JP5441723B2 - 杭の施工方法 - Google Patents

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本発明は、杭の施工方法に関する。
鉄道の線路間やホーム内など、列車軌道に近接して杭を施工する場合、列車の運行が優先されるため、最終電車の通過後から始発電車の通過前までの2、3時間しか作業時間が確保できない。杭頭の上部空間には架線や屋根等が存在するため、これらを避けた低空頭(4m程度)条件下での作業となる、などの制約がある。
これらの制約を満たして杭を施工する方法として、一般的に、下記のTBH工法が採用されている。即ち、杭打機は、低空頭条件下で使用可能な小型の掘削機を使用し、杭の種類は、低空頭条件下で施工可能で、掘削途中でも掘削機の退避が可能な場所打ち杭を構築し、掘削土の排土処理方式は、広い空間を必要としないリバース方式を用いている。
しかし、場所打ち杭を構築する場合、掘削時にベントナイト泥水等の比重の小さい安定液(比重1.0〜1.1程度)を用いるため、掘削した穴壁が崩壊する危険性が高い。このため、穴壁を保護する防護対策(例えば、表層ケーシングの併用や薬液注入、地盤改良による地盤補強等)を行う必要がある。この結果、1本の杭を施工するのに多大の時間とコストを要するという問題がある。更に、鉄筋籠の建て込みやコンクリート打設などの現場作業が多いため、構築された場所打ち杭の品質が施工者の技量に左右されやすいという問題もある。
一方、穴壁の崩壊を抑制し安定した杭の品質を確保する施工方法として、既製杭を用いた中掘り工法がある。既製杭は工場で製作されるため、杭自体の品質確保が容易となる。掘削方法は、水掘り(地盤によってはベントナイト泥水)を基本とし、掘削土を泥土化しながら同時に既製杭を沈下させ、掘削土を既製杭の内部を通して既製杭の上部から排土する。泥土化された掘削土は、地盤の比重よりやや小さくなる程度であり、また、穴壁が既製杭で保護されているため、穴壁の崩壊が抑制される。
しかし、一般的に、中掘り工法で使用される掘削ヘッドのオーガ径は、既製杭の外径より小さく、掘削した杭穴に既製杭を沈下させるには、大きな力で既製杭を杭穴に押し込む必要がある。このため、大きな反力に耐え得る大型の杭打機を必要とし、空頭制限がある鉄道の線路間やホーム内などでの杭施工においては、既製杭を用いた中掘り工法が採用されることはなかった。
そこで、空頭制限がある場所で既製杭を施工する技術が提案されている(特許文献1)。
図23に示すように、特許文献1に記載の既製杭の施工方法は、杭の埋設位置が既存の橋梁98に近接し、杭頭の上部空間には床版張出部98aが存在している。このため、杭の埋設位置には杭打ち用の桟橋80が設けられ、桟橋80の上には杭の埋設位置を挟んでレール81が敷かれ、レール81の上を横移動装置86が走行可能とされている。横移動装置86は、車輪を備えた支持枠82と、支持枠82に取付けられ支持枠82と異なる方向に移動可能な移動クレーン84を有している。
この構成により、横移動装置86を移動させ、床版張出部98aを避けた位置で大型クレーン85を用いて、杭部材89を移動クレーン84に取り付けることができる。その後、横移動装置86を杭の埋設位置まで横方向に移動させれば、杭部材89を埋設中の杭部材87、88に連結できる。連結後、掘削機92で掘削ヘッド96を回転させて掘削しながら杭部材89を埋設する。掘削された掘削土は、排水管94から排出される。
これにより、空頭制限があっても既製杭を中掘り工法で施工できる。
しかし、鉄道の線路間やホーム内等では、横移動装置12を設置する場所が確保できない。
特開2006−266035号公報
本発明は、上記事実に鑑み、大型の装置を必要とせず、低空頭条件下で既製杭の施工を可能とすることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る杭の施工方法は、地盤を掘削した掘削穴にケーシングを埋設し、前記ケーシングに杭把持装置を取付け、前記ケーシングに挿入する第1の杭を前記杭把持装置に把持させた後、前記第1の杭を貫通する貫通部へ掘削ロッドを挿入し、杭打機に前記掘削ロッドを取付けて、前記掘削穴の下に、前記第1の杭より大径の縦穴を掘削する初期掘削工程と、前記掘削ロッドの下端部を前記縦穴の底面に預け、前記杭打機から前記掘削ロッドを取り外し、第2の杭と中継ぎ掘削ロッドを吊り下げて、前記掘削ロッドと前記中継ぎ掘削ロッドを接続し前記第1の杭前記第2の杭を接続した後、前記杭打機に前記中継ぎ掘削ロッドを取付けて、前記第1の杭と前記第2の杭を、前記杭打ち機に吊下げる杭継工程と、前記杭把持装置の把持を開放し、前記杭打機で、前記掘削ロッド及び前記中継ぎ掘削ロッドを降下させ、前記縦穴を掘削しながら、前記第1の杭と前記第2の杭を、前記縦穴に沈下させる杭沈下工程と、前記杭継工程と前記杭沈下工程を繰り返し、前記第1の杭の先端部が所定位置に達した、前記把持装置で、前記第1の杭に順次接続された最上部の杭を把持したまま、前記掘削ロッドで、前記縦穴を掘削しながら根固め液を注入攪拌して根固め部を形成し、前記掘削ロッドを前記貫通部から引き上げる根固め部形成工程と、前記杭把持装置の把持を開放し、前記第1の杭の先端部を前記根固め部に沈下させる杭根固め工程と、を有することを特徴としている。
このように、第1の杭より大径の縦穴を掘削することにより、大きな力で押し込まなくても第1の杭及び順次接続された第2の杭以降の杭は自重で掘削穴を沈下する。従って、杭を押し込む能力のない小型の杭打機を使用して杭施工ができる。
また、杭の最下部となる第1の杭の先端部が所定位置に達したら、根固め部を形成し、第1の杭の先端部を根固め部で固定することにより、これらの杭の支持力が確保される。
このように、大型の装置を必要とせず、低空頭条件下で杭を接続することで、所定長の杭を施工できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の杭の施工方法において、前記ケーシングの径は、前記縦穴の径より大径とされ、前記ケーシングの内部は、掘削泥土の溜まり部とされることを特徴としている。
これにより、掘削により発生した排土を、ケーシング内部の掘削泥土の溜まり部を利用して処理ができ、掘削土の排土処理に広い空間を必要としない。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の杭の施工方法において、前記中継ぎ掘削ロッドは、前記第2の杭の貫通部へ挿入された状態で、前記第2の杭の頭部に設けられた杭吊り治具へワイヤー等で連結され、前記第2の杭と共に吊下げられ前記第2の杭の下端から、前記中継ぎ掘削ロッドの下端が下方に突き出た状態で前記掘削ロッドと接続されることを特徴としている。
これにより、中継ぎ掘削ロッドを囲む第2の杭に邪魔されず、掘削ロッドと中継ぎ掘削ロッドを容易に接続できる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の杭の施工方法において、前記杭把持装置を前記ケーシングの周壁に取付け、前記第1の杭の頭部を前記杭把持装置で把持して上昇させた状態で、前記第2の杭と接続することを特徴としている。
これにより、第1の杭と第2の杭の接続位置を杭把持装置から離すことができ、接合作業が容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の杭の施工方法において、前記掘削ロッドの掘削中に使用される掘削液は、固化後、前記縦穴と前記杭の周面との周面抵抗を発揮するセメント系固定液であることを特徴としている。
これにより、掘削時には、第1の杭及び順次接続された第2の杭以降の杭の自重による沈下を確保すると共に、縦穴の壁の崩落を抑制する。また、施工後は地盤とこれらの杭を接合し杭の支持力を確保する。
本発明は、上記構成としてあるので、大型の装置を必要とせず、低空頭条件下で既製杭の施工ができる。
本発明の杭の施工方法の主要工程を示すフロー図である。 本発明の杭の施工方法に用いる杭の基本構成を示す図である。 本発明の杭の施工方法における初期掘削工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法に用いる杭把持装置の基本構成を示す図である。 本発明の杭の施工方法における初期掘削工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法に用いる共吊り装置の基本構成を示す図である。 本発明の杭の施工方法に用いる共吊り装置の基本構成を示す図である。 本発明の杭の施工方法における初期掘削工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の杭継手順を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の杭継手順を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の杭継手順を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の杭継手順を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の連結部の詳細を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭継工程の連結部の詳細を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭沈下工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭沈下工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における根固め部形成工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭根固め工程の作業内容を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭根固め工程の作業内容を示す図である。 従来例の杭の施工方法における杭の施工時間の試算例を示す図である。 本発明の杭の施工方法における杭の施工時間の試算例を示す図である。 従来例の杭の施工方法の基本構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係る杭の施工方法は、図1に示す5つの工程に従って行われる。
先ず、初期掘削工程10について説明する。
図2に示すように、本実施の形態で用いられる杭40は既製のコンクリート杭であり、外形D1、内径D2の中空円筒状とされている。内径D2は、後述する掘削ヘッド58及び掘削ロッド62が挿入される大きさとされている。
杭長L1は、杭40を埋設する施工場所の空頭高さ以下(2m前後)とされている。このため、複数の杭40を順次埋め込みながら杭継を行い、所要長さを確保する。
杭40の両端部には鋼板部27が設けられ、端面に近接して周方向に溝29が設けられている。鋼板部27には、杭の移動及び杭継時等に使用するボルト接合用の雌ネジ28が複数設けられている。また、杭40の頭部には、後述する杭把持装置38と係合される複数の突起部50が鋼板部27に取り付けられている。
最初に、図3(A)に示すように、杭40を埋設する地盤34を先行掘削し、掘削穴に掘削泥土処理用のケーシング30を埋設する。
ケーシング30は鋼製の円筒とされ、内径D3は杭40の外形D1より大きく、ケーシング30の上端面は、地盤面GLと同じ高さとされている。ケーシング30の上部は部分的に径方向に拡張され、拡張部がポンプ設置室32とされている。ポンプ設置室32には、掘削泥土を排出するポンプ(図示せず)が設置される。地盤34の下部には杭40を支持する支持層36がある。
次に、図3(B)に示すように、杭40を把持する杭把持装置38をケーシング30の上端面に設置する。
図4に杭把持装置38の詳細を示す。杭把持装置38は、ケーシング30の上端部と係合される爪部を備えた係合金具46を有している。係合金具46は杭40を囲む下段把持部材44の周壁に固定され、下段把持部材44の周壁には、更に上下方向に伸縮可能なジャッキ42の一方の端部が固定されている。
下段把持部材44は内径D4の貫通孔45を有し、貫通孔45に杭40が挿入される。貫通孔45の内径D4は突起部50の先端部を結ぶ外形より大きいため、貫通孔45に挿入された杭40は下段把持部材44を自由に通過できる。
下段把持部材44の上方には、上段把持部材48が設けられている。上段把持部材48は、下段把持部材44と同じ形状とされ、内径D4の上段貫通孔49に杭40が挿入される。これにより、貫通孔49に挿入された杭40は上段把持部材48を自由に通過できる。
上段把持部材48の周壁には、ジャッキ42の他方の端部が固定され、ジャッキ42を伸張すれば、上段把持部材48は上に持ち上げられる。
上段把持部材48の上には、径方向に分割された分割部材52が設けられている。分割部材52は、杭40の外形D1と同じ内径D1の切り欠き部を有する2つの部材からなり、径方向に配置を変更できる。これにより、分割部材52を閉じた状態で杭40の外周を密着して囲み、上部端面で突起部50と当接して杭40を把持できる。一方、分割部材52の間隔を開ければ突起部50との当接が外れ、杭40が開放される。
従って、上段把持部材48で杭40を把持したままジャッキ42を伸張すれば、上段把持部材48と杭40を同時に持ち上げることができる(図4(B)参照)。
続いて、図5(A)に示すように、杭把持装置38に第1の杭41を建て込む。ここに、第1の杭41は、杭40の中で最初に埋設される杭であり、第1の杭41の一方の端部に共吊り装置72を取付け、クレーン54で吊るして建て込む。
共吊り装置72を図6に示す。共吊り装置72は、リング部材72Aとリング部材72Bで、第1の杭41を外から囲む構成とされている。リング部材72Aとリング部材72Bの両端部には、貫通孔71を有する接合部73が設けられ、接合部73を重ねた状態で貫通孔71にピン75が挿入され、リング部材72Aとリング部材72Bが連結される。
なお、片方の接合部73は着脱可能なピン75Rで結合されており、ピン75Rの着脱で共吊り装置72が開閉可能とされている。
リング部材72Aとリング部材72Bの側壁には、第1の杭41の雌ネジ28と接合されるボルト77を挿入する長孔76が設けられている。また、リング部材72Aとリング部材72Bの側壁には、貫通孔78が設けられた吊下げ金具100が突設されている。
図7に示すように、共吊り装置72の第1の杭41への取り付け方法は、第1の杭41の片方の端部を共吊り装置72で取り囲み、第1の杭41の雌ネジ28とボルト77をボルト接合する。そして、吊下げ金具100の貫通孔78にワイヤー56を取り付ければ、第1の杭41をワイヤー56で吊るして移動できる。
このとき、第1の杭41は短尺(2m程度)とされているため、低空頭条件下でも、小型のクレーン54で吊るし、杭把持装置38まで移動できる。
そして、第1の杭41を、杭把持装置38に上から挿入して突起部50を用いて把持させる。第1の杭41を杭把持装置38で把持した後、第1の杭41から共吊り装置72を取り外す。
続いて、図5(B)に示すように、第1の杭41の内部に、地盤34を掘削する掘削ヘッド58をクレーン54で吊るして上から挿入する。そして、第1の杭41の上端面に井桁状の掘削ヘッド把持部材(図示省略)を設置し、掘削ヘッド58のフランジを把持する。このとき、フランジは第1の杭41の上端面より高くして把持される。
続いて、図8(A)に示すように、掘削ヘッド58と掘削ロッド62、掘削ロッド62と杭打機64を接続する。即ち、掘削ヘッド58の上端と掘削ロッド62の下端を接合し、掘削ロッド62の上端を、低空頭用の杭打機64の回転駆動装置(減速機)66に取付ける。なお、掘削ロッド62の長さは杭40と同じ長さL1とされている。
続いて、初期掘削14を行う。図8(B)に示すように、初期掘削14は、セメントミルクを注入しながら、減速機66で掘削ロッド62を回転させて縦穴70を掘削ロッド62の長さ分だけ掘削する。
掘削された泥土は、ポンプ室32に取り付けられたポンプ68で吸い上げられ、ホース60で汚水処理漕(図示省略)に送られる。なお、初期掘削14以後の工程が翌日以降になる場合には、固化を防ぐため、セメントミルクの代わりに掘削水を利用してもよい。
掘削された縦穴70の径D5は、第1の杭41の外形D1より2cm〜3cm以上大きくしている。これにより、第1の杭41を縦穴70に力を加えて押し込む必要がなく、自重で沈下させることができる。
この結果、大型の杭打ち機を使用することなく、低空頭条件下で第1の杭41を縦穴70に沈下させることができる。
次に、杭継工程12について説明する。
先ず、図9(A)に示すように、掘削ヘッド58の先端を縦穴70の底面に預けて、掘削ロッド62から杭打機64を取り外す。このとき、掘削ロッド62の上側フランジは杭把持装置38の上に出ており、取り外し作業が確保される。
次に、図9(B)に示すように、杭継する第2の杭74と中継ぎ掘削ロッド102を杭把持装置の上にクレーン54で吊下げて接続する。
図10に、第2の杭74と中継ぎ掘削ロッド102の吊下げ手順を示す。
図10(A)に示すように、次に埋設する第2の杭74の一方の端部に、上述した手順で共吊り装置72を取り付ける。共吊り装置72の吊下げ金具100にはワイヤー56を取り付ける。
次に、図10(B)に示すように、共吊り装置72を上にして第2の杭74を立て、中継ぎ用の中継ぎ掘削ロッド102の一方の端部にワイヤー108を取付け、ワイヤー108の他端は吊り冶具104と接続する。
次に、図10(C)に示すように、第2の杭74の内部に中継ぎ掘削ロッド102を上から挿入する。吊り冶具104は、第2の杭74の上端面に載せる。
最後に、図10(D)、図11に示すように、共吊り装置72を上にしてワイヤー56で吊り下げれば、第2の杭74と中継ぎ掘削ロッド102を同時に吊り下げることができる。このとき、中継ぎ掘削ロッド102の下端は、ワイヤー108の長さ分だけ第2の杭74の下端より低い位置になる。この状態で杭把持装置38の上まで移動させる。
図12、図13に杭継手順を示す。
図12(A)に示すように、杭継前は掘削ロッド62のフランジは、接合作業が可能な寸法だけ第1の杭41の上端面から突き出ている。
次に、図12(B)に示すように、第2の杭74と中継ぎ掘削ロッド102をクレーン54で同時に吊り下げた状態で、先に掘削ロッド62の上端と中継ぎ掘削ロッド102の下端を接合する。このとき、第1の杭41の上端と第2の杭74の下端の間には隙間Kが生じており、連結作業が妨げられることはない。
次に、図12(C)に示すように、杭把持装置38のジャッキ42を伸張して第1の杭41を持ち上げる。第1の杭41の上端と第2の杭74の下端を突き合わせた状態で、突き合わせ部を連結する。
図14、図15に連結部の詳細を示す。第1の杭41の上端面と第2の杭74の下端面を、ガイドピン110を利用して位置合せした後、3つに分割された接合部材106で周囲を囲み、外からボルト77で接合し一体化する。これにより、溶接の手間が省け、迅速に第1の杭41と第2の杭74が接合できる。
次に、図13(D)、後述する図16(A)(B)に示すように、杭継後は、クレーン54からワイヤー56を取り外し、杭把持装置38のジャッキ42を縮張して第1の杭41と第2の杭74を下げる。これにより、中継ぎ掘削ロッド104のフランジを、減速機66の接合が可能な寸法だけ第2の杭74の上端面から突き出すことができる。この状態で、吊り治具104と中継ぎ掘削ロッド104のワイヤーを取り外す。
最後に、図13(E)に示すように、後述する杭沈下工程14で、第1の杭41と第2の杭74を掘削しながら沈下させる。
次に、杭沈下工程14について説明する。
図17(A)に示すように、中継ぎ掘削ロッド104の上端を杭打機64の減速機66に接続する。そして、共吊り装置72を、第2の杭74に取り付けたまま杭打機64の減速機66のカバー部に設けた吊下げ部(図示せず)にワイヤー56で吊るす。
これにより、図17(B)に示すように、杭把持装置38を開放し、掘削ヘッド58で地盤34を掘削すれば、掘削しながら、第1の杭41より大きい径で掘削された縦穴70に、中継ぎ掘削ロッド104の長さ分だけ、吊下げ部の下降に対応させて、第1の杭41と第2の杭74を自重で沈下させることができる。
そして、第2の杭74を杭把持装置38で把持した状態で、第3の杭を上述した要領で杭継する。この杭継を、第1の杭41の先端部が支持層36に達するまで繰り返す。
このとき、掘削ロッド62の掘削中に使用される掘削液には、セメントを添加してある。これにより、掘削時には、第1の杭41及び順次接合された第2の杭74以降の杭の自重による沈下を確保すると共に、縦穴70とそれぞれの杭の周面の間を埋めて、縦穴70の壁の崩落を抑制する。
また、施工後は、第1の杭41及び順次接合された第2の杭74以降の杭を囲んで固化し、これらの杭の支持力を確保する。
なお、杭の全長が長い場合、或いは施工時間の制約等で掘削が複数日に渡る場合等には、掘削液に遅延剤を添加し、掘削液の固化を遅らせればよい。
次に、根固め部形成工程16について説明する。
図18(A)に示すように、第1の杭41の先端部が支持層36に達したら、根固め部24を形成する。第1の杭41に順次接合された杭のうち、最上部の杭112を杭把持装置38で把持し、掘削ヘッド38で支持層36を掘削して根固め部24を形成する。このとき、支持層36の先端支持力を大きくしたいときは、根固め部24の掘削径を縦穴70の掘削径より大きくする。
次に、図18(B)に示すように、根固め部24を形成した後、掘削ヘッド38を回転させながら、根固め部24に濃いセメントミルク(根固め液)118を注入する。
次に、図19(A)に示すように、濃いセメントミルク118の充填後、中継ぎ掘削ロッド102、掘削ロッド38、掘削ヘッド58を杭の貫通部から引き上げる。
次に、杭根固め工程18について説明する。
図19(B)に示すように、最上部の杭112を杭把持装置38で把持した状態で、上端部にヤットコ26を取り付ける。そして、ヤットコ26の上端を減速機66に取り付ける。
次に、図20に示すように、杭把持装置38を取り外し、減速機66で回転させながら第1の杭41の先端部を根固め部24に沈下させる。根固め部24が固化した後、ヤットコ26を取り外し、作業が完了する。
これにより、杭の下端が支持層36に固定され、支持力が確保される。
なお、杭40は、既製のコンクリート杭で説明したが、コンクリート杭に限定されることはなく、既製の鋼管杭を用いてもよい。
次に、本実施の形態の効果を杭の施工時間の比較で説明する。
図21に、従来のTBH工法で杭を施工した場合の施工時間を示す。
試算条件は、図21(A)に示すように、杭の施工場所は鉄道のホーム内とし、列車120の運行時間を避けて作業を行うため、1日の作業可能時間は3時間とした。杭の施工場所124は、列車軌道122に近接しており、杭頭Hは4mの低空頭条件とした。このため、低空頭用の杭打ち機64を使用した。
図21(B)に示すように、施工する杭は径D5が2m、長さL3が20mの場所打ち杭114とした。
図21(C)に試算結果を示す。作業項目は10項目に上り、作業時間や作業スペースの制約から、場所打ち杭114を1本施工するのに6日を要している。
図22に、本実施の形態で説明した工法で杭を施工した場合の施工時間を示す。
試算条件は、図22(A)に示すように、上述した図21(A)と全く同じ条件とした。そして、施工する杭は、図22(B)に示すように径D6が600mm、長さL4が20mの既製コンクリート杭116とした。
図22(C)に試算結果を示す。本施工方法は既製コンクリート杭116を用いることで作業が単純化され、作業項目を7項目に減らせたことから、既製杭114を1日に1本施工できる。
それぞれの杭の径から支持力を算出すると、既製コンクリート杭114を3本用いれば、場所打ち杭114と同じ支持力が確保できる。このことから、本施工方法は、従来と同じ支持強度の杭を3日で施工できといえる。
即ち、従来の6日に比べ半分の日数で杭が施工でき、大幅に施工期間が短縮できる。
更に、杭の外径よりわずかに大きい縦穴を掘削しながら、セメントミルクを注入し杭を沈下させるため、杭施工時の穴壁崩壊等による列車軌道への影響が小さい。
また、杭施工後は、杭116の先端部を根固め部128で固定するため、所定の杭支持力が確保される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、大型の装置を必要とせず、鉄道工事特有の低空頭条件下で短時間に杭の施工ができる。
10 初期掘削工程
12 杭継工程
14 杭沈下工程
16 根固め部形成工程
18 杭根固め工程
24 根固め部
30 ケーシング
34 地盤
36 支持層
38 杭把持装置
40 杭
41 第1の杭
43 貫通部
62 掘削ロッド
64 杭打機
70 掘削穴(縦穴)
72 共吊り装置
74 第2の杭
102 中継ぎ掘削ロッド
104 杭吊り治具

Claims (5)

  1. 地盤を掘削した掘削穴にケーシングを埋設し、前記ケーシングに杭把持装置を取付け、前記ケーシングに挿入する第1の杭を前記杭把持装置に把持させた後、前記第1の杭を貫通する貫通部へ掘削ロッドを挿入し、杭打機に前記掘削ロッドを取付けて、前記掘削穴の下に、前記第1の杭より大径の縦穴を掘削する初期掘削工程と、
    前記掘削ロッドの下端部を前記縦穴の底面に預け、前記杭打機から前記掘削ロッドを取り外し、第2の杭と中継ぎ掘削ロッドを吊り下げて、前記掘削ロッドと前記中継ぎ掘削ロッドを接続し前記第1の杭前記第2の杭を接続した後、前記杭打機に前記中継ぎ掘削ロッドを取付けて、前記第1の杭と前記第2の杭を、前記杭打ち機に吊下げる杭継工程と、
    前記杭把持装置の把持を開放し、前記杭打機で、前記掘削ロッド及び前記中継ぎ掘削ロッドを降下させ、前記縦穴を掘削しながら、前記第1の杭と前記第2の杭を、前記縦穴に沈下させる杭沈下工程と、
    前記杭継工程と前記杭沈下工程を繰り返し、前記第1の杭の先端部が所定位置に達した、前記把持装置で、前記第1の杭に順次接続された最上部の杭を把持したまま、前記掘削ロッドで、前記縦穴を掘削しながら根固め液を注入攪拌して根固め部を形成し、前記掘削ロッドを前記貫通部から引き上げる根固め部形成工程と、
    前記杭把持装置の把持を開放し、前記第1の杭の先端部を前記根固め部に沈下させる杭根固め工程と、
    を有する杭の施工方法。
  2. 前記ケーシングの径は、前記縦穴の径より大径とされ、前記ケーシングの内部は、掘削泥土の溜まり部とされる請求項1に記載の杭の施工方法。
  3. 前記中継ぎ掘削ロッドは、前記第2の杭の貫通部へ挿入された状態で、前記第2の杭の頭部に設けられた杭吊り治具へワイヤーで連結され、前記第2の杭と共に吊り下げられ前記第2の杭の下端から、前記中継ぎ掘削ロッドの下端が下方に突き出た状態で前記掘削ロッドと接続される請求項1又は2に記載の杭の施工方法。
  4. 前記杭把持装置を前記ケーシングの周壁に取付け、前記第1の杭の頭部を前記杭把持装置で把持して上昇させた状態で、前記第2の杭と接続する請求項2又は3に記載の杭の施工方法。
  5. 前記掘削ロッドの掘削中に使用される掘削液は、固化後、前記縦穴と前記杭の周面との周面抵抗を発揮するセメント系固定液である請求項1〜4のいずれか1項に記載の杭の施工方法。
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