JP4759413B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は外用に適した組成物に関し、更に詳細には、カロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体を有効成分として含有する化粧品、外用医薬品等外用に適する組成物に関する。
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散液、洗浄料等の化粧品や、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の外用医薬品には、これらに所定の薬効を付与することを目的として薬効成分が加えられている。カロチノイドは細胞賦活性や抗酸化性に優れ、これらに広く用いられている。
しかしながら、カロチノイドを配合した化粧品、外用医薬品等の外用に適する組成物(以下、「外用剤」ということがある)では、カロチノイドが製剤中で変質するなどして所期の薬効が得られない場合が多く、また、カロチノイドは親水性に欠けるため製剤の安定性に問題があり、その改善が望まれていた。
本発明者らは、外用剤に配合されるカロチノイドの効果を向上させるべく鋭意検討を行った結果、外用剤に、カロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体を有効成分として含有させることによって、カロチノイドが本来有する作用が充分発揮されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕〜〔3〕にかかるものであるが、参考のためその他の事項についても記載した。
〔1〕
下記一般式(2)で表されるアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
一般式(2)
Figure 0004759413

式中、R 1 は、水素原子、アシル基、燐酸エステル基またはグルコシド基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
〔2〕
さらに、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、チロシナーゼ活性阻害剤、UV吸収剤及び保湿剤から選ばれる薬効成分の少なくとも一種以上を含有することを特徴とする〔1〕に記載の皮膚外用剤。
〔3〕
カロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体が固体分散されてなることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の皮膚外用剤。
発明は、下記一般式(1)で表されるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
一般式(1)
Figure 0004759413
式中、Calはカロチノイド残基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
本発明によれば、皮膚への安全性に優れ、抗酸化性能に優れ、且つ、製剤注で安定な皮膚用外用剤を提供できる。さらには、色素沈着、しみ、そばかすの発生を抑制し、しわなどの皮膚老化を抑制し、且つ、製剤中で安定な皮膚用外用剤を提供できる。
本発明において有用なカロチノイドは、水酸基を有するカロチノイドであり、複数の水酸基を有する場合、その水酸基は置換されていなくても、置換されていてもよい。このようなカロチノイドとしては、アスタキサンチン、カプサンチン、フコキサンチン、ヘテロキサンチン、ロロキサンチン、ルテオキサンチン、リコフィル、リコキサンチン、ネオクロム、ネオキサンチン、ロドピン、ロドピナール、ロドピノール、ロドビブリン、トロリキサンチン、キサントフィル、ゼアキサンチンが挙げられる。
本発明においてはアスタキサンチン類が特に好ましい。本発明に用いられるアスタキサンチン類は、既に酸化防止効果、抗炎症効果(特開平2−49091号)、皮膚老化防止効果(特開平5−155736号)、美白効果(日本香粧品科学会第19回学術大会講演
要旨集、p.66,1994年)を有することが知られたものである。
このアスタキサンチン類は、化学合成品でも、オキアミ、サケ、マス、福寿草、赤色酵母等の天然物から抽出されたものでもよく、それらの天然抽出物から種々の方法で精製されたものでもよい。
すなわち、ヘマトコッカス藻に抽出溶媒を加え抽出し、この抽出液を濾別して得られるアスタキサンチン類抽出エキスや、この抽出エキスから更に抽出溶媒を留去し、必要に応じて水素添加や加水分解等の化学反応を行った後、分子蒸留、あるいはカラムクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の手段を用いて脱臭、精製を行った精製アスタキサンチン類を用いることができる。
上記抽出溶媒としては、アセトン、エーテル、クロロホルム及びアルコール(エタノール、メタノール等)等の有機溶媒を用いることができ、また、これらの混合溶液を用いることもできる。あるいは、超臨界状態の二酸化炭素を用いてもよい。
本明細書において、「アスタキサンチン類」とは、アスタキサンチンおよびその誘導体の両者を包含するものである。
アスタキサンチンは、下記一般式(8)で示されるカロチノイドである。
一般式(8)
Figure 0004759413
式中、R1は、水素原子、アシル基、燐酸エステル基またはグルコシド基を表す。該アシル基、燐酸エステル基およびグルコシド基は、置換基を有していてもよい。
以下、一般式(8)においてエステル基を有する場合、本明細書において、アスタキサンチンエステルと言う。アスタキサンチンエステルとしては、例えば、グリシン、アラニン等のアミノ酸エステル類、酢酸エステル、クエン酸エステル等のカルボン酸エステル及びその塩類、リン酸エステル、グルコシド等の配糖体類、またはエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪酸、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸またはパルミチン酸やステアリン酸等の飽和脂肪酸から選択される脂肪酸エステル類等から選択されるモノエステル体及び同種または異種のジエステル体等が挙げられる。これらの誘導体のうち、脂肪酸酸エステル類が望ましく、オレイン酸やパルミチン酸のような炭素数12以上の不飽和脂肪酸エステルが特に望ましい。
本発明において有用なコラーゲンペプチドは、特に限定されず何れのものも使用することができる。天然由来、抽出コラーゲンでも、また、それに化学処理や酵素処理をして得られたコラーゲンペプチドでもよい。
分子量は600から50万が好ましく、1000から15万がさらに好ましい。
天然由来の多重鎖コラーゲンペプチドでも、それが解けた単鎖コラーゲンペプチドでもよい。一般にゼラチンと呼ばれるコラーゲン由来ペプチドを利用してもよい。天然コラーゲンの原料として、魚類、牛やブタなどの哺乳類、鯛などの魚類、クロレラなどの藻類などが知られているが、特に限定されることは無い。これらコラーゲンペプチドについては、コラーゲン実験法(永井裕、藤本大三郎/編、講談社)及びコラーゲン(藤本大三郎/著、共立出版)を参照出来る。
本発明の皮膚外用剤は、下記一般式(1)で表されるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体を含有するものである。
一般式(1)
Figure 0004759413
式中、Calはカロチノイド残基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
前記一般式(1)で表されるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体としては、下記一般式(2)で表されるアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体が好ましい。
一般式(2)
Figure 0004759413
式中、R1は、水素原子、アシル基、燐酸エステル基またはグルコシド基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
尚、カロチノイド残基とは、本発明において有用な、水酸基を有するカロチノイドにおいて、縮合反応に用いられる水酸基を除いた基を言う。
本発明の皮膚用外用剤におけるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体の含有量は、好ましくは0.00001〜5重量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.0001〜1%であり、もっとも好ましいのは0.001〜1%である。
本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)で表されるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体{以下(A)成分とも言う。}にさらに、下記(B)成分を含有することが好ましい。
{(B)成分}
活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、チロシナーゼ活性阻害剤、UV吸収剤及び保湿剤から選ばれる薬効成分の少なくとも一種。
(A)成分としては、前記一般式(2)で表されるアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体が好ましい。
以下に(B)成分の具体例について述べる。
[活性酸素除去剤及び抗酸化剤]
活性酸素除去剤としては、種々の薬効成分が知られており、本発明においてはいずれも用いることができるが、その中でも、好ましいものとしては、マンニトール、CoQ10、ビタミンC及びその誘導体及びその塩、並びにビタミンE及びその誘導体及びその塩が挙げられる。
[細胞賦活剤]
細胞賦活剤として好ましくは、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸及びその塩、乳酸発酵抽出物、酵母抽出物、並びにコハク酸及びその誘導体及びその塩が挙げられる。
[抗炎症剤]
抗炎症剤として好ましくは、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアイアズレン及びそれらの誘導体及びその塩、ε−アミノカプロン酸、並びにカミツレ抽出物である。
[チロシナーゼ活性阻害剤]
チロシナーゼ活性阻害剤として好ましくは、システイン及びその誘導体(例えばN,N’−ジアセチルシスチンジメチル等)及びその塩、並びにハイドロキノンなどのフェノール類及びハイドロキノンモノグルコシドのような誘導体が挙げられる。
[UV吸収剤]
UV吸収剤としは、UV吸収性の素材であれば、本発明においてはいずれも用いることができるが、その中でも、好ましいものとしては、化粧品基準別表第4に記載のUV吸収剤である。
[保湿剤]
保湿剤としては、従来から化粧料、皮膚外用剤などに保湿剤として用いられている化合物をいずれも用いることができ、尿素など合成化合物はもちろんのこと、皮膚の構成成分であり、従来から化粧料に配合されているムコ多糖類及び/又はタンパク質も(B)成分として利用できる。
このうちムコ多糖類としては、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、並びにヘパリン及びケラタン硫酸及びその塩が挙げられ、特にヒアルロン酸、並びにコンドロイチン硫酸及びその塩を好適に用いることができる。
また、タンパク質としては、例えばコラーゲン、エラスチン、並びにケラチン及びその誘導体及びその塩を挙げることができ、特にコラーゲンが好ましい。これらの各成分は、その起源について特に制約はなく、動物由来、微生物由来、合成品のいずれであってもよい。天然起源の場合の抽出方法、精製処理方法についても特に制約はなく、公知のいずれの方法によるものであってもよい。
前記(B)成分の、本発明の皮膚外用剤への配合量は、薬効成分の種類により相違し、求める薬効に応じ、自由に選択することができる。
(A)成分に対する(B)成分の量は、(A)成分1質量部に対して、このましくは0.1質量部〜50質量部、より好ましくは0.5質量部〜20質量部である。
本発明の皮膚外用剤は、分散物として製造することができる。分散方法としては、乳化分散、固体分散など公知の方法のいずれも適用することができ、分散媒として水を用いることが好ましい。含有される成分のうち(A)成分が、固体分散されてなることが好ましい。すなわち、(A)成分を固体微粒子として、水溶液中に分散されていることが好ましい。
本発明の化合物を分散させる方法については、国際公開88/04794号パンフレット、欧州特許出願公開第0276566号明細書、特開昭63−197943号公報等に記載されている方法のいずれも用いることができる。具体的には、ボールミルあるいはサンドミル、コロイドミル、などにより機械的に粉砕する方法、化合物をアルカリ溶液中で溶かした後、pHを下げ析出させる方法などを用いることができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
前記一般式(1)で表されるカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体は、下記合成ルートによって製造することができる。下記合成ルートにおいて、Calはカロチノイド残基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
Figure 0004759413
まず、水酸基を有するカロチノイド(7)と、無水コハク酸とを縮合してカロチノイドエステルカルボン酸化合物(3)とする。この化合物(3)とN−ヒドロキシフタルイミ
ドとを縮合させてカロチノイドエステル−フタルイミド化合物(4)を得る。さらにこの化合物(4)とコラーゲンペプチドとを反応させてカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体(1)を得ることができる。
前記一般式(2)で表されるアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体は、下記合成ルートによって製造することができる。下記合成ルートにおいて、R1は、水素原子、アシル基、燐酸エステル基またはグルコシド基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
Figure 0004759413
まず、水酸基を有するアスタキサンチン(8)と、無水コハク酸とを縮合してアスタキサンチンエステルカルボン酸化合物(5)とする。この化合物(5)とN−ヒドロキシフタルイミドとを縮合させてカロチノイドエステル−フタルイミド化合物(6)を得る。さらにこの化合物(6)とコラーゲンペプチドとを反応させてカロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体(2)を得ることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
参考例1:アスタキサンチンの精製
(1)前吸着
ヘマトコッカス抽出物(武田紙器製 79g)を酢酸エチル800mLに溶解させ、シリカゲル(和光純薬 C-200 165g)を添加し減圧濃縮した。濃縮後は窒素でブローした。
(2)カラム充填
シリカゲル(和光純薬 C-200 2342g 3900mL)をヘキサン/酢酸エチル9:1で懸濁し、太さ16cm 長さ60cmのカラムに充填した。
(3)展開
カラムの上部に展開溶媒を張り、前吸着させたシリカゲルを添加した。ヘキサン/酢酸エチル=9:1の溶離液を12L流した。ついで、ヘキサン/酢酸エチル=5:1の溶離液を6L流した。さらにヘキサン/酢酸エチル=5:1の溶離液を7L流した。
展開液をTLCで分析し、モノエステル分画部を減圧溜去しモノエステル体14gを得た。このモノエステル体はカルボン酸部が炭素数18の不飽和脂肪酸の混合物(R1=C1729-33CO)であった。
実施例1:アスタキサンチンエステルカルボン酸化合物(5A : R1=C1731CO)の合成
アスタキサンチンモノエステル(8A : R1=C1731CO)3.0g(3.5mmol)と無水コハク酸0.41g(4.1mmol)を塩化メチレン20mlに溶解しトリエチルアミン0.42g(4.1mmol)を添加し室温で16時間反応させた。反応液に1モル/L HCl 10mlを添加し分液しさらに水で有機層を洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後で濃縮し、3.1g(収率 93%)でアスタキサンチンエステルカルボン酸化合物(5A)を得た。
1HNMR(CDCl3 6.1-6.7(14H,m), 5.5-5.6(2H,m), 5.3-5.4(4H,m),1.99(12H,s), 1.90(6H,s), 1.33(6H,s), 1.23(6H,s). MS m/z =990.7(R1=C17H33), 988.7(R1=C17H31) . mp 72℃分解
Figure 0004759413
実施例2:アスタキサンチンエステル−フタルイミド化合物(6A : R1=C1731CO)の合成
アスタキサンチンエステルカルボン酸化合物(5A)2.8g(2.9mmol)とN−ヒドロキシフタルイミド0.57g(3.5mmol)をテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.72g(3.5mmol)を添加し室温で16時間反応させた。析出したジシクロヘキシル尿素(DCU)を濾別し、DCUをTHFで洗浄した。有機層を濃縮し、アスタキサンチンエステル−フタルイミド化合物(6A : R1=C1731CO)濃縮物3.1gを得た。
1HNMR(CDCl3 6.1-6.7(14H,m), 5.5-5.6(2H,m), 5.3-5.4(4H,m),2.02(12H,s), 1.90(6H,s), 1.32(6H,s), 1.22(6H,s). MS m/z =1015.6(R1=C17H33), 1013.6(R1=C17H31) . mp 46℃分解
得られた濃縮物はこのまま次の反応に用いた。
Figure 0004759413
実施例3:アスタキサンチン-コラーゲンペプチド縮合体(2A : R1=C1731CO)の合成
実施例2で得られたアスタキサンチンエステル−フタルイミド化合物(6A)濃縮物3.1gをジメチルアセトアミド(DMAc)20gで溶解した。コラーゲンペプチド(ニッピ製 FCP-A 平均分子量:1万、Lys比率2.6%)15gをDMAcと水に50℃で溶解させた。このコラーゲンペプチド溶液に、窒素気流下で上記アスタキサンチンエステル−フタルイミド化合物(6A)のDMAc溶液を添加し、60℃で5時間反応させた。さらに室温で16時間反応させた。反応液をアセトニトリルに添加し窒素気流下で室温で終夜撹拌した。析出したアスタキサンチン-コラーゲンペプチド縮合体(2A : R1=C1731CO)を濾取し、30℃で減圧乾燥した。収量9.8g。スペクトル分析から、アスタキサンチン部の重量比は25%であった。1HNMR CDCl3 6.1-6.7の積分を14Hとして、計算値から求めた。
Figure 0004759413
実施例4:アスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体(2A)の固体分散液
前記で得られたアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体(2A)を下記(1)の方法により分散固体とした。
(1) 蒸留水21.4gおよびリン脂質コポリマー界面活性剤(日本油脂 Lipidure-PMB)の溶液2.65gとを60mlネジブタ瓶に入れた。アスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体(2A)1.0gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ40ml(2mm径)を添加し、ふたをしっかりしめたのちミルに置き回転数4800r.p.m.にて粒子サイズ1μm以下の化合物の微粉体分散物を得た。
試料液の調整
上記のようにして調製した微粉体分散物を、表1に示す重量濃度になるように蒸留水で希釈して試料液を調製した。
比較例1
蒸留水21.3gおよびリン脂質コポリマー界面活性剤(日本油脂 Lipidure-PMB)の溶液2.65gとを60mlネジブタ瓶に入れた。前記参考例によって精製したアスタキサンチンモノエステル0.10gとTHF 1mlの溶液をこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ40ml(2mm径)を添加し、ふたをしっかりしめたのちミルに置き回転数4800r.p.m.にて分散液を得た。
試料液の調整
上記のようにして調製した分散液を、表1に示す重量濃度になるように蒸留水で希釈して比較試料液とした。
〔分散物の評価〕
{空気酸化に対する安定性}
評価用の試料は、50mlのナス型フラスコに試料15ml入れて25℃、空気雰囲気下攪拌して試験を行った。評価は、窒素雰囲気下の470nmの吸収(アスタキサンチンの吸収極大)を100として空気雰囲気下の残存率を算出した。結果を表1に示す。
{光照射に対する安定性}
メリーゴーランド型キセノン退色試験機を用いて、光照射実験を行った。キセノン光原は、500Wのランプを使用した。評価用の試料は、4面透明な蓋付の10mm石英セルに試料3ml入れて25℃、無攪拌で試験を行った。評価は、光照射なしの470nmの吸収(アスタキサンチンの吸収極大)を100として光照射後の残存率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004759413
表1に示したように、アスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体を用いた分散液(本発明皮膚外用剤)は、参考例のアスタキサンチンモノエステルを用いた比較用分散液より高い安定性を示した。
実施例5:抗酸化活性[スーパーオキサイド除去活性]
実施例4で得られた試料を下記測定方法によりスーパーオキサイド除去活性を測定した。すなわち、0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.2)2.4mlに基質溶液[3.0mM キサンチン(0.05M炭酸ナトリウム緩衝液に溶解)]0.1ml、3.0mM EDTA 0.1ml、0.15%(W/V)ウシ血清アルブミン0.1ml、0.75mM ニトロブル−テトラゾリウム 0.1ml及び各被験試料0.1mlを混合し、25℃で10分間放置した。次いで、酵素溶液[キサンチンオキシダーゼ溶液(精製水にて約0.04units/ml希釈)]0.1mlを加えて反応を開始し、25℃で20分間インキュベートした後、6mM CaCl2 0.1mlを加えて反応を停止した。次いで560nmにおける吸光度(A)を測定した。
対照には被験試料のかわりに蒸留水を加えた試料の吸光度(B)、また各試料のブランクには、6mM CaCl2 0.1mlを加えて反応停止後に、キサンチンオキシダーゼ0.1mlを添加した試料の吸光度(C)を測定し、次式より、スーパーオキサイド除去率を算出した。その結果を表2に示す。
除去率=((B−(A−C))/B)×100
A:試料の酵素反応による吸光度
B:対照の酵素反応による吸光度
C:試料の無酵素反応による吸光度
Figure 0004759413
表2に示したようにアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体を用いた分散液(本発明皮膚外用剤)は、参考例のアスタキサンチンモノエステルを用いた比較用分散液と同等以上の抗酸化活性を示した。さらに、抗酸化性が知られているビタミンC、ビタミンEとの併用により、特に低濃度領域で抗酸化性が強くなることが示された。
このことは、本発明のアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体は活性酸素除去剤
を併用することにより、皮膚中での活性酸素生成に起因する過酸化脂質の生成、炎症、黒化、老化に対し、極めて高い予防効果を有することを示すものと言える。
実施例6
以下の組成でスキンケア用ローションを試作した。
(スキンケア用ローション組成)
成分 重量%
ブチレングリコール 5.0
グリセリン 2.0
Lipidure-PMB 0.2
クエン酸ナトリウム 0.2
クエン酸 0.1
蒸留水 up to 100
このローション液に前記表1の分散液を加え、各試料の濃度に調節した。
Figure 0004759413
試験法
25〜45歳の女性13名をパネルとし、毎日、朝、昼、夜の3回、8週間にわたって、上腕前部に適量を塗布した。本発明の試料、及び、比較試料のいずれにも不快な兆候は認められなかった。
実施例7:アスタキサンチンステアリン酸エステル(R1=C17H35
アスタキサンチン(和光純薬、生化学用)0.60g(1.0mmol)とステアリン酸塩化物(アルドリッチ)0.33g(1.1mmol)をアセトニトリル10mlに溶解し、4℃で、トリエチルアミン1mlを加えた。その後、22℃に温度を上げ、その温度で、4時間攪拌した。反応液を40mlの水に投じ、20mlの酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル抽出液を1規定塩酸液で洗浄し、飽和重曹水と飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒溜去し、シリカゲル(和光純薬 C-200) 40gを用い、ヘキサン/酢酸エチルで溶出させ精製した。収量0.32g(融点79-83℃)。
実施例1〜6と同様にして、固体分散液を得た後、同様の評価を行ったところ、同様の結果が得られた。
実施例8:アスタキサンチン酢酸エステル
実施例7のステアリン酸塩化物を酢酸塩化物に変えた以外は同様にして酢酸エステル(R1=CH3、融点141℃分解)を合成した。
実施例1〜6と同様にして、固体分散液を得た後、同様の評価を行ったところ、同様の結果が得られた。

Claims (3)

  1. 下記一般式()で表されるアスタキサンチン−コラーゲンペプチド縮合体を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
    一般式(
    Figure 0004759413

    式中、R 1 は、水素原子、アシル基、燐酸エステル基またはグルコシド基を表し、Colはコラーゲンペプチド鎖を表す。
  2. さらに、活性酸素除去剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、チロシナーゼ活性阻害剤、UV吸収剤及び保湿剤から選ばれる薬効成分の少なくとも一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. カロチノイド−コラーゲンペプチド縮合体が固体分散されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
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