JP4763173B2 - 計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はダイアフラムを用いてシールを行う計量装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイアフラムを用いて防水性を高めた計量装置が知られている(実公平3−36895号公報参照)。
かかる従来の計量装置では、ダイアフラムの内周縁部に多数の貫通孔を穿孔し、該貫通孔にボルトを通して該ダイアフラムを固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来のダイアフラムは多数の貫通孔が穿孔されているため、耐久性が著しく低下する。
そこで、本出願人は、ダイアフラムの内周縁部を一対の環状の挟持面で挟持する方法を発明し、特願2000−207462号として出願した。その一例を図9に示す。
図9に示すように、重量検出器7iには、装置本体部50の貫通孔15内を通って水平方向Xに突設された連結部材60が固定されており、該連結部材60の先端に計量ホッパ6iが設けられている。前記連結部材60の外周縁と装置本体部50における貫通孔15の内周縁との間は、ダイアフラム20によってシールされている。
前記連結部材は、第1分割部61および第2分割部62からなり、前記分割部61,62の間にダイアフラム20が挟持されている。
【0004】
ここで、前記ダイアフラム20を前記分割部61,62に取り付けるには、分割部61,62の間にダイアフラム20を挟持した後、ボルト19を用いて両分割部61,62を締結する。
しかし、ボルト19の締結時に、第1分割部61と第2分割部62とが捩じれるように若干回転し、ダイアフラム20に皺が生じるのは避けられない。そのため、このダイアフラム20の捩れによって重量検出器7iに対する鉛直方向の抵抗が大きくなり、計量精度が低下すると共に、計量時の応答性が低下する。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ダイアフラムを用いた計量装置において、計量精度や計量時の応答性を向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の計量装置は、被計量物の重量を検出する重量検出器と、前記重量検出器から概ね水平方向に向って突設された連結部材と、前記連結部材の先端部側に設けられた物品保持部と、前記重量検出器を覆うと共に、前記連結部材が水平方向に貫通する貫通孔を有する装置本体部と、前記本体部における貫通孔の内周縁と前記連結部材の外周縁との間に配置されて、この間をシールする環状のダイアフラムとを備えた計量装置において、前記連結部材は前記突設方向に分割された第1および第2分割部と、これらの一対の分割部を前記連結部材の外周縁部よりも内方の部分において互いに締結するボルトとを備え、前記一対の分割部は、それぞれ、前記ダイアフラムの内周縁部を介して互いに対向する環状の挟持面を有し、前記一対の分割部を前記ボルトによって互いに締結することで、前記ダイアフラムの被挟持部が前記一対の挟持面の間で挟持され、前記ボルトの締結時に発生する回転力によって前記一対の挟持面が互いに捩じれるように回転するのを防止する回転防止手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
ボルトを締め付けることで、一対の挟持面が締結される。この際、締結時の回転力が発生するが、回転防止手段を設けたので、前記一対の挟持面が捩れるような回転を防止でき、したがって、ダイアフラムに捩れが発生しない。
【0008】
なお、前記一対の分割部に、前記ダイアフラムの挟持状態において、互いに当接するストッパ面を設ければ、ボルトの締付トルクにかかわらず、ダイアフラムの圧縮代が常に一定となるので、計量の安定性がより一層向上する。
【0009】
また、前記回転防止手段としては、前記各分割部の分割面に設けたピンと該ピンが嵌まる孔とで構成するのが好ましい。前記ピンおよび孔を用いることより、構造が簡単になると共に、ピンが孔に嵌まることにより、ボルトの締付作業時に分割部が下に落ちないので、作業性も向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を組合せ計量装置を例にとって説明する。
概略構成:
図1〜図6は第1実施形態を示す。
まず、組合せ計量装置の一般的な機能および動作の一例について説明する。
図1に示すように、搬送コンベヤ100は、被計量物である物品Mを組合せ計量装置1の分散フィーダ2の中央部に落下させる。なお、物品Mは数個ないし多数個が集められて後に袋詰めされて商品になる。
【0011】
前記分散フィーダ2および各供給トラフ3iはそれぞれ加振装置の駆動により振動することで、分散フィーダ2上の物品Mを、各供給トラフ3iの下流に設けられた多数のプールホッパ4iに供給する。これら各プールホッパ4iには、ゲート5iが設けられ、前記各供給トラフ3iから供給されて受け取った物品Mを一時的に収容して貯留する。前記各プールホッパ4iの下流には計量ホッパ(物品保持部)6iが設けられている。これら各計量ホッパ6iには、前記プールホッパ4iから該計量ホッパ6iに投入された物品Mの重量を検出する重量検出器7iを備えた計量ヘッドおよびゲート8iが設けられている。ゲート8iの下方には大きな集合排出シュート9が設けられており、前記各重量検出器7iで検出された物品Mの重量を組み合わせることで、物品Mを一まとめにして目標値もしくは目標値に近い値とし、下流の製袋包装機(図示せず)等に物品Mを落下させる。
【0012】
計量ホッパ:
図2の二点鎖線で示す前記計量ホッパ6iは、下のブラケット18に取り付けられている。一方、重量検出器7iは、断面「コ」字状のブラケット51を介して装置本体部50に固定されている。前記重量検出器7iはカバー52によって側面が覆われている。図3に示すように、装置本体50には連結部材10が水平方向Xに貫通する貫通孔15が設けられている。前記下のブラケット18は、前記重量検出器7iから概ね水平方向Xに向って突設された連結部材10を介して該重量検出器7iに連結されている。こうして、計量ホッパ6iは、連結部材10の先端部側に設けられており、その荷重が重量検出器7iに負荷される。なお、上のブラケット17には、プールホッパ4iが取り付けられる。
図2の前記貫通孔15の内周縁16と連結部材10の外周縁との間には、この間をシールする環状のダイアフラム20が設けられている。
【0013】
ダイアフラム:
図4に示すように、前記連結部材10は、前記突設方向(水平方向)Xに分割された略円筒形の第1分割部11および第2分割部12からなり、後述するように、図5に示す前記ダイアフラム20の内周に設けた被挟持部20fを挟持する。
前記ダイアフラム20には、前記被挟持部20fから外周にかけて蛇腹部20e(図6)が形成されている。図2に示すように、前記ダイアフラム20の外周は、前記装置本体部50の内周縁部16に固定リング21により固定されている。
【0014】
連結部材:
図5に示すように、前記第1分割部11には浅い凹部11cが設けられており、前記第2分割部12には、前記凹部11cに嵌合する凸部12cが設けられている。前記凹部11cおよび凸部12cの周囲には、前記ダイアフラム20の被挟持部20fを介して互いに対向する環状の挟持面11f,12fが形成されている。
図6(b)に示すダイアフラム20の挟持状態において、前記凹部11cおよび凸部12cのストッパ面11s,12sが互いに当接し、前記挟持面11f,12fの間に隙間が生じることで、ダイアフラム20の前記被挟持部20fの圧縮代が所定値に保たれる。
【0015】
図6(a)に示す前記第1分割部11には、スプリングピン11aが第2分割部12に向って突設されている。該スプリングピン11aは、弾性のある板を円筒状に丸めて、スプリングピン11aの半径方向にバネ力が生じるようにしたものである。前記第2分割部12の凸部12c内には前記スプリングピン11aが嵌まる嵌合孔12aが穿孔されている。
図6(b)の挟持状態に示すように、嵌合孔12aにスプリングピン11aを挿入すると、前記スプリングピン11aが嵌合孔12aに嵌まる。したがって、スプリングピン11aと嵌合孔12aとは、前記ボルト19の締結時に発生する回転力によって、前記一対の挟持面11f,12fが分割部11,12の周方向に互いに捩じれるように回転するのを防止する回転防止手段を構成している。
【0016】
図5の前記両分割部(連結部材)11,12には、挟持面11f,12fよりも内側の部分に、それぞれ、ボルト挿通孔11bおよびメネジ12bが設けられている。図6(b)のボルト19によって、これら一対の分割部11,12が外周縁部よりも内側の部分において互いに締結される。
【0017】
ダイアフラムの取付方法:
まず、図2の前記ダイアフラム20の外周縁部を前記装置本体部50の内周縁16に固定すると共に、図6(a)に示す第2分割部12の挟持面12fにダイアフラム20の被挟持部20fを合致させる。
その後、図6(b)に示すように、第1分割部11のスプリングピン11aを第2分割部12の嵌合孔12aに嵌合させると共に、第1分割部11を第2分割部12に向って押し込むと、第2分割部12の凸部12cに第1分割部11の凹部11cが嵌合する。
前記嵌合後、下のブラケット18および第1分割部11のボルト挿通孔11bにボルト19を通すと共に、第2分割部12のメネジ12bにねじ込み、下のブラケット18、第1分割部11および第2分割部12を締結する。
【0018】
ここで、スプリングピン11aと嵌合孔12aとが嵌合することにより、ボルト19の締結時に第1分割部11と第2分割部12とが、互いに捩じれるように周方向に回転するのを防止することができる。したがって、前記捩じれに起因するダイアフラム20の皺の発生を防止することができるから、計量精度が向上すると共に、計量時の応答性が向上する。
また、スプリングピン11aと嵌合孔12aとが嵌合することにより、ボルト19の締付作業時に、第2分割部12が第1分割部11から落下しないので、作業性が向上する。なお、スプリングピン11aがスプリングピンのバネ力で嵌合孔12aに固く嵌まる構造を採用すれば、前記回転防止や落下防止の効果が大きくなる。
【0019】
さらに、締結孔11bおよびネジ孔12bを挟持面11f,12fよりも内側に設けたので、ダイアフラム20の被挟持部20fにボルト挿通用の孔を設ける必要がないから、ダイアフラム20の耐久性が向上すると共に、該ダイアフラム20の加工コストが安価になる。
また、分割部11,12に設けられたストッパ面11s,12s同士が当接して、前記挟持面11f,12f間の隙間が一定値となることにより、ダイアフラム20の圧縮代を制御できる。したがって、ボルト19の締付トルクに拘わらず、ダイアフラム20の挟持状態が常に良好になるから、計量の安定性がより一層向上する。
【0020】
なお、スプリングピンを第2分割部12に設け、嵌合孔を第1分割部11に設けてもよい。また、第2分割部12側に埋め込みボルトをねじ込むと共に、第1分割部11および下のブラケット18をナットで締結するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ダイアフラム20の外周縁部を固定リング21により固定したが、本発明は、外周縁部の固定方法を限定するものではない。
【0021】
図7は第2実施形態を示す。
図7(a)に示すように、この第2実施形態では、連結部材10が軸方向に分割されていない。連結部材10には段部10aが形成されており、該段部10aに円環状の止め輪30が複数本の小さいビス(ボルトの一例)19Aにより固定されている。図7(b)に示すように、前記止め輪30には、複数本のピン30aが突設されており、これらのピン30aが連結部材10の嵌合孔10bに嵌合して、ダイアフラム20の被挟持部20fの捩れを防止する。
なお、ダイアフラム20の外周縁部20cも、この図に示すように、矢印X方向に締付るようにしてもよい。
【0022】
また回転防止手段としては、スプリングピンを用いる代わりに、たとえば、以下の構成を用いてもよい。
第1分割部および第2分割部にボルト挿通孔およびネジ孔を3ヵ所以上形成し、リーマボルトを用いて、ボルトと回転防止手段とを兼用するようにしてもよい。
また、図8に示すように、第1分割部と第2分割部とが互いに回転するのを規制する形状の凸部を第2分割部に形成すると共に、第1分割部には、当該凸部に嵌合する凹部を形成してもよい。
図8(a)に示すように、凸部12cは瓢箪型であってもよい。
図8(b)に示すように、第2分割部12の凸部12cに係合溝12gを形成してもよい。
図8(c)および図8(d)に示すように、凸部12cを長円形状や方形状などに形成してもよい。
【0023】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記実施形態では、組合せ計量装置を例示して説明したが、計量装置としては、1つのホッパ装置を備えた計量装置についても適用できる。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ボルト締結時の回転力によってダイアフラムの内周縁部を挟持する一対の環状の挟持面が互いに捩じれるように回転するのを防止する回転防止手段を設けたので、ダイアフラムに皺が生じるのを防止することができるから、計量精度が向上すると共に、計量時の応答性が向上する。
また、ボルトを連結部材の外周縁部よりも内方に設ければ、ダイアフラムの被挟持部にボルト挿通孔を設ける必要がないので、ダイアフラムの耐久性が向上すると共に、製造コストも安価になる。
【0025】
さらに、連結部材を構成する一対の分割部に、互いに当接するストッパ面を設けて、ダイアフラムの圧縮代を制御するようにすれば、ボルトの締付トルクに拘わらずダイアフラムの挟持状態が良好となり、計量の安定性がより一層向上する。
【0026】
また、回転防止手段として、各分割部の分割面に設けたピンと該ピンが嵌まる孔を採用すれば、ピンが孔に嵌まることにより、ボルトの締付作業時に分割部が下に落ちないので、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる組合せ計量装置の機能を示す概念図である。
【図2】計量ホッパ装置を示す一部破断した側面図である。
【図3】計量ホッパ装置を示す斜視図である。
【図4】計量ホッパ装置を示す分解斜視図である。
【図5】ダイアフラムおよび連結部材を示す分解斜視図である。
【図6】ダイアフラムの取付方法を示す側面断面図である。
【図7】他の実施形態にかかるダイアフラムおよび連結部材を示す側面断面図および第2分割部の正面図である。
【図8】他の実施形態にかかる第2分割部の正面図である。
【図9】本発明に含まれない計量ホッパ装置を示す一部破断した部分側面図である。
【符号の説明】
6i:計量ホッパ(物品保持部)
7i:重量検出器
10:装置本体部
11:第1分割部(連結部材)
11a:スプリングピン(回転防止手段)
11f,12f:挟持面
11s,12s:ストッパ面
12:第2分割部(連結部材)
12a:嵌合孔(回転防止手段)
15:貫通孔
19:ボルト
20:ダイアフラム
X:水平方向、突設方向
Claims (3)
- 被計量物の重量を検出する重量検出器と、
前記重量検出器から概ね水平方向に向って突設された連結部材と、
前記連結部材の先端部側に設けられた物品保持部と、
前記重量検出器を覆うと共に、前記連結部材が水平方向に貫通する貫通孔を有する装置本体部と、
前記本体部における貫通孔の内周縁と前記連結部材の外周縁との間に配置されて、この間をシールする環状のダイアフラムとを備えた計量装置において、
前記連結部材は前記突設方向に分割された第1および第2分割部と、これらの一対の分割部を前記連結部材の外周縁部よりも内方の部分において互いに締結するボルトとを備え、
前記一対の分割部は、それぞれ、前記ダイアフラムの内周縁部を介して互いに対向する環状の挟持面を有し、
前記一対の分割部を前記ボルトによって互いに締結することで、前記ダイアフラムの被挟持部が前記一対の挟持面の間で挟持され、
前記ボルトの締結時に発生する回転力によって前記一対の挟持面が互いに捩じれるように回転するのを防止する回転防止手段を設けた計量装置。 - 請求項1において、
前記一対の分割部には、前記ダイアフラムの挟持状態において、互いに当接するストッパ面が設けられている計量装置。 - 請求項1もしくは2において、
前記回転防止手段は、前記各分割部の分割面に設けたピンと該ピンが嵌まる孔とを包含する計量装置。
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JPH0418331A (ja) * | 1990-11-05 | 1992-01-22 | Sekisui Plastics Co Ltd | フェノールフォーム複合体の製造法 |
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- 2001-08-09 JP JP2001241774A patent/JP4763173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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