JP2008266860A - 不燃性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、強伸度の低下や柔軟性の劣化等が生じずとも、不燃特性を有する不織布を提供する。
【解決手段】吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布であり、ホウ素化合物が不織布に対して固形分として4〜20質量%付着している不燃性不織布。また、前記の不燃性不織布が、吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布をホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液に浸漬後、乾燥させることにより得られたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、不燃性不織布に関するものである。
繊維業界において、燃焼特性に関しては、難燃性という技術概念により評価し、このような難燃性という評価法での合格というレベルよりも格段に更に高いレベルでの燃焼特性、すなわち「燃焼しない」という特性を持つ不織布に関する。
従来から繊維製品を燃えにくくするために特許文献1に記載のようにリン有機化合物を共重合したポリエステル繊維を用いること等が知られている。ここで得られる繊維製品は、着火性(着火するまでの時間)により難燃性を評価するものであり、着火するまでに時間が長い程、難燃性が高いというものであるが、そもそも燃えないというレベルのものではない。
一方、難燃特性ではなく不燃特性を実現するもの(薬剤)として、特定のホウ素化合物の水溶液や、特定のホウ素化合物の水溶液を含浸させた繊維構造体が提案されている(特許文献2、3)。
特開平8−266754号 特開2005−112700号 特開2006−299466号
本発明者は、特許文献2記載の薬剤を不織布に適用して、不燃性不織布を得ようとした。ところが、特定の素材からなる不織布に適用しようとすると、大量の薬剤を付着させなければ不燃性といい難いことがわかった。また、大量の薬剤が付着することにより、不織布本来が有する強伸度の低下し、柔軟性や表面形態が著しく損なわれた。
そこで、本発明は、強伸度の低下や柔軟性の劣化等が生じずとも、不燃特性を有する不織布を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決できないかを検討したところ、吸水性を有する繊維は薬剤の付着量が少量であっても不燃性を示し、かつ吸水性を有しない繊維と併用することによって、不燃特性を有する不織布が得られるとともに、実用程度の強伸度を保持できかつ不織布が有する柔軟性や表面形態を維持することができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布であり、ホウ素化合物が不織布に対して固形分として4〜20質量%付着していることを特徴とする不燃性不織布を要旨とするものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の不織布は、吸水性を有する吸水性繊維と吸水性に乏しい非吸水性繊維とにより構成されている。本発明に用いる吸水性繊維とは、公定水分率が8%以上の繊維をいい、例えば、天然繊維として、コットン、麻、絹等が挙げられる。また、再生繊維として、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸されたレーヨンであるリヨセル等が挙げられる。本発明においては、中でもセルロース系の繊維であるコットン、レーヨン、リヨセルの少なくともいずれか1種を用いることが好ましい。一方、本発明に用いる非吸水性繊維とは、公定水分率が8%未満の繊維といい、主としてポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等が挙げられるが、中でもポリエステル系繊維を好ましく用いることができる。上記した非吸水性繊維の中でも、ポリエステル系繊維は着火しにくいという性質を有し、また、機械的強度にも優れるからである。
本発明における不織布は、上記吸水性繊維と非吸水性繊維とにより構成されるが、その混合比率(質量比)は、30〜80:70〜20(吸水性繊維:非吸水性繊維)であることが好ましい。不織布の強伸度や柔軟性および表面外観等を損なわずに不燃特性とするためには、ホウ素化合物の付着量を制限する必要があり、本発明の不織布において吸水性繊維の混合比率が30質量%以上とすることにより、ホウ素化合物の付着量を本発明で特定するような少量であっても優れた不燃特性を付与することができる。一方、非吸水性繊維の混合比率を20質量%以上とすることにより、実用的な強伸度を有し、柔軟性および表面外観を損なうことなく不燃特性を有する不織布を得ることができる。
本発明では、吸水性繊維と非吸水性繊維とを併用することにより、不燃性の薬剤の付着量を多くしなくとも、不燃特性を有しながら、実用的な強伸度を保持し、柔軟性や表面外観を維持できる理由は定かではないが、本発明者は以下のように考える。すなわち、吸水性繊維は、繊維が有する吸水性能により、不燃性薬剤である水溶液を吸水し、かつ有効成分を繊維内に保持することが可能と考えられることから、少ない付着量でも不燃特性を有するが、一方、有効成分が付着することにより繊維としての機械的特性に劣化を生ずると考える。一方、非吸水性繊維は、吸水性に乏しいことから、少ない付着量では有効成分を繊維内に保持することが困難となり、不燃特性が発揮されにくいが、付着量が少ないために繊維としては劣化が生じにくいと考える。さらに、その理由は定かではないが、不燃特性を発揮できる不織布における有効成分の付着量は、不織布を構成する繊維のうち不燃特性を発揮できる繊維(本発明における吸水性繊維)の付着量によって決定される。したがって、少ない付着量でも不燃特性を発揮できる吸水性繊維と機械的強度の劣化が生じにくい非吸水性繊維とを併用して不織布とすることにより、不燃性の薬剤の付着量が少なくとも、不燃特性を有し、かつ不織布としての強伸度や柔軟性を有する不燃不織布を得ることができたものである。
本発明における不織布を構成する繊維の形態は、短繊維であっても長繊維であってもよい。また、不織布の形態は、吸水性繊維と非吸水性繊維が混合してなるものであればいずれの形態であってもよく、繊維同士が熱により一部の繊維が溶融して繊維同士を接着しているもの、繊維同士がニードルパンチ法や水流交絡法により三次元的に交絡してなるもの等が挙げられる。
本発明の不燃性不織布は、上記した不織布に対して(対繊維質量比率)、ホウ素化合物が固形分として4〜20質量%付着している。ホウ素化合物の付着量を4質量%以上とすることにより十分な不燃効果を奏する不織布を得ることができ、一方、付着量を20質量%以下とすることにより、実用的な強伸度を有し、かつ柔軟性を有する不織布を得ることができる。なお、さらに柔軟性が優れ、かつ柔らかで肌触り性を保持した表面形態を有する不織布を得るためには、ホウ素化合物の付着量は4〜10質量%であることが好ましい。
本発明の不燃性不織布に付着してなるホウ素化合物とは、不織布にホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液を付与した後、水分を乾燥させることによって不織布に付着させたものである。ホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液とは、いわゆる水ガラスであり、発泡性水ガラスとして知られ、市場にて入手できるトラストライフ社製「ファイアレス B リキッド」(登録商標)を用いればよい。
不織布にホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液を付与した後、水分を乾燥させることによって不織布に付着させたホウ素化合物は、100℃前後に加熱されると激しく発泡して発泡スチロール様のガラス発泡体となるものである。すなわち、ホウ素化合物が付着した不織布は、火炎等にさらされた場合、100℃前後に昇温したときに、ホウ素化合物が激しく発泡し、不織布の表面はガラスでできた泡が多数集結したガラス発泡体で覆われることになり、このガラス発泡体が空気を遮断するため、不織布は酸素が絶たれた状態となり、燃焼することが不可能な状態となって完全な不燃化効果が得られるものである。
本発明の不燃性不織布は、吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布をホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液に浸漬後、乾燥させることにより所定量のホウ素化合物を付着させることにより得られる。所定量のホウ素化合物を付着させるには、ホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液に不織布を浸漬し、不織布に水溶液を含浸させ、次いで一対のローラー間等に通して、所定量の水分を絞る取ることにより、不織布中に付着させるホウ素化合物を調整すればよい。
不織布に水溶液を含浸させ、次いで、所定量の水分を絞り取った後、乾燥工程を通すことにより余分の水分を除去すればよいが、その際の乾燥温度は、180℃以下に設定することが好ましく、より好ましくは150℃以下、さらには110℃以下に設定することが好ましい。乾燥温度を低く設定することにより、得られる不燃性不織布の強力保持率や伸度保持率が高くなり、柔軟性をより保持することができる。
本発明の不燃性不織布は、吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布であり、特定量のホウ素化合物が付着している。本発明においては、吸水性繊維と非吸水性繊維とを併用することにより、不燃性の薬剤の付着量を多くしなくとも、不燃特性を有しながら、実用的な強伸度を保持し、柔軟性や表面外観を維持できる。したがって、従来不織布が使用されていた分野において、良好に用いることが可能である。すなわち、シーツ,ベッドカバー,布団カバー,枕カバー,ふとん側地,ふとん中綿などの寝装具、カーテン,壁紙,カーペット,障子紙,シャワーカーテン,換気フィルターなどの建装具、ソファ,椅子などの家具類の表皮材、自動車・車輌・飛行機・船舶などの座席シートの表皮材、自動車・車輌・飛行機・船舶等の天井材,カーマットなどの内装材、防湿シート,防水シート,断熱材,アコーディオンカーテンなどの建材(建築材料)等に良好に用いることができる。また、不燃性の薬剤の使用量が少量のためコストダウンにもなる。
次に実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)不織布の引張強力(N/5cm幅);JIS L 1906に準じて、東洋ボールドウイン社製テンシロンRTM−500型を用いて、幅50mm、長さ200mmの試験片を、把持間隔100mm、引張速度100mm/分の条件で測定し、試料10点の平均値を求め、引張強力とした。なお、引張強力については、不織布のMD方向(機械方向)について測定した。
(2)不織布の引張伸度(%/5cm幅):JIS L 1906に準じて、東洋ボールドウイン社製テンシロンRTM−500型を用いて、幅50mm、長さ200mmの試験片を、把持間隔100mm、引張速度100mm/分の条件で測定し、試料10点の平均値を求め、引張伸度とした。なお、引張伸度については、不織布のMD方向(機械方向)について測定した。
(3)強力保持率(%):ホウ素化合物を付着後の不燃性不織布の引張強力の値を付着前(未処理)の不織布の引張強力の値で除した値に100を乗じたもの。
(4)伸度保持率:ホウ素化合物を付着後の不燃性不織布の引張伸度の値を付着前(未処理)の不織布の引張伸度の値で除した値に100を乗じたもの。
(5)表面形態:目視によって表面形態を評価した。
(6)柔軟性:手触りによって柔軟性を評価した。
実施例1
コットン晒し綿(平均繊維長25mm)とポリエチレンテレフタレート短繊維(平均繊維長25mm、単糸繊度1.45デシテックス)を用いた。コットン晒し綿とポリエチレンテレフタレート短繊維を質量比で50/50の割合で混綿し、ランダムカード機にて目付50g/m2のカードウエブを作成した。
このカードウエブに水流交絡処理を施した。すなわち、移動する100メッシュの金属製ネット上にカードウェブを載置し、孔径0.6mmの噴射孔が一列に配されたオリフィスヘッドを用い、このウエブの上方50mmの位置より噴射圧70kg/cm2Gの高圧液体流を噴射し、交絡処理を行った。交絡処理後、余剰の水分を公知の水分除去装置であるマングルにより除去し、引き続きサクションバンド方式の乾燥機を用いて90℃で乾燥処理を行い、不織布を得た。得られた不織布を、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液(トラストライフ社製「ファイアレス B リキッド(登録商標)」)と等量の水で希釈した水溶液に浸漬させた後、二本のゴムローラー間に通しながら余分な水溶液を絞り出して(絞り率89%)、ホウ酸ナトリウム重合体を生地に均一に付着後、引き続きサクションバンド方式の乾燥機を用いて110℃×2分で乾燥処理を行った。
ホウ素化合物の有効付着量は、対繊維質量比率にて4質量%(固形分)付着した。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、3秒程度着火したが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は75%であり、伸度保持率は85%であった。
実施例2
実施例1において、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液に浸漬後、絞り率を150%として、不織布に付着させるホウ素化合物の付着量を10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、1〜2秒程着火したが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は67%であり、伸度保持率は73%であった。
実施例3
実施例1において、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液として、トラストライフ社製「ファイアレス B リキッド(登録商標)」を水で希釈せずに用いたこと、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液に浸漬後、絞り率を155%として、不織布に付着させるホウ素化合物の付着量を20質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、一瞬着火したようだったが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は65%であり、伸度保持率は50%であった。
実施例4
コットン晒し綿とポリエチレンテレフタレート短繊維を質量比で30/70の割合で混綿しこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、4秒程度着火したが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は90%であり、伸度保持率は90%であった。
実施例5
コットン晒し綿とポリエチレンテレフタレート短繊維を質量比で80/20の割合で混綿しこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、一瞬着火したようだったが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は55%であり、伸度保持率は85%であった。
実施例6
実施例1において、コットンに代えて、リヨセル(繊維長25mm、単糸繊度1.7デシテックス)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、3秒程度着火したが火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は55%であり、伸度保持率は80%であった。
実施例7
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート繊維に代えて、ポリ乳酸繊維(繊維長25mm、単糸繊度1.7デシテックス ユニチカファイバー社製「テラマック(登録商標)」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、1秒程着火したが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。強力保持率は85%であり、伸度保持率は90%であった。なお、ポリ乳酸は、自然界において微生物により二酸化炭素と水に分解されるものであるので実施例6で得られた不燃性不織布は、使用後、廃棄する際には、焼却することなく、微生物の存在下で、完全に分解させることができるため、自然環境を汚染することがないという効果を奏することができるものであった。
比較例1
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート繊維を混綿することなく、コットン晒し綿のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の不燃性不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、一瞬着火したようだったが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
不織布の表面形態、柔軟さの劣化は少なかったが、ホウ素化合物の付着量が同量である実施例1や実施例5の不織布に比べると表面形態および柔軟さ共に劣化の度合いは大きかった。強力保持率は40%であり、伸度保持率は40%であり、強伸度は著しく劣化していた。不燃特性を有する不織布が得られたものの強伸度が低いため実際の使用用途はかなり限定されるものであり、本発明が目的とするものではなかった。
比較例2
実施例1において、ポリエチレンテレフタレート繊維を混綿することなく、コットン晒し綿のみを用いたこと、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液を水で4倍に希釈した水溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の不織布を得た。
ホウ素化合物の付着量は、対繊維質量比で3wt%(固形分)付着させた。
得られた不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、炎を上げて燃えた。
比較例3
実施例1において、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液に浸漬後、絞り率を250%として、不織布に付着させるホウ素化合物の付着量を25質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところが、一瞬着火したようだったが直ぐに火は自己消化し燃えなかった。しかし、表面形態・柔軟性の評価においては、ゴワつき感やザラつき感のあるものであり、強力保持率42%、伸度保持率52%であった。
比較例4
実施例1において、コットン晒し綿を混綿することなく、ポリエチレンテレフタレート繊維のみを用いたこと、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液に浸漬後、絞り率を209%として、不織布に付着させるホウ素化合物の付着量を20質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
得られた不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、炎を上げて燃えた。
比較例5
実施例1において、コットン晒し綿を混綿することなくポリエチレンテレフタレート繊維のみを用いたこと、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液として、トラストライフ社製「ファイアレス B リキッド(登録商標)」を水で希釈せずに用いたこと、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液に浸漬後、絞り率を280%として、不織布に付着させるホウ素化合物の付着量を44質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして不織布を得た。
得られた不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、5〜6秒程度は着火し燃えた。また、表面形態・柔軟性の評価においては、ゴワつき感やザラつき感を極めて有するものであった。
得られた実施例1〜7、比較例1〜5の評価を表1に示した。
次に、得られた不織布(実施例1〜5、比較例1、比較例3)の柔軟性を定量的に評価するために、以下の方法によって風合い測定を行った。結果を表2に示す。
(風合い評価)
JIS L 1096 剛軟性 8.19.5E法(ハンドルオメーター法)の記載に準じて、20cm(MD方向)×2.5cm(CD方向)の試料片を3枚用意し、幅を5mmに設定したスロットに、試料片のMD方向(長手方向)が直角となるように試料を設置して測定した。1枚の試料につき表裏異なる箇所を測定し、その合計値を求めて、3枚の平均値を剛軟性の値とした。
実施例8〜10
実施例1において、ホウ酸イオン縮合体のナトリウム塩を主成分とする水溶液(トラストライフ社製「ファイアレス B リキッド(登録商標)」)と等量の水で希釈した水溶液に浸漬させた後、余分な水溶液を絞り出してホウ酸ナトリウム重合体を生地に均一に付着後、サクションバンド方式の乾燥機を用いて乾燥処理を施す際、乾燥処理を60℃×2分(実施例8)、150℃×2分(実施例9)、180℃×2分(実施例10)としたこと以外は、実施例1と同様にして不燃性不織布を得た。
得られた実施例8〜10の不燃性不織布のホウ素化合物の有効付着量は、対繊維質量比率にて4質量%(固形分)であった。
得られた不燃性不織布を、市販のガスライターで直下炎に晒して燃焼テストをしてみたところ、いずれも3秒程度着火したが直ぐに火は自己消化し、燃えなかった。
また、強伸度、柔軟さ及び表面形態が十分に保持されたものであった。評価結果は、表3に示す。
表3からわかるように、実施例8〜10において、乾燥処理温度が低いほど引張強力保持率および引張伸度保持率が高い。また、柔軟性を定量的に測定したトータルハンドの値が小さく、柔軟性に優れることが確認できる。

Claims (6)

  1. 吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布であり、ホウ素化合物が不織布に対して固形分として4〜20質量%付着していることを特徴とする不燃性不織布。
  2. 請求項1記載の不燃性不織布が、吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布をホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液に浸漬後、乾燥させることにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の不燃性不織布。
  3. 吸水性繊維が、コットン、リヨセルあるいはレーヨンのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の不燃性不織布。
  4. 非吸水性繊維が、ポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不燃性不織布。
  5. 吸水性繊維と非吸水性繊維との混合比率(質量比)が30〜80:70〜20(吸水性繊維:非吸水性繊維)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不燃性不織布。
  6. 吸水性繊維と非吸水性繊維とによって構成された不織布をホウ酸イオン縮重合体塩の水溶液に浸漬し、不織布に水溶液を含浸させ、次いで一対のローラー間等に通して、所定量の水分を絞る取ることにより、ホウ素化合物が不織布に対して固形分として4〜20質量%付着させ、次いで、乾燥温度180℃以下で乾燥させることを特徴とする不燃性不織布の製造方法。
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