JP4765089B2 - 延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルム - Google Patents

延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルムに関する。
従来、ガスバリア性重合体としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体に代表される分子内に親水性の高い高水素結合性基を含有する重合体が用いられていた。しかしながら、これらの重合体は、乾燥条件下においては、非常に優れた酸素等のガスバリア性を有する一方で、高湿度条件下においては、その親水性に起因して酸素等のガスバリア性が大きく低下するという問題があった。そのため、例えばボイル処理やレトルト処理といった殺菌処理を施す場合のある包装材料としてこれらの重合体を用いた場合には、殺菌処理後のガスバリア性の回復に長時間を要するという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、国際公開第WO2005/032813号パンフレット(特許文献1)には、ポリカルボン酸系重合体と可塑剤の混合物からなる層、及び多価金属化合物と樹脂の混合物からなる層をそれぞれ少なくとも一層含む、多層シート又は多層プリフォームを面積延伸倍率1.1〜100倍の範囲で延伸成形してなる延伸多層フィルムが開示されている。
また、特開2005−125574号公報(特許文献2)には、ポリカルボン酸系重合体と可塑剤の組成物からなる層(a)、多価金属化合物を含む層(c)及び熱可塑性樹脂からなる層(b)を有する積層体であって、層(a)と層(c)が隣接した層構成単位を少なくとも1単位有し、且つ少なくとも層(a)及び層(b)が各々面積延伸倍率1.1〜100に延伸されている延伸多層フィルムが開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載されているような延伸多層フィルムは、高湿度雰囲気下におけるガスバリア性の点で未だ必ずしも十分なものではなかった。また、このような延伸多層フィルムにおいては、延伸成形する際においてフィルムの透明性が低下するという問題があった。
国際公開第WO2005/032813号パンフレット 特開2005−125574号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れた透明性を有し、且つ高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能な延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、支持体と、前記支持体の少なくとも片面にアンカーコート層を介して積層されたガスバリア性多層フィルム前駆体とを備える延伸成形用積層体において、ポリカルボン酸系重合体を含有する層と多価金属化合物を含有する層の間に特定の層を設けることにより、優れた透明性を有する延伸積層体を得ることができ、しかも前記延伸積層体を備える延伸多層フィルムに高温高湿処理を施すことにより、高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の延伸成形用積層体は、支持体と、前記支持体の少なくとも片面にアンカーコート層を介して積層されたガスバリア層前駆体とを備える延伸成形用積層体であって、
前記ガスバリア層前駆体が、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A)と、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B)と、イオン化制御樹脂からなり、層の厚みが0.01〜1μmである層(C)とを備えており、
前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されていることを特徴とするものである。
また、本発明の延伸成形用積層体においては、前記イオン化制御樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂であることが好ましい。
さらに、本発明の延伸成形用積層体においては、前記イオン化制御樹脂がウレタン結合を有する樹脂であることが好ましい。
また、本発明の延伸成形用積層体においては、前記イオン化制御樹脂が前記アンカーコート層を構成する樹脂と同一の樹脂であってもよい。
さらに、本発明の延伸成形用積層体においては、前記イオン化制御樹脂が前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であってもよい。
また、本発明の延伸成形用積層体においては、前記イオン化制御樹脂が、前記アンカーコート層を構成する樹脂及び前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であってもよい。
さらに、本発明の延伸成形用積層体においては、前記多価金属化合物と前記バインダ樹脂との質量比(多価金属化合物/バインダ樹脂)が65/35〜92/8の範囲であることが好ましい。
また、本発明の延伸成形用積層体においては、前記多価金属化合物が2価の金属化合物であることが好ましい。
本発明の延伸積層体は、前記延伸成形用積層体を、面積延伸倍率が1.1〜100倍の範囲となるように、延伸してなることを特徴とするものである。
また、本発明の延伸積層体においては、曇価が10%以下であることが好ましい。
本発明の延伸多層フィルムは、前記延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のガスバリア性を有する延伸多層フィルムは、前記延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備える延伸多層フィルムに高温高湿処理を施すことにより、前記層(B)中の多価金属イオンを前記層(C)を介して前記層(A)に移動せしめ、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基との間にイオン結合を形成せしめてなることを特徴とするものである。
さらに、本発明のガスバリア性を有する延伸多層フィルムにおいては、温度20℃、相対湿度80%における酸素透過度が100cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることが好ましい。
なお、本発明によって、優れた透明性を有し、且つ高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能な延伸成形用積層体を得ることが可能となる理由については必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A)と、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B)とを備えるガスバリア層前駆体においては、前記層(B)中の多価金属イオンが前記層(A)に移動して、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基との間にイオン結合が形成されること(イオン結合反応)により、前記ガスバリア層前駆体が優れたガスバリア性を有するガスバリア層となる。このようなイオン結合反応は、前記層(A)と前記層(B)が隣接している場合には常温においても進行する反応である。そして、このようなイオン結合反応の進行に伴いガスバリア層前駆体の延伸性は低下するため、延伸成形する際にガスバリア層前駆体に割れが生じ、フィルムの透明性が低下するものと本発明者らは推察する。
これに対し、本発明の延伸成形用積層体においては、前記層(A)と前記層(B)とがイオン化制御樹脂からなり、層の厚みが0.01〜1μmである層(C)を介して積層されている。そして、前記層(C)によって前記層(B)中の多価金属イオンが前記層(A)に移動することを抑制することができ、前記イオン結合反応の進行を抑制することができる。そのため、本発明の延伸成形用積層体においては、延伸成形する際におけるフィルムの透明性の低下を十分に抑制することができ、優れた透明性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能となる。また、本発明の延伸成形用積層体を備える延伸多層フィルムにレトルト処理等の高温高湿処理が施された場合には、前記層(B)中の多価金属イオンは樹脂中を移動しやすくなり、前記層(C)を介して前記層(A)に移動することが可能となる。このような延伸多層フィルムにおいては、このような高温高湿処理によって前記イオン結合反応が進行するため、高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、優れた透明性を有し、且つ高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能な延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルムを提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の延伸成形用積層体について説明する。すなわち、本発明の延伸成形用積層体は、支持体と、前記支持体の少なくとも片面にアンカーコート層を介して積層されたガスバリア層前駆体とを備える延伸成形用積層体であって、
前記ガスバリア層前駆体が、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A)と、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B)と、イオン化制御樹脂からなり、層の厚みが0.01〜1μmである層(C)とを備えており、
前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されていることを特徴とするものである。
<支持体>
本発明にかかる支持体は、後述するアンカーコート層及びガスバリア層前駆体を順次積層させるための支持体となるものである。
このような支持体の材料としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン系重合体やそれらの共重合体及びその酸変性物;ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール等の酢酸ビニル系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート等のポリエステル系重合体やその共重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,66共重合体、ナイロン6,12共重合体、メタキシレンアジパミド・ナイロン6共重合体等のポリアミド系重合体やその共重合体;ポリエチレングリコール、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド等のポリエーテル系重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の塩素系及びフッ素系重合体やその共重合体;ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル等のアクリル系重合体やその共重合体;ポリイミド系重合体やその共重合体;アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等の塗料用樹脂;セルロース、澱粉、プルラン、キチン、キトサン、グルコマンナン、アガロース、ゼラチン等の天然高分子化合物を用いることができる。これらの中でも、包装材料として使用するという観点から、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体が好ましい。
また、このような支持体の形態としては、特に限定されないが、未延伸シート、延伸シート、未延伸フィルム、延伸フィルム等の形態で用いることができる。さらに、このような支持体の厚さは特に限定されないが、厚みが5〜500μmの範囲であることが好ましく、10〜300μmの範囲であることがより好ましい。支持体の厚みが前記下限未満では、支持体が切れ易くなる等の塗工性の問題が生ずる傾向にあり、他方、前記上限を超えると支持体の剛性が高すぎるために二次加工や内容物の充填におけるハンドリング性に問題が生ずる傾向にある。
このような支持体は、シート、フィルム等の表面上に酸化珪素、酸化アルミニウム、アルミニウム、窒化珪素等の無機化合物からなる薄膜が蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーディング法により形成されたものであってもよい。
<アンカーコート層>
本発明にかかるアンカーコート層は、前記支持体と後述するガスバリア層前駆体との層間接着強度を高めるために、前記支持体の少なくとも片面に形成された層であって、アンカーコート剤を含有する層である。
このようなアンカーコート剤としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。これらのアンカーコート剤の中でも、耐熱性及び層間接着強度の観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
また、このようなアンカーコート層の厚さは特に限定されないが、この厚みが0.01〜5μmの範囲であることが好ましく、0.03〜3μmの範囲であることがより好ましく、0.05〜2μmの範囲であることが特に好ましい。アンカーコート層の厚みが前記下限未満では、層間接着強度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると所望のガスバリア性が発現しない傾向にある。
<ガスバリア層前駆体>
本発明にかかるガスバリア層前駆体は、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A)と、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B)と、イオン化制御樹脂からなり、層の厚みが0.01〜1μmである層(C)とを備える積層体である。そして、このようなガスバリア層前駆体は、前記支持体の少なくとも片面にアンカーコート層を介して積層されている。
(ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A))
本発明にかかる層(A)は、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層である。そして、本発明にかかるポリカルボン酸系重合体は、ポリカルボン酸系の重合性単量体が重合したものであり、分子内に2個以上のカルボキシ基を有する重合体である。具体的には、重合性単量体として、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸を用いた単独重合体、それらのうちの少なくとも2種を用いた共重合体、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体、更にアルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類を例示することができる。これらのポリカルボン酸系重合性単量体は1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。
ここで、前記α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が代表的なものである。またそれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン等が挙げられる。また、これらのポリカルボン酸系重合体が、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類との共重合体の場合には、更にケン化することにより、飽和カルボン酸ビニルエステル部分をビニルアルコールに変換して使用することができる。
また、本発明にかかるポリカルボン酸系重合体が、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体である場合には、得られるガスバリア層のガスバリア性及び高温水蒸気や熱水に対する耐性の向上という観点から、その共重合組成はα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体組成が、好ましくは60モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、更に好ましくは90モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。このように、本発明にかかるポリカルボン酸系重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる重合体を用いることが好ましい。さらに、これらのポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる重合体の場合には、その好適な具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体の重合によって得られる重合体、及びそれらの混合物が挙げられる。そして、このようなα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる重合体の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体の重合によって得られる重合体、及び/又はそれらの混合物が用いることがより好ましく、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、及びそれらの混合物を用いることが最も好ましい。また、これらのポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体の重合体以外の例えば、酸性多糖類の場合には、アルギン酸を好ましく用いることができる。
また、本発明にかかるポリカルボン酸系重合体は、1価及び/又は2価の金属化合物で部分的に中和されていてもよい。このような金属化合物に含有される金属としては、ナトリウム、カルシウム、亜鉛等が挙げられる。そして、このような金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの金属化合物の添加量は、延伸成形性を損なうことのない量であればよく特に限定されないが、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の含有量に対して0.3化学当量以下であることが好ましい。
さらに、このようなポリカルボン酸系重合体の数平均分子量については特に限定されないが、有機薄膜の形成性の観点から、2,000〜10,000,000の範囲であることが好ましく、更に5,000〜1,000,000であることが好ましい。
本発明にかかる可塑剤としては、公知の可塑剤から適宜選択して使用することが可能である。このような可塑剤としては、ポリアルコールが好ましく用いられる。このような可塑剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等のグリコール類;ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、エリトリトール、グリセリン、乳酸、脂肪酸を例示することができる。これらの中でも、得られる積層体の延伸性と得られる延伸多層フィルムのガスバリア性の観点から、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等がより好ましい。これらの可塑剤は1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。
本発明にかかる層(A)においては、前記ポリカルボン酸系重合体と前記可塑剤との質量比(ポリカルボン酸系重合体/可塑剤)が、99.9/0.1〜70/30の範囲であることが好ましく、99/1〜80/20の範囲であることがより好ましく、95/5〜85/15の範囲であることが特に好ましい。質量比が前記範囲にあることにより、得られる積層体の延伸成形性と得られる延伸多層フィルムのガスバリア性を両立することができる。すなわち、層(A)中のポリカルボン酸系重合体と、後述する層(B)中の多価金属イオンとの間にイオン結合を形成させて安定したガスバリア性を発現させることができる。また、層(A)中に可塑剤が存在することにより、支持体もしくは熱可塑性樹脂からなる層の延伸に層(A)を追従させることができ、さらには後述する層(B)及び層(C)の延伸を補助することができる。
また、このような層(A)の厚さは、厚みが0.01〜20μmの範囲であることが好ましく、0.05〜10μmの範囲であることがより好ましく、0.1〜5μmの範囲であることが特に好ましい。層(A)の厚みが前記下限未満では成膜が困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、多価金属イオンとのイオン結合反応が厚み方向に均一に進行しにくくなるために、得られる積層体や延伸多層フィルムのガスバリア性が不十分となる傾向にある。
(多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B))
本発明にかかる層(B)は、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層である。そして、本発明にかかる多価金属化合物は、前記ポリカルボン酸系重合体とイオン結合を形成させるためのものである。このような多価金属化合物に含有される金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属;アルミニウムを挙げることができる。
また、このような多価金属化合物は、前記金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、無機酸塩;その他、前記金属のアンモニウム錯体や多価金属の2〜4級アミン錯体とそれら錯体の炭酸塩や有機酸塩等が挙げられる。前記有機酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ステアリン酸塩、モノエチレン性不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。前記無機酸塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。それ以外には前記金属のアルキルアルコキシド等を挙げることができる。
このような多価金属化合物は1種のものを単独で用いても、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、このような多価金属化合物の中でも、得られる延伸多層フィルムのガスバリア性、防湿性及び製造性の向上という観点から、2価の金属化合物が好ましく用いられる。更に、このような多価金属化合物の中でも、アルカリ土類金属、ジルコニウム、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛の酸化物、水酸化物、炭酸塩又はアルカリ土類金属、ジルコニウム、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛のアンモニウム錯体或いは前記錯体の炭酸塩を用いることが好ましく、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、銅、亜鉛の各酸化物、水酸化物、炭酸塩、及びジルコニウム、銅、ニッケル若しくは亜鉛のアンモニウム錯体とその錯体の炭酸塩を用いることがより好ましい。
なお、本発明にかかる層(B)にイオン結合の形成に関与しない多価金属化合物が存在する場合には、得られる積層体の透明性の観点で多価金属化合物は、粒状で、その粒径が小さい方が好ましい。また、後述するように本発明にかかる層(B)を形成させる場合には塗工液を用いることが好ましいが、このような塗工液をより効率よく、且つ確実に調製するという観点で多価金属化合物は粒状で、その粒径は小さい方が好ましい。このような多価金属化合物の平均粒径は、5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。
本発明にかかるバインダ樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等であって、塗料用に用いられている樹脂を好適に使用することができる。具体的には、アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、セルロース系樹脂、天然樹脂等の樹脂を挙げることができる。
なお、本発明にかかる多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物は、このような多価金属化合物及びバインダ樹脂の他に必要に応じて硬化剤を含有していてもよい。このような硬化剤としては、メラミン樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン等の公知の樹脂を挙げることができる。
本発明にかかる層(B)においては、前記多価金属化合物と前記バインダ樹脂との質量比(多価金属化合物/バインダ樹脂)が65/35〜92/8の範囲であることが好ましく、70/30〜92/8の範囲であることがより好ましく、75/25〜92/8の範囲であることが特に好ましく、78/22〜92/8の範囲であることが最も好ましい。質量比が前記下限未満では、得られる延伸多層フィルムのガスバリア性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる延伸積層体の延伸成形性及び透明性が乏しくなる傾向にある。
また、このような層(B)の厚さは、厚みが0.05〜50μmの範囲であることが好ましく、0.1〜10μmの範囲であることがより好ましく、0.2〜5μmの範囲であることが特に好ましい。層(B)の厚みが前記下限未満では、得られる延伸多層フィルムのガスバリア性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると延伸成形性が乏しくなる傾向にある。
(イオン化制御樹脂からなる層(C))
本発明にかかる層(C)は、前記層(A)と前記層(B)との間に配置される層であって、イオン化制御樹脂からなる層である。そして、本発明にかかるイオン化制御樹脂とは、常温において前記層(B)中の多価金属イオンが前記層(A)に移動することを抑制することができる樹脂のことをいう。このようなイオン化制御樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂を挙げることができる。これらの中でも、延伸成形性、並びに常温において多価金属イオンが移動することを抑制するという観点から、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂が好ましい。
また、このようなイオン化制御樹脂は、前記層(A)と前記層(B)との層間接着強度という観点から、ウレタン結合を有する樹脂であることが好ましい。このようなウレタン結合を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂を挙げることができる。
さらに、このようなイオン化制御樹脂は、前記アンカーコート層を構成するアンカーコート剤と同一の樹脂であってもよい。このようにして、前記層(A)の延伸に前記アンカーコート層と層(C)とを追従させやすくして、得られる積層体の延伸成形性を向上させることができる。また、このようなイオン化制御樹脂は、前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であってもよい。このようにして、前記層(B)の延伸に層(C)を追従させやすくして、得られる積層体の延伸成形性を向上させることができる。さらには、このようなイオン化制御樹脂は、前記アンカーコート層を構成するアンカーコート剤及び前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であってもよい。
また、このような層(C)の厚さは、厚みが0.01〜1μmの範囲であることが必要である。層(C)の厚みが0.01μm未満では、延伸積層体の透明性が乏しくなり、他方、1μmを超えると、得られる延伸多層フィルムのガスバリア性が不十分となる。なお、このような層(C)の厚さとしては、厚みが0.02〜0.5μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5μmの範囲であることがより好ましい。
(ガスバリア層前駆体)
本発明にかかるガスバリア層前駆体においては、前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されていることが必要である。前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されていることにより、前記層(B)中の多価金属イオンが前記層(A)に移動することを抑制することができ、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基との間にイオン結合が形成されること(イオン結合反応)を抑制することができる。そのため、本発明の延伸成形用積層体を用いることによって、優れた透明性を有する延伸積層体を得ることが可能となる。
また、このようなガスバリア層前駆体は、前記層(A)、前記層(B)及び前記層(C)のうちのいずれか1つ以上の層を複数備える積層体であってもよい。ここで、このようなガスバリア層前駆体の積層態様の例を示す。ただし、これらはあくまでも例示であって、本発明にかかるガスバリア層前駆体はこれらのみに限定されるものではない。
1:(A)/(C)/(B)、
2:(A)/(C)/(B)/(C)/(A)、
3:(B)/(C)/(A)/(C)/(B)、
4:(A)/(C)/(B)/(C)/(A)/(C)/(B)。
さらに、このようなガスバリア層前駆体においては、得られる延伸多層フィルムのガスバリア性の観点から、前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基の含有量(At)と前記多価金属化合物の含有量(Bt)の化学当量比(Bt/At)が0.2以上であることが好ましく、0.5〜10の範囲であることがより好ましい。さらに、上記観点に加え、得られる積層体の延伸成形性や透明性の観点から、前記化学当量比(Bt/At)が0.8〜5の範囲であることが特に好ましい。
<延伸成形用積層体>
本発明の延伸成形用積層体は、前述した支持体と、前述したガスバリア層前駆体とを備えるものである。このような延伸成形用積層体を用いると、延伸成形する際におけるフィルムの透明性の低下を十分に抑制することができる。そのため、このような延伸成形用積層体を、面積延伸倍率が1.1〜100倍の範囲(好ましくは1.1〜50倍の範囲、より好ましくは1.1〜25倍の範囲)となるように、延伸してなる本発明の延伸積層体は、優れた透明性を有するものとなる。なお、このような延伸積層体においては、曇価が10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。
また、このような延伸積層体を備える延伸多層フィルムは、ボイル処理、レトルト処理等の殺菌処理を施すことによって、高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムとなる。したがって、本発明の絞り成形用積層体は、ボイル処理、レトルト処理等の殺菌処理を施す必要がある延伸多層フィルムに用いる積層体として特に有用である。
<延伸多層フィルム>
次に、本発明の延伸多層フィルムについて説明する。本発明の延伸多層フィルムは、前記延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備えることを特徴とするものである。
このような熱可塑性樹脂フィルムは、延伸積層体への耐磨耗性付与、光沢性付与、ヒートシール性付与、強度付与、防湿性付与等の目的に併せて適宜積層されるものである。また、このような熱可塑性樹脂フィルムの材料としては、前記支持体の材料と同様のものを挙げることができる。さらに、このような熱可塑性樹脂フィルムの材料は、上記の目的に併せて適宜選択して用いることができる。なお、本発明の延伸多層フィルムは、上記の目的に併せて2層以上の熱可塑性樹脂フィルムを備えていてもよい。
また、このような熱可塑性樹脂フィルムの厚さとしては、厚みが1〜1000μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、5〜300μmであることが特に好ましく、5〜200μmであることが最も好ましい。
本発明のガスバリア性を有する延伸多層フィルムは、前記延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備える延伸多層フィルムに高温高湿処理を施すことにより、前記層(B)中の多価金属イオンを前記層(C)を介して前記層(A)に移動せしめ、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基との間にイオン結合を形成せしめることによって、高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを特徴とするものである。
このような高温高湿処理とは、前記延伸多層フィルムを高温高湿の雰囲気下や熱水に曝す処理のことをいう。このような高温高湿処理において、処理温度としては80℃以上(より好ましくは90℃以上)であることが好ましい。また、処理時間はとしては、処理温度にもよるが10分以上(より好ましくは20分以上)であることが好ましい。さらに、前記延伸多層フィルムを高温高湿の雰囲気下に曝す場合においては、相対湿度が90%以上であることが好ましい。なお、このような高温高湿処理として、前記延伸多層フィルムにボイル処理、レトルト処理等の殺菌処理を施してもよい。
本発明の延伸多層フィルムはこのような高温高湿処理を施すことによりガスバリア性を有する延伸多層フィルムとなる。このようなガスバリア性を有する延伸多層フィルムにおいては、温度20℃、相対湿度80%における酸素透過度が100cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることが好ましく、50cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることがより好ましく、30cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることが特に好ましい。
<延伸成形用積層体、延伸積層体及び延伸多層フィルムを製造する方法>
次いで、本発明の延伸成形用積層体、延伸積層体及び延伸多層フィルムを製造する方法について説明する。本発明の延伸成形用積層体を製造する方法としては、前記アンカーコート層、前記層(A)、前記層(B)及び前記層(C)を形成するための塗工液を調製する工程と、前記支持体の少なくとも片面に前記アンカーコート層を介して前記ガスバリア層前駆体が形成されるように、前記支持体に順次調製した塗工液を塗工及び乾燥する工程とを含む方法を挙げることができる。
このような塗工液を調製する工程においては、前記アンカーコート層、前記層(A)、前記層(B)及び前記層(C)を形成するための塗工液を調製する。このような塗工液を調製する方法としては、前記アンカーコート層、前記層(A)、前記層(B)及び前記層(C)の材料を溶媒又は分散媒に溶解又は分散せしめる方法を挙げることができる。このような溶媒又は分散媒としては、特に限定されないが、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。また、このような塗工液の固形分濃度としては、塗工適性の観点から、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、2〜30質量%の範囲であることがより好ましい。
このような塗工液を塗工及び乾燥する工程においては、上記のようにして調製された塗工液を前記支持体に順次塗工及び乾燥することにより、前記支持体の少なくとも片面に前記アンカーコート層を介して前記ガスバリア層前駆体を形成させる。より具体的には、前記支持体の少なくとも片面に前記アンカーコート層用の塗工液を塗工及び乾燥してアンカーコート層を形成させることができる。そして、前記アンカーコート層の表面に前記層(A)用の塗工液を塗工及び乾燥して層(A)を形成させた後に、前記層(C)用の塗工液を塗工及び乾燥して層(C)を形成させ、その後、前記層(B)用の塗工液を塗工及び乾燥して層(B)を形成させることによって、前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されているガスバリア層前駆体を形成させることができる。
このように塗工液を塗工する方法としては、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能であり、浸漬法(ディッピング法);スプレー、コーター、印刷機、刷毛等を用いる方法が挙げられる。また、これらの方法に用いられるコーター及び印刷機の種類並びにそれらの塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
また、塗工液の塗布量としては、所望する層の厚みにより異なり特に限定されないが、塗工液を塗工して乾燥した後の1mあたりの質量が0.01〜5g/mであることが好ましく、0.03〜3g/mであることがより好ましい。このように塗工液を塗工して乾燥した後の1mあたりの質量が前記下限未満では、成膜が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると乾燥が不十分で溶剤が残留しやすくなる傾向にある。
さらに、このように塗工液を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、前記コーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤー等を用いる方法を挙げることができる。さらに、乾燥の条件としては、乾燥させる方法により適宜選択することできるが、例えばオーブン中で乾燥させる方法においては、温度60〜120℃にて、1秒間〜5分間程度乾燥することが好ましい。
本発明の延伸積層体を製造する方法としては、前記延伸成形用積層体を面積延伸倍率が1.1〜100倍の範囲となるように延伸する工程(延伸工程)を含む方法を挙げることができる。このような延伸工程において用いる装置としては、テンター延伸機、インフレーション延伸機等を挙げることができる。また、このような延伸工程における温度としては、生産性の観点から20〜180℃の範囲であることが好ましく、40〜120℃の範囲であることがより好ましい。さらに、このような延伸は、1軸延伸であってもよく、同時2軸延伸であってもよい。
また、このような延伸積層体を製造する方法においては、前記延伸成形用積層体を製造した後に延伸工程を行ってもよく、前記延伸成形用積層体を製造する過程において延伸工程を行ってもよい。このような延伸積層体を製造する方法としてより具体的には、(i)未延伸の支持体に前記アンカーコート層及び前記ガスバリア層前駆体を形成させた後に、同時2軸延伸する方法、(ii)1軸(例えば、縦方向)延伸された支持体に前記アンカーコート層及び前記ガスバリア層前駆体を形成させた後に、1軸(例えば、横方向)延伸する方法、(iii)未延伸の支持体に前記アンカーコート層を形成させた後に、1軸(例えば、縦方向)延伸し、さらに、前記ガスバリア層前駆体を形成させた後に、1軸(例えば、横方向)延伸する方法、(iv)未延伸の支持体に前記アンカーコート層並びに前記ガスバリア層前駆体のうちの一部の層(例えば、前記層(A))を形成させた後に、1軸(例えば、縦方向)延伸し、さらに、前記ガスバリア層前駆体のうちの残りの層(例えば、前記層(C)及び前記層(B))を形成させた後に、1軸(例えば、横方向)延伸する方法を挙げることができる。
本発明の延伸多層フィルムを製造する方法としては、前記延伸積層体におけるガスバリア層前駆体の表面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させる方法を挙げることができる。熱可塑性樹脂フィルムを積層させる方法としては特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができ、ドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、ホットメルトラミネート法等を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(調製例1)
ポリエステル系ポリオール(EL−510−1:東洋モートン(株)製、固形分濃度50質量%)を主剤とし、ポリイソシアネート(CAT−RT87:東洋モートン(株)製、固形分濃度70質量%)を硬化剤とした。そして、それらの質量比(主剤/硬化剤)が5/1となるようにして溶媒(酢酸エチル)に溶解させてアンカーコート層用の塗工液(Ac−1)を調製した。得られた塗工液(Ac−1)における固形分濃度は5質量%であった。
(調製例2)
ポリエステル系樹脂(紫外線遮蔽用バインダ樹脂:住友大阪セメント(株)製、固形分濃度20質量%)を主剤とし、ポリイソシアネート(住友大阪セメント(株)製、固形分濃度75質量%)を硬化剤とした。そして、それらの質量比(主剤/硬化剤)が3/1となるように混合した後、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(トルエン/メチルエチルケトン=4/1)にて固形分濃度が5質量%となるように希釈してアンカーコート層用の塗工液(Ac−2)を調製した。
(調製例3)
先ず、数平均分子量200,000のポリアクリル酸重合体(アロンA−10H:東亞合成(株)製、25質量%水溶液)を蒸留水にて固形分濃度が4質量%となるように希釈して、ポリアクリル酸水溶液を調製した。次に、得られたポリアクリル酸水溶液90質量部と、グリセリン4質量%水溶液10質量部とを混合した後に攪拌して層(A)用の塗工液(A−1)を調製した。
(調製例4)
調製例3で得られた塗工液(A−1)に、ポリアクリル酸のカルボキシル基に対して0.05化学当量の水酸化カルシウムを添加して層(A)用の塗工液(A−2)を調製した。
(調製例5)
酸化亜鉛分散液(紫外線遮蔽用サスペンションZS−303:住友大阪セメント(株)製、固形分濃度32.4質量%)と、ポリエステル系樹脂(紫外線遮蔽用バインダ樹脂:住友大阪セメント(株)製、固形分濃度20質量%)とを、酸化亜鉛とポリエステル系樹脂との質量比(酸化亜鉛/ポリエステル系樹脂)が80/20となるように混合して混合液を得た。得られた混合液100質量部にポリイソシアネート(住友大阪セメント(株)製、固形分濃度75質量%)3質量部を添加した後、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(トルエン/メチルエチルケトン=4/1)にて固形分濃度が15質量%となるように希釈して層(B)用の塗工液(B−1)を調製した。
(調製例6)
酸化亜鉛とポリエステル系樹脂との質量比(酸化亜鉛/ポリエステル系樹脂)が85/15となるように混合した以外は調製例5と同様にして層(B)用の塗工液(B−2)を調製した。
(調製例7)
酸化亜鉛とポリエステル系樹脂との質量比(酸化亜鉛/ポリエステル系樹脂)が88/12となるように混合した以外は調製例5と同様にして層(B)用の塗工液(B−3)を調製した。
(調製例8)
調製例1と同様にして固形分濃度が5質量%の層(C)用の塗工液(C−1)を調製した。
(調製例9)
調製例2と同様にして固形分濃度が5質量%の層(C)用の塗工液(C−2)を調製した。
(実施例1)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。その後、得られた未延伸PETフィルムを周速の異なる87℃の一対のロール間で、縦方向(フィルム走行方向)に3倍延伸した。
次に、得られた一軸延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)、調製例3で得られた塗工液(A−1)、調製例8で得られた塗工液(C−1)及び調製例5で得られた塗工液(B−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で横方向(フィルムの幅方向)に3倍延伸して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)、層(C−1)及び層(B−1)の厚みは、それぞれ0.9μm、0.3μm及び3.0μmであった。
(実施例2)
調製例8で得られた塗工液(C−1)に代えて調製例9で得られた塗工液(C−2)を用いた以外は実施例1と同様にして延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(C−2)の厚みは0.3μmであった。
(実施例3)
調製例1で得られた塗工液(Ac−1)に代えて調製例2で得られた塗工液(Ac−2)を用い、調製例8で得られた塗工液(C−1)に代えて調製例9で得られた塗工液(C−2)を用いた以外は実施例1と同様にして延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(C−2)の厚みは0.3μmであった。
(実施例4)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。次に、得られた未延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)を、オフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で縦方向(フィルム走行方向)に3倍延伸した。
次いで、一軸延伸したアンカーコート層(Ac−1)上に、調製例3で得られた塗工液(A−1)、調製例8で得られた塗工液(C−1)及び調製例5で得られた塗工液(B−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で横方向(フィルムの幅方向)に3倍延伸して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)、層(C−1)及び層(B−1)の厚みは、それぞれ0.9μm、0.3μm及び3.0μmであった。
(実施例5)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。次に、得られた未延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)及び調製例3で得られた塗工液(A−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で縦方向(フィルム走行方向)に3倍延伸した。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)の厚みは0.9μmであった。
次いで、一軸延伸した層(A−1)上に、調製例8で得られた塗工液(C−1)及び調製例5で得られた塗工液(B−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で横方向(フィルムの幅方向)に3倍延伸して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(C−1)及び層(B−1)の厚みは、それぞれ0.3μm及び3.0μmであった。
(実施例6)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。次に、得られた未延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)、調製例3で得られた塗工液(A−1)及び調製例8で得られた塗工液(C−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で縦方向(フィルム走行方向)に3倍延伸した。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)及び層(C−1)の厚みは、それぞれ0.9μm及び0.8μmであった。
次いで、一軸延伸した層(C−1)上に、調製例5で得られた塗工液(B−1)をオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で横方向(フィルムの幅方向)に3倍延伸して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(B−1)の厚みは3.0μmであった。
(実施例7)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。
次に、得られた未延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)、調製例3で得られた塗工液(A−1)、調製例8で得られた塗工液(C−1)及び調製例5で得られた塗工液(B−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後、テンター((株)市金製)にて120℃の炉内で縦方向(フィルム走行方向)及び横方向(フィルムの幅方向)にそれぞれ3倍延伸(同時二軸延伸)して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)、層(C−1)及び層(B−1)の厚みは、それぞれ0.9μm、0.8μm及び4.5μmであった。
(実施例8)
先ず、ポリエステル(PET)樹脂(ユニペットRT−580:東洋紡績(株)製)をTダイ方式にて溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚み120μmの未延伸PETフィルム(支持体)を製膜した。
次に、得られた未延伸PETフィルム上に、調製例1で得られた塗工液(Ac−1)、調製例3で得られた塗工液(A−1)、調製例8で得られた塗工液(C−1)及び調製例5で得られた塗工液(B−1)を、それぞれこの順番でオフセットグラビア方式にて塗工及び乾燥した後にフィルムを巻き取った。なお、塗工及び乾燥後の層(A−1)、層(C−1)及び層(B−1)の厚みは、それぞれ0.9μm、0.8μm及び4.5μmであった。
次いで、巻き取られたフィルムをテンター((株)市金製)にて120℃の炉内で縦方向(フィルム走行方向)及び横方向(フィルムの幅方向)にそれぞれ3倍延伸(同時二軸延伸)して、面積延伸倍率が9倍の延伸積層体を得た。
(実施例9)
ポリエステル(PET)樹脂に代えてポリアミド(Ny)樹脂(A1030BRT:ユニチカ(株)製)を支持体の材料となる樹脂として用いた以外は実施例7と同様にして延伸積層体を得た。
(実施例10)
ポリエステル(PET)樹脂に代えてポリプロピレン(CPP)樹脂(ノーブレンFK145:住友化学(株)製)を支持体の材料となる樹脂として用いた以外は実施例7と同様にして延伸積層体を得た。
(実施例11)
調製例5で得られた塗工液(B−1)に代えて調製例6で得られた塗工液(B−2)を用いた以外は実施例1と同様にして延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(B−2)の厚みは3.0μmであった。
(実施例12)
調製例5で得られた塗工液(B−1)に代えて調製例7で得られた塗工液(B−3)を用いた以外は実施例1と同様にして延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(B−3)の厚みは3.0μmであった。
(実施例13)
調製例3で得られた塗工液(A−1)に代えて調製例4で得られた塗工液(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして延伸積層体を得た。なお、塗工及び乾燥後の層(A−2)の厚みは0.9μmであった。
(比較例1)
塗工及び乾燥後の層(C−1)の厚みが3.6μmとなるように塗工した以外は実施例1と同様にして比較用の延伸積層体を得た。
(比較例2)
塗工及び乾燥後の層(C−2)の厚みが3.6μmとなるように塗工した以外は実施例2と同様にして比較用の延伸積層体を得た。
(比較例3)
層(C−1)を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較用の延伸積層体を得た。
(比較例4)
層(C−1)を形成しなかったこと以外は実施例8と同様にして比較用の延伸積層体を得た。
<電子顕微鏡観察及び曇価の測定>
(i)電子顕微鏡観察
実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた延伸積層体を試料として、特定微小部の電子顕微鏡観察(TEM−EDX)を行い、試料における層(A)、層(B)及び層(C)の厚みを測定した。すなわち、得られた延伸積層体からウルトラミクロトームを用いて、それぞれ試験片を切り出した。それらの試験片について、透過電子顕微鏡(HF2000:日立製作所製)及び元素分析装置(VOYAGERIII M3100:NORAN製)を用いて、その断面をTEM−EDXにより観察して層(A)、層(B)及び層(C)の厚みを測定した。なお、測定条件としては、加速電圧を200keV、ビーム径を10nm、エネルギー分解能を137eV、測定時間を100秒間とした。
(ii)曇価の測定
実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた延伸積層体の曇価を曇り度計(Haze Meter NDH2000:日本電色工業(株)製)を用いて測定した。なお、曇価は値が小さくなるほど、透明性が優れることを意味し、数値が大きくなるほど、透明性が悪くなることを意味する。
<酸素透過度の測定>
(i)測定用試料の作製
実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた延伸積層体のガスバリア層前駆体の表面に、それぞれポリウレタン系接着剤[(主剤:タケラックA620、硬化剤:タケネート65、溶剤:酢酸エチル):三井武田ケミカル(株)製]を介して、厚み80μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムをドライラミネート法により接着せしめて延伸多層フィルムを得た。そして、得られた延伸多層フィルムに、高温高圧処理として、レトルト処理機(RCS−60:日阪製作所製)を用いて、温度120℃にて30分間のレトルト処理(貯湯式)を施して試料を得た。
(ii)酸素透過度の測定
JIS K−7126、B法(等圧法)、及びASTM D 3985に記載された方法に準拠して、酸素透過試験器(TMOX−TRAN2/20;Modern Control社製)を用いて、温度20℃、両側80%相対湿度(RH)の条件で、得られた試料の酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度の単位はcm(STP)/(m・day・MPa)である。
<評価結果>
電子顕微鏡観察、曇価及び酸素透過度の測定により得られた結果、並びに延伸前(塗工及び乾燥後)の層(A)、層(B)及び層(C)の厚みを表2に示す。さらに、実施例及び比較例における、支持体、塗工液の塗工・延伸工程の順序、延伸方式、及び層(B)中の酸化亜鉛とポリエステル系樹脂との質量比(酸化亜鉛/ポリエステル系樹脂)を表1に示す。
Figure 0004765089
Figure 0004765089
表1及び2に示した結果からも明らかなように、本発明の延伸積層体(実施例1〜13)は、優れた透明性を有することが確認された。また、本発明の延伸積層体(実施例1〜13)を用いた延伸多層フィルムは、高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性有することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、優れた透明性を有し、且つ高湿度雰囲気下においても優れたガスバリア性を有する延伸多層フィルムを得ることが可能な延伸成形用積層体、並びにそれを用いた延伸積層体及び延伸多層フィルムを提供することが可能となる。

Claims (13)

  1. 支持体と、前記支持体の少なくとも片面にアンカーコート層を介して積層されたガスバリア層前駆体とを備える延伸成形用積層体であって、
    前記ガスバリア層前駆体が、ポリカルボン酸系重合体及び可塑剤の混合物からなる層(A)と、多価金属化合物及びバインダ樹脂の混合物からなる層(B)と、イオン化制御樹脂からなり、層の厚みが0.01〜1μmである層(C)とを備えており、
    前記層(A)と前記層(B)とが前記層(C)を介して積層されていることを特徴とする延伸成形用積層体。
  2. 前記イオン化制御樹脂が、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の延伸成形用積層体。
  3. 前記イオン化制御樹脂がウレタン結合を有する樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の延伸成形用積層体。
  4. 前記イオン化制御樹脂が前記アンカーコート層を構成する樹脂と同一の樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体。
  5. 前記イオン化制御樹脂が前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体。
  6. 前記イオン化制御樹脂が、前記アンカーコート層を構成する樹脂及び前記層(B)を構成するバインダ樹脂と同一の樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体。
  7. 前記多価金属化合物と前記バインダ樹脂との質量比(多価金属化合物/バインダ樹脂)が65/35〜92/8の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体。
  8. 前記多価金属化合物が2価の金属化合物であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体。
  9. 請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の延伸成形用積層体を、面積延伸倍率が1.1〜100倍の範囲となるように、延伸してなることを特徴とする延伸積層体。
  10. 曇価が10%以下であることを特徴とする請求項9に記載の延伸積層体。
  11. 請求項9又は10に記載の延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備えることを特徴とする延伸多層フィルム。
  12. 請求項9又は10に記載の延伸積層体と、前記延伸積層体の少なくとも片面に積層された熱可塑性樹脂フィルムとを備える延伸多層フィルムに高温高湿処理を施すことにより、前記層(B)中の多価金属イオンを前記層(C)を介して前記層(A)に移動せしめ、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基との間にイオン結合を形成せしめてなることを特徴とするガスバリア性を有する延伸多層フィルム。
  13. 温度20℃、相対湿度80%における酸素透過度が100cm(STP)/(m・day・MPa)以下であることを特徴とする請求項12に記載のガスバリア性を有する延伸多層フィルム。
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