JP4757751B2 - シートベルトリトラクタ用ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、シートベルトリトラクタ用ガス発生器に関する。
自動車等の各種車両には、衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するため、シートベルトを引っ張って乗員を保護するためのプリテンショナー機構を有するシートベルトが採用されている。
一般に、かかるシートベルト用のプリテンショナーは、シートベルトを引っ張るための機構と、この機構を作動させるためのガス発生器とを含んで構成されており、全体容積の小さい小型ガス発生器が使用されている。この小型ガス発生器は、点火器等の点火装置と、点火装置によって燃焼し、燃焼ガスを発生させるガス発生剤とを含んでおり、一般には、カップ状部材内に点火装置と接触するようにしてガス発生剤が充填されている。
プリテンショナー用の小型ガス発生器は、例えば特許文献1に記載されている。この文献に記載されている小型ガス発生器は、ガス発生剤を収容するカップ状部材の内側が単一の空間になっており、その単一空間にガス発生剤が充填されている。またカップ状部材の周壁部には、燃焼ガスを排出するときに開裂する脆弱部が設けられている。
特許文献1の小型ガス発生器では、点火装置の着火によって、カップ状部材内に充填されたガス発生剤がほぼ一斉に着火・燃焼して、瞬時のうちに燃焼ガスを発生させ、脆弱部が破壊され、そこから燃焼ガスが放出されるものである。
しかし、このように一度に燃焼ガスを発生させるような小型ガス発生器を、シートベルトリトラクタに組み込んだ場合、短時間で大量のガスがシートベルトリトラクタへ供給されることから、シートベルトリトラクタに負荷がかかりやすい。そのため部品強度を強くしたり、組付けを丈夫にする等の必要が出てくることから、製造コストが上昇してしまう。
特開2005−225274号公報
本発明は、出力の立ち上がりが比較的緩やかで、リトラクタに負荷をかけにくい小型ガス発生器を提供することを課題とする。
〔請求項1〕
本発明は、課題の解決手段として、
着火部を有する1つの点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、少なくとも前記点火器の着火部を含む部分を覆う外側カップ部材とを有しているガス発生器であって、
前記カップ部材内部が1又は2以上の仕切部材により、2以上の燃焼室に分離され、前記1又は2以上の燃焼室にガス発生剤が収容されており、
前記点火器の作動により、1つの燃焼室内が発熱することで他の燃焼室内のガス発生剤の燃焼が開始される、シートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
本発明において「外側カップ部材」とは、1つのカップ部材の内部に、更に仕切部材として1又は2以上の他のカップ部材を配置した場合において、外側のカップ部材と、その内部に配置されたカップ部材(内側カップ部材)とを区別する意味で使用している。
本発明で用いる仕切部材は、外側カップ部材内部を複数の空間(燃焼室)に分離できるものであればよく、円板状、カップ状、その他の所望形状にすることができる。燃焼室は2以上あり、少なくとも1つの燃焼室にガス発生剤が収容されていればよい。よって、全ての燃焼室にガス発生剤が収容されていてもよいし、ガス発生剤が収容されていない燃焼室があってもよい。ガス発生剤が収容されていない燃焼室には、点火器の着火部が配置される。前記仕切部材で分離される複数の燃焼室の容積や形状は特に制限されず、各燃焼室に収容されるガス発生剤の組成、量、形状も特に制限されない。
本発明のシートベルトリトラクタ用ガス発生器では、仕切部材で複数の燃焼室に分離されているため、点火器の作動により、1つの燃焼室内のガス発生剤が着火燃焼するか、又は点火器の着火部の着火薬が着火燃焼されることで発熱(火炎、高温ガス等)が生じ、それにより、他の燃焼室内のガス発生剤が着火されて燃焼が開始される。
なお、各燃焼室は分離されているため、燃焼室同士を連通する孔は存在せず、1つの燃焼室内の発熱(上記のとおり、ガス発生剤の燃焼又は着火薬の燃焼による発熱)により、仕切部材が高温に発熱すること(仕切部材を通した熱伝導)や、仕切部材が焼尽乃至は変形等することで、他の燃焼室のガス発生剤に伝火される。また、各燃焼室を分離する仕切部材に連通孔を設け、前記連通孔をシールテープで閉塞しておき、1つの燃焼室内の発熱により、前記シールテープが破壊されて連通孔が開放され、開放された連通孔を通して他の燃焼室内のガス発生剤が着火燃焼されるようにしてもよい。
よって、カップ部材内に収容されたガス発生剤の全量が一度に着火燃焼されることはなく、徐々に着火燃焼されることになるため、全量が一度に着火燃焼した場合と比べると、初期の燃焼が抑制され、作動初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)。
そして、このように作動初期の出力の立ち上がりが抑制されているため、組み合わせるシートベルトリトラクタへの負荷が小さくなり、リトラクタの部品強度を高くする必要がなくなる。そのため、リトラクターの製造コストを抑えることができる。
各燃焼室に収容されるガス発生剤は、形状と充填量は同じでもよいし、異なっていてもよい。なお、燃焼室ごとにガス発生剤の形状を異ならせる場合、遅れて燃焼するガス発生剤の単位質量当たりの面積を大きくすると、シートベルトリトラクタへの負荷を小さくしたまま、作動初期の出力立ち上がりの遅れを補って、従来のガス発生器並みの出力を得ることができ、前記出力に到達する時間も同じにすることができる。
また仕切り板の配置の仕方や各燃焼室に充填されるガス発生剤の量によって、種々の出力形態のガス発生器にすることができるため、組み合わせるリトラクターの作動性能に応じた出力形態のガス発生器を提供できる。
〔請求項2〕
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記外側カップ部材内部が、2つの仕切部材により、軸方向に3つの燃焼室が形成されるように分離されており、前記3つの燃焼室の内、中間の燃焼室が前記着火部を含んでおり、全ての燃焼室にガス発生剤が収容されている、請求項1記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
このように軸方向に3つの燃焼室を形成すると、構造が簡単で組立も容易になる。更に点火器の着火部を含む中間の燃焼室からガス発生剤の燃焼が開始されるため、隣接する両方も燃焼室内のガス発生剤は、ほぼ同時に燃焼させることができる。3つの燃焼室は、全てにガス発生剤が充填されている。
〔請求項3〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記外側カップ部材内部が、1つの仕切部材により、2つの燃焼室に分離され、一方の燃焼室内に前記着火部が位置し、前記仕切部材が2つの燃焼室を連通する連通孔を有しており、前記連通孔の開口面積を調整することにより、他の燃焼室への伝火を調整する、請求項1又は2記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
連通孔は開口していてもよいし、作動時に容易に破壊されるアルミニウムテープのようなもので閉塞されていてもよい。
2つの燃焼室を分離する仕切部材に連通孔が形成されているため、一方の燃焼室内で発生した火炎や高温ガス等の燃焼生成物は、連通孔を通って他の燃焼室内に入り、その中にあるガス発生剤を着火燃焼させる。
本発明では、前記連通孔の開口面積を調整することにより、一方の燃焼室から他方の燃焼室内に流入する燃焼生成物の量を制御することで、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)ようにするものである。
〔請求項4〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記外側カップ部材内部が、1つの仕切部材により、2つの燃焼室に分離され、一方の燃焼室内に前記着火部が位置し、前記仕切部材が2つの燃焼室を連通する連通孔を有しており、前記連通孔の開口位置を調整することにより、他の燃焼室への伝火を調整する、請求項1〜3のいずれかに記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
連通孔は開口していてもよいし、作動時に容易に破壊されるアルミニウムテープのようなもので閉塞されていてもよい。
2つの燃焼室を分離する仕切部材に連通孔が形成されているため、一方の燃焼室内で発生した火炎や高温ガス等の燃焼生成物は、連通孔を通って他の燃焼室内に入り、その中にあるガス発生剤を着火燃焼させる。
このとき、連通孔付近にあるガス発生剤が先に着火燃焼され、連通孔から離れた位置にあるガス発生剤は遅れて着火燃焼されることになる。このため、仕切部材の連通孔の形成位置を調整して、連通孔付近に存在するガス発生量を少なくし、連通孔から離れた位置にあるガス発生剤量を多くすることにより、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)ようにするものである。
〔請求項5〕
本発明は、課題の他の解決手段として、
前記1つの仕切部材が、前記着火部に被せられた内側カップ部材であり、前記内側カップ部材の外側に更に前記外側カップ部材が被せられており、
前記内側カップ部材が、前記連通孔を有する外壁面と前記連通孔を有していない外壁面からなり、前記連通孔を有する外壁面と前記外側カップ部材の内壁面との間隔が、前記連通孔を有していない外壁面と前記外側カップ部材の内壁面との間隔よりも小さい、請求項3又は4記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
このように連通孔を有する外壁面と外側カップ部材の内壁面との間隔<連通孔を有していない外壁面と外側カップ部材の内壁面との間隔、の関係にした場合、外側カップ部材内にガス発生剤を収容したとき、連通孔を有する外壁面と外側カップ部材の内壁面の間に存在するガス発生剤量の方が、連通孔を有していない外壁面と外側カップ部材の内壁面の間に存在するガス発生剤量よりも少なくなる。
よって、上記したとおり、連通孔の開口面積又は連通孔の開口位置を調整することにより、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)。
〔請求項6〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記内側カップ部材の連通孔を有する外壁面が底面であり、前記内側カップ部材の連通孔を有していない外壁面が周面であるか、又は前記内側カップ部材の連通孔を有する外壁面が周面であり、前記内側カップ部材の連通孔を有していない外壁面が底面である、請求項5記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器を提供する。
外側カップ部材と、その内部に配置される内側カップ部材の大きさと形状を適宜設定し、更に内側カップ部材に形成される連通孔の位置を調整することにより、上記した「連通孔を有する外壁面と外側カップ部材の内壁面との間隔<連通孔を有していない外壁面と外側カップ部材の内壁面との間隔」、の関係を満たすことができる。
本発明のガス発生器によれば、作動初期の燃焼が抑制され、最大出力を低下させることなく、初期の出力の立ち上がりを抑制することができる。よって、組み合わせるシートベルトリトラクタの強度を必要以上に上げることなく、構造が簡素で組み立てやすいリトラクターにできる。更にはガス発生器の作動性能をリトラクターに合わせて調整することができるため、リトラクターへの適応範囲が広いガス発生器を提供することができる。
(1)図1のガス発生器
図1は、シートベルトリトラクタ用ガス発生器1の縦断面図である。
点火器組立体10は、電気式の点火器11が点火器カラー12に嵌め込まれて固定されたものである。点火器11は、着火薬(例えば、ジルコニウムと過塩素酸塩を含むもの)が充填された着火部13を有しており、導電ピン14を介して外部電源に接続される。点火器カラー12は金属製のものであり、開口部周縁15(かしめ部15)をかしめることで、点火器11が固定されている。
カップ部材20は、幅方向の断面が円形のもので、開口部にフランジ21が形成されており、周壁部には、他の周壁部よりも肉厚を薄くして形成された脆弱部22が形成されている。カップ部材20は、フランジ21において点火器カラー12の環状突起部16をかしめることで、点火器カラー12に固定されると共に、内部が外部雰囲気から遮断されている。
カップ部材20の内部は、第1仕切板31と第2仕切板32により、第1燃焼室41、第2燃焼室42、第3燃焼室43に分離されている。第1燃焼室41には第1ガス発生剤51が密に充填され、第2燃焼室42には第2ガス発生剤52が密に充填され、第3燃焼室43には第3ガス発生剤53が密に充填されている。第1仕切板31と第2仕切板32は、厚さ0.5mmのステンレス製の板で形成されている。いずれのガス発生剤も、同一組成比、同一形状、同一大きさである。
第1仕切板31は、円板状のものであり、第1燃焼室41に充填された第1ガス発生剤51で一方の面が支持され、第2燃焼室42に充填された第2ガス発生剤52と着火部13により、他方の面が支持されている。
第2仕切板32は、環状平板部32aと孔から垂直方向に形成された環状突起部32bを有しており、環状突起部32bの内周面は着火部13の一部周面に当接されており、着火部13の残部周面は第2燃焼室42内に露出されている。環状平板部32aは、第2燃焼室42に充填された第2ガス発生剤52で一方の面が支持され、第3燃焼室43に充填された第3ガス発生剤53とかしめ部15により、他方の面が支持されている。
次に、シートベルトリトラクタ用ガス発生器1の動作を説明する。点火器11が作動したとき、着火部13から燃焼生成物が発生する。これが、第2燃焼室42に存在する第2ガス発生剤52を先に着火させる。これによって、カップ部材20周壁部の脆弱部22が開裂し、開裂部分から燃焼ガスが排出される。それと同時に仕切り板31、32を通して第2燃焼室42内の燃焼熱が伝わり、第1燃焼室41の第1ガス発生剤51及び第3燃焼室43の第3ガス発生剤53が着火され、燃焼が開始される。
図1のガス発生器では、仕切り板31、32を通して第2燃焼室42内の燃焼熱が伝わることで、第1ガス発生剤51及び第3ガス発生剤53が着火燃焼されるが、仕切り板31、32にシールテープで閉塞された連通孔を設け、前記シールテープが開裂して前記連通孔が開放されることで、第1ガス発生剤51及び第3ガス発生剤53が着火燃焼されるようにしてもよい。
このようにして、第2ガス発生剤52が先に着火燃焼され、遅れて第1ガス発生剤51と第3ガス発生剤53が着火燃焼されるため、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)。このことは、このガス発生器1が組み付けられるプリテンショナーへの負荷を抑えることになり、プリテンショナーの部品強度を上げる必要がなくなるため、組立が容易となる。
(2)図2のガス発生器
図2は、別実施形態であるシートベルトリトラクタ用ガス発生器2の縦断面図である。図1と同一番号は、同一の構成要素であることを意味する。なお、本実施形態では、内側カップ部材60を使用しているため、「カップ部材20」は「外側カップ部材20」と称する。
図2では、仕切部材として内側カップ部材60を使用しており、内側カップ部材60は、その内径と点火器の着火部13の外径を調整することで、開口部側から着火部13に嵌め込まれている。内側カップ部材60は、厚さ0.5mmのステンレス製のものである。内側カップ部材60と外側カップ部材20との間が燃焼室44となり、ガス発生剤54が密に充填されている。
内側カップ部材60は、周面61と底面62を有し、底面62の中央部には開口部63が形成されている。開口部63は、点火器11が作動したとき、発生した燃焼生成物が放出される孔であるため、開口面積を増減することで、燃焼生成物の時間当たりの放出量を制御することができる。なお、開口部63の直径がガス発生剤54の最小長さよりも小さいときは開口したままでもよいが、大きいときは、開口部63から内部空間64にガス発生剤54が入り込むことを防止するため、アルミニウム等のシールテープで閉塞される。着火部13と内側カップ部材60で囲まれた空間64内には、ガス発生剤54は存在していないが、ガス発生剤54の着火を補助するための伝火薬又は伝火薬として作用するガス発生剤を配置してもよい。
内側カップ部材60の底面62と外側カップ部材20の底面20bとの間隔の方が、内側カップ部材60の周面61と外側カップ部材20の周面20aとの間隔よりも小さくなるように設定されている。このため、ガス発生剤54の単位容積当たりの充填量は、内側カップ部材の底面62側は、内側カップ部材の周面61側よりも少なくなっている。
次に、シートベルトリトラクタ用ガス発生器2の動作を説明する。点火器11が作動したとき、着火部13から燃焼生成物が発生し、内側カップ部材の開口部63から外側カップ部材の底面20bに向かって放出される。このとき、開口部63の開口面積により、放出量が制御される。
そして、最初に開口部63に面した、内側カップ部材の底面62と外側カップ部材の底面20bの間にあるガス発生剤54が着火燃焼され、発生した少量のガスで脆弱部22が開裂してガスを外部に放出する。続いて、内側カップ部材の周面61と外側カップ部材の周面20aの間にあるガス発生剤54が着火燃焼される。それによって発生したガスも、開裂した脆弱部22から外部へ放出される。
このようにして、開口部63に面した位置にあるガス発生剤54が先に着火燃焼され、開口部63から離れた位置にあるガス発生剤54が遅れて着火燃焼されるため、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)。このことは、このガス発生器2が組み付けられるプリテンショナーへの負荷を抑えることになり、プリテンショナーの部品強度を上げる必要がなくなるため、組立が容易となる。
(3)図3のガス発生器
図3は、別実施形態であるシートベルトリトラクタ用ガス発生器3の縦断面図である。図1と同一番号は、同一の構成要素であることを意味する。なお、本実施形態では、内側カップ部材70を使用しているため、「カップ部材20」は「外側カップ部材20」と称する。
図3では、仕切部材として内側カップ部材70を使用しており、内側カップ部材70は、その内径と点火器の着火部13の外径を調整することで、開口部側から着火部13に嵌め込まれている。内側カップ部材70は、厚さ0.5mmのステンレス製のものである。内側カップ部材70と外側カップ部材20との間が燃焼室45となり、ガス発生剤55が密に充填されている。
内側カップ部材70は、周面71と底面72を有し、周面72には等間隔に複数の開口部73が形成されている。開口部73は、点火器11が作動したとき、発生した燃焼生成物が放出される孔であるため、開口面積を増減することで、燃焼生成物の時間当たりの放出量を制御することができる。なお、開口部73の直径がガス発生剤55の最小長さよりも小さいときは開口したままでもよいが、大きいときは、開口部73から内部空間74にガス発生剤55が入り込むことを防止するため、アルミニウム等のシールテープで閉塞される。着火部13と内側カップ部材70で囲まれた空間74内には、ガス発生剤55は存在していないが、ガス発生剤55の着火を補助するための伝火薬を配置してもよい。
内側カップ部材70の周面71と外側カップ部材20の周面20aとの間隔の方が、内側カップ部材70の底面72と外側カップ部材20の底面20bとの間隔よりも小さくなるように設定されている。このため、ガス発生剤55の単位容積当たりの充填量は、内側カップ部材の周面71側は、内側カップ部材の底面72側よりも少なくなっている。
次に、シートベルトリトラクタ用ガス発生器3の動作を説明する。点火器11が作動したとき、着火部13から燃焼生成物が発生し、内側カップ部材の開口部73から外側カップ部材の周面20aに向かって放出される。このとき、開口部73の開口面積により、放出量が制御される。
そして、最初に開口部73に面した、内側カップ部材の周面71と外側カップ部材の周面20aの間にあるガス発生剤55が着火燃焼され、発生した少量のガスで外側カップ部材20が開裂し、ガスを外部に放出する。図1,図2のような脆弱部を設けた場合には、前記脆弱部が開裂し、続いて、内側カップ部材の底面72と外側カップ部材の底面20bの間にあるガス発生剤55が着火燃焼される。それによって発生したガスも、カップ部材20の開裂部分から外に放出される。
このようにして、開口部73に面した位置にあるガス発生剤55が先に着火燃焼され、開口部73から離れた位置にあるガス発生剤55が遅れて着火燃焼されるため、作動初期の燃焼が抑制され、初期のガス発生量が抑制される(即ち、初期の出力の立ち上がりが抑制される)。このことは、このガス発生器3が組み付けられるプリテンショナーへの負荷を抑えることになり、プリテンショナーの部品強度を上げる必要がなくなるため、組立が容易となる。
実施例1、比較例1
図1に示すガス発生器1と、図1に示すガス発生器1において第1及び第2仕切部材31、32がない他は全く同一の比較用ガス発生器を用いて、下記の容量27mlの密閉タンク燃焼試験を行った。結果を図4に示す。
<タンク燃焼試験>
内容積27mlのSUS(ステンレス鋼)製タンク内に、ガス発生器を固定し、室温においてタンクを密閉後、外部着火電気回路に接続する。別にタンクに設置された圧力トランスデューサーにより、着火電気回路スイッチを入れた(着火電流印加)時間を0として、タンク内の圧力上昇変化を時間0〜50ミリ秒の間測定する。各測定データをコンピュータ処理により最終的にタンク圧力/時間曲線として、ガス発生剤成型体の性能を評価する曲線(タンクカーブ)を得る。
実施例1のガス発生器は、比較例1のガス発生器と比べると、初期の出力の立ち上がりが抑制されていたが、最大出力は差が殆どなかった。
実施例2、比較例2
図2に示すガス発生器2と、図2に示すガス発生器2において内側カップ部材60がない他は全く同一の比較用ガス発生器を用いて、実施例1と同じ周知の60Lタンク燃焼試験を行った。結果を図5に示す。
実施例2のガス発生器は、比較例2のガス発生器と比べると、初期の出力の立ち上がりが抑制されていたが、最大出力は差がなかった。
本発明のガス発生器の縦断面図。 他実施形態のガス発生器の縦断面図。 更に他実施形態のガス発生器の縦断面図。 実施例1、比較例1における27ml密閉タンク燃焼試験の結果を示す図。 実施例2、比較例2における27ml密閉タンク燃焼試験の結果を示す図。
符号の説明
1、2、3 ガス発生器
10 点火器組立体
11 点火器
12 点火器カラー
20 カップ部材(外側カップ部材)
31 第1仕切部材
32 第2仕切部材
41 第1燃焼室
42 第2燃焼室
43 第3燃焼室
51 第1ガス発生剤
52 第2ガス発生剤
53 第3ガス発生剤


Claims (2)

  1. 着火部を有する1つの点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、少なくとも前記点火器の着火部を含む部分を覆う外側カップ部材とを有しているガス発生器であって、
    前記カップ部材内部が連通孔のない1又は2以上の仕切部材により、2以上の燃焼室に分離され、前記1又は2以上の燃焼室の全てにガス発生剤が収容されており、
    前記点火器の作動により、1つの燃焼室内のガス発生剤が着火燃焼して発熱することで他の燃焼室内のガス発生剤の燃焼が開始される、シートベルトリトラクタ用ガス発生器。
  2. 前記外側カップ部材内部が、連通孔のない2つの仕切部材により、軸方向に3つの燃焼室が形成されるように分離されており、前記3つの燃焼室の内、中間の燃焼室が前記着火部を含んでおり、全ての燃焼室にガス発生剤が収容されている、請求項1記載のシートベルトリトラクタ用ガス発生器。
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