JP4764763B2 - 生菌数測定方法、生菌数測定装置、スライムモニター方法およびスライムコントロール剤添加システム - Google Patents

生菌数測定方法、生菌数測定装置、スライムモニター方法およびスライムコントロール剤添加システム Download PDF

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本発明は、例えば紙パルプ工業の各工程水やクーリングタワーの冷却水等の各種産業用水中の微生物の生菌数を迅速に高感度で測定する生菌数測定方法と、これを用いたスライムコントロール剤自動添加システムおよびスライムモニターとに関する。
従来から、紙パルプ工業の各工程水やクーリングタワーの冷却水等の各種用水が使用されている産業においては、用水中の微生物が要因となって発生するスライム障害が問題となっており、様々な弊害を招いている。ここで、スライムとは、前記産業の用排水中において微生物的要因によって発生する粘性泥状物質を指し、特に、紙パルプ工業においては、断紙、目玉、汚斑、操業性低下など様々な弊害の原因となるものである。
そこで、紙パルプ工業においては、このようなスライム障害を防止するために、殺菌剤等を配合したスライムコントロール剤を用排水等の水系に添加する方法が広く採用されている。この方法においては、スライムコントロール剤の添加前後の用排水を採取して、その試料中の生菌数を測定することにより、その効果を確認し、必要に応じて、適宜スライムコントロール剤の添加量を増減することが必要になる。これまで、この生菌数の測定には平板培養等の方法が採用されてきた。ところが、このような方法で生菌数を測定する場合、通常、最低48時間の培養時間が必要となるため、効果不足時にスライムコントロール剤を増量するような対応が迅速に取れないことが問題視されていた。つまり、スライムコントロール剤の添加に際し即時対応を可能とするためには、試料中の生菌数をなるべく迅速に測定することが重要であり、迅速に結果が得られる生菌数測定方法が要望されていた。
各種用水を含む液体試料中の生菌数を迅速に測定する方法については、いくつかの提案がなされている。例えば、好気性細菌が呼吸により酸素を消費する性質を利用して、酸素電極により液体試料中の溶存酸素濃度を測定することにより液体試料中の生菌数を求める方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。これらの方法は、酸素電極としてクラーク型酸素電極を使用し、白金電極(陽極)と銀電極(陰極)との間で連続的に電圧を印加し、溶存酸素の減少速度を測定することにより液体試料中の生菌数を求めるものである。
しかしながら、これら公知の方法では、微生物による酸素消費に加え、白金極での電極反応に由来して酸素が自己消費されるため、得られる測定値は両方の酸素消費を反映したものとなる。そのため、これまでは、生菌数の検出感度や精度を要求されるレベルまで上げることができないのが現状であった。
特開昭56−140898号公報 特開昭63−15150号公報
本発明の課題は、微生物の生菌数を迅速にかつ高感度、高精度で測定できる生菌数測定方法と、該測定方法を行なうための生菌数測定装置と、該測定方法を用いたスライムモニター方法およびスライムコントロール剤添加システムとを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クラーク型酸素電極に電圧を印加して酸素濃度信号を検知することにより酸素消費量を求めるにあたり、電圧の印加を、従来のように電極間に電圧を連続的に印加する方式(連続印加方式)ではなく、酸素濃度信号を検知する度毎に断続的に電圧を印加する(すなわち、電圧を印加し、酸素濃度信号を検知した後には速やかに該電圧の印加を停止するようにし、その後、別の酸素濃度信号を検知する際には改めて電圧を印加する)方式(断続印加方式)で行なうようにすることにより、電極反応に誘発される酸素の自己消費を最小限に抑制することが可能になり、その結果、生菌数の検出感度や精度を大幅に向上させることができることを見出した。さらに、測定対象である試料を測定する前後で無菌水を用いて逐次校正を加えることにより、生菌数の検出感度や精度をより向上させることができることを見出した。そして、これらの知見から本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)微生物が消費する酸素消費量から試料中の生菌数を測定する方法であって、クラーク型酸素電極に電圧を印加して酸素濃度信号を検知することにより前記酸素消費量を求めるにあたり、下記(i)〜(viii)の操作をこの順序で行ない、得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を用いて算出する、ことを特徴とする生菌数測定方法。
(i)無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
(ii)電圧を印加して無菌水の初期酸素濃度信号(Cal−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
(iii)試料中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該試料を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
(iv)電圧を印加して試料の初期酸素濃度信号(Sam−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
(v)所定時間、試料中の微生物に酸素を消費させる操作。
(vi)電圧を印加して酸素消費後の酸素濃度信号(Sam−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
(vii)再び無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
(viii)電圧を印加して前記試料測定後の無菌水の酸素濃度信号(Cal−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
(2)酸素消費量は、得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を下記式(1)に代入することにより、酸素消費率として求める、前記(1)記載の生菌数測定方法。
Figure 0004764763
(3)前記無菌水は、抗菌剤、または抗菌剤および洗浄剤を精製水に含有させたものである、前記(1)または(2)記載の生菌数測定方法。
(4)酸素電極への電圧印加時間が1回あたり1〜6分間である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の生菌数測定方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の生菌数測定方法に用いる測定装置であって、密閉可能な測定セルと、該測定セル内の液体に溶存酸素を飽和させる酸素飽和手段と、クラーク型酸素電極に電圧を印加するための電圧印加手段と、電圧印加により生じた酸素濃度信号を検知する検知手段と、前記測定セル内の液温を制御する温度制御手段とを備える、ことを特徴とする生菌数測定装置。
(6)前記試料に代えて無菌水を供給する無菌水供給手段をも備える、前記(5)記載の生菌数測定装置。
(7)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の生菌数測定方法による測定を所定時間ごとに行ない、該測定で得られた酸素消費量の増減によってスライム量を監視する、ことを特徴とするスライムモニター方法。
(8)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の生菌数測定方法において測定された酸素消費量に基づきスライムコントロール剤の添加量を制御する機構を備える、ことを特徴とするスライムコントロール剤添加システム。
本発明によれば、従来のように培養して生菌数をみるのではなく、微生物が消費する酸素消費量を求めることにより生菌数をみるので、迅速に生菌数の測定結果を得ることができ、しかも、従来のように電圧を連続印加するのではなく、断続的に印加するとともに無菌水を用いて逐次校正を加えるようにしたので、高感度かつ高精度で生菌数の測定を行なえる、という効果がある。しかも、このように高感度(検出感度)、高精度での生菌数測定が可能になることに伴い、該測定に用いる測定装置における電極の面積を小さくすることができ、装置の小型化が実現できる。また、高感度化、高精度化により、増幅回路など電気系への負荷が小さくなるので、コストダウンも可能である。また、電圧を断続的に印加することにより、白金電極の対極である銀電極の老化(消耗)を軽減でき、電極を含めた装置の長寿命化を図ることもできる。
さらに、本発明によれば、迅速にかつ高感度、高精度で生菌数を測定することができることにより、各種用排水におけるスライムの発生を容易かつ確実に把握することが可能になり、スライム障害を防止するためのスライムコントロール剤をその添加効果を見極めて的確なタイミングで添加することができる、という効果も得られる。
<生菌数測定方法>
本発明の生菌数測定方法は、測定対象である試料中の微生物が消費する酸素消費量から生菌数を測定する方法である。
本発明の生菌数測定方法においては、クラーク型酸素電極に電圧を印加して酸素濃度信号を検知することにより前記酸素消費量を求めるにあたり、下記(i)〜(viii)の操作をこの順序で行なう。すなわち、
(i)無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作、
(ii)電圧を印加して無菌水の初期酸素濃度信号(Cal−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作、
(iii)試料中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該試料を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作、
(iv)電圧を印加して試料の初期酸素濃度信号(Sam−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作、
(v)所定時間、試料中の微生物に酸素を消費させる操作、
(vi)電圧を印加して酸素消費後の酸素濃度信号(Sam−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作、
(vii)再び無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作、
(viii)電圧を印加して前記試料測定後の無菌水の酸素濃度信号(Cal−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作、
をこの順序で行なうのである。
上記(i)〜(viii)の操作においては、従来のように電圧を常に連続して印加するのではなく、各酸素濃度信号を検知する度毎に断続的に電圧を印加する断続印加方式で電圧印加を行なう。これにより、電極反応に誘発される酸素の自己消費を最小限に抑制することができ、その結果、検出感度や精度を向上させることができるのである。本発明の生菌数測定方法は、クラーク型酸素電極を用いた連続印加方式で電圧を印加する従来の生菌数測定方法とは、電圧の印加方式の点において大きく異なるものである。
上記(i)〜(viii)の操作のうち(i)、(ii)および(vii)、(viii)の操作は、試料を用いた一連の操作((iii)〜(vi))の前後に、無菌水を用いたときの酸素濃度信号(Cal−1)および(Cal−2)を検知するものであり、本発明の生菌数測定方法においては、これら酸素濃度信号(Cal−1)および(Cal−2)を用いて測定結果を逐次校正する。前述した断続印加方式を採用するとともに、無菌水を使用して逐次校正を行うことにより、測定の検出感度や精度を大幅に向上させることができるのである。本発明の生菌数測定方法は、このように無菌水を用いて逐次校正を加える点でも、従来の生菌数測定方法と大きく異なるものである。なお、酸素濃度信号(Cal−1)および(Cal−2)を用いて測定結果を逐次校正するとは、酸素消費量を求める演算において酸素濃度信号(Cal−1)および(Cal−2)を用いる(例えば、後述する式(1)や式(2)を参照)ことを意味する。
本発明の生菌数測定方法においては、前記酸素電極への電圧印加時間が1回あたり1〜6分間であることが好ましく、より好ましくは1回あたり1.5〜3分間であるのがよい。ここで、1回あたりの電圧印加時間とは、前記(ii)、(iv)、(vi)および(viii)の各操作で酸素濃度信号を得る際の各々の電圧印加時間(電圧を印加してから該電圧印加を停止するまでの時間)のことである。1回あたりの電圧印加時間が前記範囲よりも長い場合、電極反応に由来する酸素の自己消費を充分に抑制できなくなる恐れがあり、一方、1回あたりの電圧印加時間が前記範囲よりも短いと、酸素濃度信号を検知することが難しくなる傾向があるので好ましくない。
前記(i)、(iii)および(vii)の操作において、試料もしくは無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たすとは、測定セル内に試料もしくは無菌水を満たして密閉すること(具体的には、密閉された測定セル内には試料または無菌水からなる液相のみが存在し、大気などの気相が存在しないこと)を言う。測定セル内に試料もしくは無菌水を満たして密閉するに際しては、当該試料もしくは当該無菌水を測定セルに充填したのち排水することにより共洗いする操作(以下、この操作を共洗いと言う)を数回繰り返した後、オーバーフローさせて測定セル内に満たした状態で密閉することが望ましい。
前記(i)、(iii)および(vii)の操作において、試料もしくは無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させる方法、つまり溶存酸素濃度を平衡化する方法としては、例えば、試料もしくは無菌水中に酸素もしくは空気を所定時間バブリングするなどすればよい。
前記(ii)、(iv)、(vi)および(viii)の各操作において、印加電圧の大きさは、−500〜−1000mVとすることが好ましく、−600〜−700mVとすることがより好ましい。なお、印加電圧の大きさは、上記各操作ごとに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
前記(ii)、(iv)、(vi)および(viii)の各操作においては、電圧を印加した後、出力が安定してから、酸素濃度信号を検知することが望ましい。出力が安定するのは、通常、印加を開始してから1分程度後であり、この程度の時間を空けて酸素濃度信号を検知すればよい。また、前記(ii)、(iv)、(vi)および(viii)の各操作における電圧印加時には、測定セル内の試料もしくは無菌水をスターラー等により攪拌しておくことが、より正確な測定結果を得るうえで好ましい。このときの攪拌速度は、特に限定されないが、100〜2000rpmとするのが好ましい。
前記(v)の操作、すなわち試料中の微生物に酸素を消費させる操作(以下、この操作を酸素消費(培養)とも言う)において、試料中の微生物に酸素を消費させる時間(酸素消費時間(培養時間))は、適宜設定すればよいのであるが、通常、5〜120分間、好ましくは6〜90分間とするのがよい。また、前記(v)の操作における酸素消費(培養)時には、測定セル内の試料もしくは無菌水をスターラー等により攪拌しておくことが、より正確な測定結果を得るうえで好ましい。このときの攪拌速度は、特に限定されないが、100〜2000rpmとするのが好ましい。
前記各操作中には、試料もしくは無菌水の液温が20〜50℃となるように制御することが好ましく、より好ましくは30〜45℃となるように制御するのがよい。特に、前記(v)の操作における酸素消費(培養)時には、試料液温によって微生物の酸素消費量が左右される恐れがあるので、液温を一定に保つことが重要である。
前記無菌水としては、抗菌剤、または抗菌剤および洗浄剤を精製水に含有させたものが好ましい。勿論、これに限定されるものではなく、精製水をそのまま無菌水として使用することも可能であるし、また、少なくとも抗菌剤を含有させるのであれば、精製水ではなく、蒸留水、イオン交換水、工業用水、水道水等を使用することもできる。
前記無菌水に含有させることのできる抗菌剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、アジ化ナトリウム、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、パラヒドロキシ安息香酸エステル、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、メチレンビスチオシアネート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これら抗菌剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、無菌水に有効成分として20〜2000ppm含有されていればよく、好ましくは300〜1000ppm含有されているのがよい。
前記無菌水に含有させることのできる洗浄剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(2モル)ラウリルエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などの有機ホスホン酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウムなどのポリカルボン酸、スルファミン酸、リン酸などの無機酸等を挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。これら洗浄剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、無菌水に有効成分として10〜5000ppm含有されていればよく、好ましくは100〜3000ppm含有されているのがよい。
本発明の生菌数測定方法は、上記操作で得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を用いて酸素消費量を算出するものである。4つの酸素濃度信号を用いて酸素消費量を算出する際の演算式は、目的等に応じて適宜設定すればよいのであるが、例えば、酸素消費量は、得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を下記式(1)に代入することにより、酸素消費率(%)として求めることができる。式(1)のほかに採用することのできる演算式としては、例えば、下記式(2)が挙げられる。
Figure 0004764763
Figure 0004764763
本発明の生菌数測定方法においては、このようにして求めた酸素消費率(%)と、別途、平板培養法等にて測定した生菌数の値との相関式から求められる生菌数に換算するファクターを用いることにより、試料中の生菌数を自動的に測定することができる。
本発明の生菌数測定方法において測定対象とする試料としては、例えば紙パルプ工業の各工程水やクーリングタワーの冷却水等の各種用水を、原液のまま使用してもよいし、必要に応じて適当な倍率で適宜希釈して使用してもよい。
本発明の生菌数測定方法は、後述する本発明の生菌数測定装置を用いて実施することができる。後述する本発明の生菌数測定装置を用いて実施した場合の詳細については、<生菌数測定装置>の項で説明する。なお、勿論、本発明の生菌数測定方法は、後述する本発明の生菌数測定装置以外の装置を用いて行なうこともできる。
<生菌数測定装置>
本発明の生菌数測定装置は、前述した本発明の生菌数測定方法に用いる測定装置であり、そのために、密閉可能な測定セルと、該測定セル内の液体に溶存酸素を飽和させる酸素飽和手段と、クラーク型酸素電極に電圧を印加するための電圧印加手段と、電圧印加により生じた酸素濃度信号を検知する検知手段と、前記測定セル内の液温を制御する温度制御手段とを備えている。
以下、図面を参照しながら、この本発明の生菌数測定装置の一実施形態について具体的に説明する。但し、本発明の生菌数測定装置は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の生菌数測定装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図1に示すように、この生菌数測定装置は、試料の流路方向に沿って、温度制御域31および溶存酸素検出部20がこの順に設けられる。温度制御域31内の試料流路には、無菌水供給バルブ(V1)を介して無菌水タンク11が接続されている。
図1において、P1は試料を温度制御域31に送るためのポンプであり、P2は試料または無菌水を溶存酸素検出部20に送るためのポンプである。試料や無菌水の送液は、それぞれ無菌水供給バルブ(V1)や試料供給バルブ(V2)の開閉によって制御される。
空気バルブ(V3)は開放することで空気を供給できるようになっており、開放することによって試料もしくは無菌水に空気をバブリングし、その溶存酸素を飽和させることができる。つまり、該実施形態においては、空気バルブ(V3)が酸素飽和手段となる。
図1中、破線で示す温度制御域31は、温度制御手段(不図示)で温度制御される。温度制御手段としては、具体的には恒温槽や熱交換ジャケット等を例示することができる。
P3は、試料または無菌水を系内から排出するためのポンプであり、ドレインバルブ(V4)の開閉によって試料や無菌水の排出が制御される。
溶存酸素検出部20からの酸素濃度信号は演算手段12(例えば、内蔵コンピュータなど)で検知され、演算処理が施される。つまり、該実施形態においては、演算手段12が検知手段となる。
図2は、図1に示す装置の溶存酸素検出部の構成を示す概略図である。図2において、21は測定セルであり、ポンプ(P2)側の流路から試料または無菌水を充填し、ドレインバルブ(V4)側の流路から試料または無菌水を排水するようになっている。この測定セル21は、空気中の酸素が試料中もしくは無菌水中に溶解しないよう密閉可能であることが肝要である。また、測定セル21は、セル内を一定温度に保つために、温度制御域32内に収容されている。
測定セル21には、クラーク型酸素電極22と、該クラーク型酸素電極22に電圧を印加するための電圧印加手段(不図示)とが設けられている。この電圧印加手段(不図示)は、本発明の生菌数測定方法の特徴である断続的な電圧印加が可能となるもの(例えば、オンとオフとが任意に切り替え可能であるもの)であれば特に制限はなく、公知の電圧印加手段を使用することができる。
測定セル21には、攪拌手段として、その底部内側に液体を攪拌するためのスターラーピース23が入れられているとともに、底部外側にスターラーピース23を回転させるためのマグネチックスターラー24が設置されている。なお、測定セル21における攪拌手段は、スターラーピース23およびマグネチックスターラー24に限定されるものではなく、例えば、図4に示すような攪拌羽根25とこれを駆動させるモーター(不図示)などを設けることもできる。
また、攪拌手段を設ける際には、例えば図4に示すように、攪拌手段(攪拌羽根25)が酸素電極22の先端部22aに対向するように(好ましくは、先端部22aの正面に向かい合って位置するように)設置することが望ましい。これにより、酸素電極22の先端部22aが受ける圧が低減され、酸素濃度の測定精度をより向上させることができる。
図2中、破線で示す温度制御域32は測定セル21を含む領域であり、測定セル21内の液温を温度制御手段(不図示)で制御するものである。この温度制御によって、試料もしくは無菌水の液温を所望の温度に保持することが可能となる。とりわけ、試料液温によって微生物の酸素消費量が左右される恐れがある酸素消費時(前記(v)の操作時)には、液温を一定に保つことが重要となるので、前記温度制御を確実に行なうことが望ましい。温度制御手段としては、具体的には恒温槽や熱交換ジャケット等を例示することができる。
以下、本発明の生菌数測定装置の使用形態について具体的に説明する。
まず、無菌水供給バルブ(V1)より無菌水を注入して測定セル21および系内各流路を満たし、測定セル21および各流路の洗浄を行う。続いて、ドレインバルブ(V4)より測定セル21および系内各流路から汚れた無菌水を排水する。次に、無菌水供給バルブ(V1)より新たな無菌水を注入して測定セル21および系内各流路を満たし、同時に空気バルブ(V3)を開放して無菌水中の溶存酸素を飽和させた後、該空気バルブ(V3)を閉じて大気との接触を遮断した状態とし、この状態で無菌水を測定セル21内に満たす。次に、酸素電極22にて電圧印加、スターラー攪拌を開始し、出力安定後に前記酸素濃度信号(Cal−1)を記録した後、電圧印加を停止して、無菌水で洗浄する。
次に、試料供給バルブ(V2)より測定セル21内へ試料を注入し、共洗いを数回繰り返し行なう。その後、試料供給バルブ(V2)より測定セル21内へ試料を注入し、同時に空気バルブ(V3)を開放して試料中の溶存酸素を飽和させた後、該空気バルブ(V3)を閉じて大気との接触を遮断した状態とし、この状態で試料を測定セル21内に満たす。次に、酸素電極22にて電圧印加、スターラー攪拌を開始し、出力安定後に前記酸素濃度信号(Sam−1)を記録した後、電圧印加を停止する。測定セル21内の試料を所定時間攪拌し、再び、酸素電極22にて電圧印加を開始し、出力安定後に前記酸素濃度信号(Sam−2)を記録した後、電圧印加を停止し、測定セル21内の試料を排出する。
次に、無菌水供給バルブ(V1)より無菌水を注入して測定セル21および系内各流路を満たし、測定セル21および各流路の洗浄を行い、ドレインバルブ(V4)より測定セル21および系内各流路から汚れた無菌水を排水する。続いて、無菌水供給バルブ(V1)より新たな無菌水を注入して測定セル21および系内各流路を満たし、同時に空気バルブ(V3)を開放して無菌水中の溶存酸素を飽和させた後、該空気バルブ(V3)を閉じて大気との接触を遮断した状態とし、この状態で無菌水を測定セル21内に満たす。次に、酸素電極22にて電圧印加、スターラー攪拌を開始し、出力安定後に酸素濃度信号(Cal−2)を記録した後、電圧印加を停止して、測定セル21および各流路を無菌水で洗浄して一連の工程が終了する。
この後、前記酸素濃度信号(Cal−1)、(Cal−2)、(Sam−1)および(Sam−2)と、別途、平板培養法等により求めた生菌数ファクターとを用いて、試料中の生菌数を演算手段12(内蔵コンピュータ等)にて演算し、ディスプレー(不図示)に表示する。
<スライムモニター方法>
本発明のスライムモニター方法は、前述した本発明の生菌数測定方法による測定を所定時間ごとに行ない、該測定で得られた酸素消費量の増減によってスライム量を監視するものである。このような本発明のスライムモニター方法によれば、各種用排水におけるスライムの発生を容易かつ確実に把握することができ、例えば、スライム障害を防止するためにスライムコントロール剤を添加する場合などに利用すれば、確実に効率よくスライム障害を防止することが可能になる。なお、本発明のスライムモニター方法において生菌数測定方法による測定を行なう間隔は、特に限定されるものではなく、対象とする試料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
<スライムコントロール剤添加システム>
本発明のスライムコントロール剤添加システムは、前述した本発明の生菌数測定方法において測定された酸素消費量に基づきスライムコントロール剤の添加量を制御する機構を備えるものである。以下、本発明のスライムコントロール剤添加システムの一実施形態について図面を用いて説明する。
図3は、本発明のスライムコントロール剤添加システムの一実施形態を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、まず、製紙工場の白水や原料スラリーなどの産業用水は、菌数をモニタリングするために生菌数測定装置に送られる。該生菌数測定装置では、本発明の生菌数測定方法に従い前記産業用水中の酸素消費率を算出するべく前述した各々の酸素濃度信号が検出され、酸素消費量(酸素消費率)への演算処理が行なわれる。この演算処理の結果は、制御監視装置(具体的には、例えばパーソナルコンピューターなどが使用可能である)に送られ、該結果に基づき、酸素消費率(生菌数)のレベルに応じてスライムコントロール剤の添加量を適切な量に設定変更する指令がスライムコントロール剤自動添加装置に送り出される。この指令に従い、スライムコントロール剤自動添加装置において酸素消費率(生菌数)に応じた適切な添加量のスライムコントロール剤が添加される。本発明のスライムコントロール剤添加システムは、このようにして、白水や原料スラリー中の生菌数を所定の好ましいレベルに保つことによりスライム障害を未然に防ぐことができるものである。
本発明のスライムコントロール剤添加方法において用いることのできるスライムコントロール剤としては、特に限定されないが、殺菌剤または抗菌剤の1種または2種以上をスライムコントロール剤として使用することができる。また、殺菌剤と抗菌剤とを組み合わせてスライムコントロール剤として使用することも可能である。殺菌剤としては、例えば、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール等が挙げられる。抗菌剤としては、例えば、無菌水に含有させることのできる抗菌剤として前述したものが挙げられ、中でも、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、メチレンビスチオシアネート等が好ましく挙げられる。
本発明のスライムモニター方法およびスライムコントロール剤添加システムは、例えば紙パルプ工業の各種工程水やクーリングタワーの冷却水など、水中にスライムが発生しうる、あらゆる場面に適用することができる。特に、紙パルプ工業においては、スライムが断紙、目玉、汚斑、操業性低下など様々な弊害の原因となることから、本発明のスライムモニター方法およびスライムコントロール剤添加システムを適用することが非常に効果的である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお、平板培養法による生菌数の測定は下記のようにして行った。すなわち、まず、用水試料を滅菌水で10倍ずつ段階希釈した。この希釈液を標準寒天培地に0.1mlずつ塗抹接種し、32℃で48時間培養した。そして、形成されたコロニー数より用水試料1mL中の生菌数を求めた。
(実施例)
新聞用紙製造工場にてワイヤー下(セーブオール)の白水を採取し、用水試料とした。この用水試料のpHは4.5であり、平板培養法により生菌数を測定したところ、107オーダーであった。また、その菌種を調査したところ、Pseudomonus属が最も多く107オーダー生息しており、次いでBacillus属が105オーダー生息していることを確認した。なお、これらの菌種はいずれも好気性細菌に属するものである。
用水試料原液(107オーダー)を滅菌水で段階希釈し、それぞれ106、105、104および103オーダーに希釈した試料液を調製した。これら試料液および用水試料原液を測定対象(試料)とし、各試料中の微生物による酸素消費率を、図1および図2に示す本発明の生菌数測定装置を用いて測定した。
具体的には、まず、無菌水(精製水にアジ化ナトリウムを300ppm添加したもの)を無菌水供給バルブ(V1)を開いて注入して測定セルおよび系内各流路を満たし、測定セルおよび各流路の洗浄を行ったのち、バルブ(V1)を閉じ、ドレインバルブ(V4)を開いて測定セルおよび系内各流路から汚れた無菌水を排水した。続いて、無菌水供給バルブ(V1)を開いて新たな無菌水(前記と同様)を注入して測定セルおよび系内各流路を満たし、同時に空気バルブ(V3)を開放して該無菌水中の溶存酸素を飽和させた後、該空気バルブ(V3)を閉じて大気との接触を遮断した状態とし、この状態で無菌水を測定セル内に満たした。次いで、酸素電極にて−650mVの電圧を印加すると同時にスターラーにより500rpmで攪拌を開始し、3分後に出力が安定してから酸素濃度信号(Cal−1)を検知した後、電圧印加を停止した。このとき、電圧を印加してから停止するまでの電圧印加時間は3分間であった。その後、測定セル内の無菌水を排水した。
次に、無菌水供給バルブ(V1)と空気バルブ(V3)を閉じ、試料供給バルブ(V2)を開いて測定セル内へ用水試料を注入したのち、バルブ(V2)を閉じ、ドレインバルブ(V4)を開いて測定セルおよび各流路内の用水試料を排出し、再び前記用水試料を測定セルおよび各流路内に充填する操作(共洗い)を2回繰り返した。その後、試料供給バルブ(V2)を開いて用水試料を注入して測定セルおよび系内各流路を満たし、同時に空気バルブ(V3)を開放して用水試料中の溶存酸素を飽和させた後、該空気バルブ(V3)を閉じて大気との接触を遮断した状態とし、この状態で用水試料を測定セル内に満たした。次いで、酸素電極にて−650mVの電圧を印加すると同時にスターラーにより500rpmで攪拌を開始し、3分後に出力が安定してから酸素濃度信号(Sam−1)を検知した後、電圧印加を停止した。このとき、電圧を印加してから停止するまでの電圧印加時間は3分間であった。
次いで、測定セル内の用水試料を、液温40℃に保ち60分間250rpmで攪拌して、微生物に酸素を消費させた。攪拌後、再び、酸素電極にて−650mVの電圧を印加すると同時にスターラーにより500rpmで攪拌を開始し、3分後に出力が安定してから酸素濃度信号(Sam−2)を検知した後、電圧印加を停止した。このとき、電圧を印加してから停止するまでの電圧印加時間は3分間であった。その後、ドレインバルブ(V4)を開いて測定セル内の用水を排出した。
次に、無菌水(前記と同様)を無菌水供給バルブ(V1)を開いて注入して測定セルおよび系内各流路を満たし、測定セルおよび各流路の洗浄を行ったのち、バルブ(V1)を閉じ、ドレインバルブ(V4)を開いて測定セルおよび系内各流路から汚れた無菌水を排水した。続いて、無菌水供給バルブ(V1)を開いて新たな無菌水(前記と同様)を注入して測定セルおよび系内各流路を満たし、同時に空気バルブ(V3)を開放して該無菌水中の溶存酸素を飽和させた。次いで、酸素電極にて−650mVの電圧を印加すると同時にスターラーにより500rpmで攪拌を開始し、3分後に出力が安定してから酸素濃度信号(Cal−2)を検知した後、電圧印加を停止した。このとき、電圧を印加してから停止するまでの電圧印加時間は3分間であった。
このようにして得られた酸素濃度信号(Cal−1)、(Cal−2)、(Sam−1)および(Sam−2)は、演算手段(内蔵コンピュータ)12に送られ、前述した式(1)に基づいた演算がなされ、ディスプレーに酸素消費率が表示された。結果を表1に示す。なお、表には、検出感度を比較するため、菌数オーダー103での測定値を1としたときの相対値を併せて示した。
Figure 0004764763
(比較例)
実施例と同じ測定装置において、電圧を常時印加した状態としておく(連続印加する)こと以外は、実施例と同様にして(つまり、実施例における一連の操作の中で「電圧印加を停止する」操作を全て省き、電圧を印加した状態のまま続く操作を行なった。)、実施例と同じ測定対象について各試料中の微生物による酸素消費率を測定した。結果を表2に示す。なお、表には、検出感度を比較するため、菌数オーダー103での測定値を1としたときの相対値を併せて示した。
Figure 0004764763
表1および表2の結果より、本発明の測定方法は、電圧を連続印加する方法に比べて、各菌数オーダーに対する信号値の変化が明確に現れており、高い検出感度を有することがわかる。また、電圧を連続印加する方法では、検出限界が生菌数として104〜105オーダーであるのに対して、本発明の測定方法では、生菌数として103オーダーまで高い有意水準で測定できることが確認できる。
本発明の生菌数測定装置の構成を示す概略図である。 本発明の生菌数測定装置における溶存酸素検出部の構成を示す概略図である。 本発明のスライムコントロール剤添加システムの一実施形態を概略的に示すブロック図である。 本発明の生菌数測定装置における溶存酸素検出部の別の構成を示す概略図である。
符号の説明
11 無菌水タンク
12 演算手段
20 溶存酸素検出部
21 測定セル
22 酸素電極
22a 酸素電極先端部
23 スターラーピース
24 マグネチックスターラー
25 攪拌羽根
31、32 温度制御域

Claims (8)

  1. 微生物が消費する酸素消費量から試料中の生菌数を測定する方法であって、クラーク型酸素電極に電圧を印加して酸素濃度信号を検知することにより前記酸素消費量を求めるにあたり、下記(i)〜(viii)の操作をこの順序で行ない、得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を用いて算出する、ことを特徴とする生菌数測定方法。
    (i)無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
    (ii)電圧を印加して無菌水の初期酸素濃度信号(Cal−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
    (iii)試料中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該試料を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
    (iv)電圧を印加して試料の初期酸素濃度信号(Sam−1)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
    (v)所定時間、試料中の微生物に酸素を消費させる操作。
    (vi)電圧を印加して酸素消費後の酸素濃度信号(Sam−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
    (vii)再び無菌水中の溶存酸素濃度を飽和させた後、該無菌水を大気との接触を遮断した状態で測定セル内に満たす操作。
    (viii)電圧を印加して前記試料測定後の無菌水の酸素濃度信号(Cal−2)を検知した後、該電圧の印加を停止する操作。
  2. 酸素消費量は、得られた酸素濃度信号(Sam−1)、(Sam−2)、(Cal−1)および(Cal−2)を下記式(1)に代入することにより、酸素消費率として求める、請求項1記載の生菌数測定方法。
    Figure 0004764763
  3. 前記無菌水は、抗菌剤、または抗菌剤および洗浄剤を精製水に含有させたものである、請求項1または2記載の生菌数測定方法。
  4. 酸素電極への電圧印加時間が1回あたり1〜6分間である、請求項1〜3のいずれかに記載の生菌数測定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の生菌数測定方法に用いる測定装置であって、密閉可能な測定セルと、該測定セル内の液体に溶存酸素を飽和させる酸素飽和手段と、クラーク型酸素電極に電圧を印加するための電圧印加手段と、電圧印加により生じた酸素濃度信号を検知する検知手段と、前記測定セル内の液温を制御する温度制御手段とを備える、ことを特徴とする生菌数測定装置。
  6. 前記試料に代えて無菌水を供給する無菌水供給手段をも備える、請求項5記載の生菌数測定装置。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の生菌数測定方法による測定を所定時間ごとに行ない、該測定で得られた酸素消費量の増減によってスライム量を監視する、ことを特徴とするスライムモニター方法。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の生菌数測定方法において測定された酸素消費量に基づきスライムコントロール剤の添加量を制御する機構を備える、ことを特徴とするスライムコントロール剤添加システム。
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