JP4757246B2 - 神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェア - Google Patents

神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェア Download PDF

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Description

本発明は、神経細胞における樹状突起や軸索など、突起状や比較的長い管状の部位の構造を解析するための神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェアに関する。
図11は神経細胞の構造を概略的に示す説明図である。
神経細胞は、大別すると、細胞体51、樹状突起52、軸索53の3つの部位に分けられる。細胞体51は、細胞の本体に相当する部位で、細胞核51aを有する。樹状突起52は、細胞体51から木の枝のように分岐して延びた突起状の部位であって、神経細胞において信号を受け取る機能を有する。軸索53は、細胞体51から延びた比較的長い管状の部位であって、神経細胞において信号を出力する機能を有する。軸索53の先方には、軸索側枝53aという枝分かれが形成される。軸索53の枝分かれした先端(軸索終末)53bと他の神経細胞の樹状突起との接続部には、情報伝達部であるシナプス(図示省略)が形成される。そして、神経細胞は、シナプスを介して樹状突起52から受けた他の神経細胞からの刺激を、軸索53からシナプスを介して他の神経細胞に伝達する。
このように、神経細胞における突起状や管状の部位は、細胞の機能に重要な役割を持っている。また、この突起状や管状の部位の長さや分岐の数は、細胞の状態を評価するための重要なパラメタとして考えられている。
ところで、従来、これら神経細胞の解析においては、突起状や管状の部位の位置の特定や、突起状や管状の部位の長さの測定などの作業を、研究者自らが細胞画像を目視で観察することによって行っており、研究者にとって多大な作業負担となっている。そのため、自動的に神経細胞を解析できる装置が望まれている。
しかるに、ある程度の数の細胞画像を自動的に取得し、取得した細胞画像のデータを周波数変換し、周波数成分ごとに帯域分割して動植物の細胞の特徴部を抽出することにより、動植物細胞の樹状突起を精度良く分離抽出し、樹状突起の長さや分岐数、樹状突起の位置情報を定量化することができる細胞画像解析装置として、例えば、次の特許文献1に記載の装置が提案されている。
特開2001−307066号公報
しかし、これら神経細胞における突起状や管状の部位の構造の抽出は、特許文献1の細胞画像解析装置を用いても、培養状態の細胞に対して行う場合には、突起状や管状の部位が細胞体の上に重なっていて見分けるのが難しく、あるいは、枝状に分岐した突起状の部位や管状の先端部位が重なり合っている場合が多いため、突起状の部位や管状の部位を一本ごとに見分けるのが難しいといった問題がある。しかも、そもそも、神経細胞における突起状の部位や管状の部位は、構造が複雑であるため、特許文献1の細胞画像解析装置を用いて解析に成功しても、時間がかかりすぎるなどの難点があった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、神経細胞における樹状突起や軸索、及び軸索先端の軸索側枝などの、細胞における突起状の部位や管状の部位を正確且つ高速に解析することの可能な神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェアを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による神経細胞画像解析装置は、神経細胞から発せられる光の像を画像として取得する画像取得手段から得られた画像に対して所定の自動解析処理を行う神経細胞画像解析装置であって、前記画像取得手段を介して得られた神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップと、分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出するステップと、隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップと、取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップと、得られた情報の統計量を算出するステップと、を有し、これらの各ステップでの処理を介して神経細胞の構造を解析するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップは、前記画像取得手段を介して得られた前記神経細胞画像に対して所定の二値化処理を行い、該神経細胞画像中における神経細胞の領域と該神経細胞以外の領域との境界を検出し、前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設け、さらに、該内接円を除く前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設ける作業を所定量繰り返し、次いで、前記神経細胞の領域を前記内接円の領域及びその周辺領域とを合わせた領域ごとに分割するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、少なくとも前記各円状領域における中心点を有するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、さらに、少なくとも前記各円状領域における内接円の半径、平均輝度の少なくともいずれかを有するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列は、前記分割した領域の番号をx成分として該領域の総個数分とるとともに、前記隣り合う領域の番号をy成分として領域の最大分岐数分とってなるのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列の値は、前記分割した領域における任意の領域を始領域として隣り合う領域に対し順に1〜Nの番号を付与し、該付与した1〜Nの番号をx成分に順にととるとともに、該各x成分における番号に対応する領域に隣接する領域の番号をy成分に順にとってなるのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップは、前記分割した領域における任意の始領域を決定すると共に該始領域に対して最も遠い距離にある領域を終領域として決定し、該終領域から前記始領域までの一連の領域を第一のルートとして決定し、残りの領域に対し、該第一のルートから分岐の開始する領域を第二の始領域として決定すると共に該第二の始領域に対して最も遠い距離にある領域を第二の終領域として決定し、該第二の終領域から前記第二の始領域までの一連の領域を第二のルートとして決定し、さらに残りの領域に対して該第二のルートを決定する処理と略同様の処理を繰り返すのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析装置においては、前記得られた情報の統計量を抽出するステップは、前記各ルートの総延長、ルートの総数、分岐の総数、各ルートにおける分岐数の少なくともいずれかを取得するのが好ましい。
また、本発明による神経細胞画像解析ソフトウェアは、神経細胞から発せられる光の像を画像として取得する画像取得手段から得られた画像に対して所定の自動解析処理を行う神経細胞画像解析装置に用いる神経細胞画像解析ソフトウェアであって、前記画像取得手段を介して得られた神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップと、分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出するステップと、隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップと、取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップと、得られた情報の統計量を算出するステップと、を有し、これらの各ステップでの処理を介して神経細胞の構造を解析するようにしたことを特徴としている。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップは、前記画像取得手段を介して得られた前記神経細胞画像に対して所定の二値化処理を行い、該神経細胞画像中における神経細胞の領域と該神経細胞以外の領域との境界を検出し、前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設け、さらに、該内接円を除く前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設ける作業を所定量繰り返し、次いで、前記神経細胞の領域を前記内接円の領域及びその周辺領域とを合わせた領域ごとに分割するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、少なくとも前記各円状領域における中心点を有するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、さらに、少なくとも前記各円状領域における内接円の半径、平均輝度の少なくともいずれかを有するのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列は、前記分割した領域の番号をx成分として該領域の総個数分とるとともに、前記隣り合う領域の番号をy成分として領域の最大分岐数分とってなるのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列の値は、前記分割した領域における任意の領域を始領域として隣り合う領域に対し順に1〜Nの番号を付与し、該付与した1〜Nの番号をx成分に順にととるとともに、該各x成分における番号に対応する領域に隣接する領域の番号をy成分に順にとってなるのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップは、前記分割した領域における任意の始領域を決定すると共に該始領域に対して最も遠い距離にある領域を終領域として決定し、該終領域から前記始領域までの一連の領域を第一のルートとして決定し、残りの領域に対し、該第一のルートから分岐の開始する領域を第二の始領域として決定すると共に該第二の始領域に対して最も遠い距離にある領域を第二の終領域として決定し、該第二の終領域から前記第二の始領域までの一連の領域を第二のルートとして決定し、さらに残りの領域に対して該第二のルートを決定する処理と略同様の処理を繰り返すのが好ましい。
また、本発明の神経細胞画像解析ソフトウェアにおいては、前記得られた情報の統計量を抽出するステップは、前記各ルートの総延長、ルートの総数、分岐の総数、各ルートにおける分岐数の少なくともいずれかを取得するのが好ましい。
本発明によれば、神経細胞における樹状突起や軸索、及び軸索先端の軸索側枝などの、細胞における突起状の部位や管状の部位を正確且つ高速に解析することの可能な神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェアが得られる。
図1は本発明の一実施形態にかかる神経細胞画像解析ソフトウェアを備えた神経細胞画像解析装置の全体の構成を概略的に示すブロック図、図2は図1の神経細胞画像解析装置において取得した細胞画像から、突起状や管状の部位を持つ神経細胞の構造を解析する処理手順を示すフローチャートである。図3は図2に示した処理手順における円状領域分割ステップでの具体的な処理手順を示すフローチャートである。図4は図3に示した処理手順における最大内接円の決定手法を示す説明図で、(a)は境界の一方に接する円、(b)は境界に内接する複数の円が重なった状態、(c)は(b)の円のうち重なる領域において半径が最大となる円を最大内接円として選択した状態、(d)は(c)に示した最大内接円の領域を除く領域において半径が最大となる円を次の最大内接円として選択した状態を夫々示している。図5は図3に示した処理手順の内容をステップ毎に概念的に示す説明図で、(a)は画像領域を二値化して神経細胞と該神経細胞以外の領域との境界を検出した段階、(b)は二値化した神経細胞の領域における境界との最大内接円を順に決定していく段階、(c)は神経細胞の領域を各内接円を含む領域ごとに分割する段階を夫々示している。図6は神経細胞における折れ曲がる部位の解析について、従来一般の手法を用いた場合の問題点、及び本実施形態の神経細胞画像解析装置による手法を示す説明図で、(a)は全体的にほぼ直線状に構成された管状の部位の一例、(b)は(a)に示した管状の部位に対し従来一般の手法を用いて互いの距離が非常に短い3つの点をとった場合に解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例、(c)は管状の部位に対し従来一般の手法を用いて互いの距離が長い3つの点をとった場合に解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例、(d)は本実施形態の神経細胞画像解析装置による手法を用いた場合における解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例を夫々示している。図7は神経細胞における突起状の部位や管状の部位が絡み合っているような複雑な構造を解析する場合における従来一般の手法を用いた場合の問題点を示す説明図で、(a)は神経細胞における管状の部位が複雑に絡み合っている状態の一例、(b)は従来の手法で(a)に示した状態の神経細胞の構造を解析する場合の問題点の一例を概念的に示した図、(c)は従来の手法で管状の部位が複雑に絡み合っている状態の神経細胞の構造を解析する場合の問題点の他の例を概念的に示した図である。図8は図2に示した処理手順における隣り合う領域の相関を示す行列の説明図で、(a)は神経細胞における分割した領域に番号を付した状態、(b)は(a)に示す分割した領域の番号をx成分、該領域において隣り合う領域の番号をy成分としてとった行列を夫々示している。図9は図2に示した処理手順における細胞のルート、分枝などの決定方法を示す説明図で、(a)は神経細胞の領域を最大内接円で示した模式図、(b)は(a)の神経細胞の領域における所定の領域を始領域として番号を付していく状態を示す図、(c)は(b)で示した神経細胞の始領域に対する終領域を示す説明図である。図10は図9に示した神経細胞を解析した最終結果を模式的に示す説明図である。
本実施形態の神経細胞画像解析装置は、図1に示すように、細胞観察用の顕微鏡1、CCDカメラ2などの撮像素子、及び神経細胞を保持するためのスライドガラスやマルチプレートを動かすための電動ステージ(不図示)を有してなる画像取得手段と、顕微鏡1及び撮像素子2に接続されたパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」)3を備えている。
画像取得手段は、神経細胞から発せられる光の像を顕微鏡1を介してCCDカメラに導きCCDカメラ2を介して画像として取得することができるように構成されている。
パソコン3は、動作制御を指示するためのソフトウェア4を介して顕微鏡1の動作を制御する機能と、神経細胞画像解析ソフトウェア5を介してCCDカメラ2を介して得られた神経細胞画像に対して所定の自動解析処理を行う機能を有している。
また、本実施形態の細胞画像解析装置は、神経細胞を自動解析するに先立ち、画像取得手段を介した神経細胞画像の撮像等、解析の準備段階の処理も全自動で行うことができるようになっており、細胞画像取得手段は、スライドガラスやマルチプレートに保持される神経細胞の画像をあらかじめユーザーが設定した撮像位置や、画像の取得枚数などの条件に従い、全自動で撮像するように構成されている。
そして、このように構成された細胞画像取得手段は、次のようにして神経細胞画像を自動的に取得する。ユーザーは、予め顕微鏡装置の動作制御を指示するためのソフトウェア4を介して顕微鏡1に設けられる対物レンズの選択や蛍光フィルタの選択などの詳細な観察条件を事前設定しておく。細胞画像取得手段は、予め設定された動作制御に従い、例えば、電動ステージを所定量移動して所望の試料を観察位置に移動し、この位置で自動的に焦点位置を合わせ、CCDカメラ2などの撮像素子を用いて撮像し、パソコン3に画像データとして蓄積する。
解析処理手順の概要
そして、本実施形態の神経細胞画像解析装置では、取得した神経細胞画像に対し、神経細胞画像解析ソフトウェア5を介して、次のような手順で解析処理を行う。
神経細胞における突起状の部位や管状の部位の構造についての解析処理は、図2に示すように、画像取得手段を介して得られた神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割(「円状領域分割」)するステップ(ステップS1)、各円状領域の中心点、平均輝度など、分割した領域ごとにその領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出(「特徴量抽出」)するステップ(ステップS2)、隣り合う領域の相関を示す行列(「領域相関行列」)を取得するステップ(ステップS3)、取得した行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップ(ステップS4)、これらの結果として得られた情報から、神経細胞における突起状の部位や管状の部位の総数、平均の長さ、分岐の数、などの統計量を算出するステップ(ステップ5)の順で行うようになっている。
次に、図2に示した解析処理手順における各ステップで行う処理の詳細について説明する。
神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップ(ステップS1)
ステップS1では、円状領域を基本とした分割処理を行う。詳しくは、図3に示すように、取得した細胞画像の領域を二値化するステップ(ステップS11)、半径が最大となる内接円を決定するステップ(ステップS12)、内接円を含む領域ごとに分割するステップ(ステップS13)の順で行うようになっている。
取得した細胞画像の領域を二値化するステップ(ステップS11)
ステップS11では、取得した神経細胞画像を適当な手法により二値化処理を行い、神経細胞画像中における神経細胞の領域と神経細胞以外の領域との境界を検出する。例えば、神経細胞が存在する領域は、存在しない領域に比較して画素上で得られる輝度が大きいことを利用して、細胞画像中の各点での輝度値の平均値を閾値とし、図5(a)に示すように、その平均値以上の輝度の点を”1”、平均値を下まわる輝度の点を”0”とするなどの手法を用いて境界を検出する。
半径が最大となる内接円を決定するステップ(ステップS12)
ステップS12では、神経細胞の領域に、境界に内接する円を設けていく。そして、境界に内接する円のうち、半径が最大となる内接円を重ならないようにして設けることにより、複数の半径が最大となる内接円を得る。ここでの、半径が最大となる内接円とは、次の図4(c)、図4(d)に示すような円をいう。
二値化した値”1”の領域(即ち、神経細胞の画像における神経細胞の領域)において、単に、少なくとも一方の境界に接する円を設けるだけでは、図4(a)に示すような円も含まれることになる。しかし、このような円では、境界に接しない側において神経細胞が存在する領域と存在しない領域とを区分けすることができず、当該部位における神経細胞の位置や大きさ等の情報を正確に把握することができない。なお、このような円の中心となる点は、円が接していない側の境界までの距離が遠くなる。
これに対し、境界に内接する円を設ければ、境界の両側において神経細胞が存在する領域と存在しない領域とを区分けすることができ、当該部位における神経細胞の位置や大きさ等の情報を正確に把握することができる。そして、境界に内接する円を設ける場合は、二値化した値”1”の領域(即ち、神経細胞の画像における神経細胞の領域)において、両側の境界に対して最短距離となる点を決定することになる。この距離は、二値化した値”1”の各点を中心として境界に接する円の半径の最大値となる。
そこで、二値化した値”1”の各点を中心として境界に接する円の最大値をとれば、この円は内接円となる。
ただし、二値化した値”1”の領域中において、単に内接円を設けただけでは、図4(b)に示すように、複数の内接円が重なることになり、これでは、後述の内接円を含む領域ごとに分割することができない。
そこで、図4(c)に示すように、複数の重なる内接円のうちで半径が最大となる内接円を当該二値化した値”1”の領域に設ける内接円として決定する。そして、図4(d)に示すように、以後、この内接円を設けた領域を除いた二値化した値”1”の領域において、同様の手法により内接円を順に設けて行く。
即ち、この最大の半径を持つ内接円の内部に含まれる点を除いた神経細胞領域において、半径が最大となる内接円を設け、その内接円に含まれる点を除いて行く。これらの処理を繰り返すことで、図5(b)に示すように、それぞれの領域において局所的に最大の半径を持つ複数の内接円が決定する。
内接円を含む領域ごとに分割するステップ(ステップS13)
ステップS13では、神経細胞の領域を内接円の領域及びその周辺領域とを合わせた領域ごとに分割する。即ち、画像中の二値化した値”1”の領域における各点のうち、ステップS12で決定した半径が最大となる内接円の外部に位置する点の夫々に対し、もっとも近い位置にある内接円を検出し、図5(c)に示すように、これらの点が最も近い内接円の領域に含まれるように各内接円を含む領域を分割する。これにより、神経細胞の領域におけるすべての点が、内接円を含むいずれかの領域に区分けされることになる。
分割した領域ごとにその領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出するステップ(ステップS2)
ステップS2では、各円状領域の中心点、平均輝度などの各領域を特徴づけるパラメタ量を抽出する。
円状領域分割ステップS1で分割した各領域を特徴づけるパラメタ量としては、領域の中心点、内接円の半径、平均輝度などが考えられる。
特に、各円状領域の中心点(即ち、各領域における内接円の中心点)でもって各領域の位置を表すようにすると、分割した隣接する領域の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度などの位置情報をほぼ正確に検出することができるようになる。
画像中における細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度は、通常は、上述した各領域における内接円の中心点で各領域の位置を表す手法を用いなくても、従来一般に知られている、画像中に3つの点をとり、その内積に基づいて計算する手法を用いて求めることができる。そして、その手法により得られた角度から、神経細胞における突起状の部位や管状の部位の詳細な構造を解析することができる。これらの構造は、通常は、図6(a)に示すように、ほぼ直線に近い構造をとるため、得られた解析結果は、ある程度の正確さを備えている。
また、画像中における細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度は、突起状の部位や管状の部位における分岐状態を解析する場合において、例えば、複数の管状の部位が重なり合って分岐する構造について、どのようなルートの管状の部位が重なってこのような構造を作るのか等を判断するために必要となる情報である。
しかしながら、例えば、図6(a)に示したような管状の部位が全体的にほぼ直線状に構成された細胞に対して、図6(b)に示すように、互いの距離が非常に短い3つの点をとり、その内積に基づいて計算した場合、画像中の細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度は、細胞全体の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度に対して、大きな誤差が生じ易くなる。
一方、図6(c)に示すように、互いの距離が長い3つの点をとり、その内積に基づいて計算した場合、細胞において局所的に折れ曲がる方向や角度に対して、大きな誤差を含むことになる。
よって、神経細胞における突起状の部位や管状の部位管状の詳細な構造を正確に検出するためには、上述した3つの点をとる手法以外の正確な検出方法を用いることが必要となる。
また、例えば、図6(b)に示したように、3つの点を管状の部位における境界部にとることによって、局所的な部位についての折れ曲がる方向や角度を検出しても、管状の部位の幅や管状の部位の構造は一様ではない。例えば、図6(b)に示す3つの点をとった境界部に対向する境界部は、必ずしも3つの点をとった境界部と同様の折れ曲がり方向や角度で折れ曲がっていない。このため、3つの点を管状の部位における境界部にとると、神経細胞における突起状の部位や管状の部位管状の詳細な構造の解析結果に大きな誤差を生じ易い。
このため、従来一般に知られている、画像中に3つの点をとり、その内積に基づいて計算する手法を用いて画像中における細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を算出する場合には、神経細胞における突起状の部位や管状の部位の詳細な構造を正確に解析するために、算出結果を補正する等の人為的作業が必要となる。
これに対し、本実施形態の神経細胞画像解析装置のように、分割した領域ごとに位置情報を表すようにし、しかも、領域ごとの位置情報を内接円の中心点で表しているが、これら内接円の中心点及び中心点同士を結ぶ距離は、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を正確に算出するのに適した位置、及び距離(内接円のほぼ直径程度の距離)となっている。このため、これら内接円の中心点を用いることで、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を正確に算出でき、突起状の部位や管状の部位などの詳細な構造を正確に解析することができる。
また、分割した各領域における内接円の中心点は、分割した各領域の厚さに応じて決定される。このため、本実施形態の細胞画像解析装置のように、各円状領域の中心点(即ち、各領域における内接円の中心点)でもって各領域の位置を表すようにすると、細い管状の部位に対しては、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を細かく算出することができるなどの利点がある。そして、このようにすれば、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を正確に算出するために必要な点だけを用いて算出することができ、上述した従来一般に知られている3点をとって算出する手法を用いた場合における不必要な箇所に点を設けたり、必要な箇所に点を設けなかったりすることがなくなる。そして、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を正確に算出することができるため、上記角度等を算出後に算出結果を補正する等の人為的作業をしなくて済み、ほぼ自動解析を行うことができるようになる。
また、本実施形態の細胞画像解析装置において分割した各領域の平均輝度などの情報をパラメタ量として抽出すれば、輝度に応じて管状の部位が接しているのか、いないのか、などの基本的な情報を取得することができ、細胞における突起状や管状の部位を正確にトレースすることができる。
そして、本実施形態の神経細胞画像解析装置における、このような各分割された領域ごとの各円状領域の中心点、平均輝度などのパラメタ量を抽出する機能は、細胞における突起状や管状の部位が複数絡み合っているような複雑な構造を解析する場合、特に有効である。
例えば、図7(a)に示すように、細胞1における管状の部位に対し、細胞2における管状の部位、及び細胞3における管状の部位が絡んでいる場合、細胞画像を観察者が目視すれば、各細胞における夫々の管状の部位を1本ずつトレースすることは可能である。しかし、それでは、上述したように観察者に負担を強いることになる。
しかるに、各細胞における夫々の管状の部位を自動的にトレースするために、上述したような従来一般に知られている3点をとって算出する手法を用いた場合において、3点の間隔を比較的長距離にとると、夫々の管状の部位がどのように分岐しているのかをうまく認識できない場合が起こり易い。例えば、図7(b)に示すように、細胞1における細胞体近傍の点並びに細胞2及び細胞3と絡んでいる点と、細胞1〜細胞3のそれぞれ任意の点との3点を用いて細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を算出しても、各細胞における夫々の管状の部位が1本ずつであることを解析することが難しい。
また、3点の間隔を短距離にとると、例えば、図7(c)に示すように、細胞における管状の部位が急角度で曲がっているような場合、急角度で曲がる点でもって細胞における夫々の管状の部位が切れているものとして、それらの点を夫々別の管状の部位のつなぎ目として認識し、その結果、多くの点で管状の部位が切れていると誤認してしまい易い。
その点、本実施形態の神経細胞画像解析装置によれば、このような各分割された領域ごとの各円状領域の中心点、平均輝度などのパラメタ量が、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を正確に算出するための適度な基準となるので、細胞における突起状や管状の部位が複数絡み合っているような複雑な構造を正確に解析することができる。
隣り合う領域の相関を示す行列(「領域相関行列」)を取得するステップ(ステップS3)
ステップS3では、各領域の相関を決定する行列を取得する。
この行列は、例えば、領域の数をx,領域の最大分岐数(当該領域に対して隣接する領域の最大数)をyとした(x,y)成分で表現することができる。
詳しくは、例えば、図8(a)に示すような内接円を設けることのできる細胞画像があったとする。図8(a)では、最も左側の内接円(を含む領域)を1とし、以後順に2、3、・・・9の番号を付して示してある。
図8(a)に示す細胞画像についての各領域の相関を決定する行列は、図8(b)のように示される。領域の数が9個であるから、1行目にx軸方向に沿って領域の番号1〜9の値をとる。また、2行目以降に夫々の領域において隣接する領域の番号をy軸方向に沿ってとる。例えば、領域1に隣接する領域は領域2のみである。また、領域2において隣接する領域は領域1、領域3、領域4である。
隣接する領域の情報は、例えば突起状の部位や管状の部位のトレースなどに必須の情報であり、また分岐の有無や分岐数などの決定にも必要とされる情報である。
本実施形態の神経細胞画像解析装置のように、隣り合う領域の相関を行列化すると、これら分岐に関する解析を高速に行うことができる。
例えば、画像における位置情報をそのまま用いた場合、各領域における細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度を計算するごとに分岐位置の再計算が必要になる。
これに対し、各領域の相関を決定する行列を取得しておくと、分岐位置が簡単に把握できるため、上述した分岐位置の再計算の手間を省くことができる。
また、行列を、領域の数をx,領域の最大分岐数(当該領域に対して隣接する領域の最大数)をyとした(x,y)成分で表すようにしたので、領域の数をxとしたときにそのx個数分を行及び列としてとり、各要素における隣接の有無をすべて示した(x,x)行列(例えば、領域の数が10の場合に、行及び列に10個ずつ計100個分の要素をとり、全ての要素において隣接する領域があるとき”1”隣接する領域がないとき”0”と表現するような行列)の場合に比べて、少ないデータ量で構成することができるため、計算が高速化でき、また、行列の要素を計算に繰り返し利用するような場合には、高速化の効果が大きくなる。
また、管状の部位や突起状の部位を分割することによってできた所定領域における内接円の半径と、その領域に隣接する領域における内接円の半径とは、管状の部位や突起状の部位の構造上、ほぼ同じような値をとるものと考えることができる。このため、本実施形態の神経細胞画像解析装置のように、隣り合う領域の相関を行列化すると、領域数に応じて、管状の部位や突起状の部位の長さを測定することができ、所定の領域間における相対的な距離の計算にも有効となる。
例えば、本実施形態の神経細胞画像解析装置における隣り合う領域の相関を示す行列を使うと、最短ルートは次のように計算することができる。
適当にとった始領域に対して、この距離を1とする(図9(a))。さらに、行列要素で隣り合ったものをとり、2番目とし、順次すべての要素に対して隣り合う領域を求めていき、N番の番号を付与する(図9(b))。各領域の内接円の半径がほぼ同じ場合、N番目の領域における始領域からの距離はNに比例したものとなり、(N−1)×内接円の半径×2となる。また、この距離は、例えばN番目の領域の中心から始領域の中心までを直線で結んだ距離などと比較して正確なものとなる。従って、本実施形態の神経細胞画像解析装置によれば、図9に示すような曲がったルートに対しても、始領域からの距離を正確に算出することができるようになる。
また、本実施形態の神経細胞画像解析装置のように、隣接する領域の情報を含む行列を取得すれば、その行列のみの解析によって管状の部位や突起状の部位の分岐位置を正確に把握することができる。即ち、分岐する位置にある領域では、隣接した領域が3以上存在する(即ち、y成分が3以上存在する)ことになる。例えば、図8(a)に示すように番号を付した細胞についてのx、y行列においては、図8(b)に示すように、2番目の領域のy成分が3個(領域1、領域3、領域4)、5番目の領域のy成分が4個(領域4、領域6、領域7、領域9)存在する。これにより、2番目と5番目の領域は分岐位置にあることがわかる。
取得した行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップ(ステップS4)
ステップS4では、神経細胞のルート、分岐位置、分岐数などを検出する。
神経細胞のルートは、例えば、始領域からの距離で一番遠い位置(即ち、始領域から隣り合う領域同士が連続する領域の個数が一番大きくなる(ここではN個とする)領域の群において最も始領域から離れた領域(即ち、N番目の領域))を終点として、この終点から始点に向けてN−1番目、N−2、・・・の点を順にとっていくことにより、細胞の足のルートを取得することができる。このルートを1番目のルートとする(図9(b)におけるルート1)。
さらに、1番目のルートに隣り合う残りの領域に対しても、分枝する最も最初の領域を始領域とし、その始領域からの距離で一番遠い位置を終点として、その終点から始点に向けてN−1番目、N−2、・・・の点を順にとっていくことにより、ルートを求めることができる(図9(b)におけるルート2)。
以上の操作により、例えば、神経細胞の突起状の部位の本数が、M本(但し、Mはルートの数)というように検出される。なお、各領域に対しては、ルートごとに1〜Mまでの番号を付与する。これらの処理結果を所定のメモリや表示領域に出力する。
神経細胞における突起状の部位や管状の部位の総数、平均の長さ、分岐の数、などの統計量を算出するステップ(ステップS5)
ステップS5では、統計量を算出する。最終的な統計量は、ステップS4において出力した情報に基づいて決定され、m番目のルートの総延長は、mの番号が付与された領域間における各内接円の直径の総和により求めることができる。例えば、図10に示すルート1の部位の総延長は、ルート1における始領域(始点1)からルート1における終領域(終点1)までの各内接円の直径の総和として算出する。
また、分岐数は、ステップS4において出力したルートの数に基づいて決定される。また、分岐点は、ステップS3で取得した、隣り合う領域の相関を示す行列相対位置を用いて、m番目のルート番号が付与された領域のうち、m番目以外のルート番号を持つ隣接領域がある場合に分岐であるとして、分岐点が決定される。あるいは、上述したように、隣接した領域が3以上存在する(即ち、y成分が3以上存在する)領域より、分岐点が決定されることになる。
このように統計量を算出することにより、各ルートの総延長、ルートの総数、分岐の総数、各ルートに含まれる分岐の数、分岐したルートの総延長などのさまざまなパラメタを取得することができる。
従って、本実施形態の神経細胞画像解析装置及び神経細胞画像解析ソフトウェアによれば、神経細胞における樹状突起や軸索、及び軸索先端の軸索側枝などの、細胞における突起状の部位や管状の部位を正確且つ高速に解析することが可能となる。
神経細胞における樹状突起や軸索など、突起状や比較的長い管状の部位の構造を解析することが求められている医療、医学、生物学の分野に有用である。
本発明の一実施形態にかかる神経細胞画像解析ソフトウェアを備えた神経細胞画像解析装置の全体の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の神経細胞画像解析装置において取得した細胞画像から、突起状や管状の部位を持つ神経細胞の構造を解析する処理手順を示すフローチャートである。 図2に示した処理手順における円状領域分割ステップでの具体的な処理手順を示すフローチャートである。 図3に示した処理手順における最大内接円の決定手法を示す説明図で、(a)は境界の一方に接する円、(b)は境界に内接する複数の円が重なった状態、(c)は(b)の円のうち重なる領域において半径が最大となる円を最大内接円として選択した状態、(d)は(c)に示した最大内接円の領域を除く領域において半径が最大となる円を次の最大内接円として選択した状態を夫々示している。 図3に示した処理手順の内容をステップ毎に概念的に示す説明図で、(a)は画像領域を二値化して神経細胞と該神経細胞以外の領域との境界を検出した段階、(b)は二値化した神経細胞の領域における境界との最大内接円を順に決定していく段階、(c)は神経細胞の領域を各内接円を含む領域ごとに分割する段階を夫々示している。 神経細胞における折れ曲がる部位の解析について、従来一般の手法を用いた場合の問題点、及び本実施形態の神経細胞画像解析装置による手法を示す説明図で、(a)は全体的にほぼ直線状に構成された管状の部位の一例、(b)は(a)に示した管状の部位に対し従来一般の手法を用いて互いの距離が非常に短い3つの点をとった場合に解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例、(c)は管状の部位に対し従来一般の手法を用いて互いの距離が長い3つの点をとった場合に解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例、(d)は本実施形態の神経細胞画像解析装置による手法を用いた場合における解析される、細胞の延びる(あるいは折れ曲がる)方向や角度の一例を夫々示している。 神経細胞における突起状の部位や管状の部位が絡み合っているような複雑な構造を解析する場合における従来一般の手法を用いた場合の問題点を示す説明図で、(a)は神経細胞における管状の部位が複雑に絡み合っている状態の一例、(b)は従来の手法で(a)に示した状態の神経細胞の構造を解析する場合の問題点の一例を概念的に示した図、(c)は従来の手法で管状の部位が複雑に絡み合っている状態の神経細胞の構造を解析する場合の問題点の他の例を概念的に示した図である。 図2に示した処理手順における隣り合う領域の相関を示す行列の説明図で、(a)は神経細胞における分割した領域に番号を付した状態、(b)は(a)に示す分割した領域の番号をx成分、該領域において隣り合う領域の番号をy成分としてとった行列を夫々示している。 図2に示した処理手順における細胞のルート、分枝などの決定方法を示す説明図で、(a)は神経細胞の領域を最大内接円で示した模式図、(b)は(a)の神経細胞の領域における所定の領域を始領域として番号を付していく状態を示す図、(c)は(b)で示した神経細胞の始領域に対する終領域を示す説明図である。 図9に示した神経細胞を解析した最終結果を模式的に示す説明図である。 神経細胞の構造を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1 細胞観察用の顕微鏡
2 撮像素子(CCDカメラ)
3 パソコン
4 顕微鏡装置の動作制御を指示するためのソフトウェア
5 神経細胞画像解析ソフトウェア
51 細胞体
51a 細胞核
52 樹状突起
53 軸索
53a 軸索側枝
53b 軸索終端

Claims (16)

  1. 神経細胞から発せられる光の像を画像として取得する画像取得手段から得られた画像に対して所定の自動解析処理を行う神経細胞画像解析装置であって、
    前記画像取得手段を介して得られた神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップと、
    分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出するステップと、
    隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップと、
    取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップと、
    得られた情報の統計量を算出するステップと、
    を有し、
    これらの各ステップでの処理を介して神経細胞の構造を解析するようにしたことを特徴とする神経細胞画像解析装置。
  2. 前記神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップは、前記画像取得手段を介して得られた前記神経細胞画像に対して所定の二値化処理を行い、該神経細胞画像中における神経細胞の領域と該神経細胞以外の領域との境界を検出し、前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設け、さらに、該内接円を除く前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設ける作業を所定量繰り返し、次いで、前記神経細胞の領域を前記内接円の領域及びその周辺領域とを合わせた領域ごとに分割することを特徴とする請求項1に記載の神経細胞画像解析装置。
  3. 前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、少なくとも前記各円状領域における中心点を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の神経細胞画像解析装置。
  4. 前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、さらに、少なくとも前記各円状領域における内接円の半径、平均輝度の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項3に記載の神経細胞画像解析装置。
  5. 前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列は、前記分割した領域の番号をx成分として該領域の総個数分とるとともに、前記隣り合う領域の番号をy成分として領域の最大分岐数分とってなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の神経細胞画像解析装置。
  6. 前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列の値は、前記分割した領域における任意の領域を始領域として隣り合う領域に対し順に1〜Nの番号を付与し、該付与した1〜Nの番号をx成分に順にととるとともに、該各x成分における番号に対応する領域に隣接する領域の番号をy成分に順にとってなることを特徴とする請求項5に記載の神経細胞画像解析装置。
  7. 前記取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップは、前記分割した領域における任意の始領域を決定すると共に該始領域に対して最も遠い距離にある領域を終領域として決定し、該終領域から前記始領域までの一連の領域を第一のルートとして決定し、残りの領域に対し、該第一のルートから分岐の開始する領域を第二の始領域として決定すると共に該第二の始領域に対して最も遠い距離にある領域を第二の終領域として決定し、該第二の終領域から前記第二の始領域までの一連の領域を第二のルートとして決定し、さらに残りの領域に対して該第二のルートを決定する処理と略同様の処理を繰り返すことを特徴とする請求項6に記載の神経細胞画像解析装置。
  8. 前記得られた情報の統計量を抽出するステップは、前記各ルートの総延長、ルートの総数、分岐の総数、各ルートにおける分岐数の少なくともいずれかを取得することを特徴とする請求項7に記載の神経細胞画像解析装置。
  9. 神経細胞から発せられる光の像を画像として取得する画像取得手段から得られた画像に対して所定の自動解析処理を行う神経細胞画像解析装置に用いる神経細胞画像解析ソフトウェアであって、
    前記画像取得手段を介して得られた神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップと、
    分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定のパラメタ量を抽出するステップと、
    隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップと、
    取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップと、
    得られた情報の統計量を算出するステップと、
    を有し、
    これらの各ステップでの処理を介して神経細胞の構造を解析するようにしたことを特徴とする神経細胞画像解析ソフトウェア。
  10. 前記神経細胞画像を円状領域を含む複数の領域に分割するステップは、前記画像取得手段を介して得られた前記神経細胞画像に対して所定の二値化処理を行い、該神経細胞画像中における神経細胞の領域と該神経細胞以外の領域との境界を検出し、前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設け、さらに、該内接円を除く前記神経細胞の領域に半径が最大となる前記境界との内接円を設ける作業を所定量繰り返し、次いで、前記神経細胞の領域を前記内接円の領域及びその周辺領域とを合わせた領域ごとに分割することを特徴とする請求項9に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  11. 前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、少なくとも前記各円状領域における中心点を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  12. 前記分割した領域ごとに該領域を特徴付ける所定の特徴量パラメタの量を抽出するステップにおいて抽出する特徴量パラメタは、さらに、少なくとも前記各円状領域における内接円の半径、平均輝度の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項11に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  13. 前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列は、前記分割した領域の番号をx成分として該領域の総個数分とるとともに、前記隣り合う領域の番号をy成分として領域の最大分岐数分とってなることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  14. 前記隣り合う領域の相関を示す行列を取得するステップにおける行列の値は、前記分割した領域における任意の領域を始領域として隣り合う領域に対し順に1〜Nの番号を付与し、該付与した1〜Nの番号をx成分に順にととるとともに、該各x成分における番号に対応する領域に隣接する領域の番号をy成分に順にとってなることを特徴とする請求項13に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  15. 前記取得した前記行列を用いて神経細胞のルート及び分岐状態を検出するステップは、前記分割した領域における任意の始領域を決定すると共に該始領域に対して最も遠い距離にある領域を終領域として決定し、該終領域から前記始領域までの一連の領域を第一のルートとして決定し、残りの領域に対し、該第一のルートから分岐の開始する領域を第二の始領域として決定すると共に該第二の始領域に対して最も遠い距離にある領域を第二の終領域として決定し、該第二の終領域から前記第二の始領域までの一連の領域を第二のルートとして決定し、さらに残りの領域に対して該第二のルートを決定する処理と略同様の処理を繰り返すことを特徴とする請求項14に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
  16. 前記得られた情報の統計量を抽出するステップは、前記各ルートの総延長、ルートの総数、分岐の総数、各ルートにおける分岐数の少なくともいずれかを取得することを特徴とする請求項15に記載の神経細胞画像解析ソフトウェア。
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