JP4760102B2 - H形鋼の冷却設備および冷却方法 - Google Patents
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Description
この合金成分による対応は、低コスト化の要求に必ずしも合致するものではないため、仕上圧延後の冷却速度がたとえば5℃/秒以上の「加速冷却」を行うことによって組織を微細化し、合金成分に頼らない強度アップが図られている。
また、箱型に形成した水冷ヘッダを仕切り板によって上下方向で複数に仕切り、形鋼のフランジ上端縁に噴射する冷却水の噴射量を、最下面から噴射される冷却水の噴射量の80%以上にするものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、箱型に形成した冷却設備の冷却面側板に噴射孔を多段配列し(以下「多孔噴射冷却設備」と称する場合がある)、上段からの流下水の影響を考慮して各段のノズルの噴射水密度を設定するものがある(例えば、特許文献3参照)。
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度の1.25〜2.5倍であることを特徴とする。
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
該複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔径によって変更されることを特徴とする。
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
該複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔密度によって変更されることを特徴とする。
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度の1.25〜2.5倍であることを特徴とする。
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔径によって変更されることを特徴とする。
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔密度によって変更されることを特徴とする。
図1において、圧延ライン20は、H形鋼1を粗圧延する粗圧延機21と、粗圧延されたH形鋼1を仕上圧延する仕上圧延機22と、仕上圧延されたH形鋼1を冷却する冷却設備23と、冷却されたH形鋼1を所定の長さに分割する仕上圧延する熱間鋸断機25とを有している。冷却設備23において、H形鋼1のフランジ外面に冷却水が供給され、その後、H形鋼1のフランジ幅方向の温度分布が温度計24によって測定される。
図2において、冷却設備23は、一対のヘッダ30(図2には左側のみ示す)と、ヘッダ30に冷却水を供給する冷却水供給手段(図示しない)と、冷却設備23を圧延ライン20の中心に向かって進退させる進退手段(図示しない)と、を有している。
ヘッダ30の内部は、仕切り41、42によって複数の分割ヘッダ31、32、33に分けられている。そして、分割ヘッダ31、32、33の圧延ライン20の中心側(H形鋼1のフランジに対峙する側に同じ)の面に、多孔ノズル51、52、53が設置されている。
なお、図2において、仕切りが2箇所に設置され、3室の分割ヘッダが例示されているが、本発明はこれに限定するものではなく、4室以上の分割ヘッダを設けてもよい。
(あ)たとえば、多孔ノズル50の孔径をフランジ幅方向で変化させ、噴射流量密度を大きくする場合は孔径を大きくし、噴射流量密度を小さくする場合は、孔径を小さくして流量を調整する。
(い)あるいは、多孔ノズル50の孔密度を変化させ、噴射流量密度を大きくする場合は、複数の孔が配置される間隔を短くし、噴射流量密度を小さくする場合は孔の配置される間隔を長くする。
(う)さらに、噴出流量を変化させる方法であり、噴射流量密度を大きくする場合は、ヘッダ30の圧延ライン20側の板厚を薄くしたり、あるいは孔の内面の面粗さを下げて(より平滑な面あるいは鏡面に近づける)圧損を少なくしたりする。反対に、噴射流量密度を小さくする場合はヘッダ30の圧延ライン20側の板厚を厚くしたり、孔の内面の面粗さを上げて(より粗い面あるいは凹凸のある面に近づける)圧損を大きくしたりする。
図3および図4は、それぞれ実施例における冷却水の噴射流量密度を示す模式図および冷却後の温度分布図である。なお、H形鋼1aでは最下段の1つの分割ヘッダ31のみを使用し、H形鋼1bでは2つの分割ヘッダ31、32を使用した。
(a)比較例1は、幅方向の全域でヘッダ30で流量分布が一定(図3の(a)参照)。
(b)比較例2(H形鋼1bのみ)は、最下段の分割ヘッダ31に比べ、冷却最上面の分割ヘッダ32の噴射流量密度が1.3倍となるよう流量制御されている(図3の(b)参照)。
(d)実施例2は、最下段の分割ヘッダ31の最下部20mmの部分の噴射流量密度を、H形鋼1aでは分割ヘッダ31の最上部に比べ、H形鋼1bでは分割ヘッダ32の最上部に比べ1.3倍となるよう増加させている(図3の(d)参照)。
(a)比較例1では、H形鋼1a、1bの水冷部において流下水の影響で、フランジの下部ほど冷却能力が低下し、フランジの下部にいくほど温度が上昇する温度分布となっている(図4の(a)参照)。このため、水冷部最下部の強度が十分ではなかったので、強化元素の添加を行い、コスト増を余儀なくされた。
また、多孔ノズル50の噴射流量密度の比率をノズルの孔面積の比率と同じとすれば、噴射圧力をそれぞれ調整する必要がなく、同じヘッダから冷却水を供給することが可能となって好適である。
さらに、噴射流量密度が1000リットル/分 m2以上の場合では、フランジ上部より下部が冷えにくいという傾向がより顕著となるところ、かかる場合であっても、本発明は前記顕著な効果を奏するものである。
10 フランジ
11 中央部
20 圧延ライン
21 粗圧延機
22 仕上圧延機
23 冷却設備
24 温度計
25 熱間鋸断機
30 ヘッダ
31 分割ヘッダ
32 分割ヘッダ
33 分割ヘッダ
41 仕切り
42 仕切り
51 多孔ノズル
52 多孔ノズル
53 多孔ノズル
Claims (6)
- 多孔ノズルが設置されたヘッダに冷却水を供給して、前記多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却するH形鋼の冷却設備であって、
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度の1.25〜2.5倍であることを特徴とするH形鋼の冷却設備。 - 多孔ノズルが設置されたヘッダに冷却水を供給して、前記多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却するH形鋼の冷却設備であって、
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
該複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔径によって変更されることを特徴とするH形鋼の冷却設備。 - 多孔ノズルが設置されたヘッダに冷却水を供給して、前記多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却するH形鋼の冷却設備であって、
前記ヘッダが上下方向で複数の分割ヘッダに仕切られ、
該複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、あるいは、最下段の分割ヘッダを除く分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔密度によって変更されることを特徴とするH形鋼の冷却設備。 - 多孔ノズルが設置されて複数の分割ヘッダに仕切られたヘッダの、被冷却H形鋼のフランジ幅に対応した範囲の分割ヘッダに冷却水を供給する工程と、
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度の1.25〜2.5倍であることを特徴とするH形鋼の冷却方法。 - 多孔ノズルが設置されて複数の分割ヘッダに仕切られたヘッダの、被冷却H形鋼のフランジ幅に対応した範囲の分割ヘッダに冷却水を供給する工程と、
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔径によって変更されることを特徴とするH形鋼の冷却方法。 - 多孔ノズルが設置されて複数の分割ヘッダに仕切られたヘッダの、被冷却H形鋼のフランジ幅に対応した範囲の分割ヘッダに冷却水を供給する工程と、
該冷却水が供給された分割ヘッダの多孔ノズルから冷却水を噴出してH形鋼のフランジを冷却する工程とを有し、
前記複数の分割ヘッダのうち最下段の分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最下端における冷却水の噴射流量密度が、被冷却H形鋼のフランジ幅の上端に対応する分割ヘッダに設置された多孔ノズルの最上端における冷却水の噴射流量密度より、大きく、
前記噴射流量密度が多孔ノズルの孔密度によって変更されることを特徴とするH形鋼の冷却方法。
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