JP4755020B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍・空調用の冷媒圧縮機として広く適用できるスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機は、端板と該端板上に立設された渦巻き状ラップとを有する一対の固定スクロールと旋回スクロールとを180度位相をずらせて噛み合わせることにより複数の圧縮室を形成し、半径方向最外方に形成される圧縮室に冷媒を吸い込み、該圧縮室を旋回スクロールの公転旋回運動によりその容積を減少させながら中心側へと移動させて冷媒を圧縮し、固定スクロールの中央部に設けられた吐出ポートから圧縮冷媒を吐出するよう構成される。
このようなスクロール圧縮機において、冷凍・空調装置が長時間停止し、圧縮機に冷媒が液冷媒として多量に溜まりこんだ状態から起動する場合、あるいは冷媒が蒸発しきれないまま圧縮機に戻る、いわゆる液バック運転となった場合などに、圧縮室に液冷媒や冷凍機油が吸い込まれ、液圧縮を生ずることがある。
液圧縮を生ずると、スラッギング音等の異常音や、圧縮室内が異常高圧となって渦巻き状ラップを破損する等の事故が発生するおそれがある。そこで液圧縮を防止するため、圧縮途中で圧縮室内の圧力が予め設定された圧力以上になったとき、リリーフ弁を開いて液冷媒等の液体を圧縮室から吐出側あるいは吸入(低圧)側へ流出させるリリーフポートを設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、液圧縮の防止を目的としたものではないが、固定スクロールと旋回スクロールの噛み合い時における噛み合いの不連続および噛み合いに伴う剛性変化に起因する騒音等の発生を低減するために、渦巻き状ラップの半径方向最外方の巻き終り端部の所定旋回角範囲にラップ基準面から滑らかに逃げる逃がし部あるいは斜めの辺を有する切り欠き部を設けたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
なお、この逃がし部や切り欠き部は、冷媒に対して漏れ隙間となるものであるが、効率に影響を及ぼさないよう最小深さに形成されている。
特開2000−345976号公報 特開2001−123971号公報
一般にリリーフポートを設ける際、スクロールの中心に対して対称に形成される一対の圧縮室に対応して一対のリリーフポートを設けるのが通常であるが、この場合、特定の旋回角位置においてリリーフポートが圧縮室と連通しない状態が生ずる。そこで特許文献1に記載のものでは、渦巻き方向に沿って少なくとも4個のリリーフポートを設け、各圧縮室が常にリリーフポートと連通するようにし、各圧縮室に閉じ込められた液冷媒等の液体を圧縮することなく排出できるようにしている。
しかしながら、このように多数のリリーフポートを設ける場合、各リリーフポートに対応して固定スクロール端板の背面側にリリーフポートを開閉するリリーフ弁を設置する必要が生じるため、その設置スペースを確保しなければならなくなる。
固定スクロール端板の背面側は、吐出弁の設置、吐出室容積の確保、あるいはオイルセパレータの設置等のため、スペース的に余裕はなく、昨今の圧縮機小型化の要求と相まって、多数のリリーフ弁の設置は大きな制約条件となるのみならず、部品点数が多く構造が複雑となってコストアップの要因ともなるなどの問題が生じる。
また、特許文献2に記載されている逃がし部や切り欠き部は、冷媒に対して漏れ隙間となるものではあるが、この逃がし部や切り欠き部は、もとより噛み合いの不連続や噛み合いに伴う剛性変化に起因する騒音を低減するために設けられるものであって、液圧縮防止効果を期待し得るものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、冷媒の吸入締め切り過程から吐出に至る全圧縮過程において、液圧縮を確実に防止することができると共に、このような液圧縮の防止を多数のリリーフ弁等を設置することなく、簡易な構成により実現できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のスクロール圧縮機は、端板と該端板上に立設された渦巻き状ラップとを有する一対の固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせることにより複数の圧縮室を形成し、半径方向最外方に形成される圧縮室に流体を吸い込み、該圧縮室を旋回スクロールの公転旋回運動によりその容積を減少させながら中心側へと移動させて流体を圧縮し、前記固定スクロールの中央部に設けられた吐出ポートから圧縮流体を吐出するようにしたスクロール圧縮機において、前記吐出ポートと連通する半径方向最内方の圧縮室および前記半径方向最外方に形成される圧縮室を除く中間部の圧縮室に連通し、該圧縮室内の流体圧力が予め設定された圧力以上になったとき、リリーフ弁を開いて流体を該圧縮室から流出させるリリーフポートを前記固定スクロールに設けると共に、少なくとも前記渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置から前記リリーフポートが前記中間部の圧縮室に連通する旋回角位置に至るまでの区間に該圧縮室内が過圧縮状態とならないよう流体を吸入室側へ漏らす漏らし流路を前記渦巻き状ラップに形成したことを特徴とする。
上記のスクロール圧縮機によれば、圧縮室に液冷媒や油を吸い込むと、液圧縮を起こし圧縮室内が異常高圧(過圧縮状態)となり、渦巻き状ラップが破損する等の事故を発生する場合がある。そこで吐出ポートと連通する半径方向最内方の圧縮室および前記半径方向最外方に形成される圧縮室を除く中間部の圧縮室と連通するリリーフポートを設け、該圧縮室内の流体圧力が設定圧以上になったとき、リリーフ弁を開いて流体を該圧縮室から流出させることによって、液圧縮を防止する構成が採用される。しかし、このようなリリーフポートだけでは半径方向最外方の圧縮室が形成される吸入締め切り位置からリリーフポートが中間部の圧縮室に開口する旋回角位置までの間における液圧縮を防止することはできない。本発明では、さらに渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置からリリーフポートが中間部の圧縮室に連通する旋回角位置に至るまでの区間において、渦巻き状ラップに漏らし流路を形成し、当該区間において圧縮室内が過圧縮状態とならないよう流体を吸入室側へ漏らすことができるようにしているため、当該区間における液圧縮やそれに伴う異常音の発生等をも防止することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記漏らし流路を、前記渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置から前記リリーフポートが前記中間部の圧縮室に連通する旋回角位置に至るまでの区間において前記渦巻き状ラップの一部を切り欠いて形成したことを特徴とする。
上記のように、漏らし流路は、例えば、渦巻き状ラップの腹側面または背側面を前記区間においてその厚さ方向に微小寸法切り欠く、あるいは渦巻き状ラップの高さ方向先端部分を前記区間において高さ方向に微小寸法切り欠くことにより形成でき、この切り欠きによって液圧縮防止のための漏らし流路を、リリーフポートにリリーフ弁を設置した複雑な構成とすることなく、簡易に構成することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述いずれかのスクロール圧縮機において、前記漏らし流路の流路面積を、少なくとも前記リリーフポートの開口面積と同等以上で前記圧縮室内が異常高圧あるいは過圧縮状態とならない大きさの面積としたことを特徴とする。
漏らし流路の流路面積をリリーフポートの開口面積と同等以上で前記圧縮室内が異常高圧あるいは過圧縮状態とならない大きさの面積とすることにより、漏らし流路によってもリリーフポートと同等の液圧縮防止効果を得ることができる。また、漏らし流路からの流体漏れを最小限とし、圧縮効率の低下を抑制しつつ押しのけ量を確保しながら、漏らし流路およびリリーフポートに連通する旋回角範囲全域において確実に液圧縮を防止することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述いずれかのスクロール圧縮機において、前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールの前記端板が略鉛直面内に配置され、前記リリーフポートおよび前記漏らし流路は、下部側に位置する前記圧縮室のみに設けられていることを特徴とする。
固定スクロールおよび旋回スクロールの端板が略鉛直面内に配置された、いわゆる横型スクロール圧縮機の場合、重力の関係で液冷媒や油は下部側の圧縮室に溜まりやすく、この下部側の圧縮室のみにリリーフポートおよび漏らし流路を設けることにより、当該圧縮室での液圧縮を防止することができる。また、他の圧縮室においては漏らし流路からの流体漏れによる圧縮効率の低下をなくすることができるため、その分だけ圧縮能力を高めに維持することができる。
本発明によれば、渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置からリリーフポートが中間部の圧縮室に開口する旋回角位置に至るまでの区間に漏らし流路を形成し、当該区間において圧縮室内が過圧縮状態とならないように流体を吸入室側へ漏らすことができるようにしているため、冷媒の吸入締め切り過程から圧縮・吐出に至る全圧縮過程において、液圧縮やそれに伴うスラッギング音等の異常音の発生を確実に防止することができる。
また、漏らし流路によって液圧縮防止のためのリリーフ手段を構成しているため、多数のリリーフ弁等を設置する必要がなく、液圧縮防止を簡易な構成にて実現することができる。従って、スクロール圧縮機の小型化ニーズにも対応することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図7を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかるスクロール圧縮機1の一部破断側面図が示されている。
なお、このスクロール圧縮機1は、外部駆動源から回転駆動力を得て駆動されるタイプのものであるが、これに限らず電動モータを一体的に内蔵した密閉型スクロール圧縮機にも本発明が適用できることはいうまでもない。
スクロール圧縮機1は、フロントハウジング5とリアハウジング7とをシール材(図示せず。)を介してボルト9により一体的に締め付け固定した密閉ハウジング3を有する。該密閉ハウジング3内のフロントハウジング5側の内部には、ベアリングを介してクランク軸(図示せず。)が回転自在に支持されており、該クランク軸の一端はフロントハウジング5を貫通して図の左側に突出している。この突出部には電磁クラッチ11が装着されており、フロントハウジング5の一端のボス部外周にベアリングを介して回転自在に設けられたプーリー13との間で動力が断続されるようになっている。なお、プーリー13には、図示されていない駆動源からVベルト等を介して動力が伝達される。
上記クランク軸の他端には、公知のようにクランク軸の回転中心より所定寸法だけ偏心した状態で偏心ピン(図示せず。)が一体に設けられており、この偏心ピンに後述する旋回スクロール21が連結され、該旋回スクロール21が旋回駆動されるように構成される。
リアハウジング7側の内部には、圧縮機構を構成する一対の固定スクロール15と旋回スクロール21が設置されている。固定スクロール15は、端板17と該端板17から立設された渦巻き状ラップ19とから構成され、一方、旋回スクロール21は、端板23と該端板23から立設された渦巻き状ラップ25とから構成される。
一対の固定スクロール15と旋回スクロール21は、渦巻き状ラップ19,25同士が180度位相をずらせて噛み合わせた状態で組み込まれる。これによって、両スクロール15,21間には、端板17,23と渦巻き状ラップ19,25とにより限界された一対の圧縮室27がスクロールの中心に対して対称に形成されることになる。固定スクロール15は、リアハウジング7の内部に固定設置され、旋回スクロール21は、端板23の背面に設けられたボス部に前記したクランク軸の一端に設けられている偏心ピンがブッシュおよびベアリングを介して嵌め込まれることによりクランク軸に連結される。
また、旋回スクロール21は、フロントハウジング5側の内部に形成されているスラスト受け面に端板23の背面が支持されるようになっており、該スラスト受け部と旋回スクロール21の背面との間に介装されたオルダムリング等の自転阻止手段により、自転が阻止された状態で固定スクロール15に対して公転旋回運動されるよう構成される。
固定スクロール15の端板17の中央部には、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポート29が開口されており、該吐出ポート29には、端板17にリテーナ31を介して取り付けられた吐出リード弁33が設けられている。更に、固定スクロール15の端板17の背面側には、吐出ブロック35がリアハウジング7の内面に対して密接されるように設置され、密閉ハウジング3の内部空間から区画された吐出チャンバー37を形成している。
また、密閉ハウジング3の内部空間の大部分は、吸入チャンバー39となっており、該吸入チャンバー39には、リアハウジング7に設けられている吸入口41を介して冷媒ガスが吸入され、この吸入チャンバー39を経て前記した固定スクロール15と旋回スクロール21間に形成される圧縮室27に冷媒ガスが吸い込まれるようになっている。
以上のように構成されたスクロール圧縮機において、外部駆動源からプーリー13に伝達された回転駆動力を、電磁クラッチ11を介してクランク軸に伝達し、クランク軸を回転すると、該クランク軸の偏心ピンに連結されている旋回スクロール21が自転阻止手段により自転を阻止されながら、固定スクロール15に対し公転旋回運動を行う。この旋回スクロール21の公転旋回運動によって、半径方向最外方に形成される圧縮室27内に、吸入口41を経て吸入チャンバー39内に吸入された冷媒ガスが吸い込まれる。圧縮室27は、所定の旋回角位置で吸入締め切りされた後、その容積が減少されながら中心側へと移動される。この間に冷媒ガスは圧縮され、当該圧縮室27が吐出ポート29に連通する位置に達すると、吐出リード弁33を押し開いて吐出チャンバー37に吐き出され、この圧縮冷媒ガスは、さらに吐出チャンバー37を経て圧縮機外へと吐出される。
このような圧縮過程において、冷凍・空調装置が長時間停止し、圧縮機に冷媒が液冷媒として多量に溜まりこんだ状態から起動する場合や、冷媒が蒸発しきれないまま圧縮機に戻る、いわゆる液バック運転となった場合などに、この液冷媒や冷凍機油が圧縮室27内に吸い込まれ、液圧縮を生ずることがある。
液圧縮が生ずると、スラッギング音等の異常音の発生や著しい場合には異常高圧に起因して渦巻き状ラップ19,25が根元部から破損する等の事故が発生する。この液圧縮を防止するため、本実施形態では以下のような構成を採用している。
その一つは、図1および図2に示すように、吐出ポート29と連通する半径方向最内方の圧縮室27および半径方向最外方に形成される圧縮室27を除く中間部の圧縮室27に連通し、該圧縮室27内の冷媒の圧力が予め設定された圧力以上になったとき、リリーフ弁45を開いて液冷媒等を該圧縮室27から流出させるリリーフポート43を、それぞれ一対の圧縮室27に対応して固定スクロール15の端板17に設けた構成である。
リリーフポート43は、図2に示すように、圧縮室27の吸入締め切り位置から例えば旋回角で約450度半径方向内方に進んだ位置にそれぞれ2個の穴を穿つことにより設けられる。なお、この穴は1個であってもよいことは勿論である。
リリーフ弁45は、リード弁によって構成されており、リテーナ47を介して固定スクロール15の端板17背面に設置されている。
リリーフポート43を経て圧縮室27から流出された液冷媒等は、吐出ブロック35に設けられているリテーナ室49、通路51およびリアハウジング7に設けられている通路53を経て圧縮機への冷媒吸入配管中または吸入チャンバー39中などの低圧側に戻されるようになっている。
上記のように、リリーフポート43を設けることにより、該リリーフポート43が吐出ポート29と連通する半径方向最内方の圧縮室27および半径方向最外方に形成される圧縮室27を除く中間部の圧縮室27に連通したとき、該圧縮室27内の液冷媒等を、リリーフポート43を介して流出させ、これによって液圧縮を防止することができる。しかしながら、半径方向最外方の吸入締め切り位置で圧縮室27に閉じ込められた液冷媒は、該圧縮室27がリリーフポート43に連通する位置まで移動しない限り、当該圧縮室27に閉じ込められて圧縮されるため、当該区間での液圧縮を防止することができない。
もう一つは、上記の区間、すなわち少なくとも半径方向最外方の吸入締め切り位置から圧縮室27がリリーフポート43に連通する位置までの区間で液圧縮を防止できるようにするため、図2および図3に示すように、渦巻き状ラップ19,25の半径方向最外方の吸入締め切り位置からリリーフポート43が圧縮室27に連通する旋回角位置に至るまでの区間において、圧縮室27内が過圧縮状態とならないよう流体を吸入チャンバー39側へ漏らすことができる漏らし流路55を形成した構成である。
漏らし流路55は、図5に示すように、旋回角θ上において吸入締め切り位置θs(図2の噛み合い状態)からリリーフポート43が圧縮室27に連通する旋回角位置θp(図3の噛み合い状態)より少し進み、リリーフポート43が圧縮室27と連通する区間と一部オーバーラップする旋回角位置θtまでの区間θmに形成される。
また、この漏らし流路55は、例えば図2および図3に示すように、固定スクロール15および旋回スクロール21の渦巻き状ラップ19,25の腹側面を旋回角位置θtから渦巻き状ラップ19,25の半径方向最外方の吸入締め切り位置θsにかけてラップ厚さ方向に微小寸法Δtだけ切り欠くことにより形成できる。なお、この微小寸法Δtは、理解の容易のために誇張されて図示されており、実際の寸法とは異なる。
なお、この切り欠き55Aは、図6に示すように渦巻き状ラップ19,25の高さ方向の全域にわたって設けてもよいし、図7に示すように渦巻き状ラップ19,25の高さ方向の一部の領域に設けてもよい。
また、漏らし流路55は、図4に示すように、渦巻き状ラップ19,25の背側面に切り欠き55Bを上記の区間θmにわたって設けることにより形成してもよい。
このように、ラップの厚さ方向に切り欠き55A,55Bを設けることにより、漏らし流路55を形成した場合、漏らし流路55の流路面積を旋回角位置に関係なく一定にすることができる。
さらに、上記漏らし流路55の流路面積は、少なくともリリーフポート43の開口面積と同等もしくはそれ以上とされる。これは液圧縮条件において、リリーフポート43から液圧縮されず(異常高圧あるいは過圧縮状態とならない)に、またスラッギング音等の異常音が発生しないように、或る流速以下で液冷媒等を排出できるのと同様に、漏らし流路55から液冷媒等を流出できるように、その流路面積が決定される。なお、この漏らし流路55の流路面積は、通常の圧縮条件では効率に影響を及ぼさないよう最小限とされることはいうまでもない。
以上の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
スクロール圧縮機1が液圧縮条件での運転となり、吸入締め切り位置θsにおいて圧縮室27に液冷媒等が吸い込まれた場合でも、該圧縮室27が漏らし通路55が設けられている区間θmを移動する間は、漏らし通路55を介して液冷媒等を吸入チャンバー39側へと流出させることができる。従って、この区間、すなわち吸入締め切り位置θsから旋回角θtまでの区間θmでの液圧縮やそれに起因するスラッギング音等の異常音の発生を防止することができる。
また、旋回角θtに至る少し前の旋回角θp位置で圧縮室27がリリーフポート43に連通する。それ以降、圧縮室27はリリーフポート43に連通した状態で中心側へと容積を減少しながら移動し、この間に液圧縮等によって過圧縮状態に至り、圧縮室27内の圧力が設定圧以上になると、リリーフ弁45が開き、圧縮室27内の液冷媒等はリリーフポート43を介してリテーナ室49へと流出される。この液冷媒等は、リテーナ室49から通路51,53を経て圧縮機への冷媒吸入配管中あるいは吸入チャンバー39内へと戻される。これによって、区間θmに続く圧縮区間においても液圧縮やそれに起因するスラッギング音等の異常音の発生を防止することができる。
従って、圧縮過程の全区間において、液圧縮やそれに起因するスラッギング音等の異常音の発生を確実に防止することができる。
また、吸入締め切り位置θsから旋回角θtまでの区間θmでの液圧縮等の防止は、渦巻き状ラップ19,25のラップ面の一部を削除した切り欠き55A,55Bにより形成される漏らし通路55を設けた構成により実現できる。このため、リリーフポートやリリーフ弁をラップの巻き方向に沿って複数対設け、常に圧縮室がリリーフポートに連通するように構成したものに比べ、構成を簡易にし、コストダウンできるのみならず、これらの設置スペースをセーブできることから、圧縮機小型化ニーズにも対応できる等の効果が期待できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、漏らし流路の形成の仕方が異なっている。その他の点については第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図8は、固定スクロール15および旋回スクロール21の渦巻き状ラップ19,25の半径方向外方の巻き終り端部付近の展開側面図である。
本実施形態では、渦巻き状ラップ19,25の巻き終り端部付近の吸入締め切り位置θsから旋回角θtまでの区間θmにおいて、ラップ先端部分をその高さ方向に微小寸法Δlだけ切り欠くことにより、漏らし流路65を形成している。なお、微小寸法Δlは、理解の容易のために誇張されて図示されており、実際の寸法とは異なる。
漏らし流路65を形成するための切り欠き65Aは、微小寸法Δl×区間θmで求められる流路面積がリリーフポート43の開口面積と同等以上となるように設定される。
このように渦巻き状ラップ19,25の高さ方向を切り欠くことによって、漏らし流路65の流路面積が設定し易くなる。
なお、ラップ先端部分に切り欠き65Aを設ける際、図8に2点鎖線で示すように斜めに切り欠くことによって、漏らし流路65の流路面積を区間θmにおける旋回角位置に関係なく一定にすることができる。
本実施形態によっても、吸入締め切り位置θsから旋回角θtまでの区間θmにおいては、漏らし流路65から液冷媒等を流出させることにより、また、それ以降の区間では、既述の通りリリーフポート43から液冷媒等を流出させることにより、吸入締め切り位置θsからから吐出終了までの全圧縮過程において、液圧縮やそれに起因するスラッギング音等の異常音の発生を防止することができる。
[第3実施形態]
上記した第1実施形態および第2実施形態は、いずれも固定スクロール15と旋回スクロール21を噛み合わせることにより形成される一対の圧縮室27に対して、それぞれに対応するようにリリーフポート43および漏らし流路55または65を設けたものであるが、固定スクロール15および旋回スクロール21の端板17,23が略鉛直面内に配置される横型のスクロール圧縮機、すなわちクランク軸が略水平面内に配置される横置きタイプのスクロール圧縮機においては、重力の関係で一対の圧縮室のうち通常下部側に位置する圧縮室に液冷媒が溜まりこみ易く、該圧縮室で液圧縮が発生し易い。
このようなスクロール圧縮機にあっては、下部側に位置する圧縮室のみにリリーフポート43および漏らし流路55または65を設けてもよく、これによって当該圧縮室での液圧縮を確実に防止することができる。また、他の圧縮室においては漏らし流路からの冷媒漏れによる圧縮効率の低下をなくすることができるため、その分だけ圧縮能力を高めに維持することができる。
なお、本発明は、横型のスクロール圧縮機に限らず、クランク軸が鉛直面内に配置された縦型スクロール圧縮機にも同様に適用できることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の一部破断側面図である。 固定スクロールと旋回スクロールの吸入締め切り位置での噛み合い状態を示す断面図である。 リリーフポートが圧縮室に連通する位置での固定スクロールと旋回スクロールの噛み合い状態を示す断面図である。 漏らし流路の変形例を示す図3相当の噛み合い状態を示す断面図である。 漏らし流路設置区間とスクロール旋回角位置との関係を示す線図である。 漏らし流路を形成する切り欠きを設けた渦巻き状ラップの断面図である。 切り欠きの変形例を示す渦巻き状ラップの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る渦巻き状ラップの巻き終り端部の展開側面図である。
符号の説明
1 スクロール圧縮機
15 固定スクロール
17 端板
19 渦巻き状ラップ
21 旋回スクロール
23 端板
25 渦巻き状ラップ
27 圧縮室
29 吐出ポート
39 吸入チャンバー
43 リリーフポート
45 リリーフ弁
55 漏らし流路
55A,55B 切り欠き
65 漏らし流路
65A 切り欠き


Claims (4)

  1. 端板と該端板上に立設された渦巻き状ラップとを有する一対の固定スクロールと旋回スクロールとを噛み合わせることにより複数の圧縮室を形成し、半径方向最外方に形成される圧縮室に流体を吸い込み、該圧縮室を旋回スクロールの公転旋回運動によりその容積を減少させながら中心側へと移動させて流体を圧縮し、前記固定スクロールの中央部に設けられた吐出ポートから圧縮流体を吐出するようにしたスクロール圧縮機において、
    前記吐出ポートと連通する半径方向最内方の圧縮室および前記半径方向最外方に形成される圧縮室を除く中間部の圧縮室に連通し、該圧縮室内の流体圧力が予め設定された圧力以上になったとき、リリーフ弁を開いて流体を該圧縮室から流出させるリリーフポートを前記固定スクロールに設けると共に、
    少なくとも前記渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置から前記リリーフポートが前記中間部の圧縮室に連通する旋回角位置に至るまでの区間に前記圧縮室内が過圧縮状態とならないよう流体を吸入室側へ漏らす漏らし流路を前記渦巻き状ラップに形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記漏らし流路を、前記渦巻き状ラップの半径方向最外方の吸入締め切り位置から前記リリーフポートが前記中間部の圧縮室に連通する旋回角位置に至るまでの区間において前記渦巻き状ラップの一部を切り欠いて形成したことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記漏らし流路の流路面積を、少なくとも前記リリーフポートの開口面積と同等以上で前記圧縮室内が異常高圧あるいは過圧縮状態とならない大きさの面積としたことを特徴とする請求項1または2記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定スクロールおよび前記旋回スクロールの前記端板が略鉛直面内に配置され、前記リリーフポートおよび前記漏らし流路は、下部側に位置する前記圧縮室のみに設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。

JP2006145057A 2006-05-25 2006-05-25 スクロール圧縮機 Active JP4755020B2 (ja)

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