JP4757479B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の残留水を排出する掃気処理を行う燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関するものである。
近年、車両の駆動源として燃料電池を備えた燃料電池車両が提案されている。この種の燃料電池としては、アノードとカソードとの間に固体高分子電解質膜を介装した単位セルを所定数積層された構造をとるものが知られている。そして、アノードに水素(燃料ガス)を、カソードに空気(酸化剤ガス)をそれぞれ導入することで、水素と酸素との電気化学反応によって発電する。
燃料電池は発電の際に水を生成するため、発電停止時には燃料電池内には水分が含有されている。燃料電池内に水を残留させた状態で停止すると、例えば低温環境下で燃料電池車両を始動する場合に、残留水が凍結して反応ガス流路が閉塞されてしまい、始動時間が長くなってしまう。このような事態を防止する観点から、燃料電池の停止時に残留水を排出するパージ工程を行う技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、燃料電池運転停止時に排出弁を閉じた状態で反応ガスのガス流量を増大させてガス流路の圧力を増大させ、その後、排出弁を開放することでガス流路内にたまった水を排出する技術が提案されている。
特開2002−305017号公報
しかしながら、従来の技術においては、大量のガスを燃料電池内部に供給し、圧力を増大させる必要があるため多大なエネルギーを必要としてしまう。また、発電停止時に掃気処理を行う場合には、掃気処理に必要なエネルギーや次回始動時のエネルギー確保のために、バッテリ等のエネルギーストレージを増大させる必要があるため、システム全体の重量や容積が増大してしまう。
また、従来においては、反応ガス流路内の残留水を凝縮水として除去できるものの、電解質膜の内部に残存している水分もしくは反応ガス流路の表面上の水分(これらの水分を「残留水分」と称す)を水蒸気として排出する能力が不足するおそれがあり、この点で排出性能の向上が求められている。
従って、本発明は、システム全体の軽量化や小型化を図りつつ、凝縮水のみならず残留水分についても排出性能を高めて燃料電池の始動性を高めることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。ここで、残留水分とは、上述したように、電解質膜の内部に残存している水分もしくは反応ガス流路の表面上の水分を言う。以下の説明においても同様とする。
請求項1に係る発明は、反応ガス供給手段により供給される反応ガスの化学反応により発電を行う燃料電池(例えば、実施の形態における燃料電池1)と、前記反応ガスが流通する反応ガス流路(例えば、実施の形態における水素供給流路3、エア供給流路6)と、反応ガス供給手段により前記反応ガス流路内を流れる反応ガスを掃気ガスとして利用した掃気ガスにより掃気する掃気手段(例えば、実施の形態におけるエアコンプレッサ5)と、前記反応ガス流路内の掃気が必要か否かを判断する掃気判断手段(例えば、実施の形態におけるECU12)と、を備え、前記掃気判断手段により掃気が必要と判断したとき、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの流量よりも大流量で掃気ガスを流して残留水を排出する大流量掃気処理と、この大流量掃気処理を行った後に行われ前記大流量よりも小流量で掃気ガスを流して残留水分を水蒸気として掃気中に取り込んで排出する小流量掃気処理とを前記掃気手段により行わせる掃気ガス供給制御手段(例えば、実施の形態におけるECU12)を有することを特徴とする。
この発明によれば、前記掃気判断手段により掃気が必要と判断したときに、前記掃気ガス供給制御手段によって前記掃気手段を制御して大流量掃気処理を行わせることで、前記反応ガス内に液滴で残留している残留水(凝結水)を排出することができる。そして、前記大流量掃気処理を行った後、前記小流量掃気処理を前記掃気手段により行わせることで、残留水分を水蒸気として掃気ガス中に取り込んで(飽和させて)、掃気ガスを排出することで残留水分も排出することができる(これについては、実施の形態において後述する)。また、流量を小さくすることで必要なエネルギーも減少させることができるので、その分必要となるエネルギーストレージを抑えることができる。従って、システム全体の軽量化や小型化を図りつつ、凝縮水のみならず残留水分の排出性能を高めて燃料電池の始動性を高めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のものであって、前記小流量掃気処理は、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの流量よりも小流量で行うことを特徴とする。
この発明によれば、前記小流量掃気処理を前記通常発電時の反応ガスの流量よりも小流量で行うことで、前記小流量掃気処理を行う際に必要なエネルギーをさらに低減することができるとともに、掃気ガス内に水蒸気をさらに効率的に取り込むことができ、残留水分を水蒸気として排出することで、残留水分の排出性能をさらに高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のものであって、前記大流量掃気処理では、前記掃気ガスの圧力を、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの圧力よりも低下させた低圧となるように前記反応ガス供給手段の圧力を低下させることを特徴とする。
この発明によれば、前記掃気ガスの圧力を低圧とすることで、前記燃料電池に供給する掃気ガスを通常発電時よりも大流量で前記反応ガス流路に供給することができる。すなわち、掃気手段により供給される掃気ガスが略一定量のときに、前記低圧にする処理を行うと、ボイルの法則(PV=一定)により掃気ガスの体積が増大する。換言すれば、掃気ガスを低圧にすることで大きな体積流量で掃気ガスによる掃気を行うことができる。従って、掃気ガスを低圧にすることで掃気ガスの流量を増大させて、燃料電池内に液滴で残留している残留水(凝結水)を排出することができる。また、前記掃気ガスの圧力を低圧とすることで、より少ないエネルギーで掃気ガスを供給することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のものであって、前記小流量掃気処理では、前記掃気ガスの圧力を前記低圧よりも上昇させた高圧となるように前記反応ガス供給手段の圧力を上昇させることを特徴とする。
この発明によれば、前記掃気ガスの圧力を高圧とすることで、前記燃料電池に供給する掃気ガスを前記低圧のときよりも小流量で前記反応ガス流路に供給することができる。すなわち、掃気手段により供給される掃気ガスが略一定量のときに、前記高圧にする処理を行うと、ボイルの法則(PV=一定)により掃気ガスの体積が減少する。換言すれば、掃気ガスを低圧にすることで小さな体積流量で掃気ガスによる掃気を行うことができる。従って、掃気ガスを高圧にすることで掃気ガスの流量を減少させて、残留水分を水蒸気として掃気ガス中に取り込んで(飽和させて)、掃気ガスを排出することで残留水分を排出することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のものであって、前記高圧は、大気圧よりも高い圧力であることを特徴とする。
この発明によれば、前記掃気ガスの圧力を前記大気圧よりも高い圧力にすることで、反応ガスや掃気ガスを排出する排出流路に設けられる出口排出弁をシステム停止時に全開にすることで発生する大きな差圧を利用して、反応ガス流路内の水を排出することが可能となり、さらに、前記小流量掃気処理の際に凝結した水を、反応ガス流量内と大気との圧力差により排出することが可能となり、排出性能をさらに高めることができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のものであって、前記掃気ガスは、前記反応ガスの酸化剤ガスであり、前記酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給手段(例えば、実施の形態におけるエアコンプレッサ5)により供給することを特徴とする。
この発明によれば、掃気ガスを供給する掃気手段を前記酸化剤ガス供給手段と共用化できるため、システムの簡素化と消費電力の低減を図ることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のものであって、前記掃気判断手段は、前記燃料電池の発電停止時に掃気が必要と判断することを特徴とする。
この発明によれば、前記燃料電池の発電停止時に掃気処理が行われるため、燃料電池内の残留水や水蒸気を除去した状態で停止させることができ、次回の発電開始時における燃料電池の起動性を向上することができる。加えて、発電停止後に、燃料電池システムの外部が氷点下になった場合でも、燃料電池内の水分を除去できているため凍結を防止することができる。
この発明によれば、掃気が必要と判断したときに反応ガス流路内に大流量で掃気ガスを流すことで、前記反応ガス内に液滴で残留している残留水(凝結水)を排出することができる。そして、前記大流量掃気処理を行った後、前記小流量で掃気ガスを流すことで、残留水分を水蒸気として掃気ガス中に取り込んで(飽和させて)、掃気ガスを排出することで残留水分も排出することができる。また、流量を小さくすることで必要なエネルギーも減少させることができるので、その分必要となるエネルギーストレージを抑えることができる。従って、システム全体の軽量化や小型化を図りつつ、凝縮水のみならず残留水分の排出性能を高めて燃料電池の始動性を高めることができる。
請求項1に係る発明によれば、システム全体の軽量化や小型化を図りつつ、凝縮水のみならず残留水分についても排出性能を高めて燃料電池の始動性を高めることができる
請求項2に係る発明によれば、掃気処理を行う際に必要なエネルギーをさらに低減することができるとともに、残留水分の排出性能をさらに高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、掃気ガスを低圧にすることで掃気ガスの流量を増大させて、燃料電池内に液滴で残留している残留水(凝結水)を排出することができる。また、前記掃気ガスの圧力を低圧とすることで、より少ないエネルギーで掃気ガスを供給することが可能となる。
請求項4に係る発明によれば、掃気ガスを高圧にすることで掃気ガスの流量を減少させて、燃料電池を構成するセル内に掃気ガスが滞留する時間を延長することで、残留水分を水蒸気として掃気ガス中に取り込んで(飽和させて)、掃気ガスを排出することで残留水分を排出することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記小流量掃気処理の際に凝結した水を、反応ガス流量内と大気との圧力差により排出することが可能となり、排出性能をさらに高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、システムの簡素化と消費電力の低減を図ることができる。
請求項7に係る発明によれば、次回の発電開始時における燃料電池の起動性を向上することができる。
以下、この発明の実施の形態における燃料電池システムを図面と共に説明する。
図1は本発明の実施の形態における燃料電池システムを示すブロック図である。
燃料電池1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜1aをアノード1bとカソード1cとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたものである。なお、図1には簡略化のため単セルのみを示す。
このように構成された燃料電池1のアノード1bに燃料として水素を供給し、カソード1cに酸化剤として酸素を含む空気を供給する。これにより、アノード1bで触媒反応により発生した水素イオンが、電解質膜1aを通過してカソード1cまで移動して、カソード1cで酸素と電気化学反応を起こして発電し、その際に水が生成される。このとき、カソード1c側で生じた生成水の一部は電解質膜1aを介してアノード1b側に逆拡散するため、アノード1b側にも生成水が存在する。
水素ボンベ2から供給される水素は、遮断弁4、レギュレータ11を介して水素供給流路3を通って燃料電池1のアノード1bに供給される。
一方、空気はエアコンプレッサ5によりエア供給流路6に圧送され、燃料電池1のカソード1cに供給される。
また、水素供給流路3とエア供給流路6とは、合流流路9を介して接続されている。合流流路9には掃気弁10が設けられ、掃気弁10を開閉制御することにより、互いの流路3、6にそれぞれ流通する反応ガス(水素、エア)の合流を許容または防止することができる。本実施の形態において、掃気弁10は、エアを掃気用ガスとして水素供給流路3に流入させる場合の制御に使用される。
そして、消費されなかった未反応の水素は、アノード1b側の生成水等の残留水と共にアノード1bから循環流路13に排出され、エゼクタ14を介して水素供給流路3に合流する。つまり、燃料電池1から排出された水素は、水素ボンベ2から供給される新鮮な水素と合流して、再び燃料電池1のアノード1bに供給される。
また、循環流路13から分岐した水素排出流路7にはアノード圧力調整弁17が設けられ、アノード圧力調整弁17を開弁することにより利用済の水素オフガスを水素排出流路7から排出する。なお、水素排出流路7から排出された水素オフガスは、図示しない希釈ボックスにより所定濃度以下に希釈されるが、詳細については省略する。
一方、エア排出流路8には、カソード圧力調整弁18が設けられている。カソード圧力調整弁18を開くことにより、反応済のエアオフガスをエア排出流路8から排出する。また、カソード圧力調整弁18の開度を調整することにより、燃料電池1のカソード1cに供給されるエア圧力(カソード圧力)を調整することができる。この調整されたエア圧力に基づいて、アノード1bに供給される水素圧力(アノード圧力)がレギュレータ11を介して調整される。水素供給流路3やエア供給流路6には、アノード圧力やカソード圧力を測定するための圧力センサ19、20がそれぞれ設けられている。また、燃料電池1には、発電電圧を測定するための電圧センサ21が設けられている。
燃料電池システムには、各種機器の制御を行う制御部(ECU)12が設けられている。
制御部12には、イグニッションスイッチ15が接続され、これらからイグニッションON、OFF(IG−ON、IG−OFF)の信号が入力される。
また、制御部12には、圧力センサ19、20や電圧センサ21が接続され、これらから、アノード圧力やカソード圧力、発電電圧が入力される。
そして、制御部13は、これらの入力された検出値や信号に基づいて、エアコンプレッサ5、遮断弁4、掃気弁10、レギュレータ11、アノード圧力調整弁17、カソード圧力調整弁18を駆動させる信号を出力する。
上述のように構成された燃料電池システムの作用について図2、図3を用いて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの掃気制御の処理内容を示すフローチャートである。図3は遮断弁、コンプレッサ回転数、掃気バルブ、背圧弁、パージ弁についての時間変化を示すグラフ図である。
まず、ステップS10で、イグニッションスイッチ15がONからOFFに切り換わって、運転停止信号が入力されると(IG−OFF)、ステップS12で、水素供給流路3の遮断弁4が閉じられて、燃料電池1のアノード1bへの水素の供給を停止させる。
そして、ステップS14で、コンプレッサ5の回転数を通常の発電時よりも上昇させて、大流量掃気制御を開始する(図3参照)。そして、ステップS16で、アノード圧力調整弁17、カソード圧力調整弁18を全開状態にする。これにより、アノード1bとカソード1cに供給されるエア圧力を低下させることができる。このように低圧で掃気処理を行うと、ボイルの法則(PV=一定)により掃気ガスであるエアの体積が増大する。この低圧での掃気処理を行って、燃料電池1のアノード1bやカソード1cにおける残留水蓄積部位と、水素排出流路7やエア排出流路8との差圧を増加させることで、燃料電池1内に液滴で残留している残留水(凝結水)の排出を促進することができる。ここで、低圧とは、例えば、燃料電池1の通常発電時にカソード1cに供給されている圧力よりも低圧である。
そして、ステップS18で、合流流路9の掃気弁10をONにする(開弁する)。これにより、水素供給流路3にもエアを供給することで、カソード1c側のみならずアノード1b側の掃気処理も併せて行うことができる。従って、水素を消費することなく、掃気処理を行うことができる。この大流量掃気処理により、燃料電池1内に残留する残留水(凝縮水)を水素排出流路7やエア排出流路8を介して排出することができる。
そして、ステップS20で、大流量掃気処理が完了したか否かの判定を行い、判定結果がYESであればステップS22に進み、判定結果がNOであればステップS20の処理を繰り返す。本実施の形態では、前記掃気処理の完了の判定は、圧力センサ19、20のそれぞれで圧力変化を検出することにより行う。すなわち、掃気処理が完了する前にあっては、水素供給流路3、エア供給流路6に残留している凝縮水によって流路3、6が閉塞されてしまうため、圧力が高くなっている。これに対して、掃気処理によって残留水が除去されるとガスの流通が自由になるため圧力が低下する。従って、圧力センサ19、20のそれぞれで一定以上の圧力低下を検知した場合には、掃気処理により凝縮水が排出されたと判定することができる。なお、判定手法はこれに限らず、タイマーを用いて予め設定された掃気時間が経過したかを計測してもよいし、また、アノード1bやカソード1cの入口側、出口側のそれぞれに圧力センサを設けて、それぞれの差圧を検出することで行ってもよい。
また、ステップS22では、コンプレッサ5の回転を下降させることにより、小流量掃気を行う。このとき、コンプレッサ5の回転数は、通常の発電時よりも下降させている(図3参照)。このように小流量掃気を行うことにより、残留水分を水蒸気として取り込ませる(飽和させる)効率を高めることができる。
この点についてより詳細に説明する。掃気流量×時間(積算流量)が同じであるならば、低流量で長時間掃気した方が、大流量で短時間掃気する場合よりも水蒸気として残留水の持ち去り量を多くすることができる。つまり、単位流量あたりの水蒸気持ち去り量(除去される量)は、流量が小さい方が大きくなる。
なぜなら、低湿度のガスで掃気した場合において、排出されるガスの飽和水蒸気圧は、掃気ガス流量に依存せず、燃料電池1の温度によって決定される。さらに、掃気ガスの圧力は大流量を流す場合よりも小流量を流す方が小さくなる。従って、掃気ガスの流量が増えても、圧力が上がるため水蒸気の分圧が低くなり、単位流量あたりの水蒸気の持ち去り量は減少する。
例えば、水蒸気分圧をPw、全圧をP、体積流量をQとすると、水蒸気流量Qwは下記の式(1)で表される(これが小流量の場合に対応する)。
Qw=Pw×Q/(P−Pw)…式(1)
これに対し、流量Qが2倍となり、圧力Pが2倍になった場合には、水蒸気流量Qwsは下記の式(2)で表される(これが大流量の場合に対応する)。
Qws=Pw×2Q/(2P−Pw)…式(2)
これらの式(1)、式(2)より、単位流量あたりの水蒸気流量を比較すると、下記の式(3)のようになる。
Qw/Q>Qws/2Q…式(3)
すなわち、大流量で掃気するよりも、小流量で掃気する方が、水蒸気の持ち去り量は大きくなることがわかる。
そして、ステップS24で、小流量掃気が完了したか否かを判定し、判定結果がYESの場合はステップS26に進み、判定結果がNOであればステップS24に戻る。ステップS26では、掃気弁10をOFFにする。この判定手法としては、上述のした圧力センサ19、20で検出される圧力の変動により行ってもよい。すなわち、水蒸気が除去される前と除去された後では、燃料電池1内のガスの粘性が異なるため、圧力変動を検出することで水蒸気が除去されたと判定することができる。また、他の判定手法として、上述のように、タイマや差圧を検出することにより行ってもよい。
ステップS28では、コンプレッサ5を停止してエアの供給を停止する。ステップS30では、アノード圧力調整弁17、カソード圧力調整弁18を全閉にする。そして、ステップS32で、ECU12を停止させてシステムを停止させる。
このように、本実施の形態においては、掃気が必要と判断したときに水素供給流路3やエア供給流路6に大流量で掃気ガスであるエアを流すことで、前記流路3、6に液滴で残留している残留水(凝結水)を排出することができる。
そして、前記大流量掃気処理を行った後、前記小流量でエアを流すことで、流路3、6内に残存している残留水分を水蒸気としてエアに取り込んで(飽和させて)、このエアを排出することで水蒸気も排出することができる。また、流量を小さくすることで必要なエネルギーも減少させることができるので、その分必要となるエネルギーストレージを抑えることができる。従って、システム全体の軽量化や小型化を図りつつ、凝縮水のみならず残留水分についても排出性能を高めて燃料電池の始動性を高めることができる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。以下、前述の実施の形態と同様の構成や処理内容については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。図4は本発明の第2の実施の形態における燃料電池システムの掃気制御の処理内容を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、ステップS22で、コンプレッサ5の回転を下降させた後に、ステップS40で、アノード圧力調整弁17、カソード圧力調整弁18の開度を小さくして(絞って)、圧力を高める制御を行う(例えば半開状態)。これにより、アノード1bとカソード1cに供給されるエア圧力を増大させることができ、小さな体積流量でエアによる掃気を行うことができる。
従って、残留水分を水蒸気としてエア中に取り込んで(飽和させて)、このエアを排出することで残留水分も排出することができる。このように低圧掃気(換言すれば小流量掃気)を行うことにより、残留水分を水蒸気として取り込ませる(飽和させる)効率を高めることができる。
この点についてより具体的に説明する。燃料電池1の電解質膜1a等に蓄積された水分は、拡散層等の細孔に蓄積されているため、表面張力が大きく、物理的な力(差圧による吸引力)では排水することが困難である。このような残留水分を排出するにあたっては、表面張力を低減させるために、水分を水蒸気に変換して除去する必要がある。従って、燃料電池1内の電解質膜1a等に蓄積された水分を除去するために、燃料電池1に供給されるエアの圧力を大きくして体積流量を下げることで、エアが燃料電池1内に滞留する時間を増大することができる。これにより、燃料電池1に供給されるエアが前記蓄積された水分を十分に含有することができる(換言すれば水蒸気として除去することができる)ため、残留水分の除去を促進することができる。
そして、ステップS42で、高圧掃気が完了したか否かを判定し、判定結果がYESの場合はステップS26に進み、判定結果がNOであればステップS42に戻る。この判定手法としては、タイマにより行ってもよいし、上述のように差圧を検出することにより行ってもよい。ステップS26以降の処理は、図2に示したフローチャートと同様である。
本発明の上述した第2の実施の形態における掃気処理と従来技術に相当する比較例における掃気処理との相違点を図5、図6を用いて説明する。
まず、比較例においては、図6に示すように、掃気処理が開始されてから終了するまで掃気ガスの圧力が略一定の高圧状態に保持され、掃気ガスの流量も略一定に保持されている。このような制御では、燃料電池1内の残留水は排出されるものの、燃料電池1の電解質膜1a等に蓄積された水分を排出することは困難である。さらに、掃気処理の全体に亘り高圧状態に保持されているため、掃気処理に要するエネルギーがその分増大し、掃気処理中に消費するエネルギーを効率的に利用しているとは言えない。
これに対し、上述した実施の形態においては、図5に示すように、掃気初期においては、掃気ガスの圧力が大気圧よりも低い低圧に維持され、掃気ガスの流量も増大しているので、迅速に残留水を排出することができる。また、掃気ガスの圧力を低圧に維持することにより、掃気に必要なエネルギーを低減させることができる。そして、掃気後期においては、掃気ガスの圧力が高圧に、掃気ガスの流量が小流量に、変更されるので、燃料電池1内の残留水分も効率的に除去することができる。
なお、本発明の内容は上述の実施の形態のみに限られるものでないことはもちろんである。例えば、上述の実施の形態では、発電停止時に掃気処理を行う場合について説明したが、本発明の掃気処理は発電停止時に限られない。また、上述の実施の形態では、水素供給流路4とエア供給流路6を掃気するガスとしてエアを用いているが、窒素等の不活性ガスを用いてもよい。また、小流量掃気処理において、掃気ガスの圧力を大気圧よりも高い圧力にすると、前記小流量掃気処理の際に凝結した水を、反応ガス流量内と大気との圧力差により排出することが可能となり、排出性能をさらに高めることができる点で好ましい。ただし、小流量掃気処理の圧力は、これに限らず、大流量掃気処理の圧力である低圧よりも高い圧力であればよい。また、実施の形態において、水素排出流路やエア排出流路には、開度を調整可能な圧力調整弁を用いたが、ON・OFF作動する弁を用いてもよい。
本発明の実施の形態における燃料電池システムを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムの掃気制御の処理内容を示すフローチャートである。 遮断弁、コンプレッサ回転数、掃気バルブ、アノード圧力調整弁、カソード圧力調整弁についての時間変化を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態における燃料電池システムの掃気制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における掃気ガス圧力および掃気ガス流量の時間変化を示すグラフ図である。 従来技術に相当する比較例における掃気ガス圧力の時間変化を示すグラフ図である。
符号の説明
1…燃料電池
3…水素供給流路(反応ガス流路)
5…エアコンプレッサ(掃気手段、酸化剤ガス供給手段)
6…エア供給流路(反応ガス流路)
7…水素排出流路(反応ガス流路)
8…エア排出流路(反応ガス流路)
12…ECU(掃気判断手段、掃気ガス供給制御手段)

Claims (7)

  1. 反応ガス供給手段により供給される反応ガスの化学反応により発電を行う燃料電池と、前記反応ガスが流通する反応ガス流路と、
    反応ガス供給手段により前記反応ガス流路内を流れる反応ガスを掃気ガスとして利用した掃気手段と、前記反応ガス流路内の掃気が必要か否かを判断する掃気判断手段と、を備え、前記掃気判断手段により掃気が必要と判断したとき、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの流量よりも大流量で掃気ガスを流して残留水を排出する大流量掃気処理と、この大流量掃気処理を行った後に行われ前記大流量よりも小流量で掃気ガスを流して残留水分を水蒸気として掃気中に取り込んで排出する小流量掃気処理とを前記掃気手段により行わせる掃気ガス供給制御手段を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記小流量掃気処理は、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの流量よりも小流量で行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記大流量掃気処理では、前記掃気ガスの圧力を、前記燃料電池の通常発電時に前記反応ガス流路に流れている反応ガスの圧力よりも低下させた低圧となるように前記反応ガス供給手段の圧力を低下させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記小流量掃気処理では、前記掃気ガスの圧力を前記低圧よりも上昇させた高圧となるように前記反応ガス供給手段の圧力を上昇させることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記高圧は、大気圧よりも高い圧力であることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記掃気ガスは、前記反応ガスの酸化剤ガスであり、
    前記酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給手段により供給することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記掃気判断手段は、前記燃料電池の発電停止時に掃気が必要と判断することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
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