JPH0775787A - 用水中のスライム障害の処理方法 - Google Patents

用水中のスライム障害の処理方法

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JPH0775787A
JPH0775787A JP5310615A JP31061593A JPH0775787A JP H0775787 A JPH0775787 A JP H0775787A JP 5310615 A JP5310615 A JP 5310615A JP 31061593 A JP31061593 A JP 31061593A JP H0775787 A JPH0775787 A JP H0775787A
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slime
control agent
water
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dissolved oxygen
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JP5310615A
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Katsuji Tsuji
勝次 辻
Kiyoyuki Ekusa
清行 江草
Satomi Azuma
里美 東
Hideaki Shimomoto
英明 下本
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Katayama Chemical Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 用水中のスライム障害をスライムコントロー
ル剤を添加して防止する方法において、用水の溶存酸素
の消費速度を測定し、その結果に基づいてスライムコン
トロール剤の添加を管理することを特徴とする用水中の
スライム障害の処理方法。 【効果】 用水の溶存酸素の消費速度が短時間で測定で
き、その測定値と用水中のスライム発生の有無との相関
が高く、その結果スライムコントロール剤の添加の管理
を自動的に行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工業用水、とりわけ
製紙工程水や各種工業用冷却水系におけるスライム障害
防止のための当該用水系に対するスライムコントロール
剤の添加、使用を適切、効果的に実施するスライム障害
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微生物汚染に起因して、各種用水
のスライムによる障害が多発し、種々の弊害をもたらし
ている。ここでスライムとは、紙パルプ製造工程水・用
水及び排水中に発生するもので主として微生物要因によ
って発生した粘性塊状泥状物質のことをいい、たとえ
ば、化学工場などの冷却水系統の熱交換器や配管などに
スライムが発生すると、冷却効率を低下させ、ときには
配管を閉塞させたり、あるいは、紙・パルプ工場の白水
工程中にスライムが発生すると、これが剥離して紙料に
混入したとき、巻取り工程で紙を切断し、工程の運転を
中断したり、又は紙に斑点ができて製品の品質に損傷を
与えるといったトラブルが発生していた。
【0003】これら微生物によるスライム障害を防止す
る目的でその水系にスライムコントロール剤を添加して
いるが、その添加による防止効果の確認は、従来一般に
水系へ薬剤を添加する前後の工程水を採取し、その水系
の生菌数を測定して殺菌効力を確認したり、増殖抑制時
間を求めて静菌効力を確認することにより予め経験に基
づいて知得している適正なスライムコントロール剤の添
加時期とその添加量を選択し適用する方法が行われてき
た。
【0004】この方法は、各種工程水を直接採取し測定
することにより、測定時におけるスライムコントロール
剤の効力を正確に把握し得る方法として汎用されてきた
が、しかしながら、生菌数及び増殖抑制時間の測定に
は、特定の機器と煩雑な操作が必要であるため工程現場
での実施が困難である上、測定時間24〜50時間以上
という長時間を要するため、結果が判明した時には、既
に工程水の生菌数が増殖したり、又、増殖抑制時間が変
動している場合があって、その効力を正確に把握するこ
とができず、従ってスライムコントロール剤の即時的且
つ適切な対応管理が不十分になるという欠点があった。
さらに、工程水中にスライムコントロール剤添加後の生
菌数が、添加前すなわち薬剤無添加時と比較して低下し
ていないにもかかわらず、スライム障害が認められない
場合があったり、スライムコントロール剤添加後の増殖
抑制時間が無添加時と比較して充分長いにもかかわら
ず、スライム障害を起こす場合があり、従来の生菌数や
増殖抑制時間の測定では必ずしも正しくスライムコント
ロール剤の管理ができるものではないという欠点があっ
た。
【0005】また、スライム自体が水中の溶存酸素を消
費することを利用したスライム呼吸量を測定することに
より、スライムが薬剤の投与によって死滅したか否かの
判定に応用しようとする提案がなされている((株)内
田老鶴圃新社、昭和43年7月5日発行の書籍「工業用
水処理」第192〜195頁,第406〜407頁及び
第466〜467頁参照)。
【0006】このスライム呼吸量は、具体的には酸素の
飽和した蒸留水を詰めた酸素瓶に、工程水より採取した
スライムを入れ、攪拌下室温で5〜24時間放置し、放
置後の酸素瓶中の水の溶存酸素量を測定する方法である
が、スライム中の微生物の生菌数が109 〜1012個/
mlと非常に高いときでも酸素の消費速度が1ppm/時〜5
ppm/日と極めて緩慢であり、かつ、その際の酸素消費量
も経時的なばらつきがあるため正確にスライムの活性度
乃至スライム中の微生物の生死を判定することができな
いとともに前記と同様に作業が煩雑であるという欠点を
有する。
【0007】さらに、上記提案方法によっては、この発
明の目的である即時かつ適切なスライムコントロール剤
の添加の管理はできないという欠点も有していた。
【0008】従って、この改良策として、最近に至って
微生物がエネルギー代謝をするサイクルの中でアデノシ
ン三リン酸がアデノシンリン酸に変わるとき発光酵素の
添加により極めて微弱な微生物発光をするという現象を
利用し、この発光強度の30秒間程度の積算値を生菌数
に換算する所謂ATP測定法が提案され〔防菌防黴学会
発行の「防菌・防黴」VOL. 15, No.12,第51頁〜54頁
(1987)参照〕、これによりこの生菌数から殺菌剤の効
力を評価し得ることを示唆している。
【0009】この方法は、測定所要時間が短いためスラ
イムコントロール剤添加の即時対応が可能である点好都
合ではあるが、しかしながら、本来、性状が不安定であ
る発光酵素を用いることにより測定結果にバラツキが生
じ、対応処理に正確を期しがたいとともに、測定時使用
する緩衝試薬による懸濁物の生成や、製紙工程水を対象
とする場合、それに含まれるアルミニウムイオンの妨害
により測定が不能になる場合があり、必ずしも工業的に
汎用し得る方法とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記、工程水を採取し
て生菌数と増殖抑制時間を測定する方法が、叙述したよ
うに工程現場での測定が困難であること、及び測定時間
が長いこと及びスライム発生の有無との相関が一致しな
い場合があり、スライムコントロール剤の添加が必ずし
も有効、適切に実施されていなかったことに鑑み、即時
的対応が可能な現場技術の開発が望まれていた。
【0011】この発明の発明者らは、用水のスライムコ
ントロールを迅速・効率的に実施するために、用水中の
スライム形成、微生物の菌数及びその水中の溶存酸素の
消費傾向について検討し、通常用水中の薬剤無添加時に
おける生菌数は、105〜107個/mlとスライム中のそ
れの1000分の1〜1億分の1と極めて少ないにも拘
らず水中酸素の消費速度が1〜30ppm/時間と極めて速
いことを見出した。これに着目しさらに鋭意検討の結
果、薬剤無添加時、添加時に拘らず、測定開始後1〜6
0分間の酸素消費速度が極めて定常であることを見出し
た。従って、該速度を短時間で測定できること、その測
定値と用水中のスライム発生の有無との相関が非常に高
いこと、その結果、酸素消費速度の経時的測定によりス
ライムコントロール剤の添加の管理ができることを実験
的に確認し、この発明に至った。また、製紙白水中の亜
硫酸イオン等妨害物質と考えられる還元性物質の存在下
においても影響を受けることがないことを確認した。
【0012】
【課題を解決するための手段】かくしてこの発明によれ
ば、用水中のスライム障害をスライムコントロール剤を
添加して防止する方法において、用水の溶存酸素の消費
速度を測定してスライムコントロール剤の効力を確認す
ることによりスライムコントロール剤の添加を管理する
ことを特徴とする用水中のスライム障害の処理方法が提
供される。
【0013】さらに、この発明の用水の溶存酸素の消費
速度の測定が、スライムコントロール剤を添加した後の
用水の一部を実質的な密閉容器に採取し、1〜60分間
の溶存酸素消費量を経時的に測定し、これを時間当りの
換算値として算出することにより行われるスライム障害
の処理方法が提供される。
【0014】この発明においてスライム障害を防止する
ために工業水系に添加するスライムコントロール剤とし
ては、とくに限定されないが、殺菌剤または抗菌剤1種
だけを用いてもよく、2種以上用いてもよい。また、速
効的な効力を有する殺菌剤と持続性のある抗菌剤とを組
合せてスライムコントロールとして用いてもよい。例え
ば、殺菌剤としては、従来、その性能が周知である2,
2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、4,5
−ジクロル−1,2−ジチオール−3−オン、ビス(ト
リブロモメチル)スルホン等が挙げられ、又抗菌剤とし
ては、同じくメチレンビスチオシアネート、5−クロル
−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げ
られる。
【0015】この発明において水系中の溶存酸素消費量
の測定は、例えば当該技術において周知常用されている
酸素電極を用いる方法が望ましく、その際水系中に新し
く酸素が溶解しないよう不活性ガス雰囲気下で行うのが
好ましく、実際には実質的な密閉系で行うことを推奨す
る。
【0016】溶存酸素の消費速度の測定所要時間は、工
程水中の微生物の酸素の消費速度にもよるが概ね1〜6
0分間、好ましくは5〜30分間である。かくして、こ
の間の測定結果は、測定値をレコーダーに記録するか或
はプロットした連続線として把握されるが、この測定値
を本発明者らによって究明、確認された溶存酸素の消費
速度とスライム発生の有無との相関関係に基づき予め求
められている両者の相対値と照合し、スライムコントロ
ール剤の効力が確認される。すなわち、スライムコント
ロール剤の効力の確認とは、用水系のスライム発生の有
無を確認することを意味する。
【0017】かくして、本発明においてはスライムコン
トロール剤の効力の確認によりスライム障害防止のため
のスライムコントロール剤添加に必要な管理が実施され
る。この際、工程水の水質及び用いるスライムコントロ
ール剤の性能によって上記、相関関係に基づく具体的な
相対値は相違するので、予め基準とする相対値は、各々
工程水別に求めておかなければならない。
【0018】この発明において、スライムコントロール
剤の添加の管理とは、スライムコントロール剤の種類、
添加時期及び添加量を選択し適用実施することを意味す
る。さらに詳しくは、一般に使用するスライム殺菌剤及
び抗菌剤等添加薬剤の性能に基づき、かつ工程水の生菌
の活動状況に対応して、その剤の使用の適否を判定し必
要あれば剤種を変更すること、又は、適正な添加量を把
握し、現状の添加量を維持するか、又は増減調整が必要
な場合は、適当な時期を選択して添加する等、当業者で
あればスライムコントロール剤の効力が確認できれば容
易に採用し得る対応処理をいう。
【0019】本発明においては、工程水中の溶存酸素量
を短時間測定することにより、直ちにスライムコントロ
ール剤の効力を把握して工程現場におけるスライムコン
トロール剤添加の管理手段を迅速に実施することができ
るが、さらに好ましくは、上記、溶存酸素の消費速度の
測定結果に対応して適正にスライムコントロール添加の
管理が行われるように、薬剤添加装置の作動系に電気系
路によって連動させておくことによって、より即時的な
自動管理が実施できる。
【0020】
【実施例】以下に試験例、実施例を挙げ本発明の態様と
効果を詳説する。
【0021】試験例1(スライムコントロール剤添加前
後の溶存酸素消費速度の測定結果その1) 某製紙工場の中性紙抄造工程における下記の性状の白水
を採取し、それに殺菌タイプのスライムコントロール剤
として2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミ
ドを各所定量添加し、それぞれ30℃で30分間振とう
し、供試水とした。この供試水の溶存酸素消費速度を測
定した。白水の性状、溶存酸素消費速度の測定方法を下
記すると共に、その試験結果を表1に示す。
【0022】i)白水の性状 白水;pH 7.3、還元性イオン含量 10mg/l 、生菌数 1.0
×107 個/ml、 菌種:Flavobacterium sp., Pseudomonas sp., Alcalig
enes sp., Bacillus sp. ii)溶存酸素の消費速度の測定方法 所定の容器に前記供試水を入れ、密閉し、スターラーで
攪拌しながら、市販の酸素電極を用いて、経時的な溶存
酸素消費量を連続的に測定した。使用した装置を図1に
示す。溶存酸素消費量の経時的な測定結果を図2に示
す。図2より明らかなように5〜30分間の溶存酸素消
費量は時間とともに一定割合で減少しており、その結果
から、時間当たりの溶存酸素の消費速度(ppm/Hr)を算
出した(表1)。
【0023】
【表1】
【0024】〔考察〕試験結果より明らかなように、溶
存酸素消費速度は薬剤添加、無添加にかかわらず、測定
開始後30分までは極めて定常であることがわかる。ま
た、スライムコントロール剤の添加量と溶存酸素消費速
度とは対応していることがわかる。
【0025】試験例2(スライムコントロール剤添加の
前後の溶存酸素消費速度の測定結果その2) 某製紙工場より採取した下記の性状の白水に、抗菌タイ
プのスライムコントロール剤としてメチレンビスチオシ
アネートを各所定量添加し、30℃で30分間、振とう
して供試水とした。この供試水の溶存酸素消費速度の測
定を行った。結果を表2に示す。 〔白水の性状〕 pH=4.5、還元性イオン含量:25mg/l、生菌数: 5.6×10
6 個/ml、 菌種:Flavobacterium sp., Pseudomonas sp., Microco
cus sp.
【0026】〔溶存酸素の消費速度の測定方法〕経時的
な溶存酸素酸素量の測定は、試験例1と同様に行なっ
た。測定結果を図3に示す。図3より明らかなように、
5〜30分間の溶存酸素消費量は時間とともに一定割合
で減少しており、その結果から、時間当たりの溶存酸素
消費速度(ppm/Hr)を算出した。
【0027】
【表2】
【0028】〔考察〕試験結果より明らかなように、薬
剤添加、無添加にかかわらず、測定開始後30分までの
溶存酸素消費速度が極めて定常であることがわかる。ま
た、スライムコントロール剤の添加量と溶存酸素消費速
度とは対応していることがわかる。
【0029】実施例1 某A〜Cの各製紙工場の抄紙マシンにおいて、a〜cの
各スライムコントロール剤を原料流入量に対し、所定の
添加量を30分間にわたって、8時間毎に添加して7日
間処理を行った。7日目のスライムコントロール剤の添
加前後の生菌数、菌の増殖抑制時間及び溶存酸素消費速
度を測定した。また、その時のマシン内のスライムの付
着状況を観察した。各マシンの説明、供試薬剤の種類及
び各種試験測定方法を下記すると共に、試験結果を表3
に示す。
【0030】〔各マシンの説明〕 A製紙工場……酸性上質紙抄造マシン B製紙工場……中性中質紙抄造マシン C製紙工場……新聞紙抄造マシン 〔供試薬剤の説明〕 a……メチレンビスチオシアナート10重量%含有製剤 b……2,2-ジブロモ-3- ニトリロプロピオンアミドとメ
チレンビスチオシアナート(2:1)26重量%含有製
剤 c……2,2-ジブロモ-3- ニトリロプロピオンアミド20
重量%含有製剤
【0031】〔各種試験測定方法〕 i)生菌数測定方法 供試水を滅菌水で100倍に希釈した後、0.1mlをあ
らかじめ滅菌したシャーレに採り、予め加温溶解したス
タンダード寒天培地を45℃に冷却後、シャーレ上に流
して静置し、寒天が固化した後にこれを30℃の恒温槽
で培養した。48時間後、シャーレを恒温槽からとり出
し、出現したコロニーの個数を計測し、生菌数(個/m
l)を算出した。 ii)菌の増殖抑制時間の測定 供試水を No.2 ろ紙でろ過し、ろ液9mlをあらかじめ滅
菌したL字型試験管にとる。さらにここへ、液体ブイヨ
ン培地1mlを加えて、さらに30℃で振とう培養器で振
とうし、30分毎に660mmの吸光度を分光光度計で測
定した。測定開始から、菌の増殖に基づく吸光度の増加
が0.1を越えるまでの時間(t)を求めた。薬剤無添
加時のtをt0,薬剤xppm 添加時のtの値をtx とする
と、増殖抑制時間TはT=tx−t0で求められる。 iii)溶存酸素の消費速度の測定方法 試験例1及び2と同様に行なった。以上の結果を表3に
示す。
【0032】
【表3】 注)表中、N.T.は試験せずを意味する。
【0033】〔考察〕 1.溶存酸素消費速度について いずれのマシンにおいても溶存酸素消費速度とスライム
コントロール剤の効果に良好な相関が認められることが
わかる。溶存酸素消費速度をAマシンにおいては1.5ppm
/Hr 以下、Bマシンにおいては2.3ppm/Hr 以下、Cマシ
ンにおいては2.0ppm/Hr 以下にコントロールすれば、ス
ライム障害を防止できることがわかる。
【0034】2.菌の増殖抑制時間について A及びCマシンにおいては菌の増殖時間とスライムコン
トロール剤の効果にある程度の相関が認められるが、B
マシンにおいては薬剤bの添加量が40mg/lの時、菌の
増殖抑制時間が24時間以上と長いにもかかわらずスラ
イムが発生し相関が認められないことがわかる。
【0035】3.生菌数について B及びCマシンにおいては生菌数とスライムコントロー
ル剤の効果に相関が認められるが、Aマシンにおいては
薬剤aの添加量が30mg/lの時、生菌数が変化していな
いにもかかわらずスライムが発生していないことがわか
る。この場合、相関は認められないことがわかる。
【0036】実施例2(スライムコントロール剤添加に
おける濃度管理例) かつて、実施例1のCマシンにおいて、スライムコント
ロール剤c(実施例1と同様)を原料流入量に対し50
ppm を30分間にわたって、8時間毎に添加し、スライ
ムコントロール剤添加後の生菌数及び菌の増殖抑制時間
を1ケ月に1度の割合で測定し、経験上より、生菌数が
105個/ml以下、菌の増殖抑制時間が20時間以上で
あることを確認してスライムコントロール剤の添加量を
管理していた。
【0037】しかしながら、次の測定時までにスライム
コントロール剤の効力が低下し、スライムの発生によ
り、紙切れ等のスライム障害が多発した。そこで、実施
例1の溶存酸素消費速度の測定結果から、溶存酸素消費
速度を2.0 ppm/Hr〜1.0ppm/Hr (以下基準値という)に
なる様にスライムコントロール剤の添加量を管理した。
すなわち、その換算値が2.0ppm/Hr より速くなった場合
には次回の添加の際に添加量を10mg/l増加し、1.0ppm
/Hr より遅くなった場合には次回の添加の際に添加量を
10mg/l低減するようにして、紙を抄造した。その結果
の一部を図4に示す。
【0038】図4において、抄造開始から11日間は、
薬剤cを50mg/l添加していたが、徐々に溶存酸素消費
速度が速くなり12日目には2.1ppm/Hr となった(図4
中、部分参照)。基準値をオーバーしたため、次回の
添加から添加量を60mg/lに増加したところ、溶存酸素
消費速度が、1.3ppm/Hr に低下した。15日目には1.0p
pm/Hr と低下したため(図4中、部分参照)、次回の
添加から添加量を50mg/lに減少させた。
【0039】その後、基準値内で抄造されたが、28日
目には再び溶存酸素消費速度が2.3ppm/Hrとなり(図4
中、部分参照)基準値をオーバーしたため、次回の添
加から添加量を60mg/lに増加したが、溶存酸素消費速
度が2.0ppm/Hr 以下に低下しなかった(図4中、部分
参照)。そこで、スライムコントロール剤をb(実施例
1参照)に変更したところ、溶存酸素消費速度が1.4ppm
/Hr と基準値内に低下し、薬剤の効果が認められた。以
下、同様に溶存酸素消費速度が基準値内となるようにし
て3ケ月間抄造した。抄造期間中、スライムが発生せ
ず、紙切れ等のスライム障害を防止することができた。
【0040】〔結論〕溶存酸素消費速度(ppm/Hr)が基
準値以上になった時、まずスライムコントロール剤の添
加量を増加する手段をとる。しかし、同じスライムコン
トロール剤を多数回使用することにより、添加量増加で
は基準値内におさまらなくなる。この時はスライムコン
トロール剤の種類を変更する。以上の操作をくり返すこ
とにより連続的に、かつ長期間スライムをコントロール
することができる。
【0041】この溶存酸素消費速度の測定及びスライム
コントロール剤の添加量の管理は、例えば図1の装置を
用いて自動的に行うことができ、大幅な人件費の節約が
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶存酸素測定装置の1例。
【図2】供試水(pH7.3) の溶存酸素消費量と時間の関係
を示す図。
【図3】供試水(pH4.5) の溶存酸素消費量と時間の関係
を示す図。
【図4】本発明のスライムコントロール剤添加量管理を
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 里美 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 下本 英明 大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15号 株 式会社片山化学工業研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用水中のスライム障害をスライムコント
    ロール剤を添加して防止する方法において、用水の溶存
    酸素の消費速度を測定し、その結果に基づいてスライム
    コントロール剤の添加を管理することを特徴とする用水
    中のスライム障害の処理方法。
  2. 【請求項2】 用水の溶存酸素の消費速度の測定が、ス
    ライムコントロール剤を添加した後の用水の一部を実質
    的な密閉容器に採取し、1〜60分間の溶存酸素消費量
    を経時的に測定することにより、時間当たりの換算値と
    して算出することにより行う請求項1記載のスライム障
    害の処理方法。
  3. 【請求項3】 添加するスライムコントロール剤が工業
    用殺菌剤又は静菌剤である請求項1記載のスライム障害
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 スライムコントロール剤の添加の管理
    が、スライムコントロール剤の種類、添加時期及び添加
    量を選択し適用実施する管理である請求項1または2に
    記載のスライム障害の処理方法。
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