JP4759990B2 - 電池用極板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

電池用極板の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

本発明は電池用極板の製造方法及び製造装置に関する。
電池用極板の製造において、平板状の芯材に活物質ペーストを充填する工程では、その充填量によって、容量など電池の特性が決定されるため、適切な充填量で活物質ペーストを芯材に充填する必要があった。
この活物質ペーストを充填する工程において、適切な充填量で芯材に充填する方法としては、例えば特許文献1で示される方法が提案されている。この方法は、具体的には、長尺の芯材を連続して供給する供給工程と、芯材の単位面積当たりの重量を求める第1の重量測定工程と、芯材に活物質ペーストを充填する充填工程と、充填後の芯材について単位面積当たりの重量を求める第2の重量測定工程とを有している。さらに、第1の重量測定工程と第2の重量測定工程においてそれぞれ測定された芯材の単位面積当たりの重量を用いて、この芯材に充填された活物質ペーストの単位面積当たりの重量を算出する重量算出工程を有している。またさらに、この活物質ペーストの単位面積当たりの重量に基づいて、充填工程における活物質ペーストの充填量をフィードバック制御するフィードバック制御工程を有している。
また、この特許文献1では、充填工程での充填に当り、噴射ノズルを用いて芯材に活物質ペーストを充填し、この噴射ノズルの噴射量を増減させて充填量を調整する方法が例示されている。具体的には、測定した活物質ペーストの充填量と所定値とを比較して、充填量が所定量より多い場合は、活物質ペーストの噴射量を少なくし、充填量が所定量より少ない場合には、活物質ペーストの噴射量を多くするように調整している。
再表WO02/003487公報(図1)
しかしながら、特許文献1に記載の噴射ノズルを用いる方法では、活物質ペーストの噴射量の微小な調整が難しいため、活物質ペーストの充填量のバラつきが大きくなりがちである。
さらに、特許文献1に記載の製造方法では、芯材の長手方向について、活物質ペーストの充填量の制御はできても、幅方向の充填量の制御はできなかった。従って、幅広の芯材を用い、広い幅に亘って芯材に活物質ペーストを充填する場合、幅方向についての充填量のバラつきについても問題となっていた。
かかる問題点に鑑みて、芯材の幅方向と直交する方向(長手方向)について、活物質ペーストの充填量のバラつきを抑え、最適な活物質ペーストの充填量とした電池用極板の製造方法及び製造装置の提供を目的とするのが好ましい
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、芯材の幅方向についてのバラつきを抑え、最適な活物質ペーストの充填量とした電池用極板の製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造方法であって、上記芯材の所定部位における第1面密度を測定する第1面密度測定工程と、上記第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填工程と、上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去工程と、上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上記所定部位またはその近傍部位における第2面密度を測定する第2面密度測定工程と、を備え、上記第1面密度及び第2面密度から算出した上記活物質ペーストの充填面密度が、所定値となるように上記除去工程における活物質ペーストの除去量を調整する電池用極板の製造方法とするのが好ましい
この電池用極板の製造方法では、充填工程の後工程に、充填された活物質ペーストを除去する除去工程を有している。しかも、第1及び第2面密度測定工程で測定された第1及び第2面密度から算出した活物質ペーストの充填面密度により、活物質ペースト充填済芯材からの除去量を制御することで、活物質ペーストの充填面密度を適切に調整することができる。
この除去量の調整の手法としては、例えば、具体的には、第2面密度から第1面密度を差し引いて求めた活物質ペーストの充填面密度を所定値(目標値)と比較して、実測の充填面密度が所定値(目標値)より大きい場合には、除去工程における活物質ペーストの除去量を多くし、実測の充填面密度が所定値より小さい場合には、除去量を少なくするように調整する。
この場合において、第1,第2面密度を複数の所定部位について測定し、各所定部位についての充填面密度を求め、それらの平均値を基にして除去量の調整を行うのが好ましい。測定した各々の第1,第2面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれていた場合でも、異常値の影響を抑制できるからである。
また、充填工程における充填手法としては、芯材に所定量の面密度で活物質ペーストを充填できる手法であればいずれの手法をも採用できる。例えば、芯材の充填面に向かって活物質ペーストをノズルより噴射して充填する方法や、活物質ペーストをローラを介して芯材に転写、充填する方法などが挙げられる。
なお、芯材としては、電極の基体を形成するものであり、活物質ペーストを充填でき、活物質を保持できる構造を有するものを用いる。例えば、ニッケル水素蓄電池における正極の芯材としては、ニッケルからなるシート、穿孔体、ラス体、多孔体などの二次元または三次元の形態を有するものが用いられる。
また、この芯材に充填される活物質としては、電池の起電反応に関与する酸化剤(正極活物質)あるいは還元剤(負極活物質)を用いる。ニッケル水素蓄電池における正極活物質としては、例えば、水酸化ニッケルを主体とし、放電効率を向上させるためにコバルト化合物を添加したものが挙げられる。また、活物質ペーストとしては、活物質の粉末を水等で混練してペースト状にしたものを用いることができる。
また、第1及び第2面密度測定工程における面密度の測定手法としては、芯材または活物質ペースト充填済芯材について、所定部位またはその近傍部位における面密度を測定できる手法であればいずれの手法をも採用できる。例えば、X線を芯材などの所定部位に照射し、その透過量を測定することにより、その照射範囲に含まれる物質の重量を求めることで面密度を求める手法が挙げられる。
また、除去工程における活物質ペーストの除去手法としては、芯材の幅方向の全幅に亘って、芯材に充填した活物質ペーストの一部を除去できれば、いずれの手法をも採用できる。例えば、幅方向の全幅に亘るブレードの刃先をペースト充填済芯材に押し当てて活物質ペーストの一部を削ぎ落とすように除去する方法や、幅方向の全幅に亘り掻き取りロールの外周面をペースト充填済芯材に押し当てつつ回転させて活物質ペーストの一部を芯材から掻き取り除去する方法が挙げられる。
また、除去量の調整の手法としては、例えば、具体的には、第2面密度から第1面密度を差し引いて求めた活物質ペーストの充填面密度を所定値(目標値)と比較して、実測の充填面密度が所定値(目標値)より大きい場合には、除去工程における活物質ペーストの除去量を多くし、実測の充填面密度が所定値より小さい場合には、除去量を少なくするように調整する。除去量の調整の手法としては、除去工程における除去の手法に応じて、この除去手法での活物質ペーストの除去量を調整できるものであればよい。例えば、除去手法として、ブレードで芯材に充填した活物質ペーストの一部を削ぎ落とす場合には、ペースト充填芯材に対するブレード位置を除去量に応じて調整するとよい。また、除去手法として、掻き取りロールによる活物質ペーストの掻き取り除去を行う場合には、芯材に対する掻き取りロールの外周面の位置を除去量に応じて調整するとよい。あるいは、掻き取りロールの回転速度を調整するとよい。
なお、除去量の調整に当っては、第1,第2面密度を複数の所定部位について測定し、各所定部位についての充填面密度を求め、それらの平均値を基にして除去量の調整を行うのが好ましい。測定した各々の第1,第2面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれていた場合でも、異常値の影響を抑制できるからである。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記芯材は、前記幅方向に直交する長手方向に相対的に搬送される長尺平板状の芯材であり、前記除去工程は、掻き取りロールにより前記活物質ペーストを除去し、前記活物質ペーストの除去量の調整は、上記掻き取りロールの回転速度の変更により行う電池用極板の製造方法とすると良い。
この電池用極板の製造方法では、長尺平板状の芯材について、除去工程で、掻き取りロールを用いて充填された活物質ペーストの一部を除去する。さらに、この掻き取りロールの回転速度(単位時間当たりの回転数)を変更して、活物質ペーストの除去量の調整を行う。
このようにすることで、長尺の芯材が長手方向に相対的に搬送する場合でも、連続して活物質ペーストを除去することができるため、好適に電池用極板の製造を行うことができる。
また、掻き取りロールの回転速度を大きくすると、活物質ペーストの除去量が多くなる傾向にある。従って、あらかじめ掻き取りロールの回転速度と活物質ペーストの除去量との関係を調査しておき、この関係を用いて掻き取りロールの回転速度を適宜制御することにより、適切に活物質ペーストの除去量を調整することができる。
この掻き取りロールの回転方向は搬送方向と同方向としても、逆方向としてもよい。搬送方向と逆方向に回転させると、より多くの活物質ペーストを除去できる点で好ましい。
さらに、芯材は、長手方向に相対的に搬送されれば良い。具体的には、芯材自身がその長手方向に移動して搬送される場合のほか、芯材自身は静止しており、第1面密度の測定のための装置や、掻き取りロールなどが移動するようにしても良い。
上記のいずれかに記載の電池用極板の製造方法であって、前記第1面密度測定工程は、前記芯材のうち、前記幅方向に直交する方向について所定幅直交範囲内で、上記幅方向について所定幅方向間隔ごとに位置する複数の前記所定部位のそれぞれにおいて、前記第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、上記複数の所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、前記第2面密度を測定し、前記活物質ペーストの除去量の調整は、上記所定幅直交範囲における上記複数の所定部位にかかる上記第1面密度及び第2面密度を用いて算出した、上記所定幅直交範囲における、複数の前記充填面密度に関する充填面密度代表値を用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
この電池用極板の製造方法では、第1面密度測定工程では、芯材の幅方向に直交する方向について所定幅直交範囲内で、幅方向について所定幅方向間隔ごとに位置する複数の所定部位において第1面密度をそれぞれ測定している。また、第2面密度測定工程では、複数の所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて第2面密度を測定している。さらに、これら複数の所定部位にかかり、対応する第1面密度と第2面密度とを用いて、所定幅直交範囲における充填面密度代表値を算出し、これを用いて活物質ペーストの除去量を調整する。
上述の方法ではこのように、所定幅直交範囲内で幅方向に所定幅方向間隔ごとに位置する複数の所定部位にかかる第1,第2面密度から得た充填面密度代表値を用いて活物質ペーストの除去量を調整している。このため、測定した第1,第2面密度の値にノイズなどの影響による突発的な異常値が含まれていた場合でも、これを除くとか平均化するなど異常値の影響を抑制するようにして算出した充填面密度代表値を用いることで、このような異常値の影響による活物質ペーストの除去量の不適切な変動を抑制できる。
所定幅直交範囲内において、充填面密度代表値の算出に用いる第1,第2面密度を測定する複数の所定部位は、この所定幅直交範囲内で、幅方向について所定幅方向間隔ごとにその位置を選択すればよい。即ち、各々の所定部位は、芯材の幅方向に直交する方向(長手方向)については、所定幅直交範囲内で位置の変動が許されている。一方、幅方向については、所定幅方向間隔ごとの位置としている。具体的な各所定部位の配置としては、各所定部位が、幅方向に延びる仮想直線上の所定幅方向間隔ごとに配置された配置形態が挙げられる。また、各所定部位が、幅方向に直交する方向(長手方向)について所定幅直交範囲内で、芯材の幅方向一端縁側から他端縁側に向かって、幅方向に直交する方向に徐々にずれて斜め一直線上に並ぶように配置された配置形態とすることもできる。さらには、各所定部位が、幅方向に直交する方向(長手方向)について所定幅直交範囲内で、各所定部位が幅方向に見て千鳥状に並ぶように配置された配置形態とすることもできる。
また、各所定部位における第1面密度は、複数の面密度測定手段を用いて、同時に並行して測定することができる。また一又は複数の面密度測定手段を幅方向に移動させつつ、順に測定することもできる。後者の場合には、測定に時間を要するが、X線面密度計などの面密度測定手段を多数用意する必要がない。同様に、第2面密度も、複数の面密度測定手段で同時に並行して測定することができるし、一又は複数の面密度測定手段を移動させつつ順に測定することもできる。
さらに、充填面密度代表値の算出方法としては、充填面密度代表値が、所定幅直交範囲における各所の充填面密度を代表する適切な値となるような算出式を用いるのが好ましい。例えば、具体的には、この充填面密度代表値として、複数の所定部位について求めた活物質ペーストの充填面密度の平均値が挙げられる。各充填面密度の平均値を充填面密度代表値として用いると、測定した第1,第2面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれていた場合でも、他の正常な値と共に平均化されるため、異常値が除去量に大きく影響することを抑制できる。その他、所定幅直交範囲内の複数の充填面密度の中から、最大値と最小値とを除き、残った充填面密度の値の平均値を用いることもできる。
なお、充填面密度代表値の算出に当っては、それぞれ対応する第1面密度と第2面密度から一旦、複数の充填面密度を算出し、この充填面密度から充填面密度代表値を算出しても良いし、多数の第1面密度及び第2面密度を処理して、直接充填面密度代表値を算出するようにしても良い。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記第1面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の所定部位の各々について前記第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の所定部位またはその近傍部位の各々について前記第2面密度を測定する電池用極板の製造方法とすると良い。
上述の方法では、第1面密度測定工程において、幅方向に移動可能な第1面密度測定手段を、幅方向に移動させて複数の所定部位の第1面密度を測定している。このため、複数の固定された第1面密度測定手段で複数の所定部位の第1面密度を測定する場合に比して、第1面密度測定手段の移動機構が要るものの、1つあるいは少数の第1面密度測定手段で足りる。
第1面密度測定手段として、高価なもの、例えば、X線面密度計等を用いる場合には、第1面密度測定工程のコストを抑えることができる。
また、第2面密度測定工程においても、幅方向に移動可能な第2面密度測定手段を、幅方向に移動させて複数の所定部位の第2面密度を測定している。このため、上述と同様に、1つあるいは少数の第2面密度測定手段で足り、第2面密度測定手段として、X線面密度計等の高価なものを用いる場合には、第2面密度測定工程のコストを抑えることができる。
なお、幅方向に移動可能な第1面密度測定手段を、一つとすることも、複数とすることもできる。例えば、具体的には、2つの第1面密度測定手段を用い、芯材の幅方向の中心に対して両側に配置して、中心よりの一端縁側と中心より他端縁側とを別々に測定する手法が挙げられる。
また、上記のいずれか一項に記載の電池用極板の製造方法であって、前記活物質ペーストの除去量の調整は、前記幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定部位の各々にかかる前記第1面密度及び第2面密度を用いて行う、または、前記幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定幅直交範囲の各々における、前記充填面密度代表値を用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
この電池用極板の製造方法では、除去量の調整を、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある、複数の所定部位の各々にかかる第1面密度及び第2面密度を用いて行っている。または幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定幅直交範囲の各々における充填面密度代表値を用いて行っている。
このように、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定部位の各々にかかる第1面密度及び第2面密度を得ることで、幅方向に直交する方向または長手方向における活物質ペーストの充填面密度の変動を知ることができるから、これらを用いることで適切な除去量の調整が可能となる。
また、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定幅直交範囲における充填面密度代表値を得ることでも、幅方向に直交する方向または長手方向における活物質ペーストの充填面密度の変動を知ることができるから、これらを用いることで適切な除去量の調整が可能となる。
なお、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある、複数の所定部位にかかる第1,第2面密度、あるいは、複数の所定幅直交範囲における充填面密度代表値を用いて、除去量を調整するに当っては、例えば、複数の充填面密度代表値を用いて、この移動平均値、積分値あるいは微分値などの処理値を算出し、この処理値を用いることができる。このような処理値を用いることで、電池用極板の製造における、制御系の特性に応じて適切なフィードバック制御が可能となる。
例えば、充填面密度代表値の移動平均値や積分値を用いることで、基礎とした充填面密度代表値に異常値が含まれていた場合でも、その影響を抑制することができる。また、除去工程における除去量が急激に変化させられることを避け、除去量を徐々に変化させることができる。すると、活物質ペーストの面密度が所定値に徐々に近づく。これにより、除去量の制御の発散を防ぐこともできる。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、上記活物質ペーストの除去量の調整は、前記幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定部位について、互いに対応する前記第1面密度及び第2面密度から算出した当該所定部位における前記充填面密度を用い、これらにより得た移動平均値を用いて行う、または、前記幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定幅直交範囲における、各々の前記充填面密度代表値を用い、これらから得た移動平均値を用いて行う電池用極板の製造方法とすると好ましい。
電池用極板の製造方法では、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定部位における充填面密度についての移動平均値を用いて、除去量の調整を行っている。または、幅方向に直交する方向または長手方向に関して異なる位置にある複数の所定幅直交範囲における充填面密度代表値についての移動平均値を用いて、除去量の調整を行う。このように、移動平均値を用いる場合には、算出及び処理が容易である。
そして、その解決手段は、長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造方法であって、自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材に関し、上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位、及び中心よりも他端側に位置する他端側所定部位について、上記一端側所定部位における一端側第1面密度、及び、上記他端側所定部位における他端側第1面密度をそれぞれ測定する第1面密度測定工程と、上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填工程と、上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去工程と、上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上
記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度、及び、上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する第2面密度測定工程と、を備え、上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記
他端側第2面密度を用いて、上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心より一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する電池用極板の製造方法である。
芯材に充填される活物質ペーストの充填面密度が、幅方向について変動している場合がある。その例として、幅方向の一端縁側から他端縁側に向かって、充填量ペーストの面密度が徐々に増加するあるいは減少する形態が挙げられる。これは、活物質ペーストを吹きつけ充填するノズルの幅が、幅方向に徐々に変化している場合や、除去工程で用いる掻き取りロールの軸線が、芯材に対して傾いて設置されている場合などで生じてしまう。また、芯材自身の面密度が幅方向に徐々に変化している場合でも生じてしまう。
これに対して、本発明の電池用極板の製造方法では、芯材の幅方向中心よりも一端縁側の一端側所定部位について、一端側第1面密度及び一端側第2面密度を、他端縁側の他端側所定部位について、他端側第1面密度及び他端側第2面密度を測定する。除去工程では、掻き取りロールにより、活物質ペーストを除去する。そして、一端側第1面密度、一端側第2面密度、他端側第1面密度、及び他端側第2面密度を用いて、活物質ペーストの充填面密度が、芯材の幅方向中心より一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、除去工程における掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整する。
これにより、ペースト充填済芯材について、たとえ、幅方向の中心よりも一端縁側と他端縁側とで、活物質ペーストの充填面密度が異なっていたとしても、掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整することで、以降には、一端縁側と他端縁側とで活物質ペーストの充填面密度の違いが解消される。
なお、掻き取りロールの軸線を芯材に対して傾けるには、掻き取りロールの軸線のうち、一端縁側の部位と芯材との間隔を変更するようにして軸線を傾ける手法が挙げられる。このほか、掻き取りロールの軸線のうち、一端縁側の部位と芯材との間隔、及び軸線の他端縁側の部位と芯材との間隔を、互いに逆方向に変更するようにして、軸線を傾ける手法を取ることもできる。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記第1面密度測定工程は、前記芯材のうち、前記長手方向について所定長手範囲内であって、かつ、前記芯材の幅方向の中心よりも前記一端縁側の範囲内で、上記幅方向について第1幅方向間隔ごとに位置する複数の前記一端側所定部位のそれぞれにおいて、前記一端側第1面密度を測定すると共に、上記芯材のうち、上記長手方向について上記所定範囲内であって、かつ、上記芯材の幅方向の中心よりも前記他端縁側の範囲内で、上記幅方向について第2幅方向間隔ごとに位置する複数の前記他端側所定部位のそれぞれにおいて、前記他端側第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、上記複数の一端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、一端側第2面密度を測定すると共に、上記複数の他端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、他端側第2面密度を測定し、前記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きの調整は、上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲内における上記複数の一端側所定部位にかかる上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲における、複数の一端側充填面密度に関する一端側充填面密度代表値、及び、上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲内における上記複数の他端側所定部位にかかる上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲における、複数の他端側充填面密度に関する他端側充填面密度代表値を用いて行う電池用極板の製造方法と
すると良い。
本発明の電池用極板の製造方法では、各々の一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いて算出した活物質ペーストの一端側充填面密度代表値、及び各々の他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて算出した活物質ペーストの他端側充填面密度代表値を用いて、掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整している。
この製造方法を用いると、測定した一端側第1面密度、一端側第2面密度、他端側第1面密度、あるいは他端側第2面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれる場合でも、これを除くとか平均化するなど異常値の影響を抑制するようにして算出した一端側充填面密度代表値あるいは他端側充填面密度代表値を用いることで、このような異常値の影響による掻き取りロールの傾きの不適切な変動を抑制できる。
なお、一端側及び他端側充填面密度代表値の算出の方法としては、具体的には、例えば、複数の一端側所定部位(またはその近傍部位)のそれぞれについて、一端側第1面密度及び一端側第2面密度から活物質ペーストの一端側充填面密度を求め、複数の一端側所定部位についての一端側充填面密度について、さらにその平均値を求める手法が挙げられる。また、複数の一端側充填面密度の最大値と最小値を除去して残った値の平均値を一端側充填面密度代表値として用いることもできる。
一端側第1面密度の測定における、複数の一端側所定部位についての並び方(配置)としては、各々の一端側所定部位が、芯材の長手方向について所定長手範囲内で、幅方向について第1幅方向間隔ごとに位置する配置であればよい。即ち、各々の一端側所定部位は、芯材の長手方向については、所定長手範囲内で位置の変動が許される一方、幅方向については、一端側第1幅方向ごとに位置している。具体的には、幅方向に延びる仮想直線上の第1幅方向間隔ごとに、一端側所定部位が配置されている配置形態が挙げられる。また、長手方向について所定長手範囲内で、芯材の幅方向一端縁側から中央に向かって、一端側所定部位が長手方向に徐々にずれて斜め一直線上に並ぶように配置された配置形態も挙げられる。その他、長手方向について所定長手範囲内で、各一端側所定部位が幅方向に見て千鳥状に並ぶように配置された配置形態とすることもできる。
また、他端側第1面密度の測定における、複数の他端側所定部位についての並び方(配列)も、上述と同様であり、幅方向に延びる仮想直線上の配列、長手方向について所定長手範囲内で他端側所定部位が長手方向に徐々にずれるようにされた配列あるいは長手方向について所定長手範囲内で他端側所定部位が幅方向に見て千鳥状に並ぶ配列とすることができる。
なお、一端側所定部位及び他端側所定部位の配列は、一端縁側と他端縁側とで同じ配置としても良いし、互いに別々の配置としても良い。
さらに、各々の一端側所定部位及び他端側所定部位における、一端側第1面密度、一端側第2面密度、他端側第1面密度及び他端側第2面密度の測定は、複数の測定手段を用いて、一度に測定しても良いし、測定手段を幅方向に移動させつつ、それぞれの面密度を測定しても良い。
また、一端側第1面密度及び他端側第1面密度は、それぞれ、幅方向について第1幅方向間隔及び第2幅方向間隔ごとに測定しているが、これらの第1幅方向間隔と第2幅方向間隔とは等しくても異なっていても良い。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記第1面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位の各々について前記一端側第1面密度を測定すると共に、前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位の各々について前記他端側第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記一端側第2面密度を測定すると共に、前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記他端側第2面密度を測定する電池用極板の製造方法とすると良い。
本発明では、第1面密度測定工程において、一端側第1面密度測定手段及び他端側第1面密度測定手段を幅方向に移動させて、一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定している。また、第2面密度測定工程においても、同様に、一端側第2面密度測定手段及び他端側第2面密度測定手段を幅方向に移動させて、一端側第2面密度及び他端側第2面密度を測定している。
このため、固定された複数の第1,第2面密度測定手段で同時に複数の部位を測定する場合に比して、第1,第2面密度測定手段の数を少なくすることができる。従って、第1,第2面密度測定工程のコストを抑えることができる。
なお、一端側第1面密度測定手段と他端側第1面密度測定手段とは、互いに別個の面密度測定手段であっても良いし、同一の面密度測定手段を共用としても良い。一端側第2面密度測定手段と他端側第2面密度測定手段とについても同様に、別個の面密度測定手段であっても良いし、同一の面密度測定手段を共用としても良い。
また、請求項1に記載の電池用極板の製造方法であって、前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。または、請求項2または請求項3に記載の電池用極板の製造方法であって、上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、前記一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを、用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
これらの電池用極板の製造方法では、掻き取りロールの軸線の傾き調整は、長手方向に関して異なる位置にある複数の所定長手範囲の各々における、一端側所定部位にかかる一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、他端側所定部位にかかる他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを用いて行う。または、複数の所定長手範囲の各々における、一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを用いて行う。
このように、複数の所定長手範囲の各々における、一端側第1面密度と一端側第2面密度、及び、他端側第1面密度と他端側第2面密度を得ることで、あるいは、一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを得ることで、長手方向についての活物質ペーストの一端側充填面密度及び他端側充填面密度の変動を知ることができるから、これらを用いることで、掻き取りロールの適切な傾き調整が可能となる。
なお、複数の所定長手範囲における一端側第1面密度等、あるいは一端側充填面密度代表値や他端側充填面密度代表値を用いて傾き調整をするに当っては、例えば、一端側充填面密度代表値を用いて、その移動平均値、積分値あるいは微分値などの処理値を算出し、この処理値を用いることができる。このような処理値を用いることで、電池用極板の製造における、制御系の特性に応じた適切なフィードバック制御が可能となる。
例えば、一端側充填面密度代表値の移動平均値や積分値を用いると、基礎とした一端側充填面密度代表値に異常値が含まれていた場合でも、掻き取りロールの軸線の傾きが急激に変化させられることを避け、芯材の中心から一端縁側と他端縁側での除去量のバランスを徐々に変化させることができる。これにより、掻き取りロールの傾き制御の発散を防ぐことができる。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記一端側所定部位について、互いに対応する前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度から算出した当該一端側所定部位における前記一端側充填面密度を用い、これらにより得た一端側移動平均値と、上記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記他端側所定部位について、互いに対応する前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度から算出した当該他端側所定部位における前記他端側充填面密度を用い、これらにより得た他端側移動平均値とを用いて行う、または、前記長手方向に関して異なる位置にある複数の所定長手範囲における、各々の前記一端側充填面密度代表値を用い、これらから得た一端側移動平均値と、上記複数の所定長手範囲における、各々の前記他端側充填面密度代表値を用い、これらから得た他端側移動平均値とを用いて行う電池用極板の製造方法とすると好ましい。
この電池用極板の製造方法では、一端側充填面密度及び他端側充填面密度あるいは一端側充填面密度代表値及び他端側充填面密度代表値から、これらについての一端側移動平均及び他端側移動平均値を算出して、掻き取りロールの軸線の傾き調整を行う。このような一端側移動平均値及び他端側移動平均値は算出及び処理が容易である。
他の解決手段は、長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造方法であって、自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材について、上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位における一端側第1面密度、及び、中心よりも他端縁側に位置する他端側所定部位における他端側第1面密度を測定する第1面密度測定工程と、上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填工程と、上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去工程と、上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度、及び、上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する第2面密度測定工程と、を備え、上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記他端側第2面密度を用いて、上記活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、上記除去工程における活物質ペーストの除去量を掻き取りロールの回転速度により調整し、上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する電池用極板の製造方法である。
本発明の電池用極板の製造方法では、一端側第1面密度、一端側第2面密度、他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて、活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、活物質ペーストの除去量を掻き取りロールの回転速度の調整を行うと共に、充填面密度が、幅方向に中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きの調整を行っている。このため、この製造方法によれば、芯材の幅方向にも長手方向にも、充填面密度が均一で最適な値とされた電池用極板を製造することができる。
なお、上述の掻き取りロールにおける回転速度の調整と、掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きの調整とは、必要に応じて、同時に行うこともできるし、一方のみを行うこともできる。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記芯材のうち、前記長手方向について所定長手範囲内であって、かつ、前記芯材の幅方向の中心よりも前記一端縁側の範囲内で、上記幅方向について第1幅方向間隔ごとに位置する複数の前記一端側所定部位のそれぞれにおいて、前記一端側第1面密度を測定すると共に、上記芯材のうち、上記長手方向について上記所定範囲内であって、かつ、上記芯材の幅方向の中心よりも前記他端縁側の
範囲内で、上記幅方向について第2幅方向間隔ごとに位置する複数の前記他端側所定部位のそれぞれにおいて、前記他端側第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、上記複数の一端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、一端側第2面密度を測定すると共に、上記複数の他端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、他端側第2面密度を測定し、前記活物質ペーストの除去量の調整は、上記所定長手範囲における上記複数の一端側所定部位にかかる上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いると共に、上記所定長手範囲における上記複数の他端側所定部位にかかる上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを用いて算出した、上記所定長手範囲における、複数の前記充填面密度に関する充填面密度代表値を用いて行い、前記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きの調整は、上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲内における上記複数の一端側所定部位にかかる各々の上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲における、複数の一端側充填面密度に関する一端側充填面密度代表値、及び、上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲内における上記複数の他端側所定部位にかかる上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲における、複数の他端側充填面密度に関する他端側充填面密度代表値を用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
本発明の電池用極板の製造方法では、第1,第2面密度測定工程は、長手方向について所定長手範囲内で、幅方向について各幅方向間隔(第1幅方向間隔,第2幅方向間隔)ごとに位置する複数の各所定部位(一端側所定部位,他端側所定部位)における各面密度(一端側第1面密度,一端側第2面密度,他端側第1面密度,他端側第2面密度)を測定している。さらに、一端側各面密度(一端側第1面密度,一端側第2面密度)と、他端側各面密度(他端側第1面密度,他端側第2面密度)とを用いて、所定長手範囲における活物質ペーストの充填面密度代表値を算出し、これを用いて活物質ペーストの除去量を調整している。
このため、測定した各面密度(一端側第1面密度等)の値にノイズなどの影響による突発的な異常値が含まれていた場合でも、これを除くとか平均化するなど異常値の影響を抑制するようにして算出した充填面密度代表値を用いることで、このような異常値の影響による活物質ペーストの除去量の不適切な変動を抑制できる。例えば、充填面密度代表値の算出に当り、上述の一端側各面密度及び他端側各面密度を用いて複数の各所定部位における充填面密度を算出し、これらの平均値を充填面密度代表値とした場合、この充填面密度代表値は、所定長手範囲内で、幅方向に亘って平均化された値となる。従って、測定した各面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれた場合でも、この異常値の影響を抑制できる。
さらに、本発明では、複数の一端側所定部位(あるいはその近傍部位)における一端側各面密度(一端側第1面密度、一端側第2面密度)を用いて算出した一端側充填面密度代表値、及び複数の他端側所定部位(あるいはその近傍部位)における他端側各面密度(他端側第1面密度、他端側第2面密度)を用いて算出した他端側充填面密度代表値を用いて、掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整している。
このため、測定した各面密度(一端側第1面密度等)の値にノイズなどの影響による突発的な異常値が含まれていた場合でも、これを除くとか平均化するなど異常値の影響を抑制するようにして算出した一端側充填面密度代表値及び他端側充填面密度代表値を用いることで、このような異常値の影響による掻き取りロールの傾きの不適切な変動を抑制できる。例えば、一端側充填面密度代表値の算出に当り、一端側各面密度を用いて複数の一端側所定部位における活物質ペーストの充填面密度を算出し、これらの平均値を一端側充填面密度代表値とし、他端側充填面密度代表値もこれと同様に算出する。これらの値を用いると、測定した一端側第1面密度などの各面密度の値にノイズなどの影響で突発的な異常値が含まれていた場合でも、この異常値の影響を抑制できる。
複数の一端側所定部位及び他端側所定部位の並び方(配置)としては、前述の場合と同様に、長手方向について所定長手範囲内で、幅方向に見て第1幅方向間隔あるいは第2幅方向間隔ごとに位置するものであればよい。従って、長手方向について所定長手範囲内であり、幅方向について第1幅方向間隔あるいは第2幅方向間隔ごとに配置されていれば、各々の一端側所定部位及び他端側所定部位が、幅方向に見て、直線上に配置されていたり、千鳥状に配置されていたり、あるいは芯材の一端縁側から他端縁側に向かって長手方向に徐々にずれて斜め直線上に配置した配置形態などとすることができる。
また、上記の電池用極板の製造方法であって、前記第1面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位の各々について前記一端側第1面密度を測定すると共に、前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位の各々について前記他端側第1面密度を測定し、前記第2面密度測定工程は、前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記一端側第2面密度を測定すると共に、前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記他端側第2面密度を測定する電池用極板の製造方法とすると良い。
本発明では、第1面密度測定工程において、一端側第1面密度測定手段及び他端側第1面密度測定手段を幅方向に移動させて、一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定している。また、第2面密度測定工程においても、同様に、一端側第2面密度測定手段及び他端側第2面密度測定手段を幅方向に移動させて、一端側第2面密度及び他端側第2面密度を測定している。
このため、固定された複数の第1,第2面密度測定手段で同時に複数の部位を測定する場合に比して、第1,第2面密度測定手段の数を少なくすることができる。従って、第1,第2面密度測定工程のコストを抑えることができる。
なお、一端側第1面密度測定手段と他端側第1面密度測定手段とは、互いに別個の面密度測定手段であっても良いし、同一の面密度測定手段を共用としても良い。一端側第2面密度測定手段と他端側第2面密度測定手段とについても、上述と同様に、別個の面密度測定手段であっても良いし、同一の面密度測定手段を共用としても良い。
また、請求項6に記載の電池用極板の製造方法であって、前記活物質ペーストの除去量の調整は、前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行う、電池用極板の製造方法とすると良い。または、請求項7またが請求項8に記載の電池用極板の製造方法であって、上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、前記充填面密度代表値を用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
これらの電池用極板の製造方法では、活物質ペーストの除去量の調整を、長手方向に関して異なる位置にある複数の所定長手範囲の各々における、一端側所定部位にかかる一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、他端側所定部位にかかる他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを用いて行う。または、複数の所定長手範囲の各々における、充填面密度代表値を用いて行う。
このように、複数の所定長手範囲の各々における、一端側第1面密度及び一端側第2面密度、及び、他端側第1面密度及び他端側第2面密度を得ることで、あるいは、複数の所定長手範囲の各々における充填面密度代表値を得ることで、長手方向における活物質ペーストの充填面密度の変動を知ることができるから、これらを用いることで、活物質ペーストの除去量の適切な調整が可能となる。
なお、複数の所定長手範囲における一端側第1面密度等、あるいは充填面密度代表値を用いて、除去量の調整を行うに当っては、例えば、充填面密度代表値を用いて、その移動平均値、積分値あるいは微分値などの処理値を算出し、この処理値を用いることができる。このような処理値を用いることで、電池用極板の製造における、制御系の特性に応じた適切なフィードバック制御が可能となる。
例えば、充填面密度代表値の移動平均値や積分値を用いることで、基礎とした充填面密度代表値に異常値が含まれていた場合でも、除去工程における除去量が急激に変化させられることを避け、除去量を徐々に変化させることができる。これにより、除去量の制御の発散を防ぐことができる。
また、請求項6または請求項9に記載の電池用極板の製造方法であって、前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。または、請求項7,請求項8または請求項10のいずれか1項に記載の電池用極板の製造方法であって、上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、前記一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを、用いて行う電池用極板の製造方法とすると良い。
これらの電池用極板の製造方法では、掻き取りロールの軸線の傾き調整は、長手方向に関して異なる位置にある複数の所定長手範囲の各々における、一端側所定部位にかかる一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、他端側所定部位にかかる他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを用いて行う。または、複数の所定長手範囲の各々における、一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを用いて行う。
このように、複数の所定長手範囲の各々における、一端側第1面密度と一端側第2面密度、及び、他端側第1面密度と他端側第2面密度を得ることで、あるいは、一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを得ることで、長手方向についての活物質ペーストの一端側充填面密度及び他端側充填面密度の変動を知ることができるから、これらを用いることで、掻き取りロールの適切な傾き調整が可能となる。
なお、複数の所定長手範囲における一端側第1面密度等、あるいは一端側充填面密度代表値や他端側充填面密度代表値を用いて傾き調整をするに当っては、例えば、一端側充填面密度代表値を用いて、その移動平均値、積分値あるいは微分値などの処理値を算出し、この処理値を用いることができる。このような処理値を用いることで、電池用極板の製造における、制御系の特性に応じた適切なフィードバック制御が可能となる。
例えば、一端側充填面密度代表値の移動平均値や積分値を用いると、基礎とした一端側充填面密度代表値に異常値が含まれていた場合でも、掻き取りロールの軸線の傾きが急激に変化させられることを避け、芯材の中心から一端縁側と他端縁側での除去量のバランスを徐々に変化させることができる。これにより、掻き取りロールの傾き制御の発散を防ぐことができる。
また、平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造装置であって、上記芯材の所定部位における第1面密度を測定する第1面密度測定手段と、上記第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填手段と、上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、充填した活物質ペーストの一部を幅方向に除去する除去手段と、上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上記所定部位またはその近傍部位における第2面密度を測定する第2面密度測定手段と、上記第1面密度及び第2面密度から算出した上記活物質ペーストの充填面密度が、所定値となるように上記除去手段における活物質ペーストの除去量を調整する除去量調整手段と、を備える電池用極板の製造装置とするのも好ましい
この電池用極板の製造装置は、第1面密度を測定する第1面密度測定手段と、活物質ペーストを充填する充填手段と、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去手段とを含む。また、活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、第2面密度を測定する第2面密度測定手段を含む。さらにこの製造装置は、活物質ペーストの充填面密度が所定値になるように除去手段における活物質ペーストの除去量を調整する除去量調整手段を含む。
このため、本発明の電池用極板の製造装置によれば、第1面密度と第2面密度とを測定し、これらを用いて、活物質ペーストの充填面密度が所定値(目標値)となるように除去手段における活物質ペーストの除去量を調整し、活物質ペーストが適量充填された電池用極板を製造することができる。
なお、充填手段としては、芯材に所定量の面密度で活物質ペーストを充填できるものであればよい。例えば、芯材の充填面に向かって、活物質ペーストを噴射して芯材に充填するノズルを含む装置や、活物質ペーストをローラを介して芯材に転写、充填する装置などが挙げられる。
また、第1,第2面密度測定手段は、芯材またはペースト充填済芯材について、所定部位またはその近傍部位における面密度を測定できるものであればよい。例えば、X線を芯材などに照射し、その透過量を測定することにより、その照射範囲に含まれる物質の重量を求めることで面密度を求めるX線面密度計を含む装置が挙げられる。また、第1面密度測定手段と第2面密度測定手段とは、同じ測定手法によって面密度を測定する同種の測定手段とするのが好ましい。測定手法の違いによる面密度の値の偏差が生じ難いからである。
さらに、除去手段は、芯材の全幅に亘って、既に充填された活物質ペーストの一部を除去できるものであればよい。例えば、幅方向の全幅に亘り、その刃先を芯材のうち活物質ペーストを充填した側の面(充填面)に押し当てて、活物質ペーストを削ぎ落とすようにしてその一部を除去するブレードを含む装置や、芯材の幅方向の全幅に亘り充填面にローラの外周面を押し当てつつ回転させ、活物質ペーストの一部を除去する掻き取りロールを含む装置が挙げられる。
また、除去量調整手段は、除去手段の構造に応じて、この除去手段での活物質ペーストの除去量を調整できるものであればよい。例えば、除去手段として、ブレードで芯材に充填した活物質ペーストの一部を削ぎ落とす場合には、ペースト充填芯材に対するブレード位置を除去量に応じて調整するブレード位置調整手段が挙げられる。また、除去手段として、掻き取りロールによる活物質ペーストの掻き取り除去を行う場合には、芯材に対する掻き取りロールの外周面の位置を除去量に応じて調整する手段や、掻き取りロールの回転速度を調整するロール回転速度調整手段などが挙げられる。
また、上記の電池用極板の製造装置であって、前記芯材は、前記幅方向に直交する長手方向に相対的に搬送される長尺平板状の芯材であり、前記除去手段は、前記活物質ペーストを幅方向の全幅に亘って除去する掻き取りロールを含み、前記除去量調整手段は、上記掻き取りロールの回転速度の変更により上記活物質ペーストの除去量を調整する電池用極板の製造装置とすると良い。
この電池用極板の製造装置では、除去手段は、活物質ペーストを除去する掻き取りロールを含む。この掻き取りロールにおける活物質ペーストの除去量は、掻き取りロールの回転速度と関係があること、具体的には、回転速度を増すと除去量が増えることが判ってきた。そこで、この製造装置では、除去量調整手段で、この掻き取りロールの回転速度を変更して、活物質ペーストの除去量を調整する。従って、長手方向に相対的に搬送される長尺平板状の芯材を用いる場合、長手方向に連続して除去して、好適に電池用極板の製造を行うことができる。
なお、除去量の調整に当っては、あらかじめ掻き取りロールの回転速度と活物質ペーストの除去量との関係を調査しておき、この関係を用いて掻き取りロールを制御することにより、適切に活物質ペーストの除去量を調整すればよい。
他の解決手段は、長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造装置であって、自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材について、上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位について、上記一端側所定部位における一端側第1面密度を測定する一端側第1面密度測定手段と、上記幅方向に見て、上記中心よりも他端側に位置する他端側所定部位について、上記他端側所定部位における他端側第1面密度を測定する他端側第1面密度測定手段と、上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填手段と、上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を幅方向に除去する除去手段と、上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度を測定する一端側第2面密度測定手段、及び、上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する他端側第2面密度測定手段と、上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記他端側第2面密度を用いて、上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する傾き調整手段と、を備える電池用極板の製造装置である。
本発明の電池用極板の製造装置は、一端側第1面密度を測定する一端側第1面密度測定手段と、他端側第1面密度を測定する他端側第1面密度測定手段と、芯材に活物質ペーストを充填する充填手段と、掻き取りロールにより活物質ペーストが充填された芯材から活物質ペーストの一部を除去する除去手段とを含む。また、活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、一端側第2面密度を測定する一端側第2面密度測定手段及び他端側第2面密度を測定する他端側第2面密度測定手段を含む。さらにこの製造装置は、上述の一端側第1面密度等を用いて、活物質ペーストの充填面密度が、幅方向に中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、除去手段における掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整する傾き調整手段を含む。
このため、この製造装置によれば、ペースト充填済芯材について、たとえ、幅方向に中心よりも一端側と他端側とで、活物質ペーストの充填面密度が異なる場合が生じたとしても、傾き調整手段による掻き取りロールの軸線の芯材に対する傾きを調整して、一端縁側と他端縁側とで活物質ペーストの充填面密度の違いを解消し、幅方向に活物質が均一に適量充填された電池用極板を製造することができる。
他の解決手段は、請求項13に記載の電池用極板の製造装置であって、前記一端側第1面密度、前記一端側第2面密度、前記他端側第1面密度、及び前記他端側第2面密度を用いて、前記活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、前記活物質ペーストの除去量を前記掻き取りロールの回転速度により調整する除去量調整手段を備える電池用極板の製造装置である。
本発明の電池用極板の製造装置は、さらに、一端側第1面密度等を用いて、活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、除去工程における活物質ペーストの除去量を掻き取りロールの回転速度により調整する除去量調整手段を含んでいる。このため、幅方向にも、長手方向にも活物質が均一に適量充填された電池用極板を容易に製造することができる。
本発明の実施にかかる実施例を、図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態を、図1〜図13を参照して説明する。
図1に示す電池用極板製造装置100は、長手方向NTに搬送される長尺平板状の芯材1に活物質ペーストPを充填し、これを乾燥して電池用正極板を製造する電池用極板製造装置である。
本実施例にかかる電池用極板製造装置100は、図1に示すとおり、ロール状の巻回された長尺の芯材1を、その長手方向NTに、具体的には、搬送方向HT(図中右方向)に搬送する。この電池用極板製造装置100は、後に詳述するように、芯材1の第1面密度W1を測定する第1面密度測定装置20と、芯材1の充填面1j側(図中、上方)から芯材1に活物質ペーストPを吹きつけて、芯材1に活物質ペーストPを一定の充填面密度で充填するペーストスプレイ装置30とを有する。さらにこの電池用極板製造装置100は、このようにして活物質ペーストPを所定量充填したペースト充填済芯材1Pの幅方向WT(図1における紙面に垂直な方向、図2参照)の全幅に亘って、上側掻き取りロール41及び下側掻き取りロール42を用いて、ペースト充填済芯材1Pに充填された活物質ペーストPの一部を掻き取り除去する掻き取り装置40を含む。さらに、この電池用極板製造装置100は、ペースト充填済芯材1Pの第2面密度W2を測定する第2面密度測定装置50と、第1,第2面密度W1,W2を用いて、掻き取り装置40における掻き取り量(掻き取りロール41,42の回転速度N)の制御を行うフィードバック制御装置60とを含む。またさらに、長尺平板状の芯材1を長手方向NTに搬送する図示しない搬送装置と、活物質ペーストPの充填に先立ち、芯材1の厚みを調整する公知の調厚ロール70と、ペーストスプレイ装置30の搬送方向HT(長手方向)前後に配置された第1,第2芯材保持ロール80,90と、及びペースト充填済芯材1Pを乾燥させて、電池用極板(活
物質充填済芯材)1Kとする水平乾燥炉10とを含む。
活物質が充填される芯材1は、その孔内に活物質ペーストP(活物質)を充填可能な多孔質の発泡ニッケルからなり、長尺の平板状の形態を有する。この芯材1は、発泡ウレタンにニッケルを蒸着させた後、焼結により発泡ウレタンを除去して発泡ニッケルを形成する公知の方法で製造される。この芯材1は、ロール状に巻き取られた状態で使用に供され、順次引き出されて使用される。
また、活物質ペーストPは、電池の起電反応に関与する活物質である水酸化ニッケルを主体とし、これに放電効率を向上させるためのコバルト化合物を添加した粉末を水で混練してペースト状にしたものである。
第1面密度測定装置20は、所定の領域に向けてX線を放射する第1X線照射装置21と、芯材1を透過したX線量を計測して、芯材1の単位面積当たりの質量(第1面密度W1)を測定する第1X線面密度計22とを含んでいる。
本実施例では、第1面密度測定装置20では、直径15mmの範囲にX線を照射して、その部分の第1面密度W1を測定している。さらに、この第1面密度測定装置20は、第1X線照射装置21及び第1X線面密度計22を、芯材1の幅方向WTの全幅に亘り、同期して、この幅方向WTに等速で往復移動させる、図示しない移動機構を含んでいる。従って、この第1面密度測定装置20により、芯材1の平面上の部位に関し、幅方向WTについて所定の幅方向間隔WK(図2参照)ごとの複数の第1所定部位SBにおける第1面密度W1を順次測定することができるようにされている。
また、第2面密度測定装置50も上述の第1面密度測定装置20と略同様の構成を有している。即ち、第2面密度測定装置50は、所定領域に向けてX線を放射する第2X線照射装置51、及びペースト充填済芯材1Pを透過したX線量を計測して、ペースト充填済芯材1Pの第2面密度W2を計測する第2X線面密度計52を含んでいる。また、第2面密度測定装置50も、第2X線照射装置51及び第2X線面密度計52を、幅方向WTの全幅に亘り、この幅方向WTに同期して、等速で往復移動させる、図示しない移動機構を含んでいる。従って、幅方向WTについて幅方向間隔WKごとに位置する複数の第2所定部位SC(図2参照)の第2面密度W2を測定可能とされている。
また、本実施例では、芯材1(ペースト充填済芯材1P)の平面上の部位に関し、第2面密度測定装置50における第2面密度W2の測定部位である第2所定部位SCは、第1面密度測定装置20において第1面密度W1を測定した第1所定部位SBと一致するように、第1面密度測定装置20に対する第2面密度測定装置50の配置及び幅方向WTへの移動の速度及びタイミングが調整されている。
図2は、芯材1(ペースト充填済芯材1P)と、第1面密度測定装置20及び第2面密度測定装置50との関係を示した説明図である。破線で示す第1面密度測定装置20は、搬送方向HT(図中、右方向)に搬送される芯材1のうち、幅方向WTの一端縁1SR(図中、下側縁)から他端縁1SL(図中、上側縁)までを覆うようにして配置され、この範囲を、第1X線照射装置21及び第1X線面密度計22が各々幅方向WTに移動可能とされている。第2面密度測定装置50についても同様である。
なお、本実施例では、芯材1のうち、中心線CXよりも一端縁1SRとの間の部分(図中、下方部分)を一端側部1R、中心線CXと他端縁1SLとの間の部分(図中、上方部分)を他端側部1Lとして以下を説明する。
本実施例にかかる電池用極板製造装置100では、第1面密度測定装置20の第1X線照射装置21及び第1X線面密度計22は、芯材1の一端縁1SRと他端縁1SLとの間を幅方向WTに等速で往復移動している。また、芯材1は、搬送方向HTに所定の搬送速度で移動している。このため、所定時間間隔ごとに第1面密度W1を測定すると、芯材1の平面上における部位のうち、第1面密度W1を測定した第1所定部位SBは、図2に拡大して示すように、芯材1の長手方向NT及び幅方向WTのいずれにも交差する斜め方向の仮想直線上に散点状に配列されることになる。また、隣り合う第1所定部位SB同士の間隔は、幅方向WTについてみると、幅方向間隔WKとなる。
なお、本実施例の電池用極板製造装置100では、芯材1の全幅が200mmであり、幅方向WTについて、芯材1の一端縁1SRから他端縁1SLまでの間に100ヶ所の第1所定部位SBが存在しており、幅方向間隔WKはWK=2mmである。
また、第2面密度測定装置50の第2X線照射装置51及び第2X線面密度計52も、芯材1の一端縁1SRと他端縁1SLとの間を、第1X線照射装置21等と同じ速度で幅方向WTに往復移動している。このため、所定時間間隔ごとにこの第2面密度測定装置50で第2面密度W2を測定すると、芯材1の平面上における部位のうち、第2面密度W2を測定した第2所定部位SCも、図2に拡大して示すように、芯材1の長手方向NT及び幅方向WTのいずれにも交差する斜め方向の仮想直線上に散点状に配列されることになる。また、隣り合う第2所定部位SC同士の間隔も、幅方向WTについてみると、同じ幅方向間隔WKとなる。
なお、前述したように、第1面密度測定装置20に対する第2面密度測定装置50の配置や第1X線照射装置21等の移動速度やタイミングを調整しているので、第2面密度W2を測定する第2所定部位SCが、第1面密度W1を測定した第1所定部位SBと同じ位置となっている。
ペーストスプレイ装置30は、図1に示すように、幅方向WTの全幅に亘るスリット状の噴射ノズル31から、所定の圧力で加圧した活物質ペーストPを、芯材1の充填面1jに向けて噴射し、この芯材1内に所定の充填面密度で活物質ペーストPを充填する。また、この噴射ノズル31から噴射される活物質ペーストPの噴射圧により、芯材1が撓むのを防止するため、この噴射ノズル31に対し、その搬送方向HTの前後の位置に、第1,第2芯材保持ロール80,90が配置されている。
次いで、掻き取り装置40について説明する。この掻き取り装置40は、図4に示すように、ペースト充填済芯材1Pの充填面1j側(図1中、上方)に配置された上側掻き取りロール41、及び下側に配置された下側掻き取りロール42を含む。掻き取り装置40はまた、上側掻き取りロール41の幅方向(図4中、紙面に垂直な方向)両端において、その軸心41bを回転可能に保持しつつ、軸心41bの端部を鉛直方向Vにそれぞれ移動させて、上側掻き取りロール41の軸心41bを芯材1に対して傾けるための一端側軸心移動機構43及び他端側軸心移動機構44を含んでいる。
掻き取り装置40は、上側掻き取りロール41と下側掻き取りロール42とでペースト充填済芯材1Pを挟むと共に、上側掻き取りロール41を芯材1への接触部分の移動方向が、芯材1の搬送方向HTに対して逆向きとなるように、掻き取りロール41,42を逆回転させる。また、上側掻き取りロール41及び下側掻き取りロール42の回転速度(単位時間当たりの回転数)Nは、これを駆動する駆動モータ45の制御により制御することができる。
ところで、所定面密度の活物質ペーストPを充填したペースト充填済芯材1Pから、この掻き取り装置40を用いて活物質ペーストPを除去した場合に、その除去量と掻き取りロール41,42の回転速度Nとの間には、概略線形関係が存在することが判ってきた。具体的には、掻き取りロール41,42の回転速度Nと、除去後のペースト充填済芯材1Pに充填された活物質ペーストPの充填面密度△Wとの間には、図3に示す関係があることが判ってきた。この図3のグラフによれば、掻き取りロール41,42の回転速度Nを増加させると、活物質ペーストPの充填面密度△Wが直線的に減少することが判る。従って、掻き取りロール41,42の回転速度Nを調整することで、ペースト充填済芯材1Pから掻き取る活物質ペーストPの除去量を調整して、ペースト充填済芯材1Pにおける活物質ペーストPの充填面密度△Wを調整することができる。
次いで、一端側軸心移動機構43及び他端側軸心移動機構44について、図4を参照して説明する。以下では、両者のうち、一端側軸心移動機構43について説明する。一端側軸心移動機構43は、くさび形状を有し、その斜面が摺動面431sとされた摺動台部材431を有する。また、この摺動台部材431は、この摺動台部材431から下方に延びる支持アーム432により、上側掻き取りロール41の一端を吊り上げている。具体的には、図5(a)に示すように、上側掻き取りロール41の軸心41bを通る芯部材41cの一端部41caが、支持アーム432の下端部432dで回転自在に保持され、この支持アーム432が、摺動台部材431に固着されている。
摺動台部材431の上方には、その摺動面431sに当接して摺動する摺動面434sを有するプッシャ434が配置されている。このプッシャ434は、内部に雌ネジ434mが形成され、ペースト充填済芯材1Pの平面方向に平行に延びる挿通孔434hを有しており、この挿通孔434hには、外周に雄ネジ433nが形成されたロッド433が挿通されている。このロッド433は、サーボモータ435の回転軸を構成しており、このサーボモータ435は、制御信号により、所望の回転方向に、所望の回転角だけ回転させることができる。
なお、摺動台部材431は、鉛直方向V(図4中、上下方向)のみ移動可能なように図示しない制限手段で移動方向が制限されている。さらに、この摺動台部材431は、摺動面431sがプッシャ434の摺動面434sを押圧するように、鉛直方向Vで上向きに、図示しない押し上げ手段で押し上げられている。
従って、この一端側軸心移動機構43では、サーボモータ435を駆動して、ロッド433を所望の角度だけ回転させると、プッシャ434が、摺動台部材431の摺動面431sを摺動しつつ、ロッド433の軸線方向RTに沿う方向に移動する。摺動台部材431の摺動面431sは、斜面となっているので、プッシャ434の移動により、摺動台部材431自身が鉛直方向Vに移動する。これにより、支持アーム432を通じて、上側掻き取りロール41の芯部材41cの一端部41caが、鉛直方向Vに持ち上げ、あるいは引き下げられる。
また、本実施例の掻き取り装置40では、他端側軸心移動機構44についても、同様の構造を有している。従って、この他端側軸心移動機構44でも、サーボモータ445を駆動することにより、上側掻き取りロール41の芯部材41cの他端部41cbを、鉛直方向Vに持ち上げ、あるいは引き下げることができる。
かくして、掻き取り装置40における、一端側軸心移動機構43及び他端側軸心移動機構44を用いることで、上側掻き取りロール41と下側掻き取りロール42との間のニップの大きさを調整することができると共に、図5に示すように、下側掻き取りロール42の軸芯42bに対する上側掻き取りロール41の軸心41bの傾きθ(図5参照)を、調整することができる。
具体的には、この一端側軸心移動機構43において、サーボモータ435の回転角を調整することで、上側掻き取りロール41の一端と下側掻き取りロール42の一端との間の一端側ギャップGP1の大きさを調整することができる。また、他端側軸心移動機構44において、サーボモータ445の回転角を調整することで、上側掻き取りロール41の他端と下側掻き取りロール42の他端との間の他端側ギャップGP2の大きさを調整することができる。
次いで、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2の大きさと、幅方向WTにおける上側掻き取りロール41による活物質ペーストPの除去の様子について図5を参照して説明する。
図5(a)は、GP1=GP2の状態を示している。上側掻き取りロール41は、ペースト充填済芯材1Pに対して幅方向WTの全幅に亘り、均等にペースト充填済芯材1Pに接触しているため、ペースト充填済芯材1Pから、幅方向WTの全幅に亘って、均一に活物質ペーストPが除去されることとなる。
一方、図5(b)は、GP1<GP2の状態を示している。この場合には、上側掻き取りロール41のうち一端側(図中、左側)が、他端側に比して、より強い押圧力でペースト充填済芯材1Pに接して掻き取りを行うことになるため、ペースト充填済芯材1Pのうち一端側部1Rで、より多くの活物質ペーストPが除去される。
図5(c)は、これとは逆に、GP1>GP2の状態を示している。この場合には、ペースト充填済芯材1Pのうち幅方向WTの他端側部1Lで、より多くの活物質ペーストPが除去される。
なお、図6は、他端側ギャップGP2を一定とした上で、上側掻き取りロール41と下側掻き取りロール42との間の一端側ギャップGP1と、ペースト充填済芯材1Pのうち一端縁1SR付近の部位における活物質ペーストPの充填面密度ΔWとの関係を示すグラフである。この図6のグラフにおいて、一端側ギャップGP1を小さくすると活物質ペーストPの充填面密度ΔWが小さくなり、一端側ギャップGP1を大きくすると充填面密度ΔWも大きくなることが判る。従って、上側掻き取りロール41の軸心41bの傾きθを、一端側軸心移動機構43あるいは他端側軸心移動機構44を用いて変更し、一端側ギャップGP1あるいは他端側ギャップGP2を調整することで、活物質ペーストPの幅方向WTに見た除去量、すなわち、活物質ペーストPの充填面密度△Wを幅方向WTについて容易に調整できることが判る。
フィードバック制御装置60は、第1面密度測定装置20及び第2面密度測定装置50で得た第1面密度W1及び第2面密度W2を取得し、これらの値を用いて活物質ペーストPの充填面密度△Wの算出などを行い、掻き取り装置40の適切な制御を行う装置である。このフィードバック制御装置60は、プログラムにより制御され、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置などを含み、所定のプログラムで制御されるコンピュータ61と、LCD画面上にデータを表示すると共に、タッチパネルによってデータを入力可能なLCD入出力装置62とを含む。
次いで、本実施例にかかる電池用極板製造装置100を用いて電池用極板1Kを製造する方法について、図1及び図7〜図15を用いて説明する。
ロール状に巻き取られた芯材1は、その一端が引き出されて搬送装置により長手方向NT(搬送方向HT)に搬送される。以下の各工程は、この長手方向NTに搬送される芯材1について、連続して処理を行う。
まず、前処理工程では、調厚ロール70を用いて、芯材1の板厚を所定の厚さに圧縮加工する。
次いで、第1面密度測定工程において、第1面密度測定装置20を用いて、芯材1の各第1所定部位SBについて、それぞれ第1面密度W1を測定する。
なお、前述したように、本実施例では、第1面密度測定装置20のうち、第1X線照射装置21及び第1X線面密度計22は、図示しない移動機構により幅方向WTに等速で移動しつつ順次、第1面密度W1を測定し、コンピュータ61に順次入力する。本実施例では、第1X線照射装置21等が、芯材1の一端縁1SRから他端縁1SLまで(あるいはこの逆に)移動する間に、100ヶ所の第1所定部位SBについて第1面密度W1を測定する。このため、第1面密度W1を測定した各第1所定部位SBは、幅方向WTに見て幅
方向間隔WKごとに位置している。また、第1X線照射装置21等が、芯材1の一端縁1SRから他端縁1SLまで移動する期間に、芯材1は搬送方向HTに順次搬送される。このため、100ヶ所の第1所定部位SBは、搬送方向HT(長手方向NT)に見て、最大で所定長手範囲SNの分だけ位置ずれしている。
そこで、本実施例においては、芯材1の平面上における各第1所定部位SBの位置を示すに当り、以下のようにする。
まず、芯材1の平面上における第1所定部位SBの位置のうち、幅方向WTについての位置について説明する。第1所定部位SBは、隣り合う第1所定部位SB同士が、互いに幅方向間隔WKずつずれて、幅方向WTに100個並んでいる、このことから、芯材1のうち、一端縁1SR(図7中、下方縁)に最も近い第1所定部位SBの幅方向WTの位置を幅方向WTの座標WK1として表し、他端縁1SL(図7中、上方縁)に向かって、順に幅方向WTの座標をWK2,WK3,…と1つずつ増加する数字を付して表し、最も他端縁1SLに近い位置にある幅方向WTの座標を、座標WK100とする。
次いで、芯材1の平面上における第1所定部位SBの位置のうち、長手方向NT(搬送方向HT)についての位置についての表示について説明する。後述するように、各第1所定部位SBについて測定した第1面密度W1などについては、芯材1の一端縁1SRから他端縁1SLまでの順に100ヶのデータ、あるいはこの逆の順に測定した100ヶのデータを1つのグループとして使い、これについて平均等の処理を行うのが便利である。そこで、芯材1のうち、長手方向NTに所定長手範囲SNの寸法を持ち、幅方向WTに長い短冊状の領域であって、内部に芯材1の一端縁1SRから他端縁1SLまで、あるいは他端縁1SLから一端縁1SRまで並ぶ100個一連の第1所定部位SBを含む、幅広領域SHを1つの座標単位とする。これにより、図7に示すように、搬送方向HTの先頭側(図7中、右側)から順に、幅広領域の座標(座標記号)をSH1,SH2,SH3,…と表わす。
このようにすることで、各第1所定部位SBの位置は、幅方向WTの座標WKm(mは1〜100の整数)と幅広領域の座標SHn(nは整数)とで表せることになる。
第1面密度測定装置20で測定された各第1所定部位SB1〜SB100におけるそれぞれの第1面密度W1は、順次、コンピュータ61に入力される。コンピュータ61には、これら第1所定部位SBにおける第1面密度W1が、第1所定部位SBの座標に応じて、幅方向WTの座標WKm及び幅広領域の座標SHnに対応付けて格納される。
図8(a)は、各第1所定部位SBで測定された各々の第1面密度W1を、各第1所定部位SBの座標に対応付けて、コンピュータ61の記憶装置に格納した状態を示す表である。この表のうち、第1行(横方向)に並ぶWK1〜WK100は、幅方向WTの座標を示し、第1欄(縦方向)に並ぶSH1〜SH8は、幅広領域の座標を示している。また、表中に並ぶa1〜a800は、対応する座標を持つ第1所定部位SBで測定された第1面密度W1の値である。例えば、座標(WK2,SH2)で測定された第1面密度W1の値として、a102が格納されている。
さらに、本実施例では、コンピュータ61の内部処理として、図9に示すように、1つの幅広領域座表(例えばSH3)で特定される100ヶ所の第1所定部位SBに関する第1面密度W1を、芯材1の全幅を幅方向WTに仮想的に12個に分割した幅ゾーンHZ1〜HZ12ごとに処理して制御を行う。幅ゾーンHZ1〜HZ12は、幅方向WTにそれぞれ隣り合うように配列されている。コンピュータ61は、それぞれの幅ゾーンHZ1等の範囲に含まれる複数の第1所定部位SBにおける第1面密度W1の平均値を算出し、それぞれの幅ゾーンHZ及び幅広領域の座標SHnに対応付けて、記憶装置に格納する。
図9(a)は、図8(a)の第1面密度W1のデータを基に、それぞれの幅ゾーンHZに含まれる複数の第1所定部位SBにおける第1面密度W1の平均値d1,d2,…を、それぞれの幅ゾーンHZ及び幅広範囲の座標SHnに対応付けて、コンピュータ61の記憶装置に格納した状態を示す表である。この表において、第1行(横方向)に並ぶHZ1〜HZ12は各幅ゾーンの別を示し、第1列(縦方向)に並ぶSH1〜SH8は幅広領域の座標を示している。また、表中に並ぶd1〜d96は、対応する幅広領域の座標と、幅ゾーンHZで特定される範囲に含まれる複数の第1所定部位SBにおける第1面密度W1の平均値である。
本実施例においては、芯材1の一端縁1SR〜他端縁1SLまで一連に並ぶ合計100個の第1所定部位SBを、各幅ゾーンHZ1〜HZ4に各8個、HZ5〜HZ8に各9個、HZ9〜HZ12に各8個ずつ順に配分する。従って、例えば、幅ゾーンHZ1の範囲には、幅方向WTの座標WK1〜WK8が含まれるから、図8(a)におけるa1〜a8の平均値が、平均値d1として格納される。
次いで、充填工程において、ペーストスプレイ装置30を用いて、芯材1に充填面1j側から活物質ペーストPを吹きつけ、一定の面密度となるように充填する。
次いで、除去工程において、上側掻き取りロール41を含む掻き取り装置40を用いて、ペースト充填済芯材1Pから一旦充填した活物質ペーストPの一部を充填面1j側から除去する。
なお、この除去工程では、後述のフィードバック制御方法で決定された回転速度Nで掻き取りロール41,42を逆方向に回転させて、ペースト充填済芯材1Pから活物質ペーストPの一部を除去する。また、後述のフィードバック制御方法で決定された一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2で与えられる上側掻き取りロール41の軸心41bの傾きθを保った状態で、活物質ペーストPの除去を行う。
次いで、第2面密度測定工程では、活物質ペーストPの一部が除去されたペースト充填済芯材1Pについて、前述した第1面密度測定工程と同様にして、各第2所定部位SCにおける第2面密度W2を、第2面密度測定装置50を用いて測定する。コンピュータ61では、これらの第2面密度W2を取得し、第1面密度測定工程と同様に、幅方向WTの座標WKmと幅広領域の座標SHnに対応付けて前述と同様に記憶装置に格納する(図8(b)参照)。なお、前述したように本実施例においては、第2所定部位SCは、各々第1所定部位SBと同じ部位となるようにされている。
また、それぞれの幅ゾーンHZの範囲に含まれる複数の第2所定部位SCにおける第2面密度W2の平均値を算出し、それぞれの幅ゾーンHZ及び幅広領域の座標SHnに対応付けて前述と同様に記憶装置に格納する(図9(b)参照)。
最後に、水平乾燥炉10により、ペースト充填済芯材1Pにおける活物質ペーストPを乾燥させて、水分等を除去し活物質として電池用極板1Kを完成させる。
なお、その後、出来上がった長尺の電池用極板1Kを適宜の形状に裁断等して、単電池等の電池用極板として利用する。
次いで、第1面密度W1及び第2面密度W2を用いて、除去工程の掻き取りロール41,42の回転速度Nと軸心41bの傾きθをフィードバック制御する手法について、図10のグラフ及び図11〜図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1において、掻き取り装置40の掻き取りロール41,42について、自身の回転速度N、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2の初期値を設定する。
次いで、ステップS2において、図示しない電池用極板製造装置100の停止スイッチSTOPがONにされているか否かを判断し、ONにされている場合(Yes)は直ちに処理を終了する。また、停止スイッチSTOPが押されていない場合(No)はステップS3に進む。
次いで、ステップS3において、掻き取りロール41,42における回転速度Nの異常の有無、一端側ギャップGP1と他端側ギャップGP2の異常の有無、及び、第1面密度測定装置20及び第2面密度測定装置50における異常の有無の確認を行う。
なお、異常があると判断された場合には、図示しない適宜の処理を行う。例えば、適切な動作になるように調整を行う、あるいは異常があることの警告を発するなどの処置を行う。
その後、ステップS4において、第1面密度測定装置20を用いて測定された第1面密度W1を取得し、この第1面密度W1を測定した第1所定部位SBの座標(WKm,SHn)に従って、コンピュータ61の記憶装置に格納する(図8(a)参照)。
また、ステップS5において、第2面密度測定装置50を用いて測定された第2面密度W2を取得し、この第2面密度W2を測定した第2所定部位SCの座標(WKm,SHn)に従って、コンピュータ61の記憶装置に格納する(図8(b)参照)。
次いで、ステップS6において、同じ座標(WKm,SHn)に関する第2面密度W2と第1面密度W1を用いて、活物質ペーストPの充填面密度ΔWを算出し、次述するように、第1所定部位SB(第2所定部位SC)の座標(WKm,SHn)に従ってコンピュータ61の記憶装置に格納する(図8(c)参照)。充填面密度△Wは、具体的には、△W=W2−W1により算出される。
図8(c)は、各第1所定部位SBについて算出された活物質ペーストPの充填面密度ΔWを、各第1所定部位SBの座標(WKm,SHn)に従ってコンピュータ61の記憶装置に格納した状態を示す表である。図8(a),(b)と同様、第1行(横方向)に並ぶWK1〜WK100は、幅方向WTの座標を示し、第1列(縦方向)に並ぶSH1〜SH8は、幅広領域の座標を示している。また、表中に並ぶc1〜c800は、対応する座標を持つ第1所定部位SBにおける、活物質ペーストPの充填面密度ΔWの値である。例えば、座標(WK2,SH2)における充填面密度△Wは、c102であり、この値は、図8(a),(b)の対応する座標における第1,第2面密度a102,b102から求めた値(c102=b102−a102)である。
図9(c)は充填面密度ΔWが、幅広領域SHと幅ゾーンHZに対応付けられてコンピュータ61の記憶装置に格納された状態を示す表である。横方向に並ぶHZ1〜HZ12は各幅ゾーンHZを示し、縦方向に並ぶSH1〜SH8は各幅広領域SHを示している。また、表中に並ぶf1〜f96は、幅広領域SH1〜SH8で、それぞれの幅ゾーンHZにおける充填面密度ΔWの値が格納されている。例えば、第1所定部位SB1及び幅ゾーンHZ1における充填面密度ΔWの値であるf1は、図9(b)におけるe1と、図9(a)におけるd1との差(e1−d1)の算出値である。
なお、ステップS6に次いで、搬送方向制御処理(図12参照)及び幅方向制御処理(図13参照)に移行するが、これらは並列に処理される。
図12に示す搬送方向制御処理のうちステップS7において、搬送方向HTについて幅広領域SH内の充填面密度ΔWの平均値AV1を求め、図8(c)に示すように、コンピュータ61の記憶装置に格納する。
例えば、図8(c)において、幅広領域SH1における充填面密度ΔWの平均値AV1である平均値u1は、c1〜c100の平均値である。
次いで、ステップS8において、充填面密度ΔWについて自身と先行する2つの幅広領域との合計3つの幅広領域SH内における平均値AV1の移動平均値DAVを算出し、図8(c)に示すように、コンピュータ61の記憶装置に格納する。例えば、図8(c)における移動平均値v1は、平均値u1〜u3の平均値であり、移動平均値v2は、平均値u2〜u4の平均値である。
本実施例にかかる電池用極板製造装置100では、3つの幅広領域SHの平均値AV1を用いて移動平均値DAVを算出しているが、2つもしくは4つ以上の平均値を用いて移動平均値DAVを算出しても良い。
次いで、ステップS9において、移動平均値DAVにより、活物質ペーストPの充填量の状態を示す搬送方向充填量レベルHLを決定する。この搬送方向充填量レベルHLには、レベル1〜レベル5の5段階のレベルがあり、移動平均値DAVと目標値THSとの差の大きさに応じて、いずれか一つのレベルを割り当てる。移動平均値DAVが目標値THSに略等しい場合(充填量適切の場合)には、レベル3を割り当てる。また、目標値THSよりも、移動平均値DAVが大きい場合(充填量過剰の場合)にはレベル1またはレベル2、小さい場合(充填量不足の場合)にはレベル4またはレベル5を割り当てる。以下に具体的なレベルの割り当て方法について説明する。
図10(a)は、移動平均値DAVと搬送方向充填量レベルHLの各レベルとの関係を示した説明図である。縦軸は移動平均値DAVであり、横軸は時間である。従って、実線で示すグラフは移動平均値DAVの時間経過を示している。また、横方向の破線はあらかじめ設定された各レベルの閾値TH1〜TH4を示し、横方向の一点鎖線はあらかじめ設定された充填面密度ΔWの目標値THSを示している。充填面密度ΔWの移動平均値DAVと各レベルの閾値TH1〜TH4とを比較することで、搬送方向充填量レベルHLのうち該当するレベルが割り当てられる。具体的には、DAV≧TH1の場合はレベル1、TH1>DAV≧TH2の場合はレベル2、TH2>DAV≧TH3の場合はレベル3、TH3>DAV≧TH4の場合はレベル4及びDAV<TH4の場合はレベル5が割り当てられる。
次いで、ステップS10において、タイマで設定された時間が経過したかどうかの判定を行う。このタイマの設定時間は、芯材1が掻き取りロール41,42から第2面密度測定装置50に到達するまでにかかる時間を設定する。次述するステップS12で、掻き取りロール41,42の回転速度Nを変更してから、変更による充填面密度ΔWの変化が判るまで待つ必要があるからである。ここで、タイマの設定時間を経過していない場合(No)には、ステップS2に戻る。一方、タイマの設定時間を経過した場合(Yes)には、ステップS12に進む。従って、タイマの設定時間ごとにステップS12での処理が行われることとなる。
ステップS12では、搬送方向充填量レベルHLに基づき、掻き取り装置40(掻き取りロール41,42)の回転速度Nを調整する。搬送方向充填量レベルHLがレベル1またはレベル2の場合は、活物質ペーストPの充填量が多すぎる状態であるため、回転速度Nを大きくして、その除去量を増加させる。一方、レベル4またはレベル5の場合は、活物質ペーストPの充填量が少なすぎる状態であるため、回転速度Nを小さくして、その除去量を減少させる。また、レベル3の場合は、活物質ペーストPの充填量が適切な状態であるため、回転速度Nは変更しない。
なお、レベル2に比してレベル1は活物質ペーストPの充填量がさらに多い状態であるため、レベル1の場合は、レベル2の場合よりも回転速度Nを大きく調整する。また、レベル4に比してレベル5は活物質ペーストPの充填量がさらに少ない状態であるため、レベル5の場合は、レベル4の場合よりも回転速度Nを小さく調整する。
以上のように、回転速度Nを調整した後、タイマをセットし、ステップS2に戻る。
一方、図13に示す幅方向制御処理のステップS13において、一端側部1Rの幅ゾーンHZ1〜HZ6の平均値AVR及び他端側部1Lの幅ゾーンHZ7〜HZ12の平均値AVLを算出し、図9(c)に示すように、コンピュータ61の記憶領域に格納する。
例えば、一端側部1Rの平均値r1は、幅広領域SH1における充填面密度f1〜f6の平均値であり、他端側部1Lの平均値s1は充填面密度f7〜f12の平均値である。
次いで、ステップS14において、平均値AVLと平均値AVRとの差分である左右差DRLを算出し、図9(c)に示すように、コンピュータ61の記憶領域に格納する。
例えば、左右差y1は一端側部1Rの平均値r1と他端側部1Lの平均値s1との差分(r1−s1)を算出したものである。
次いで、ステップS15において、充填面密度ΔWの左右差DRLの移動平均値AVDを算出し、図9(c)に示すように、コンピュータ61の記憶領域に格納する。
例えば、移動平均値z1は3つの左右差y1〜y3の平均値であり、移動平均値z2は左右差y2〜y4の平均値である。
次いで、ステップS16において、左右差DRLの移動平均値AVDにより、幅方向充填量差レベルWLを決定する。この幅方向充填量差レベルWLには、レベル1〜レベル7の7段階のレベルがあり、この移動平均値AVDの大きさに応じて、いずれか一つのレベルを割り当てる。この移動平均値AVDが略0の場合(一端側部1Rと他端側部1Lとで充填面密度が略等しい場合)には、レベル4を割り当てる。また、この移動平均値AVDが正の値になっている場合(一端側部1Rの充填面密度が他端側部1Lのそれよりも多い場合)はレベル1〜レベル3のうちいずれかを割り当てる。逆に、負にずれている場合(他端側部1Lの充填面密度が一端側部1Rのそれよりも多い場合)はレベル4〜レベル7のうちいずれかを割り当てる。以下に具体的なレベルの割り当て方法について説明する。
図10(b)は、充填面密度ΔWの左右差DRLの移動平均値AVDと幅方向充填量差レベルWLの各レベルとの関係を示した説明図である。縦軸は左右差DRLの移動平均値AVDであり、横軸は時間である。従って、実線で示すグラフは移動平均値AVDの時間経過を示している。また、横方向の破線は各レベルの閾値TW1〜TW6、横方向の一点鎖線は移動平均値AVD=0の位置を示している。左右差DRLの移動平均値AVDと、各レベルの閾値TW1〜TW6とを比較することで、幅方向充填量差レベルWLのうち該当するレベルが割り当てられる。具体的には、AVD≧TW1の場合はレベル1、TW1>AVD≧TW2の場合はレベル2、TW2>AVD≧TW3の場合はレベル3、TW3>AVD≧TW4の場合はレベル4、TW4>AVD≧TW5の場合はレベル5、TW5>AVD≧TW6の場合はレベル6及びAVD<TW6の場合はレベル7が割り当てられる。
次いで、ステップS17において、搬送方向充填量レベルHLがレベル3(許容範囲内のレベル)であるか否かを判定し、レベル3でない場合(No)には、ステップS2に戻る。搬送方向充填量レベルHLがレベル3でない場合には、ステップS12において、掻き取りロール41,42の回転速度Nが変更される。この場合、同時にステップS18以降による軸心41bの傾き調整を行うことは、好ましくないので、ステップS18の処理をスキップするためである。従って、搬送方向HTに見て充填面密度ΔW(移動平均値DAV)が適切でない場合には、搬送方向制御処理によってそれらの違いが解消されるまで、掻き取り装置40について、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2の変更による軸心41bの傾きθの調整は行われないこととなる。
一方、レベル3である場合(Yes)には、ステップS18に進む。
ステップS18では、決定された幅方向充填量差レベルWLに基づいて、掻き取り装置40における一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2を調整する。幅方向充填量差レベルWLがレベル1〜レベル3の場合には、一端側部1Rの活物質ペーストPの充填量が他端側部1Lよりも多い状態であることを示している。具体的には、図5(c)の状態になっていると考えられる。そこで、一端側ギャップGP1を小さくする。他端側ギャップGP2を大きくする。あるいはこの両方を行うことにより、軸心41bの傾きθをなるべくθ=0の状態(図5(a)参照)に近づける。一方、幅方向充填量差レベルWLがレベル5〜レベル7の場合には、他端側部1Lの充填量が一端側部1Rよりも多い状態であることを示している。具体的には、図5(b)の状態になっていると考えられる。そこで、他端側ギャップGP2を小さくする。一端側ギャップGP1を大きくする。あるいは、この両方を行うことにより、軸心41bの傾きθをなるべくθ=0の状態(図5(a)参照)に近づける。
なお、レベル4の場合には、活物質ペーストPの充填量が一端側部1R及び他端側部1Lで略等しい状態を示しているため、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2を調整する必要はない。
また、幅方向充填量差レベルWLが、レベル3、レベル2、レベル1となった場合には、この順で一端側部1Rの活物質ペーストPの充填量が他端側部1Lのそれに比してより大きくなるため、レベルの番号が小さくなるほど、より大きく軸心41bの傾きθを戻すために、一端側ギャップGP1をより小さくする。または、他端側ギャップGP2をより大きくする。あるいは、両方を行うようにする。一方、レベル5、レベル6、レベル7となった場合には、この順で他端側部1Lの活物質ペーストPの充填量が一端側部1Rの
それに比して充填量がより大きくなるため、レベルの番号が大きくなるほど、より大きく軸心41bの傾きθを戻すために、一端側ギャップGP1をより大きくする。または、他端側ギャップGP2をより小さくする。あるいは、両方を行うようにする。
ステップS18において、以上のように、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2を調整した後、ステップS2に戻る。
かくして、上述の処理によって、掻き取りロール41,42の回転速度Nと、掻き取りロール41の軸心41bの傾きθを制御することができる。
(変形例)
上述の実施例においては、幅方向制御処理(図13参照)において、ステップS17で搬送方向充填量レベルHLがレベル3であるか否かを判断た。そして、レベル3でない場合、つまり、ステップS12(図12参照)で、掻き取りロール41,42の回転速度Nを変更する場合には、ステップS18をスキップして、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2を変更しないようにしていた。このように上述の実施例では、掻き取りロール41,42の回転速度Nの変更と、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2の変更とを同時に行わないようにし、掻き取りロール41,42の回転速度Nの変更を優先するにようにしている。
これに対し、本変形例のように、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2の変更を優先するように制御することもできる。即ち、本変形例における幅方向制御処理(図15参照)では、ステップS13〜S16,S18において、前述の実施例にかかる処理(図13参照)と同様な処理を行う。
ただし、実施例と異なり、ステップS16とS18との間にステップS17が存在しておらず、幅方向充填量差レベルWLのレベルに応じて、一端側ギャップGP1及び他端側ギャップGP2を変更しない場合(レベル4の場合)も含めて、必ずステップS18の処理がなされる。
一方、本変形例の搬送方向制御処理(図14参照)でも、ステップS7〜S10,S12において、前述の実施例と同様の処理(図12参照)を行う。
ただし、実施例と異なり、ステップS10とS12との間にステップS111を有している。このステップS111では、ステップS16で得た幅方向充填量差レベルWLがレベル4であるか否かを判断する。そして、レベル4でない場合には、ステップS12をスキップして、ステップS2に戻る。従って、幅方向充填量差レベルWLがレベル4でない場合、つまり、一端側ギャップGP1,他端側ギャップGP2の変更を行う場合には、これを優先し、掻き取りロール41,42の回転速度Nの変更は行われない。
このようにして、本変形例では、幅方向WTにおける活物質ペーストPの充填量のバラツキが優先して調整されることになる。このため、幅広の芯材1を用いる場合など、幅方向WTの充填量のバラツキが問題になる場合に本変形例に示す制御を行うと良い。
以上において、本発明を実施例及び変形例に即して説明したが、本発明は実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置では、第1面密度測定装置及び第2面密度測定装置として、一つの面密度計が幅方向に移動しつつ、所定範囲内で複数の所定部位における面密度を測定する装置を用いたが、複数の面密度計を有し、複数の所定部位を同時に測定できる測定装置を用いても良い。
また、本実施例及び変形例においては、平均値AVR,AVL、左右差DRL及び移動平均値AVDを得るのに当って、芯材1を12個の幅ゾーンHZ1〜HZ12に分けて、各幅ゾーン毎の第1面密度W1の平均値及び第2面密度W2の平均値を用いた(図9参照)。このようにすることで一端縁1SRから他端縁1SLまでの100点の第1所定部位SBのデータを全て用いたこととなる。
これに対し、平均値AVR,AVL、左右差DRL及び移動平均値AVDを得るのに、全ての幅ゾーンのデータを用いず、適数(例えば、右側3個、左側3個)あるいは、適当位置(例えば、HZ2〜HZ4、HZ9〜HZ11)の幅ゾーンのデータを用いて、求めることもできる。また、各幅ゾーンに含まれる第1所定部位SBの数や位置を適宜変更することもできる。
実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置の構成を示す説明図である。 実施例及び変形例にかかり、電池用極板製造装置における芯材と、第1面密度測定装置及び第2面密度測定装置との関係を説明するための説明図である。 実施例及び変形例にかかり、掻き取りロールの回転速度Nと活物質ペーストの充填面密度ΔWとの関係を示すグラフである。 実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置のうち、一端側軸心移動機構の構造を説明するための説明図である。 実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置の掻き取り装置における掻き取りロールの軸心の傾きと活物質ペーストの除去との関係を説明するための説明図であり、(a)はGP1=GP2の状態、(b)はGP1<GP2の状態、(c)はGP1>GP2の状態を示す。 実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置のうち、掻き取りロールにおける一端側ギャップと一端側充填面密度との関係を示すグラフである。 実施例及び変形例にかかる電池用極板製造装置において、第1面密度測定装置及び第2面密度測定装置において測定する複数の所定部位等の位置関係を説明するための説明図である。 コンピュータの記憶装置に格納された所定部位ごとの各面密度に関するデータを示す説明図である。このうち、(a)は第1面密度、(b)は第2面密度、(c)は活物質ペーストの充填面密度に関する測定データ(算出データ)、幅方向平均値、及びその移動平均値を含む。 コンピュータの記憶装置に格納された幅ゾーンごとの各面密度に関するデータを示す説明図である。このうち、(a)は第1面密度、(b)は第2面密度、(c)は活物質ペーストの充填面密度に関する、一端側部及び他端側部の平均値、それら平均値の左右差及びこの左右差の移動平均値を示している。 (a)は搬送方向充填量レベルについて説明するための、搬送方向に関する充填面密度の移動平均値の変化例を示すグラフであり、(b)は幅方向充填量差レベルについて説明するための、充填面密度の左右差に関する移動平均値の変化例を示すグラフである。 実施例にかかる電池用極板製造装置における、掻き取りロールについて回転速度と軸心の傾きのフィードバック制御する方法のフローチャートのうち、初期設定〜活物質ペースト充填量の算出までのフローチャートである。 実施例にかかる電池用極板製造装置における、掻き取りロールについて回転速度と軸心の傾きのフィードバック制御する方法のフローチャートのうち、搬送方向制御処理についてのフローチャートである。 実施例にかかる電池用極板製造装置における、掻き取りロールについて回転速度と軸心の傾きのフィードバック制御する方法のフローチャートのうち、幅方向制御処理についてのフローチャートである。 変形例にかかる電池用極板製造装置における、掻き取りロールについて回転速度と軸心の傾きのフィードバック制御する方法のフローチャートのうち、搬送方向制御処理についてのフローチャートである。 変形例にかかる電池用極板製造装置における、掻き取りロールについて回転速度と軸心の傾きのフィードバック制御する方法のフローチャートのうち、幅方向制御処理についてのフローチャートである。
1 芯材
WT (芯材の)幅方向
NT (芯材の)長手方向(幅方向に直交する方向)
1L 他端側部
1P ペースト充填済芯材
1R (芯材の)一端側部
1j (芯材の)充填面
20 第1面密度測定装置(第1面密度測定手段)
30 ペーストスプレイ装置(充填手段)
40 掻き取り装置(除去手段)
41 上側掻き取りロール
43 一端側軸心移動機構(傾き調整手段)
44 他端側軸心移動機構(傾き調整手段)
50 第2面密度測定装置(第2面密度測定手段)
60 フィードバック制御装置(除去量調整手段,傾き調整手段)
100 電池用極板製造装置
ΔW 充填面密度
GP1 一端側ギャップ
GP2 他端側ギャップ
P 活物質ペースト
SB 第1所定部位
SC 第2所定部位
SH 幅広領域
W1 第1面密度
W2 第2面密度

Claims (14)

  1. 長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造方法であって、
    自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材に関し、
    上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位、及び中心よりも他端側に位置する他端側所定部位について、
    上記一端側所定部位における一端側第1面密度、及び、上記他端側所定部位における他端側第1面密度をそれぞれ測定する
    第1面密度測定工程と、
    上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填工程と、
    上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去工程と、
    上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、
    上記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度、及び、
    上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する
    第2面密度測定工程と、を備え、
    上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記他端側第2面密度を用いて、上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心より一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する
    電池用極板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記第1面密度測定工程は、
    前記芯材のうち、前記長手方向について所定長手範囲内であって、かつ、前記芯材の幅方向の中心よりも前記一端縁側の範囲内で、上記幅方向について第1幅方向間隔ごとに位置する複数の前記一端側所定部位のそれぞれにおいて、前記一端側第1面密度を測定すると共に、
    上記芯材のうち、上記長手方向について上記所定範囲内であって、かつ、上記芯材の幅方向の中心よりも前記他端縁側の範囲内で、上記幅方向について第2幅方向間隔ごとに位置する複数の前記他端側所定部位のそれぞれにおいて、前記他端側第1面密度を測定し、
    前記第2面密度測定工程は、
    上記複数の一端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、一端側第2面密度を測定すると共に、
    上記複数の他端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、他端側第2面密度を測定し、
    前記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きの調整は、
    上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲内における上記複数の一端側所定部位にかかる上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲における、複数の一端側充填面密度に関する一端側充填面密度代表値、及び、
    上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲内における上記複数の他端側所定部位にかかる上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲における、複数の他端側充填面密度に関する他端側充填面密度代表値を用いて行う
    電池用極板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記第1面密度測定工程は、
    前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位の各々について前記一端側第1面密度を測定すると共に、
    前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位の各々について前記他端側第1面密度を測定し、
    前記第2面密度測定工程は、
    前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記一端側第2面密度を測定すると共に、
    前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記他端側第2面密度を測定する
    電池用極板の製造方法。
  4. 請求項1に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、
    前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、
    前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、
    前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行
    電池用極板の製造方法。
  5. 請求項2または請求項3に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、
    上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、
    前記一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを、用いて行う
    電池用極板の製造方法。
  6. 長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造方法であって、
    自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材について、
    上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、
    中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位における一端側第1面密度、及び、
    中心よりも他端縁側に位置する他端側所定部位における他端側第1面密度を測定する
    第1面密度測定工程と、
    上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填工程と、
    上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を除去する除去工程と、
    上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、
    上記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度、及び、
    上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する
    第2面密度測定工程と、を備え、
    上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記他端側第2面密度を用いて、
    上記活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、上記除去工程における活物質ペーストの除去量を掻き取りロールの回転速度により調整し、
    上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する
    電池用極板の製造方法。
  7. 請求項6に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記第1面密度測定工程は、
    前記芯材のうち、前記長手方向について所定長手範囲内であって、かつ、前記芯材の幅方向の中心よりも前記一端縁側の範囲内で、上記幅方向について第1幅方向間隔ごとに位置する複数の前記一端側所定部位のそれぞれにおいて、前記一端側第1面密度を測定すると共に、
    上記芯材のうち、上記長手方向について上記所定範囲内であって、かつ、上記芯材の幅方向の中心よりも前記他端縁側の範囲内で、上記幅方向について第2幅方向間隔ごとに位置する複数の前記他端側所定部位のそれぞれにおいて、前記他端側第1面密度を測定し、
    前記第2面密度測定工程は、
    上記複数の一端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、一端側第2面密度を測定すると共に、
    上記複数の他端側所定部位またはその近傍部位のそれぞれにおいて、他端側第2面密度を測定し、
    前記活物質ペーストの除去量の調整は、
    上記所定長手範囲における上記複数の一端側所定部位にかかる上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いると共に、上記所定長手範囲における上記複数の他端側所定部位にかかる上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを用いて算出した、上記所定長手範囲における、複数の前記充填面密度に関する充填面密度代表値を用いて行い、
    前記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きの調整は、
    上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲内における上記複数の一端側所定部位にかかる各々の上記一端側第1面密度及び一端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも一端縁側の範囲における、複数の一端側充填面密度に関する一端側充填面密度代表値、及び、
    上記所定長手範囲内でかつ上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲内における上記複数の他端側所定部位にかかる各々の上記他端側第1面密度及び他端側第2面密度を用いて算出した、上記所定長手範囲で上記芯材の幅方向の中心よりも他端縁側の範囲における、複数の他端側充填面密度に関する他端側充填面密度代表値を用いて行う
    電池用極板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記第1面密度測定工程は、
    前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位の各々について前記一端側第1面密度を測定すると共に、
    前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第1面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位の各々について前記他端側第1面密度を測定し、
    前記第2面密度測定工程は、
    前記芯材の幅方向に移動可能な一端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の一端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記一端側第2面密度を測定すると共に、
    前記芯材の幅方向に移動可能な他端側第2面密度測定手段を、上記幅方向に移動させて、前記複数の他端側所定部位またはその近傍部位の各々について前記他端側第2面密度を測定する
    電池用極板の製造方法。
  9. 請求項6に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記活物質ペーストの除去量の調整は、
    前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、
    前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、
    前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行
    電池用極板の製造方法。
  10. 請求項7または請求項8に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記活物質ペーストの除去量の調整は、
    上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、前記充填面密度代表値を用いて行う
    電池用極板の製造方法。
  11. 請求項6または請求項9に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、
    前記長手方向に関して異なる位置にある複数の前記所定長手範囲の各々における、
    前記一端側所定部位にかかる前記一端側第1面密度及び一端側第2面密度と、
    前記他端側所定部位にかかる前記他端側第1面密度及び他端側第2面密度とを、用いて行
    電池用極板の製造方法。
  12. 請求項7、請求項8及び請求項10のいずれか1項に記載の電池用極板の製造方法であって、
    前記掻き取りロールの軸線の前記芯材に対する傾きの調整は、
    上記長手方向に関して異なる位置にある複数の上記所定長手範囲の各々における、
    前記一端側充填面密度代表値と他端側充填面密度代表値とを、用いて行う
    電池用極板の製造方法。
  13. 長尺平板状の芯材に活物質を充填してなる電池用極板の製造装置であって、
    自身の一端縁及び他端縁に沿う長手方向に相対的に搬送される上記芯材について、
    上記長手方向について所定長手範囲内で、上記長手方向に直交する上記芯材の幅方向に見て、中心よりも一端縁側に位置する一端側所定部位について、上記一端側所定部位における一端側第1面密度を測定する一端側第1面密度測定手段と、
    上記幅方向に見て、上記中心よりも他端側に位置する他端側所定部位について、上記他端側所定部位における他端側第1面密度を測定する他端側第1面密度測定手段と、
    上記一端側第1面密度及び他端側第1面密度を測定した上記芯材に活物質ペーストを所定量充填して、ペースト充填済芯材を形成する充填手段と、
    上記ペースト充填済芯材の幅方向の全幅に亘って、掻き取りロールにより、充填した活物質ペーストの一部を幅方向に除去する除去手段と、
    上記活物質ペーストの一部が除去されたペースト充填済芯材について、上記一端側所定部位またはその近傍部位における一端側第2面密度を測定する一端側第2面密度測定手段、及び、上記他端側所定部位またはその近傍部位における他端側第2面密度を測定する他端側第2面密度測定手段と、
    上記一端側第1面密度、上記一端側第2面密度、上記他端側第1面密度、及び上記他端側第2面密度を用いて、上記活物質ペーストの充填面密度が、幅方向の中心よりも一端縁側と他端縁側とで等しくなるように、上記掻き取りロールの軸線の上記芯材に対する傾きを調整する傾き調整手段と、を備える
    電池用極板の製造装置。
  14. 請求項13に記載の電池用極板の製造装置であって、
    前記一端側第1面密度、前記一端側第2面密度、前記他端側第1面密度、及び前記他端側第2面密度を用いて、前記活物質ペーストの充填面密度が所定値となるように、前記活物質ペーストの除去量を前記掻き取りロールの回転速度により調整する除去量調整手段を備える
    電池用極板の製造装置。
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