JP4759912B2 - 皮膚用外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩を含有し、皮膚炎等に治療効果を有する外用剤に関する。
アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患に対する主な治療法には、ステロイド外用剤、非ステロイド系消炎外用剤等の外用製剤の使用、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、漢方薬、ステロイド剤、シクロスポリン等の内服、細菌ワクチン療法、薬浴療法、スキンケア、家塵ダニ対策、アレルゲン除去食療法等種々試みられている。しかし、いずれの治療法、治療剤によってもこの皮膚炎を根治することは難しいというのが現状である。更に、例えばステロイド剤は薬理効果は高いものの薬剤特有の副作用が非常に強く、使用にあたっては充分な配慮が必要であると同時に長期連用は困難である。
また、ヒノキチオールをアトピー性皮膚炎用治療薬として使用するという試みがある(例えば、特許文献1参照)。しかし、ヒノキチオールは皮膚に対する刺激性が強く、痛みや発赤等の症状を生じる場合があり、刺激の少ない治療剤が望まれている。
一方、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸及びケラタン硫酸等の多硫酸化ムコ多糖類をアレルギー性疾患治療薬として使用するという試みがある(例えば、特許文献2参照)。しかし、このようなヘパリン類似物質等は、天然物から抽出精製するため費用が高く、これに代わる物質が要望されている。
更に、ヘパリン類似物質は、主として牛の気管軟骨を含む肺臓から抽出したものであるが、近年ウシ伝達性海綿状脳症(BSE)の感染、及び牛、豚の口蹄疫感染が世界的問題になり、哺乳動物由来成分の安全性が懸念されている。
特開平9−077665号公報 特開平11−335288号公報
本発明の課題は、安価で、製造が容易で、原料の入手も容易であり、皮膚に対する刺激が少なく、更に原料として哺乳動物由来成分を用いず、優れた抗炎症作用を示す皮膚用外用剤を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩を含有する皮膚用外用剤によって前記課題が解決されることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成させた。
本発明は、以下によって構成される。
(1)硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩を含有する皮膚用外用剤。
(2)硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩の含有量が0.001〜5重量%である前記(1)項記載の皮膚用外用剤。
(3)グルコマンナンがコンニャクマンナンである前記(1)項または2項記載の皮膚用外用剤。
本発明の硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩を含有する皮膚用外用剤は、皮膚に対する刺激がなく、安価で、製造が容易で、原料の入手も容易である。更にステロイド剤に見られるような副作用が全くなく、長期連用が可能である。また、ヘパリン類似物質より症状進展の抑制効果に優れているため、皮膚用外用剤、特にアトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患用治療剤として好適である。更に原料として哺乳動物由来成分を用いず、安全性も高い。
本発明において使用されるグルコマンナンはいずれの方法で得られたものでも良く、好適にはこんにゃく芋から公知の方法で抽出したコンニャクマンナンを使用することができる。
硫酸化の方法は特に限定されないが、例えば、多糖をピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の溶媒で膨潤させ、ここにクロルスルホン酸、ピペリジン−N−硫酸、無水硫酸−ジメチルホルムアミド錯体、三酸化硫黄−ピリジン錯体、三酸化硫黄−トリメチルアミン錯体等の硫酸化剤を滴下する。硫酸化剤の使用量は、糖水酸基に対し、1.2〜3当量用いるのが適当である。反応は、溶媒、硫酸化剤によっても異なるが、不活性ガス中で、0〜100℃、好ましくは20〜85℃にて、0.5〜24時間、好ましくは0.5〜10時間行う。反応後、エタノール、2−プロパノール、アセトン等を加えて、ポリマーを沈殿させる。あるいはエタノール、2−プロパノール、アセトン等の中に反応液を滴下し、ポリマーを沈殿させてもよい。また、蒸留水を加えて反応を停止し、次いで、アルカリ、例えば水酸化ナトリウムで中和してもよい。これをろ過または遠心分離し、蒸留水に溶解し、再度エタノール、2−プロパノール、アセトン等を加えて、ポリマーを沈殿させるか、エタノール、2−プロパノール、アセトン等の中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、乾燥することによって硫酸化グルコマンナンを得ることができる。あるいはイオン交換樹脂カラムを用いて余剰の無機塩を除去し、エタノール、2−プロパノール、アセトン等を加えて、ポリマーを沈殿させてもよい。あるいは蒸留水に溶解後透析し、濃縮乾燥することによって硫酸化グルコマンナンを得ることもできる。
本発明の硫酸化グルコマンナンは、必要によりナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム等の金属の水酸化物もしくはハロゲン化物、炭酸塩、アミン塩等を用いた造塩反応による生理学的に許容される塩形態として使用することもできる。
硫酸化の割合は、例えばコンニャクマンナンを用いた場合は、糖ユニット1に対し、硫酸基が0.2から3.0個が好ましい。
硫酸化グルコマンナンの分子量は、例えばコンニャクマンナンを用いた場合は、1万〜200万が好ましく、3万〜50万がより好ましい。
本発明の皮膚用外用剤における硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩の含有量は、皮膚用外用剤の形態や適用部位、適用の方法や回数等により異なり、また症状の軽重等に依存して広範囲に変えることができるが、全成分量に対する硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩の含有量が0.001〜5重量%、特に0.01〜1.0重量%になるように配合することが望ましい。
本発明の皮膚用外用剤の形態は特に制限されず、固体、液体、ペースト、ゼリー、粉末等のいずれの状態をとるものであってもよい。具体的には軟膏剤、硬膏剤、エアゾール剤、液剤、懸濁剤、貼付剤、ローション剤等の製剤をあげることができる。また液剤等をガーゼ、脱脂綿、創傷被覆材、粘着プラスター等に含浸させ用いることもできる。
本発明の皮膚用外用剤においては、以下の成分を併用することも有用である。皮膚用外用剤中への含有量は、皮膚用外用剤の形態や適用部位、適用の方法や回数等により異なり、また症状の軽重等に依存して広範囲に変えることができるが、通常、0.0001〜50重量%が好ましい。
1)保湿剤
本発明で用いることができる保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン(EO)PO付加物、グルクロン酸、カロニン酸、ヒアルロン酸及びヒアルロン酸ナトリウム、カリウム、カルシウム等のヒアルロン酸塩、ホホバ油、大豆リン脂質、卵黄リン脂質等のリン脂質、スクワラン、ラノリン及びラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、尿素、ビタミンA、ビタミンA油、ビタミンE及びその酢酸トコフェロール等のビタミンE誘導体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールのブロック共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等のポリアルキレングリコール誘導体、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カンテン、セルロース、キトサン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース等高分子多糖類及びその誘導体、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物アラニン、グルタミン酸、イソロイシン、ゼラチン、グルタミン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、コラーゲン、コラーゲンヘキサデシル、カゼイン、カゼインナトリウム等のアミノ酸及びその誘導体が挙げられる。これらの保湿剤は、市販品を使用することができる。また、これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2)抗菌剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる抗菌剤としては、例えば、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化メチルロザニリン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化クロルヘキシジン、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ポピドンヨード、ヨードホルム、アルキルポリアミノエチルグリシン、チメロサール、ブロノポール、レゾルシン、リゾチーム、キトサン、エゴノキ抽出物、ヒバ油、ヒノキチオール、プロタミン、プロポリス、しらこたん白、緑茶抽出物、甘草抽出物、ホオノキ抽出物、カラホオ抽出物、柑橘種子抽出物、ペクチン分解物、レンギョウ抽出物、カワラヨモギ抽出物、シソの葉エキス、カラシ抽出物、ワサビ抽出物、孟宗竹抽出物、トウガラシ抽出物、タデ抽出物、ウド抽出物、ニンニク抽出物、ピメンタ抽出物、イチジク抽出物、クワ抽出物、ブドウ種子抽出物、ペパー抽出物、マダケ抽出物、オレガノ抽出物、モミガラ抽出物、グローブ抽出物、しょうが抽出物、セージ抽出物、ハチク抽出物、ブドウ果皮抽出物、ホッコシ抽出物、ユッカフォーム抽出物、ローズマリー抽出物等が挙げられる。これらの抗菌剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
3)抗炎症剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる抗炎症剤としては、例えば、酸化亜鉛、イオウ及びその誘導体、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン、D−パンテノール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸カリウム、グリチルリチン酸ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体(グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、ステアリン酸グリチルレチニル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸2ナトリウム等)、ε−アミノカプロン酸、ジクロフェナクナトリウム、トラネキサム酸、ブフェキサマック、イブプロフェンピコノール、ウフェナマート、スプロフェン、ロキソプロフェン、ベンダザック、ジクロフェナック、フルルビプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、オウバク抽出物、アロエ抽出物、イブキトラノオ抽出物、ウコン抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、ゴカヒ抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、チャ抽出物、トウキ抽出液、トウキンセンカ抽出物、ニワトコ抽出物、ホオウ抽出物、ムクロジ抽出物、ヨモギ抽出物、ユーカリ抽出物、レンゲソウ抽出物等を挙げることができ、これらの中でも特に好ましいものとしてグリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びこれらの誘導体、トラネキサム酸等が効果的である。これらの薬物は1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
4)細胞賦活剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる細胞賦活剤としては、例えば、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、カロテン等のカロチノイド等のビタミンA類、チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸等のアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン並びにそれらの塩等の核酸関連物質、α−及びγ−リノレン酸、コラーゲン、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオムギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ローズマリー抽出物、ヒノキチオール、セファランチン等の植物由来の抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物またはそれらの誘導体、ヘモグロビンまたはその分解物、ラクトフェリンまたはその分解物、イカスミ等の軟体動物抽出物、魚肉抽出物等、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類、甲殻類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
5)チロシナーゼ活性阻害剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができるチロシナーゼ活性阻害剤としては、例えば、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、システイン及びその誘導体(例えば、N,N−ジアセチルシスチンジメチル等)並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物及びヨクイニン抽出物等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
6)活性酸素除去剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる活性酸素除去剤としては、例えば、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン、ルチン誘導体、タウリン、チオタウリン、卵殻膜抽出物、没食子酸、没食子酸誘導体、酵母抽出物、霊芝抽出物、ヤシャジツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、メリッサ抽出物、パセリ抽出物及びジコッピ抽出物、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のビタミンA類;チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;トコフェロール及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等)、ユビキノン類等のビタミンE類;ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
7)抗酸化剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる抗酸化剤としては、例えば、ビタミンAアセテート、ビタミンAパルミテート等のビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、リン酸−L−アスコルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、ビタミンCジパルミテート等のビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンEアセテート等のビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、BHT及びBHA、α−トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
8)金属キレート剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる金属キレート剤としては、例えば、クエン酸、サリチル酸、酒石酸、グルコン酸、フィチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、デスフェリオキサミン、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ジエチレントリアミンペンタアセチックアシッド及びその塩、o−フェナントロリン、トランスフェリン、フェリチン、ラクトフェリン、カフェイックアシッド、マルトール、プルプロガリン、ピロガロール等が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
9)抗ヒスタミン剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる抗ヒスタミン剤としては、例えば、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イソチペジル等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができ、その配合量としては、外用組成物全体に対して0.1〜2重量%が好適である。
10)保存剤
本発明の皮膚用外用剤で用いることができる保存剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
尚、本発明の皮膚用外用剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、下記に例示する成分や添加剤を任意に選択・併用して製造することができる。皮膚用外用剤中への含有量は、皮膚用外用剤の形態や適用部位、適用の方法や回数等により異なり、また症状の軽重等に依存して広範囲に変えることができるが、通常、0.0001〜50重量%が好ましい。
11)油脂成分
オレイン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、コルンビン酸、エイコサ−(n−6,9,13)−トリエン酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、チムノドン酸、ヘキサエン酸等の脂肪酸、ペンタエリスリトール−テトラ−2−エチルヘキサノエート、イソプロピルミリステート、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、オクチルドデシルミリステート、ジイソプロピルアジペート、ジイソプロピルセバケート等の脂肪酸エステル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等の高級アルコール、ミツロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ワセリン、オリーブ油、ヒマシ油、カカオ脂、パーム油、タラ肝油、月見草油、コメヌカ油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、スクワラン、セラミド、炭化水素系オイル、流動パラフィン、メチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン及びこれらの誘導体等。
12)ノニオン界面活性剤
ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート等のソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、グリセロールモノイソステアレート、グリセロールモノミリステート等のグリセロールエーテル、ポリオキシエチレングリセロールモノイソステアレート、ポリオキシエチレングリセロールモノミリステート等のポリオキシエチレングリセロールエーテル、ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、ジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリルモノカプレート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノパルミテート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノリノレエート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノジリノレエート、グリセリルモノジカプレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノミリステート、ポリオキシエチレングリセリルモノオレエート、ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルアルコール、ポリオキシエチレン−2−デシルテトラデシルアルコール等のポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンジヒドロコレステロールエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油イソステアレート等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等。
13)アニオン界面活性剤
ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩等のPOEアルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィインスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラキン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等。
14)カチオン界面活性剤
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等。
15)増粘剤
アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、無水ケイ酸、塩化ナトリウム等の電解質等。
16)ビタミン
ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸またはその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンEまたはその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等。
17)アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等。
18)糖類
グルコース、マンノース、タロース、ガラクトース、ソルボース、タガトース、フルクトース、プシコース、マルトース、トレハロース、キシロビオース、イソマントース、ラクトース、スクロース、ラフィノース、ツラノース、ラクツロース、メリビオース、ビシアノース、リンビオース、マルトトリオース、キシロトリオース、マルトテトラオース、キシロテトラオース、マルトペンタオース、キシロペンタオース、マルトヘキサオース、キシロヘキサオース、マルトヘプタオース、キシロヘプタオース等。
19)無機塩
塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化カリウム、硫化カリウム等。
20)その他
ゲル化剤、pH調節剤、金属イオン封鎖剤、香料、UV吸収剤、鎮痛剤、殺菌剤、角質改善剤、抗生物質、リン脂質、血行促進剤等。
以下、実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.グルコマンナン硫酸カルシウムの合成
[合成例1]
荻野商店製造グルコマンナン(コンニャクマンナン)を水に対して0.4重量%となるように溶解し、遠心分離(15000G)により不溶物を除去し、3日間凍結乾燥し精製グルコマンナンを得た。
温度計、滴下ロート、攪拌装置、及び窒素ガス導入管を備えた500mlのセパラブルフラスコに、上記精製グルコマンナンを3.10g、及びジメチルホルムアミド250mlを仕込み、氷冷下攪拌しながら無水硫酸-ジメチルホルムアミド錯体(アルドリッチ試薬)25gを徐々に投入した。投入終了30分後、徐々に30℃まで昇温し、30℃で2.5時間反応させた。
反応終了後、反応液を遠心分離し固形物を得、アセトン洗浄した。洗浄固形物3gを水に投入し、水酸化ナトリウムにて中和した。中和した固形物を透析し無機塩を除去した固形物を凍結乾燥しグルコマンナン硫酸ナトリウムを得た。得られたグルコマンナン硫酸カルシウムのS濃度(元素分析測定値)は、3.84重量%であった。
[合成例2]
荻野商店製造グルコマンナン(コンニャクマンナン)を1重量%塩酸水溶液に投入し、50℃で5時間酸分解を行なった。反応後、反応液を2−プロパノール中に滴下して沈殿をろ過し、ろ過物を真空乾燥し、低分子グルコマンナンを得た。
温度計、滴下ロート、攪拌装置、及び窒素ガス導入管を備えた200mlのセパラブルフラスコに、上記低分子グルコマンナン0.15g及びジメチルホルムアミド20mlを仕込み、一晩攪拌した。次に、氷冷下18重量%無水硫酸-ジメチルホルムアミド溶液12.35gを徐々に滴下し、30±2℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を氷冷下、冷却した2−プロパノール中に滴下し、硫酸化グルコマンナンを析出させろ過分別した。ろ過物をイオン交換水に完全に溶解させた後、飽和塩化カルシウム溶液0.51gを加えカルシウム化し、グルコマンナン硫酸カルシウムを析出させた。一部採取しイオン交換水に溶解させた後pH試験紙にて中性を確認した。ろ過分別しろ過物をイオン交換水に溶解させ凍結乾燥によりグルコマンナン硫酸カルシウムを得た。得られたグルコマンナン硫酸カルシウムのS濃度(元素分析測定値)は、11.3重量%であった。
[合成例3]
荻野商店製造グルコマンナン(コンニャクマンナン)を1重量%塩酸水溶液に投入し、50℃で9時間酸分解を行なった。反応後、反応液を2−プロパノール中に滴下して沈殿をろ過し、ろ過物を真空乾燥し、低分子グルコマンナンを得た。
温度計、滴下ロート、攪拌装置、及び窒素ガス導入管を備えた200mlのセパラブルフラスコに、上記低分子グルコマンナン0.30g及びジメチルホルムアミド20mlを仕込み、一晩攪拌した。次に、氷冷下18重量%無水硫酸-ジメチルホルムアミド溶液24.69gを徐々に滴下し、30±2℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を氷冷下、冷却した2−プロパノール中に滴下し、硫酸化グルコマンナンを析出させろ過分別した。ろ過物をイオン交換水に完全に溶解させた後、飽和塩化カルシウム溶液1.03gを加えカルシウム化し、グルコマンナン硫酸カルシウムを析出させた。一部採取しイオン交換水に溶解させた後pH試験紙にて中性を確認した。ろ過分別しろ過物をイオン交換水に溶解させ凍結乾燥によりグルコマンナン硫酸カルシウムを得た。得られたグルコマンナン硫酸カルシウムのS濃度(元素分析測定値)は、16.0重量%であった。
2.皮膚用外用剤の調製
合成例1で得たグルコマンナン硫酸ナトリウムを、日本薬局方注射用水で希釈して、グルコマンナン硫酸ナトリウム濃度0.5重量%の皮膚用外用剤を調製した。
3.アトピー性皮膚炎モデルNCマウスの皮膚炎の進展に対する抑制効果試験1)
NC/Nga系雄性マウス(日本エスエルシー株式会社)の頭部後方から頸部背面及び背部にかけて注意深く剃毛し、上記実施例1及び2で調製した試料は100μLを、比較例1で調製した試料は100mgを、一日一回、10日間にわたり、剃毛部及び耳の外側にプラスチック製のヘラで塗布した。試験は各群6匹ずつで行った。
全例について一日一回、被験物質塗布部位の外表の症状の状態観察を塗布終了後に行った。症状は次の分類表現に基づき耳及び頸背部についてスコア付けし、耳及び頸背部のスコアを合わせた総合スコアを算出した。
0:無症状
1:表皮剥離(鱗屑、落屑)、発赤
2:浮腫
3:痂皮(びらん・潰瘍)が被験物質塗布部位の1/4未満のもの
4:痂皮(びらん・潰瘍)が被験物質塗布部位の1/2未満のもの
5:痂皮(びらん・潰瘍)が被験物質塗布部位の1/2以上のもの
また、被験物質最終塗布の翌日に、エーテル麻酔下で放血致死させ、頭部、頸部及び背部の皮膚を摘出し、10重量%中性緩衝ホルマリン液で固定した。この皮膚組織を常法に従い、パラフィン包埋後、薄切し、ヘマトキシリン・エオジン染色及びトルイジンブルー染色標本を作製し、(a)炎症性細胞浸潤、(b)真皮の線維化、(c)扁平上皮過形成、(d)びらん、及び(e)痂皮を診断した。以下に各病理組織学的所見の診断基準を示す。
(a)炎症性細胞浸潤
リンパ球、顆粒球、マクロファージ等が混じる細胞浸潤を炎症性細胞浸潤とした。グレード分けについては組織破壊を伴わないものを軽度(+)、組織破壊を伴わないが、真皮全体に認められる場合を中程度(++)、組織破壊を伴わないが、真皮を超えて認められる場合を高度(+++)とした。また、びらんの周辺のみに細胞浸潤が認められる場合には異常所見とはしなかった。
(b)真皮の線維化
真皮の表層のみに線維化が認められる場合あるいは真皮の厚さに変化が認められない場合を軽度(+)、真皮全体の線維化により、真皮が肥厚している場合を中程度(++)、標本上の真皮全体が肥厚している場合を高度(+++)とした。
(c)扁平上皮過形成
細胞の肥大あるいは細胞数の増加により扁平上皮(表皮)の厚さが明らかに肥厚している場合を軽度(+)、乳頭状の間質を伴う場合を中程度(++)、標本全体に肥厚が認められる場合を高度(+++)とした。
(d)びらん
表皮の欠損が200倍の倍率で1視野以内の大きさのものが2箇所以内に認められる場合あるいは2視野以内の大きさのものが1箇所に認められる場合を軽度(+)、2視野を超える大きさのものを中程度(++)、標本全体に認められる場合を高度(+++)とした。
(e)痂皮
全体の1/3未満の皮膚を被うものを軽度(+)とした(ただし、びらんの部分は除く)。
被験物質塗布部位の外表の症状の状態観察結果を表1に示した。また、(a)炎症性細胞浸潤、(b)真皮の線維化、(c)扁平上皮過形成、(e)びらん、及び(e)痂皮の診断結果を表2に示した。
合成例1で得たグルコマンナン硫酸ナトリウムを、日本薬局方注射用水で希釈して、グルコマンナン硫酸ナトリウム濃度0.05重量%の皮膚用外用剤を調製して、実施例1と同様に試験した。試験結果を表1及び表2に示した。
比較例1
比較例として、ヒルドイドソフト(マルホ株式会社製、1g中にヘパリン類似物質を3mg含有)を用いて実施例1と同様に試験した。試験結果を表1及び表2に示した。
本試験で用いた近交系NC/Ngaマウスは、7−8週齢を境に顔、耳、頸、背部等に強い痒覚を伴う皮膚炎を自然発症し、その皮膚症状は加齢とともに悪化が見られる。このNC/Ngaマウスの強い痒覚を伴う皮膚炎は、引っかき行動の出現から始まり、出血を伴い、進行すると皮膚のびらん、潰瘍形成へと到り、皮膚は乾燥、肥厚する。これらはヒトのアトピー性皮膚炎ときわめて類似した症状と考えられている。
表1に示すように、今試験では、投与期間終了までに、実施例1で調製した皮膚用外用剤では、6例中3例で、実施例2で調製した皮膚用外用剤では、6例中5例で、それぞれ症状の軽減が見られた。これらの結果は無処置群ではスコアの平均が増加傾向を示す(塗布0日目:4.0、塗布11日目:4.5)ことを考慮すると、症状進展の抑制効果を示唆するものと考えられた。これに対して比較例の皮膚用外用剤では、6例中3例で症状の軽減が見られたが、これは一時的なものであり、時間がたつにつれ症状は再び悪化した。従って、実施例1及び実施例2で調製した皮膚用外用剤は、比較例の皮膚用外用剤に比べて、症状進展の抑制効果に優れていることが示された。
また、表2に示すように、実施例1及び実施例2で調製した皮膚用外用剤は、比較例の皮膚用外用剤に比べて、病理組織学的所見が認められる固体数の減少が認められた。
(表1)
Figure 0004759912
(表2)
Figure 0004759912
(表中の数字は有所見固体数を示す。)
アトピー性皮膚炎等の治療用外用剤に用いられる。
以下に本発明の処方例を示す。表3における処方例1ないし13の外用剤は、いずれも本発明の目的を満足する効果を有する製剤である。各外用剤の製造方法は特に限定されないが、例えば、親油成分と親水成分を別々に加熱溶解混合し、それらを攪拌、乳化後冷却する方法等が例示できる。
(表3)
Figure 0004759912
[表3の配合成分の略号と内容]
a1.合成例1の化合物
a2.合成例2の化合物
a3.合成例3の化合物
b1.ミツロウ
b2.ワセリン
b3.流動パラフィン
b4.スクワラン
b5.セタノール
b6.ベヘニルアルコール
b7.モノステアリン酸
b8.ソルビタンモノイソステアレート
b9.グリセリルモノステアレート
b10.メチルフェニルシロキサン
b11.ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン
b12.ポリオキシエチレングリセリルモノミリステート
b13.カルボキシビニルポリマー
b14.ヒドロキシプロピルセルロース
b15.グリセリン
b16.プロピレングリコール
b17.1,3−ブチレングリコール
b18.エチルパラベン
b19.メチルパラベン
b20.グリチルレチン酸
b21.ケトプロフェン
b22.酢酸レチノール
b23.α−トコフェロール
b24.トレハロース
b25.70重量%−マルチトース水溶液
b26.イソロイシン
b27.尿素
b28.ヒアルロン酸ナトリウム
b29.リン酸−L−アスコルビルマグネシウム
b30.酒石酸
b31.塩酸ジフェンヒドラミン
b32.チオタウリン
b33.ヒノキチオール
b34.塩化ベンザルコニウム
b35.緑茶抽出物
b36.大豆リン脂質
b37.乳酸ナトリウム

Claims (4)

  1. 硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩を0.001〜5重量%含有する、アレルギー疾患用の皮膚用外用剤。
  2. アトピー性皮膚炎モデルNCマウスの皮膚炎の進展に対する抑制効果を有する、請求項1に記載のアレルギー疾患用の皮膚用外用剤。
  3. グルコマンナンがコンニャクマンナンである請求項1または2記載のアレルギー疾患用の皮膚用外用剤。
  4. 硫酸化グルコマンナン及び/またはその塩の含有量が0.01〜1.0重量%である請求項1記載のアレルギー疾患用の皮膚用外用剤。
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