBU)及びその塩類も用いることができる。例えば1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン7、(例えば、FCキュアα−1、四国化成工業)、DBU・2エチルヘキサン酸塩(例えば、FCキュアα−2、四国化成工業)、DBU・オクチル酸塩(例えば、U−CAT SA102、サン・アプロ)、DBU・フタル酸塩(例えば、U−CAT SA810、サン・アプロ)、DBUのテトラフェニルボレート(例えば、U−CAT 5002、サン・アプロ)等が用いられる。
また、ホスフィン、ホスホニウム塩も用いることができる。ホスフィンには、モノホスフィンとジホスフィンが含まれる。モノホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリス(メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(パラクロロフェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン;ジシクロヘキシルフェニルホスフィン等のジシクロアルキルアリールホスフィン;ジフェニルシクロヘキシルホスフィン等のジアリールジシクロアルキルホスフィンが用いられる。ジホスフィンとしては、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等のα,ω−ビスジアリールアルカンが好ましく用いられる。ホスホニウム塩としては、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等のテトラアルキルホスホニウムハロゲン化物;テトラフェニルホスホニウムブロマイド等のテトラアリールホスホニウムハロゲン化物、アルキルトリアリールホスホニウムハロゲン化物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のテトラアリールホスホニウムテトラアリールボレートが挙げられる。
3級アミン類も用いることができる。例えば、1,3,5−トリスジメチルアミノメチルフェノール(例えば、アデカハードナーEHC−30、旭電化工業)を用いることができる。3級アミンの三塩化ホウ素錯体(DY9577、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)を用いることもできる。
これらの硬化促進剤はそれ自体液状かあるいはエポキシ樹脂に可溶の固体であり、未硬化樹脂組成物に溶解させて使用する。硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.8〜20重量部添加するのが好ましく、更には1〜8重量部添加するのが好ましい。
また、一液型酸無水物硬化系エポキシ樹脂組成物のシェルフライフを延長する目的で通常使用されているマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、例えばノバキュアHX−3088、HX−3741、HX−3921(旭化成工業)も、速硬化性を有しつつポットライフを延長させることを目的として使用することができる。直径5μm程度の微粒子状であるこれらの促進剤は、細い隙間には浸透することができないため、先述の樹脂溶解型促進剤と併用することにより、マイクロカプセル型促進剤の粒子径以下の隙間に浸透した樹脂組成物も効率よく硬化させることができる。
また、未硬化樹脂組成物は、微量の消泡剤を含有することが好ましい。消泡剤としては、シリコーンを用いることができる。
本発明の第2の側面では、複数の無機繊維と複数の有機繊維とを、液状未硬化樹脂組成物に含浸させる工程と、前記無機繊維と前記有機繊維と共に前記液状未硬化樹脂組成物を硬化させる工程と、を含む、繊維強化樹脂線状物の製造方法が提供される。本発明の第2の側面では、複数の無機繊維と、複数の有機繊維と、前記無機繊維と前記有機繊維との間に配置されているマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂線状物を効率良く製造することができる。
この液状エポキシ樹脂と、熱カチオン重合触媒又は酸無水物とを少なくとも含む未硬化樹脂組成物を80〜200℃の雰囲気温度にて10分以内で硬化させることが好ましく、90〜180℃の雰囲気温度にて5分以内で硬化させることが更に好ましく、90℃〜160℃の雰囲気温度にて3分以内で硬化させることが更になお好ましい。硬化時間が短い方が、ガラス繊維を引張る速度を早くすることができるので、硬化用金型の長さを短くすることができ、また、製造時間を短縮することができるからである。
未硬化樹脂組成物の粘度が、25℃にて10000mPa・s以下であることが好ましく、25℃にて9000mPa・s以下であることが更に好ましい。未硬化樹脂組成物がガラス繊維や有機繊維の間に入り込み易くなり、濡れ性が向上するからである。
本発明の第3の側面では、光ファイバーと、テンションメンバーとを含む光ファイバーケーブルであって、前記テンションメンバーが上記の繊維強化樹脂線状物である光ファイバーケーブルが提供される。光ファイバーケーブルの構造は、例えば、上記特許文献1〜6に例示されている。
以下、本発明について、好適な実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものでない。
実施例1
日東紡績(株)から販売されている高強度ガラス繊維(商品名「Tガラス」、破断伸びが5.5%,弾性率が84.3GPa)を用いた。Tガラスは、65重量%のSiO、23重量%のAl、11重量%のMgO、1重量%未満のZrOを含む。この高強度ガラス繊維の詳細な仕様を表1に示す。
また、有機繊維として東レ・デュポン株式会社から販売されているパラ系アラミド繊維(商品名「KEVLAR(登録商標)29」、破断伸びが3.6%)を用いた。このポパラ系アラミド繊維の詳細な仕様を表2に示す。
マトリックス樹脂として、熱カチオン重合触媒によるエポキシ樹脂を用いた。その配合成分を表3に示す。
セロキサイド2021P及びセロキサイド2081は液状エポキシ樹脂であり、ダイセル化学から入手した。エピコート1002は、平均分子量1200のビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、ジャパンエポキシレジンから入手した。SD551は、可撓性付与剤として作用するカルボン酸末端脂肪族ポリエステルのエポキシ樹脂アダクト物であり、チバ・スペシャルティ・ケミカルズから入手した。SI−100Lは、熱カチオン重合触媒であり、サンエイドSI−100Lを意味し、三新化学工業(株)から入手した。ST86PAは、ジメチルポリシロキサンであり、東レ・ダウコーニング・シリコーンから入手した。
まず、成分(1)、(2)、(3)及び(6)を表3に記載の配合比で混合し、ケトルにて100℃、減圧下で1時間攪拌し、均一に溶解させた。その後、成分(4)を表3に記載の量仕込んで減圧攪拌し、均一に溶解させた。そして、室温まで冷却し、所定量の成分(5)を仕込み、30分減圧攪拌した。110メッシュでろ過し、遮光容器に排出し、未硬化樹脂組成物を得た。
この未硬化樹脂組成物を予め30℃に温度制御された含浸槽に充填し、30℃に維持した。このとき、含浸槽内の樹脂の粘度は、3000mPa・sであった。
図3で、複数のクリール10aからガラス繊維ヤーン3を引き出し、ガイド11aに通した。また、複数のクリール10b、10cからアラミド繊維ヤーン6を引き出し、アラミド繊維ヤーン6がガラス繊維ヤーン3の周囲を囲むようにした。そして、ガイド11aを通ったガラス繊維ヤーン3及びアラミド繊維ヤーン6をガイド11bに通し、ガラス繊維ヤーン3及びアラミド繊維ヤーン6を収束させた。次いで、ガラス繊維ヤーン3及びアラミド繊維ヤーン6を含浸槽12に浸漬して未硬化樹脂組成物を含浸させた。次に、絞りノズル13により、線状物を所定形状に絞り成形し、過剰な未硬化樹脂組成物を除去した。そして、150〜160℃に加熱されている約3mの長さの加熱金型14に導き、樹脂組成物を硬化させた。ヤーンの引張り速度は、約1.5m/分なので、約2分で樹脂組成物を硬化させたことになる。硬化後の繊維強化樹脂線状物は、一対のキャタピラ15の間を通過させ、巻き取り装置16に巻き取った。その結果、ガラス繊ヤーンとアラミド繊維ヤーンの合計の体積含有率が約65体積%であり、外径0.41mmのガラス繊維強化樹脂線状物を得た。なお、この繊維強化樹脂線状物には、熱可塑性樹脂が被覆されていない。また、キャタピラ15は、牽引力を付与するためであるので、適宜、省略することができる。実施例1の材料の詳細を表4に示す。
実施例1で用いた未硬化樹脂組成物のみを150〜160℃にて硬化させ、得られた樹脂の弾性率と破断伸びを測定した。弾性率は、3.2GPaであり、破断伸びは、5.7%だった。
実施例1で得られた繊維強化樹脂線状物の柔軟性(最小曲げ直径)は、次の方法で測定した。このガラス繊維強化樹脂線状物をおよそ100mmの長さに切断し、サンプルの両端を手で握持し、サンプルの中央部をさまざまな直径を有する美麗な鋼製の円柱に巻きつけ、サンプルの外周又は内周側から破断が始まった時の鋼製の円柱直径を測定した。また、引張強度試験も行い、繊維強化樹脂線状物としての抗張力(引張破壊強度)を測定した。どちらの試験もサンプル数nを10としその平均値を用いた。この結果を表5に示す。
表5から明らかなように、本発明の繊維強化樹脂線状物は、高強度ガラス繊維が中心に配置されているため、引張強度試験の引張破断強度は、非常に強いことがわかる。そして、繊維強化樹脂線状物の直径dの値が変化しても、最小曲げ直径Dと該線状物の直径dの比であるD/dは10以下であり、極めて高い柔軟性を有している。また、破壊に至るまでにガラス繊維の毛羽立ち等の損傷が見られない。図4に本実施例における引張試験時の荷重−変位線図を示す。
この図から明らかなように、本発明の繊維強化樹脂線状物は、破断伸びの異なる有機繊維と無機繊維を使用しているため、破断が一度に発生せずに複数の屈曲点を有している。このため、曲げ加工等による破断が一度に発生しない利点をも有している。
比較例
比較例として、実施例1と同様に、日東紡績(株)から販売されている高強度ガラス繊維(商品名「Tガラス」、破断伸びが5.5%、弾性率が84.3GPa)を用い、マトリックス樹脂として、実施例1と同様の熱カチオン重合触媒によるエポキシ樹脂を用いた。しかし、実施例1と異なって、有機繊維は使用しなかった。
ガラス繊維(繊維径9μm,品番:TCG−225(202デニール))を7本使用し、体積含有率を60%に制御して、実施例1と同様な条件で成形した。その結果、ガラス繊維の含有率が体積含有率で61%のガラス繊維強化樹脂線状物を得た。
このガラス繊維強化樹脂線状物をおよそ100mmの長さに切断し、サンプルの両端を手で握持し、サンプルの中央部をさまざまな直径を有する美麗な鋼製の円柱に巻きつけ、サンプルの外周もしくは内周側から破断が始まった時の鋼製の円柱直径を測定した。その結果を表6に示す。
この結果から明らかなように、有機繊維でガラス繊維の周辺を包まないガラス繊維強化樹脂線状物の繊維強化樹脂線状物の直径dの比であるD/dは17.1であり、毛羽立ちありは24程度で発生している。この結果からも明らかなように、本発明の無機繊維の周辺に有機繊維を配置したことを特徴とする繊維強化樹脂線状物は、曲げ変形に対する柔軟性を向上させることが明らかである。
本発明の繊維強化樹脂線状物の一実施態様の断面図である。 本発明の繊維強化樹脂線状物の他の実施態様の断面の写真である。 本発明の繊維強化樹脂線状物の製造方法の一実施態様の説明図である。 本発明の繊維強化樹脂線状物の実施例における引張試験時の荷重−変位線図。
符号の説明
1 繊維強化樹脂線状物
2 無機繊維
3 無機繊維ヤーン
4 マトリックス樹脂
5 有機繊維
6 有機繊維ヤーン
7 熱可塑性樹脂
10a、10b クリール
11a、11b ガイド
12 含浸槽
13 絞りノズル
14 金型
15 キャタピラ
16 巻き取り装置

Claims (10)

  1. 破断伸びが4%以上であり、直径が20μm以下である複数のガラス繊維と、破断伸びが5%以上である複数のポリエステル繊維または芳香族ポリアミド繊維と、前記ガラス繊維と前記ポリエステル繊維または芳香族ポリアミド繊維との間の、破断伸びが5.0%以上のエポキシ樹脂であるマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂線状物で、前記ポリエステル繊維または芳香族ポリアミド繊維の周囲に前記ガラス繊維が配置されていて、直径dが1mm以下である、光ファイバーケーブルのテンションメンバーに用いられる繊維強化樹脂線状物。
  2. 前記ガラス繊維が、55〜79.9重量%のSiO、12.6〜32重量%のAl、4〜20重量%のMgOを含む請求項に記載の繊維強化樹脂線状物。
  3. 記ガラス繊維の引張り強度が3GPa以上である請求項1または2に記載の繊維強化樹脂線状物。
  4. 記マトリックス樹脂の引張り弾性率が2GPa以上である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂線状物。
  5. 前記マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が15000mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を、熱カチオン重合触媒又は酸無水物により硬化させたものである請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂線状物
  6. 前記マトリックス樹脂は、前記液状エポキシ樹脂を数平均分子量900以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂と共に硬化させたものである請求項に記載の繊維強化樹脂線状物。
  7. 前記マトリックス樹脂は、前記液状エポキシ樹脂を可撓性付与剤と共に硬化させたものである請求項5又は6に記載の繊維強化樹脂線状物。
  8. 前記マトリックス樹脂は、25℃にて粘度が3500mPa・s以下の液状エポキシ樹脂を前記熱カチオン重合触媒により硬化させたものである請求項5〜7の何れかに記載の繊維強化樹脂線状物。
  9. 前記繊維強化樹脂線状物の最小曲げ直径Dと前記繊維強化樹脂線状物の直径dの比であるD/dが20以下である請求項1〜の何れかに記載の繊維強化樹脂線状物。
  10. 光ファイバーと、テンションメンバーとを含む光ファイバーケーブルであって、前記テンションメンバーが請求項1〜の何れかに記載の繊維強化樹脂線状物である光ファイバーケーブル。
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