JP4757543B2 - 難燃性不織布およびそれを用いた難燃性マットレス - Google Patents

難燃性不織布およびそれを用いた難燃性マットレス Download PDF

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Description

本発明は、高度な難燃性の必要なベッド、マットレス等の寝具や椅子、ソファー等の家具等に用いられる繊維製品に好適に使用が可能である高度な炎遮蔽性能を有した不織布、更にはそれを用いた布張り家具製品、マットレスに関する。
近年、衣食住の安全性確保の要求が強まり、難燃素材の必要性が高まってきている。そのような中で、寝具や家具等に使用される素材への難燃性付与が強く要望されている。
家具や寝具では使用時の快適さのために、綿やウレタンフォームなどの易燃性素材が用いられるため、防炎には、その易燃性素材への着炎を長時間に渉り防止することが重要である。また、その防炎素材は家具や寝具の快適さや意匠性を損なわないものでなければならない。
過去様々な難燃繊維や防災薬剤が検討されてきたが、この高度な難燃性と家具、寝具用素材の要件を充分に兼ね備えたものは未だ現れていない。
例えば、綿布等の織布に防災薬剤を塗布する、いわゆる後加工防災という手法があるが、防災薬剤の付着の均一化による防炎性能のばらつきや、付着による布の硬化による触感や快適さの低下などの問題があった。
また、汎用的な素材であるポリエステルをメイン素材として用いた場合には、ポリエステルは炭化成分となりえないため、強制燃焼させた場合には溶融、燃焼により穴が空き、構造を維持することが出来ず、前述の寝具や家具に用いられる木綿やウレタンフォームへの着炎を防ぐ耐火性能は全く不充分であった。
また、耐熱繊維からの布は、難燃性は優れているが極めて高価であり、さら開繊時の加工性の問題や、吸湿性や触感の悪さ、そして染色性の悪さから意匠性の高い色柄を得るのが難しいという問題もある。
これらの家具、寝具用素材の欠点を改良し、一般的な特性として要求される、優れた風合、吸湿性、触感を有し、かつ、安定した難燃性を有する素材として、難燃剤を大量に添加した高度に難燃化した含ハロゲン繊維と、難燃化していない他の繊維とを組み合わせた難燃繊維複合体によるインテリア繊維製品(特許文献1)や寝具用繊維製品(特許文献2)が提案されているが、技術的に改善の余地がある。また、本質的に難燃性である繊維と含ハロゲン繊維から嵩高さを有する難燃性不織布(特許文献3)やハロゲン含有ポリアクリロニトリル繊維と燃焼時にそれをサポートする繊維からなる難燃性不織布(特許文献4)、難燃性レーヨン繊維や難燃性アクリル繊維や難燃性メラミン繊維からなる難燃性不織布(特許文献5)が提案されているが、これらの方法では高度に難燃化したハロゲン繊維は燃焼により繊維形態を維持できず燃焼時の炭化膜強度が不充分となり、マットレス、とりわけピロートップ型マットレスにおいてはマットレスの自重にボーダー部分の炭化膜が破壊され燃焼を食い止めることが困難であった。また、燃焼時に繊維形態を維持するために用いられる有機耐熱繊維や本質的に難燃性である繊維は一般的に高価でありコスト的に不利であるという問題点があった。
特開平05−106132号公報 特開平05−093330号公報 WO03/023108 US2004/0062912A1 US2004/0097156A1
本発明は、従来の難燃性不織布では解決が困難であった課題、すなわち、加工性や風合い、触感が良好で意匠性のあるマットレスや布張り家具製品に好適に用いられる燃焼時に強固な炭化膜強度を有する炎遮蔽性不織布、およびそれを用いた火災の際に極めて高い防炎性能を有するマットレスや布張り家具製品を得るためになされたものである。
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、不織布を構成する繊維が、1)難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜30重量%、セルロース系繊維(C)0〜50重量%を含有し、かつ、前記(A)、(B)、(C)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布、および、2)珪酸含有セルロース系繊維(D)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜29重量%、セルロース系繊維(C)1〜50重量%を含有し、前記(B)(C)(D)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布とすることで、加工性や風合い、触感が良好で意匠性を損なうことなく、燃焼時に極めて高い炭化膜強度を発現でき、その結果、高度な難燃性を要求される家具、寝具等に用いられる繊維製品を得ることが可能な炎遮蔽不織布が得られることを見出した。また、耐熱繊維を高率混で使用するときの問題であった、加工性や価格の問題も改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜30重量%、セルロース系繊維(C)0〜50重量%を含有し、かつ、前記(A)、(B)、(C)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布(請求項1)および、珪酸含有セルロース系繊維(D)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜29重量%、セルロース系繊維(C)1〜50重量%を含有し、前記(B)、(C)、(D)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布。(請求項3)であり、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)がリン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸エステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素―ホルムアルデヒド化合物、リン酸塩―尿素化合物、硫酸アンモニウムの群から選ばれる難燃剤を、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれたセルロース系繊維に対して6〜25重量%添付した繊維である請求項1記載の炎遮蔽性不織布(請求項2)、珪酸含有セルロース系繊維(D)が珪酸、または珪酸アルミニウムから選ばれる難燃剤を20〜50重量%含有するレーヨン繊維である請求項3記載の炎遮蔽性不織布(請求項4)であることが好ましい。
前記ポリエステル系繊維が(B)が、融点が200℃を超えるポリエステル繊維、低融点バインダー繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項1〜4いずれかに記載の炎遮蔽性不織布(請求項5)であり、ポリエステル系繊維(B)の低融点バインダー繊維が低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、通常のポリエステルと低融点ポリオレフィンの複合よりなる繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項5記載の炎遮蔽性不織布(請求項6)、セルロース系繊維(C)が木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項1〜6いずれかに記載の炎遮蔽性不織布(請求項7)であることが好ましい。
前記繊維(A)〜(D)に加え、耐熱繊維(E)を10重量%未満の割合で含有する請求項1〜7のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布(請求項8)であり、耐熱繊維(E)がガラス繊維、芳香族ポリアミド、メラミン、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、フェノール系繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる繊維である請求項8に記載の炎遮蔽性不織布(請求項10)であることが好ましい。
また、低融点バインダー繊維を熱融着したことを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布(請求項11)、不織布の目付けが230g/m2以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか、または、請求項5〜10のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布(請求項12)。不織布の目付けが200g/m2以上であることを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布に関する。
さらに、請求項1〜12のいずれかに記載の不織布を炎遮蔽性不織布に用いた難燃性布張り家具製品(請求項13)がマットレスである(請求項14)ことが好ましい。
また請求項1〜12のいずれかに記載の不織布で内部構造体を覆ったマットレスであり、外部からの炎が侵入しないことを特徴とする請求項13記載の難燃性マットレス(請求項15)において前記不織布がボーダー部分に使用されたマットレスであり、燃焼時に炭化膜がマットレスの自重により崩壊しないことを特徴とする請求項13記載の難燃性マットレス(請求項16)、マットレスがピロートップ型であり、ピロートップがマットレスの上下に組み込まれた請求項16記載の難燃性マットレス(請求項17)、ピロートップ部分の厚みが5cm以上である請求項17記載の難燃性マットレス(請求項18)、米国カリフォルニア州TB603燃焼試験において内部構造体へ延焼しないマットレスであり、かつ、マットレスの自重により炭化膜が崩壊しないことを特徴とする請求項14〜18のいずれかに記載の難燃性マットレス(請求項19)に関する。
本発明の難燃性布張り家具、とりわけ難燃性マットレスは、風合い、触感、視感などの意匠性や、加工性に優れ、長時間の炎にも繊維形態を維持することで高度な難燃性を有することを可能とするものである。
本発明の不織布は炎遮蔽性不織布として好適に用いられる。
ここで言う炎遮蔽性不織布とは、不織布が炎に晒された際に不織布が繊維の形態を維持したまま炭化することで炎を遮蔽し、反対側に炎が移るのを防ぐことであり、具体的にはマットレスの表面生地と内部構造体であるウレタンフォームや詰め綿等との間に本発明の炎遮蔽性不織布をはさむことで、火災の際に内部構造物への炎の着火を防ぎ、被害を最小限に食い止めることができるものである。
本発明の炎遮蔽性不織布は、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜30重量%、セルロース系繊維(C)0〜50重量%を含有し、かつ、前記(A)、(B)、(C)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布、および、珪酸含有セルロース系繊維(D)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜29重量%、セルロース系繊維(C)1〜50重量%を含有し、前記(B)、(C)、(D)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布、であることを特徴とする。
本発明に用いる難燃性セルロース系繊維とは、難燃剤を用いて後加工等により難燃化した難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)や、セルロース系繊維に難燃剤として珪酸または/および珪酸アルミニウムを含有した珪酸含有セルロース系繊維(D)が使用される。本発明に用いる難燃性セルロース系繊維は、炎遮蔽性不織布の難燃性向上、強度維持のために使用される成分であり、優れた風合や吸湿性などの快適性を与えるとともに、燃焼時に炭化膜を形成するのに効果がある、強固な炭化膜を形成する際の主成分である。難燃性セルロース系繊維はセルロース系繊維(C)に対して、自身が難燃性であるために燃焼による損失が少なく残存する炭化成分がセルロース系繊維(C)に比べて多くなるために、強固な炭化膜を形成する際に必須となる成分である。
難燃性セルロース系繊維の基質であるセルロース系繊維の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートがあげられ、これらは単独使用しても良く、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
前記難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)に用いられるセルロース系繊維を後加工等により難燃化する際に用いられる難燃剤としてはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェート(レオフォス)、芳香族リン酸エステル、ホスホノカルボン酸アミド誘導体、テトラキス・ヒドロキシメチルホスホニウム誘導体、N−メチロールジメチルホスホノプロピオンアミドなどのリン酸エステル系化合物、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス−β−クロロプロピルホスフェート、クロロアルキルホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル系化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステルなどの縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸アンモニウム・アミド、ポリクロロホスフォネートなどのポリリン酸塩系化合物、ポリリン酸カルバメートなどのポリリン酸エステル系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素―ホルムアルデヒド化合物、含リンアミノプラストなどのリン酸塩―尿素化合物、硫酸アンモニウム、グアニジン系縮合物等があげられ、これらについては単独で使用しても良く、2種以上組み合わせても良い。これら難燃剤はセルロース系繊維に添付するがその添付量としては、炎遮蔽性不織布の難燃性を維持するために、セルロース系繊維に対しては6〜25重量%で、炎遮蔽性不織布全体に対して3重量%以上になるように添付し、また、炎遮蔽性不織布の風合いを損なわないという観点から炎遮蔽性不織布全体に対して35重量%以下になるように添付する。
前記珪酸含有セルロース系繊維(D)は、難燃剤として珪酸または/および珪酸アルミニウムを繊維中に20〜50%含有するセルロース繊維であり、通常、1.7〜8dtex程度の繊度、38〜128mm程度のカット長を有しており、その具体例としては、例えば珪酸を繊維中に約30%含有したサテリ(Sateri)社のヴィジル(Visil)が、また珪酸アルミニウムを繊維中に約33%含有したサテリ(Sateri)社のヴィジルAP(Visil AP)があげられるが、これらに限定されるものではない。
これらの繊維の中では珪酸含有セルロース系繊維が、繊維中に含まれる珪酸成分が燃焼時に形成される炭化膜の強度維持に高い効果があるために、強固な炭化膜が形成できるという観点から特に好ましい。
前記難燃性セルロース系繊維である(A)または(D)の炎遮蔽性不織布における割合は40〜90重量%である。前記難燃性セルロース系繊維(A)の割合が40重量%未満では燃焼時に炭化膜を形成する効果が不充分となり、充分な炭化膜強度が得られず、燃焼時の炎遮蔽性能が不充分となり、例えばマットレスのボーダー部分や、上下面にピロートップ構造を有するタイプのマットレスにおいて、燃焼時に下側のピロートップ部分の炭化膜がマットレスの自重に耐えかねて炭化膜を維持することが出来ずに亀裂が入る、もしくは崩壊して炎が木綿やウレタンフォーム等の内部構造体へ着炎することとなる。また、前記難燃性セルロース系繊維の割合が90重量%を超えるとポリエステル繊維の混用率が限られることで、後述するポリエステルの溶融被覆による炭化膜強度向上効果が得られず炎遮蔽性能が不充分となる。また、難燃性セルロース繊維は一般にカーディング性が悪く、加工性が悪化し生産性が低下するという問題が起こる。また、上記の難燃性セルロース系繊維の炎遮蔽性不織布における割合の範囲において、前記(A)、(D)成分を併用しても良い。
本発明に用いるポリエステル繊維(B)は、本発明の炎遮蔽性不織布に優れた風合、触感、意匠性、製品強力、耐洗濯性、耐久性を与えるための成分であると同時に、ポリエステル繊維(B)自体は可燃性繊維であるが燃焼時に溶融することで、その溶融物が炭化膜を覆うことで出来上がった炭化膜の強度を向上させる効果がある。その理由としては、ポリエステル系繊維は燃焼過程で生じる溶融物が炎遮蔽性不織布中に浸潤し、繊維間の隙間を埋め、構造を強固なものにするためであることが考えられる。またポリエステル系繊維は不織布に加工した際の嵩高性が得やすいこと、開繊機(カード)において珪酸含有セルロース系繊維(D)の強度の問題から繊維が破損することを緩和することができ、さらに、腰が強いのが特徴で、腰が強いために不織布に加工した際の嵩高さが出しやすく、キルティング加工した際の意匠性の点で優れているため、例えばマットレスや椅子などの布張り家具などに加工した際の仕上げの美しさ、嵩高さ、風合いなどを付与できるという特徴がある。
また、不織布をサーマルボンド方式で作成する際には低融点タイプのポリエステル系繊維を低融点バインダー繊維として使用するとよい。ポリエステル系低融点バインダー繊維を用いると、不織布とする際に簡便な熱溶融接着法が採用できる。ポリエステル系低融点バインダー繊維としては、低融点ポリエステル単一型繊維でもよくポリエステル/低融点ポリプロピレン、低融点ポリエチレン、低融点ポリエステルからなる並列型もしくは芯鞘型複合型繊維でも良い。一般的に低融点ポリエステルの融点は概ね110〜200℃、低融点ポリプロピレンの融点は概ね140〜160℃、低融点ポリエチレンの融点は概ね95〜130℃であり、概ね110〜200℃程度で融解接着能力を有するものであれば特に限定はない。低融点バインダー繊維としては、例えば東レ(株)製のサフメット(4.4dtex×51mm、溶融温度110℃)、があげられるがこれに限定されるものではない。さらに、融点が200℃を超えるポリエステル繊維と前記低融点ポリエステルまたは低融点ポリエチレンを組み合わせて用いても差し支えない。
また低融点でないポリエステル系繊維を使用した場合、不織布とする際簡便なニードルパンチ法が採用できる。
前記ポリエステル繊維(B)の割合が10重量%未満では燃焼時にその溶融物が炭化膜を覆うことで出来上がった炭化膜の強度を向上させる効果が不充分となり、充分な炭化膜強度が得られず、燃焼時の炎遮蔽性能が不充分となる。また、前記ポリエステル繊維(B)の割合が30重量%を超えると溶融成分過多となり、炭化膜を形成すること自体が難しくなる。
本発明に用いるセルロース系繊維(C)は、炎遮蔽性不織布の強度維持や優れた風合や吸湿性などの快適性を与えるとともに、燃焼時に炭化膜を形成するのに効果がある成分である。セルロース系繊維(C)の具体例としては、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートがあげられ、これらは単独使用しても良く、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
前記セルロース繊維(C)の炎遮蔽性不織布における割合は50重量%以下である。前記セルロース繊維(C)の割合が50重量%を超えるとセルロース系繊維(C)自身は非難燃性であるために炭化膜は形成されるものの燃焼の促進もすることとなり、良好な炎遮蔽性能を有する炭化膜を形成することが難しくなる。
また、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)や珪酸含有セルロース系繊維(D)は加工性が悪く、前記セルロース繊維(C)には加工性の改善効果がある。難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)ではカーディング時に開繊不良を起こす傾向があり、セルロース系繊維(C)を添加することによりこれらを緩和する効果がある。
また、特に珪酸含有セルロース系繊維(D)は繊維強度が低く、先の開繊不良に加えて、カーディング時のアクションにより珪酸含有セルロース系繊維(D)が破断して短繊維が多くなる。結果、工程が不安定になったり、製品強度が低下するといった問題があるため、セルロース系繊維(C)を添加することによりこれらを緩和する事が好ましい。
また、安価な綿やレーヨン等のセルロース系繊維を用いることで不織布としてのコストを下げる効果も期待できる。
これら、難燃性セルロース系繊維(A)または(D)、ポリエステル繊維(B)、セルロース系繊維(C)の成分の合計が不織布に占める割合は85重量%以上である。これら繊維以外の成分が15%を超えると、炭化膜強度の低下や加工性の問題が起こる原因となる。例えば、消火効果のあるハロゲン含有繊維の成分が15重量%を超えると、不織布の消火性能は向上するが、熱による不織布の分解が促進されることから、充分な炭化膜強度を得ることが難しくなる。また、耐熱性繊維(E)の成分が15重量%を超えると、不織布の加工性が悪化し生産性が低下するという問題が起こる。また、耐熱繊維の中でもメラミン繊維等は生成した炭化膜が冷却される際に収縮し、炭化膜に亀裂を生じさせるという問題が起こる。
本発明の炎遮蔽性不織布においては、炎遮蔽性の観点から目付けは、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)の場合が230g/m2以上、珪酸含有セルロース系系繊維(D)を使用する場合が200g/m2以上である。珪酸含有セルロース系繊維(D)である珪酸含有レーヨン繊維は加熱時の収縮が小さく、比較的低い目付けでも炭化膜の穴あきが発生し難い。また、珪酸含有レーヨン繊維を使用した不織布の炭化膜は炭化後もしなやかさが残っている。しかし、目付けが200g/m2未満では、燃焼時に形成される炭化膜の密度が疎となり、マットレスや椅子等の布張り家具において用いられる木綿やウレタンフォームへの着火を防ぐ性能が不充分となる。一方、難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)の炭化膜強度は非常に高い値を示すが、炭化膜が非常に硬く割れやすい傾向を示すため、目付けが230g/m2未満では充分な炎遮蔽性能を得ることができない。
また、本発明の炎遮蔽性不織布には製品強力、耐洗濯性、耐久性向上のために耐熱繊維(E)を含有させても良い。耐熱繊維とは融点がある場合には融点が350℃以上、融点がない場合には分解温度が300℃以上である繊維を10重量%未満の割合で含有させることができる。耐熱繊維としてはガラス繊維、芳香族ポリアミド、メラミン、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、フェノール系繊維、炭素繊維があげられる。前記芳香族ポリアミド繊維の具体例としては、例えば分解開始温度が450℃以上であるパラ系芳香族ポリアミド繊維(例えばデュポン(DuPont)社製のケブラー(Kevlar)、帝人(株)製のテクノーラ(Technora)、テイジン・トワロン(株)製のトワロン(Twaron)など)、分解温度が約550℃のメタ系芳香族ポリアミド繊維(例えばデュポン社製のノーメックス(Nomex)、帝人(株)製のコーネックス(Conex)、ユニチカ(株)製のアピエイル(Apyeilなど)などが、前記メラミン繊維の具体例としては、分解開始温度が約370℃のメラミン繊維(例えば例えばバソフィルファイバーズ(Basofil Fibers)社のバソフィル(Basofil)など)などが、前記ポリアミドイミド繊維の具体例としては、分解開始温度が約380℃のポリアミドイミド繊維(例えばローヌ プーラン(Rhone Poulenc)社製のカーメル(Kermel)など)などが、前記ポリベンゾイミダゾール繊維の具体例としては、分解開始温度が約450℃のポリベンゾイミダゾール繊維(例えばセラニーズ(Celanese)社製のPBIなど)などが、前記フェノール系繊維の具体例としては、分解開始温度が約370℃のノボロイド繊維(例えばカイノール社のカイノール(Kynol)など)などがあげられる。
これらの耐熱繊維成分は製品の耐久性向上には効果が高いが、これらの繊維は一般的に着色しており、また触感や風合いに劣るものであるために、炎遮蔽性不織布に占める割合が10重量%以上であると風合いや触感や意匠性に劣る不織布となり好ましくない。
炎遮蔽性不織布の製造方法としては低融点バインダー繊維を用いて熱融着法により製造する方法がより好ましい。理由は明らかではないが、熱融着法により製造された不織布は、炭化膜強度の値に対して比較的良好な炎遮蔽性能を示す。充分な炎遮蔽性を得るための目安としては、熱融着法により製造された不織布で炭化膜強度が200gf、ニードルパンチ法により製造された不織布で炭化膜強度が300gfであり、熱融着法の方が有利といえる。
ここで言う炭化膜強度とは縦200mm×横200mm×厚さ10mmのパーライト板の中心に直径15cmの穴をあけたものの上に不織布をセットし、加熱時に不織布が収縮しないよう4辺をクリップで固定した後、この試料を不織布の面を上にして、株式会社パロマ工業製ガスコンロ(PA−10H−2)にバーナー面より40mmの所に試料の中心とバーナーの中心が合うようにセットし、燃料ガスは純度99%以上のプロパンを用い、炎の高さは25mmとして180秒間加熱した後に不織布の炭化膜の中心に直径7cm重さ8gの枠を載せ、その上からフォースゲージで慎重に荷重をかけ、炭化膜が破れるまでの最大荷重を測定することにより求めた値である。
炭化膜強度が低い場合には、例えばマットレスのボーダー部分や、もしくは、上下面にピロートップ構造を有するタイプのマットレスにおいて、燃焼時に下側のピロートップ部分の炭化膜がマットレスの自重に耐えかねて炭化膜を維持することが出来ずに亀裂が入る、もしくは崩壊して炎が木綿やウレタンフォーム等の内部構造体へ着炎することとなり、炎遮蔽性能を示す指標となる。
熱融着法以外の不織布製造方法としては、ケミカルボンド法、ウォータージェット法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法等の不織布作成方法が用いることが可能であり、複数の種類の繊維を混綿した後にカードにより開繊、ウェブ作成を行い、このウェブを不織布製造装置にかけることにより作成される。装置の簡便さからはニードルパンチ方式、ポリエステル系低融点バインダー繊維を用いれば熱溶融接着方式による製造が一般的で生産性が高いため好ましいがこれらに限定されるものではない。
これらの製造方法のうち、ウォータージェット法、ニードルパンチ法のような繊維を交絡させる方法により製造した炎遮蔽性不織布は、熱溶融接着法、ケミカルボンド法のように繊維を接着する方法に比べ、燃焼時に繊維が収縮をおこす際に繊維同士の絡みにより不織布の形態が維持しやすいために、燃焼時の形態保持性に優れた不織布となる。
一方、熱溶融接着法、ケミカルボンド法のような繊維を接着する方法を用いると不織布の厚みが厚い、いわゆるハイロフトと呼ばれる不織布を製造し易い。ハイロフト不織布は、燃焼時の形態保持性は繊維を交絡させた不織布には劣るが、嵩高さが得られるためマットレスや椅子等の布張り家具においてキルティング加工を施した場合などの意匠性を高める事ができる。
すなわち、前記炎遮蔽性不織布はマットレスや椅子などの布張り家具の風合いや触感といった快適性を損なうことなく、長時間の炎にも耐え得る防炎性を兼ね備えたマットレスや椅子などの布張り家具を得ることを可能とするものである。
本発明の炎遮蔽性不織布には、必要に応じて帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止剤などを含有せしめてもよい。
このようにして得られる本発明の炎遮蔽性不織布は、所望の難燃性を有し、風合い、触感、吸湿性、意匠性などに優れた特性を有する。
本発明の炎遮蔽性不織布を用いてマットレスを製造すると、本発明の炎遮蔽性不織布が有する優れた特性、すなわち優れた防炎性を有し、風合い、触感、吸湿性、意匠性などの優れた特性を有するマットレスが得られる。
マットレスとしては、例えば、金属製のコイルが内部に用いられたポケットコイルマットレス、ボックスコイルマットレス、あるいはスチレンやウレタン樹脂などを発泡させたインシュレーターが内部に使用されたマットレス等がある。
本発明に使用される炎遮蔽性不織布による防炎性が発揮されることにより、前記マットレス内部の構造体への延焼が防止出来るため、何れの構造のマットレスおいても、難燃性と同時に優れた風合いや触感に優れたマットレスを得ることができる。
一方、椅子としては、屋内にて使用される、ストゥール、ベンチ、サイドチェア、アームチェア、ラウンジチェア・ソファー、シートユニット(セクショナルチェア、セパレートチェア)、ロッキングチェア、フォールディングチェア、スタッキングチェア、スィーブルチェア、あるいは屋外で車両用座席等に使用される、自動車シート、船舶用座席、航空機用座席、列車用座席などが挙げられるが、これらにおいても通常の家具として要求される外観や触感と同時に内部の延焼を防止する機能を有する布張り製品を得ることができる。
また、テンピュール(登録商標)素材(テンピュールワールド社製、Tempur World,Inc.)に代表される圧力分散機能を有する低反発ウレタンフォームを使用したマットレスにおいて、とりわけ他の構造体と組み合わせずに低反発ウレタン単独で構成されるマットレスにおいては、通常のスチレンやウレタン樹脂を発泡させたフォーム材料を用いたマットレス比べて極めて易燃性であるが、本発明に使用される炎遮蔽性不織布による防炎性が発揮されることにより、マットレスの内部構造体である低反発ウレタンフォームへの延焼が防止出来る。
マットレスに対する本発明の炎遮蔽性不織布の用い方としては、表面の布地と内部構造物、例えばウレタンフォームや詰め綿の間に炎遮蔽性不織布を挟み込む。表面生地と内部構造物の間に難燃性ニット生地を挟む場合には、表面生地を2枚重ねる要領で挟み込んでも良いし、内部構造物を本発明の炎遮蔽性不織布で覆っても良い。表面生地と内部構造物の間に炎遮蔽性不織布として挟む場合には、内部構造物全体に、少なくとも表面の布地と接する部分については必ず内部構造物の外側に本発明の炎遮蔽性不織布をかぶせ、その上から表面の布地を張ることになる。
また、ソフトなフィット感を実現し、さらに、ポケットコイルやボックスコイルへの荷重の直撃を避けることで、より高いマットレスの耐久性を実現できる、通常のマットレス表面の生地上に、さらに、クッション(ピロートップ)を乗せたピロートップ型マットレスがあり、ピロートップは通常のマットレスの上部、もしくは上下部に装着される。
マットレスのボーダー部分や、上下面にピロートップ構造を有するタイプのマットレスにおいては、燃焼時にボーダー部分や下側のピロートップ部分の炭化膜がマットレスの自重に耐えかねて炭化膜を維持することが出来ずに亀裂が入る、もしくは崩壊して炎が木綿やウレタンフォーム等の内部構造体へ着炎することとなるが、本発明の炭化膜強度が200gf以上の炎遮蔽性不織布を使用すると、燃焼時にボーダー部分や下側のピロートップ部分の炭化膜が米国カリフォルニア州TB603燃焼試験においてもマットレスの自重に耐えることができ、延焼を食い止めることができる。
本発明の難燃繊維複合体を用いて布張り家具を製造すると、本発明の難燃繊維複合体が有する優れた特性、すなわち高度に優れた難燃性を有し、風合い、触感、吸湿性、意匠性などにも優れた特性を有する布張り家具製品が得られる。
以下、実施をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
(難燃性評価試験用不織布の作成)
所定の割合で混合した繊維をカードにより開繊した後、通常の熱融着方式または、通常のニードルパンチ方式により所定の目付の不織布を作成した。作成した不織布は実際の目付を測定し、正確な値を使用した。
(炭化膜強度測定方法)
縦200mm×横200mm×厚さ10mmのパーライト板の中心に直径15cmの穴をあけたものを準備し、その上に難燃性評価試験用不織布をセットし、加熱時に難燃性評価試験用不織布が収縮しないよう4辺をクリップで固定した。この試料を難燃性評価試験用不織布の面を上にして、株式会社パロマ工業製ガスコンロ(PA−10H−2)にバーナー面より40mmの所に試料の中心とバーナーの中心が合うようにセットした。燃料ガスは純度99%以上のプロパンを用い、炎の高さは25mmとし、着炎時間は180秒とした。
その後、難燃性評価試験用不織布の炭化膜の中心に直径7cm重さ8gの枠を載せ、その上からフォースゲージで慎重に荷重をかけ、炭化膜が破れるまでの最大荷重を測定し、最大荷重の値を炭化膜強度とした。
(難燃性評価用簡易マットレスの作成)
難燃性マットレスの難燃性は簡易マットレスを作成して評価を実施した。マットレスの内部構造体にウレタンフォームを用い、以下の方法で試料を作成した。簡易マットレスの構造を図1に示す。所定の割合で混合した繊維をカードにより開繊した後、熱融着方式または、ニードルパンチ方式により作成した不織布(1)(燃焼試験用不織布)を内層に、外層の表面生地(2)としてポリエステル製織布(目付け120g/cm2)を重ねた2層構造物をポリエステル糸(3)、(4)を用いキルティングした。この2層構造物3枚をヘム(5)、(6)の間隔が9cmとなるようにカタン糸で縫製し、コの字構造の炎遮蔽物を作成した。炎遮蔽物は45cmの長さに切断し、ウレタンフォーム(7)に巻きつけ、難燃性評価用簡易マットレスを作成した。ウレタンフォームは、縦30cm×横45cm×厚さ7.5cm、密度22kg/m3のポリウレタンフォーム(東洋ゴム工業(株)製タイプ360S)を使用した。
(炎遮蔽性能評価方法)
実施例における炎遮蔽性不織布の炎遮蔽性能は難燃性評価用簡易マットレスの作成の手順において作成した簡易マットレスを使用し、米国カリフォルニア州のベッドの燃焼試験方法Technical Bulletin 603(以下TB603)に基づいて実施した。米国カリフォルニア州のTB603燃焼試験方法を簡単に説明すると、ベッドの側面から42mmの所に垂直にT字型のバーナーを、ベッドの上面から39mmの所に水平にT字型のバーナーをセットし、燃焼ガスはプロパンガスを使用し、ガス圧力は101KPaで上面はガス流量12.9L/分、側面は6.6L/分で、着炎時間は上面は70秒間、側面は50秒間着炎し、観察時間はトータルで30分間である。最大熱放出量が200Kw未満であり、かつ初めの10分間の積算熱放出量が25MJ未満であれば合格である。
本発明における炎遮蔽性能評価方法については、内部構造体への延焼を防止すると共に、マットレスの自重により炭化膜の崩壊を防止する観点から、側面用のバーナーのみを使用し試料の難燃性を評価した後、生成した炭化物に荷重をかけて炎遮蔽性不織布に貫通する穴や割れが発生するかどうかで評価を行った。評価項目は、残炎時間、燃焼後の炭化状態、炭化部分に荷重をかけた時の変化とした。燃焼後の炭化状態は燃焼部分を観察し穴開きや割れが無いか、また炭化状態の様子を調べた。荷重による変化は、着炎部分の上部に縦3.5cm横7cmの枠を置き、フォースゲージを用いて1kgfの荷重をかけたときの変化を観察した。燃焼試験時にウレタンに延焼したり、荷重をかけたときに炭化膜が割れた水準を×、荷重をかけた後、炎遮蔽物をウレタンから取り外して観察し、炭化部分の一部、もしくは全部が脆くなっているものは△、炭化部分が荷重に充分耐えられると判断されるものは○と判断した。
難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)の製造例1
レーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)繊維に、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム((株)鈴裕化学製、FCP−730)をレーヨン繊維に対して20重量%の割合で添付した。
(実施例1)
難燃性レーヨン繊維(A)の製造例1で作成した難燃性レーヨン繊維(A)90重量%と熱融着ポリエステル繊維(B)である東レ社製のサフメット(繊度4.4dtex、カット長51mm、融点110℃)10重量%とを均一に混合し、カードにより開繊してウェブを作成した後、熱融着方式により目付け231g/m2の不織布を作成した。
作成した不織布を用いて炭化膜強度を測定した。また、簡易マットレスを作成し、炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表1に示す。
(実施例2〜6)
表1の構成及び目付で実施例1と同様の方法で不織布を作成し、炭化膜強度と炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表2に示す。尚、セルロース系繊維(C)としては、レーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)を使用した。
Figure 0004757543
比較例1
難燃性レーヨン繊維(A)の製造例1で作成した難燃性レーヨン繊維(A)100重量%を、カードにより開繊してウェブを作成した後、ニードルパンチ方式により目付け230g/m2の不織布を作成した。
作成した不織布を用いて炭化膜強度を測定した。また、簡易マットレスを作成し、炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表1に示す。
比較例2
難燃性レーヨン繊維(A)の製造例1で作成した難燃性レーヨン繊維(A)60重量%と熱融着ポリエステル繊維(B)である東レ社製のサフメット(繊度4.4dtex、カット長51mm、融点110℃)40重量%とを均一に混合し、カードにより開繊してウェブを作成した後、熱融着方式により目付け228g/m2の不織布を作成した。
作成した不織布を用いて炭化膜強度を測定した。また、簡易マットレスを作成し、炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表2に示す。
比較例3〜7
表1の構成及び目付で熱融着方式もしくはニードルパンチ方式により実施例3と同様に不織布を作成し、炭化膜強度と炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表2に示す。尚、セルロース系繊維(C)としては、レーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)、メラミン繊維としては、バソフィルファイバーズ(Basofil Fibers)社製のバソフィル(Basofil)(繊度1〜3.5dtex程度の分布を有する、カット長20〜200mmの分布を有する)を使用した。

表1に示すように、実施例1〜6の構成の不織布について230g/m2の目付けにおいて、炭化膜強度が300gf以上を示すと共に、炎遮蔽性能評価についても良好な結果が得られている。一方、比較例2、4〜7に示す構成の不織布は炭化膜強度測定時のバーナー着炎において穴あきが発生し、炎遮蔽性能がなかった。また、比較例1、3に示す構成の不織布については炎遮蔽性能があるものの、炭化膜が荷重には耐えられなかったことから炎遮蔽性能が充分とは言えない。
不織布の加工性については、難燃性レーヨン繊維100%のもの、及び、メラミン繊維の混率が20重量%以上のものについて、カーディング時に若干問題があったが、それ以外のものについては問題がなかった。
(実施例7)
珪酸含有セルロース系繊維(D)であるサテリ(Sateri)社製のヴィジル(Visil)(繊度3.5dtex、カット長50mm)40重量%と熱融着ポリエステル繊維(B)である東レ社製のサフメット(繊度4.4dtex、カット長51mm、融点110℃)20重量%とセルロース系繊維(C)であるレーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)40重量%とを均一に混合し、カードにより開繊してウェブを作成した後、熱融着方式により目付け203g/m2の不織布を作成した。
作成した不織布を用いて、炭化膜強度と炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表1に示す。
(実施例8〜10)
表2の構成及び目付で熱融着方式もしくはニードルパンチ方式により実施例7と同様に不織布を作成し、炭化膜強度と炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表2に示す。尚、モダクリル繊維としては、カネカ社製のPBX(繊度7.8dtex、カット長64mm)、メラミン繊維としては、バソフィルファイバーズ(Basofil Fibers)社製のバソフィル(Basofil)(繊度1〜3.5dtex程度の分布を有する、カット長20〜200mmの分布を有する)を使用した。
Figure 0004757543
(比較例8)
珪酸含有セルロース系繊維(D)であるサテリ(Sateri)社製のヴィジル(Visil)(繊度3.5dtex、カット長50mm)100重量%を均一に混合し、カードにより開繊してウェブを作成した後、ニードルパンチ方式により目付け204g/m2の不織布を作成した。
作成した不織布を用いて炭化膜強度を測定した。また、簡易マットレスを作成し、炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表2に示す。
(比較例9〜15)
表2の構成及び目付で熱融着方式もしくはニードルパンチ方式により実施例7と同様に不織布を作成し、炭化膜強度と炎遮蔽性能の評価を行った。これら結果を表1に示す。尚、セルロース系繊維(C)としては、レーヨン(繊度1.5dtex、カット長38mm)、モダクリル繊維としては、カネカ社製のPBX(繊度7.8dtex、カット長64mm)、メラミン繊維としては、バソフィルファイバーズ(Basofil Fibers)社製のバソフィル(Basofil)(繊度1〜3.5dtex程度の分布を有する、カット長20〜200mmの分布を有する)を使用した。
表2に示すように、実施例7〜10の構成の不織布について200g/m2の目付けにおいて、炭化膜強度が200gf以上を示すと共に、炎遮蔽性能評価についても良好な結果が得られている。一方、比較例9、11、13に示す構成の不織布は炭化膜強度測定時のバーナー着炎において穴あきが発生し、炎遮蔽性能がなかった。また、比較例10、12、14〜15に示す構成の不織布については炎遮蔽性能があるものの、炭化膜が荷重には耐えられなかったことから炎遮蔽性能が充分とは言えない。
不織布の加工性については、珪酸含有レーヨン繊維100%のもの、及び、メラミン繊維の混率が20重量%以上のものについて、カーディング時に若干問題があったが、それ以外のものについては問題がなかった。
難燃性評価用簡易マットレスの構造

Claims (20)

  1. 難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜30重量%、セルロース系繊維(C)0〜50重量%を含有し、かつ、前記(A)、(B)、(C)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布。
  2. 難燃剤を添付したセルロース系繊維(A)がリン酸エステル系化合物、含ハロゲンリン酸エステル系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、ポリリン酸塩系化合物、赤リン、アミン化合物、ホウ酸、ハロゲン化合物、臭化物、尿素−ホルムアルデヒド化合物、リン酸塩−尿素化合物、硫酸アンモニウムの群から選ばれる難燃剤を、木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれたセルロース系繊維に対して6〜25重量%添付した繊維である請求項1記載の炎遮蔽性不織布。
  3. 珪酸含有セルロース系繊維(D)40〜90重量%、ポリエステル繊維(B)10〜29重量%、セルロース系繊維(C)1〜50重量%を含有し、前記(B)、(C)、(D)の各繊維の合計が85重量%以上となる炎遮蔽性不織布。
  4. 珪酸含有セルロース系繊維(D)が珪酸、または珪酸アルミニウムから選ばれる難燃剤を20〜50重量%含有するレーヨン繊維である請求項3記載の炎遮蔽性不織布。
  5. ポリエステル系繊維が(B)が、融点が200℃を超えるポリエステル繊維、低融点バインダー繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項1〜4いずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  6. ポリエステル系繊維(B)の低融点バインダー繊維が低融点ポリエステル単一成分よりなる繊維、融点が200℃を超えるポリエステルと低融点ポリエステルの複合よりなる繊維、融点が200℃を超えるポリエステルと低融点ポリオレフィンの複合よりなる繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項5記載の炎遮蔽性不織布。
  7. 低融点バインダー繊維の融点が概ね110〜200℃である請求項5又は6記載の炎遮蔽性不織布。
  8. セルロース系繊維(C)が木綿、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートおよびトリアセテートよりなる群から選ばれた少なくとも1つの繊維である請求項1〜いずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  9. 耐熱繊維(E)を10重量%未満の割合で含有する請求項1〜のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  10. 耐熱繊維(E)がガラス繊維、芳香族ポリアミド、メラミン、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、フェノール系繊維、炭素繊維からなる群から選ばれる繊維である請求項に記載の炎遮蔽性不織布。
  11. 低融点バインダー繊維を熱融着したことを特徴とする、請求項5〜10のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  12. 不織布の目付けが230g/m2以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか、または、請求項5〜11のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  13. 不織布の目付けが200g/m2以上であることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の炎遮蔽性不織布。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の不織布を炎遮蔽性不織布に用いた難燃性布張り家具製品。
  15. 難燃性布張り家具製品がマットレスである請求項14に記載の難燃性布張り家具製品。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の不織布で内部構造体を覆ったマットレスであり、外部からの炎が侵入しないことを特徴とする請求項14記載の難燃性マットレス。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の不織布がボーダー部分に使用されたマットレスであり、燃焼時に炭化膜がマットレスの自重により崩壊しないことを特徴とする請求項14記載の難燃性マットレス。
  18. マットレスがピロートップ型であり、ピロートップがマットレスの上下に組み込まれた請求項17記載の難燃性マットレス。
  19. ピロートップ部分の厚みが5cm以上である請求項18記載の難燃性マットレス。
  20. 米国カリフォルニア州TB603燃焼試験において内部構造体へ延焼しないマットレスであり、かつ、マットレスの自重により炭化膜が崩壊しないことを特徴とする請求項1519のいずれかに記載の難燃性マットレス。
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