JP2005041326A - ハイブリッドインフレータ - Google Patents

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征幸 山▲崎▼
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Abstract

【課題】第2ガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータの提供
【解決手段】 第2開口部121の一部121aはテープ132で遮蔽され、残部の開口部面積A2nd-1と、ガスの流出圧力を制御する仕切板凹部の開口部131の開口面積Aexは、Aex>A2nd-1の関係であるため、第2ガス発生剤119の燃焼により、第2燃焼室120内の圧力が上昇し易い。加圧媒質が排出され、内部が大気圧と同等になったときでも第2ガス発生剤119の燃焼性は良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車両に搭載するエアバッグシステム用として適したハイブリッドインフレータ、及びエアバッグシステムに関する。
2つの燃焼室を有するデュアル型のハイブリッドインフレータでは、自動車両の衝突により乗員が受ける衝撃の程度に応じて、2つの燃焼室内に収容されたガス発生剤を同時に又はいずれか一方を遅らせて燃焼させるように設定されている。更に、自動車両の衝突が軽度であり、それにより乗員が受ける衝撃も軽度であるとき、いずれか一方のガス発生剤のみを燃焼させてエアバッグを膨張させる場合があるが、この場合であっても、後に自動車両を解体するときの作業の安全性を考慮して、乗員保護のためのエアバッグの膨張とは無関係に残余の未燃焼のガス発生剤も燃焼させてしまう。
このような未燃焼のガス発生剤の燃焼は、最初のガス発生剤の燃焼から100ミリ秒程度遅れて開始されることになるが、このときには、ハイブリッドインフレータ内の加圧媒質の大部分は排出されており、インフレータ内部はほぼ大気圧と等しくなっている。一般にガス発生剤は、圧力が高いほど燃焼速度が上昇する傾向があるため、前記のような場合には、燃焼しにくくなる。
更に、未燃焼のガス発生剤の燃焼が開始され、高温の燃焼ガスが発生された場合には多少インフレータ内の圧力の上昇はあるが、ハイブリッドインフレータの開口部(ガス排出口およびその近傍の開口部)は、内部に加圧媒質が存在する状態で開口径(開口面積)が設定されており、未燃焼のガス発生剤の全表面積に対して開口面積が大きすぎるため、ガス発生剤の燃焼が促進される程度までは内圧は上昇されない。
そして、このように大気圧下において未燃焼ガス発生剤を燃焼させた場合、燃焼時間が長く掛かり過ぎたり、圧力不足によりCO、NOx等のガス成分が発生する場合がる。
特許文献1には、ハウジング内に、加圧媒質が充填された第1室内に更に第2室が設けられ、第1室と第2室の開口部が、それぞれ破裂板で閉塞されたハイブリッドインフレータが開示されている。第1室と第2室とは、流路で連通されているが、この流路は、長い時間を掛けて加圧媒質を移動させ、両室間を同圧にするためのものであり、短時間で加圧媒質を移動させるものではない。(7欄35−40行等参照)つまり、第1室の点火器が作動し、破裂板が破裂され、第1室内の加圧媒質が外部に流出した場合でも、依然として第2室内は高圧状態に保持されている。
よって、この技術であれば、上記したような問題は生じることはないが、その一方で、第1室と第2室の二重構造にする必要があること、第1室と第2室を別々に破裂板で閉塞する必要があること、第1室と第2室とを同圧にするために長時間を有することという点で、主に製造上の問題がある。更に、第1室のガスのみを排出したときには、第1室は大気圧程度まで圧力が下がることを考えると、第1室と第2室を仕切る破裂板は、両室の差圧まで耐えることができる程度の十分な厚さにする必要があるが、そのような厚さの破裂板を用い、第1室と第2室とを同時に作動させたとき、第2室の破裂板は破れにくくなるということが考えられ、第2室には非常に出力の大きな点火器を設置する必要が生じてくる。
また特許文献2には加圧媒質が充填されたハウジング内に2つの燃焼室が設けられ、それぞれ点火器によって独立に着火・燃焼するハイブリッドインフレータが開示されている。各々の燃焼室とハウジング内部とは開口によって連通しており、開口は破裂板等ではシールされていない。また破裂板でシールされたガス排出口がハウジングに2つ形成されており、1の燃焼室中のガス発生剤のみ燃焼するときには、一方のガス排出口をシールする破裂板のみ破壊されて、ガスを排出する。
このような状態では、加圧媒質の大部分が排出された後で、ハウジング内部は大気圧に近い状態であり、未燃焼のガス発生剤を消尽する際に圧力が不足してCOやNOxなどのガスを発生する原因ともなる。
米国特許第5,582,428号 米国特許第6,206,414号
解決しようとする問題点は、ガス発生剤を有する複数の燃焼室が配置されたハイブリッドインフレータにおいて、遅れて着火・燃焼する際にインフレータハウジング内部がの圧力を高めて、ガス発生剤の燃焼性能を向上させ、NOxやCOなどのガスの発生を抑えることである。
本発明は、2つの燃焼室を有するデュアル型ハイブリッドインフレータにおける上記問題を解決するものであるが、3以上の燃焼室を有するハイブリッドインフレータにも適用できる。
また、本発明でいう「遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善され」とは、乗員拘束を目的とするエアバッグ展開のためではなく、一方の燃焼室内のガス発生剤の燃焼開始から約100ミリ秒程度遅れて、他方の燃焼室内のガス発生剤を燃焼させたとき(即ちハイブリッドインフレータ内の加圧媒質は実質的にエアバッグ内に噴出され、ハウジング内部が大気圧とほぼ等しくなっている状態で燃焼させたとき)、前記他方のガス発生剤の燃焼速度を高めて速やかに燃焼を終了させると共に、COやNOx等のガスの生成を抑制することを意味する。
請求項1の発明は、上記課題の解決手段として、インフレータハウジングと、インフレータハウジング内に収容された第1燃焼室および第2燃焼室と、各燃焼室に接続された第1点火手段および第2点火手段と、ガスを排出するガス排出口を有する、エアバッグ膨張用のハイブリッドインフレータであって、
インフレータハウジング内の加圧媒質充填空間に加圧媒質が充填され、
加圧媒質を含むガスをエアバッグ内に噴出するためのガス排出経路を有し、前記ガス排出経路にガスの流出圧力を制御する開口部が設けられており、
第1燃焼室および第2燃焼室は、複数の連通孔を有する燃焼室ハウジングにより外殻が形成され、その内部に、それぞれ第1ガス発生剤及び第2ガス発生剤が収容されており、複数の連通孔により2つの燃焼室のそれぞれと、インフレータハウジングの加圧媒質充填空間とが連通されており、
2つの燃焼室の内、遅れてガス発生剤を燃焼させる第2燃焼室が有する複数の連通孔の一部が遮蔽手段で閉塞されており、
遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1と、前記ガス排出経路に設けられたガスの流出圧力を制御する開口部の総面積Aexとが、次式(I):
ex>A2nd-1 (I)
の関係を満たすものである、遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータを提供する。
一般に、ガス発生剤の燃焼速度は圧力に比例する。加圧媒質が充填されている場合、第1及び第2ガス発生剤が同時に、又は僅かに遅れて第2ガス発生剤が燃焼するとき、第1及び第2燃焼室内にも加圧媒質が存在している状態であるから、第1及び第2ガス発生剤は圧力P1(加圧媒質の充填圧力とほぼ同じ圧力)を受けている。そして、この圧力P1の状態で第1及び第2ガス発生剤を燃焼させた場合、圧力P1に応じた燃焼速度r1が得られる。
従って、単位時間当たりに第1及び第2燃焼室から発生するガス量は、圧力P1及び燃焼速度r1に応じたガス量となるため、第1及び第2燃焼室内は比較的短時間で高圧状態となる。このため、第2燃焼室の連通孔の内、閉塞された連通孔も遮蔽手段が破壊されて開口し、第2ガス発生剤は所定時間(エアバッグの膨張時間にほぼ相当する)で燃焼を完了し、COやNOx等のガスの発生も抑制できる。
一方、自動車両の衝突状態により、第1ガス発生剤のみを燃焼させた場合には、自動車両の解体作業時における安全確保の観点から、第1ガス発生剤の燃焼から約100ミリ秒後に残った第2ガス発生剤を燃焼させて処分する必要がある。この場合、第2燃焼室内は加圧媒質の大部分が流出したことにより大気圧程度にまで減圧されているため、ガス発生剤は大気圧程度の圧力P2を受けており、ガス発生剤は圧力P2に応じた燃焼速度r2により燃焼を開始することになる。
しかし、第2燃焼室が有する連通孔の一部が閉塞されているので、第2ガス発生剤の燃焼により生じた燃焼ガスは、閉塞されている連通孔により流出が妨げられ、第2燃焼室内の圧力は上昇し(P2→P3)、燃焼速度も向上する。(r2→r3)但し、P3<P1、r3<r1であるため、単位時間当たりの燃焼ガス量は加圧媒質が存在するとき(P1かつr1のとき)よりも少ないため、第2燃焼室内の圧力上昇は緩やかであり、遮蔽部材で閉塞された連通孔は開口されないので、燃焼ガスは開口した連通孔のみから流出される。
このとき、式(I)を満たさずにAex<A2nd-1であると、第2燃焼室から生じた燃焼ガスの流出速度は、ガス排出経路に設けられた開口部(Aex)により制御されることになるため、第2燃焼室内の圧力上昇が十分ではなく、燃焼速度も低下する。(即ち、P3、r3よりも小さくなる)
しかし、式(I)の関係を満たしていることにより、第1燃焼室から発生した燃焼ガスと共に加圧媒質の大部分がインフレータハウジングから排出され、内部が大気圧にほぼ等しいまでに低下した後に第2燃焼室内のガス発生剤が燃焼した場合、第2燃焼室で発生した燃焼ガスの流出は閉塞された連通孔(A2nd-1)で制御され、第2燃焼室内の圧力上昇をもたらすため、第2燃焼室内に収容されたガス発生剤の燃焼速度を高めると共に、COやNOxの発生を抑制するように作用する。
請求項2の発明は、請求項1記載のハイブリッドインフレータにおいて、第2燃焼室が有する複数の連通孔の内、遮蔽された連通孔の総面積(A2nd-2)と遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1との合計面積(A2nd)に対して、遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1の占める割合が50%以下となる関係を有するものにすることで、上記作用がより円滑になされるので好ましい。
請求項3の発明は、請求項1または2記載のハイブリッドインフレータにおいて、2つの燃焼室の内、先に燃焼するガス発生剤が収容された第1燃焼室が有する複数の連通孔の総面積(A1st)と、Aexとが、次式(II):
ex<A1st (II)
の関係を満たすことが好ましい。
第1燃焼室内のガス発生剤のみが燃焼した場合、第1燃焼室が有する連通孔の全開口面積(A1st)よりも、ガス排出経路に設けられたガスの流出圧力を制御する開口部の全開口面積(Aex)の方を小さくすることにより、加圧媒質と燃焼ガスの流出量(流出圧力、流出速度)をガス排出経路に設けられた開口部で制御することができる。従って、第1燃焼室内のガス発生剤のみを燃焼させた後、約100ミリ秒後に第2燃焼室内のガス発生剤を燃焼させるときには、式(I)と共に式(II)を満たすことが望ましい。
請求項4の発明は、請求項1〜3いずれかに記載のハイブリッドインフレータにおいて、A1st、A2nd-1、A2nd-2及びAexが、下記式(III)〜(V)で示される関係を満たしていることが好ましい。
ex<A1st+A2nd-1+A2nd-2 (III)
1st>Aex×〔S1/(S1+S2)〕 (IV)
2nd-1+A2nd-2>Aex×〔S2/(S1+S2)〕 (V)
〔式中、S1は先に燃焼する第1ガス発生剤の全表面積、S2は遅れて燃焼する第2ガス発生剤の全表面積を示す。〕
第1及び第2ガス発生剤を同時に燃焼させるとき、式(III)の関係を満たすと、加圧媒質と、第1及び第2燃焼室から発生した燃焼ガスを合わせたガスの流出量(流出圧力、流出速度)等をガス排出経路の開口部(Aex)のみで制御することができる。なお、このとき、遮蔽部材は破壊されており、第2燃焼室の連通孔は全て開口されている。
第1及び第2燃焼室内の第1及び第2ガス発生剤は、それぞれ独立に燃焼することから、それぞれの連通孔の開口面積A1st、A2nd-1及びA2nd-2は、第1及び第2ガス発生剤の全表面積(S1及びS2)との関連から(表面積が大きい方が単位時間当たりのガス発生量が大きい)、式(IV)及び式(V)を満たすことが望ましい。
請求項5の発明は、請求項1〜4いずれかに記載のハイブリッドインフレータにおいて、前記開口部がインフレータハウジング中央部に設けられた仕切り部材に形成されていることが好ましい。
請求項6の発明は、他の課題の解決手段として、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜7のいずれかに記載のハイブリッドインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケースとを備えたエアバッグシステムを提供する。
本発明のハイブリッドインフレータのハウジング内部に配置される燃焼室は特に限定されるものはなく、以下にその一形態を示す。本発明のハイブリッドインフレータにおいて、2つの燃焼室に収容するガス発生剤は、インフレータハウジング内に充填する加圧媒質の組成との関連で決定することができる。
加圧媒質は、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス(本発明では窒素も不活性ガスに含まれるものとする)からなる。このうちアルゴンは加圧媒質の熱膨張を促進するように作用し、ヘリウムを含有させておくと加圧媒質の漏れの検出が容易となるので、不良品の流通が防止されるため好ましい。また、さらに加圧媒質として、ヘリウムのみを用いることも出来る。加圧媒質の充填圧力は、好ましくは10,000〜70,000kPa、より好ましくは30,000〜60,000kPaである。
ガス発生剤は、例えば、燃料及び酸化剤又は燃料、酸化剤及びスラグ形成剤を含むものを、必要に応じて結合剤と共に混合し、所望形状に成型したものを使用することができ、このようなガス発生剤を用いた場合は、その燃焼により発生するガスを、加圧媒質と共にエアバッグの膨張展開に供することができる。特にスラグ形成剤を含むガス発生剤を用いた場合は、インフレータから排出されるミストの量を大幅に低減できる。
燃料としては、ニトログアニジン(NQ)、グアニジン硝酸塩(GN)、グアニジン炭酸塩、アミノニトログアニジン、アミノグアニジン硝酸塩、アミノグアニジン炭酸塩、ジアミノグアニジン硝酸塩、ジアミノグアニジン炭酸塩、トリアミノグアニジン硝酸塩等のグアニジン誘導体等から選ばれる1又は2以上が好ましい。また燃料として、テトラゾール及びテトラゾール誘導体等から選ばれる1又は2以上のものも用いることができる。
酸化剤としては、硝酸ストロンチウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、酸化銅、酸化鉄、塩基性硝酸銅等から選ばれる1又は2以上が好ましい。酸化剤の配合量は、燃料100重量部に対して、好ましくは10〜80重量部、より好ましくは20〜50重量部である。
スラグ形成剤としては、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、シリカ、アルミナ、ケイ酸ナトリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタルサイト及びこれらの混合物から選ばれる1又は2以上が好ましい。スラグ形成剤の配合量は、燃料100重量部に対して、好ましくは0〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
結合剤としては、カルボキシルメチルセルロースのナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、グアーガム、微結晶性セルロース、ポリアクリルアミド、ステアリン酸カルシウム等から選ばれる1又は2以上が好ましい。結合剤の配合量は、燃料100重量部に対して、好ましくは0〜30重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
上記した組成の加圧媒質とガス発生剤を使用した場合、加圧媒質の量(Aモル)とガス発生剤の燃焼により発生するガス量(Bモル)とのモル比(A/B)が、好ましくは8/2〜1/9、より好ましくは8/2〜3/7になるように調整することが望ましい。
このようにハイブリッドインフレータ内に充填された加圧媒質の量と、ガス発生剤の燃焼により発生するガス量とのモル比を調整することにより、加圧媒質の充填量を減少させることができる。よって、ハウジングの容積を減少させた(即ち、ハウジングの長さ及び/又は幅(直径)を減少させた)場合でも、加圧媒質の充填圧力(=ハウジングの内圧)を高めることなく、容積を減少させる前と同圧に維持することができる。あるいは加圧媒質の充填量(充填圧力)を減少させることで、加圧媒質を収容する容器の肉厚を薄くすることが出来るため、重量の低減が可能となる。なお、本発明のハイブリッドインフレータにおいては、加圧媒質の重量(X)とガス発生剤の重量(Y)との重量比(X/Y)は、好ましくは0.1〜7であり、より好ましくは0.5〜5である。
また上記したハイブリッドインフレータは、ガス発生剤の燃焼時における、次式:rb=αPn(式中、rb:燃焼速度、α:係数、P:圧力、n:圧力指数を示す)で規定される圧力指数が0.8未満のものにすることが望ましい。この圧力指数(n)は、より好ましくは0.1〜0.8、更に好ましくは0.1〜0.7にする。
このように圧力指数(n)を0.8未満にした場合、ガス発生剤の燃焼初期における燃焼速度が急激に上昇することが抑制されるので、ハウジング内圧の上昇が小さい。このため、ハウジングの肉厚を減少させた場合でも、十分な耐圧性を維持できる。また、ハウジング内圧の上昇が小さい(即ち、内圧の変化が小さい)ためにガス発生剤の燃焼が安定して行われるので、ガス発生剤の燃え残りが生じることがない。
本発明において、「燃焼室」は、ガス発生剤の燃焼により高温の燃焼ガスを発生させ、前記高温の燃焼ガスをインフレータハウジング内に流出させるガス発生機能を有するものを意味する。また、ハイブリッドインフレータは、インフレータハウジング内に前記燃焼室を含むものであり、「インフレータ」は前記燃焼室から流出した高温の燃焼ガスの作用によって、インフレータハウジング内に存在する加圧媒質を外部に流出させ、エアバッグを膨張させる機能を有するものを意味し、「ハイブリッド」は、ガス発生剤の燃焼による高温燃焼ガスと加圧媒質の両方を組み合わせて利用することを意味する。
本発明のハイブリッドインフレータによれば、2つの燃焼室の内、エアバッグの膨張手段として一方の燃焼室内のガス発生剤のみを燃焼させ、自動車両解体時における作業安全性の確保のため、他方の燃焼室内のガス発生剤を最初のガス発生剤の燃焼開始から約100ミリ秒遅れて燃焼させるときの燃焼性が改善される。特に本発明では、連通孔の一部を遮蔽手段により遮蔽するだけで燃焼性を改善することができるため、簡単な手段により大きな効果が得られる点で優れており、既存のハイブリッドインフレータの燃焼性を改善する手段としても適用できる。
以下、本発明の実施形態を示した図面により、本発明を詳しく説明する。図1はハイブリッドインフレータ100の一実施形態の長さ方向への断面図、図2は仕切り部材102の断面図。図3は仕切り部材102のその他の実施例の断面図である。
インフレータハウジング101は筒状の耐圧性容器からなり、内部空間(加圧媒質充填空間)が仕切り部材102によって、2つの空間103、104に仕切られている。図1の実施例においては、詳しくは、ハウジング101は2つの円筒部材101a、101bからなり、各々の一端部を仕切り部材102に当接している。当接部は溶接、カシメなどで固定されている。あるいはハウジングを1つの円筒とし、仕切り部材102を円筒内の所定の位置に配置し、ハウジング101の外部から内部に向かってカシメや溶接などを行い、ハウジング101と仕切り部材102を固定することも可能である。ハウジング101内部に形成される各々の空間103,104(103を第1空間、104を第2空間とする)には加圧媒質が充填され、高圧に保持されている。図1における2つの空間103,104は互いにその容積が異なるように仕切り部材102はハウジング101の軸方向中心部から偏在させて配置させているが、2つの空間103,104が同一容器になるように、仕切り部材を軸方向中央部に配置しても良い。
第1空間103には、第1燃焼室ハウジング110により内部に第1ガス発生剤111を収容する第1燃焼室112が形成されている。第1燃焼室ハウジング110は一端113が閉塞し、反対端部114が開口し、その周壁部には複数の第1開口115が形成されており、第1開口115を介して加圧媒質が第1燃焼室112内部と連通している。またハイブリッドインフレータハウジング101の第1燃焼室112側端部の開口には、第1ボス106が取り付けられている。第1ボス106には、第1ガス発生剤111を着火・燃焼させる第1点火器133が取り付けられている。第1点火器133は第1ボス106に形成された開口部116に取り付けられており、その開口部は第1点火器133側の端部において第1破裂板117にて閉塞されている。第1破裂板117は第1ボス106の開口部116の第1燃焼室側112端部において、抵抗溶接などで固定されている。
一方第2空間104には、第2燃焼室ハウジング118によりその内部に第2ガス発生剤119を収容する第2燃焼室120が形成されている。第2燃焼室ハウジング118も第1燃焼室ハウジング110と同様に一端が閉塞し、反対端部が開口し、その周壁部には複数の第2開口121が形成されており、またハイブリッドインフレータハウジング101の第2燃焼室120側端部の開口には、第2ボス122が取り付けられている。第2ボス122には、第2ガス発生剤119を着火・燃焼させる第2点火器123が取り付けられている。第2点火器123は第2ボス122に形成された開口部124に取り付けられており、その開口部は第2点火器123の端部において第2破裂板125にて閉塞されている。第2破裂板125も第2ボス122の開口部124の第2燃焼室側120端部において、抵抗溶接などで固定されている。
第2燃焼室ハウジング118の周壁部に形成された複数の第2開口121は、その開口121の一部121aがアルミニウムのシールテープで内側から閉塞されており、残りの開口121bは閉塞されない状態となっている。このためハウジング内部の加圧媒質は、閉塞されない第2開口121bによって第2燃焼室ハウジング118の内部と連通している。これらの開口121a、121bの内、遮蔽された連通孔121aの総面積A2nd-2と遮蔽されずに開口している連通孔121bの総面積A2nd-1との合計面積A2ndに対して、遮蔽されずに開口している連通孔121bの総面積A2nd-1の占める割合が50%以下であることが好ましい。
第1燃焼室ハウジング110は、一端側113は閉塞され、反対端部114の内周面を第1ボス106の中央部に形成された凸部129の周壁面に対して嵌合した状態で、溶接、カシメ等の方法により固定されている。また第2燃焼室ハウジング118も同様に反対端部(開口部)側の内周面を第2ボス122の凸部130の外周面に嵌合させ、溶接、カシメ等の方法で固定されている。
仕切り部材102は2つの空間103、104を連通する連通孔105が複数形成されており、この連通孔105は両室103、104間のガスの移動を妨げるものではく、瞬時に両室間をガスが移動できるような開口面積を有する。よって、この連通孔105は仕切り部材102に複数均等間隔で設けられるのが好ましい。加圧媒質は、インフレータハウジング102の一端側に接続されたボス106に形成された細孔107から充填し、前記細孔107は加圧媒質の充填後にシールピン108により閉塞する。連通孔105が存在するため、片方の空間(例えば第1空間103)のみに加圧媒質を充填すれば、連通孔105を経由して反対側の空間(例えば第2空間104)にも加圧媒質が充填される。あるいは加圧媒質充填用の細孔107を仕切り板102の周壁部109に設け、連通孔105の1つに貫通するようにして設けることでも同様の効果を得ることが出来る。また仕切り板102の第1空間103側には凹部126が形成され、さらにハウジング101外部とを連通するガス排出口127が配設されている。凹部126の開口部131の第1空間103側端部には、主破裂板128が抵抗溶接などで取り付けられている。ハウジング101内部の加圧媒質は第1破裂板117、第2破裂板125および主破裂板128によりハウジング101内部に気密に封入されている。
図1においては、各ガス発生剤111、119はそれぞれの点火器115、123によって直接点火される構造となっているが、ガス発生剤の着火性が低い場合は、従来の伝火薬を使用することが出来る。従来の伝火薬としてはボロン硝石が使用できるが、従来の伝火薬のほかにも、例えば着火性のよいガス発生剤(上記燃料、酸化剤に上げたもの、例えばニトログアニジンと硝酸ストロンチウムからなるガス発生剤で、バインダを含んでいても良い)を伝火薬として使用することも可能である。
第1ガス発生剤111の燃焼によって発生した燃焼ガス中の固形残渣を捕集するために、第1燃焼ハウジング110中に、金網等からなるスクリーンを配置することもできる(図1にはスクリーンは図示せず)。スクリーンは第1開口115を覆うように第1燃焼室ハウジング110周壁部内面に、あるいは外周面に配置することが出来る。
また第2ガス発生剤119の燃焼によって発生した燃焼ガス中の固形残渣を捕集するために、第2燃焼室ハウジング118中に金網等からなるスクリーンを配置することもできる(図1にはスクリーンは図示せず)。この場合、スクリーンは第2燃焼ハウジング118の周壁部外周面に配置することが出来る。あるいは仕切り板102に形成された連通孔105を覆うように仕切り板102の第2空間側104に重ねて配置することが出来る。
さらに仕切り部材102の中央に形成された凹部126の空間にもスクリーンを配置することが可能であり、第1、第2燃焼室ハウジング110、118に配置されたスクリーンと併用したり、あるいは単独で凹部126だけ配置することも可能である。
図1では仕切り部材102に形成される凹部126はその開口部131の面積と、ガス排出口127の総開口面積を比較すると、開口部131の面積の方が小さい。この開口部131の面積をAexとする。よってハウジング101中の加圧媒質や、燃焼ガスの排出量は、この開口部131の面積Aexによって調整される。
第2ガス燃焼室ハウジング118に形成された複数の第2開口121の一部121aは、遮蔽手段としてのアルミニウム製のシールテープ132で内側から閉塞されている。なお、遮蔽手段は、本発明の課題が解決できるものであれば、その材質、形状等は限定されない。
遮蔽されずに開口している第2開口121bの総面積A2nd-1と、図1で示す開口部131の面積Aexとは、次式(I):Aex>A2nd-1 (I)で満たす関係を有している。
更に複数の第2連通孔121の内、遮蔽された連通孔121aの総面積A2nd-2と遮蔽されずに開口している連通孔121bの総面積A2nd-1との合計面積A2ndに対して、遮蔽されずに開口している連通孔121bの総面積A2nd-1の占める割合は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。
このようにして第2連通孔121の一部を閉塞することにより、エアバッグの膨張手段として、第1燃焼室112の第1ガス発生剤111のみを燃焼させたとき、自動車両解体時における作業安全性を確保するため、約100ミリ秒後に第2燃焼室120の第2ガス発生剤119を燃焼させるときの燃焼性を改善できる。
なお、式(I)を満たしているとき、第1燃焼室ハウジング110の複数の第1開口115の総面積A1stと、Aexとは、次式(II):Aex<A1st (II)の関係を満たしていることが望ましい。
第2ガス発生剤119の量は、第1ガス発生剤111と同量又は第1ガス発生剤111の量よりも多くしたり少なくしたりすることができ、形状、寸法、組成及び組成比は同一でも異なっていてもよい。また、第1燃焼室112と第2燃焼室120の容積は同一でも異なっていてもよい。
上記のとおり、第1燃焼室112および第2燃焼室120がそれぞれ第1開口115、第2開口121bによってハウジング101内部と連通しているため、各燃焼室112、120は、いずれも高圧、即ちインフレータハウジング101内部空間と同一の圧力状態である。
また第1空間103と第2空間104との間に仕切り部材102が存在し、両空間を連通孔105によって連通する構造であるため、例えば第1燃焼室112の作動(着火)の影響が第2燃焼室120へ及びにくくなる。このため第1ガス発生剤111の着火が起因して第2ガス発生剤119が伝火・着火するといったことを防止することが出来る。
仕切り部材102にはハウジング101内の加圧媒質、および燃焼ガスを排出するガス排出口127が周方向に均等間隔で複数形成されている。このガス排出口127は同じ仕切り部材102の中央部に形成された凹部126と連通している。図1では凹部126の開口部131の面積は、ガス排出口127の総開口面積より小さく形成している(この場合開口部131が面積Aexとなる)が、ガス排出口127の総開口面積の方を小さく形成しても良い(この場合はガス排出口127の総開口面積が面積Aexとなる)。
上記したA1st、A2nd-1、A2nd-2及びAexは、下記式(III)〜(V)で示される関係を満たしていることが望ましい。
ex<A1st+A2nd-1+A2nd-2 (III)
1st>Aex×〔S1/(S1+S2)〕 (IV)
2nd-1+A2nd-2>Aex×〔S2/(S1+S2)〕 (V)
(式中、S1は先に燃焼する第1ガス発生剤111の全表面積、S2は遅れて燃焼する第2ガス発生剤119の全表面積を示す。)
ハイブリッドインフレータ100において、上記した各構成要素は、いずれも中心軸(図1中の一点鎖線)に対して、幅方向に対称となるように配置されていることが望ましいが、すくなくとも一部構成要素が前記の中心軸に対して偏心して配置されていてもよい。
また仕切り部材102については、図2にその断面図を示す。図2に記載の仕切り部材は図1の仕切り部材を第1燃焼室側から見たときのもので、さらに図1のシールピン108が第1ボス106についているのに対して、図2では仕切り部材の連通孔105の1つに連通する細孔107に取り付いている点で異なる。
図2の仕切り部材102では中央部に凹部126が形成され、それに連通するようにガス排出口127が半径方向外側に均等間隔で形成されている。したがってハウジング101内部の加圧媒質、または燃焼ガスは凹部126からガス排出口127へと均等に外部に排出される。またガス排出口127の形成部の間には、ハウジング101内部の第1空間103と第2空間104を連通する連通孔105が形成されている。この連通孔105の内の1つには、ハウジング101内部に加圧媒質を充填する細孔107が形成され、シールピン108で閉塞されている。これにより、第1空間、および第2空間ぞれぞれに加圧媒質を充填しなくても、この細孔107から充填するだけで、連通孔105を通じて両空間に加圧媒質が充填されるため、インフレータの組み立て(加圧媒質充填)が容易になる。図2では、ガス排出口127および連通孔105は各4つずつであるが、ガス排出口127を形成する上で問題にならなければ数や径は問わない。ただし、両室103、104をガスが瞬時に移動できる程度に大きい開口面積であることが好ましい。
また図3は仕切り部材102のさらに別の実施例(第1燃焼室側から見たときの断面図)を表す。図3では、仕切り部材102の向かって右半分にガス排出口127が形成され、左側には1つの連通孔105が形成されたものである。特に本発明のインフレータを車両の助手席側のエアバッグ装置に組み合わせるときに、インフレータ自体の取り付けは、助手席のダッシュボードに組み込まれるため、横に長く配置する方が好ましい。その際にインフレータの周壁部は乗員側(エアバッグが存在する側)に向く部分と、その反対を向く部分が存在することになる。乗員側(エアバッグ側)に向く部分にガス排出口127を設けることでバッグへのガスの流入が円滑に行われる。なお図3の実施例においても、ガス排出口127の数や配置角度は問わない。また連通孔105の数や形も問わないが、両空間103、104間のガスの移動を妨げるものではく、加圧媒質が瞬時に両空間を移動できるような広い開口面積を有する。
また本発明のハイブリッドインフレータは図1に限らず、例えばインフレータハウジング101の周壁部にガス排出口(主破裂板にて閉塞)を形成したり、図1の仕切り部材102を使用せず、ハウジング101の一端側に2つの燃焼室を設け、反対端部にガス排出口(主破裂板で閉塞)を設ける構造でもよい。
本発明のエアバッグシステムは、衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、モジュールケース内にハイブリッドインフレータ100とエアバッグが収容されたモジュールとを備えたものである。ハイブリッドインフレータ100は、第1点火器133と第2点火器123側において作動信号出力手段(衝撃センサ及びコントロールユニット)に接続し、エアバッグを取り付けたモジュールケース内に、固定手段を用いて接続固定する。そして、かかる構成のエアバッグシステムにおいて、作動信号出力手段における作動信号出力条件を適宜設定することにより、衝撃の程度に応じてガス発生量を調整し、エアバッグの膨張速度を調整することができる。
次に、図1、図2を参照しながら、ハイブリッドインフレータ100の動作を説明する。
インフレータハウジング101内に高圧充填された加圧媒質は、ハイブリッドインフレータ100の作動前において、それぞれ第1開口115、及び遮蔽されていない第2開口121bで連通された第1燃焼室112及び第2燃焼室120に流入し、それらを高圧でかつ等圧に保持している。
車両の衝突時、作動信号出力手段により、第1点火器133が作動点火し、第1破裂板117を破って第1燃焼室112内に存在する第1ガス発生剤111を着火させる。
このとき、第1燃焼室120内は加圧媒質が流入して高圧に保持されているので、第1ガス発生剤111の燃焼は安定している。なお、ハウジング101内部は複数の連通孔105が形成された仕切り部材102が存在するため、第1ガス発生剤111の燃焼により、第2ガス発生剤119が着火燃焼することはない。
その後、この高温燃焼ガスが第1開口115から流入してインフレータハウジング101内の圧力を高めるため、それにより主破裂板128が破裂し、開口部131を経てガス排出口127へと至る。このようにして加圧媒質、並びに第1ガス発生剤111から発生した燃焼ガスはガス排出口127を経由してエアバッグモジュールに取り付けられたエアバッグを膨張させる。
第1点火器133の作動と同時に又は僅かに遅れて(約10〜40ミリ秒)、作動信号出力手段により第2点火器123が作動点火し、第2破裂板125を破って第2燃焼室120内の第2ガス発生剤119を着火燃焼させ、所定量(第2ガス発生剤119の充填量に応じた量)の高温燃焼ガスを発生させる。このとき主破裂板128が破裂して僅かな時間しか経過していないため、第2燃焼室120内は加圧媒質が存在して高圧に保持されているので第2ガス発生剤119の燃焼は安定している。
第1点火器133の作動と同時に、又は僅かに遅れて第2点火器123を作動させる際には、第2燃焼室120内の圧力上昇が早く生じ、圧力自体も高くなるため、第2開口部121の一部121aを閉塞するシールテープ132は、第2ガス発生剤119の燃焼による第2燃焼室120内の圧力の上昇に伴い破裂する。
また、式(III)〜(V)を満たしているとき、第1ガス発生剤111と第2ガス発生剤119が同時か、又は僅かに遅れて第2ガス発生剤119が燃焼する場合、インフレータハウジング101からの加圧媒質及び燃焼ガスの流出速度は、図1では仕切り部材102に形成された開口部131のみにより制御され、流出速度の制御は容易である。
第1ガス発生剤111と同時に或いは僅かにおくれて第2ガス発生剤134が燃焼したときに生じる高温燃焼ガスは、このように第2開口部121(121aおよび121b)からインフレータハウジングの第2空間104内に流入するが、連通孔105が存在するために第1空間103にも拡散される。そしてハウジング101内部の圧力を高め、押圧された残部の加圧媒質は、破裂した主破裂板128を経て部凹部126、ガス排出口127から噴射され、更にエアバッグを膨張させる。
このように上記したハイブリッドインフレータ100は、2段階で燃焼ガスを発生させる場合には、第1ガス発生剤111の着火により、車両の衝突時におけるエアバッグ膨張動作の立ち遅れを防止し、かつ初期のエアバッグ展開を緩やかにするとともに、第2ガス発生剤119の燃焼により、インフレータハウジング101内の加圧媒質を完全に排出して、安全上十分な程度にまでエアバッグを瞬時に膨張させることができる。
また、2つの燃焼室を有しているので、第1燃焼室112のみから燃焼ガスを発生させたり、第1及び第2燃焼室112、120から同時に燃焼ガスを発生させたり、第1燃焼室112と第2燃焼室120における燃焼ガス発生開始時間を所望間隔に適宜調整するような実施形態にも対応することができる。
エアバッグの膨張手段として、第1ガス発生剤112のみを燃焼させたとき、自動車両解体時の作業安全性を確保するため、約100ミリ秒後に第2点火器123を作動させて、第2ガス発生剤119を燃焼させる。
このとき、第2開口部121は一部が閉塞121aされて、式(I)の関係を満たしてるため、第2ガス発生剤134が燃焼したとき、第2燃焼室120内が大気圧程度の低圧であっても、燃焼ガスは第2開口部121の開口している部分121bからしか流出されず、(即ち、A2nd-1が第2燃焼室120からのガス流出量を制御している。)第2燃焼室120内に圧力がこもりやすくなる。このため、第2燃焼室120内の圧力は上昇し、この圧力上昇により、第2ガス発生剤119の燃焼速度が向上され、COやNOxの生成が抑制される。
なお、加圧媒質が存在しているとき(即ち、第1ガス発生剤111及び第2ガス発生剤119が同時に燃焼するとき、又は僅かに遅れて第2ガス発生剤119が燃焼するとき)に比べて、第2燃焼室120内は低圧であるため、第2ガス発生剤119の燃焼速度も緩やかであるから、第2燃焼室120内の圧力上昇も緩やかとなるため、第2開口部121の一部121aを塞ぐシールテープ132は破壊されることはない。
従って、第1ガス発生剤111のみを燃焼させるときには、式(II)を満たすことで、図1の仕切り部材102に形成された凹部126の開口127により、加圧媒質と燃焼ガスの流出速度(流出量、流出圧力)が調整され、更に第1ガス発生剤の燃焼速度が調整される。その後、インフレータハウジング内が大気圧程度に減圧した状態(すなわち第1点火器133の作動から100msec以上経過した後)で第2ガス発生剤119が燃焼するときには、式(I)を満たすことによって、第2ガス発生剤119の燃焼速度が制御される。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
図1で示すハイブリッドインフレータを作製した。各要素の詳細は、次のとおりである。
ガス発生剤の組成:ニトログアニジン/硝酸ストロンチウム/カルボキシメチルセルロースNa/酸性白土=34:50:9:7(質量比)
ガス発生剤の量:第1ガス発生剤及び第2ガス発生剤として、上記ガス発生剤を各20g使用(合計40gで発生ガス量1モルに相当;圧力指数0.6)
ガス発生剤の形状:外径5mm、内径1.2mm、長さ5mmの単孔円柱状(貫通孔)
第1ガス発生剤の表面積(S1):13,700mm2
第2ガス発生剤の表面積(S2):13,700mm2
加圧媒質:アルゴン:ヘリウム=96:4(モル比)の混合ガスを2.6モル(100g)
加圧媒質の充填圧力:32,000kPa
1st(第1開口部の総面積):120mm2
2nd-1(遮蔽されずに開口した第2開口部の総面積):17.0mm2
2nd-2(遮蔽された第2開口部の総面積):33.9mm2
ex(仕切り部材凹部の開口部面積):50.2mm2
第2開口部の総面積(A2nd-1+A2nd-2)に占めるA2nd-1の割合(%)=33.4%
ex(50.2mm2)>A2nd-1(17.0mm2) (I)
ex(50.2mm2)<A1st(120mm2) (II)
ex(50.2mm2)<A1st+A2nd-1+A2nd-2(33.9mm2)(III)
1st(120mm2)>Aex(50.2mm2)×〔S1(13700mm2)/(S1(13700mm2)+S2(13700mm2))〕 (IV)
2nd-1(17.0mm2)+A2nd-2(33.9mm2)>Aex(50.2mm2)×〔S213700mm2〕/(S1(13700mm2)+S2(13700mm2))〕 (V)
図1に示すハイブリッドインフレータ100を用い、第1点火器133を作動させ、第1燃焼室112内の第1ガス発生剤111を着火燃焼させた後、100ミリ秒後に第2点火器123を作動させ、第2燃焼室120内の第2ガス発生剤119を着火燃焼させた。このときの第2燃焼室120内の圧力は、約15MPa(計算値)であった。
比較例として、第2開口部121を全くシールテープで被覆しないハイブリッドインフレータ100について、同様の燃焼試験を行った。その結果、このときの第2燃焼室120内の圧力は、約3.5MPaであった。
ハイブリッドインフレータの縦断面図。 仕切り部材の側面図。 仕切り部材の他の実施例の側面図
符号の説明
100 ハイブリッドインフレータ
101 インフレータハウジング
102 仕切り部材
115 第1開口
121a 第2開口(閉塞されている開口)
121b 第2開口(閉塞されていない開口)
126 凹部

Claims (6)

  1. インフレータハウジングと、インフレータハウジング内に収容された第1燃焼室および第2燃焼室と、各燃焼室に接続された第1点火手段および第2点火手段と、ガスを排出するガス排出口を有する、エアバッグ膨張用のハイブリッドインフレータであって、
    インフレータハウジング内の加圧媒質充填空間に加圧媒質が充填され、
    加圧媒質を含むガスをエアバッグ内に噴出するためのガス排出経路を有し、前記ガス排出経路にガスの流出圧力を制御する開口部が設けられており、
    第1燃焼室および第2燃焼室は、複数の連通孔を有する燃焼室ハウジングにより外殻が形成され、その内部にそれぞれ第1ガス発生剤及び第2ガス発生剤が収容されており、複数の連通孔により2つの燃焼室のそれぞれと、インフレータハウジングの加圧媒質充填空間とが連通されており、
    2つの燃焼室の内、遅れてガス発生剤を燃焼させる第2燃焼室が有する複数の連通孔の一部が遮蔽手段で閉塞されており、
    遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1と、前記ガス排出経路に設けられたガスの流出圧力を制御する開口部の総面積Aexとが、次式(I):
    ex>A2nd-1 (I)
    の関係を満たすものである、遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータ。
  2. 第2燃焼室が有する複数の連通孔の内、遮蔽された連通孔の総面積A2nd-2と遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1との合計面積A2ndに対して、遮蔽されずに開口している連通孔の総面積A2nd-1の占める割合が50%以下である、請求項1記載の遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータ。
  3. 第1燃焼室が有する複数の連通孔の総面積A1stと、Aexとが、次式(II):
    ex<A1st (II)
    の関係を満たす、請求項1又は2記載の遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータ。
  4. 1st、A2nd-1、A2nd-2及びAexが、下記式(III)〜(V)で示される関係を満たしている請求項1〜3のいずれかに記載の遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータ。
    ex<A1st+A2nd-1+A2nd-2 (III)
    1st>Aex×〔S1/(S1+S2)〕 (IV)
    2nd-1+A2nd-2>Aex×〔S2/(S1+S2)〕 (V)
    (式中、S1は先に燃焼する第1ガス発生剤の全表面積、S2は遅れて燃焼する第2ガス発生剤の全表面積を示す。)
  5. 前記ガス排出経路のガスの流出圧力を制御する開口部が、インフレータハウジング中央部に設けられた仕切り部材に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の遅れて燃焼するガス発生剤の燃焼性が改善されたハイブリッドインフレータ。
  6. 衝撃センサ及びコントロールユニットからなる作動信号出力手段と、ケース内に請求項1〜5のいずれかに記載のハイブリッドインフレータとエアバッグが収容されたモジュールケースとを備えたエアバッグシステム。
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