JP4760425B2 - プリンタを用いた印刷におけるスタイルシートの切替 - Google Patents

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Description

この発明は、プリンタを利用した印刷にスタイルシートを適用する技術に関する。
プリンタとして、ネットワークを介してクライアントから受信した印刷メッセージに従って印刷を実行するネットワークプリンタが広く利用されている。ところで、ネットワークや無線通信技術を介してプリンタに汎用の印刷メッセージ(例えばXHTML-Print)を送信して印刷を行わせる標準規格(Standard)としては、複数のものが存在しうる。ここで、「汎用の印刷メッセージ」とは、プリンタの機種に依存した印刷制御信号ではなく、機種に依存せずに印刷対象物を記述するメッセージを意味する。また、「標準規格」とは、公的な規格に限らず、事実上の標準や、企業団体によって制定された規格も含んでいる。異なる標準規格では、印刷物の標準的なレイアウト(文字の大きさ、位置揃え、フォント等)が互いに異なる場合がある。また、標準的なレイアウトが異なる印刷物は、観察者に異なる印象を与える。従って、プリンタで印刷を行う際にどの標準規格に準拠するかは、印刷物の見栄えに多大な影響を与えることがある。
特開2004−345089号公報
しかし、従来は、このような複数の標準規格による印刷物のレイアウトの違いは考慮されていないのが実情であった。
本発明は、プリンタにおいて複数の標準規格による印刷物のレイアウトの違いを印刷物に正しく反映することのできる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一形態によるプリンタは、
外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタであって、
前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する印刷制御部を備え、
前記印刷メッセージは、前記外部装置が印刷仕様を指定し印刷ジョブの作成を前記プリンタに要求するSOAPメッセージを含み、
前記所定の記述は、前記SOAPメッセージ内のドキュメントフォーマット要素の記述である
また、本発明の他の形態によるプリンタは、
外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタであって、
前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する印刷制御部を備え、
前記印刷メッセージは、印刷対象を記述したXML文書によるマークアップ言語文書を含み、
前記所定の記述は、前記マークアップ言語文書内のXML宣言のエンコーディング属性であることを特徴とする。
このプリンタによれば、外部装置から受信した印刷メッセージの記述やその受信経路に基づいて適切な標準スタイルシートを選択するので、複数の標準規格による印刷物のレイアウトの違いを印刷物に正しく反映することが可能である。
なお、前記印刷メッセージは、印刷仕様を指定する印刷仕様メッセージと、印刷対象を記述したマークアップ言語文書とを含み、
前記印刷制御部は、前記印刷仕様メッセージ内の所定の記述から、前記印刷に使用すべき標準スタイルシートを決定するものとしてもよい。
また、前記印刷仕様メッセージは、前記外部装置が印刷ジョブの作成を前記プリンタに要求するSOAPメッセージであり、
前記印刷仕様メッセージ内の前記所定の記述は、前記SOAPメッセージ内のドキュメントフォーマット要素の内容であるものとしても良い。
この構成によれば、本来はマークアップ言語文書がどのようなバージョンで作成されたものであるかを示すドキュメントフォーマット要素の内容から、印刷時に使用する標準スタイルシートを決定することが可能である。
あるいは、前記印刷メッセージは、印刷仕様を指定する印刷仕様メッセージと、印刷対象を記述したマークアップ言語文書とを含み、
前記印刷制御部は、前記マークアップ言語文書内の所定の記述から、前記印刷に使用すべき標準スタイルシートを決定するものとしてもよい。
また、前記マークアップ言語文書は、XML文書であり、
前記マークアップ言語文書内の前記所定の記述は、XML宣言のエンコーディング属性であるものとしてもよい。
この構成によれば、本来はマークアップ言語文書がどのような文字コードで記述されているかを示すエンコーディング属性の内容から、印刷時に使用する標準スタイルシートを決定することが可能である。
なお、上記プリンタは、
外部装置からの要求に応じてサービスを実行する1つ以上のサービスデバイスとしてのプリンタデバイスと、
前記印刷制御部を含み、前記サービスデバイスの制御を行うデバイス制御部と、
メッセージヘッダとメッセージボディとを有するメッセージを、前記プリンタが接続されているネットワーク上のクライアントから受信するとともに、前記メッセージボディの内容を前記デバイス制御部に転送するネットワークプロトコル制御部と、
を備えるものとしてもよい。
この構成によれば、ネットワークプロトコル制御部が、サービスデバイスの構成とサービスの内容を把握する必要が無く、任意の構成を有するサービスデバイス宛に送られたメッセージをデバイス制御部に転送することができる。また、サービスデバイスの構成やサービスの内容が変更されても、ネットワークプロトコル制御部の構成や機能を変更する必要が無いという効果がある。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.用語の説明:
B.システムの概要:
C.第1実施例:
D.第2実施例:
E.第3実施例:
F.変形例
A.用語の説明:
以下の説明で使用する用語の意味は以下の通りである。
・DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol):ダイナミックホストコンフィギュレーションプロトコル。動的にIPアドレスを割り当てるプロトコル。
・GENA(General Event Notification Architecture):一般イベント通知アーキテクチャ。UPnPアーキテクチャにおいてイベントを発行する際に使用される。
・HTTP(HyperText Transfer Protocol):ハイパーテキスト転送プロトコル。
・HTTPMU(HTTP Multicast over UDP):UDP(User Datagram Protocol)を用いたHTTPマルチキャスト。
・HTTPU(HTTP(unicast) over UDP):UDPを用いたHTTPユニキャスト。
・MFP(Multi Function Peripheral):複数のデバイスの機能を有する複合周辺装置。
・SOAP(Simple Object Access Protocol):シンプルオブジェクトアクセスプロトコル。UPnPアーキテクチャにおいて、RPC(リモートプロシージャコール)によるアクションの要求とレスポンスとに使用される。
・SSDP(Simple Service Discovery Protocol):シンプルサービス検出プロトコル。UPnPアーキテクチャにおいて、サービスのディスカバリ(検出)に使用される。
・UPnP(Universal Plug and Play):ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnPは UPnP Implementers Corporationの商標)。
・URI(Uniform Resource Identifier):ユニフォームリソース識別子。URL(Uniform Resouce Locator)の上位概念であり、リソースの固有の位置を示す識別子。
・XHTML(eXtensible HyperText Markup Language):拡張ハイパーテキストマークアップ言語。HTMLと互換性を有する文書記述言語の一種であり、XMLの実装の一形態である。後述するXHTML−printは、XHTML文書を印刷するための仕様である。
・XML(eXtensible Markup Language):拡張マークアップ言語。
なお、UPnPでは上述した多数のプロトコルが使用されるが、以下ではこれらを総称して「UPnPプロトコル」と呼ぶ。
B.システムの概要:
図1は、本発明の実施例を適用するネットワークシステムの構成を示す概念図である。このネットワークシステムは、パーソナルコンピュータ100と、デジタルカメラ110と、TVセット120と、画像サーバ130と、複合機200とがLANを介して相互に接続された構成を有している。LANは、IEEE802.3のような有線ネットワークでも、IEEE802.11b/g/aなどの無線ネットワークでもよい。デジタルカメラ110と、TVセット120と、複合機200とは、UPnP対応のネットワーク装置である。デジタルカメラ110とTVセット120は、UPnPアーキテクチャにおけるコントロールポイント110C,120Cを備えている。UPnPアーキテクチャ及びコントロールポイントについては後述する。パーソナルコンピュータ100と画像サーバ130もこのネットワークシステムの構成要素の1つであるが、UPnPには対応していない。
パーソナルコンピュータ100は、プリンタドライバ100Dを用いて画像の印刷データを作成し、LANを介してこの印刷データを複合機200に転送して印刷を実行させる機能を有している。この印刷処理の際には、複合機200はUPnPのプロトコルを使用せず、通常のネットワークプリンタとして機能する。一方、コントロールポイント(例えば110C)からの要求に従って印刷を行う場合には、複合機200はUPnP対応のプリンタデバイスとして機能する。
複合機200は、MFPサーバ300と、MFPデバイスユニット400とを有している。MFPサーバ300は、LAN上の他の装置とMFPデバイスユニット400との間で交換されるメッセージを仲介するネットワークプロトコル制御部302としての機能を有している。後述するように、MFPサーバ300は、典型的な場合において、メッセージの転送の際にメッセージヘッダに関してUPnPのプロトコルを解釈するが、メッセージボディの解釈や処理は行わない。MFPデバイスユニット400は、3つのサービスデバイス(プリンタ404,スキャナ406,ストレージ408)と、これらを制御するデバイス制御部402とを備えている。なお、プリンタ404,スキャナ406,ストレージ408以外のサービスデバイスを追加することも可能である。MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400との間は、USB(Universal Serial Bus)で接続されている。但し、両者の間をUSB以外の他の物理的インタフェースで接続することも可能である。
UPnPは、ネットワーク装置を任意のタイミングでネットワークに接続したり、ネットワークから切断したりすることを実現するアーキテクチャである。UPnPネットワークは、コントロールポイント110C,120Cと、デバイス404,406,408とで構成される。ここで、「デバイス」とは、サービスを提供する装置を意味している。本明細書においては、特に断らない限り、「デバイス」と「サービスデバイス」は同義語として使用されている。「コントロールポイント」は、ネットワーク上の他のデバイスを検出したり制御したりするコントローラを意味しており、サービスデバイスに対するクライアントとして機能する。UPnP対応のネットワーク装置が有する各種の機能については後述する。
図2は、複合機200の内部構成を示すブロック図である。MFPサーバ300は、中央制御部(CPU)310と、RAM320と、ROM330と、ネットワーク制御部340と、USBホスト制御部350とを有している。ネットワーク制御部340は、コネクタ342を介して有線ネットワークに接続される。USBホスト制御部350は、ルートハブ352を有しており、ルートハブ352には2つのUSBコネクタ354,356が設けられている。第1のUSBコネクタ354は、USBケーブルを介してMFPデバイスユニット400のUSBコネクタ462に接続されている。第2のUSBコネクタ356には、追加のデバイス(例えば無線LANネットワークへ通信するための無線通信回路)を接続可能である。
MFPデバイスユニット400は、中央制御部(CPU)410と、RAM420と、ROM430と、印刷エンジン440と、スキャナエンジン450と、2つのUSBデバイス制御部460,470と、PCカードインタフェース480と、操作パネル制御部490と、ビューワ制御部500と、USBホスト制御部510とを有している。
印刷エンジン440は、与えられた印刷データに応じて印刷を実行する印刷機構である。本実施例では、コントロールポイント110C,120CがXHTMLデータに基づいて印刷を行う場合には、中央制御部410がXHTMLデータを解釈し、色変換やハーフトーン処理を実行して印刷データを作成し、この印刷データを印刷エンジン440に供給する。但し、中央制御部410の代わりに印刷エンジン440が色変換やハーフトーン処理の機能を有するように構成することも可能である。一方、パーソナルコンピュータ100から印刷を行う場合は、プリンタドライバ100Dが生成するページ記述言語を中央制御部410が解析して印刷データを作成し、印刷エンジン440に供給する。なお、本明細書において、「印刷データ」とは印刷媒体上におけるドットの形成状態を示すドットデータによって印刷物を表すデータを意味している。印刷データは、プリンタ固有の制御コマンドで構成されている。XHTMLは、印刷データには該当せず、文書を記述する文書記述言語である。スキャナエンジン450は、画像をスキャンして画像データを生成する機構である。
MFPデバイスユニット400の第1のUSBデバイス制御部460は、USBコネクタ462を介してMFPサーバ300のUSBホスト制御部350に接続されている。第2のUSBデバイス制御部470は、USBコネクタ472を有しており、ここにパーソナルコンピュータなどの任意のUSBホストを接続することが可能である。PCカードインタフェース480は、PCカード用のスロット482を有している。操作パネル制御部490には、入力手段としての操作パネル492が接続されている。ビューワ制御部500には、画像表示手段としてのビューワ502が接続されている。ユーザは、ビューワ502上に表示された画像やメニューを観察しながら、操作パネル492を用いて種々の指示を入力することができる。USBホスト制御部510は、ルートハブ512を有しており、ルートハブ512にはUSBコネクタ514が設けられている。このコネクタ514には、有限責任中間法人カメラ映像機器工業会が策定したCIPA DC−001−2003などに準拠したデジタルカメラなどのUSBデバイスを接続することが可能である。
MFPサーバ300の中央制御部310とネットワーク制御部340とUSBホスト制御部350は、図1におけるネットワークプロトコル制御部302としての機能を実現する。より具体的には、ネットワーク制御部340は、各種のネットワークプロトコルに従ってメッセージの送受信を行う。また、中央制御部310は、UPnPのプロトコルを解釈して転送先を決定する。USBホスト制御部350は、MFPデバイスユニット400との間でメッセージを転送する。これらの制御部310,340,350は、メッセージボディの解釈や処理は行わずにメッセージを転送している。
MFPデバイスユニット400のUSBデバイス制御部460及び中央制御部410は、図1におけるデバイス制御部402としての機能を実現する。より具体的には、USBデバイス制御部460は、USBの転送プロトコルに従ってメッセージの送受信を行う。また、中央制御部410は、MFPサーバ300を介して転送されたメッセージの内容を解釈し、メッセージの内容に応じた処理を実行して、印刷エンジン440やスキャナエンジン450を動作させる。印刷エンジン440は図1のプリンタ404のハードウェア部分に相当し、スキャナエンジン450は図1のスキャナ406のハードウェア部分に対応する。また、PCカードインタフェース480のスロット482に挿入されたメモリカードは、図1のストレージ408のハードウェア部分に相当する。
図3は、MFPサーバ300の各種のプロトコルの階層構造を示すブロック図である。MFPサーバ300は、各種のネットワークプロトコルを解釈するためのサービスプロトコル解釈部1000を備えている。このサービスプロトコル解釈部1000には、ネットワークアーキテクチャの下位層と、USBアーキテクチャの下位層とが存在する。ネットワークアーキテクチャの下位層としては、UPnPデバイスアーキテクチャ1100と、3つの非UPnPデバイス機能部1210,1220,1230が設けられている。これらのさらに下位には、UDP層又はTCP層と、インターネットプロトコル(IP)層と、ドライバ層と、ネットワークインタフェース層と、が存在する。
サービスプロトコル解釈部1000のUSBアーキテクチャの下位層としては、D4パケット処理部1300及びUSBプリンタクラスドライバ1310と、USBスキャナクラスドライバ1320と、USBストレージクラスドライバ1330とが設けられている。これらの3つのデバイスドライバ1310,1320,1330の下位には、USBシステムソフトウェアとUSBホストインタフェース(ハードウェア)とが存在する。なお、この図からも理解できるように、USBのプリンタクラスドライバ1310は、いわゆる「D4パケット」(IEEE1284.4に即したパケット構造)を利用してデータ転送を行うのに対して、スキャナクラスドライバ1320やストレージクラスドライバ1330ではD4パケットは利用されていない。この理由は、標準的なUSBのデバイスクラスのうちで、プリンタクラスではD4パケットが上位プロトコルとして採用されているが、スキャナクラス及びストレージクラスでは、D4パケットを用いない制御スタック(アプリケーション層から物理層に至るまでのアーキテクチャ)がOSの標準となっているからである。
UPnPデバイスアーキテクチャは、HTTPMUや、HTTPU,SOAP/HTTP,HTTPなどの各種のプロトコルに従って構成されている。UPnPは、これらのプロトコルを用いて、以下のような各種の処理を実現している。
(1)アドレッシング:
UPnPデバイス(以下、単に「デバイス」と呼ぶ)がネットワークに接続すると、アドレッシングによってネットワークアドレス(IPアドレス)を取得する。アドレッシングには、DHCPサーバまたはAuto-IPが利用される。ネットワークにDHCPサーバが設けられている場合には、デバイスはDHCPサーバによって割り当てられるIPアドレスを使用する。DHCPサーバが無い場合には、Auto-IPと呼ばれる自動IPアドレッシング機能を用いて、デバイスが自分のアドレスを決定する。なお、本実施例では、複合機200に対して1つのIPアドレスのみが割り当てられ、複合機200全体が単一のネットワーク装置として認識される。
(2)ディスカバリ(検出):
ディスカバリは、コントロールポイントが、デバイスがどこにいるかを見つけ出す処理である。ディスカバリは、コントロールポイントがディスカバリメッセージをマルチキャストすることによって実現することができ、あるいは、デバイスがネットワークに参加したときに、その旨をコントロールポイントにアドバタイズすることによっても実現できる。ディスカバリは、HTTPMU/SSDPやHTTPU/SSDPを用いて行われる。ディスカバリの結果、コントロールポイントとデバイスがピアツーピアで処理を進められるようになる。
(3)ディスクリプション:
デバイスの構成の詳細は、デバイスディスクリプションとしてXMLで記述されている。また、デバイスのサービスの詳細は、サービスディスクリプションとしてXMLで記述されている。これらのディスクリプションは、デバイスによって所有されており、コントロールポイントに提供される。コントロールポイントは、これらのディスクリプションを参照することによって、デバイスやサービスの詳細を知ることができる。デバイスディスクリプションの例については後述する。
(4)コントロール:
コントロールは、コントロールポイントが、アクション要求を含む制御メッセージをデバイスに転送して、デバイスの制御を行う処理である。コントロールは、HTTP/SOAPを用いて行われる。
(5)イベント:
所定のイベントが発生すると、デバイス内のサービスが、コントロールポイントにイベントの発生を通知する。イベント発生の通知を受けるコントロールポイントは、そのサービスに「サブスクライブ(購読)」する。イベントは、サブスクライブしているコントロールポイントに転送される。イベントの通知は、HTTP/GENAを用いて行われる。
(6)プレゼンテーション:
プレゼンテーションは、デバイスディスクリプションに登録されているプレゼンテーション用のURLからコントロールポイントがHTMLで記述されたプレゼンテーション用ページを取得する処理である。このプレゼンテーションによって、例えばコントロールポイントがデバイスの各種の状態を表示することができる。
なお、本発明はUPnPの将来のバージョンにも適用可能である。また、ネットワーク型プラグアンドプレイとして、アドレッシング(自動的なIPアドレス決定)と、デバイスのディスカバリにより、任意のコントロールポイントとデバイスとがピアツーピアで通信が可能で、コントロールポイントとデバイスがメッセージの交換を行うアーキテクチャであれば、UPnP以外のネットワーク型プラグアンドプレイ仕様にも本発明を適用することが可能である。
図4は、MFPデバイスユニット400の各種プロトコルの階層構造を示すブロック図である。MFPデバイスユニット400は、UPnPデバイス機能部2400と、3つの非UPnPデバイス機能部2210,2220,2230とを有している。UPnPデバイス機能部2400は、3つのUPnPデバイスモジュール(図1のプリンタ404,スキャナ406,ストレージ408)を含んでいる。各デバイスモジュール内には、サービスを実行するサービスモジュールが含まれているが、ここでは図示が省略されている。UPnPデバイス機能部2400と非UPnPプリンタ機能部2210の下位には、D4パケット処理部2300及びUSBプリンタクラスドライバ2310が存在する。非UPnPスキャナ機能部2220及び非UPnPストレージ機能部2230の下位には、USBスキャナクラスドライバ2320とUSBストレージクラスドライバ2330が存在する。3つのデバイスドライバ2310,2320,2330の下位には、USB論理デバイスとUSBデバイスインタフェース(ハードウェア)とが存在する。この階層構造からも理解できるように、UPnPスキャナデバイスやUPnPストレージデバイスがコントロールポイントに対してサービスを行う場合には、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400間では、USBプリンタクラスドライバ2310を利用してデータ転送が行われる。従って、UPnPスキャナデバイスやUPnPストレージデバイス用のデータ転送の際にも、D4パケットを利用することができる。
図4に示すように、MFPサーバ300のUSBプリンタクラスドライバ1310とMFPデバイスユニット400のUSBプリンタクラスドライバ2310の間には、7種類のUPnP用双方向通信チャンネルが設けられている。これらは、D4パケットを用いた論理チャンネルであり、複合機200がUPnPデバイスとして機能する場合に使用される。サービスプロトコル解釈部1000とUPnPデバイス機能部2400の間にも、プリンタクラスドライバ1310,2310の間の7種類の論理チャンネルに対応する7種類のUPnP用論理チャンネルが存在するが、図4では図示が省略されている。以下ではまず、D4パケットを用いた論理チャンネルについて説明する。
図5は、USBのインタフェース/エンドポイント構成と論理チャンネルの構成とを示す説明図である。一般に、USBデバイスは、インタフェースとエンドポイントとを有している。USBの転送は、USBのホストとエンドポイントとの間で行われる。すなわち、「エンドポイント」とは、ホストと通信を行う論理的なリソースである。図5(A)の例では、7つのエンドポイントEP#0〜EP#6が示されている。コントロールエンドポイントEP#0は、標準デバイスリクエストの送受信を行うためのエンドポイントである。「標準デバイスリクエスト」とは、すべてのUSBでサポートする必要がある基本的なリクエストである。従って、コントロールエンドポイントEP#0は、1つのUSBデバイスに必ず1つ設けられている。
プリンタ用のバルクアウトエンドポイントEP#1とバルクインエンドポイントEP#2は、印刷エンジン440用のメッセージの受信と送信を行うためのエンドポイントである。同様に、スキャナ用のバルクアウトエンドポイントEP#3とバルクインエンドポイントEP#4は、スキャナエンジン450用のメッセージの受信と送信を行うためのエンドポイントである。また、ストレージ用のエンドポイントEP#5,EP#6は、メモリーカード用のメッセージの受信と送信を行うためのエンドポイントである。一般に、USBデバイスでは、コントロールエンドポイントEP#0以外のエンドポイントは、論理的なインタフェースによって区分されている。図5(A)の例では、論理的なインタフェースとして、プリンタインタフェースIF#0とスキャナインタフェースIF#1とストレージインタフェースIF#2とが設けられている。
本実施例では、図5(B)に示すように、プリンタインタフェースIF#0に9つの論理的なチャンネルが設けられている。これらの各チャンネルの機能は以下の通りである。
(1)PRINT-DATAチャンネルCH#11:
ネットワーク上のパーソナルコンピュータ100から、印刷ポート(LPRポートに従ったポート番号又はボート番号9100)を用いてプリンタドライバ100D(図1)から転送される印刷データの送受信を行うためのチャンネル。図4には図示されていない。
(2)PRINT-STATUSチャンネルCH#12:
MFPサーバ300が、印刷エンジン440の状態を示す情報を送受信するためのチャンネルであり、SNMP等のプロトコルにより、MFPサーバ300からネットワーク上のパーソナルコンピュータ100に対して提供される。図4には図示されていない。
(3)UPNP-LOCALCONTROLチャンネルCH#21:
MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400の間において、MFPサーバ300を要求者とし、MFPデバイスユニット400を応答者とする通信を行うためのUPnP用チャンネル。MFPサーバ300は、このチャンネルを用いて、MFPデバイスユニット400から各種の情報を取得することができる。
(4)UPNP-LOCALEVENTチャンネルCH#22:
MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400の間において、MFPデバイスユニット400を要求者とし、MFPサーバ300を応答者とする通信を行うためのUPnP用チャンネル。MFPデバイスユニット400は、このチャンネルを用いて、例えばユーザが行った設定変更の内容をMFPサーバ300に通知することができ、また、MFPデバイスユニット400が電源OFFしようとするときに、UPnPプロトコルの終了要求をMFPサーバ300に通知することができる。
(5)UPNP-PRESENTATIONチャンネルCH#23:
UPnPのプレゼンテーションデータ(Webページデータ)を送受信するためのチャンネル。なお、コントロールポイントの要求に応じてプレゼンテーションデータをMFPデバイスユニット400からコントロールポイントに送信するためのチャンネル(ダウンチャンネル)と、新たなプレゼンテーションデータをコントロールポイントからMFPデバイスユニット400にアップロードするためのチャンネル(アップチャンネル)とを別々に設けるようにしてもよい。
(6)UPNP-CONTROLチャンネルCH#24:
UPnPにおいて、コントロールポイントから発信されたアクションに関連するデータを送受信するためのチャンネル。なお、上述のUPNP-LOCALCONTROLチャンネルに”LOCAL”という接頭語が付されている理由は、UPNP-LOCALCONTROLチャンネルが、コントロールポイントからのアクションの内容の転送には使用されないからである。換言すれば、UPNP-CONTROLチャンネルCH#24は、コントロールポイントから発信されたアクションに関連するデータの送受信のためにのみ使用される。
(7)UPNP-EVENTチャンネルCH#25:
UPnPにおいて、イベントをサブスクライブしているコントロールポイントに送信するためのチャンネル。上述のUPNP-LOCALEVENTチャンネルに”LOCAL”という接頭語が付されている理由は、このUPNP-LOCALEVENTチャンネルが、コントロールポイントへのイベントの送信には使用されないからである。換言すれば、UPNP-EVENTチャンネルCH#25は、複合機200で発生したイベントをコントロールポイントに送信するためにのみ使用される。
(8)UPNP-DOWNCONTENTxチャンネルCH#26x:
UPnPにおいて、コンテンツデータをコントロールポイントからMFPデバイスユニット400にダウンロードする際に使用される送受信チャンネル。ここで、接尾辞”x”は、Ndown個(Ndownは2以上の整数)のUPNP-DOWNCONTENTチャンネルのうちのx番目のチャンネルを意味している。利用可能なUPNP-DOWNCONTENTチャンネルの個数Ndownは、1以上の任意に設定可能であるが、2以上の値に設定することが好ましい。Ndownを2以上の値に設定すれば、複数のコントロールのコンテンツデータを並行して受信することが可能である。
(9)UPNP-UPCONTENTxチャンネルCH#27x:
UPnPにおいて、コンテンツデータをMFPデバイスユニット400からコントロールポイントにアップロードする際に使用される送受信チャンネル。接尾辞”x”は、Nup個(Nupは2以上の整数)のUPNP-UPCONTENTチャンネルのうちのx番目のチャンネルを意味している。UPNP-DOWNCONTENTxチャンネルの個数NdownとUPNP-UPCONTENTxチャンネルの個数Nupは、同じでも良く、また、異なっていてもよい。なお、実際の図5(B)のUPnP用の論理チャンネルの数は、(5+Ndown+Nup)個となることが理解できる。
なお、各論理チャンネルは、いずれもバルクアウトエンドポイントEP#1とバルクインエンドポイントEP#2の両方を利用して双方向通信を行うことができる。論理チャンネルの識別情報は、USBパケットのヘッダに登録される。
図6は、プリンタインタフェースIF#0を介したUSB転送に用いられるD4パケットの構成を示す説明図である。これは、IEEE1284.4に即したパケット構造である。このD4パケットは、12バイトのヘッダ部と、0バイト以上のメッセージ部から構成されている。ヘッダ部は、6バイトのD4標準ヘッダと、4バイトのIDフィールドと、2バイトのエラーコードフィールドとを有している。D4標準ヘッダには、図5(B)に示した9種類の(7+2N)個の論理チャンネルを識別するためのソケットID(論理チャンネルID)が登録される。IDフィールドには、リクエストIDが登録される。このリクエストIDは、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400との間のデータ転送(特にUPNP-DOWNCONTENTxやUPNP-UPCONTENTxチャンネル)において、同じメッセージを構成するパケットを識別するために使用される。なお、リクエストIDは、MFPサーバ300が割り当てる場合と、MFPデバイスユニット400が割り当てる場合とが存在する。従って、リクエストIDには、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400のいずれが割当てたかを一意に識別できるビット(例えば最上位ビット)を設けておくことが好ましい。
D4パケットでは、ヘッダ部を利用して多様な論理チャンネルを構成できるので、多様な論理チャンネルを用いて多様なデータ転送を実現することが可能である。また、D4標準ヘッダ以外のヘッダ情報をある程度任意に設定することができるので、各種の制御を実行するための工夫の自由度が高いという利点がある。
本実施例のD4パケットを用いてリクエストを転送する場合には、エラーフィールドの後のメッセージの先頭(「メッセージヘッダ」とも呼ぶ)には、メッセージの送り元から送り先(受け手)へ通知するURI(通常は相対URI)が付加される。メッセージの受け手は、このURIから、リクエストの内容や宛先を容易に判定することが可能である。なお、D4パケットのメッセージの具体的な内容については後述する。
図5(B)に示したように、本実施例では、USB転送用の論理チャンネルとして、印刷ポート用の論理チャンネルCH#11〜CH#12と、UPnP用の論理チャンネルCH#21〜CH#27xとを別個に設けている。従って、ネットワーク印刷ポートを介してMFPデバイスユニット400に転送されてくる印刷データと、UPnP用のポートを介してMFPデバイスユニット400に転送されてくるコンテンツデータ(例えば印刷用のXHTMLデータ)とを容易に識別することができる。また、本実施例では、UPnPプロトコルによるメッセージのUSB転送のために、用途の異なる複数の論理チャンネルCH#21〜CH#27xを設けているので、メッセージの受信側において、メッセージの内容の処理をより高速に処理することが可能である。特に、本実施例ではコントロールポイントとの間の通信の際に利用される論理チャンネルCH#23〜CH#27xの他に、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400との間のローカルな情報の転送に使用される論理チャンネルCH#21,CH#22が別個に設けられている。従って、例えばクライアント(コントロール)から送られたメッセージと、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400との間で通知される特定の情報とを容易に区別して、それぞれに適した処理を素早く実行することが可能である。
図7は、UPnPアーキテクチャを利用した処理の典型例を示すシーケンス図である。ここでは、コントロールポイント110Cと、MFPサーバ300と、MFPデバイスユニット400の間でメッセージが転送される場合を示している。ステップ[1]では、コントロールポイント110CがHTTPのリクエストメッセージF1をMFPサーバ300に転送する。メッセージF1のヘッダには、リクエスト命令のメソッド(POSTやGETなど)と、MFPデバイスユニット400内の宛先を示すURIと、複合機200のホスト名(この例ではIPアドレス”169.254.100.100”)とが記述されている。なお、IPアドレスは、複合機200に1つだけば割り当てられるので、このIPアドレスは、MFPサーバ300のIPアドレス又はMFPデバイスユニット400のIPアドレスと考えることも可能である。
ステップ[2]では、MFPサーバ300が、リクエストメッセージF1を解析する。ここで解析(解釈)されるのは、メッセージF1のヘッダ部分だけであり、送信データ(すなわちメッセージボディ)の内容の解釈は行わない。より具体的には、ステップ[2]において、メッセージF1のURIが解析され、MFPデバイスユニット400に対してどの論理チャンネルを用いてメッセージを転送すべきかが判定される。なお、メッセージF1には、実質的なメッセージボディが無いものも存在する。
ステップ[3]では、MFPサーバ300が、URIとメッセージボディ(存在する場合)とを含むメッセージF2を、USBでMFPデバイスユニット400に転送する。この転送の際には、URIに応じて選択された論理チャンネルが利用される。
ステップ[4]では、MFPデバイスユニット400が、受信したメッセージF2内のURI及びメッセージボディ(存在する場合)に応じて処理を実行する。この例については後述する。ステップ[5]では、MFPデバイスユニット400が、レスポンスデータを含むメッセージR1をUSBでMFPサーバ300に転送する。ステップ[6]では、MFPサーバ300が送信データにHTTPヘッダを付加する。このHTTPヘッダは、HTTPリクエストの処理結果を示すステータスコードを含んでいる。例えば、処理結果がOKであればステータスコードが”200”に設定され、エラーであれば”500”に設定される。ステップ[7]では、こうして作成されたHTTPのレスポンスメッセージR2がMFPサーバ300からコントロールポイント110Cに転送される。
このように、本実施例では、MFPサーバ300は、コントロールポイントから受信したリクエストメッセージのうちで、ヘッダの解析(解釈)は行うが、メッセージボディの内容の解釈は行わず、メッセージボディはMFPデバイスユニット400によって処理される。この構成には以下のような利点がある。第1の利点は、MFPサーバ300が、MFPデバイスユニット400のデバイス構成とサービスの内容を把握する必要が無く、任意の構成を有するデバイスユニット宛に送られたメッセージを転送するためのネットワークプロトコル制御部として機能することができる点である。第2の利点は、MFPデバイスユニット400のデバイス構成やサービスの内容が変更されても、MFPサーバ300の構成や機能を変更する必要が無い点である。第3の利点は、MFPサーバ300にメッセージボディの内容の解釈を行う解釈部(パーサ)を実装する必要が無いので、MFPサーバ300の構成が単純で済む点である。
C.第1実施例:
図8は、第1実施例におけるデバイス制御部402の内部構成と処理内容を示すブロック図である。ここでは、プリンタデバイス404(図1)を制御するための構成のみが示されており、スキャナデバイス406及びストレージデバイス408を制御するための構成は図示が省略されている。
デバイス制御部402は、プロトコル処理モジュール600と、印刷デバイス制御モジュール610と、レイアウトモジュール620と、XHTML-Print制御モジュール630とを備えている。プロトコル処理モジュール600は、印刷ジョブメッセージPJMと、ユーザインタフェース入力UIIとを受信して、印刷デバイス制御モジュール610にこれらのメッセージを転送する。印刷ジョブメッセージPJMは、ネットワークを介してクライアント(コントロールポイント)から受信されるメッセージであり、プリンタデバイス404で印刷を行う際に利用される。本実施例では、印刷ジョブメッセージPJMは、印刷ジョブの作成要求メッセージと、印刷対象文書を記述したXHTML-Printドキュメントとを含んでいる。これらの内容については後述する。ユーザインタフェース入力UIIは、複合機200の操作パネル492(図2)を用いてユーザによって入力された各種の印刷設定値である。なお、プロトコル処理モジュール600は、スキャナデバイス用のメッセージやストレージデバイス用のメッセージを各デバイス用の制御モジュール(図示せず)に転送する機能も有している。
印刷デバイス制御モジュール610は、プロトコル処理モジュール600から転送された各種のメッセージに基づいて印刷処理の制御を行う。より具体的には、印刷デバイス制御モジュール610は、XHTML-Printドキュメントをレイアウトモジュール620に転送し、印刷制御データをXHTML-Print制御モジュール630に転送する。印刷制御データは、用紙サイズや、用紙種類、印刷命数などの印刷設定値(「印刷仕様」又は「印刷条件」とも呼ぶ)を含むデータである。
レイアウトモジュール620は、印刷デバイス制御モジュール610からXHTML-Printドキュメントを受信し、XHTML-Printドキュメントの解釈を行うとともに、印刷対象文書のレイアウトを決定する。なお、印刷対象文書のレイアウトという用語は、典型的には、文字の大きさと、文字の色と、文字の位置揃え(左端揃え、中央揃え、右端揃えなど)と、使用するフォントとを含んでおり、印刷される文字の体裁(スタイル)を意味している。印刷物のレイアウトを決定する際には、複数の標準スタイルシート622の中から適切なものが選択されて使用される。標準スタイルシート622は、XHTML-Printドキュメントの印刷に関する複数の標準規格(後述する)にそれぞれ対応付けられたものであり、予め準備されてデバイス制御部402内に格納されている。レイアウトモジュール620は、XHTML-Print制御モジュール630から印刷設定値を受信し、その設定値に応じて印刷データを作成するとともにプリンタデバイス404に出力する。なお、デバイス制御部402内の各構成要素間のデータの転送内容については更に後述する。
図9,図10は、第1実施例におけるXHTMLデータを利用した印刷手順を示すシーケンス図である。図9のステップ[1]では、コントロールポイント110Cが、アクション要求のリクエストメッセージF11をMFPサーバ300に転送する。このリクエストメッセージF11のヘッダには、宛先のパス名”/CONTROL/PRINTER/PRINTENHANCED”と、複合機200のIPアドレス”169.254.100.100”とが記述されている。さらに、メッセージボディには、アクション要求の内容を示すSOAPエンベロープが含まれている。
このアクション要求は、新たな印刷ジョブのIDを作成する要求(CreateJob命令)である。この場合には、SOAPエンベロープ内には、ジョブの属性として以下のような印刷仕様(「印刷設定値」又は「印刷条件」とも呼ぶ)を設定することが可能である。
・コピー部数
・ページレイアウト(1頁/1枚,2頁/1枚,デバイス設定値等)
・印刷の向き(ポートレイト/ランドスケープ、デバイス設定値等)
・用紙サイズ(A4,B4,デバイス設定値等)
・印刷用紙の種類(普通紙、写真用紙、透明シート、封筒、デバイス設定値等)
・印刷品質(低画質、通常、高画質、デバイス設定値等)
なお、「デバイス設定値」とは、複合機200で設定された設定値を使用することを意味している。CreateJob命令には、このような種々の印刷仕様を設定することができるので、コントロールポイントを操作しているユーザが、所望の印刷仕様で複合機200に印刷を実行させることができる。なお、印刷仕様には、印刷物のスタイル(文字の大きさやフォント等)に関する設定は含まれていないことが好ましい。
図11は、印刷ジョブ作成要求のSOAPエンベロープの例を示す説明図である。図11(A)は、標準規格SD1に準拠して印刷を行う場合の例を示し、図11(B)は、標準規格SD2に準拠して印刷を行う場合の例を示している。これらの例においては、アンダーラインを付した要素(ドキュメントフォーマット要素)が両者で異なっているだけであり、他の要素の内容は同一である。ドキュメントフォーマット要素の内容は、標準規格SD1用のSOAPエンベロープでは"application /xhtml-print"と記述されているのに対して、標準規格SD2用のSOAPエンベロープでは"application /x-inettv-xhtml"と記述されている。なお、標準規格SD1としては、例えばW3C(World Wide Web Consortium)のXHTML規格を利用することができ、標準規格SD2としては、例えば電波産業会(Association of Radio Industries and Business)のARIB STD-B24規格「デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式標準規格」を利用することができる。
これらの標準規格に準拠してXHTML-Printドキュメントの印刷を行う際は、ドキュメントフォーマット要素の内容は以下のように設定されるのが一般的である。
(1)XHTML規格の場合:
"application /xhtml-print"、又は
"application /xhtml-print-e"、又は
"application /vnd.pwg-xhtml-print"
(2)ARIB規格の場合:
"application /x-inettv-xhtml"、又は
"application /x-inettv-mixt"
このように、2つの標準規格ではSOAPエンベロープに記述されるドキュメントフォーマット要素の内容が互いに異なっているので、この要素の内容から、いずれの標準規格に準拠して文書の印刷を行えば良いかを判定することができる。なお、ドキュメントフォーマット要素は、本来は、ネットワークを介して送信されるXHTML-Printドキュメントがどのバージョンで作成されたものかを示すために記述されている。すなわち、このドキュメントフォーマット要素は、文書の印刷において準拠すべき標準規格を示すために記述されているものでは無いが、本実施例では、この記述から文書の印刷において準拠すべき標準規格を判定しているという点に1つの特徴がある。なお、印刷において準拠すべき標準規格としては、3つの以上の標準規格を利用することも可能である。この場合にも、各標準規格に対応付けられたスタイルシートが予めネットワーク装置内に格納されていることが好ましい。
図12は、2つの標準規格に準拠して印刷された文書の例を示す説明図である。図12(A)は、XHTML-Printドキュメントのボディ部分を示している。図12(B)は標準規格SD1に準拠した印刷結果を示しており、図12(C)は標準規格SD2に準拠した印刷結果を示している。標準規格SD1では、印刷に使用するフォントとしてプリンタ設定フォントが使用されており、禁則処理としてスペースが行末に来ることが禁止されている。なお、ユーザによってプリンタのフォントが設定されていない場合には、プリンタの初期設定フォントが使用される。一方、標準規格SD2では、印刷に使用するフォントとしてゴシックが使用されており、禁則処理としてコンマが行末に来ることが禁止されている。このように、文書の印刷に関しては、2つの標準規格で文書のレイアウト(スタイル)が異なっており、これらのレイアウトの違いはそれぞれの標準規格に対応付けられた標準スタイルシート622(図8)に記述されている。本実施例では、以下で説明するように、SOAPエンベロープの記述内容から、印刷時に準拠すべき標準規格を判定し、その標準規格に適したスタイルシートを使用して印刷が実行される。
図9のステップ[2]では、MFPサーバ300が、リクエストメッセージF11についてUPnPプロトコルの解析を行う。具体的には、MFPサーバ300は、宛先のパス名のうちの最上位層の名前”/CONTROL”(以下、「最上位パス名」と呼ぶ)を解釈してUPNP-CONTROLチャンネルを選択する。ステップ[3]では、MFPサーバ300が、選択されたUPNP-CONTROLチャンネルを用いて、宛先のパス名とSOAPエンベロープとを含むメッセージF12をMFPデバイスユニット400に転送する。このメッセージF12内のSOAPエンベロープは、コントロールポイントから送られてきたSOAPエンベロープをそのままコピーしたものである。
図9のステップ[4]では、MFPデバイスユニット400が、受信したメッセージF12内のSOAPエンベロープに含まれているSOAPアクションを解析し、SOAPアクションに応じて処理を実行する。例えば、SOAPアクションが印刷ジョブの作成要求の場合には、図11で説明したように、SOAPエンベロープの記述内容から、印刷で使用すべきスタイルシートが決定される。ステップ[4]の内容をより具体的に説明すれば、図8に示すように、まずステップ[4-1]において、SOAPエンベロープが印刷デバイス制御モジュール610からXHTML-Print制御モジュール630に転送される。そして、ステップ[4-2]では、XHTML-Print制御モジュール630によってドキュメントタイプが判別される。ここで、「ドキュメントタイプの判別」とは、図11で説明したように、SOAPエンベロープのドキュメントフォーマット要素の内容から、印刷において準拠すべき標準規格を判定することを意味している。図9のステップ[4]ではさらに、MFPデバイスユニット400によって、印刷すべき文書を表す文書データ(XHTML-Printドキュメント)の送付先URIが設定された返信用のSOAPエンベロープが作成される。図9の例では、メッセージR11に示されているように、送付先URI(DataSinkURI)として”/DOWN/PRINTER/PRINTENHANCED”が設定されている。
ステップ[5]では、MFPデバイスユニット400が、このSOAPエンベロープを含むメッセージR11をMFPサーバ300に転送する。このときも、ステップ[3]で使用されたものと同じ論理チャンネル(UPNP-CONTROLチャンネル)が使用される。メッセージパケットR11のエラーコードフィールド(図6)には、MFPデバイスユニット400での処理が成功したか否かを示すエラーコード等が設定される。
ステップ[6]では、MFPサーバ300がメッセージR11のエラーコードを参照し、これに応じてSOAPエンベロープにHTTPのヘッダを付加する。ステップ[7]では、こうして作成されたHTTPのレスポンスメッセージR12がMFPサーバ300からコントロールポイント110Cに転送される。
続いて、図10のステップ[8]では、コントロールポイント110CがMFPサーバ300に対してコンテンツデータ(XHTML-Printドキュメント)を含むリクエストメッセージF13を転送する。このメッセージF13のヘッダには、リクエスト命令のメソッド(POSTメソッド)と、宛先のパス名”/DOWN/PRINTER/PRINTENHANCED”と、複合機200のIPアドレス”169.254.100.100”とが記述されている。なお、宛先のパス名は、図9のステップ[7]で通知されたものである。
ステップ[9]では、MFPサーバ300が、このメッセージF13のヘッダを解析し、POST処理のデータ転送に使用するリクエストIDをMFPデバイスユニット400から取得する必要があることを判断する。リクエストIDは、コンテンツデータをMFPサーバ300からMFPデバイスユニット400に転送する際に、すべてのD4パケットのヘッダ(図6)に付して、他のメッセージと区別するために使用されるIDである。
ステップ[10]では、MFPサーバ300が、リクエストIDを要求するメッセージF14をMFPデバイスユニット400に転送する。このメッセージF14のボディには、リクエスト命令のメソッド(POSTメソッド)と、宛先のパス名”/DOWN/PRINTER/PRINTENHANCED”とが記述されている。また、メッセージF14の転送には、UPNP-LOCALCONTROLチャンネルが使用される。図5で説明したように、コンテンツデータの転送に使用されるチャンネルとしては、コンテンツチャンネル(UPNP-DOWNCONTENTxチャンネルとUPNP-UPCONTENTxチャンネル)があるが、これらのコンテンツチャンネルは、コンテンツデータそのものを転送するためにのみ使用される。そこで、図10の例では、リクエストIDの取得要求のメッセージF14の転送には、UPNP-LOCALCONTROLチャンネルが利用される。このチャンネルは、MFPサーバ300とMFPデバイスユニット400の間において、MFPサーバ300を要求者とし、MFPデバイスユニット400を応答者とする通信を行う場合に使用されるチャンネルである。MFPサーバ300のネットワークプロトコル制御部302内には、HTTPリクエストの宛先の最上位パス名”/DOWN”とUPNP-LOCALCONTROLチャンネルとの対応関係が予め設定されている。図10のステップ[10]では、MFPサーバ300がこの対応関係を参照してUPNP-LOCALCONTROLチャンネルを用いることを決定し、リクエストIDを要求するメッセージF14をMFPデバイスユニット400に転送する。
ステップ[11]では、MFPデバイスユニット400が、このメッセージF14の要求に従ってリクエストIDを生成し、また、Ndown個のUPNP-DOWNCONTENTxチャンネルのうちの1つを指定するためのチャンネルIDも生成する。チャンネルIDの値としては、例えば、その時点で使用されていないUPNP-DOWNCONTENTxチャンネルのチャンネルIDの中で最も小さな値が割り当てられる。なお、リクエストIDとチャンネルIDの生成は、デバイス制御部402(図1)によって行われる。ステップ[12]では、MFPデバイスユニット400からMFPサーバ300に、リクエストIDとチャンネルIDを含むメッセージR13が返信される。この例では、リクエストIDは”0010”であり、チャンネルIDは”1”である。このレスポンスにも、UPNP-LOCALCONTROLチャンネルが使用される。
こうしてリクエストIDとチャンネルIDがMFPサーバ300に通知され、また、ステップ[13]においてMFPサーバ300がコンテンツデータの受信を完了すると、ステップ[14]において、MFPサーバ300がコンテンツデータ(XHTML-Printドキュメント)を含むメッセージF15をMFPデバイスユニット400に転送する。このメッセージF15の各パケットのヘッダには、ステップ[12]で通知されたリクエストIDが記入されている。また、論理チャンネルとしては、Ndown個のUPNP-DOWNCONTENTxチャンネルの中で、チャンネルIDで指定された1つのチャンネルが使用される。図10の例では、チャンネルIDの値が”1”なので、1番目のチャンネルUPNP-DOWNCONTENT1が使用されている。MFPデバイスユニット400は、メッセージF15のリクエストIDを参照することによって、これらのパケットがステップ[10]で要求された処理のためのパケットであることを容易に認識することができる。また、コンテンツデータの送信処理の際には、予め設けられたNdown個の論理チャンネルUPNP-DOWNCONTENTxのうちの1つを1つのコンテンツに割り当てるので、多数のコンテンツ送信処理を並行して行うことが可能である。
コンテンツデータの転送処理が終了すると、ステップ[15]において、処理が完了したことを示すレスポンスメッセージR14がMFPデバイスユニット400からMFPサーバ300に転送される。ステップ[16]では、MFPサーバ300がメッセージR14のエラーコードを参照し、これに応じてHTTPのヘッダを付加する。ステップ[17]では、こうして作成されたHTTPのレスポンスメッセージR15がMFPサーバ300からコントロールポイント110Cに転送される。
XHTML-Printドキュメントの受信が完了すると、ステップ[18]において、MFPデバイスユニット400のプリンタデバイス404が、XHTML-Printドキュメントで記述された文書の印刷を実行する。ステップ[8]の内容をより具体的に説明すれば、図8に示すように、まずステップ[18-1]において、XHTML-Printドキュメントが印刷デバイス制御モジュール610からレイアウトモジュール620に転送される。ステップ[18-2],[18-3]では、レイアウトモジュール620からXHTML-Print制御モジュール630への印刷設定値の要求と、その返信とが実行される。この印刷設定値は、印刷ジョブメッセージ(具体的には印刷ジョブ作成要求のSOAPメッセージ(図11))に含まれる各種の設定値と、複合機200の操作パネル492で設定された各種の設定値とが含まれており、さらに、スタイルシートの切替命令も含まれている。前述したように、複数の標準スタイルシート622のいずれを使用するかは、SOAPエンベロープに基づいてXHTML-Print制御モジュール630によって判定されている。レイアウトモジュール620は、これらの印刷設定値に基づいて印刷物のレイアウトを決定するとともに、印刷物を印刷するための印刷データを作成して、プリンタデバイス404に出力する(ステップ[18-4])。
以上のように、本実施例では、ネットワーク上のクライアントから送信された印刷ジョブ作成要求メッセージの記述に基づいて、複数の標準規格のいずれに準拠して印刷を実行すべきかを判定している。従って、印刷ジョブを発行したクライアントの利用者が期待するレイアウトを有する印刷物を正しく印刷することが可能である。また、この判定に使用するドキュメントフォーマット要素は、本来的にはXHTML文書の印刷において準拠すべき標準規格を示すために記述されているものでは無い。すなわち、本実施例では、印刷物のレイアウトの決定時に準拠すべき標準規格の判定に際して、そのために特別に用意された記述を印刷ジョブ作成要求メッセージに追加する必要が無いという利点がある。
D.第2実施例:
図13は、第2実施例におけるデバイス制御部402の内部構成と処理内容を示すブロック図である。第2実施例におけるデバイス制御部402内の各構成要素は図8に示したものと同じであり、第2実施例は2つのモジュール620,630の処理内容が第1実施例と異なるだけである。すなわち、第2実施例では、ドキュメントタイプの判別は、XHTML-Print制御モジュール630によっては行われず、レイアウトモジュール620によりXHTML-Printドキュメントに基づいて行われる。
図14は、XHTML-Printドキュメントの例を示す説明図である。図14(A)は、標準規格SD1に準拠して印刷を行う場合の例を示し、図14(B)は、標準規格SD2に準拠して印刷を行う場合の例を示している。これらの例においては、XML宣言のアンダーラインを付した属性(エンコーディング属性)が両者で異なっているだけであり、他の記述内容は同一である。すなわち、印刷時に標準規格SD1を適用すべき文書では、エンコーディング属性は"UTF-8"(又は"UTF-16")と記述されているのに対して、印刷時に標準規格SD2を適用すべき文書では、エンコーディング属性は"Shit_JIS"と記述されている。
このように、通常は2つの標準規格でエンコーディング属性の内容が互いに異なっているので、このエンコーディング属性の内容から、いずれの標準規格に準拠して文書の印刷を行えば良いかを判定することができる。なお、エンコーディング属性は、ネットワークを介して送信されるXHTML-Printドキュメントの文字がどの文字コードで記述されているかを示すために記述されている。すなわち、エンコーディング属性は、文書の印刷において準拠すべき標準規格を示すために記述されているものでは無いが、第2実施例では、エンコーディング属性の記述から、文書の印刷において準拠すべき標準規格を判別するという点に1つの特徴がある。なお、よく知られているように、XML宣言は、その文書がXML文書であることを意味している。
図13に示すように、レイアウトモジュール620は、XHTML-Printドキュメントから、印刷に使用すべき標準スタイルシートを選択し、これを使用して印刷データの作成を実行する。従って、印刷ジョブを発行したクライアントの利用者が期待している望ましいレイアウトを有する印刷物を正しく印刷することが可能である。
E.第3実施例:
図15は、第3実施例における複合機の内部構成を示すブロック図である。第3実施例の複合機200は、図2に示した第1実施例の複合機の構成に、ブルートゥース制御部520及びブルートゥースアダプタ522(ブルートゥースはBluetooth SIG, INCの商標)と、IrDA制御部530及び赤外線ポート532とを追加したものであり、他の構成は図2と同じである。第3実施例の複合機200は、ブルートゥースアダプタ522と赤外線ポート532からも印刷ジョブ(XHTML-Printメッセージ)を受け取ることが可能である。なお、良く知られているように、ブルートゥースは、電波を利用した携帯情報機器向けの無線通信技術であえる。また、IrDA(Infrared Data Association)規格は、赤外線を利用した近距離無線通信規格である。
図16は、第3実施例におけるデバイス制御部の内部構成と処理内容を示すブロック図である。第3実施例のデバイス制御部402は、図8に示した第1実施例のデバイス制御部の構成に、ブルートゥース入力用のプロトコル処理モジュール602と、IrDA入力用のプロトコル処理モジュール604とを追加したものであり、他の構成は図8と同じである。なお、第3実施例で追加した処理モジュール602,604は、第2実施例(図13)に適用することも可能である。
ブルートゥースアダプタ522を介して入力された印刷ジョブ(XHTML-Printメッセージ)は、第2のプロトコル処理モジュール602を介して印刷デバイス制御モジュール610に供給される。また、赤外線ポート532を介して入力された印刷ジョブは、第3のプロトコル処理モジュール604を介して印刷デバイス制御モジュール610に供給される。本実施例では、ブルートゥースアダプタ522を介して入力された印刷ジョブの印刷は、第1の標準規格SD1に準拠して実行される。一方、赤外線ポート532を介して入力された印刷ジョブの印刷は、第2の標準規格SD2に準拠して実行される。従って、印刷デバイス制御モジュール610は、印刷ジョブがこれらの2つのプロトコル処理モジュール602,604から供給されたときには、その旨をXHTML-Print制御モジュール630に通知する。XHTML-Print制御モジュール630は、この通知に応じて、いずれの標準スタイルシートを使用すべきかを判断してレイアウトモジュール620に指示することが可能である。なお、第1実施例で説明したように、ネットワーク入力用のプロトコル処理モジュール600によって印刷ジョブが受け取られた場合には、印刷ジョブ作成要求メッセージの記述に基づいて、いずれの標準スタイルシートを使用すべきかが判定される。
このように、第3実施例では、近距離無線通信を介して入力された印刷ジョブに関しては、その入力経路に応じて使用すべき標準スタイルシートを選択する。従って、印刷ジョブを発行した機器の利用者が期待するレイアウトを有する印刷物を正しく印刷することが可能である。
これらの実施例から理解できるように、複数の標準スタイルシートのいずれを使用するかの判定は、印刷メッセージ内の所定の記述と印刷メッセージの受信経路とのうちの少なくとも一方に基づいて実行することが可能である。また、第1、第2実施例のように印刷メッセージの受信経路が1つの場合には、印刷メッセージ内の所定の記述のみに基づいて標準スタイルシートを選択することが可能である。さらに、例えば、汎用の印刷メッセージが複数種類の近距離無線通信を介してのみ受信される場合には、印刷メッセージの受信経路のみに基づいて標準スタイルシートを選択することが可能である。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上記実施例では、UPnP対応のネットワーク装置として複数のデバイスを含む複合機200を用いていたが、この代わりに、1つのデバイス(例えばプリンタ)のみを含む単機能のネットワーク装置を採用することも可能である。換言すれば、ネットワーク装置は、少なくとも1つのデバイスを有していれば良い。また、本発明は、UPnPに対応していないネットワーク装置にも適用可能である。さらに、本発明は、ネットワークに接続されないプリンタ装置にも適用可能である。
F2.変形例2:
第1、第3実施例ではXHTML-Print制御モジュール630がドキュメントタイプの判別処理(準拠すべき標準規格の判定)を行い、また、第2実施例ではレイアウトモジュール620がこの判別処理を行うものとしていたが、これら以外の任意の構成要素がこの判別処理を行うようにしてもよい。例えば、印刷デバイス制御モジュール610がこの判別処理を行うようにしてもよい。さらに、デバイス制御部402の構成としては、図8や図13、図16以外の構成を採用することも可能である。
F3.変形例3:
上記第1実施例では、印刷ジョブ要求のためのSOAPエンベロープに含まれるドキュメントフォーマット要素の内容に基づいて、印刷時に準拠すべき標準規格を判定していたが、これ以外の特定の記述(要素や属性)に基づいてこの判定を行ってもよい。同様に、第2実施例では、XHTML-Printドキュメントに含まれるXML宣言のエンコーディング属性に基づいて、印刷時に準拠すべき標準規格を判定していたが、これ以外の特定の記述(要素や属性)に基づいてこの判定を行ってもよい。
また、上記各実施例では、印刷メッセージとして、印刷仕様メッセージとしてのSOAPエンベロープと、マークアップ言語文書としてのXHTML-Printドキュメントとを利用していたが、本発明は、これ以外の任意の形式の印刷メッセージを利用することができる。ここで、「印刷メッセージ」とは、外部装置からプリンタに印刷の実行を要求するメッセージを意味している。
F4.変形例4:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明の実施例を適用するネットワークシステムの構成を示す概念図である。 複合機の内部構成を示すブロック図である。 MFPサーバの各種プロトコルの階層構造を示すブロック図である。 MFPデバイスユニットの各種プロトコルの階層構造を示すブロック図である。 USBのインタフェース/エンドポイント構成と論理チャンネルの構成とを示す説明図である。 プリンタインタフェースを介したUSB転送に用いられるパケットの構成を示す説明図である。 UPnPアーキテクチャを利用した処理の典型例を示すシーケンス図である。 第1実施例におけるデバイス制御部の内部構成と処理内容を示すブロック図である。 第1実施例におけるXHTMLデータを利用した印刷処理手順を示すシーケンス図である。 第1実施例におけるXHTMLデータを利用した印刷処理手順を示すシーケンス図である。 第1実施例においてスタイルシートの選択に使用されるSOAPエンベロープの例を示す説明図である。 2つの標準規格に準拠して印刷された文書の例を示す説明図である。 第2実施例におけるデバイス制御部の内部構成と処理内容を示すブロック図である。 第2実施例においてスタイルシートの選択に使用されるドキュメントの例を示す説明図である。 第3実施例における複合機の内部構成を示すブロック図である。 第3実施例におけるデバイス制御部の内部構成と処理内容を示すブロック図である。
符号の説明
100…パーソナルコンピュータ
100D…プリンタドライバ
110…デジタルカメラ
110C,120C…コントロールポイント
120…TVセット
130…画像サーバ
200…複合機
300…MFPサーバ
302…ネットワークプロトコル制御部
310…中央制御部
320…RAM
330…ROM
340…ネットワーク制御部
342…コネクタ
350…USBホスト制御部
352…ルートハブ
354,356…USBコネクタ
400…MFPデバイスユニット
402…デバイス制御部
404…プリンタデバイス
406…スキャナデバイス
408…ストレージデバイス
410…中央制御部
420…RAM
430…ROM
440…印刷エンジン
450…スキャナエンジン
460…USBデバイス制御部
462…USBコネクタ
470…USBデバイス制御部
472…USBコネクタ
480…PCカードインタフェース
482…スロット
490…操作パネル制御部
492…操作パネル
500…ビューワ制御部
502…ビューワ
510…USBホスト制御部
512…ルートハブ
514…USBコネクタ
600…プロトコル処理モジュール(ネットワーク入力用)
602…プロトコル処理モジュール(ブルートゥース入力用)
604…プロトコル処理モジュール(IrDA入力用)
610…印刷デバイス制御モジュール
620…レイアウトモジュール
622…標準スタイルシート
1000…サービスプロトコル解釈部
1100…UPnPデバイスアーキテクチャ
1210,1220,1230…非UPnPデバイス機能部
1310…USBプリンタクラスドライバ
1320…USBスキャナクラスドライバ
1330…USBストレージクラスドライバ
2210…非UPnPプリンタ機能部
2220…非UPnPスキャナ機能部
2230…非UPnPストレージ機能部
2310…USBプリンタクラスドライバ
2320…USBスキャナクラスドライバ
2330…USBストレージクラスドライバ
2400…UPnPデバイス機能部

Claims (6)

  1. 外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタであって、
    前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
    前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する印刷制御部を備え、
    前記印刷メッセージは、前記外部装置が印刷仕様を指定し印刷ジョブの作成を前記プリンタに要求するSOAPメッセージを含み、
    前記所定の記述は、前記SOAPメッセージ内のドキュメントフォーマット要素の記述であることを特徴とするプリンタ。
  2. 外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタであって、
    前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
    前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する印刷制御部を備え、
    前記印刷メッセージは、印刷対象を記述したXML文書によるマークアップ言語文書を含み、
    前記所定の記述は、前記マークアップ言語文書内のXML宣言のエンコーディング属性であることを特徴とするプリンタ。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載のプリンタにおいて、
    前記スタイルシートは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートであり、
    前記プリンタは前記標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定する複数の標準規格に準拠して印刷を行うことが可能であることを特徴とする。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のプリンタであって、
    外部装置からの要求に応じてサービスを実行する1つ以上のサービスデバイスとしてのプリンタデバイスと、
    前記印刷制御部を含み、前記サービスデバイスの制御を行うデバイス制御部と、
    メッセージヘッダとメッセージボディとを有するメッセージを、前記プリンタが接続されているネットワーク上のクライアントから受信するとともに、前記メッセージボディの内容を前記デバイス制御部に転送するネットワークプロトコル制御部と、
    を備えるプリンタ。
  5. 外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタを用いた印刷方法であって、
    前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
    前記方法は、
    前記プリンタが、前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する工程と、
    前記決定されたレイアウトに従って前記印刷物を印刷する工程と、
    を備え、
    前記印刷メッセージは、前記外部装置が印刷仕様を指定し印刷ジョブの作成を前記プリンタに要求するSOAPメッセージを含み、
    前記所定の記述は、前記SOAPメッセージ内のドキュメントフォーマット要素の記述であることを特徴とする、プリンタを用いた印刷方法。
  6. 外部装置から受信した印刷メッセージに従って印刷を実行可能なプリンタを用いた印刷方法であって、
    前記プリンタは、互いに異なる標準規格に対応したスタイルシートをそれぞれ適用して印刷物のレイアウトを決定して印刷を行うことが可能であり、
    前記方法は、
    前記プリンタが、前記外部装置から受信した印刷メッセージ内の所定の記述に基づいて、予め格納されている複数の標準規格に対応したスタイルシートの中から印刷に使用すべきスタイルシートを選択し、選択したスタイルシートを使用して印刷物のレイアウトを決定する工程と、
    前記決定されたレイアウトに従って前記印刷物を印刷する工程と、
    を備え、
    前記印刷メッセージは、印刷対象を記述したXML文書によるマークアップ言語文書を含み、
    前記所定の記述は、前記マークアップ言語文書内のXML宣言のエンコーディング属性であることを特徴とする、プリンタを用いた印刷方法。
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