JP4761156B2 - 地物位置認識装置及び地物位置認識方法 - Google Patents
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Description
外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識装置であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得手段と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得手段と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識手段と、
前記認識手段による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定手段と、
前記自信度に応じて演算実行の要否を判定し、演算が必要と判定された場合に、前記認識手段による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算手段と、を備える点にある。
また、上記目的を達成するための本発明に係る地物位置認識装置の別の特徴構成は、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得手段と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得手段と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識手段と、
前記認識手段による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算手段と、
前記認識手段による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定手段と、を備え、
前記位置関係と前記自信度とを合わせて出力する点にある。
この自信度は、全ての地物種別に共通する定量的な値として定義されるので、どの地物に対しても共通する評価指標を得ることができ、地物位置認識装置の認識結果を利用する際の汎用性が高くなる。また、自信度は、定量的な値を用いた上で、地物種別に応じて予め定められた地物情報に基づいて対象地物ごとに判定される。従って、地物種別の特性に応じて適切に自信度を判定することが可能となる。
尚、本願発明における「測定点」は、点には限定されず、地物種別に応じて前記測定点の位置を自車両の進行方向に略直交する方向に延長した線として設定してもよい。例えば自車両の進行方向に対する前後の位置関係だけを認識する場合には、進行方向に直交する方向の位置は問題とならないからである。
前記認識手段による前記特徴量の認識結果に応じた複数段階の内、前記認識手段により前記特徴量の全てが認識されない場合の段階が、前記自信度の値域の何れか一方の極限値とされる。また、他の全ての段階が、前記認識手段により前記測定点が所定の条件で認識されるか否かに応じ、前記測定点が認識されない場合を前記一方の極限値に近い値とする複数段階の値に分けられる。
また、自信度の値は、特徴量の全てが認識されない場合の段階が極限値とされ、他の段階は複数段階に分けられる。従って、特徴量が認識される場合には全ての段階が測定点の認識結果に基づいてさらに分けられるので、従って、詳細且つ適切に自信度を定義することが可能となる。
本特徴によれば、自信度は、定量的な値を用いた上で、地物種別に応じて予め定められた一部又は全ての段階を用いて判定される。従って、地物種別の特性に応じて適切に自信度を定義することができる。
外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識方法であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得工程と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得工程と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得工程と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識工程と、
前記認識工程による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定工程と、
前記自信度に応じて演算実行の要否を判定し、演算が必要と判定された場合に、前記認識工程による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算工程と、を備える点にある。
また、本発明に係る地物位置認識方法の別の特徴構成は、
外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識装置であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得工程と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得工程と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得工程と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識工程と、
前記認識工程による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算工程と、
前記認識工程による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定工程と、を備え、
前記位置関係と前記自信度とを合わせて出力する点にある。
この自信度は、全ての地物種別に共通する定量的な値として定義されるので、どの地物を認識する場合でも同じ評価結果を得ることができ、地物位置の認識結果が安定する。また、自信度は、定量的な値を用いた上で、地物種別に応じて予め定められた地物情報に基づいて対象地物ごとに判定される。従って、地物種別の特性に応じて正確な自信度が判定される。
尚、これら本発明に係る方法は、上述した装置に関する作用効果、及び全ての追加的特徴とその作用効果を備えることができるものである。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る地物位置認識装置1の構成を模式的に示すブロック図である。図2は、図1に示される地物形態データベースDB1、地物配置データベースDB2、測定点形態データベースDB3、及び測定点状態データベースDB4のそれぞれに格納される情報の内容を示す説明図である。本実施形態においては、取り扱う対象とする対象地物を、道路面上に配置されたいわゆる道路ペイント等の平面的な地物とし、特に横断歩道や停止線等の道路標示とする場合を例として説明する。また、図1に示すように、本実施形態では、外界検出装置として撮像装置14を用い、外界情報として画像情報Gを扱う場合を例として説明する。
各データベースDB1、DB2、DB3、DB4、及びDBmは、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有する装置をハードウェア構成として備えている。例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等である。又は、大規模なメモリによって構成される。
以下、各機能部及びデータベースの構成について詳細に説明する。
まず、図2を参照し、各データベースの構成について説明する。
(1)地物形態データベースDB1
地物形態データベースDB1(地物形態情報格納手段)には、一つの地物種別の地物が備える形態を規定した地物形態情報Faが、地物種別ごとに複数格納されている。各地物種別についての地物形態情報Faは、地物種別を表す地物種別コードCfに関連付けられてそれぞれデータベースに格納されている。地物形態情報Faは、対象地物としての道路標示の形態を示す情報であり、各地物種別の地物の輪郭形状を示す輪郭情報を有して構成されている。
このような各道路標示名に対応して地物種別コードCfが設定されている。この図3(a)〜(d)に示されるような輪郭形状の情報が各道路標示を示す地物種別コードCfと関連付けられた状態で地物形態情報Faとして格納されている。尚、当然ながら図3に示す地物種別は対象地物の中の一部の例であり、この図に示す以外の地物種別の地物(例えば、「転回禁止」や「最高速度」等)も対象地物となり得る。
従って、各地物種別の地物の輪郭形状に関連付けて、各部の寸法のうち、法令によって規定されていて変化しない箇所に関する情報も地物形態情報Faとして格納されている。
図2に示すように、地物配置データベースDB2(地物配置情報格納手段)には、複数の地物について、地物種別情報Fbと地物配置情報Fcとが、地物識別符号IDfに関連付けられて格納されている。地物種別情報Fbは、各地物の属する地物種別を示す情報であり、地物配置情報Fcは、各地物の位置及び方向を示す情報である。地物識別符号IDfは、各地物に重複することなく付される固有の符号である。
尚、地物種別情報Fbは、本例では、各地物の属する地物種別を表す地物種別コードCfである。
地図データベースDBm(地図情報格納手段)は、地図情報Eを格納したデータベースである。図4は、地図データベースDBmに格納されている地図情報Eの内容を示す説明図である。この図に示すように、本実施形態に係る地図データベースDBmには、地図情報Eとして、道路ネットワークレイヤX1、道路形状レイヤX2、地物レイヤX3が格納されている。そして、本例では、この地物レイヤX3が、上述の地物配置データベースDB2を構成する。
道路形状レイヤX2は、道路ネットワークレイヤX1に関連付けられて格納され、道路の形状を示すレイヤである。具体的には、2つのノードNの間(リンクL上)に配置されて緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数の道路形状補完点Qの情報と、各道路形状補完点Qにおける道路幅Wの情報とを有して構成されている。
図2に示すように、測定点形態データベースDB3(測定点形態情報格納手段)には、各地物種別の地物についての複数箇所の測定点P(図5参照)のそれぞれの形態を規定した測定点形態情報Maが格納されている。ここでは、各地物種別の地物にそれぞれ複数箇所の測定点Pが設定されている場合を例示している。勿論、各地物種別の地物に単一の測定点Pが設定されていてもよい。
本例では、複数箇所の測定点Pが設定されているので、各地物種別の地物に設定された複数の測定点Pのそれぞれに重複しない測定点番号Mn(=1、2、・・・)が設定されている。そして、各地物種別コードCfに関連付けられて当該地物種別に設定された複数箇所の測定点Pの測定点番号Mnと、各測定点番号Mnの測定点Pについての測定点形態情報Maとが格納されている。
尚、各地物種別の地物に単一の測定点Pが設定される場合において、単一の測定点番号Mn(=1)を設定しても構わない。
図5において、(a)は「横断歩道」、(b)は「停止線」、(c)は「横断歩道予告(横断歩道あり)」、(d)は「進行方向別通行区分」の各種別についての測定点Pの配置(測定点形態情報Ma)を示している。各測定点Pは、各地物種別の地物の輪郭形状に応じて、主として自車両Cの進行方向dに略直交する輪郭線上、又は輪郭形状が角部を有する場合には当該角部上に設定されている。また、測定点Pは、文字どおりの点には限定されず、測定点Pの位置を自車両Cの進行方向dに略直交する方向に延長した線としても設定される。本例では、後述するように自車両Cの進行方向dに対する前後の位置関係だけを認識するので、進行方向に直交する方向の位置は問題とならないことによるものである。
尚、図5(b)の「停止線」のように、自車両Cの進行方向dに小さい対象地物については、進行方向dの後方に位置する測定点Pの優先度を高く設定してもよい。
図5(a)の「横断歩道」の場合、測定点Pは、自車両Cの進行方向dに長い複数の平行な帯状の輪郭線のそれぞれの前方及び後方の短辺をつないだ直線状の2箇所に設定されている。
図5(b)の「停止線」の場合、測定点Pは、自車両Cの進行方向dに直交する前方及び後方の長辺上に配置された直線状の2箇所に設定されている。
図5(c)の「横断歩道予告(横断歩道あり)」の場合、測定点Pは、外周側及び内周側のそれぞれの菱形における、自車両Cの進行方向dの最前方側の角部にそれぞれ点状の2箇所に設定されている。
図5(d)の「進行方向別通行区分」の場合、測定点Pは、直進方向を示す矢印の最前方側の角部に点状の1箇所、及び当該矢印の首部の自車両Cの進行方向dに直交する線上に配置された直線状の1箇所の合計2箇所に設定されている。
図2に示すように、測定点状態データベースDB4(測定点状態情報格納手段)には、複数の地物の各測定点Pについて、画像認識の困難性に関する状態を示す測定点状態情報Mbが格納されている。
上述したように各地物に地物種別に応じて複数箇所の測定点Pが設定されている場合には、各測定点Pに測定点番号Mn(=1、2、・・・)が設定されている。測定点状態データベースDB4には、測定点形態データベースDB3に格納されている情報に従い、各地物に固有の地物識別符号IDfに関連付けられて、各測定点番号Mnの測定点Pについての測定点状態情報Mbが格納されている。
尚、この地物識別符号IDfは、地物配置データベースDB2と共通の符号である。また、各地物に複数箇所の測定点Pが設定されていない場合には、当該単一の測定点Pについての測定点状態情報Mbが格納される。単一の測定点Pに測定点Pに対して単一の測定点番号Mn(=1)が設定されていれば、測定点番号Mnの測定点Pについての測定点状態情報Mbが格納される。
一例として、測定点状態情報Mbは、各測定点Pの周辺のかすれや汚れ等を考慮して画像認識の困難性を予め判断した結果を、以下のように表す情報とすることができる。つまり、画像認識が可能であることを示す「OK」又は画像認識が困難であることを示す「NG」のいずれかで表す情報とすることができる。あるいは、「良好に認識可能(=5)」から「認識不可能(=0)」までの難易度を複数段階の数値(5〜0)によって示す情報とすることもできる。
このような測定点状態情報Mbを用いれば、画像認識部7において、対象地物のかすれや汚れの程度等を考慮して測定点Pの画像認識を行うことが可能となる。従って、無駄な画像認識処理を省いて演算負荷を軽減できるとともに、測定点Pの位置の誤認識が生じることを抑制できる。
再び図1を参照し、以下各機能部の構成について説明する。
(1)自車位置演算部5
自車位置演算部5(自車位置情報取得手段)は、自車両Cの現在位置を示す自車位置情報Sを取得する。また、自車位置演算部5は、後述する特徴量情報生成部3(地物情報取得手段)に対して指定位置を入力する位置入力手段としても機能する。本例では、自車位置演算部5は、GPS受信機11、方位センサ12、及び距離センサ13と接続されている。
方位センサ12は、自車両Cの進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ12は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成される。そして、方位センサ12は、その検出結果を自車位置演算部5へ出力する。
距離センサ13は、自車両Cの移動距離や車速を検出するセンサである。この距離センサ13は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転するごとにパルス信号を出力する車速パルスセンサにより構成される。あるいは、自車両Cの加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を2回積分する回路等を用いて構成されてもよい。そして、距離センサ13は、その検出結果を自車位置演算部5へ出力する。
特徴量情報生成部3は、特徴量の情報F(以下、適宜「特徴量情報F」と略称する。)を生成する特徴量情報生成手段(地物情報生成手段)、及び特徴量情報Fを取得する特徴量情報取得手段(地物情報取得手段)として機能する。特徴量情報Fは、地物情報の一部である。地物情報には、地物種別に応じて予め定められた特徴量の情報及び測定点の情報が含まれる。特徴量情報生成部3において生成され、取得される地物情報は、主として特徴量情報Fに応じた地物情報である。
測定点情報生成部4は、測定点情報M(地物情報)を生成する測定点情報生成手段(地物情報生成手段)、及び測定点情報を取得する測定点情報取得手段(地物情報取得手段)として機能する。図1に示すように、測定点情報生成部4は、特徴量情報生成部3から出力された特徴量情報F(地物情報)に基づいて、当該特徴量情報Fに示される対象地物の測定点Pについて、その形態情報及び位置情報を含む測定点情報Mを生成して取得する。
測定点情報生成部4は、まず、特徴量情報Fに含まれる地物種別情報Fb(=Cf、図2参照)に示される地物種別に対応する測定点形態情報Maを、測定点形態データベースDB3から取得する。また、測定点情報生成部4は、取得した測定点形態情報Maと、特徴量情報Fとに基づいて測定点Pの位置情報を導出する。そして、測定点情報生成部4は、特徴量情報Fに示される対象地物の複数箇所の測定点Pの形態情報及び位置情報を含む測定点情報Mを生成して取得する。この測定点情報生成部4により生成された測定点情報Mは、図1に示すように、画像認識部7(画像認識手段、認識手段)及び位置関係演算部8(位置関係演算手段)に出力される。
上述したように、特徴量情報Fには、当該特徴量情報Fに係る対象地物の複数の代表点Rの地図上の位置や、当該対象地物の輪郭形状が表されている。また、測定点形態情報Maは、地物の全体形態の中での測定点Pの配置として規定されている。特徴量情報生成部3は、これらの情報を組み合わせ、特徴量情報Fに係る対象地物の地図上の配置を基準として測定点形態情報Maに示される測定点Pの位置を導出する。測定点Pが複数個設定されている場合には、それぞれの測定点Pの位置を導出する。このようにして、地図上における測定点Pの位置を示す位置情報(測定点情報M)を取得する。
画像情報取得部6は、自車両Cに搭載された撮像装置14(外界情報検出装置)により撮像した画像情報Gを取得する画像情報取得手段(外界情報取得手段)として機能する。撮像装置14は、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子と、この撮像素子に光を導くための光学系を構成するレンズ等を有して構成される。この撮像装置14は、自車両Cの前方や後方に向けて搭載され、少なくとも自車両Cが走行する道路の路面が撮影されるように設けられる。このような撮像装置14としては、自車両Cの前方や後方の映像を撮像するために既に設けられている車載カメラが好適に用いられる。
画像認識部7は、画像情報Gに含まれている対象地物について、その特徴量及び測定点Pに関する画像認識を行う画像認識手段(認識手段)として機能する。特徴量及び測定点Pの認識対象は、上述した特徴量情報F及び測定点情報Mに示されている。
画像認識部7は、後述する位置関係演算部8において自車両Cと対象地物との間の位置関係を演算するために、測定点Pを認識することを最大の目的とする。本例においては、画像認識部7は、特徴量情報Fに含まれる対象地物の輪郭情報を利用して一次認識を行い、さらに測定点情報Mを利用して二次認識を行う。つまり、輪郭情報に基づいて対象地物の大まかな認識を行い、さらに詳細な認識を行って測定点Pを認識する。
具体的には、画像認識部7は、まず、画像情報Gに対する二値化処理やエッジ抽出処理等により、特徴量情報Fに示される対象地物の特徴量(輪郭形状)を抽出する。その後、測定点情報生成部4から出力された当該対象地物についての測定点情報Mに含まれる形態情報に基づいて、パターン認識処理により、画像情報Gの中に含まれる複数箇所の測定点Pの画像認識を行う。
図1に示すように、画像認識部7は、自信度判定手段としての自信度判定部16を備えている。自信度判定部16は、少なくとも画像情報Gに含まれている地物の画像が地物情報(特徴量情報F及び測定点情報M)が示す対象地物の画像であることの確実性を表す自信度Jを判定する。換言すれば、画像認識部7による対象地物の輪郭形状及び測定点Pの認識結果の確実性を表す自信度Jを判定する。画像認識部7による測定点Pの認識率を表す尺度ともいえる。
自信度Jのデータ構造は、データテーブルDT(図1に示す)に格納されている。または、地物形態データベースDB1及び測定点形態データベースDB3に地物種別コードCfに関連付けて格納され、地物情報として抽出されるような形態であってもよい。本例では、自信度Jのデータ構造の説明を容易にするため、データテーブルDTを有する構成を例として説明する。
尚、本例では、自信度Jが高いほど大きな値としたが、自信度が高い方を0としてもよい。また、整数値に限らず、小数値などを用いてもよい。
以下、図3及び図5(a)〜(d)に示した各地物種別に関する自信度Jの判定について説明する。ここでは理解を容易にするため、各地物種別が単一の測定点P(図5に示された(1)の測定点Pのみ)を設定されているものとして説明する。
また、縞模様がある程度認識できた場合には、特徴量の認識結果は「中」と判定される。ここで測定点Pが認識できた場合には中間値の自信度「6」と判定され、測定点Pがおおよそ認識できた場合には自信度「5」と判定される。
図8に示した例では、横断歩道を構成する5つのラインT1〜T5の内、T3が非常にかすれた場合を示している。その結果、ラインT1とT2とによる縞模様S1と、ラインT4とT5とによる縞模様S2との2つの縞模様しか認識できていない。このような場合、特徴量の認識結果は「中」と判定される。しかし、ラインT1、T2、T4、T5の輪郭が明確な場合には、これらの端部を結ぶことで、測定点Pがはっきりと認識可能である。このような場合には、上述したように中間値の自信度「6」と判定される。
また、ラインがある程度認識できた場合には、特徴量の認識結果は「中」と判定される。同様に特徴量と測定点Pとがほぼ一致するので、測定点Pも認識でき、自信度は中間値の「6」と判定される。
図10から明らかなように、地物種別が「停止線」の場合には、全ての地物種別に共通に用いられる自信度のみによって判定される。
ここでは、菱型形状が認識できなかった場合には、自信度は最低値の「0」と判定される。一方、菱形形状が正確に認識できた場合には、特徴量の認識結果は「最高」と判定され、さらに測定点Pが認識できた場合には自信度は最高値の「10」と判定される。測定点Pがおおよそ認識できた場合には、自信度は「9」と判定される。
一方、菱形形状をある程度認識でき、且つ測定点Pが含まれる先端部の形状(図12の符号Aで示す領域)が認識できた場合には、特徴量の認識結果は「高」と判定される。さらに測定点Pが認識できた場合には、自信度は「8」と判定され、測定点Pがおおよそ認識できた場合には、自信度は「7」と判定される。
また、菱形形状はある程度認識できたが、測定点Pが含まれる先端部の形状が認識できない場合には特徴量の認識結果は「中」と判定される。ここで測定点Pが認識できた場合には、自信度は中間値の「6」と判定される。測定点Pがおおよそ認識できた場合には、自信度は「5」と判定される。
矢印の形状を全く認識できなかった場合、自信度は最低値の「0」と判定される。一方、矢印の形状が正確に認識できた場合には、特徴量の認識結果は「最高」と判定される。さらに測定点Pが認識できた場合には、自信度は最高値の「10」と判定される。測定点Pがおおよそ認識できた場合には、自信度は「9と」判定される。
一方、矢印の形状をある程度認識でき、且つ測定点が含まれる先端部の形状(図15に符号Aで示す領域)が認識できた場合には、特徴量の認識結果は「高」と判定される。さらに測定点Pが認識できた場合には、自信度は「8」と判定され、測定点Pがおおよそ認識できた場合には、自信度は「7」と判定される。
矢印の形状が有る程度認識される場合の程度は、図14に示すように「高」、「中」、「やや低」の3パターンある。それぞれの場合において、測定点Pが認識できる場合には、偶数値が、測定点が認識できない場合はそれぞれの遇数値よりも小さい奇数値の判定値となる。
図16は、「進行方向別通行区分」の道路標示が対象地物である場合における自車両Cの対象地物に対する各位置での画像情報Gの例を示す図である。図16の(a)と(d)、(b)と(e)、(c)と(f)はそれぞれ対応している。(d)〜(f)は、(a)〜(c)に示される自車両Cの各位置における画像情報Gの例をそれぞれ示している。この例では、撮像装置14として、自車両Cの後方の道路面を撮像するバックカメラを用いている。
図16(b)に示される自車位置での画像情報Gには、(e)に示されるように対象地物の特徴的な形状部分が多く含まれている。また、ここまでの画像情報Gの相当数のフレームにも対象地物の特徴的な部分は含まれている。しかし、測定点Pはまだ画像情報Gに含まれていない。従って、図14に示した自信度の判定条件に基づけば、例えば自信度「7」と判定される。
図16の例で複数の測定点Pが設定されている場合には、(e)に示される画像情報Gに優先度が「2」の測定点Pが含まれている(図5(d)参照)。自信度が測定点ごとに判定される場合、この優先度「2」の測定点Pに関しては、自信度「8」と判定される。従って、当該優先度「2」の測定点Pの自信度Jは、優先度「1」の測定点Pの自信度J(=7)よりも高く判定される。
このため、例えば、この時点において、自車両Cと対象地物との位置関係を求める場合には、優先度「2」の測定点Pが利用される。
この測定点Pは、図5に例示したように複数の測定点Pが設定される場合の優先度「1」の測定点Pである。複数の測定点Pが設定されている場合、優先度「2」の測定点Pもこの時点において、自信度「10」と判定される。2つの測定点Pの自信度Jは共に「10」であるが、この時点において、自車両Cと対象地物との位置関係を求める場合には、優先度に基づき、優先度「1」の測定点Pが利用される。
尚、複数の測定点Pが設定される場合、優先度に基づく選択は、後段の位置関係演算部8に選択手段(例えば、図1に示す測定点選択部17)を設けることによって行ってもよい。
位置関係演算部8は、画像認識部7により認識された測定点Pの画像認識結果に基づいて自車両Cと当該測定点Pとの位置関係を演算する。一つの対象地物に対して複数の測定点Pが設定され、複数の測定点Pが認識された場合、位置関係演算部8に測定点Pを選択する測定点選択部17を設け、優先度や自信度によって選択してもよい。
また、距離センサ13等により当該フレームに係る画像情報Gの撮像時から現在時点までの自車両Cの移動距離を導出する。そして、これらに基づいて、位置関係演算部8は、現在の自車両Cと選択測定点Pとの位置関係を演算して導出する。
尚、この位置関係演算部8による演算処理は、上記自信度判定部16による自信度の判定結果が所定のしきい値以上(例えば「6」以上)のときに行われるようにしてもよい。
以下、本実施形態に係る地物位置認識装置1における自車位置認識手順の具体例について、図17に示すフローチャートを利用して説明する。
まず、自車位置演算部5において、自車両の現在位置を示す自車位置情報Sを取得する(#1;自車位置情報取得工程)。
次に、地物情報生成部3において、自車位置情報Sに基づいて、自車両Cの進行方向dの所定距離内に存在する対象地物を抽出する。具体的には、地物配置情報Fcを対象として地物配置データベースDB2内を検索する(#2)。そして、自車両Cの進行方向dの所定距離内に対象地物が存在するか否かを判定する(#3)。対象地物が存在しない場合には、自車位置情報取得工程(#1)へ戻り、新たな自車位置情報Sを取得する。対象地物が存在する場合には、特徴量情報生成部3において、当該対象地物についての特徴量情報F(地物情報)を生成して取得する(#4)。次に、測定点情報生成部4において、対象地物の測定点Pについての測定点情報M(地物情報)を生成して取得する(#5)。以上、処理#2〜処理#5は、本発明の地物情報取得工程に相当する。
次に、画像認識部7は、取得された画像情報Gから測定点Pを認識する(#9)。そして、測定点Pの認識結果に応じて、自信度判定部16によってさらに二次判定が実施される。二次判定では、一次自信度Kが複数段階、本例では2段階に分割される。具体的には、測定点Pが正確に認識された場合には、一次自信度Kを2倍した値を自信度Jとする(#10)。測定点Pが正確に認識されない場合には、一次自信度の2倍から1を減じた値を自信度Jとする(#11)。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図18は、本実施形態に係るナビゲーション装置30及び自車位置認識装置20の両方を兼ねる装置の概略構成を示すブロック図である。
図に示すように、この装置は、上記第一実施形態に係る地物位置認識装置1に加えて、地図情報取得部21と、走行制御部22と、ナビゲーション用演算部23と、自車位置情報補正部29とを備えている。地図情報取得部21は、地図情報格納手段としての地図データベースDBmから地図情報Eを取得する。走行制御部22は、自車両Cの走行制御を行う。ナビゲーション用演算部23は、自車両Cの進路案内のための各種演算処理を行う。また更に、任意の情報を表示可能な表示手段としてのモニタ24と、任意の音声情報を出力可能な音声出力手段としてのスピーカ25とを備えている。
(1)上記の実施形態では、地物形態データベースDB1に格納する地物形態情報Faに、地物の輪郭形状を示す輪郭情報と、法令によって規定されており寸法が変化しない箇所に関する情報とが含まれる場合について説明した。しかし、地物形態情報Faとして格納する情報はこれらに限定されない。したがって、例えば各地物種別の地物の色彩情報や模様情報等を備える構成としても好適である。
2:地物情報取得手段
3:特徴量情報生成部(地物情報取得手段)
4:測定点情報生成部(地物情報取得手段)
5:自車位置演算部(自車位置情報取得手段)
6:画像情報取得部(画像情報取得手段、外界情報取得手段)
7:画像認識部(画像認識手段、認識手段)
8:位置関係演算部(位置関係演算手段)
14:撮像装置(外界検出装置)
16:自信度判定部(自信度判定手段)
20:自車位置認識装置
29:自車位置情報補正部(自車位置情報補正手段)
30:ナビゲーション装置
DB1:地物形態データベース
DB2:地物配置データベース
DB3:測定点形態データベース(測定点形態情報格納手段)
DB4:測定点状態データベース
DBm:地図データベース(地図情報格納手段)
E:地図情報
F:特徴量情報(地物情報)
M:測定点情報(地物情報)
S:自車位置情報
G:画像情報(外界情報)
C:自車両
Claims (13)
- 外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識装置であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得手段と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得手段と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識手段と、
前記認識手段による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定手段と、
前記自信度に応じて演算実行の要否を判定し、演算が必要と判定された場合に、前記認識手段による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算手段と、を備える地物位置認識装置。 - 外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識装置であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得手段と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得手段と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識手段と、
前記認識手段による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算手段と、
前記認識手段による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定手段と、を備え、
前記位置関係と前記自信度とを合わせて出力する地物位置認識装置。 - 全ての前記地物種別に共通に定義される前記自信度は、
前記認識手段による前記特徴量の認識結果に応じた複数段階の内、少なくとも1つ以上の段階が、前記認識手段による前記測定点の認識結果に応じてさらに複数段階に分けられたデータ構造を有する請求項1又は2に記載の地物位置認識装置。 - 全ての前記地物種別に共通に定義される前記自信度は、
前記認識手段による前記特徴量の認識結果に応じた複数段階の内、前記認識手段により前記特徴量の全てが認識されない場合の段階が、前記自信度の値域の何れか一方の極限値とされると共に、
他の全ての段階が、前記認識手段により前記測定点が所定の条件で認識されるか否かに応じ、前記測定点が認識されない場合を前記一方の極限値に近い値とする2段階の値に分けられたデータ構造を有する請求項1又は2に記載の地物位置認識装置。 - 前記自信度判定手段は、全ての前記地物種別に共通に定義される複数段階の内、前記対象地物ごとに予め定められた一部又は全ての段階を用いて判定する請求項2から4の何れか一項に記載の地物位置認識装置。
- 前記自信度判定手段は、前記自信度として、前記認識手段により前記特徴量の全てが認識されない場合の最低値、前記特徴量の全てが認識されると共に前記測定点が正確に認識される最高値、及び1つ以上の中間段階の中間値を、全ての前記対象地物に対して共通に用いて判定する請求項5に記載の地物位置認識装置。
- 前記外界検出装置は撮像装置であり、前記外界情報は画像情報であり、前記外界情報取得手段は画像情報取得手段であり、前記認識手段は画像認識手段である請求項1から6の何れか一項に記載の地物位置認識装置。
- 請求項1から7の何れか一項に記載の地物位置認識装置と、前記位置関係演算手段により演算された前記位置関係に基づいて前記自車位置情報を補正する自車位置情報補正手段と、を備える自車位置認識装置。
- 請求項8に記載の自車位置認識装置と、前記地物情報を含む地図情報が格納された地図情報格納手段と、前記地図情報を参照して動作するアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムに従って動作して案内情報を出力する案内情報出力手段と、を備えるナビゲーション装置。
- 外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識方法であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得工程と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得工程と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得工程と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識工程と、
前記認識工程による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定工程と、
前記自信度に応じて演算実行の要否を判定し、演算が必要と判定された場合に、前記認識工程による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算工程と、を備える地物位置認識方法。 - 外界検出装置による検出対象となる対象地物と自車両との位置関係を演算するための地物位置認識装置であって、
前記外界検出装置により検出された外界情報を取得する外界情報取得工程と、
前記自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得工程と、
前記自車位置情報に基づいて、前記対象地物について、地物種別に応じて予め定められた特徴量及び測定点の情報を含む地物情報を取得する地物情報取得工程と、
前記地物情報に基づいて、前記外界情報に含まれる前記対象地物の前記特徴量及び前記測定点の認識処理を行う認識工程と、
前記認識工程による前記測定点の認識結果に基づいて、前記対象地物と前記自車両との前記位置関係を演算する位置関係演算工程と、
前記認識工程による認識結果の確実性を表し、全ての前記地物種別に共通する定量的な値として定義される自信度を、前記特徴量及び前記測定点の認識結果に応じて前記対象地物ごとに判定する自信度判定工程と、を備え、
前記位置関係と前記自信度とを合わせて出力する地物位置認識方法。 - 前記自信度判定工程は、前記認識手段による前記特徴量の認識結果に応じて複数段階の一次自信度を判定し、前記一次自信度の各段階の少なくとも1つ以上を、前記認識手段による前記測定点の認識結果に応じてさらに複数段階に分ける二次判定を行うことによって、複数段階の前記自信度を判定する請求項10又は11に記載の地物位置認識方法。
- 前記自信度判定工程は、前記認識手段により前記特徴量の全てが認識されない場合の前記一次自信度を除く全ての前記一次自信度のそれぞれについて前記二次判定を行う請求項12に記載の地物位置認識方法。
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