JP4765122B2 - 多用途型サトウキビ栽培管理装置並びに栽培管理方法 - Google Patents
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Description
サトウキビ農家の高齢化や後継者不足もあって、農作業の機械化が一層進んでいるが、前記作業内容ごとの専用機が殆どである。そのため、農機具の購入費の負担が嵩むだけでなく、保管スペースの確保などの保管上の問題や、稼働率の低下、維持メンテナンス等の負担も大きい。
これに対し、特許文献2の場合は、耕耘、作溝、苗切断、植付け、施肥、施薬、覆土の7作業が出来るため、多用途型のように思われるかもしれないが、あくまでも、さとうきび植付時における苗切断と植付けの作業能率向上のために、植付け作業時に限って一工程で各種の作業を可能にしたのであって、特に生育各段階ごとの培土作業は全く不可能である。
台風銀座と言われている沖縄では、台風時の倒伏を抑制できるようなしっかりした根を確保するには、1m前後まで成長した後に最終培土することが理想的である。ところが、従来の中耕ロータリ式培土法では、車高が低いために、充分な高培土が不可能であった。 本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、1台のトラクターに着脱するだけで、圃場の耕転砕土、種キビの切断・植付け作業、生育各段階ごとの培土といった異なる各作業内容が可能な多用途型のサトウキビ栽培管理方法と管理装置を実現することにある。
圃場の耕転時には、植付けユニットや培土鋤は取り外し、
植付け時には、植付けユニットを装着すると共に、作溝器で形成した植付け溝に、搭載されている種キビ切断機でカットされた種キビを連続的に落下させ、覆土された後を鎮圧ローラで加圧し、
培土時には、ロータリユニットに左右一対の培土鋤を装着すると共に、左右一対のロータリ爪車を中央で左右に分離し所定の間隔を設けることを特徴とするサトウキビの栽培管理機械化方法である。
一方、培土時には、植付けユニットは取り外して、ロータリユニットの後部に左右一対の培土鋤を装着すると共に、左右一対のロータリ爪ホルダーを中央で左右に分離し、かつ所定の間隔を設けることによって、耕転された土壌がサトウキビの根元に培土される。
以上のように、少なくともトラクターと、中央で左右に分離できる左右一対のロータリ爪車を有し、後部に着脱手段を有するロータリユニットと、植付けユニットと、培土鋤を含むセットをそろえておけば、圃場の耕転砕土、種キビの切断・植付け作業、生育段階ごとの培土といった異なる各作業内容すべてを一式のセットで栽培管理を機械化できる。
このように、少なくとも溝掘り鋤と種キビ切断機と覆土手段と鎮圧ローラを有する前記の植付けユニットは、仮スタンド手段によって前傾姿勢に自立させるので、ロータリユニット後部上側のU字状フックを植付けユニットの水平軸に引っ掛けやすい。次いで、ロータリユニットを上昇させると、植付けユニットの前部を持ち上げて前傾姿勢を正常な連結姿勢に矯正できる。その結果、ロータリユニット後部と植付けユニット前部の連結穴同士が自動的に位置合わせされるので、連結ピンを挿入するだけで、容易に連結できる。
該ロータリユニット後部の着脱手段と着脱できる植付けユニットと、左右一対の培土鋤とを有している。
そのため、トラクターにロータリユニットを装着した状態では圃場の耕転ができる。ロータリユニット後部の着脱手段を用いて、植付けユニットを連結し装着すると、サトウキビの植付けが可能となり、植付けユニットを取り外して、左右一対の培土鋤を装着すると培土作業が可能となる。
そのため、ロータリ爪車を中央で左右に分離して所定の間隔を設定すれば、生えているサトウキビの左右両側の土壌を耕転してから、サトウキビの根元に培土できる。
連結時に前傾姿勢で自立させる仮スタンド手段を有していること、
ロータリユニットの後部上側のU字状フックを引っ掛ける水平軸を有し、かつ引っ掛け上昇状態で、ロータリユニット後部下側の連結横穴と対応する位置に、連結用水平穴を有していて、横からピンや軸、ボルトを挿入可能と構造となっている。
そのため、植付けユニットを前傾姿勢に自立させた状態で、ロータリユニットを後退させて、上側のU字状フックを植付けユニットの水平軸に引っ掛けて持ち上げると、ロータリユニット後部下側の連結横穴と植付けユニットの対応する位置の連結用水平穴とが相互に自動的に位置合わせされるので、横からピンや軸、ボルトを挿入するだけで、容易に相互に連結できる。
図示例では、左側のスライド筒1sは、中心位置まで寄った状態であり、右側のスライド筒1sは、中心位置から右側に寄って、右側のロータリ爪車r2が培土分だけ、中心位置から間隔を設定した状態である。
カバー筒部1・1とガイド筒1g・1gとスライド筒1s・1sと補助筒1e・1e中には、ギヤケースG中の歯車で回転駆動される回転軸が水平に内蔵され、チェーンケーシング2、2中のチェーンchを介して左右のロータリ爪車r1・r2を回転させる。csは、チェーンスプロケットである。補助筒1e・1e中から突出した回転軸先端には、肥料ホッパー4・4中の攪拌器をベルト駆動するプーリを取付けてある。
スライド筒1s・1sを左右にスライドさせるための駆動力は、スクリュー駆動や歯車駆動などが可能であるが、図示の送り手段1aは、チェーンを固定してあり、スライド筒1s・1sと連動移動するスプロケットを回転することで、チェーン1aに沿って往復駆動される。この駆動は、手動でも機械力でもよい。
また、図3、図4のように、チェーンケーシング2、2から左右に延長した部分に、例えばコ字状の鋤取付けブラケット5・5を固設して、縦ピン孔H・Hに培土鋤3・3を取付け支持しておく。このとき、図3のように、培土鋤3の鉛直軸3aを予め挿入固定した状態の取付けフレーム3fを、ロータリユニット後部のコ字状ブラケット5・5中に後方から容易に押し込み、鉛直ボルトやピンP・Pを左右の縦ピン孔H・H中に挿入し、取付け固定する。
肥料収納ホッパー4・4中の肥料は、培土時の圃場にガイドホースGHによって→(矢印)位置に送られ施用される。
図5は、前記のU字状フックu・uと横穴h・hに植付けユニットが連結された状態の右側面図である。
この植付けユニットは、かご状の苗キビ積載ケージCの下部に、溝掘り用の鋤6と左右一対の覆土手段7と鎮圧ローラ8とを装備してある。さらに、ケージC中の左右中間に一対の制御ローラ9・9を有し、その下方に一対の回転カッター10・10から成る種キビ切断機を搭載してある。いま、トラクター走行中に椅子21に座っている作業者が、サトウキビ全長を制御ローラ9・9間に1〜2本ずつ挿入すると、下側の回転カッター10・10間を通過する際に例えば25cm間隔にカットされ、鋤6で形成された植付け溝中に連続的に落下する。
制御ローラ9・9と回転カッター10・10は油圧モータで回転駆動されるので、図2のロータリユニットR上の油圧ポンプopと油圧ホースで連結するだけで足り、トラクター側と植付けユニットとのホース連結や分離は不要である。
その後、左右の前足12と後足13をそれぞれ、取り外し、折り畳み、短縮又は上方にスライドして、仮スタンド足12、13を退避させると、図5のように、植付け機が土壌上で作動可能な状態となる。
R ロータリユニット
r1・r2 ロータリ爪車
f1・f2 支持フレーム
i PTO入力軸
G ギヤケース
op 油圧ポンプ
1 カバー筒部
1g ガイド筒
1s スライド筒
1e 補助筒
2 チェーンケーシング
ch チェーン
cs チェーンスプロケット
3・3 培土鋤
4・4 肥料収容ホッパー
4a 農薬収容ホッパー
5 培土鋤取付けブラケット部
u・u U字状フック
H・H 縦ピン孔
h・h 連結横孔
GH 肥料用のガイドホース
gh 農薬又は除草剤用のガイドホース
C ケージ
6 溝掘り鋤
7 覆土板
8 鎮圧ローラ
9・9 制御ローラ
10・10 種キビ切断機の回転カッター
10c カッター刃
11・11 苗キビ積載部
12・12 前足
13・13 後足
14・14 上部水平軸
15・15 下部水平穴
16 横ピン
19・20 前支柱
21 椅子
Claims (7)
- トラクターに装着状態の耕転用のロータリユニットの後部に着脱可能な植付けユニットと、左右一対の培土鋤とを用意しておき、
圃場の耕転時には、植付けユニットや培土鋤は取り外し、
植付け時には、植付けユニットを装着すると共に、溝掘り鋤で形成した植付け溝に、搭載されている種キビ切断機でカットされた種キビを連続的に落下させ、覆土された後を鎮圧ローラで加圧し、
培土時には、ロータリユニットに左右一対の培土鋤を装着すると共に、左右一対のロータリ爪車を中央で左右に分離し所定の間隔を設けることを特徴とするサトウキビの栽培管理機械化方法。 - 少なくとも溝掘り鋤と種キビ切断機と覆土手段と鎮圧ローラを有する前記の植付けユニットは、仮スタンド手段によって前傾姿勢で自立している状態において、ロータリユニットの後部上側のU字状フックを植付けユニットの水平軸に引っ掛けて持ち上げて前傾姿勢を正常状態とすることで、それぞれの下側に形成されている連結手段で互いに連結することを特徴とする請求項1に記載のサトウキビの栽培管理機械化方法。
- トラクターに装着状態にできる耕転用のロータリユニットの後部に着脱手段を有しており、
該ロータリユニット後部の着脱手段と着脱できる植付けユニットと、左右一対の培土鋤とを有していることを特徴とするサトウキビの栽培管理装置。 - 前記ロータリユニットは、そのロータリ爪車を中央で左右に分離でき、かつ所定の間隔を設定できる構造であることを特徴とする請求項3に記載のサトウキビの栽培管理装置。
- 培土鋤の鉛直軸を予め挿入した状態の取付けフレームを、ロータリユニット後部の着脱手段に後方から着脱固定可能となっていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のサトウキビの栽培管理装置。
- 前記の植付けユニットは、溝掘り用の鋤と覆土手段と鎮圧ローラと苗キビ搭載手段を有し、かつ種キビ切断機を搭載していることを特徴とする請求項3に記載のサトウキビの栽培管理装置。
- 前記の植付けユニットは、
連結時に前傾姿勢で自立させる仮スタンド手段を有していること、
ロータリユニットの後部上側のU字状フックを引っ掛ける水平軸を有し、かつ引っ掛け上昇状態で、ロータリユニット後部下側の連結横穴と対応する位置に、連結用水平穴を有していて、横からピンや軸、ボルトを挿入可能となっていることを特徴とする請求項3又は請求項6に記載のサトウキビの栽培管理装置。
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