JP4761791B2 - ウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents
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苛性化法によるウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法については、すでに本発明者らによる特許出願が公開されている(特許文献1、2)。特許文献1の技術は、バッチ反応であるため生成するウィスカー状炭酸カルシウムが小粒径になってしまう。又、形状の大きいウィスカー状炭酸カルシウムを製造する場合、仕込み原料濃度を低くする必要から生産量が少なくなってしまい、経済的でない。 また、連続反応を特徴とする特許文献2の技術は、水酸化カルシウム懸濁液、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加速度の調節が難しく、一旦定常状態が崩れると、希望する形状のウィスカー状炭酸カルシウムが得られる定常状態に回復するには長時間を要し、効率的な方法とはいえなかった。加えて、特許文献2の発明ではウィスカー状炭酸カルシウムの平均粒子径をコントロールする事が難しいという欠点があった。
(1)生石灰、及び/又は消石灰と、生石灰換算で1molに対して0mol以上0.1mol以下の炭酸イオンを含む水、又はアルカリ性水溶液を混合、撹拌して、0.2〜25重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製する。ついで、
(2)前記水酸化カルシウム懸濁液に、
(a)炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液と、
(b)消石灰、及び/又は生石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液を添加し、ここで、前項(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数が、前項(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数と該(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数との合計モル数に対し、1〜50モル%であり、反応槽中の水酸化カルシウムの合計のモル数が、反応槽に添加した炭酸ナトリウムのモル数を、常に上回るように添加し、反応温度60〜95℃にて苛性化反応を行うことによりウィスカー状炭酸カルシウムを製造することよりなる、
機能性充填材として有用なウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法を見出した。ここで、(a)の液及び(b)の固体又は液の添加時間が、好ましくは、それぞれ2〜6時間であり、これにより、大粒径のウィスカー状炭酸カルシウムを容易に得られる事を見出した。場合によっては、(a)の液及び(b)の固体又は液の添加開始時期は、同時又はほぼ同時であってもよい。本発明の方法によりウィスカー状炭酸カルシウムの粒径を容易にコントロールできることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
ウィスカー状炭酸カルシウムの品質は、反応初期から中盤にかけて、特に初期の反応槽中の水酸化カルシウムのモル数と、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の炭酸ナトリウムのモル数に大きく影響を受ける。反応槽中の炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の炭酸ナトリウムのモル数が水酸化カルシウムのモル数に対して大きいと、紡錘状もしくは塊状のカルサイト結晶が生成し、ウィスカー状炭酸カルシウムが得られ難い。一方、反応槽中の水酸化カルシウムのモル数に対し、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の炭酸ナトリウムのモル数が小さい場合には、アラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムが生成し易い傾向にある。
ウィスカー状炭酸カルシウムの粒径は、(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数が、(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数に対して、多くなるほど大きくなる。反応開始直後には結晶核の発生が主体であり、(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数が少ないと、生成するウィスカー状炭酸カルシウムの核の発生量が少なく、(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数が多い分、結晶成長が主体となって粒径が大きくなると考えられる。
(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数が、(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数と(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数との合計モル数に対し、1モル%以下の場合は、特に反応開始時の水酸化カルシウムのモル数及び、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加速度の制御に高い精度が求められ、目標とする粒径の再現性が劣る。一方、(1)の工程で調製される水酸化カルシウムが、(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数と(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数との合計モル数に対し、50モル%以上の場合は、結晶成長の作用が小さいため粒径が小さくなると考えられる。
炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液と同時に添加する(2)(b)の生石灰、及び/又は消石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液の反応槽への添加混合の時間は2〜6時間が好ましく、3〜5時間がより好ましい。2時間未満の場合、反応槽中の反応がより不均一になるためと考えられるが、生成するウィスカー状炭酸カルシウムの粒径が小さくなって本技術の目的に沿わない。6時間より長くするとウィスカー状炭酸カルシウムと水酸化ナトリウムの生産性が劣る為、経済的に不利益となる。
炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液と同時に添加する(2)(b)の生石灰、及び/又は消石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液の反応槽への添加混合の形態の内、最も重要な要件は反応槽に添加した炭酸ナトリウムのモル数が反応槽中の水酸化カルシウムのモル数を越えないように、水酸化カルシウム懸濁液と炭酸ナトリウムを主成分とする液の添加速度を調節する事に有る。
前記要件は、反応槽でウィスカー状炭酸カルシウムが生成する反応初期から中盤まで、特に反応初期に重要となる。
炭酸ナトリウムのモル数が水酸化カルシウムのモル数を超えて添加すると、目標のアラゴナイト系ウィスカー状炭酸カルシウムの生成が抑えられ、カルサイト系炭酸カルシウムの生成が優勢になって、紡錘状や塊状の炭酸カルシウムが多くなってしまう。尚、水酸化カルシウム懸濁液と炭酸ナトリウムを主成分とする液は同時、若しくはほぼ同時に添加を開始するが、上記要件を満たす為に(2)(b)の生石灰、及び/又は消石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液の反応槽への添加が、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加に先行しても構わない。この場合、反応終盤に炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液を単独で反応槽に添加する場合も起こり得る。連続的に添加する方法の場合、水酸化カルシウム懸濁液の添加を終了した時点から、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液を単独で添加する時間は、反応開始から炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加が終了するまでの時間の長くとも25%以内とするのが好ましい。この時間が長いほど、ウィスカー状炭酸カルシウムの粒径が大きくなり難い。
更に、(2)(b)の生石灰、及び/又は消石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液と炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加方法は連続的に添加する方法が望ましいが、間欠的に添加する方法も許容できる。間欠的に添加する方法の場合、反応時間の項で述べた様に、反応がより不均一になるためと考えられるが、ウィスカー状炭酸カルシウムの生成が抑えられる傾向になる。
また、反応槽中のアルカリ濃度をあげると、粒径が大きくなる傾向にある。
本発明において使用する生石灰は、炭酸カルシウムを主成分とする石灰石、及び硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造の苛性化工程において炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転化する際に生成する炭酸カルシウムを焼成したものが使用可能である。なお、その際の焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、国井式炉、KHD(カーハーディー)炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉等、炭酸カルシウムを生石灰(酸化カルシウム)に転化する装置であれば特に制限されない。
また、本発明に使用する消石灰(水酸化カルシウム)は、前記生石灰を湿式、又は乾式で消和した物が使用可能であるが、乾式で消和した消石灰が、生成するウィスカー状炭酸カルシウムの粒度分布のコントロールにとって、より好ましい。
水酸化カルシウム懸濁液の調製において使用する液としては、生石灰1molに対して炭酸イオン濃度が0mol以上0.1mol以下の水、又は中性からアルカリ性の水溶液を使用する。アルカリ性水溶液を使用する場合、ウィスカー状炭酸カルシウムと同時に生成した水酸化ナトリウム水溶液を適宜、濃度調節して用いることも可能である。また、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造の苛性化工程でウィスカー状炭酸カルシウムを製造する場合、苛性化工程で生成する白液を水で希釈して用いることも可能である。
(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液において、調製に要する生石灰、又は消石灰と混合する水、又はアルカリ性水溶液は、生石灰1molに対して炭酸イオンが0.1molより多くなると、生成する炭酸カルシウムは凝集したアラゴナイト結晶になるか、紡錘状もしくは塊状のカルサイト結晶になる傾向が有り、希望するウィスカー状炭酸カルシウムが得られない。
本発明の苛性化反応における炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液は、ソーダ灰を水に溶解した炭酸ナトリウム水溶液、もしくは一般的な硫酸塩法又はソーダ法の苛性化工程から発生した緑液を用いることができる。炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液はNa2CO3濃度で40〜230g/L(Na2O換算、以下同じ)、好ましくはNa2CO3濃度が60〜180g/L、より好ましくは80〜120g/Lで行う必要がある。Na2CO3濃度が20g/Lより低い場合は、反応液の容量が多くなり、反応液から、生成したウィスカー状炭酸カルシウムを分離する時間が多大となって、生産性が悪く、実用的ではない。一方、230g/Lを超えるとNa2CO3濃度が飽和濃度に近くなるため、これ以上の高濃度の溶液の使用は現実的でない。
(1)の工程で調製される水酸化カルシウムと(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムとの合計の水酸化カルシウムを苛性化するため、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加量は、苛性化反応式に従った量となる。反応時の炭酸ナトリウムの最終的な過剰添加は、製造する白液品質の点から好ましくないが、ウィスカー状炭酸カルシウムの品質面には悪影響を与える事はない。逆に不足量で反応した場合は、ウィスカー状炭酸カルシウムに未反応の水酸化カルシウムが残留する為、ウィスカー状炭酸カルシウムを取り出す際の洗浄に多大な負荷をかけるため、好ましくない。
水酸化カルシウム懸濁液の濃度は0.2〜25重量%、好ましくは0.2〜15重量%の条件で行う必要がある。水酸化カルシウム懸濁液の濃度が20重量%を超えると生成するウィスカー状炭酸カルシウムが小粒径となる。0.2重量%以下であると反応初期において反応槽中の水酸化カルシウム懸濁液の濃度に対し、炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の添加速度の制御が難しくなって、紡錘状もしくは塊状のカルサイト結晶が生成し易くなる傾向にある。なお、一般的な硫酸塩法又はソーダ法の苛性化工程から発生した緑液等、炭酸ナトリウム以外に高濃度の硫化ナトリウムなどのアルカリ性薬品を含む場合は、反応開始前の反応槽中の水酸化カルシウム懸濁液の濃度は7〜25重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲にする必要がある。反応開始前の反応槽中の水酸化カルシウム懸濁液の濃度が7重量%以下の場合はウィスカー状結晶が凝集した大きな球状の凝集体を生成しやすくなり、好ましくない。
炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液と同時に添加する(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムの添加形態は懸濁液、或いは粉体状の生石灰や消石灰が問題無く使用可能であるが、反応槽内で良好な分散状態を得る事が重要なため、懸濁液の場合は流動性の観点から7〜25重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲が好ましい。同様に粉体状の生石灰や消石灰を添加する場合は、反応槽内で良好な分散状態を得る事が重要なため、微粒の粉体であることがより好ましい。
生石灰、及び/又は消石灰と、水、又は中性からアルカリ性の水溶液の混合には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、混合時の液あるいはスラリーの粘度にあわせて適宜選定して使用すればよい。
反応温度は60〜90℃、好ましくは70〜85℃で苛性化反応を行う必要がある。90℃以上の場合、凝集したアラゴナイト結晶になるか、紡錘状、塊状のカルサイト結晶となり求める針状・柱状のアラゴナイト結晶は得られない。一方、60℃より低い場合には、微細なアラゴナイト結晶が生成し、ウィスカー状炭酸カルシウムを得るのが難しくなる。
苛性化反応時の攪拌には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、生石灰及び/又は消石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液と炭酸ナトリウム溶液が均一に混合できるものを適宜選定して使用すればよい。
μmの針状、柱状のアラゴナイト結晶系ウィスカー状炭酸カルシウムが上記範囲内の任
意の大きさで調製可能となる。
[試験法]
形態観察: 生成物を水洗濾過し、乾燥後走査型電子顕微鏡(JSM-840A:日本電子製)で形態を観察した。この観察を元に50個の粒子について短径・長径をそれぞれ計測し、平均短径・平均長径をそれぞれ求めた。
平均粒子径: レーザー回折式粒度分布計(マスターサイザー2000:Malvern製)により測定した。
[実施例1]
1Lのセパラブルフラスコ中で1mol/l水酸化ナトリウム溶液105gと2.8gの水酸化カルシウムを混合し、撹拌速度400rpm(KYOEI POWER STIRER TYPE PS-2N)で撹拌して2.6重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製した。この水酸化カルシウム懸濁液に、1.61mol/lの炭酸ナトリウム水溶液を4.0ml/min、水と水酸化カルシウムからなる8.2mol/lの水酸化カルシウム懸濁液を0.83ml/minの速度で同時に添加を開始し、温度75℃、撹拌速度400rpmで反応した。反応開始から水酸化カルシウム懸濁液は3時間45分間添加し、炭酸ナトリウム水溶液は4時間添加して反応を終了した。この反応の、(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液のモル%は約1.9%である。
反応生成物の平均粒子径及び形態観察を行った結果、平均粒子径14.0μm、平均長径14.9μm、平均短径1.0μmであるアラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1に示す。
[実施例2]
1Lのセパラブルフラスコ中で1mol/l水酸化ナトリウム溶液105gと11.5gの水酸化カルシウムを混合、撹拌して9.9重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製した。この水酸化カルシウム懸濁液に、炭酸ナトリウム水溶液と、水と水酸化カルシウムからなる8.4mol/lの水酸化カルシウム懸濁液の同時添加を開始した。反応開始から水酸化カルシウム懸濁液の添加を3時間行った以外は実施例1と同一条件で行った。この反応の、(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液のモル%は約11%である。
反応生成物は平均粒子径6.6μm、平均長径10.6μm、平均短径0.6μmであるアラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムであった。実験条件および結果を表1に示す。
[実施例3]
1Lのセパラブルフラスコ中で、KP蒸解用白液をイオン交換水で体積にて7倍量に希釈して得られた水溶液105gと22.5gの水酸化カルシウムを混合、撹拌して17.6重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製した。この水酸化カルシウム懸濁液に、1.61mol/lの炭酸ナトリウム水溶液の代わりにKP緑液(Na2CO3:Na2S=1.6:0.5 mol/l)を4.0ml/minの速度で反応槽に添加を開始し、添加開始から4時間で添加を終了した。一方、8.2mol/lの水酸化カルシウム懸濁液を、KP緑液添加開始と同時に0.83ml/minの速度で2時間添加した以外は実施例1と同一条件で苛性化反応を行なった。この反応の、(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液のモル%は約41.6%である。
反応生成物の平均粒子径6.1μm、平均長径10.6μm、平均短径0.7μmであるアラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1に示す。
[比較例1]
1Lのセパラブルフラスコ中で1mol/l水酸化ナトリウム溶液105gと45gの水酸化カルシウムを混合、撹拌して30重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製した。この水酸化カルシウム懸濁液に、水酸化カルシウム懸濁液を添加しなかった以外は実施例1と同一条件で苛性化した。この反応の、(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液のモル%は100%である。
反応生成物の平均粒子径4.3μm、平均長径8.6μm、平均短径0.6μmである小粒径のアラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1に示す。
[比較例2]
1Lのセパラブルフラスコ中で白液をイオン交換水で体積にて7倍量に希釈して得られた水溶液105gと45gの水酸化カルシウムを混合、撹拌して30重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製した。この水酸化カルシウム懸濁液に、KP緑液(Na2CO3:Na2S=1.6:0.5 mol/l)を4.0ml/minの速度で添加し、添加開始から4時間で終了した。水酸化カルシウム懸濁液を添加しなかった以外は実施例1と同じ条件で苛性化した。この反応の、(1)の工程で調製される水酸化カルシウム懸濁液のモル%は100%である。
反応生成物の平均粒子径4.0μm、平均長径3.3μm、平均短径0.3μmである小粒径のアラゴナイト結晶のウィスカー状炭酸カルシウムが認められた。実験条件および結果を表1に示す。
Claims (3)
- 苛性化反応によって機能性充填材として有用なウィスカー状炭酸カルシウムを製造する方法であって、
(1)生石灰、及び/又は消石灰と、生石灰換算で1molに対して0mol以上0.1mol以下の炭酸イオンを含む水、又はアルカリ性水溶液を混合、撹拌して、0.2〜25重量%の水酸化カルシウム懸濁液を調製し、ついで、
(2)前記水酸化カルシウム懸濁液に、
(a)炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液と、
(b)消石灰、及び/又は生石灰、又は水酸化カルシウム懸濁液を添加し、ここで、前項(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数が、該前項(1)の工程で調製される水酸化カルシウムのモル数と該(2)(b)の成分により調製される水酸化カルシウムのモル数との合計モル数に対し、1〜50モル%であり、反応槽中の水酸化カルシウムの合計のモル数が、反応槽に添加した炭酸ナトリウムのモル数を、常に上回るように添加し、反応温度60〜95℃にて苛性化反応を行うことによりウィスカー状炭酸カルシウムを製造することよりなる、
機能性充填材として有用なウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法。 - 前記ウィスカー状炭酸カルシウムが、粒子の平均短径が0.1〜3.0μmで、平均長径が
0.5〜50μmの針状、柱状のアラゴナイト結晶系ウィスカー状炭酸カルシウムである請求
項1記載のウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法。 - 前記ウィスカー状炭酸カルシウムが、製紙、プラスチック又はゴム用である、請求項1記載のウィスカー状炭酸カルシウムの製造方法。
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