JP4760008B2 - 車両用減速制御及び警報装置 - Google Patents
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Description
このようにナビゲーションやインフラからの信号に基づいて自車両がカーブに進入する前に警報することは、前もって運転者にカーブに対してオーバースピードになっていることを認識させる効果があるとして期待できる。特に運転者が自車両前方にあるカーブを認識せずに走行している場合にはその効果は大きい。
また、特許文献3では、道路データや自車両位置の誤差を補償するために、ナビゲーションとカメラの両方を使用してカーブの状態を検出するシステムが提案されている。
すなわち、警報は、単にその時点の自車速に基づいて決定され、その一方で運転者がカーブをどのように認識しているかにかかわらず行われるため、そのような警報の作動タイミングを、運転者が早かったり、遅かったり感じる場合もある。運転者が作動タイミングを早いと感じると、運転者に煩わしさを感じさせてしまい、また、運転者が作動タイミングを遅いと感じると、運転者にシステムのメリットを十分体感させることができなくなる。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、運転者によるカーブの状態の認識程度を的確に判断して、前方のカーブに対する減速制御や警報を最適に実施することができる車両用減速制御及び警報装置の提供を目的とする。
本実施形態は、本発明に係る自動減速制御及び警報装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
また、この車両には、画像処理機能付き(例えばカメラコントローラ)の撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部13は車両前部に設置されている。
この撮像部13は、算出したこれらヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率β等並びに設定した画像ロストフラグF_Lost_camを制駆動力コントロールユニット8に出力する。
ここで、自車両の前方道路情報は、いわゆるノード情報であり、ノード情報は、Xn、Yn、Ln、Kxn、Kyn、Myunとからなる。ここで、Xn、Ynは、ノード点の位置情報であり、Lnは、自車両位置(X0,Y0)からノード点の位置(Xn,Yn)までの距離であり、Kxnは、そのノード点における勾配値(登り勾配が正値)であり、Kynは、そのノード点におけるカント値(右下がりが正値)であり、Myunは、そのノード点における路面μ値である。本実施形態では、Kxn、Kyn、Myunなどのデータはナビゲーションの情報として地図データに保存されているデータとする。よって、Myun(路面μ値)は、逐次変化する値ではなく、ドライ状態での値(基本は1.0)であるが、路面の舗装状態に差がある場合に1.0でない値になる。
また、ナビゲーション装置14は、前方道路情報確定フラグF_NAVI_canを設定する。具体的には、ナビゲーション装置14は、GPSの受信不良や地図情報内で自車両位置を確定できない場合、前方情報が不確定であるとして、前方道路情報確定フラグF_NAVI_canを0に設定し、他方、自車両位置を確定できる場合、前方道路情報確定フラグF_NAVI_canを1に設定する。
また、この車両には、警告用モニタ15が設けられている。この警告用モニタ15には、音声やブザー音を発生するためのスピーカが内蔵されている。この警告用モニタ15は、制駆動力コントロールユニット8により動作が制御されるようになっている。
前方道路情報確定フラグF_NAVI_canが1で、かつ画像ロストフラグF_Lost_camが0の場合、推測ミス判断可能と判定し、推測ミス判断処理可能フラグF_calcanを1に設定する。それ以外の場合、推測ミス判断不可能と判定し、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanを0に設定する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
Rn=f1(Xn−1,Yn−1,Xn,Yn,Xn+1,Yn+1) ・・・(2)
なお、ここでは、3点の座標(Xn−1,Yn−1)、(Xn,Yn)、(Xn+1,Yn+1)から旋回方半径を算出する方法を示したが、前後するノード点を結ぶ直線のなす角度を用いて、旋回半径を算出しても良い。
続いてステップS5において、目標ノード点となる推測ミス処理判断点(推測ミス計測点)を設定する。具体的には、自車両前方に存在する複数のノード点の中から、前記ステップS4で算出した旋回半径Rnに応じて制御の対象となる目標ノード点を設定する。
図3は、各ノード点(ノード点番号)の旋回半径Rn(図中●印)を示しており、この図3に示すように各ノード点において旋回半径Rnとなる場合、目標ノード点は、自車両前方の旋回半径Rnで最初に極小値となるノード点Rmに設定される。
続いてステップS6において、前記ステップS5で設定した推測ミス処理判断点(目標ノード点)について、前方道路の画像情報から旋回半径Rctを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ複数の前方注視距離Lcmのうち、当該推測ミス処理判断点までの距離Lrminに最も近い前方注視距離Lcmの曲率半径βtmを算出し、この算出した曲率半径βtmを用いて下記(3)式により旋回半径Rctを算出する。
Rct=1/|βtm| ・・・(3)
なお、本実施形態では、撮像部13が得ている複数の前方注視距離Lcmの中から最も推測ミス処理判断点に近い値を選択しているが、推測ミス処理判断点の前後の各前方注視距離Lcmと当該前後の各前方注視距離Lcmでの走行車線曲率βの変化量の比とに基づいて前記曲率半径βtmを算出するようにしても良い。
続いてステップS7において、前記ステップS5で得ている推測ミス処理判断点での旋回半径Rminをそのノード点における道路情報で補正する。具体的には、推測ミス処理判断点におけるノード点の勾配値Kxmin、カント値Kymin、路面μ値Myuminを用いて、下記(3)式及び(4)式によりカーブ路のカントに応じて旋回半径Rminを補正した補正値Rmin_hを算出する。
Rmin_h=Cm・(|Rmin|+Ak・Kxmin+Bk・Kymin) ・・・(4)
カーブ路の外側に下りカントとなっている場合
Rmin_h=Cm・(|Rmin|+Ak・Kxmin−Bk・Kymin) ・・・(5)
また、本実施形態では、勾配値Kxmin、カント値Kymin及び路面μ値Myuminの全てを考慮して旋回半径Rminを補正しているが、勾配値Kxmin、カント値Kymin及び路面μ値Myuminのうちの少なくとも1つだけを考慮して旋回半径Rminを補正しても良い。
先ずステップS21において、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1か否かを判定する。ここで、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1の場合(F_calcan=1)、すなわち推測ミス処理判断が可能な場合、ステップS22に進み、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1でない場合(F_calcan=0)、すなわち推測ミス処理判断が不可能な場合、ステップS25に進む。
ΔR=max(Rct−Rmin_h,0) ・・・(6)
ここで、関数max(m1,m2)は、m1とm2とから大きい値を選択するための関数である。また、旋回半径偏差ΔRが少なくとも正値をとるようになっており、これは、推測ミス判断では実際の旋回半径相当のRmin_hよりも運転者が推測できる旋回半径Rctの方が大きい場合を問題としているので、これにより、正値の旋回半径偏差ΔRだけを考慮するようにしている。
ΔR=0 ・・・(7)
ステップS23では、下記(8)式が成立するか否かを判定する。
V2/ΔR<Yk ・・・(8)
ここで、Ykは、推測ミス判断しきい値であり、例えば0.1gなどである。このステップS23にて、前記(8)式が成立する場合、ステップS24に進み、前記(8)式が不成立の場合(V2/ΔR≧Yk)、ステップS26に進む。
マスタシリンダ圧Pmが判断しきい値Pmk以上の場合(Pm≧Pmk)、すなわち運転者の減速操作の操作量が所定量以上の場合、推測ミスなしと判断し、推測ミス判断フラグF_suisokuを0に修正する。また、それ以外の場合(Pm<Pmk)、すなわち運転者の減速操作の操作量が所定量に達していない場合、推測ミス判断の修正を行わず、前記ステップS8で設定した推測ミス判断フラグF_suisokuを維持する。 ここで、判断しきい値Pmkは、センサノイズ等を考慮して、0でない小さな値である。判断しきい値Pmkは、例えば29.4×104Pa(3kgf/cm2)である。
Yglimt=Ks・Myumin ・・・(9)
ここで、Ksは許容横加速度算出係数であり、例えば0.8等で固定値である。また、図6に示すように、車速に基づいて許容横加速度算出係数Ksを設定しても良い。この場合、許容横加速度算出係数Ksは、低速域で大きい値になり、車速がある値になると、車速Vと反比例の関係となり、その後ある車速に達すると小さい値で一定値となる。すなわち、概略として、高速になるほど許容横加速度算出係数Ksを小さくする。
Vr=√(Yglimt・|Rmin_h|) ・・・(10)
Xgs=(V2−Vr2)/(2・Ln)
=(V2−Yglmit・|Rmin_h|)/(2・Ln) ・・・(11)
ここで、目標減速度Xgsは減速側を正値とする。
推測ミス判断フラグF_suisoku=1の場合
Xgs_start=Xgs_start0−Xgs_hosei ・・・(12)
推測ミス判断フラグF_suisoku=0の場合
Xgs_start=Xgs_start0 ・・・(13)
これら(12)式及び(13)式の関係により、推測ミス判断フラグF_suisoku=1の場合、制御開始判断設定値は本来の値よりも小さい値(制御開始判断設定値の補正値Xgs_start)になる。
Xgs_start=Xgs_start0−f(ΔR) ・・・(14)
ここで、例えば、関数f(ΔR)は、図7に示すように、旋回半径偏差ΔRとともに増加していき、一定値に収束する。
警報非作動状態(F_warn=OFF)
Xgs≧Xgs_warn ・・・(15)
警報作動状態(F_warn=ON)
Xgs≧Xgs_warn−Khwarn ・・・(16)
ここで、F_warnは、警報の作動状態を示すフラグであり、(15)式又は(16)式が成立時にONになり、(15)式及び(16)式の両式が共に不成立時にOFFになる。
また、Xgs_warnは警報開始判断設定値であり、具体的には、下記(17)式及び(18)式により算出する。これら(17)式及び(18)式が前記(12)式及び(13)式と同様に、推測ミス判断フラグF_suisokuと補正用の値Xgs_hoseiとを用いた演算になっているので、警報開始判断設定値Xgs_warnは、前記ステップS13で算出した制御開始判断設定値の補正値Xgs_startと連動する値になる。
Xgs_warn=Xgs_warn0−Xgs_hosei ・・・(17)
推測ミス判断フラグF_suisoku=0の場合
Xgs_warn=Xgs_warn0 ・・・(18)
ここで、Xgs_warn0は、推測ミス判断がいない場合、つまり通常の警報開始判断設定値である。
また、この(17)式及び(18)式が前記(12)式及び(13)式と同様に、推測ミス判断フラグF_suisokuと補正用の値Xgs_hoseiとを用いた演算になっているので、警報開始判断設定値Xgs_warnは、前記ステップS13で算出した制御開始判断設定値の補正値Xgs_startと連動する値になる。
なお、警報では、警報用モニタ15により、表示及び音声又はブザー音を出力する。
続いてステップS15において、制御作動開始判断(自動減速制御開始判断)を行う。具体的には、前記ステップS12で算出した目標減速度Xgs、及び前記ステップS13で算出した制御開始判断設定値補正値Xgs_startを用いて、下記(19)式及び(20)式により制御作動開始判断を行う。
Xgs≧Xgs_start ・・・(19)
制御作動時(F_gensoku=ON)
Xgs≧Xgs_start−Khstart ・・・(20)
ここで、F_gensokuは制御の作動状態を示すフラグであり、(19)式又は(20)式が成立時にONになり、(19)式及び(20)式の両式が共に不成立時にOFFになる。
ここで、前記ステップS14の警報作動開始判断及びこのステップS15の制御作動開始判断は、連動して補正されるので常に警報から始まり自動減速制御が後に続くようになる。
また、前記ステップS13で設定する制御開始判断設定値の補正値Xgs_startとの関係では、次のようになる。図8は、その説明に使用する図である。
先ず前記ステップS12で算出した目標減速度Xgsを用いて、下記(21)式により制御目標液圧Pc0を算出する。
Pc0=Kb・Xgs ・・・(21)
ここで、Kbはブレーキ諸元等より定まる定数である。
そして、このように算出した制御目標液圧Pc0を運転者のアクセル操作有無で次のように補正する。
Pc=mid(Pc0,Pc(前回値)−ΔPc,0) ・・・(22)
ここで、ΔPcは、自動減速制御中に運転者がアクセル操作した場合の制御目標液圧の減少量であり、演算周期ごとに前回値のPcから減算する値である。また、関数mid(m1,m2,m3)は、m1とm2とm3との値の中間値をとるための関数である。これにより、制御目標液圧Pc0を最大として、0を最小として、Pc(前回値)−ΔPcの値が、補正後の制御目標液圧Pcになる。
Pc=Pc0 ・・・(23)
すなわち、運転者のアクセル操作がない場合、制御目標液圧の補正は行わない。
このように運転者のアクセル操作の有無の関係(前記(22)式及び(23)式の関係)から、運転者がアクセル操作していない場合には、制御目標液圧の補正はなしとして、運転者がアクセル操作をした場合、制御目標液圧(制御量)をPc0から徐々に小さくしていき、最終的には0の下限値まで小さくする、すなわち実質的に自動減速制御を行っていない状態にする。
先ず、前輪用目標制動液圧Psfrを下記(24)式により算出する。
Psfr=max(Pm,Pc) ・・・(24)
ここで、関数max(m1,m2)は、m1とm2とから大きい値を選択するための関数である。すなわち、制御目標液圧と運転者の制動による液圧とから前輪用目標制動液圧Psfrをセレクトハイにより決定する。
Psrr=h(Psfr) ・・・(25)
ここで関数h(Psfr)は、最適な前後制動力配分となるように前輪の制動液圧Psfrから後輪の制動液圧Psrrを算出するための関数である。
Trqds=U(Acc) ・・・(26)
ここで、関数U(Acc)はアクセル開度Accに応じて目標駆動トルクTrqdsを算出するための関数である。
先ず各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、読み込んだ前方道路情報確定フラグF_NAVI_can及び画像ロストフラグF_Lost_camに基づいて推測ミス判断を行うか否かを判定する(前記ステップS2)。これにより、推測ミス判断可能と判定した場合、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanを1に設定し、それ以外の場合、推測ミス判断不可能と判定し、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanを0に設定する。また、車速Vを算出する(前記ステップS3)。
ここで、自車両の前方のカーブの状態について運転者が目視により取得可能な情報として、撮像部13からの情報に基づいて得た旋回半径Rctを用い、自車両の前方のカーブの状態について運転者が目視により取得不可能な情報として、ナビゲーション装置14からの情報(自車両位置、道路情報等)に基づいて得た旋回半径Rmin(具体的には補正値Rmin_h)を用いている。このような処理により、カーブへの接近時における運転者の当該カーブの状態の推測ミスを判断している。
また、前述したように、運転者の減速操作に基づいて推測ミス判断の修正を行っており、その減速操作の操作量が所定量以上であれば、前記旋回半径に基づいて推測ミスと判断している場合でも、推測ミスなしとの判断に修正している。これにより、運転者の減速操作が所定量以上になっている場合には、前方のカーブの状態に気づいていると推定して、前記旋回半径に基づいて推測ミスと判断している場合でも、推測ミスなしとの判断に修正している、すなわち運転者のカーブの状態の認識程度が高いとする補正をしている。これにより、運転者が前方のカーブの状態に気づいて、運転者が減速操作しているのにもかかわらず、推測ミスと判断されて、警報や自動減速制御が早いタイミングで作動し、運転者に煩わしさを与えてしまうことを防止している。
前記第1の実施形態では、前方のカーブの状態の検出手段として撮像部(カメラ)13を用いているところを、この第2の実施形態は、前方のカーブの状態の検出手段としてレーダを用いる。具体的には、前方の路側にあるデリニエータ等の路側物(路側インフラ物)を検出するためのレーザレーダと、そのレーザレーダの検出結果に基づいて前方の路側に並んで設置されている複数個(n個)の路側物までの縦方向(前後方向)距離Lxi(i=1〜n)及び横方向(幅方向)距離Lyi(i=1〜n)を算出するレーザーレーダコントローラとを備える。
このレーザーレーダコントローラは、算出した縦方向距離Lxi及び横方向距離Lyi並びに設定したレーダロストフラグF_Lost_radarを制駆動力コントロールユニット8に出力する。
また、第2の実施形態では、推測ミス判断を旋回半径の偏差ではなく、目標車速の差に基づいて行い、さらに、自動減速制御は行わず、警報のみ行う。
先ずステップS1において、第1の実施形態と同様に、各種データを読み込む。ここで、第2の実施形態では、レーザレーダコントローラから前方の各路側物までの縦方向距離Lxi及び横方向距離Lyi並びに設定したレーダロストフラグF_Lost_radarを読み込む。
Rr=f2(Lxi−1,Lyi−1,Lxi,Yni,Lxi+1,Lyi+1 ・・・(27)
ここで、関数f2は、3個の各路側物までの縦距離及び横距離から旋回半径Rrを算出するための関数である。ここで、旋回半径Rrが負値の場合、左旋回であり、旋回半径Rrが正値の場合、右旋回である。
続いて、前記第1の実施形態と同様、ステップS3にて、車速Vを算出し、続くステップS4にて、自車両前方の各ノード点の旋回半径を算出し、続くステップS5にて、推測ミス処理判断点(目標ノード点)を設定する。
具体的には、前記ステップS1で読み込んだ各路側物(縦方向距離Lxi、横方向距離Lyi)のうち、当該推測ミス処理判断点までの距離Lrminに最も近い位置(Lr=√(Lxi2+Lyi2))にある路側物を特定し、その特定した路側物における旋回半径Rr(Rrmin)を算出する。
ここで、第2の実施形態では、次のように目標車速を算出する。
先ず、ナビゲーションのデータを用いて、第1目標車速Vr1を下記(28)式により算出する。
Vr1=√(Yglimt・|Rmin_h|) ・・・(28)
また、レーダのデータを用いて、第2目標車速Vr2を下記(29)式により算出する。
Vr2=√(Yglimt・|Rrmin|) ・・・(29)
先ずステップS51において、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1か否かを判定する。ここで、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1の場合(F_calcan=1)、すなわち推測ミス処理判断が可能な場合、ステップS52に進み、推測ミス処理判断可能フラグF_calcanが1でない場合(F_calcan=0)、すなわち推測ミス処理判断が不可能な場合、ステップS54に進む。
Vr2−Vr1≧ΔVL ・・・(30)
ここで、ΔVLは、推測ミス判断しきい値であり、例えば10km/hなどである。このステップS52にて、前記(30)式が成立する場合、ステップS53に進み、前記(8)式が不成立の場合(Vr2−Vr1<ΔVL)、ステップS54に進む。
続いてステップS44において、前記第1の実施形態と同様(前記ステップS9と同様)、運転者の減速操作に基づいて前記ステップS43の推測ミス判断の修正を行う。
続いてステップS14において、前記第1の実施形態と同様、警報作動開始判断を行う。
また、警報については、前記車速偏差(Vr2−Vr1)に応じて、ブザー音の音量を変化させたり、表示色を変化させたりするようにしてもよい。例えば、車速偏差が大きくなったときには、表示色を黄色から赤色にするといったようにである。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態として実現されることに限定されるものではない。
7 制動流体圧制御部
8 制駆動力コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 撮像部
14 ナビゲーション装置
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
22FL〜22RR 車輪速度センサ
Claims (8)
- 自車両の前方の撮像画像又はレーダによる検出結果を基に、自車両の前方のカーブの状態についての第1カーブ状態情報を推定するとともに、ナビゲーション装置にて取得した道路情報又は路車間通信にて取得した道路情報に基づいて、前記カーブの状態について運転者が目視により取得不可能な第2カーブ状態情報を取得し、
前記第1カーブ状態情報と第2カーブ状態情報との差異に基づいて、前記第2カーブ状態情報が取得されたカーブの状態に対する運転者の認識程度を判断し、当該運転者による前記カーブの状態の認識程度の判断結果に基づいて、カーブ手前で行う自車両の減速制御及び運転者への警報出力のうちの少なくとも一方を補正しており、
前記第1カーブ状態情報と第2カーブ状態情報とに一定の差異がある場合、前記運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断し、
前記運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断した場合、前記カーブ手前で行う自車両の減速制御及び運転者への警報出力のうちの少なくとも一方の開始タイミングを早くする補正をすることを特徴とする車両用減速制御及び警報装置。 - 自車両の前方の撮像画像又はレーダによる検出結果を基に、自車両の前方のカーブの状態についての情報を検出する第1カーブ状態情報検出手段と、
ナビゲーション装置にて取得した道路情報又は路車間通信にて取得した道路情報に基づいて、自車両の前方のカーブの状態について運転者が目視により取得不可能な情報を検出する第2カーブ状態情報検出手段と、
前記第1カーブ状態情報検出手段が検出した第1カーブ状態情報と前記第2カーブ状態情報検出手段が検出した第2カーブ状態情報とを比較して、その差異を基に、前記第2カーブ状態情報が取得されたカーブの状態に対する運転者の認識程度を判断するカーブ状態認識判断手段と、
前記カーブ状態認識判断手段の判断結果に基づいて、カーブ手前で行う自車両の減速制御及び運転者への警報出力のうちの少なくとも一方を補正する減速制御及び警報出力制御手段と、を備え、
前記カーブ状態認識判断手段は、前記第1カーブ状態情報と第2カーブ状態情報とに一定の差異がある場合、前記運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断し、
前記減速制御及び警報出力制御手段は、前記カーブ状態認識判断手段が運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断した場合、前記カーブ手前で行う自車両の減速制御及び運転者への警報出力のうちの少なくとも一方の開始タイミングを早くする補正をすることを特徴とする車両用減速制御及び警報装置。 - 前記カーブ状態認識判断手段は、前記第1カーブ状態情報としての当該カーブの第1カーブ半径と、前記第2カーブ状態情報としての当該カーブの第2カーブ半径とを比較して前記第1カーブ半径と第2カーブ半径とに一定の差異がある場合、運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断することを特徴とする請求項2に記載の車両用減速制御及び警報装置。
- 前記カーブ状態認識判断手段は、前記第1カーブ状態情報としての当該カーブ内での最適な第1目標車速と、前記第2カーブ状態情報としての当該カーブ内での最適な第2目標車速とを比較して前記第1目標車速と第2目標車速とに一定の差異がある場合、運転者による前記カーブの状態の認識程度が低いと判断することを特徴とする請求項2に記載の車両用減速制御及び警報装置。
- 前記第2カーブ状態情報検出手段は、前記自車両の前方のカーブの状態について運転者が目視により取得不可能な情報を、さらに走行路の勾配情報、カント情報及び路面状態情報のうちの少なくとも1つの情報に基づいて補正することを特徴とすること請求項2乃至4のいずれか1項に記載の車両用減速制御及び警報装置。
- 運転者の減速操作に基づいて、運転者のカーブの状態の認識程度を検出する減速操作検出手段を備え、前記カーブ状態認識判断手段は、前記減速操作検出手段の検出結果に基づいて、運転者による前記カーブの状態の認識程度の判断を補正することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車両用減速制御及び警報装置。
- 前記カーブ状態認識判断手段は、前記減速操作検出手段が運転者の減速操作を検出した場合、運転者のカーブの状態の認識程度が高くなるように補正することを特徴とする請求項6記載の車両用減速制御及び警報装置。
- 前記第1カーブ状態情報検出手段及び前記第2カーブ状態情報検出手段のうち、前記第1カーブ状態情報検出手段の検出結果の信頼性だけが低下している場合、前記減速制御及び警報出力制御手段は、前記カーブ手前で行う自車両の減速制御及び運転者への警報出力のうちの少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の車両用減速制御及び警報装置。
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