JP4761151B2 - オープンケーソン工法における刃口清掃方法および掘削装置 - Google Patents

オープンケーソン工法における刃口清掃方法および掘削装置 Download PDF

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Description

本発明は、オープンケーソン工法における刃口清掃方法およびそれに用いる掘削装置に関する。
従来より、ケーソンの施工方法として、オープンケーソン工法が知られている。このオープンケーソン工法は、断面形状が円形、矩形または小判型の筒状側壁を下側から順次構築していくとともに、その筒状側壁の中の地盤を掘削して筒状側壁を沈下させていき、筒状側壁が所定深さに沈設された後、筒状側壁の下端部(刃口)の内側に水中コンクリートを打設して筒状側壁の下端を閉塞する工法である。
ところで、上記したオープンケーソン工法では、水中コンクリートを打設してケーソン内をドライアップした後、水中コンクリートとその周囲の筒状側壁との隙間から漏水が発生する場合がある。これは、刃口内側のコンクリート打継面に粘性土等の付着物が付着した状態のまま水中コンクリートが打設されると、水中コンクリートと筒状側壁との間(打継目)に付着物が介在された状態となり、この付着物が高い圧力を受けた地下水によってケーソン内に押し出され、そこから漏水が生じるためである。したがって、打継目の水密性を確保して漏水の発生を防止するためには、刃口内側のコンクリート打継面に付着した付着物をきれいに除去することが重要である。
そこで、従来、刃口内側のコンクリート打継面に付着した付着物を除去する技術として、刃口清掃装置が提案されている。刃口清掃装置としては、例えば、ブラシによりコンクリート打継面を清掃するものがある。この刃口清掃装置は、筒状側壁の内周面に設置された周方向に延在するレールと、このレールに沿って走行する走行体と、走行体に回転自在に設けられて先端にブラシが取り付けられたアームと、を備えた構成からなる。前記した構成からなる刃口清掃装置によれば、アーム先端のブラシをコンクリート打継面に当接させた状態で、走行体を走行させることで、コンクリート打継面に付着した付着物をブラシで除去することができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の構成からなる刃口清掃装置としては、例えば、ビームの先端に設けられたブレードによりコンクリート打継面を清掃するものがある。この刃口清掃装置は、筒状側壁の中に挿入される本体部と、この本体部から放射状に複数設置されたビームと、ビームの先端に設けられたブレードと、を備えた構成からなる。前記した刃口清掃装置によれば、ブレードをコンクリート打継面に当接させた状態で、本体部を水平方向に回転させることで、コンクリート打継面に付着した付着物をブレードで除去することができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−266220号公報 特開2002−4296号公報
しかしながら、上記した従来の刃口清掃装置を用いた従来の技術では、筒状側壁の内部の地盤を掘削する掘削装置とは別に、刃口清掃装置を別途容易しなければならず、ケーソンを構築するために必要な設備費用が大幅に増加するという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、刃口内側のコンクリート打継面に付着した付着物を除去して、筒状側壁の下端を閉塞するコンクリートとその周囲の筒状側壁との間からの漏水を防止することができるとともに、ケーソンを構築するために必要な設備費用を低く抑えることができるオープンケーソン工法における刃口清掃方法および掘削装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁の中心軸側から側方に突出する掘削翼を有する掘削装置を前記筒状側壁の内部に配置して前記掘削翼を水平方向に回転させることで前記筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、該筒状側壁の刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞する工程に先立って、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、前記掘削装置として、前記掘削翼が筒状側壁の径方向に拡縮自在であり、該掘削翼の先端に清掃部材が装着された掘削装置を用いて、該掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記掘削翼の先端に装着された清掃部材を前記刃口のコンクリート打継面に当接させ、その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面上に前記清掃部材を摺動させ、前記コンクリート打継面を清掃することを特徴としている。
このような特徴により、刃口内側へのコンクリート打設の前に、コンクリート打継面上を摺動する清掃部材によってコンクリート打継面に付着した付着物が除去され、刃口内側へのコンクリート打設の時にはコンクリート打継面がきれいに清掃された状態となっている。また、上記した清掃作業は、筒状側壁の内部を掘削する掘削装置を利用して行われる。すなわち、清掃部材が筒状側壁の内部を掘削する掘削装置の掘削翼に装着されており、清掃部材は、掘削装置の掘削翼が回転することで刃口の周方向に沿って旋回移動し、コンクリート打継面を周方向に亘って清掃する。
請求項2記載の発明は、ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁の中心軸側から側方に突出する掘削翼を有する掘削装置を前記筒状側壁の内部に配置して前記掘削翼を水平方向に回転させることで前記筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、該筒状側壁の刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞する工程に先立って、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、前記掘削装置として、前記掘削翼が筒状側壁の径方向に拡縮自在であり、該掘削翼の先端に高圧水を噴射する噴射ノズルが装着された掘削装置を用いて、該掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記掘削翼の先端に装着された噴射ノズルから噴射される高圧水が前記刃口のコンクリート打継面に吹き付けられるようにし、その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面に前記高圧水を前記刃口の周方向に沿って吹き付けていき、該コンクリート打継面を清掃することを特徴としている。
このような特徴により、刃口内側へのコンクリート打設の前に、噴射ノズルからコンクリート打継面に吹き付けられる高圧水によってコンクリート打継面に付着した付着物が除去され、刃口内側へのコンクリート打設の時にはコンクリート打継面がきれいに清掃された状態となっている。また、上記した清掃作業は、筒状側壁の内部を掘削する掘削装置を利用して行われる。すなわち、噴射ノズルが筒状側壁の内部を掘削する掘削装置の掘削翼に装着されており、噴射ノズルは、掘削装置の掘削翼が回転することで刃口の周方向に沿って旋回移動し、コンクリート打継面を周方向に亘って清掃する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、前記掘削装置として、前記掘削翼の先端に高圧水を噴射する噴射ノズルが装着された掘削装置を用いて、前記清掃部材により前記コンクリート打継面を清掃した後、前記掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記掘削翼の先端に装着された噴射ノズルから噴射される高圧水が前記刃口のコンクリート打継面に吹き付けられるようにし、その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面に前記高圧水を前記刃口の周方向に沿って吹き付けていき、該コンクリート打継面を清掃することを特徴としている。
このような特徴により、清掃部材では落としきれなかったコンクリート打継面上の付着物が、噴射ノズルから噴射される高圧水によってコンクリート打継面から除去される。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、前記噴射ノズルから噴射される高圧水により、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するとともに該コンクリート打継面の表面部分を削り落として該コンクリート打継面を粗面にすることを特徴としている。
このような特徴により、高圧水によってコンクリート打継面が目荒しされて凸凹の粗面となるため、後から打設されるコンクリートと先に構築された刃口(筒状側壁)とが一体化される。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、前記刃口のコンクリート打継面を清掃する前に、土粒子の細粒分を凝集させる凝集剤を前記筒状側壁内部の水の中に添加することを特徴としている。
このような特徴により、コンクリート打継面から除去された土粒子の細粒分は、凝集剤により凝集され、コンクリート打継面に再び付着することがない。
請求項6記載の発明は、ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、前記筒状側壁の刃口内側のコンクリート打継面を清掃し、その後、前記刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞させるオープンケーソン工法に用いられる掘削装置において、前記筒状側壁の径方向に拡縮するとともに水平方向に回転する掘削翼が備えられ、該掘削翼の先端には、前記刃口のコンクリート打継面に当接されて該コンクリート打継面を清掃する清掃部材と前記刃口のコンクリート打継面に向けて高圧水を噴射する噴射ノズルとの両方または何れか一方が装着されていることを特徴としている。
このような特徴により、上記した本発明に係るオープンケーソン工法における刃口清掃方法を実施することができる。
本発明に係るオープンケーソン工法における刃口清掃方法によれば、筒状側壁の下端を閉塞するコンクリートの打設前にコンクリート打継面に付着した付着物が除去され、前記コンクリート打設時にはコンクリート打継面がきれいに清掃された状態となっているため、筒状側壁の下端を閉塞するコンクリートとその周囲の筒状側壁との間(打継目)の水密性が向上し、当該打継目からの漏水を防止することができる。
また、本発明に係るオープンケーソン工法における刃口清掃方法によれば、コンクリート打継面を清掃する装置を新たに用意する必要がなく、筒状側壁の内部を掘削する掘削装置を利用してコンクリート打継面を清掃することができるため、ケーソンを構築するために必要な設備費用を低く抑えることができる。
また、本発明に係る掘削装置によれば、上述したオープンケーソン工法における刃口清掃方法を実現することができ、これによって、筒状側壁の下端を閉塞するコンクリートとその周囲の筒状側壁との間の打継目からの漏水を防止することができるとともに、ケーソンを構築するために必要な設備費用を低く抑えることができる。
以下、本発明に係るオープンケーソン工法における刃口清掃方法および掘削装置の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、オープンケーソン工法により施工されるケーソン1の構成について説明する。
図1はケーソン1の完成形を表した鉛直断面図である。
図1に示すように、ケーソン1は、例えば立坑として用いられる構造物であって地中に埋設された状態に構築される。ケーソン1には、主に、鉛直方向に延在して上端及び下端が開放されている筒状側壁2と、この筒状側壁2の下端を閉塞するとともにケーソン1の底版となる底スラブ3と、が備えられている。
筒状側壁2は、鉛直方向に延在する例えば鉄筋コンクリート構造の筒状構造体であり、例えば、断面形状円形、矩形、或いは小判形のもの等がある。この筒状側壁2は、リング状にモジュール化されたプレキャストコンクリートからなる複数のロット6…を同軸上に積み上げた筒状の構成からなる。また、ケーソン躯体1の下端(刃口2a)は、ケーソン躯体1の圧入時に地盤Gを切削するように尖形状になっている。具体的には、最下端のロット(第1ロット6a)の内周面がテーパー状にとなっており、第1ロット6aの内周が下方に向けて内径が拡がった形状になっている。
なお、本実施の形態では、筒状躯体築造単位をモジュールとして構成したが、必ずしもこれにこだわるものではなく、現場において型枠、鉄筋、コンクリート打設をする現場打ちコンクリートによって構成することでも良い。
底スラブ3は、筒状側壁2の下端部(刃口2a)の内側に形成された閉塞コンクリート4と、その閉塞コンクリート4の上に形成された床版コンクリート5とから構成されている。閉塞コンクリート4及び床版コンクリート5は、例えば鉄筋コンクリート構造の構造体であり、筒状側壁2の沈設完了後に筒状側壁2の中にコンクリート打設してなる現場打ちコンクリートによって形成されるものである。閉塞コンクリート4には、水中で打設される水中不分離性能を有する水中コンクリートが用いられる。一方、床版コンクリート5には、気中で打設される各種のコンクリートを用いることができる。
なお、本実施の形態では、閉塞コンクリート4がケーソン1の躯体の一部であり、具体的には閉塞コンクリート4がケーソン1の底スラブ3の一部となっているが、本発明は、閉塞コンクリート4をケーソン1の躯体として設けず、筒状側壁2の下端側における止水の目的のためだけに閉塞コンクリート4が設けられていてもよい。
次に、上記した構成からなるケーソン1を構築するための施工設備について説明する。
図2は図1に示すケーソン1を構築するための施工設備の全体構成を表した断面図である。
図1、図2に示すように、上記した構成からなるケーソン1は、所謂オープンケーソン工法によって施工される。すなわち、複数のロット6…を順次組み立てて筒状側壁2を下側から順に構築していくとともに、その筒状側壁2内の開放された地盤G’を掘削していき、さらに筒状側壁2を地中に圧入させて筒状側壁2を沈下させていく。そして、筒状側壁2が所定深さ位置に沈設された後、筒状側壁2の刃口2a内側に閉塞コンクリート4のコンクリート打設を行って筒状側壁2の下端を閉塞させ、最後に床版コンクリート5のコンクリート打設を行い完了する。
ケーソン1を構築するための施工設備は、主に、筒状側壁2を地中に圧入させる圧入装置10と、筒状側壁2の内部の地盤を掘削する掘削装置20と、掘削装置20により掘削された掘削土砂を運び出す揚土設備40と、から構成されている。
圧入装置10は、下側から順次組み立てられていく筒状側壁2を鉛直下方に押圧して当該筒状側壁2を地中に圧入させる装置であり、オープンケーソン工法に用いられる公知の圧入装置を用いることができる。例えば、圧入装置10として、地盤G内に定着されているとともに上部が地表上に突出されている複数のアースアンカー11…と、ケーソン躯体1の上方に配置された加圧桁12と、加圧桁12上に載置されているとともにアースアンカー11…上部に取り付けられているジャッキ13…と、ケーソン1(筒状側壁2)と加圧桁12との間に介在された支圧盤14と、が備えられた装置がある。アースアンカー11は、引張材(テンションロッド15)の下端に定着部(グラウンドアンカー16)が付設された構成からなり、ケーソン1(筒状側壁2)の周りに配設されている。ジャッキ13…は、アースアンカー11の上部に固定された状態で上下方向に伸縮する機械であり、例えばアースアンカー11の上部を掴持するグリップジャッキを使用することができる。加圧桁12は、例えばH形鋼等の鋼材からなり、ケーソン1(筒状側壁2)の側方に張り出された加圧桁12の両端部上に上記ジャッキ13…がそれぞれ載置されている。
また、揚土設備40は、掘削された掘削土砂を運び出す設備であり、オープンケーソン工法に用いられる公知の揚土装置を用いることができる。例えば、揚土設備40として、クレーン等の図示せぬ揚重機によってハンマグラブ41を吊持した構成の装置がある。この揚土設備40は、上記したケーシングパイプ24内にハンマグラブ41を吊り降ろし、このハンマグラブ41でケーシングパイプ24内の掘削土砂を掴み、そのままハンマグラブ41を吊り上げて掘削土砂を運び出すものである。
[掘削装置]
続いて、本実施の形態における掘削装置20について説明する。
図3は掘削装置20を表した側面図である。
図3に示すように、掘削装置20は、筒状側壁2の内方に配置されて筒状側壁2内の地盤G’を鉛直方向に掘削する装置であり、主に、掘削機構21と、保持機構22と、駆動機構23とから構成されている。
図4は掘削機構21を表した平面図であり、(a)は後述する掘削翼25が縮径された状態を示しており、(b)は後述する掘削翼25が拡径された状態を示している。
図3、図4に示すように、掘削機構21には、鉛直方向に延在するケーシングパイプ24と、筒状側壁2の中心軸側(ケーシングパイプ24)から側方に突出する掘削翼25とが備えられている。
ケーシングパイプ24は、筒状側壁2と比較して小さい断面を有する円筒体よりなり、上端及び下端が開放されているとともに、下端には地盤G’を切削する複数の掘削用ビット26…が付設されている。
掘削翼25は、ケーシングパイプ24の外周面から筒状側壁2の径方向に張り出された状態で設けられている。この掘削翼25の下端には、地盤G’を切削する複数の掘削用ビット26…が付設されている。また、掘削翼25は、ケーシングパイプ24の周方向に所定の離間間隔をあけて複数設けられており、平面的にみてケーシングパイプ24を中心にして放射状に複数配設されている。本実施の形態では、3体の掘削翼25が設けられているが、その数量は適宜変更可能である。
上述する構成の掘削機構21は、後に詳述する駆動機構23を用いてケーシングパイプ24の中心軸Oを回転軸として水平方向に摺動回転することにより、ケーシングパイプ24及び掘削翼25に備えられた掘削用ビット26…を用いて地盤G’を切削して掘削するものであり、掘削により発生した掘削土砂は、ケーシングパイプ24の下端及びケーシングパイプ24の外周面に形成された土砂取込み口24aからケーシングパイプ24の中に取り込まれる。
ところで、上記した掘削翼25は、筒状側壁2の径方向(掘削翼25の突出方向)に拡縮自在な構成となっている。このような掘削翼25としては、例えば、先端部が水平方向に回転する構成のものがある。具体的には、掘削翼25は、ケーシングパイプ24に固定された固定翼17と、固定翼17に対して筒状側壁2の径方向に突出及び格納が自在な可動翼18と、可動翼18を突出或いは格納させる駆動機構(回転機構19)とが備えられた構成からなる。可動翼18は、固定翼17の先端に水平回転自在に取り付けられており、回転機構19により水平方向に回転させられる。固定翼17と可動翼18とは、固定翼17の先端部と可動翼18の基端部とが重ね合わされるように配設されている。
また、回転機構19としては、例えば、シリンダー50を用いることができる。具体的には、水平方向に伸縮するようにシリンダー50が水平に配置され、このシリンダー50の一端と固定翼17とが第1のロッド51を介して連結され、シリンダー50の一端と可動翼18とが第2のロッド52を介して連結された構成からなる。第1のロッド51の一端は、固定翼17に水平回転自在に取り付けられている。また、第2のロッド52の一端は、可動翼18に水平回転自在に取り付けられている。また、第1のロッド51の他端及び第2のロッド52の他端は、シリンダー50の一端に水平回転自在に取り付けられている。
上記した構成からなる回転機構19によれば、図4(a)に示すように、シリンダー50を伸長させることで、可動翼18が平面的にみて固定翼17に対して屈曲された状態になり、掘削翼25の径が縮径される。一方、図4(b)に示すように、シリンダー50を短縮させることで、可動翼18が平面的にみて固定翼17に対して略直線的(平行)に配置された状態になり、掘削翼25の径が拡径される。
なお、本実施の形態では、筒状側壁2の径方向に拡縮自在な掘削翼25として、先端部が水平方向に回転して掘削翼25の径が拡縮される構成のものを例示したが、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、先端部が筒状側壁2の径方向に往復移動することで掘削翼25の径が拡縮される構成であってもよい。具体的には、固定翼の先端に設けられた可動翼が固定翼の表面に沿って水平方向にスライドする構成であってもよい。
図5は後述する刃口清掃方法を実施する際の掘削翼25を表した側面図であり、(a)は後述する清掃部材(ブラシ55)を用いる場合であり、(b)は後述する噴射ノズル56を用いる場合である。
また、図5(a)に示すように、掘削翼25の先端(可動翼18)には、閉塞コンクリート4のコンクリート打設前に刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃するためのブラシ55(清掃部材)を装着させることができる。このブラシ55は、掘削翼25に対して着脱自在に取り付けられている。このブラシ55は、刃口2aのコンクリート打継面2bに付着した土の塊を除去するための清掃部材であり、ブラシ55としては、ナイロン製、金属製のブラシを用いることができる。また、ブラシ55は、掘削翼25(可動翼18)に対して鉛直方向に回転自在に取り付けられていることが好ましい。これによって、ブラシ55をコンクリート打継面2bの傾き角度に合わせることができる。さらに、ブラシ55は、掘削翼25(可動翼18)に対して水平方向に回転自在に取り付けられていることが好ましい。これによって、可動翼18を水平方向に回転させて掘削翼25を拡縮させる構成において、可動翼18が回転することで可動翼18の向きが変わっても、ブラシ55の向きをコンクリート打継面2bに合わせることができる。
また、図5(b)に示すように、掘削翼25の先端(可動翼18)には、閉塞コンクリート4のコンクリート打設前に刃口2aのコンクリート打継面2bに高圧水を吹き付けるための噴射ノズル56を装着させることができる。噴射ノズル56は、その先端から高圧水を噴射させることができるノズルであり、噴射ノズル56としては公知の高圧水噴射ノズルを用いることができる。この噴射ノズル56は、その先端を掘削翼25の外側(刃口2aのコンクリート打継面2b側)に向けて配設されている。噴射ノズル56の基端には、図示せぬ配管が接続されており、この配管を介して図示せぬ高圧水噴射装置に接続され、噴射ノズル56に高圧水が供給される。また、噴射ノズル56は、掘削翼25に対して着脱自在に取り付けられている。なお、本発明は、圧縮水のみからなる高圧水を噴射ノズル56から噴出させるウォータージェット方式であってもよく、或いは、圧縮水と圧縮空気との混合体からなる高圧水を噴射ノズル56から噴出させるエアウォータージェット方式であってもよい。
図6は図3に示すA−A間の断面図であり、保持機構22を表した平面図である。
図3、図6に示すように、保持機構22には、保持板27と固定アーム28と保持部材30とが備えられている。
保持板27は、水平面を形成する部材であり、具体的には、筒状側壁2の内方で水平に配置された版状の部材からなる。保持板27の中央部には、ケーシングパイプ24を挿通させる孔27aが形成されている。本実施の形態では、保持板27の形状が平面的にみて矩形となっているが、保持板27の形状は適宜変更可能であり、例えば保持板27の形状が平面的にみて円形であってもよい。
固定アーム28は、保持板27の外周縁から水平方向(筒状側壁2の径方向)に張り出された梁状の部材である。固定アーム28の突出した先端部が筒状側壁2の内壁に当接されることで、保持機構22は筒状側壁2内にて支持される。具体的には、固定アーム28の先端部には、水平方向に伸縮自在な固定ジャッキ28aが備えられており、この固定ジャッキ28aを介して筒状側壁2の内壁への押圧力を調整しながら、保持機構22が支持されている。固定アーム28は、保持板27の外周縁から等間隔で放射状に複数配設されている。本実施の形態では、平面視正方形に成形されたの保持板27の4辺各々から固定アーム28がそれぞれ突出されており、突出する4体の固定アーム28で保持機構22が支持されているが、勿論、固定アーム28の数量は適宜変更可能であり、保持機構22を支持できる構成であればよい。
また、筒状側壁2の下端部近傍の内周面には、周方向に延在するガイドリング29が取り付けられており、このガイドリング29に対して保持機構22の位置合わせを行うことにより、保持機構22の筒状側壁2への固定高さが決定される。具体的には、ガイドリング29には、複数の固定アーム28の各先端面に対向する位置に切り欠き29aがそれぞれ形成されている。この切り欠き29aは、鉛直方向の切り欠き、及び水平方向の切り欠きが連続した鈎型の形状をなしている。つまり、切り欠き29aは、ガイドリング29の内側からみてL形となっている。したがって、保持機構22は、固定アーム28の先端を、切り欠き29aを構成する鉛直方向の切り欠きに沿って落とし込み、さらに、水平方向の切り欠きに沿って水平移動することにより、筒状側壁2に対してその固定高さが決定されるとともに、水平をも維持できるものである。
保持部材30は、上記した保持板27及び固定アーム28の上方に設けられている。この保持部材30は、上記した掘削機構21(ケーシングパイプ24)を把持して掘削機構21(ケーシングパイプ24)を鉛直に保持するものである。保持部材30には、鉛直保持部材31と水平保持部材32とが備えられている。
鉛直保持部材31は、保持機構22の上面に立設された柱状の部材からなり、水平保持部材32の外周縁に沿って所定の離間間隔をもって複数配設されている。複数の鉛直保持部材31の内側(水平把保持部材32の外周縁に対向する側)の側面には、鉛直方向に所定の長さだけ延在する凹状の切り欠き31aが形成されている。本実施の形態では、各固定アーム28の上面に鉛直保持部材31がそれぞれ立設されており、これらの鉛直保持部材31は後述する平面視正四角形の水平保持部材32の4辺中央位置にそれぞれ配置されている。
水平保持部材32は、水平に配置された板状の部材からなり、複数の鉛直保持部材31の間に配設されている。この水平保持部材32の外周縁には、各鉛直保持部材31の切り欠き31aにそれぞれ嵌合される複数の凸部32aが付設されている。つまり、水平保持部材32の凸部32aが鉛直保持部材31の切り欠き31aに嵌合された状態で水平保持部材32が設置されていることにより、当該水平保持部材32は、水平方向の移動が規制されつつ鉛直方向に移動可能な状態で配置されている。なお、本実施の形態では、水平保持部材32は平面的にみて正四角形(矩形)の形状の板状部材からなっており、この水平保持部材32の四辺中央に凸部32aがそれぞれ付設されているが、本発明はこれに限定されず、水平保持部材32が平面視円形であってもよく、或いは水平保持部材32が板状以外(例えば箱形)のものであってもよい。
また、この水平保持部材32の中央部には、ケーシングパイプ24を挿通させる孔32bが形成されている。この孔32bの内周縁の上側には、周方向に鈎状の切り欠きが設けられている。つまり、孔32bの内周縁は段状に形成されている。この孔32bの切り欠きには、ケーシングパイプ24の外周面に設けられた凸部24bが嵌合されており、ケーシングパイプ24は、その凸部24bが水平保持部材32の孔32bの切り欠き部分に載せられた状態で支持されている。ケーシングパイプ24の外周面に付設された凸部24bは、ケーシングパイプ24の外周面に沿って周方向に延在して鍔状に形成されていてもよく、或いは、ケーシングパイプ24の周方向に沿って複数並べられていてもよい。なお、孔32bの内周縁及びケーシングパイプ24の凸部24bは、表面に水等の侵入を防ぐシール処理がなされているとともに、滑面処理が施されており、ケーシングパイプ24は、水平保持部材32に対して水平回転可能な状態で支持されている。
一方、図3に示すように、駆動機構23は、上述したように、保持部材30によって水平方向に摺動回転自在に支持されつつ鉛直方向に移動自在に配設されたケーシングパイプ24(掘削機構21)を、水平方向に回転させたり鉛直方向に移動させたりするものである。駆動機構23には、掘削機構21を水平方向に軸回転させる回転機構33と、掘削機構21を上下方向に移動させる昇降機構34とが備えられている。
昇降機構34としては、例えば、鉛直方向に伸縮するジャッキ35により水平保持部材32を昇降させる機構がある。具体的には、鉛直方向に伸縮するジャッキ35が水平保持部材32と保持板27との間に介装された構成からなる。このジャッキ35は、ケーシングパイプ24の周りに均等に複数配設されており、これら複数のジャッキ35は、互いに同期して駆動するように制御されている。これにより、水平保持部材32は水平状態が維持された状態で昇降される。なお、昇降機構34は、上記したジャッキ35を用いる機構以外であってもよく、例えばパンタグラフを用いる昇降機構であってもよく、或いはホイスト等の巻上げ機を用いる昇降機構であってもよく、その他の構成からなる昇降機構であってもよい。
図7は回転機構33を表した平面図であり、(a)は回転機構33の全体図であり、(b)及び(c)は回転機構33の部分拡大図である。
図3、図7(a)に示すように、回転機構33としては、例えば、間欠的な一方向の回転運動を伝達する機構として一般に知られているラチェット機構によるものがある。具体的には、ケーシングパイプ24の一部を覆うようにしてケーシングパイプ24に外装されたフレーム36と、フレーム36の内方に配置されたシリンダー37、内歯リング38、及び外歯リング39により構成されている。
フレーム36は、水平保持部材32の下面に垂設されており、ケーシングパイプ24とジャッキ35との間に配設されている。なお、本実施の形態では、図7(a)に示すように、フレーム36は平面視正方形の箱状の形状になっているが、フレーム36はこれに限定されるものではなく、平面視円形のものでもよい。
シリンダー37は、水平方向に伸縮するように水平に配置されており、ケーシングパイプ24を囲うように複数配設されている。シリンダー37の一端は、フレーム36の内面に水平回転自在に取り付けられており、シリンダー37の他端は内歯リング38に水平回転自在に取り付けられている。本実施の形態では、シリンダー37が4体備えられているが、シリンダー37の数量は必ずしもこれにこだわるものではなく適宜変更可能である。
内歯リング38は、内径がケーシングパイプ24の外径と比較して略大きいリング状の部材であり、ケーシングパイプ24と同軸に配置されてその内側にケーシングパイプ24が挿通されている。内歯リング38の内周縁には、突出及び格納が自在の内歯38aが内周縁に沿って複数連続的に設けられている。本実施の形態では、内歯リング38の内周縁全面に内歯38aが取り付けられた構成としたが、必ずしもこれにこだわるものではなく、内歯38aが内周縁の周方向に所定の離間間隔をもって部分的に取り付けていてもよい。
外歯リング39は、ケーシングパイプ24の周方向に沿って延在し、ケーシングパイプ24の外周面に固定されたリング状の部材である。外歯リング39は、内歯リング38と同じ高さ位置に配設されている。外歯リング39の外周縁には、内歯リング38の内歯38aと噛合される外歯39aが当該外周縁に沿って連続的に形成されている。
上記した構成からなる回転機構33は、図7(b)に示すように、フレーム36を作用点としてシリンダー37を伸長させると、内歯リング38が内歯38aを収納した状態で外歯リング39の外周を反時計回りに回転する。シリンダー37の伸長が終了すると、内歯リング38の内歯38aが突出し、外歯リング39の外歯39aと嵌合する。その後、図7(c)に示すように、シリンダー37を短縮させると、内歯リング38が内歯38aを外歯リング39の外歯39aに嵌合した状態で時計回りに回転するため、これとともに、外歯リング39が固定されたケーシングパイプ24、つまり掘削機構21も時計回りに回転する。このように、ラチェット機構によりなる回転機構33は、シリンダー37が短縮する際に、シリンダー37のストローク分だけ外歯リング39及びケーシングパイプ24を回転する間欠運動を繰り返しながら、ひいては掘削機構21を一方向に水平回転させるものである。
なお、本発明は、上記した回転機構33に限定されるものではなく、ケーシングパイプ24(掘削機構21)を水平方向に回転させることができる機構であれば如何なる構成のものであってもよい。
図8は掘削装置20の監視モニター60の表示画面を表した図である。
図3、図8に示すように、上記した掘削装置20では、掘削翼25の拡縮寸法と、刃口2a及び掘削装置20の深度がモニタリングできる構成となっている。具体的には、掘削装置20の姿勢を監視するための監視モニター60には、可動翼18の伸縮寸法が表示されるストローク表示部61と、掘削翼25による掘削径(直径)が表示される掘削径表示部62と、刃口2aの深度が表示される刃口深度表示部63と、掘削装置20の深度が表示される掘削装置深度表示部64とがある。
次に、上記した構成からなる施工設備を用いてケーソン1を構築する方法について説明する。
図9はケーソン1を構築する際の施工フローを表したフローチャート図である。
図9に示すように、上記した施工設備を用いてケーソン1を構築する方法は、所謂オープンケーソン工法による構築方法である。つまり、筒状側壁2を構築するとともに、掘削装置20を筒状側壁2の内部に配置して掘削装置20に備えられた掘削翼25を水平方向に回転させることで筒状側壁2内の開放された地盤G’を掘削して筒状側壁2を地中に沈下させる。そして、筒状側壁2が所定深さ位置に沈設された後、筒状側壁2の刃口2a内側のコンクリート打継面2bを清掃し、その後、刃口2aの内側に閉塞コンクリート4のコンクリート打設を行い筒状側壁2の下端を閉塞する。その後、筒状側壁2内の水を排水して筒状側壁2内をドライアップした後、床版コンクリート5のコンクリート打設を行う。
上記した本実施の形態におけるケーソン1の構築方法は、筒状側壁2の刃口2a内側のコンクリート打継面2bを清掃する工程以外は、公知の工程と同様に行うことができる。
詳しく説明すると、まず、ケーソン1を構築するための準備を行う準備工程を行う。具体的には、ケーソン1の設置位置を確認して、その周囲の所定位置にアースアンカー11…を打込んだり、掘削装置20や揚土設備40を準備したりする。
次に、筒状側壁2の刃口2aを構築する刃口構築工程を行う。具体的には、最下端のロット(第1ロット6a)を地表上の所定位置に構築する。
次に、筒状側壁2の次節部分の構築を行う筒状側壁構築工程を行う。具体的には、下から2番目の節のロット6bを第1ロット6aの上に構築する。
次に、上記のように構築された筒状側壁2を地中に圧入させる圧入工程を行う。具体的には、筒状側壁2の上に支圧盤14を介して加圧桁12を配置し、その加圧桁12上にジャッキ13…を配置してこのジャッキ13…をアースアンカー11…の上端に取り付ける。そして、ジャッキ13…により加圧桁12を押し下げて筒状側壁2を地中に圧入させる。
また、筒状側壁2の内側の地盤G’を掘削装置20によって掘削する掘削工程を行う。具体的には、筒状側壁2の内側に掘削装置20を配置する。そして、保持機構22により筒状側壁2の内壁に保持させた状態で、駆動機構23の回転機構33により掘削機構21の掘削翼25を水平方向に回転させるとともに駆動機構23の昇降機構34により掘削機構21を下方に推進させる。このとき、掘削翼25は、筒状側壁2の下方にあり、可動翼18が外側に突出されて拡径された状態になっている。また、掘削工程を行うとともに、揚土設備40により、ケーシングパイプ24内の掘削土砂を運び出す作業も行う。
次に、上記した圧入工程を一時停止し、筒状側壁2(下から2番目の節のロット6b)の上に次節(下から3番目の節)のロット6cを構築する筒状側壁構築工程を行い、その後、再び、上記した圧入工程や掘削工程を行って筒状側壁2を再び地中に圧入させる。
このように、筒状側壁構築工程と圧入工程及び掘削工程とを繰り返し行うことで、筒状側壁2を下側から順次構築していくとともに筒状側壁2を沈下させていく。
そして、筒状側壁2の構築が完了し、筒状側壁2を所定の深さ位置に沈設させた後、刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃する打継面清掃工程を行う。その後、筒状側壁2内の泥水処理を行った後、閉塞コンクリート4の水中コンクリート打設を行う。閉塞コンクリート4のコンクリート打設後に、筒状側壁2内をドライアップし、床版コンクリート5のコンクリート打設を気中で行う。コンクリートの打設方法については、オープンケーソン工法における公知のコンクリート打設方法と同様の方法で行うことができる。
[刃口清掃方法]
ここで、刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃する打継面清掃工程について説明する。
打継面清掃工程は、上述したブラシ55や噴射ノズル56から噴射される高圧水によって、刃口2aのコンクリート打継面2bに付着した土の塊などを除去する工程であり、筒状側壁2の沈設完了後、閉塞コンクリート4のコンクリート打設工程に先立って行う工程である。
まず、ブラシ55を用いて打継面清掃工程を行う場合について説明する。
掘削工程が終了した後、掘削装置20を図示せぬ揚重機等で筒状側壁2の上まで引き上げる。なお、掘削装置20を吊り上げる前に、回転機構19を駆動させて可動翼18を内側に格納させ、掘削翼25を縮径状態にするとともに、固定アーム28先端の固定ジャッキ28aを短縮させて保持機構22による保持状態を解除しておく。
そして、吊り上げられた掘削装置20の掘削翼25の先端(可動翼18)にブラシ55を取り付けた後、掘削装置20を筒状側壁2の中に吊り降ろし、掘削翼25の先端に取り付けられたブラシ55が刃口2a内側のコンクリート打継面2bの深度の位置に配置されたところで、固定アーム28の固定ジャッキ28aを伸長させて固定アーム28の先端面を筒状側壁2の内壁面に当接させ、掘削装置20を保持させる。なお、掘削装置20を吊り降ろすときは、吊り上げる時と同様に、掘削翼25を縮径状態にしておく。
その後、回転機構19を駆動させて可動翼18を外側に突出させ、可動翼18に取り付けられたブラシ55を、刃口2a内側のコンクリート打継面2bに当接させる。そして、掘削装置20に備えられた回転機構33により掘削翼25を水平方向に回転させることで、ブラシ55をコンクリート打継面2b上に摺動させながらコンクリート打継面2bに沿って旋回させ、コンクリート打継面2b上に付着した土の塊等を除去する。
次に、固定アーム28先端の固定ジャッキ28aを短縮させて保持機構22による保持状態を解除した後、図示せぬ揚重機により掘削装置20を昇降させることで、コンクリート打継面2bのうち、先のブラシ55による清掃で清掃できなかった範囲にブラシ55を対向させるように掘削装置20の位置を調整して保持機構22により保持させる。また、このとき、回転機構19を駆動させて掘削翼25の径を調整、つまり可動翼18の開き度合いを調整し、可動翼18に取り付けられたブラシ55をコンクリート打継面2bに当接させる。そして、回転機構33により掘削翼25を水平方向に回転させ、ブラシ55によりコンクリート打継面2b上に付着した土の塊等を除去する。
上述したようにして、コンクリート打継面2b全体をブラシ55によりブラッシングしてコンクリート打継面2b上の付着物を除去する。なお、上記した刃口清掃工程は、図8に示す監視モニター60により、可動翼18の伸縮寸法や、刃口2a及び掘削装置20の深度を確認しながら行う。つまり、可動翼18の伸縮寸法や、刃口2a及び掘削装置20の深度から、可動翼18に取り付けられたブラシ55の位置や刃口2aのコンクリート打継面2bの位置を把握して、上記刃口清掃工程を行う。
次に、噴射ノズル56を用いて打継面清掃工程を行う場合について説明する。
掘削工程が終了した後、上述したブラシ55を用いる場合と同様にして、掘削装置20を引き上げる。
そして、吊り上げられた掘削装置20の掘削翼25の先端(可動翼18)に噴射ノズル56を取り付けた後、掘削装置20を筒状側壁2の中に吊り降ろし、掘削翼25の先端に取り付けられた噴射ノズル56が刃口2a内側のコンクリート打継面2bの深度の位置に配置されたところで、上述したブラシ55の場合と同様にして、保持機構22により掘削装置20を保持させる。
その後、回転機構19を駆動させて可動翼18を外側に突出させ、噴射ノズル56の先端をコンクリート打継面2bに向ける。そして、図示せぬ高圧水噴射機構を駆動させて噴射ノズル56の先端から高圧水を噴射させるとともに、掘削装置20に備えられた回転機構33により掘削翼25を水平方向に回転させることで、噴射ノズル56をコンクリート打継面2bに沿って旋回させる。これにより、高圧水をコンクリート打継面2bに沿って周方向に吹き付けていき、コンクリート打継面2b上に付着した土の塊等を除去する。
次に、ブラシ55の場合と同様に、掘削装置20を昇降させることで、先の高圧水による清掃で清掃できなかった範囲に高圧水を吹き付けてコンクリート打継面2b上の付着物を除去する。このとき、ブラシ55の場合と同様に、回転機構19を駆動させて掘削翼25の径を調整し、可動翼18に取り付けられた噴射ノズル56の位置を調整する。
このようにして、コンクリート打継面2b全体を高圧水により清掃してコンクリート打継面2b上の付着物を除去する。なお、この場合も、ブラシ55の場合と同様に、図8に示す監視モニター60により、可動翼18の伸縮寸法や、刃口2a及び掘削装置20の深度を確認しながら行う。
なお、上記した噴射ノズル56から噴射される高圧水の圧力は、少なくとも、コンクリート打継面2b上の付着物を除去できる程度の圧力以上に設定されている必要があるが、高圧水の圧力を、コンクリート打継面2bのコンクリート表層部分を削り落とすことができる程度の圧力に設定することも可能である。これにより、噴射ノズル56から噴射される高圧水により、刃口2aのコンクリート打継面2bの表面の薄皮が剥ぎ落とされ、刃口2aのコンクリートの骨材が露出し、コンクリート打継面2bが凸凹になる。このように、高圧水の圧力を高く設定することで、刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃するだけでなく、コンクリート打継面2bの表面部分を削り落としてコンクリート打継面2bを粗面にする、つまり、コンクリート打継面2bをグリーンカット(高圧水によりレイタンス処理)することができる。なお、噴射ノズル56から研磨材入りの高圧水を噴射させてもよい。これにより、コンクリート打継面2bの表面部分を効率良く削り落とすことができる。
また、噴射ノズル56からの高圧水によりコンクリート打継面2bを清掃する際、通常、筒状側壁2内には水が入っており、水中で噴射ノズル56から高圧水を噴射させることになる。したがって、高圧水の圧力を決める際には、作業箇所(刃口2a部分)における水圧を考慮する必要がある。具体的には、水中でコンクリート打継面2bに吹き付ける高圧水の圧力は、気中(地表面)でコンクリート打継面2bに吹き付ける場合の高圧水の圧力よりも水圧分だけ高く設定する。例えば、水中でコンクリート打継面2bに付着した土の塊を高圧水により吹き飛ばす場合の高圧水の圧力は、気中(地表面)でコンクリート打継面2bに付着した土の塊を吹き飛ばす場合の高圧水の圧力に、清掃作業箇所における水圧を加えた圧力(例えば、392N/m〜686N/m程度)に設定する。また、水中でコンクリート打継面2bを高圧水によりグリーンカットする場合の高圧水の圧力は、気中(地表面)でコンクリート打継面2bをグリーンカットする場合の高圧水の圧力に、清掃作業箇所における水圧を加えた圧力(例えば、980N/m〜4900N/m程度)に設定する。なお、予め現場(気中)において、実際のコンクリート(ロッド6…)にグリーンカットを試しに施工し、その時の圧力を参考にして、つまり、その時の圧力に清掃作業箇所における水圧を加えることで、高圧水の圧力を決定することが好ましい。
また、上述した刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃する打継面清掃工程の前に、筒状側壁2内の水の中に、土粒子の細粒分を凝集させる凝集剤を添加する工程を行うことが好ましい。具体的には、筒状側壁2の沈設完了後、筒状側壁2の中に凝集剤を混入させ、その後、コンクリート打継面2bの清掃工程を行う。凝集剤としては、土粒子の細粒分を凝集させることができる公知の薬剤を使用することができ、例えば、PAC(ポリ塩化アルミニウム)等の無機系凝集剤や液体或いは粉体の高分子凝集剤(有機系凝集剤)を使用することができる。
上記した構成からなるオープンケーソン工法における刃口清掃方法によれば、筒状側壁2を所定深さ位置に沈設させた後、刃口2aの内側に閉塞コンクリート4のコンクリートを打設する工程に先立って、刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃する工程が行われる。
すなわち、ブラシ55を用いて清掃する場合には、掘削翼25の先端にブラシ55を装着させた後、掘削装置20を筒状側壁2の刃口2a部分に配置するとともに掘削翼25を拡縮させることで、ブラシ55を刃口2aのコンクリート打継面2bに当接させる。その後、掘削翼25を水平方向に回転させることで、刃口2aのコンクリート打継面2b上にブラシ55を摺動させ、コンクリート打継面2b上の粘性土等の土を除去する。このように、閉塞コンクリート4のコンクリート打設前に、コンクリート打継面2b上を摺動するブラシ55によってコンクリート打継面2bに付着した粘性土等の付着物が除去されるため、閉塞コンクリート4のコンクリート打設時には、コンクリート打継面2bがきれいに清掃された状態となっており、閉塞コンクリート4とその周囲の筒状側壁2との間(打継目)の水密性が向上し、当該打継目からの漏水を防止することができる。
また、噴射ノズル56からの高圧水を用いて清掃する場合には、掘削翼25の先端に噴射ノズル56を装着させた後、掘削装置20を筒状側壁2の刃口2a部分に配置するとともに掘削翼25を拡縮させることで、噴射ノズル56から噴射される高圧水が刃口2aのコンクリート打継面2bに吹き付けられるようする。その後、掘削翼25を水平方向に回転させることで、刃口2aのコンクリート打継面2bに高圧水を刃口2aの周方向に沿って吹き付けていき、コンクリート打継面2b上の粘性土等の土を除去する。このように、閉塞コンクリート4のコンクリート打設前に、コンクリート打継面2bに吹き付けられる高圧水によってコンクリート打継面2bに付着した粘性土等の付着物が除去されるため、閉塞コンクリート4のコンクリート打設時には、コンクリート打継面2bがきれいに清掃された状態となっており、閉塞コンクリート4とその周囲の筒状側壁2との間(打継目)の水密性が向上し、当該打継目からの漏水を防止することができる。
また、前記した清掃作業は、筒状側壁2の内部を掘削する掘削装置20を利用して行われる。すなわち、ブラシ55や噴射ノズル56が掘削装置20の掘削翼25の先端に装着されており、ブラシ55や噴射ノズル56は、掘削装置20の掘削翼25が回転することで刃口2aの周方向に沿って旋回移動し、コンクリート打継面2bを周方向に亘って清掃する。したがって、コンクリート打継面2bを清掃する装置を新たに用意する必要がなく、掘削装置20を利用してコンクリート打継面2bを清掃することができるため、ケーソン1を構築するために必要な設備費用を低く抑えることができる。
また、噴射ノズル56から噴射される高圧水により、刃口2aのコンクリート打継面2bを清掃するとともに、コンクリート打継面2bの表面部分を削り落としてコンクリート打継面2bを粗面にすることで、高圧水によってコンクリート打継面2bが目荒しされて凸凹の粗面となり、後から打設される閉塞コンクリート4の水中コンクリートと先に構築された刃口2a(筒状側壁2)とが一体化される。これにより、打継目の水密性を一層向上させることができるとともに、ケーソン1の構造上、閉塞コンクリート4を構造体としてみることができる。
また、上記した構成からなる掘削装置20によれば、上述したオープンケーソン工法における刃口清掃方法を実現することができる。これによって、筒状側壁2の下端を閉塞する閉塞コンクリート4とその周囲の筒状側壁2との間の打継目からの漏水を防止することができるとともに、ケーソン1を構築するために必要な設備費用を低く抑えることができる。
以上、本発明に係るオープンケーソン工法における刃口清掃方法および掘削装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記した実施の形態では、掘削翼25にブラシ55又は噴射ノズル56の何れか一方を装着させており、ブラシ55又は噴射ノズル56からの高圧水の何れか一方によりコンクリート打継面2bを清掃しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明は、ブラシ55による打継面清掃工程の後に、閉塞コンクリート4のコンクリート打設に先立って、噴射ノズル56から噴射される高圧水によってコンクリート打継面2bを清掃する工程を行ってもよい。
具体的には、上述した実施の形態の場合と同様にして、ブラシ55を用いて打継面清掃工程を行った後、掘削装置20を筒状側壁2の上方に引き上げて、掘削翼25の先端に装着されたブラシ55に代えて噴射ノズル56を装着させる。その後、掘削装置20を再び筒状側壁2の中に吊り降ろして、掘削装置20を刃口2a部分に配置させるとともに掘削翼25を拡縮させることで、掘削翼25の先端に装着された噴射ノズル56から噴射される高圧水が刃口2aのコンクリート打継面2bに吹き付けられるようにする。その後、掘削装置20に備えられた回転機構33により掘削翼25を水平方向に回転させることで、コンクリート打継面2bに高圧水を刃口2aの周方向に沿って吹き付けていき、コンクリート打継面2bを清掃する。勿論、このとき、上述した実施の形態のように、噴射ノズル56からの高圧水によってコンクリート打継面2bをグリーンカットすることも可能である。そして、噴射ノズル56からの高圧水による清掃或いはグリーンカットが終了したところで、上述した実施の形態と同様に閉塞コンクリート4のコンクリート打設を行う。
また、本発明は、ブラシ55を用いて打継面清掃工程と、噴射ノズル56から噴射される高圧水による打継面清掃工程とを同時に行ってもよい。
具体的には、複数の掘削翼25のうちの少なくとも一つにブラシ55を装着させ、残りの掘削翼25に噴射ノズル56を装着させる。これにより、ブラシ55を用いて打継面清掃工程と、噴射ノズル56から噴射される高圧水による打継面清掃工程とを同時に行うことができる。また、本発明は、1つの掘削翼25の先端にブラシ55と噴射ノズル56の両方とも装着させる構成であってもよい。
なお、上述したようにブラシ55を用いて打継面清掃工程と噴射ノズル56から噴射される高圧水による打継面清掃工程とを同時に行う場合であっても、上述した実施の形態のように、噴射ノズル56からの高圧水によってコンクリート打継面2bをグリーンカットすることも可能である。
また、上記した実施の形態では、掘削装置20による掘削工程の際には、掘削翼25にブラシ55や噴射ノズル56が装着されてなく、筒状側壁2の沈設完了後に、掘削翼25にブラシ55や噴射ノズル56を装着させているが、本発明は、ブラシ55や噴射ノズル56が掘削翼25に予め装着されていてもよい。これにより、掘削装置20を引き上げる工程や、ブラシ55や噴射ノズル56を装着させる工程や、ブラシ55や噴射ノズル56の装着後に掘削装置20を吊り降ろす工程が不要であり、工程数を減らすことができる。
また、上記した実施の形態では、掘削装置20の掘削機構21が保持機構22により筒状側壁2の内壁に支持されているが、本発明は、ケーシングパイプ24が筒状側壁2の上方まで延在され、加圧桁12上に設置された保持機構により掘削機構21が支持されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、清掃部材としてブラシ55を用いているが、本発明は、ブラシ55以外の清掃部材であってもよく、例えば、コンクリート打継面2bに略平行に当てられるケレン用のブレード部材であってもよく、その他の清掃部材であってもよい。
また、上記した実施の形態では、筒状側壁2が、プレキャストコンクリートからなる複数のロット6…が同軸上に積み上げられた構成からなるが、本発明に係る筒状側壁は、プレキャストコンクリートからなるものに限定されず、例えば、鋼製セグメントからなる筒状側壁であってもよく、或いは、現場打ちコンクリートからなる筒状側壁であってもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施の形態を説明するためのケーソンの完成形を表した鉛直断面図である。 本発明の実施の形態を説明するためのケーソンを構築するための施工設備の全体構成を表した断面図である。 本発明の実施の形態を説明するための掘削装置を表した側面図である。 本発明の実施の形態を説明するための掘削装置に備えられた掘削機構を表した平面図である。 本発明の実施の形態を説明するための刃口清掃方法を実施する際の掘削翼を表した側面図である。 本発明の実施の形態を説明するための掘削装置に備えられた保持機構を表した平面図である。 本発明の実施の形態を説明するための掘削装置に備えられた回転機構を表した平面図であり、 本発明の実施の形態を説明するための掘削装置の監視モニターの表示画面を表した図である。 本発明の実施の形態を説明するためのケーソンを構築する施工フローを表したフローチャート図である。
符号の説明
1 ケーソン
2 筒状側壁
2a 刃口
2b コンクリート打継面
20 掘削装置
28 掘削翼
55 清掃部材(ブラシ)
56 噴射ノズル

Claims (6)

  1. ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁の中心軸側から側方に突出する掘削翼を有する掘削装置を前記筒状側壁の内部に配置して前記掘削翼を水平方向に回転させることで前記筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、
    該筒状側壁の刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞する工程に先立って、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、
    前記掘削装置として、前記掘削翼が筒状側壁の径方向に拡縮自在であり、該掘削翼の先端に清掃部材が装着された掘削装置を用いて、
    該掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記清掃部材を前記刃口のコンクリート打継面に当接させ、
    その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面上に前記清掃部材を摺動させ、前記コンクリート打継面を清掃することを特徴とするオープンケーソン工法における刃口清掃方法。
  2. ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁の中心軸側から側方に突出する掘削翼を有する掘削装置を前記筒状側壁の内部に配置して前記掘削翼を水平方向に回転させることで前記筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、
    該筒状側壁の刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞する工程に先立って、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、
    前記掘削装置として、前記掘削翼が筒状側壁の径方向に拡縮自在であり、該掘削翼の先端に高圧水を噴射する噴射ノズルが装着された掘削装置を用いて、
    該掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記噴射ノズルから噴射される高圧水が前記刃口のコンクリート打継面に吹き付けられるようにし、
    その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面に前記高圧水を前記刃口の周方向に沿って吹き付けていき、該コンクリート打継面を清掃することを特徴とするオープンケーソン工法における刃口清掃方法。
  3. 請求項1記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、
    前記掘削装置として、前記掘削翼の先端に高圧水を噴射する噴射ノズルが装着された掘削装置を用いて、
    前記清掃部材により前記コンクリート打継面を清掃した後、
    前記掘削装置を前記筒状側壁の刃口部分に配置するとともに前記掘削翼を拡縮させることで、前記掘削翼の先端に装着された噴射ノズルから噴射される高圧水が前記刃口のコンクリート打継面に吹き付けられるようにし、
    その後、前記掘削翼を水平方向に回転させることで、前記刃口のコンクリート打継面に前記高圧水を前記刃口の周方向に沿って吹き付けていき、該コンクリート打継面を清掃することを特徴とするオープンケーソン工法における刃口清掃方法。
  4. 請求項2または3記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、
    前記噴射ノズルから噴射される高圧水により、前記刃口のコンクリート打継面を清掃するとともに該コンクリート打継面の表面部分を削り落として該コンクリート打継面を粗面にすることを特徴とするオープンケーソン工法における刃口清掃方法。
  5. 請求項1から4のいずれか記載のオープンケーソン工法における刃口清掃方法において、
    前記刃口のコンクリート打継面を清掃する前に、土粒子の細粒分を凝集させる凝集剤を前記筒状側壁内部の水の中に添加することを特徴とするオープンケーソン工法における刃口清掃方法。
  6. ケーソンの筒状側壁を構築するとともに、該筒状側壁内の開放された地盤を掘削して前記筒状側壁を地中に沈下させ、該筒状側壁を所定深さ位置に沈設させた後に、前記筒状側壁の刃口内側のコンクリート打継面を清掃し、その後、前記刃口の内側にコンクリートを打設して前記筒状側壁の下端を閉塞させるオープンケーソン工法に用いられる掘削装置において、
    前記筒状側壁の径方向に拡縮するとともに水平方向に回転する掘削翼が備えられ、
    該掘削翼の先端には、前記刃口のコンクリート打継面に当接されて該コンクリート打継面を清掃する清掃部材と前記刃口のコンクリート打継面に向けて高圧水を噴射する噴射ノズルとの両方または何れか一方が装着されていることを特徴とする掘削装置。
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