JP4759681B2 - 半径方向の触媒貫流により酸素を噴射するための方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒充填物を通過する混合ガスの実質的に半径方向の貫流のある合成反応器、例えば酸化脱水素反応用の合成反応器の内に酸素を噴射する方法および装置に関する。
反応器内で、被処理ガスに追加的に酸素が供給される一連の触媒法、例えばいわゆるプロパンあるいはブタンの酸化脱水素反応が存在する。この酸化脱水素反応の場合には、酸素は酸化脱水素反応器内において触媒内に入る前に、流入するガスに混合される。特に触媒内に流入するガスと酸素の不均一な混合が不満足な結果をもたらすことがわかった。言い換えれば例えば触媒上にカーボンが生じるか、あるいは価値のある物質、例えばプロピレンの収率を不十分にすることがわかった。
ドイツ国特許出願公開第4333372号明細書 ドイツ国特許出願公開第3240089号明細書 米国特許第5935489号明細書 米国特許第2518583号明細書 米国特許第2809981号明細書 米国特許第2954281号明細書 米国特許第2584391号明細書 米国特許第2632692号明細書 米国特許第3208833号明細書 英国特許公開第2065492号明細書 欧州特許第0364664号明細書
本発明の課題は、触媒、特に酸化脱水素法用触媒中に入る前に酸素の混入および混合を著しく改善することである。
冒頭に記載の方法により、上述の本発明の課題は、酸素が純粋な状態で、あるいは空気として、あるいは不活性ガスまたは水蒸気との混合状態で、合成反応器の上側領域内に形成されているガスドーム内に設けられた環状分配装置に供給され、かつ環状分配装置内の多数の吹出し口から、合成反応器の中心軸線と環状分配装置に設けられた管路の中心軸線を通る垂直平面に対して偏った方向角度で、触媒表面に噴射されることにより解決される。
このような方法により、100ms未満のきわめて短時間内に十分な混合が行なわれ、その結果化学量論的に過剰の酸素濃度を有する領域内での反応時間、および非触媒反応が最少になることがわかった。自由空域内で混合が行なわれ、かつ酸素の多い混合物が壁あるいは触媒と接触しないので、噴射される酸素による材料の損傷が最少になる。
本発明の実施形態は従属形式の請求項から明らかである。
反応器の構造次第で、触媒床の内部の円筒平面からの酸素の噴射は、反応器壁に向かう方向で行なわれる。この場合、本発明の方法に従って、円筒形の内部軸方向平面を形成する、吹出し口を備えた多数の平行な管路を用いて噴射が行なわれる。
特に有利な一つの実施形態は、本発明によれば、円筒状軸平面での酸素の噴射が、触媒床の円筒状内壁の50〜300mm前方で行なわれ、この円筒状内壁が触媒床の前方の空域内において1秒以内の酸素滞留時間を保証することにある。この際、滞留時間は100ms未満、好ましくは15ms以内である。
本発明は、吹出し口を備えかつ内側円筒平面を形成する多数の管路を触媒床の円筒状の内側平面より前方に有し、合成反応器の中心軸線と前記管路の中心軸線を通る垂直平面に対して偏った方向角度で、酸素を放出するための吹出し口が触媒円筒面に向きを合わせられている環状分配装置を備えていることを特徴とする、上述の課題を解決するための装置にも関する。
有利な一つの実施形態において、ガス吹出し口は、隣接した環状管路の隣接した吹出し口に対して互い違いの順序で整向されており、この場合隣接したガス吹出し口は様々な流れ出口方向を有していてもよい。
本発明の他の有利な一つの実施形態は、ガス吹出し口が穿孔あるいはノズルとして形成されていることにある。
ここで従来技術に関して、若干の引用文献を挙げるが言及している。例えば特許文献1はメタンが含まれたガス混合物からオレフィンを製造する方法を開示しており、特許文献2あるいは特許文献3は部分的な酸化を伴う合成ガス製造のための方法及び装置を紹介しており、あるいは特許文献4〜6がこの方法及び装置を紹介している。特許文献7は、反応器の流動床内における固体粒子とガス状粒子の間の効果的接触を達成するために、垂線から偏った方向に反応成分を噴射することを採用している。さらに他の従来技術には、特許文献8、9、10あるいは特許文献11を挙げることもできる。
本発明の他の特徴、詳細及び長所を、後述の説明ならびに図によってさらに説明する。
図1は本発明の装置の非常に簡単な概略図であり、
図2は図示したガス流入のある触媒領域内の詳細拡大図である。
図3は触媒領域の反応器の横断面図である。
図1で断面で概略的に示し、かつ1で表示した全体的な酸化反応器は、ガス流入管路2を備え、このガス流入管路2は触媒3を中心で上側カバー部10まで貫通し、この場合反応器1の上側領域内においてガスドーム状室4が形成されている。ガスドーム状室4内では、純粋な状態の、空気としてのあるいは不活性ガスまたは水蒸気との混合状態の酸素のための環状分配装置5が設けられており、この場合この環状管路5は、吹出し口6を備え、かつ下方に向かって垂直に向けられた多数の管路7を備えている。吹出し口6はその都度のガス噴射流が垂線から偏った角度で円筒状の内側触媒表面に衝突するように設けられており、このことは図2及び3において小矢印により示してある。
図1において、環状分配装置5内への酸素給気すなわちガス給気は矢印8により表示してあり、反応器からのガス放出は矢印9により表示してある。
反応器を貫流する、追加的酸素を含有するガスの流動経路は、図2において破線を用いて表示してある。
本発明の上記の実施例は、基本思想から離れずに、様々な観点において変更することができるのはいうまでもない。特に放出角度は反応器の構造次第で、図示した以外のものも選択することができる。さらに触媒充填物の貫流を外側から内側へ行なうことは、特定の用途の場合に有利であり得る。このことは確かに酸化反応の場合に、容積増加のためには必ずしも必要ではないが、それにもかかわらず、副生成物の生成等を考慮すると幾つかの場合においては有利(高い空間速度)であり得る。
本発明による装置のきわめて簡素化された図である。 概略的に示したガス流入を概略的に示した触媒領域内の詳細拡大図である。 触媒領域内の反応器の横断面図である。

Claims (7)

  1. 触媒充填物を通過する混合ガスの実質的に半径方向の貫流により、酸化脱水素反応用の合成反応器に酸素を噴射する方法において、
    酸素が純粋な状態で、あるいは空気として、あるいは不活性ガスまたは水蒸気との混合状態で、合成反応器の上側領域内に形成されているガスドーム内に設けられた環状分配装置に供給され、かつ環状分配装置内の多数の吹出し口から、合成反応器の中心軸線と環状分配装置に設けられた管路の中心軸線を通る垂直平面に対して偏った方向角度で、触媒表面に噴射されることを特徴とする方法。
  2. 触媒床の内部の円筒平面からの酸素の噴射が、反応器壁に向かう方向で行なわれることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 噴射が、円筒形の内部軸方向平面を形成する、吹出し口を備えた多数の平行な管路を用いて行なわれることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 円筒状軸平面での酸素の噴射が、触媒床の円筒状内壁の50〜300mm前方で行なわれ、この円筒状内壁が触媒床の前方の空域内において1秒以内の酸素滞留時間を保証することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 触媒充填物を通過する混合ガスの実質的に半径方向の貫流により、酸化脱水素反応用の合成反応器内に酸素を噴射する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法を実施するための装置において、
    吹出し口(6)を備えかつ内側円筒平面を形成する多数の管路(7)を触媒床の円筒状の内側平面より前方に有し、合成反応器の中心軸線と前記管路の中心軸線を通る垂直平面に対して偏った方向角度で、酸素を放出するための吹出し口(6)が触媒円筒面に向きを合わせられている環状分配装置を備えていることを特徴とする装置。
  6. 隣接したガス吹出し口(6)が異なる流れ出口方向を有していることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. ガス吹出し口(6)が穿孔あるいはノズルとして形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の装置。
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