JP4762613B2 - 接着剤塗布方法及びその装置 - Google Patents

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Description

この発明は、金属製ワークに対する接着剤塗布方法及びその装置に関する。
ゴムが焼き付けられる金属製ワークに対して、ゴム焼き付け前に接着剤を塗布することは公知であり、この塗布はハケ塗り等で行われている。また、ワークとしての円筒状ゴムを回転させ、その外表面へ2液性の接着剤の各成分毎に異なる小吐出量ノズルで2方向から塗布してワーク表面にて2液を混合するものもある(特許文献1参照)。
特開平10−28905号公報
ハケ塗りすると、膜厚が一定しない。一方、ブチルゴム等の耐熱性ゴムを使用する防振ゴムにおいては、剥離が生じないように接着剤の塗膜をできるだけ薄くすることを求められる場合がある。この場合には、上記ハケ塗りでは必要とする程度に薄くかつ安定した塗膜を得ることができない。一方、前記特許文献1のように、ワークを回転させ、かつ小吐出量ノズルで塗布すれば、薄くかつ安定した膜厚が可能になる場合がある。しかし、吐出量が少ないため、効率が低下する。そこで本願発明は、効率よく所定条件に合致できる膜厚の接着剤塗布方法及びその装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため本願の接着剤塗布装置に係る請求項1の発明は、金属製ワークの表面へ正確な膜厚の接着剤塗膜を形成するために使用される接着剤塗布装置において、
前記ワークを挟んで上下一対で配置される前記小吐出量タイプのノズルと、これに接着剤を供給するギヤポンプと、前記ワークを複数支持するための共通のパレットと、このパレットに対して前記ワークを回転自在に支持するためにワーク毎に設けられる受け治具とを備え、
前記ワークを回転させるとともに、その外周へ前記小吐出量タイプのノズルにより、前記ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布することを特徴とする。
請求項2の発明は、上記請求項1において、前記ワーク及びこれを支持する受け治具が略円筒状であり、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布することを特徴とする。
請求項3の発明は、上記請求項1における複数のワークを共通のパレット上に支持して各ワークを個々に回転させるとともに、各ワークへ同時に接着剤を塗布することを特徴とする。
請求項4の発明は、金属製ワークの表面へ正確な膜厚の接着剤塗膜を形成する方法において、
前記ワークを回転させるとともに、その外周へ小吐出量タイプのノズルにより、ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布するとともに、
前記ワーク及びこれを支持する受け治具が略円筒状であり、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ワークを回転させながらその外周へ小吐出量タイプのノズルにより接着剤を塗布するので、十分に薄くかつ安定した塗膜を形成でき、特に耐熱性ゴムを焼き付た場合等において、焼き付けられた耐熱性ゴム等の十分な剥離強度を維持できる。しかも、ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布するので、小吐出量タイプのノズルを用いたにも拘らず効率よく塗布できる。
また、小吐出量タイプのノズルに対してギヤポンプにより接着剤を供給するので、十分に薄くかつ安定した塗膜を形成できる。しかも、共通のパレット上へ複数のワークをそれぞれ別個の受け治具で支持するとともに、各受け治具を回転させながら、各ワークの上下に配置したノズルを用いて各ワークの表裏から同時に接着剤を塗布するので、小吐出量タイプのノズルを用いたにも拘らず効率よく塗布できる。
請求項2の発明によれば、ワーク及びこれを支持する受け治具を略円筒状とし、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布するので、ワークを回転させながら内側部分を効率よく塗布することができる。
請求項3の発明によれば、複数のワークを共通のパレット上に支持して各ワークを個々に回転させるとともに、各ワークへ同時に接着剤を塗布するので、複数のワークを効率よく接着剤塗布できる。
請求項4の発明によれば、ワークを回転させながらその外周へ小吐出量タイプのノズルにより接着剤を塗布するので、十分に薄くかつ安定した塗膜を形成でき、特に耐熱性ゴムを焼き付た場合等において、焼き付けられた耐熱性ゴム等の十分な剥離強度を維持できる。しかも、ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布するので、小吐出量タイプのノズルを用いたにも拘らず効率よく塗布できる。
そのうえ、ワーク及びこれを支持する受け治具が略円筒状であるため、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布することができるので、効率よく接着剤を塗布できる。
以下、図面に基づいて一実施形態を説明する。図1は本願に係る制御式マウント1の全体断面図、図2は各構成部品毎に分解した分解図である。これらの図において、この制御式マウント1は、自動車用エンジンマウントとして使用され、内蔵する加振手段により振動を能動的に遮断する公知のものである。
この制御式マウント1は、エンジン側へ取付けられる第1取付金具2と、車体側へ取付けられる第2取付金具3とを、インシュレータゴム4で連結し、インシュレータゴム4と第2取付金具3の間に非圧縮性液体が封入された液室5を形成し、その底部を構成する弾性膜6を加振部材7で振動させることにより液室5の内圧を変動させるようになっている。加振部材7は弾性膜6の中央部へ一体化され、加振コイル8で上下動される。
第2取付金具3は後述する副液室及びオリフィス通路を形成する略円筒形の第1円筒金具10と、その内側へ配置されインシュレータゴム4の一端へインサートされる略円筒形の第2円筒金具11と、弾性膜6の外周部へインサートされる略円筒形の第3円筒金具12と、加振部材7や加振コイル8等を内側へ収納するカップ状の第4円筒金具13と、その外側へ嵌合する第5円筒金具14からなる。
インシュレータゴム4は耐熱性、耐ガソリン性に優れたブチルゴムである。弾性膜6は天然ゴムや合成ゴム等の適宜ゴムもしくは他の各種エラストマー等の弾性素材からなる。ここで、本願発明に用いられる耐熱ゴムとは、120°C以上程度の耐熱性と防振ゴムとしての動特性を満足できるものであり、ブチルゴム以外にも、天然ゴムや各種の合成ゴムを含む。
また、これらの防振ゴムや弾性膜は金具に対して接着剤により接着されている。使用する接着剤としては、ゴム系プライマー等種々のものがある。さらに、本願発明の用途において、インシュレータゴム4や弾性膜6と金具との接着部に要求される剥離強度は、R−R 100% (JIS剥離試験法)程度である。
これらの金具はいずれも、鉄等の適宜金属からなり、第1円筒金具10、第2円筒金具11、第3円筒金具12及び加振部材7はインシュレータゴム4及び弾性膜6と一体化される金属部品であり、後述するようにブラスト処理及び接着剤塗布の対象となる。
第1円筒金具10は上端部を外方へ屈曲させて外フランジ15を有し、その上の一部に植え込みボルト16(図4参照)が突出形成されている。また、下部は少し太径の連結部17をなし、その下端はカシメ部18をなす。
第1円筒金具10の内面及び外フランジ15の上には、ダイアフラムゴム9及びストッパゴム19が接着一体化されている。ダイアフラムゴム9の他端は取付金具9aを介してボルト9bにより第1取付金具2へ連結されるとともに、インシュレータゴム4の外表面との間に副液室20を形成し、第2円筒金具11と第1円筒金具10の間に形成されるオリフィス通路21を介して液室5と連通し、作動液がオリフィス通路21を流動するようになっている。
第2円筒金具11は上下の外向きフランジと中間部の細径部からなる大略コ字状断面をなす筒状部材であり、上部フランジ22及び中間部23はインシュレータゴム4中に埋設一体化され、下部フランジ24はインシュレータゴム4の下端部から外方へ延出している。
第3円筒金具12は略L字状断面をなし、上部フランジ25は水平に径方向外方へ延出し、下部フランジ24と重なり、筒部26は弾性膜6の外周部へ埋設一体化されている。
加振部材7はその上部に設けられたカップ部27が弾性膜6の中央部へ埋設一体化されている。カップ部27は上方へ開放された容器状をなし、その中央部から軸部28が中心線に沿って下方へ突出している。軸部28はアクチュエータ29と連動し、アクチュエータ29は加振コイル8により駆動されて弾性膜6を弾性変形させながら上方へ移動し、弾性膜6の復元力により下方へ移動する。
第4円筒金具13は略カップ状断面をなし、上端は上部フランジ25と重なる外フランジ30をなす。さらに筒部31と底部32を備え、これらにより有底筒状をなし、この内部に加振部材7,加振コイル8等の加振機構が収容される。加振部材7は高い寸法精度が要求され、例えば、軸部28と加振コイル8との間隙等は所定の加振性能を発揮する上で極めて高精度を要求される。
第5円筒金具14は上下に外フランジ33,34を有し、上側の外フランジ33は外フランジ30の下に重なる。外フランジ34は図示しないボルト等により車体側へ取付けられる。
下部フランジ24,上部フランジ25,外フランジ30及び外フランジ33はこの順に上下に重なり、この重なった状態で4部材が連結部17の内側へ入り、その下端のカシメ部18を内側へ折り曲げてカシメることにより、全体が一体化した第2取付金具3となる。
このようにしてなる制御式マウント1は、第1取付金具2へエンジン側から振動が入力されると、これに対応する周波数の振動を加振コイル8から加振部材7を介して弾性膜6へ与え、液圧上昇を吸収することにより防振する。
図3は第2取付金具3の構成素材に対する表面処理の工程図である。この表面処理ライン40は汎用ゾーン41と、第1〜第3専用ゾーン42〜44を備える。第1〜第3専用ゾーン42〜44は、隔離されて汎用ゾーン41に併設されている。
汎用ゾーン41の前半部はブラスト、化成処理部分であり、この部分の第1専用ゾーン42はウェットブラストゾーンであり、汎用ゾーン41はコンベア45の上流側から下流側へ各処理部を備える。
コンベア45上には複数のパレット50が適当間隔でラフセットされて、各パレット50上には複数のワークが支持されている。本実施例の場合、1台の制御式マウント1を構成する金具のうち、接着剤塗布が必要な全金具である第1〜第4ワーク51〜54を1個のパレット50上に支持するようになっている。
第1ワーク51は加振部材7、第2ワーク52は第3円筒金具12、第3ワーク53は第2円筒金具11、第4ワーク54は第1円筒金具10に相当している。
第1専用ゾーン42には移載ロボット55が設けられ、コンベア45上と第1専用ゾーン42内との間でパレット50を移動する。第1専用ゾーン42内に移動されたパレット50のワークは、後述するようにウェットブラストされて所定の面粗度とされる。図中の符号56はブラストマシンであり、ノズル57,研磨材タンク58等を備える。
汎用ゾーン41の後半部は接着剤塗布部分であり、汎用ゾーン41のコンベヤ60上には、上流側から順に、予備乾燥炉61,プライマ乾燥炉62,カバーコート乾燥炉63を備える。
コンベヤ60上のパレット50は、予備乾燥炉61を通過して予熱乾燥された後、併設されている第2専用ゾーン43へ移載され、ロボット64によるプライマ処理後に再び汎用ゾーン41上へ戻される。
図4は接着剤塗布に際して複数のワークを回転させる状態の概略を示す斜視図である。第1〜第4ワーク51〜54からなる複数のワークが、それぞれ受け治具71〜74を介して共通のパレット50に嵌合支持され、それぞれが後述する回転駆動手段により回転可能になっている。
第1ワーク51はカップ部27及び軸部28からなる略カップ状をなし、軸部28の下端側を略円板状の受け治具71中央に一体形成されて上方へ突出する首部71aに支持させた状態で受け治具71と一体に回転される。
第2ワーク52〜第4ワーク54はそれぞれ略円筒状であり、やはり円筒状の受け治具72〜74上に乗せられて回転する。第4ワーク54の上部に形成された外フランジ15の一部が広幅部15aをなし、ここに溶接されたボルト16が上方へ一体に突出している。
図5は各ワーク51〜54に対する接着剤塗布状態を示す。各ワーク51〜54毎に塗布ノズル77、78は各ワークを挟んで上下一対で設けられ、各塗布ノズル77、78の塗布パターンにおける中心線である塗布軸線をC2及びC3で示すように、上方及び下方等の2方向から同時に接着剤を塗布することにより、各ワーク51〜54の表裏を同時に塗布する。各ワーク51〜54はそれぞれ回転軸線C1(図ではワーク51のみについて示す)の回りを回転可能である。
第2〜第4ワーク52〜54は、略円筒状部材であり、各受け治具72〜74もそれぞれ略円筒状をなす。したがって、下側の塗布ノズル78は受け治具72〜74内へ入り込んで各ワークの裏側を同時に塗布できる。塗布ノズル78の塗布角は、上側のものが略水平から略垂直下向きまで、下側のものが略垂直上向きから略水平までの範囲で、予め設定された角度へ自由に変化させることができる。
パレット50は回転駆動手段80の上に置くことにより各ワーク51〜54を回転できるようになる。回転駆動手段80は各受け治具71〜74に対応する筒部81〜84を備え、ベース85に対してベアリング86により回転自在に支持されている。筒部81の底部中央及び各筒部82〜84の底部外周には被動ギヤ87a〜87dがそれぞれ一体回転可能に設けられている。被動ギヤ87b〜87dは互いに噛み合ってギヤ列を構成している。
筒部81の被動ギヤ87aとこれに隣接する筒部82の被動ギヤ87bには、モータ88の出力ギヤ89が同時に噛み合う。したがって、筒部81及び82はモータ88の回転により同時に回転される。また、ギヤ列をなす被動ギヤ87b〜87dの噛み合いにより、筒部82〜84も同時に回転する。したがって、一つのモータ88により、全筒部81〜84を同時に回転駆動できる。
各受け治具の回転速度は、60〜180rpm 程度であり、 標準線速300mm/sec に基づいて決定する。
なお、回転駆動機構は本実施例に限定されず種々可能である。
図中の拡大部Aに示すように、受け治具72の下部は階段状断面をなして下方へ凸の環状凸部72aが形成され、この環状凸部72aがパレット50の取付穴50aへ嵌合することにより受け治具72が取付穴50aの開口縁部へ固定される。
環状凸部72aには下方へ開放された環状溝72bが形成される、この環状溝72bへ筒部82の上端部に形成された環状凸部82aが嵌合する。受け治具72の上面側も階段状断面をなし、内周側の低くなった環状の段差部72cにワーク52の環状をなす基部が嵌合固定される。
このようにすると、受け治具72の環状凸部72aをパレット50の取付穴50aへ嵌合することにより第2ワーク52を確実にパレット50へ固定できる。また、拡大部Bに示すように、筒部82を押し上げると、環状溝72bへ環状凸部82aが嵌合するとともに、第2ワーク52を支持したまま受け治具72を取付穴50aから上方へ脱出させ、筒部82の上部が取付穴50a内へ入る。
このとき筒部82の上部外径が取付穴50aの内径より若干小さくなっているので、筒部82は受け治具72と一体になり、第2ワーク52を支持した状態で一体回転可能になる。他のワーク、受け治具及び筒部の関係も同様になっている。
図6は、接着剤塗布方法につき、第4ワーク54を代表として説明する図である。受け治具74上に置かれた第4ワーク54は、回転駆動手段80(図5参照)により回転される。
第4ワーク54の近傍かつフランジ15の上方には、ロボットに支持された小吐出量タイプの塗布ノズル77が配置され、第4ワーク54のフランジ15における塗布部15b及び小径筒部10aの内周面へ接着剤を塗布する。
15bはフランジ15の上面で非塗布部であるボルト16より内周側のリング状部分である。この塗布部15bに連続する小径筒部10aの内周面上部も一体に塗布される。符号15cはフランジ15の外周部をさらに上側へ折り曲げた立ちフランジである。
本実施例において、小吐出量とは、8〜30cc/min 程度の範囲をいい、この範囲であれば、マスキングレスで正確な膜厚の形成が可能である。但し、具体的な吐出量は、必要膜厚を基準にして、基本塗布パターン幅と塗布スピード及び塗布効率により決定する。
また、耐熱ゴムの接着条件を満たす塗膜の厚さは、 7〜17μm程度であり、この範囲であれば、耐ガソリン・耐作動液及び高耐久性なる条件を満たす耐熱ゴムのほとんどの接着における必要な剥離強度を維持できる。
塗布ノズル77はロボットにより塗布軸線C2の回転軸線C1に対する角度を自由に変化させることができる。また、第4ワーク54を回転させることと塗布ノズル77側の小吐出量により、接着剤を所定の膜厚に形成できる。
拡大部Aに示すように、塗布ノズル77から塗布される接着剤の塗布パターン79は、塗布幅(塗布部の直径)aと塗布距離bとにより定まる。塗布角θは塗布ノズル77の仕様により任意に設定される。実際の塗布位置は、塗布幅aの場合を基本塗布パターン幅として、塗布部15bの幅W及び15cのみを塗布するように高さb及び塗布ノズル77の角度を調整する。この高さ及び角度を含むノズル制御条件はロボットに対してティーチィングにより記憶させる。
このノズル制御条件でワーク54を回転させながら塗布ノズル77から接着剤を塗布すると、拡大部Bに示すように、塗布部15b及び小径筒部10aの内周面の上部のみが所定膜厚条件を満たす状態で連続するリング状に形成される。また、その幅は所定幅の帯状範囲内に形成されるため、マスキングレスで塗布でき、従来のようにボルトなどの非塗布部を予めマスクする必要もない。
塗布ノズル78も同様にして自由にロボット側のノズル制御条件を定めることができる。また、上下各ノズルのノズル制御条件は各ワーク毎に自由に設定できる。以下、これを説明する。
図7は各ワーク51〜54に対する塗布パターンの設定を示す。
図中のAは第1ワーク51に対するノズル制御を示す。第1ワーク51はカップ部27の外周面、凹部27aの内周面及び底面27bに対して塗布が要求される。この塗布必要部を51aで示す。
上側の塗布ノズル77は、塗布軸線C2をカップ部27の上端面で凹部27aに臨む角部P11に向けて水平線とα11なる角度で塗布角を変化させ、これにより凹部27aの内周面、カップ部27の上端面及び外周面上部側を塗布する。
下側の塗布ノズル78は、塗布軸線C3を、カップ部27の外周面における中間部P12からβ12なる角度で塗布角を変化させ、これによりカップ部27の外周面下半部と底面27bを塗布する。
上下の塗布ノズル77及び78による接着剤の塗布はそれぞれ同時に行われるから、塗布必要部51aに対する接着剤の塗布は同時に完了する。
なお、以下の説明において、塗布角のうち上側の塗布ノズル77によるものをα、下側の塗布ノズル78によるものをβとして統一する。
図のBに示すように、第2ワーク52は、上フランジ25から筒部26の表裏全体及び下フランジ12aの内周側部部分まで塗布必要部52aをなす。下フランジ12aの外周側部分は塗布不要部であり、丁度、受け治具72によって支持される部分である。
上側の塗布ノズル77は、上フランジ25の内周側角部である点P21に向けて上フランジ25に対して略垂直なα21、筒部26の内周上端部である点P22に向けてα22、筒部26の外周面中間部である点P23に向けてα23なる角度で塗布角を変化させる。
下側の塗布ノズル78は、筒部26の下端角部である点P24に向けてβ24及び下フランジ12aの底面内周側の点P25に向けてβ25なる角度で塗布角を変化させる。これにより、第2ワーク52の接着剤塗布必要部52aが表裏から同時にかつ所定の塗膜条件を満足した状態で均一に塗布される。
図のCに示すように、第3ワーク53は、上部フランジ22、中間部23及び下部フランジ24の内周側部分に各表裏全体が塗布必要部53aをなす。下部フランジ24の外周側部分は塗布不要部であり、丁度、受け治具73によって支持される部分である。
中間部23は、点P31〜23で、下すぼまり傾斜面と、垂直面と、末広がり傾斜面とに変化する。上側の塗布ノズル77は、点P31に向けてα31、点P32に向けてα32、下部フランジ24の屈曲点であるP34に向けてα34なる角度で塗布角を変化させる。
下側の塗布ノズル78は、点P33に向けてβ33及び点34に向けてβ34なる角度で塗布角を変化させる。これにより、第2ワーク52の接着剤塗布必要部53aが表裏から同時にかつ所定の塗膜条件を満足した状態で均一に塗布される。
図のDに示すように、第4ワーク54は、フランジ15の内周部15b、小径筒部10aの内周面及び小径筒部10aから大径の連結部17へと変化する段差部10bの底面にかけて塗布必要部54aをなす。連結部17の下端部は、丁度、受け治具74によって支持される塗布不要部である。
上側の塗布ノズル77は、上フランジ15の内周側角部である点P41に向けてα41、小径筒部10aの内周側上部の点P42に向けてα42なる角度で塗布角を変化させる。このとき、点P41に向けた塗布角度α41はほぼ上フランジ15に対して直角となるが、塗布パターンにおける先端の塗布幅aの略半分が内周側に向かうため、上フランジ15と内周面を同時に塗布できる。
下側の塗布ノズル78は、小径筒部10aの内周側下部の点P43に向けてβ43及び段差部10bの内周角部の点P44に向けてβ44なる角度で塗布角を変化させる。これにより、第4ワーク54の接着剤塗布必要部54aが表裏から同時にかつ所定の塗膜条件を満足した状態で均一に塗布される。
このように各ワークに対するノズルの制御条件を設定すると、マスキングレスで、かつ高精度で所定の膜厚条件を満足する接着剤塗布が可能になる。したがって、高耐久の耐熱性ゴム接着が要求される防振部材において、十分に要求を満たすことができる。しかもワークを挟んで2方向から塗布するので、効率よく作業できる。
図8は、接着剤供給装置の構成図であり、接着剤は、ギヤポンプ90により塗布ノズル77,78へ供給される。このとき、霧化エア圧及びパターンエア圧は電空変換コントロールされて加圧エアライン91から供給され、これにより塗布パターンの安定化を図る。
ガントリガーエアは加圧エアライン91から直接供給される。エアオペエアは加圧エアライン91からエアオペ92を介してギヤポンプ90へ供給される。洗浄エアは、加圧エアライン91から洗浄シンナーライン93のバルブ94、さらに接着剤供給ライン95のカラーチェンジバルブ96を介してエアオペ92へ供給される。またシンナータンク97を加圧する。
接着剤供給ライン95には、接着剤タンク66とカラーチェンジバルブ96の間に循環ポンプ98及びインラインヒーター99を備えることにより接着剤粘度が安定化される。また、シンナータンク97より、シンナーからなる洗浄剤を必要時に塗布ノズル77、78へ迅速に供給して自動洗浄可能になっている。
ギヤポンプ90は、接着剤の吐出量を安定化するために設けられ、これにより塗布膜厚を安定化できる。ギヤポンプ90は小吐出ポンプであり、塗布ノズル77、78も小吐出タイプのものである。したがって、これらとワークの回転により必要十分に薄くかつ均一な塗布膜の形成が可能になる。
なお、本願発明におけるギヤポンプ90の小吐出とは、8〜30cc/min程度をいうものとし、この範囲内であれば、小吐出量タイプのノズル77、78から塗布される塗膜を安定させることができる。
また、塗布ノズル78の吐出量及びギヤポンプ90の吐出圧は、経験により定まる。その際、必要な塗布膜厚に対してワークの周速,塗布パターン(塗布パターン幅a及びワークとノズル間の塗布距離b)並びに塗着効率等により設定できる。
例えば、ワークの外径が100φで周速60rpm,塗着効率50%,塗布パターン幅15mm,塗布距離 70mm、膜厚6μmの場合、吐出量10〜15cc/min程度である。
次に、本実施例の作用を説明する。図4〜7に示すように、各ワークを回転させながらその外周へ小吐出量タイプの塗布ノズル77、78により接着剤を塗布するので、十分に薄くかつ安定した塗膜を形成でき、耐熱性ゴムを焼き付た場合において十分な剥離強度を維持できる。しかも、ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布するので、小吐出量タイプのノズルを用いたにも拘らず効率よく塗布できる。
そのうえ、各ワーク52〜54及びこれを支持する受け治具72〜74をそれぞれ略円筒状とし、この略円筒状をなす受け治具の内側へ塗布ノズル78を入れてワークの内側へ接着剤を塗布するので、ワークを回転させながら内側部分を効率よく塗布することができる。
また、複数のワーク51〜54を共通のパレット50上に支持して各ワークを個々に回転させるとともに、各ワークへ同時に接着剤を塗布するようにしたので、複数のワークを効率よく接着剤塗布できる。しかもパレット50及び回転駆動手段80はそれぞれ一つで足りるから、装置の全体構成も簡素になる。
さらに、小吐出量タイプのノズル77、78に対して、やはり小吐出量のギヤポンプ90により接着剤を供給するので、十分に薄くかつ安定した塗膜を形成できる。しかも、共通のパレット50上へ複数のワーク51〜54をそれぞれ別個の受け治具71〜74で支持するとともに、各受け治具を回転させながら、各ワークの上下に配置した塗布ノズル7、78を用いて各ワークの表裏から同時に接着剤を塗布するので、小吐出量タイプのノズルを用いたにも拘らず効率よく塗布できる。
そのうえ、第2〜第4ワーク52〜54及びこれを支持する受け治具72〜74が略円筒状であるため、この略円筒状をなす受け治具の内側へ塗布ノズル78を入れてワークの内側へ接着剤を塗布することができる。このため効率よく接着剤を塗布できる。
本願発明が適用された制御式マウントの断面図 上記の分解図 構成金具のブラスト処理及び接着剤塗布工程図 ワークを取付けた状態におけるパレットの斜視図 各ワークに対する接着剤塗布状態を示す断面図 一部ワークに対する接着剤塗布状態を示す斜視図 各ワークに対する塗布パターンを示す断面図 接着剤供給装置の構成図
符号の説明
51:第1ワーク、52:第2ワーク、53:第3ワーク、54:第4ワーク、71〜74:受け治具、77:塗布パターン、78:塗布用のノズル、80:回転駆動手段、90:ギヤポンプ

Claims (4)

  1. 金属製ワークの表面へ正確な膜厚の接着剤塗膜を形成するために使用される接着剤塗布装置において、
    前記ワークを挟んで上下一対で配置される前記小吐出量タイプのノズルと、これに接着剤を供給するギヤポンプと、前記ワークを複数支持するための共通のパレットと、このパレットに対して前記ワークを回転自在に支持するためにワーク毎に設けられる受け治具とを備え、
    前記ワークを回転させるとともに、その外周へ前記小吐出量タイプのノズルにより、前記ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布することを特徴とする接着剤塗布装置。
  2. 前記ワーク及びこれを支持する受け治具が略円筒状であり、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布することを特徴とする請求項1記載の接着剤塗布装置。
  3. 複数のワークを共通のパレット上に支持して各ワークを個々に回転させるとともに、各ワークへ同時に接着剤を塗布することを特徴とする請求項1の接着剤塗布装置。
  4. 金属製ワークの表面へ正確な膜厚の接着剤塗膜を形成する方法において、
    前記ワークを回転させながら、その外周へ小吐出量タイプのノズルにより、ワークの表裏2方向から同時に接着剤を塗布するとともに、
    前記ワーク及びこれを支持する受け治具が略円筒状であり、この略円筒状をなす受け治具の内側へノズルを入れてワークの内側へ接着剤を塗布することを特徴とする接着剤塗布方法
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