JP4762878B2 - さび安定化能を高めた耐候性鋼及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、橋梁をはじめとする鋼構造物の無塗装化を可能とし、ミニマムメンテナンス化をはかることができる耐候性鋼材に関するもので、特に、鋼材表面のさびの緻密化を促し、長期のさび安定化能を改善する技術に関する。
1933年に米国にて初めて商品化された耐候性鋼は、1960年代に入って我が国にも導入され、JIS G3114に規定されたSMA耐候性鋼(以下、JIS−SMA材と略す)が、橋梁をはじめとして最小保全化へのニーズの高い鋼構造物に現在も広く適用されている。
しかし、高湿度で塩害の影響のある我が国でのJIS−SMA材の適用事例の中には、期待された状態とは異なる異常な腐食を起こした例が一部に発生した。
そのため、非特許文献1に記載されているように、JIS−SMA材の使用は、飛来塩分量が0.05mg−NaCl/dm/day(以下、mddと略す。)以下となる地域に限定されており、鋼構造物の最小保全化へ向け、飛来塩分量が0.05mddを超える地域でも使える耐候性鋼が強く求められていた。
そして、十数年にわたる理論的および実証的研究(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)を経て、1998年に初めてニッケル系高耐候性鋼(海浜耐候性鋼)が商品化され、実際に橋梁に使用された。
JIS−SMA材においては、主としてCuとCrによる緻密な保護性さびの形成作用が活用されて、長期の曝露による腐食速度の低減効果が発現する。一方、塩害が前述の範囲を超えて厳しくなると、Crは鋼/さび界面での結露水液性を低pH化するため、腐食を加速することが報告されている(非特許文献2参照)。
この不安定性を排除するためCrを無添加とし、JIS−SMA材の規格を参考にして、保護性さびの密着性を高めるCuを温存しつつNiを増量添加して耐塩害性をあげたのがニッケル系高耐候性鋼である。
JIS−SMA材に形成する保護性さびの主たる機能が、密着性向上と環境遮断性向上にあったのに対し、ニッケル系高耐候性鋼に形成する保護性さびの特徴は、鋼/さび界面でのpH制御機能がさらに加わった点にある。塩害の影響が強くなっても低pH化による腐食加速の元凶であるCrがなく、Ni濃化により増強された保護性さびのカチオン交換機能によってさび内層にNaイオンが濃化し、湿潤時にも鋼/さび界面が高pHに維持されて不動態が保障されるので、腐食の進行が抑制される。
このニッケル系高耐候性鋼は、Niが、JIS−SMA材における上限含有量である0.4%を超えて添加された耐候性鋼と定義されているが(例えば、非特許文献3参照)、商品化されているニッケル系高耐候性鋼は、製造者毎に添加元素構成が異なり、Cu−Ni系高耐候性鋼、Ca−Cu−Ni系高耐候性鋼、N−Cu−Ni系高耐候性鋼、極低C−Cu−Ni系高耐候性鋼、Mo−Ni系高耐候性鋼、Ti−Cu−Ni系高耐候性鋼などに分類され、従来、それぞれについて多くの発明がなされている(例えば、特許文献1〜10参照)。
このようにニッケル系高耐候性鋼と言っても添加元素の構成が多岐にわたり、しかも、歴史も浅いので、各種ニッケル系高耐候性鋼の防食性に対する微量添加元素の効果や影響は十分に体系的研究がなされておらず、添加元素の構成の違いにより腐食界面での微量添加元素に関わる化学反応が全く異なる可能性も高いので、添加元素の構成毎に微量添加元素の効果や影響を吟味する必要がある。
このような背景の中、C,Si,Mn,P,S,Cu,Ni,(Cr),Mo,およびTiの各元素については、東京工業大学創造プロジェクト研究体SIG1(高耐候性鋼材の橋梁への適用に関する研究会)によって、(社)日本鉄鋼協会・橋梁研究会・耐候性鋼防食設計WGの協力を得て、下記の式(1)に示される耐候性合金指標Vの計算方法が提案された。
V=1/{(1.0−0.16[C])・(1.05−0.05[Si])・(1.04−0.016[Mn])・(1.0−0.5[P])・(1.0−1.9[S])・(1.0−0.10[Cu])・(1.0−0.12[Ni])・(1.0−0.3[Mo])・(1.0−1.7[Ti])} ・・・(1)
ただし、上記式(1)の各合金成分の範囲は、質量%で、0≦[C]<1.5、0.1<[Si]<5、0.1<[Mn]<10、0≦[P]<0.15、0≦[S]<0.03、0≦[Cu]<1.1、0≦[Ni]<5、0≦[Mo]<0.6、0≦[Ti]<0.12にあることが前提であり、さらにV値の範囲は、0.9≦V≦2.5であることを確認して用いる。
これにより、これらの成分を用いる限りにおいては、ニッケル系高耐候性鋼材の耐塩害性の高さは、V値によりおおむね把握できるようになったと言える。
尚、塩害環境下での数%以下のCr添加の功罪についてはまだ明確にされておらず、これまで商品化されたニッケル系高耐候性鋼材は、塩害に対し制御不能な不確定要素を排除するため、一般にCr無添加を基本としている。耐候性合金指標Vの計算式である式(1)にCrの影響が入っていないのは、このことを背景に、Cr無添加鋼へ適用することを原則としているためである。ただし、不可避的に混入する不純物Crや、JIS−SMA材に含まれる程度のCr量であれば、その含有を許容しても大きな誤差にはならない。
このようにニッケル系高耐候性鋼と言っても添加元素の構成が多岐にわたり、化学的成分だけではその耐候性能の把握が困難であるが、鋼材の耐候性を向上するためにこれまで検討されてきたのは、前記式(1)からも示唆されるように、いずれもS以外の合金元素をさらに添加するものであった。
しかし、CuとNiは、その役割が比較的明快であるが、それ以外の添加元素が加わる場合においては、腐食反応メカニズムやさび形成プロセスが異なるため、その耐候性に及ぼす微量添加元素の効果や影響が逆転することもあり、闇雲に元素を添加するだけでは単にコストアップとなるだけで、それによる耐候性向上に限界がある。
「道路橋示方書・同解説」、日本道路協会、平成14年3月 紀平寛,伊藤叡,溝口茂,村田朋美,宇佐見明,田辺康児:「材料と環境」Vol.49、pp.30−40(2000) 三木千壽,市川篤司,鵜飼真,竹村誠洋,中山武典,紀平寛:「土木学会論文集」No.738/I−64、pp.271−281、2003 (社)日本鉄鋼協会・共同研究会・鉄鋼分析部会編:「日本鉄鋼業における分析技術」(1982) 特許第2572447号公報 特許第3785271号公報 特許第3817152号公報 特許第3655765号公報 特許第3568750号公報 特許第3458762号公報 特許第3463600号公報 特許第3465494号公報 特許第3646512号公報 特許第3719053号公報
そこで、本発明は、耐候性鋼において、従来の微量添加元素による性能向上に代わり、コストアップにならない元素や化合物を利用することにより、耐候性鋼の性能、特に、長期のさび安定化能を改善することを課題とする。
本発明者らは、コストアップとなる微量元素の添加によらない耐候性鋼の性能向上手段を研究する過程で、酸素0.007%程度を含む1.2%Ni―0.8%Cuベースのニッケル系高耐候性鋼にて、0.03%のアルミニウム添加によりわずかながらも腐食量が極小をとる傾向を見いだした。この現象を詳細に調査したところ、アルミニウムの微量添加で粒子長軸長さ1μm以下の窒化アルミニウムが形成され、それにより腐食抑制効果が発現されたものと判明した。
従来、アルミと結びついた窒素は、窒化アルミニウムの微細析出物を形成し、高温状態にてオーステナイト粒径を細粒化に有効に作用することが知られており、これにより耐候性鋼の機械的特性を改善できる。しかし、窒化アルミニウムのさび安定化能に対する作用については、その研究例はなかった。そこで、本発明らは、耐候性鋼への窒化アルミニウムの添加効果について検討した。
耐候性鋼材の経年腐食量Yと経過年数Xとの関係は、初年腐食量をA、さび安定化指数をBとしたとき、下記式(2)によって示されることが知られている。
Y=A・XB ・・・(2)
ここで言うさび安定化能とは、より緻密なさびの形成によって長期に腐食速度を低減する能力を言う。具体的には、式(2)においてさび安定化指数(以下、B値と記す)を小さくする能力として定量化することができる。
本発明者らは、このような式(2)を用いる評価を行って、耐候性鋼中に微細分散された窒化アルミニウムにさび安定化能があることを確認した。
すなわち、耐候性鋼に窒化アルミニウム添加を行って長期曝露試験供し、得たデータを用いて式(2)のA値とB値を統計的回帰により評価・分析した。その結果、初年腐食量(A値)に顕著な差異を見いだすのは難しかったが、窒化アルミニウム添加によってB値がより小さな値になることが明らかとなった。
これにより、窒化アルミニウムを耐候性鋼に添加するとさび安定化能が高まるという新しい知見を得て、以下の本発明をなした。
そのような本発明の要旨は次の通りである。
(1)質量%で、
C :0.03%〜0.18%、
Si:0.1%〜0.65%、
Mn:0.2%〜1.4%、
P :0.03%以下
S :0.02%以下、
Cu:0.3%〜2%、
Ni:0.2%〜6%、
N :0.002%〜0.01%、
Al:0.01〜0.5%、
O :0.005%以下
を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるとともに、粒子長軸長さ0.001〜1μmの窒化アルミニウムを5〜50質量ppm含有することを特徴とするさび安定化能を高めた耐候性鋼。
(2)質量%で、さらに、
P :0.03超%〜0.2%、
Cr:0.1%〜0.75%、
Mo:0.1%〜0.5%、
Ti:0.001%〜0.03%
のうちいずれか1種以上を含有することを特徴とする(1)に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
(3)質量%で、さらに、
V :0.001%〜0.05%、
Nb:0.001%〜0.05%、
W :0.001%〜0.05%
のうちいずれか1種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
(4)質量%で、さらに、
Ca:0.0001%〜0.005%、
Mg:0.0001%〜0.005%
の一種または2種を含有すること特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
(5)溶鋼中に窒化アルミニウムを添加して製造することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼の製造方法。
(6)脱酸後の溶鋼中に、アルミニウム及び窒素を添加するか、あるいは、アルミニウム、窒素及び窒化アルミニウムを添加して製造することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼の製造方法。
本発明により、さび安定化能を高めた耐候性鋼材をコストアップせずに提供することが可能となる。これによって、無塗装耐候性鋼橋梁における長期の腐食減耗量がより低下するので、さらに安全・安心なミニマムメンテナンス鋼構造物の実現が可能となる。また、耐候性鋼の無塗装使用による適用範囲が広がるため、より広い地域でライフサイクルコストの低減ができ、公共鋼構造物の維持管理費用において、納税者負担が軽減される効果が生ずる。
以下、本発明の耐候性鋼の実施の形態を説明する。
まず、本発明の特徴である窒化アルミニウムを耐候性鋼に含有させる点について述べる。
微細な窒化アルミニウムは、さび形成過程における核発生過程に作用し、より緻密なさびを形成させる。さび層の環境遮断機能とさび/鋼界面pHの制御機能の双方を窒化アルミニウムにより高める点が本発明のポイントとなる。微細な窒化アルミニウムは、腐食過程の中で、鋼材の腐食によりイオン化し、水溶液中に徐々に溶解し、微細なさび核として適切なサイズのサイトを提供する。
窒化アルミニウムのうち窒素は、水溶液中でアンモニウムイオンや亜硝酸イオンに化学変化するので、核生成サイト周辺領域の局所pHを高め、鉄イオンの溶解度を下げてさびコロイドの核形成を加速する。さびコロイドの核形成が促されると、さびコロイド粒子の凝集体として構成されるさび層中の空隙を埋める各種サイズの微細さびコロイド粒子を効果的に生成する。これにより長期にはさび層中の空隙が各種サイズのさびコロイド粒子で埋め尽くされ、さび層の緻密化に寄与する。その結果、耐候性鋼のさび安定化能を高める。この効果は前述の式(2)のうちB値を低減するので、長期の腐食量抑制効果は絶大となる。
この効果を発現させるためには、さびコロイドの核発生サイトとして機能しうる窒化アルミニウムが鋼中に5質量ppm以上存在する必要がある。効果をより明らかとするために10質量ppm以上存在するのが望ましい。
また、さびコロイドの核発生サイトとして機能しうる鋼中の窒化アルミニウムの上限粒子長軸長さ(窒化アルミニウム粒子は一般に針状の形態を呈しており、大きさを規定するために、粒子長軸長さを用いた。)は1μm以下であるが、望ましくは0.5μm以下、さらに望ましくは0.3μm以下である。
窒化アルミニウムの下限粒子長軸長さは、0.001μm以上である。これ未満の粒子長軸長さであると、窒化アルミニウムの溶解消失が速く、さび形成過程におけるさびコロイドの核発生補助サイトとしてほとんど機能しない。望ましくは0.005μm以上である。
このような窒化アルミニウムが鋼中に分散していると、耐候性鋼のさび安定化能が高まるが、窒化アルミニウムの過剰な添加は鋼材の靱性を下げたり、熱間加工性を下げたりする。この観点から、窒化アルミニウム含有量の上限を50質量ppmとするのが望ましい。
以上のような窒化アルミニウムを鋼中で形成させるためには、溶鋼内の化学反応による方法と溶鋼中に窒化アルミニウムを添加する方法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法がある。
溶鋼内の化学反応で窒化アルミニウムを形成するためには、AlをN添加等と組み合わせて添加する。その際、溶鋼中の酸素量を低く規制することが必要である。
本発明らは、前述の研究過程で窒素含有鋼中の酸素量を低く規制したところ、アルミニウム添加量の増大とともに耐候性が向上する傾向を見出した。酸素量が多いと、粒子長軸長さ1μmを超える粗大なアルミニウム酸化物を形成する。そのような酸化物は、孔食起点となって腐食を加速すると考えられる。
この耐食性向上効果は、酸素が0.005%以下においてAlの添加量が0.01%のときにより明確に発現し、0.48%で飽和したが、さらに酸素を0.001%未満に規制した場合にはAl添加量の増大に伴って単調に耐候性能が向上した。ただし、酸素0.001%未満の状態を実製鋼工程で実現するには強脱酸剤の多量添加が必要となり、脱酸コストの上昇を招く。このためAlの上限を0.5%とした。
このように、化学反応で窒化アルミニウムを形成する場合、耐候性の改善に阻害要因となっていたアルミニウム酸化物の形成を極力抑制し、窒化アルミニウムの効果を引き出す点が本発明の鍵となる。
製鋼工程において溶鋼中の窒素含有量を所定の水準に制御しつつ酸素含有量を下げるためには、取鍋精錬工程において高純度窒素ガスのバブリングを行うなど、一般鋼材の製法とは異なる工夫や配慮が必要である。アルミニウムを脱酸剤として用いる通常の製鋼法では多量のアルミニウム酸化物が鋼中に残留してしまう。本発明の耐候性鋼を用いた鋼材を製造するにあたっては、鋼材中にアルミニウム酸化物が極力残留しないよう、脱酸はアルミニウムや窒素の添加前に行うのを原則となる。やむなくアルミニウムを脱酸に用いる場合には、脱酸処理後に十分時間をかけて、溶鋼中に形成した粗大なアルミニウム酸化物を浮上させてから、窒素とアルミニウムを添加して微細な窒化アルミニウムを鋼中に形成させるのが良い。製造段階で前述の配慮がなされなければ、類似成分であっても本発明の効果は発現しない。
鋼中での窒化アルミニウムの形成を確実にするためには、次の、製鋼段階で溶鋼中に窒化アルミニウムを添加する方法が効果的である。
添加する方法としては、転炉中で酸素ランス内に窒化アルミニウムの粉体を混入させて注入する方法、取鍋精錬中にアルミ被覆ワイヤーで添加する方法、真空脱ガス中にバブリングするアルゴンガスに粉体混入して添加する方法、連続鋳造中にアルミ被覆ワイヤーで添加する方法、鋳造前に鋳型内に予めアルミ被覆した所定量の窒化アルミニウム粉を置いておく方法などがあり、いずれの方法を用いても良い。窒化アルミニウムを溶鋼中に添加する方法は種々考えられるため、手法はここに例示したものに限らない。
溶鋼中に窒化アルミニウムを添加する場合でも、前述のように、溶鋼中でのアルミニウム酸化物の形成を極力抑制した状態で添加するか、溶鋼中にアルミニウム酸化物が形成されている場合でも、形成した粗大なアルミニウム酸化物を十分に浮上させてから添加するのがよい。
また、鋼中に窒化アルミニウムを形成する方法として、この窒化アルミニウムを添加する方法と先の溶鋼内の化学反応による方法とを組み合わせた方法を用いてもよいことはもちろんである。
次に、窒化アルミニウム含有のベースとなる鋼の化学組成について述べる。なお、含有量の%は質量%を意味する。
Cは、耐候性鋼に所定の強度を与えるため必須の元素である。また、Cは前記式(1)にもあるように、鋼材の耐候性を向上させる元素である。これらを鑑み、下限値を0.03%とし、靱性低下を起こさない範囲として、0.18%を上限に設定した。
Siは、精錬時に脱酸に用いる基本元素である。また、Siは前記式(1)にもあるように、鋼材の耐候性を向上する元素である。これらを鑑み、下限値を0.1%とし、靱性低下や溶接性低下を起こさない範囲として、0.65%を上限に設定した。
Mnは、強度を高め加工性を改善する基本元素である。またMnは前記式(1)にもあるように鋼材の耐候性を向上する元素である。これらを鑑み、下限値を0.2%とし、靱性低下や溶接性低下を起こさない範囲として、1.4%を上限に設定した。
Pは、溶接性の観点から添加量を0.03%以下に低減するか無添加とする。
Sは、前記式(1)にあるように、耐候性を低下させる元素であるので無添加とする。溶銑脱硫が不十分の場合には不可避的不純物として混入がありうるので、上限として0.02質量を設定する。望ましくは0.01%以下、さらに望ましくは0.005%以下に管理して製造するのが良い。
Cuは、前述および前記式(1)にあるように、耐候性を向上させる元素であるので0.3%を下限に設定する。熱間加工割れなどが起きないよう、2%を上限に設定する。
Niは、前述および前記式(1)にあるように、塩害のある環境などで耐候性を向上させる基軸元素である。本発明は、Ni含有量が低い一般耐候性鋼材にも有効であることから、下限を0.2%と規定する。ニッケル系高耐候性鋼の定義は0.4%以上にNiが含有されることであるが、望ましい範囲として下限を1%とする。これは、JIS−SMA材またはその相当鋼種と耐候性に有意な差をつけるためである。上限は、コストを考慮して6%と設定する。
酸素Oは、本発明の効果を確実に発揮させるために0.005%以下とする必要がある。これは、前述のとおり鋼中のアルミニウム成分が酸素と結びついて耐候性に悪影響を及ぼす粗大なアルミニウム酸化物の悪影響を抑制し、本発明のポイントである窒化アルミニウムによるさび安定化能向上効果を最大化するためである。さび安定化能向上の観点からは、鋼中の酸素含有量は低いほどよく、望ましくは0.004%以下、さらに望ましくは0.003%以下とするのが良い。ただし過度の脱酸素は製鋼上コストアップとなるので望ましくない。鋼中の酸素含有量には酸化物量も含まれるため、脱酸に用いた各種添加元素が酸化物として鋼中に残留しないよう、製鋼工程において前述のような留意が必要となる。
Nは、前述のとおり長軸長さ0.001μm以上1μm以下の窒化アルミニウム粒子を鋼材中に形成させるためにAl添加等と組み合わせて添加することができる。また、窒化アルミニウムを鋼中に添加した結果として鋼に含有される。
必要な窒化アルミニウムを含有させるために窒素含有量の下限を0.002%と規定するが、多ければ多いほど耐候性向上に効果的であるので、望ましくは0.004%以上、さらに望ましくは0.006%以上とするのが良い。ただし、過剰な窒素の含有は靱性や溶接性を劣化させるとともに、製造工程に過剰な負荷をかけコストアップになる。よって上限を0.01%と規定する。
Alは、溶鋼内の化学反応で窒化アルミニウムを形成するため、N添加等と組み合わせて添加することができる。また、窒化アルミニウムを鋼中に添加した結果として鋼に含有される。含有範囲は、窒化アルミニウムを必要量含有させるために下限として0.01%を設定する。また、前述のように効果が飽和するなどにより上限を0.5%に設定する。
本発明は、上記成分よりなり残部Fe及び不可避的不純物よりなる鋼を基本とし、この鋼に窒化アルミニウムを上述のように含有させるものであるが、さらに、上記成分に加えて、P:0.03超%〜0.2%、Cr:0.1%〜0.75%、Mo:0.1%〜0.5%、Ti:0.001%〜0.03%、V:0.001%〜0.05%、Nb:0.001%〜0.05%、W:0.001%〜0.05%のうちいずれか1種以上を鋼に含有することができる。
Pは、前述のように溶接性の観点から添加量を制限されるが、前記式(1)にもあるように耐候性を向上させる元素でもあるので、溶接性があまり求められない用途においては0.03%を超えて添加するのが望ましい。上限を0.2%と規制したのは、耐候性鋼材の用途を鑑みて、溶接性の限界に配慮したためである。
Crは、前述のように、塩害がある地区で用いると耐候性を劣化させたり向上させたりと鋼材の防食性に不安定な要因を与える元素である。塩害の厳しい環境ではこの不安定性を排除するため無添加を原則とするのが良い。一方、内陸部のように塩害がさほど厳しくない地区で使われる場合には、Crが緻密な保護性さびの形成に寄与する効果が十分発揮され、Cr添加により、耐候性が向上する確率が高まる。塩害の影響がさほど厳しくない地点で用いる場合は、Crを0.1%以上添加することで、耐候性の向上効果が発現する。なお、Crを添加する場合、Cr量の上限は、JIS−SMA材の規格上限である0.75%以下の添加まで許容できることとした。
Moは、添加すると鋼材のコストアップとなるため無添加が望ましいが、前記式(1)にもあるように耐候性を向上させる元素であるので、さらに高い耐候性を要求される場合には、0.1%以上添加するのが望ましい。過剰添加は本発明の効果に阻害要因となるため0.5%を上限に設定する。
Tiは、前記式(1)にもあるように耐候性を向上させる元素として知られるが、過剰添加は本発明の効果に阻害要因として働く.これはチタンが溶鋼中の窒素と化合しやすいことに起因し、窒化アルミニウムの形成を阻害するためである。溶接性改善のため添加が必要となることがあるので下限を0.001%として、本発明に悪影響が生じない0.03%を上限に規制する。本発明の効果を確実に発揮させるためには、望ましくは0.02%以下、さらに望ましくは0.01%以下とするのが良い。
V:0.001%〜0.05%、Nb:0.001%〜0.05%、W:0.001%〜0.05%については、本発明の効果を特段阻害することはなく、鋼材の機械的特性の改善に効果があるので有用と判断された場合に添加できる。ただし、過剰な添加は製造工程や製作・加工工程における各種問題を呈するので、それぞれ上限値を設定した。
本発明では、さらに前記に加えて、Ca:0.0001%〜0.005%、Mg:0.0001%〜0.005%の1種または2種を含有させることができるものとした。
これらの添加は溶鋼中でアルミより酸素と結びつく力が強いため、酸化アルミの形成を抑制して窒化アルミニウム形成を助長するので本発明の効果発現を阻害しない。また、CaもMgも腐食過程で水酸化物を生成し腐食界面pHの上昇を駆動する。本発明の緻密さび生成効果と併用することで、さらに鋼材の耐候性を向上させることができる。Caの添加により形成される鋼中の介在物の内、安定的にpH上昇効果を発現するのはカルシウム酸化物であり、その次がカルシウム・アルミニウム複合酸化物である。いずれか1種以上が鋼中に分散していることが望ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一例であり、本発明は、この例に限定されるものではない。
種々の化学的成分の鋼材について、曝露試験を実施した結果を表1〜表8に示す。表1は3Ni−0.35Cu系、表2は1.2Ni−0.8Cu系、表3は0.7Ni−0.5Cu系、表4は1.2Ni−2.0Cu系、表5は4.0Ni−0.4Cu系、表6は0.3Ni−0.3Cu系、表7は5Ni−0.4Cu系、表8は6Ni−0.3Cu系耐候性鋼における実施例である。
なお、表中に--と示したものは、その元素を添加していないため含有量の分析をしていないことを示している。
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曝露試験は覆い付き架台の下で水平に100mm×150mm×t6mmに切削加工された鋼材を試験片として取り付けた。この試験片は、真空誘導加熱炉を用いて溶製した各種成分の鋳片を、1200℃で5分間加熱処理をして熱間圧延機により8mm厚さに圧延し、さらに所定の寸法に機械加工して得たものである。試験開始にあたり、事前にサンドブラスト処理を行ってISO8501−1に規定されたSa3の均一な面を得たのち、蒸留水およびアセトンで超音波洗浄し、表面付着を除去した。
曝露試験は10年間行い、試験片回収は満3年、満5年、満7年、満10年の各時点におこない、例えば非特許文献3などに記載された旧来から知られる酸洗法を用いてブランク減量が最小化するようさびを丁寧に除去し、鋼材の重量減少量を厳密に測定して腐食減耗量を算出した。
曝露場所は千葉県富津市であり、JIS Z2381(屋外曝露試験方法通則)に従って覆い付き曝露架台内で測定した年平均飛来塩分量は0.21mdd、年平均硫黄酸化物量は0.058mddとなっている。気象条件は実測値がないが、館山気象官署のデータを参考に、曝露期間の年平均気温は16.7℃、年平均湿度は73.0%、年間降水量は1420mm、年平均風速は2.9m/秒程度と推定される。
鋼中の窒化アルミニウム量(以下、αと記す)の定量法としては、〔(社)日本鉄鋼協会・共同研究会・鉄鋼分析部会編:「日本鉄鋼業における分析技術」(1982)〕に詳細な記述がある抽出残渣分析法を用いる。これらの鋼中窒化物は、例えば10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノール溶液(以下、10%AA系溶液と記す)、4%スルホサリチル酸−1%塩化リチウム−メタノール溶液(以下、4%SSA系溶液と記す)などの有機溶媒を用いた定電位電解法や、例えば6%臭素−酢酸メチル溶液や14%沃素−メタノール溶液中で当該鋼材の切り粉を溶解させるハロゲン有機溶媒法などによって、抽出残渣として分離できる。アルカリ水溶液に短時間に溶解する窒化アルミニウムの分析は、抽出残渣を水酸化ナトリウム水溶液中に分散させ、流出液中の窒素を分析して窒化アルミニウム量に換算する方法をとるのが良い。
本発明に示した成分の鋼材におけるSiの規定範囲では、アルカリ溶解法にて誤差の原因となる鋼中Siの形成量は鋼中AlN形成量に比べて無視できる程度となる。ただし、あまり高濃度な水酸化ナトリウム水溶液に残渣を長時間分散させると、溶解速度の遅いSiも溶出して分析誤差が生じやすくなるので、精度の高い分析作業にあたっては特段の留意が必要である。
本発明では、10%AA系溶液での電解抽出法と残渣のアルカリ溶解法を主構成とする工程で得た流出液の窒素分析値をもとに換算されたAlNの量値を用いて、鋼中の窒化アルミニウム量(α/質量ppm)に関わる規定を作成した。この化学分析工程は複雑かつ巧妙であり、操作には高度な知識と技能を要するので、専門の分析会社に依頼して作成した。
そのほか、抽出残渣中の窒化アルミニウムの定量は、ZnOなどを内部標準剤として用いる定量X線分析法を用いてもできる。瑪瑙乳鉢を用いて非磁性抽出残渣に一定割合(例として10%)となるようにZnOをよく粉砕・混合した後に、X線回折により得られた回折角2θ=36.44°に現れるZnOのピーク高さを基準にして2θ=33.4°に現れるAlNのピーク高さを求めることで窒化アルミニウムの定量が可能である。
分析に必要な多量の鋼を前述の溶媒に溶解するには時間がかかるため、少量の非磁性抽出残渣でも分析を可能とするためには、放射光により得られる高輝度X線源を用いることもできる。そのほか、透過電子顕微鏡を用いた定量分析方法もある。抽出残渣を構成する各種微粒子の電子線回折像や粒子形状情報をもとに、任意に選んだ1000個以上の非磁性抽出残渣微粒子の回折パターンや粒子形状観察による同定を行い、測定したそれぞれの粒子長軸長さから同定物質の各分類に従って体積総和を求めて比重により質量に換算し、抽出残渣に占める窒化アルミニウムの質量比を求め、抽出前の鋼材の質量および得られた抽出残渣の総質量のデータを用いてα(質量ppm)に換算する。
これらの物理的分析作業を行うにあたっては、予め人工的に混合した粉末を用いて前述の標準法で求めた窒化アルミニウム量と相関をとり、検量線を求めておくのが良い。他の鋼材成分に関わる分析は、専門の分析会社に依頼すれば信頼度の高い分析結果を誰でも容易に得られる。
本発明の効果をわかりやすくするため、表1中の3%Ni−0.35%Cu添加耐候性鋼での実験結果の例を図1に示す。ベース成分系となる比較例は表1の鋼材番号30N−01であり、発明例は表1の鋼材番号30N−04である。経過年数X(年)と腐食量Y(mm)は両対数プロットされているので、数式2にて示されるA値とB値をそれぞれX=1年のY軸上の切片および回帰曲線の傾きとして把握することができる。このように本発明でいうさび安定化能とは、回帰曲線の傾き、すなわちB値であるので、B値が小さくなると100年後の腐食量に大きな差異が生ずることがわかる。
表1〜表8には、100年後の回帰予測腐食量比について、比較のベース成分鋼を基準にしてβ値として指標化した。目安としてβが1未満であることを満足すれば、本発明の効果があったと判定できる。窒化アルミニウムが所定量含有され、酸素含有量が既定値以下を満足すると、おおむねβ値が1未満となっている。表中にAlN溶鋼添加とあるのは、予め歩留まりを考慮してアルミニウムフォイルで包んだ所定量のAlN粉末を鋳型内部に設置し、そこに真空誘導加熱溶解炉による溶製鋼を注入して試作した鋼材であることを意味する。
本実施例では、真空度200torrにおける溶製段階でC、Si、Mn等を所定量添加して脱酸素し、形成した酸化物を溶鋼から浮上させるため1600℃に保持したまま真空度200torr以下に20分以上放置し、その後に窒素歩留まりを高めるため500torrに99.9%の純窒素ガスで復圧し、鋳型注入して冷却・凝固させて鋳片を得た。なお、本実施例で用いた溶解炉の容量は50kgであるが、それ以外の容量であっても製造することができる。
実際の製鋼においては、前述の各種手段により窒化アルミニウムを溶鋼に添加することができる。窒化アルミニウム粉末を溶鋼添加したものはα値が高く、β値がいずれも低い値となって、耐候性鋼材のさび安定能がより高くなっている。溶鋼に添加する窒化アルミニウム粉末の平均粒子長軸長さを種々変えてみたところ、さび安定化能に差異が生じたので、結果を表9〜表10に示す。鋼中窒化アルミニウムの粒子長軸長さと体積分率の測定は、前述の透過電子顕微鏡を用いて行った。
Figure 0004762878
Figure 0004762878
この結果より、鋼中窒化アルミニウムの粒子長軸長さは1μm以下0.001μm以上に範囲にあるとよく、望ましくは0.5μm以下0.005μm以上の範囲、さらに望ましくは0.3μm以下0.005μm以上の範囲にあると、さび安定化能改善に効果があることがわかる。
本発明の効果例を説明する図面である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C :0.03%〜0.18%、
    Si:0.1%〜0.65%、
    Mn:0.2%〜1.4%、
    P :0.03%以下、
    S :0.02%以下、
    Cu:0.3%〜2%、
    Ni:0.2%〜6%、
    N :0.002%〜0.01%、
    Al:0.01%〜0.5%、
    O :0.005%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるとともに、粒子長軸長さ0.001〜1μmの窒化アルミニウムを5〜50質量ppm含有することを特徴とするさび安定化能を高めた耐候性鋼。
  2. 質量%で、さらに、
    P :0.03%超〜0.2%、
    Cr:0.1%〜0.75%、
    Mo:0.1%〜0.5%、
    Ti:0.001%〜0.03%
    のうちいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
  3. 質量%で、さらに、
    V :0.001%〜0.05%、
    Nb:0.001%〜0.05%、
    W :0.001%〜0.05%
    のうちいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
  4. 質量%で、さらに、
    Ca:0.0001%〜0.005%、
    Mg:0.0001%〜0.005%
    の一種または2種を含有すること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼。
  5. 溶鋼中に窒化アルミニウムを添加して製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼の製造方法。
  6. 脱酸後の溶鋼中に、アルミニウム及び窒素を添加するか、あるいは、アルミニウム、窒素及び窒化アルミニウムを添加して製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のさび安定化能を高めた耐候性鋼の製造方法。
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