JP4753514B2 - タクロリムスに対するモノクローナル抗体およびタクロリムスのためのイムノアッセイ - Google Patents

タクロリムスに対するモノクローナル抗体およびタクロリムスのためのイムノアッセイ Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明はタクロリムスに対するモノクローナル抗体、そのようなモノクローナル抗体の製造方法、およびこのようなモノクローナル抗体の製造に有用なタクロリムスの誘導体を目的とするものである。
【0002】
【背景技術】
タクロリムスは Streptomyces tsukubaensis から単離されたマクロライドである。タクロリムスは、化学名[3S−[3R*[E[(1S*,3S*,4S*)],4S*,5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メチルエテニル]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−(2−プロペニル)−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]−オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)テトロンを有する。タクロリムスの構造およびナンバリングは以下に図16に示す。
【0003】
タクロリムスはFR−9OO506またはFK−506としても知られている。タクロリムスは免疫抑制活性および抗微生物活性を有する。
タクロリムスの免疫抑制活性はとくに重要であり、この薬物の広範囲の重要な用途を招いてきた。免疫抑制は臨床的に多くの関連で使用されているが、とくに重要なのは臓器移植における拒絶反応の防止である。免疫抑制薬物はまた、新生児のRh溶血性疾患の予防および自己免疫障害の処置に投与される。タクロリムスはFKBP(FK506結合タンパク質)として知られた細胞質ゾルタンパク質に結合することによりT−細胞を活性化する。薬物結合タンパク質複合体はカルシノイリンと安定に会合する。これはこのCa2+−依存性酵素のセリン−スレオニンホスファターゼ活性を阻害する。これは、カルシノイリン依存性のリンフォカインの発現、アポトーシスおよび脱顆粒の活性化を阻害する(G. Wiederrechtら,“The Mechanism of Action of FK-506 and Cyclosporin A," Ann. N.Y. Acad. Sci. 696: 9-19, 1993)。
【0004】
タクロリムスは短時間もしくは連続的な輸液により静脈内にまたは経口的に投与することができる。薬物の臨床的使用に伴う主要な毒性は腎毒性である。さらに神経毒性が、頭痛、振戦、不眠、疼痛または他の症状を伴って発症することがある。さらに胃腸毒性は下痢または吐気として、また心脈管系毒性は高血圧として発現する。
【0005】
さらに代謝毒性は、たとえば高カリウム血症、低マグネシウム血症または高血糖のような症状の発症として現れることがある。加えて、タクロリムスによる長期間の免疫抑制はすべてのタイプの感染の危険を増大させ、通常の細菌、ウイルスおよびカビ病原体のみでなく、様々な通常はみられない日和見感染も同様に生じることがある。
【0006】
更には、タクロリムスの投与に伴い、リンパ腫および関連悪性腫瘍の危険が増大する(M.L. Cleary & J. Sklar,“Lymphoproliferative Disorders in Cardiac Transport Recipients are Multiclonal Lymphomas," Lancet 2: 49-493, 1984;L.S. Swinnennら,“Increased Incidence of Lymphoproliferative Disorders After Immunosuppression with a Monoclonal Antibody OKT3 in Cardiac-Transplant Recipients," N. Eng. J. Med. 323: 1723-1728, 1990)。これらの悪性腫瘍の少なくとも一部はエプスタイン−バールウイルスに対する障害された免疫応答に類似する(B.Z. Katzら,“Latent and Replicating Forms of Epstein-Barr virus DNA and Lymphomas in Lymphoproliferative Disorders," J. Infect. Dis. 160: 589-598, 1989)。
【0007】
タクロリムスの効力および毒性スペクトルを明らかにするには、臓器移植を受けた患者に投与後のこれらの化合物の血中濃度をモニターするための高感度な、再現性および信頼性のある方法が要求される。このような方法は低濃度のタクロリムスを検出できる十分な感度を有することが重要である。またこのような方法は信頼性および再現性を有し、タクロリムスの代謝物のような化合物からの干渉を回避できることも重要である。
【0008】
タクロリムスに対する抗体およびイムノアッセイはについては、たとえば米国特許5,532,137(Niwaら、この引用により本明細書に導入される)に記載されているがなお、タクロリムスに特異的な改良された抗体およびイムノアッセイの開発の必要性がある。とくにタクロリムスの高感度な、信頼性および再現性のあるイムノアッセイの開発に使用することができる、タクロリムスに対する改良されたモノクローナル抗体の必要性がある。
【0009】
タクロリムスの信頼性あるイムノアッセイの開発は、タクロリムスで処置された個体の血中にはタクロリムスの多数の代謝物が見出されるという事実によって複雑である。タクロリムスのこれらの代謝物への変換には、デメチル化、ヒドロキシル化、および環形成が包含される。タクロリムスに対する抗体は可能な限りこれらの誘導体と交叉反応しないことが重要である。
【0010】
したがって、タクロリムスのイムノアッセイに有用で、タクロリムス代謝物に対する最小限の交叉反応性しか示さない、タクロリムスに対する改良されたモノクローナル抗体を開発する必要性がある。また、タクロリムスを投与された患者の血中タクロリムスの検出および定量にこのようなモノクローナル抗体を用いる改良されたイムノアッセイの必要性がある。
【0011】
【発明の開示】
本発明者らは、タクロリムスを、その非結合ドメインにおいて誘導体化すると、高分子量担体たとえば免疫処置のためのタンパク質とカップリングして抗体を産生できることを発見した。得られた抗体産生細胞は細胞融合によってモノクローナル抗体の発生に使用できる。それらのモノクローナル抗体はタクロリムス代謝物との低い交叉反応性を含む望ましい性質を有する。
【0012】
本発明の一実施態様は、1H6と命名されるタクロリムスに対するモノクローナル抗体であり、15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−ジデメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスのそれぞれと約8%未満の交叉反応性を有する。
【0013】
本発明の他の実施態様は、
(1) 1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合アッセイによりモルベースで測定した場合に、少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有するタクロリムスに対するモノクローナル抗体である。好ましくはタクロリムスに対するモノクローナル抗体は、1H6と命名されるモノクローナル抗体と少なくとも約90%の有効性で競合し、15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−ジデメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスのそれぞれと約8%未満の交叉反応性を有する。
本発明の他の実施態様は抗体は、上述の1H6と命名されるタクロリムスに対するIgG1λモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。
【0014】
本発明の他の実施態様は、
(1) 競合アッセイで測定して、1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較しモルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有する、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。
【0015】
本発明のさらに他の実施態様は、
(1) 競合アッセイにより測定して1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較した場合、モルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有するタクロリムスに対するモノクローナル抗体である。
【0016】
本発明の他の実施態様は、
(1) 競合アッセイにより測定して1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較した場合、モルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有し、この場合、抗体の少なくとも一部の定常領域は、モノクローナル抗体が人化するようにヒト定常領域で置換されているモノクローナル抗体である。
【0017】
本発明のさらに他の実施態様は、一本鎖組換え抗体(sFv)であり、それは
(1) 競合アッセイにより測定して1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較した場合、モルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有する、タクロリムスに対する抗体の可変領域を包含する。
【0018】
本発明のさらに他の実施態様は、高分子量タンパク質に接合したタクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子でカルボキシメチルオキシム残基により誘導体化されたタクロリムスで免疫処置された抗体産生哺乳動物からの抗体産生細胞の、適当な融合パートナーとの融合により製造されるタクロリムスに対するモノクローナル抗体である。好ましくは、タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子は炭素22である。好ましくは、高分子量タンパク質はキーホールリンペットヘモシアニンである。
【0019】
本発明のさらに他の実施態様は、タクロリムスに対して約3.7×109L/moleの結合親和性を有し、13−デメチルタクロリムスと交叉反応し、以下のタクロリムス代謝物:15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−ジデメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスのすべてと約8%未満の交叉反応性を有するIgG1λモノクローナル抗体である、タクロリムスに対するモノクローナル抗体である。
【0020】
本発明の他の態様は、高分子量タンパク質に接合したタクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子でカルボキシメチルオキシム残基により誘導体化されたタクロリムスで免疫処置された抗体産生哺乳動物により産生されるポリクローナル抗体を包含する抗体である。好ましくは、タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子は炭素22である。好ましくは、高分子量タンパク質はキーホールリンペットヘモシアニンである。
【0021】
本発明のさらに他の態様は、タクロリムスを検出または定量する方法において
(1) タクロリムスの含有が疑われるサンプルを準備し、
(2) そのサンプルを、
(a) 本発明の抗体および
(b) 場合によってタクロリムス類縁体(抗体またはタクロリムス類縁体の1つは検出可能なシグナルを産生する標識によって標識されている)と反応させ、
(3) サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために、
(a)抗体に結合したタクロリムスと会合しているシグナル;
(b)抗体に結合していないタクロリムスと会合しているシグナル;または
(c)存在する総シグナル
のいずれかを観察または測定する各工程からなる方法である。
【0022】
この方法では通常、サンプルを酵素標識で標識されたタクロリムス類縁体と反応させ、サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために存在する総シグナルが観察または測定される。
【0023】
本発明のさらに他の態様は、
(1) 本発明の抗体および
(2) 酵素標識で直接または間接的に標識されたタクロリムス類縁体を、別個の容器にパッケージングしてなる試験キットである。
【0024】
本発明のさらに他の態様は、タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子でカルボキシメチルオキシム残基によって誘導体化されたタクロリムスからなるタクロリムスの誘導体である。タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子は炭素22であることが好ましい。
【0025】
本発明のさらに他の態様は、高分子量タンパク質に上述のように接合したタクロリムスの誘導体からなる接合体である。好ましくは高分子量タンパク質はキーホールリンペットヘモシアニンである。
【0026】
本発明のさらに他の態様は、タクロリムスをカルボキシメトキシルアミンと反応させ、カルボキシメチルオキシム残基が炭素原子22に存在するタクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体を生成させることからなるタクロリムスを誘導体化する方法である。
【0027】
本発明のさらに他の態様は、高分子量タンパク質とタクロリムスの接合体を製造する方法において、
(1) タクロリムスをカルボキシメトキシルアミンと反応させ、カルボキシメチルオキシム残基が炭素原子22に存在するタクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体を生成させ、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化して反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを生成させ、
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを高分子量タンパク質と反応させて接合体を産生させる方法である。
【0028】
本発明のさらに他の態様は、炭素原子22においてカルボキシメチルオキシム残基で置換されたタクロリムスがリンカーを介してビオチン残基に連結してなるタクロリムスの誘導体である。本発明のこの態様の好ましい実施態様においては、リンカーは構造:NH2−CH2−CH2−NH−CO−(CH2)5−NH2であり、リンカーの1つのアミノ基はカルボキシメチルオキシムのカルボキシル基とアミド結合を形成し、リンカーの他のアミノ基はビオチンのカルボキシル基とアミド基を形成する。
【0029】
本発明のさらに他の態様はタクロリムスを誘導体化する方法において、
(1) タクロリムスをカルボキシメトキシルアミンと反応させ、カルボキシメチルオキシム誘導体は炭素原子22に存在するタクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体を生成させ、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化して反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを生成させ、
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルをビオチンもしくはビオチン誘導体またはビオチン類縁体のカルボキシル基と反応させる方法である。
【0030】
本発明のさらに他の態様は、タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子でブロモアセチル残基で誘導体化されたタクロリムスからなるタクロリムスの誘導体である。好ましくは、非結合ドメインにおける炭素原子は炭素原子22である。これらの誘導体はついで酵素または他のタンパク質と反応させてタンパク質たとえば酵素に接合した誘導体を含有する接合体を産生させることができる。好ましい一実施態様おいては、タンパク質はグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼのシステイン含有ムテインである。
【0031】
したがって、本発明の他の態様は、タクロリムスを誘導体化する方法において、
(1) タクロリムスをカルボキシメトキシルアミンと反応させ、カルボキシメチルオキシム誘導体は炭素原子22に存在するタクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体を生成させ、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化して反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを生成させ、
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルをブロモアセチルエチレンジアミンのトリフルオロ酢酸塩と反応させ、タクロリムスのブロモアセチル誘導体を産生させる方法である。
【0032】
図面の説明
本発明の以上のおよび他の特徴、態様および利点は、以下の記述、上記特許請求の範囲および添付の図面を参考にすればよりよく理解されるものと確信する。
図1はタクロリムスに構造の酷似したマクロライド抗生物質FK−520とカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
図2は図1のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
図3はタクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
図4は図3のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
図5はタクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける1H NMRスペクトルである。
図6はタクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける13C NMRスペクトルである。
図7は参考として提示するタクロリムスのCDCl3中250MHzにおける13CNMRスペクトルである。
図8はタクロリムスモノオキシムとLC−ビオチンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
図9は図8のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
図10はタクロリムスモノオキシムとLC−ビオチンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける1H NMRスペクトルである。
図11は、位置22においてカルボキシメチルオキシムにより誘導体化されたタクロリムスをキーホールリンペットヘモシアニンに連結した接合体でマウスを免疫処置することにより産生させたモノクローナル抗体と、得られた抗体産生細胞と融合パートナーとの細胞融合を用いるタクロリムスの均一系酵素イムノアッセイの検量曲線である。
図12は、図11に検量曲線を示したモノクローナル抗体との均一系酵素イムノアッセイを用いたタクロリムスのアッセイの結果と、ガスクロマトグラフィーおよび縦列マススペクトロスコピーを使用する方法(LC/MS/MS)を用いたタクロリムスのアッセイの結果との間の相関を示すグラフである。
図13は、タクロリムスを投与された肝障害を有する70例の患者のパネルについて均一系酵素イムノアッセイおよびLC/MS/MSを用いたタクロリムスのアッセイの結果の間の相関を示すグラフである。
図14は、図13の70例の患者のパネルについて均一系酵素イムノアッセイおよび市販品を入手できるイムノアッセイを用いたタクロリムスのアッセイの結果の間の相関を示すグラフである。
図15は、図13および図14についての Bland-Altman 差分析プロットを示すグラフである。
図16は、タクロリムスの構造式の図であり、分子のナンバリングを示す。
【0033】
本明細書で用いられる以下に定義する語は、とくに他の指示がない限り以下の意味を有する。
定義
「抗体」:本明細書で用いられる「抗体」の語は、適当な特異性の無傷の抗体分子および抗体フラグメント(Fab,F(ab′),FvおよびF(ab′)2を含む)の両者、ならびに化学的に修飾された無傷の抗体および抗体フラグメントたとえばサブユニットのインビトロ会合によってアセンブルされたハイブリド抗体を包含する。また、sFvの語で呼ばれ、元は非ヒト定常領域の一部またはすべてが元はヒト抗体配列から誘導された定常領域で置換された人化抗体の単一鎖抗体分子も包含される。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両者が他に特定されない限り包含され、多くの関連でモノクローナル抗体がとくに特定される。さらに修飾抗体または抗体の結合能力を遮断もしくは変更させない標識もしくは他の分子に接合した抗体が包含される。
【0034】
「核酸配列」:「核酸配列」の語にはとくに他の特定がない限りDNAおよびRNAの両者を包含し、とくに他の特定がない限り二本鎖および一本鎖核酸の両者が包含される。また、DNA−RNAハイブリドのようなハイブリドも包含される。とくに、DNAに関する論及には、DNAにおけるチミンに代えてRNAにおけるウラシルの置換を除いて均等な塩基配列またはチミンに代えてウラシルの置換を除いて相補性塩基配列のいずれかを有するRNAを包含する。相補性はワトソン−クリック塩基対の法則に従って決定される。さらに、核酸配列の言及には、とくに他の特定がない限り、ワトソン−クリック塩基対の法則に従うその相補体が包含される。
【0035】
本発明者らは、非結合ドメイン内の炭素原子、好ましくは炭素−22において誘導体化されたタクロリムスの使用に基づくタクロリムスに対する改良されたモノクローナル抗体を開発した。抗体産生動物のこのイムノゲンによる免疫処置で産生されたポリクローナル抗体が最初に作成される。得られた抗体産生細胞をついで適当な融合パートナーとの細胞融合に使用してハイブリドーマを産生させる。ハイブリドーマによって産生されたモノクローナル抗体はタクロリムスの検出のためのイムノアッセイにとくに有用である。
【0036】
I.タクロリムスの誘導体
したがって、本発明の一態様はタクロリムスの非結合ドメイン内の炭素原子において誘導体化されたタクロリムスの誘導体である。好ましくは、誘導体は炭素−22において誘導体化される。一つのとくに好ましいクラスの誘導体には22位置におけるケト基をアミンと反応させて生じたオキシムを包含する。とくに好ましいアミンはカルボキシメトキシルアミンである。タクロリムスのカルボキシメトキシルアミンとの反応はカルボキシメチルオキシムを産生する。
【0037】
この反応はメタノール中酢酸ナトリウムの存在下にタクロリムスとカルボキシメトキシルアミンとの反応を包含し、オキシムを与える。したがって、本発明の他の態様は、タクロリムスをカルボキシメトキシルアミンと反応させ、タクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体を産生させることからなるタクロリムスを誘導体化する方法である。オキシム残基は炭素−22に存在する。この反応の更なる詳細は実施例1に示す。
【0038】
したがって、本発明の他の態様は、位置22におけるカルボキシメチルオキシム残基で誘導体化されたタクロリムスがオキシム残基を介して高分子量タンパク質に接合したタクロリムスの誘導体からなる接合体である。典型的には、高分子量タンパク質はハプテンのための適当な担体であり、必ずしもそれらに限定されるものではないが、ウシ血清アルブミン、サイログロブリン、オバルブミン、フィブリノーゲンまたはキーホールリンペットヘモシアニンのようなタンパク質である。とくに好ましい担体はキーホールリンペットヘモシアニンである。また、高分子量タンパク質は酵素、たとえば検出可能なシグナルを産生する酵素、たとえばグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼまたはアルカリホスァターゼとすることもできる。このような接合体は以下に述べるようにとくにタクロリムスのイムノアッセイに有用である。
【0039】
これらの接合体の製造はさらに詳細に以下の実施例2に掲げる。しかしながら一般に、タクロリムスの高分子量タンパク質との接合体の製造方法は次の通りである。
(1) 上述のように、タクロリムスのカルボキシメチルオキシムの製造、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化による反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの製造、および
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルと高分子量タンパク質の反応による接合体の製造。この反応は実施例2において詳細に論じる。N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造するためのカルボキシメチルオキシムの活性化は通常、カップリング剤たとえば水溶性カルボジイミドを用いて実施される。好ましい水溶性カルボジイミドは3−(3−ジメチルアミノプロピル1−エチル−3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDAC)である。他の水溶性カルボジイミドは本技術分野において周知であり、同様に使用することができる。
【0040】
高分子量タンパク質たとえばキーホールリンペットヘモシアニンとの接合体の形成に加えて、本発明はまた、炭素22においてビオチン残基にリンカーを介して連結したカルボキシメチルオキシム残基で置換されたタクロリムスの誘導体を包含する。ビオチンおよびハプテンまたは抗原の間にリンカーの使用は本技術分野で周知であり、ここに詳細に説明する必要はないと考える。とくに好ましい1つの誘導体では、リンカーはNH2−CH2−CH2−NH−CO(CH2)5−NH2の構造を有する。リンカーのアミノ基の1つはカルボキシメチルオキシムのカルボキシル基とアミド結合を形成し、他のアミノ基はビオチンのカルボキシル基とアミド結合を形成する。
【0041】
このスペーサーの長さは1または2以上のCH2(メチレン)基を2またはそれ以上のメチレン基を有するスペーサー中の2つの位置で挿入または欠失することによって変化させることができる。
誘導体は上述のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルをビオチンまたはビオチン誘導体もしくは類縁体のカルボキシル基と反応させることによって形成することができる。この反応は、上述のように実施することができる。
【0042】
一般に、このようなビオチン誘導体の形成方法は、
(1) カルボキシメトキシルアミンとタクロリムスを反応させて、タクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体(この場合、カルボキシメチルオキシム誘導体は位置22に存在する)を製造し、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化して反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造し、ついで
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルをビオチンまたはビオチン誘導体もしくは類縁体のカルボキシル基と反応させることからなる。
【0043】
好ましい一変法においては、以下に実施例3において述べるように、オキシムをジメチルホルムアミド(DMF)中EDACおよびN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させる。活性化された生成物をついでリンカーを含有するビオチン、たとえばLC−ビオチンと反応させる。
【0044】
タクロリムスの非結合ドメイン内の炭素原子、好ましくは位置22において誘導体化されたタクロリムスの接合体のさらに他の実施態様は、ブロモアセチル誘導体である。位置22で誘導体化されたタクロリムスのブロモアセチル誘導体は実施例4に記載する。このような誘導体の製造は一般に、
(1) カルボキシメトキシルアミンとタクロリムスを反応させて、タクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体(この場合、カルボキシメチルオキシム誘導体は位置22に存在する)を製造し、
(2) カルボキシメチルオキシムを活性化して反応性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造し、ついで
(3) N−ヒドロキシスクシンイミドエステルをトリブロモアセチルエチレンジアミンのトリフルオロ酢酸塩と反応させてブロモアセチル誘導体を得ることからなる。この方法に用いるカルボキシメチルオキシム誘導体は上述のようにして製造される。
【0045】
このようなブロモアセチル誘導体はタクロリムスの酵素接合体を製造するために使用することができる。すなわちブロモアセチル残基を酵素のスルフヒドリル基、たとえばシステイン残基を含有するグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼのムテインと反応させる。ブロモアセチル誘導体は他の酵素またはタンパク質中の他のシステイン基と反応させて、タクロリムスの他の酵素またはタンパク質接合体を製造することができる。
【0046】
II.モノクローナルおよびポリクローナル抗体ならびにハイブリドーマ
本発明の他の態様はモノクローナル抗体およびそれらを産生するハイブリドーマ、ならびに上述のタクロリムス誘導体で抗体産生動物を免疫処置することによって産生されるポリクローナル抗体である。
【0047】
本発明に対するモノクローナル抗体の好ましい一実施態様は、1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体であるタクロリムスに対するマウスモノクローナル抗体である。このモノクローナル抗体は13−デメチルと反応するが、以下のタクロリムス代謝物:15−デメチルタクロリムス、31−デメチルタクロリムス、13,31−ジデメチルタクロリムス、15,31−ジデメチルタクロリムス、および12−ヒドロキシタクロリムスのすべてに約8%未満の交叉反応性しか示さない。このモノクローナル抗体のタクロリムスに対する結合親和性は3.7×109L/moleと推定されている。
【0048】
本発明による他のモノクローナル抗体は、
(1) 競合アッセイにより測定して1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較した場合、モルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有するタクロリムスに対するモノクローナル抗体である。
【0049】
好ましくは、モノクローナル抗体は、1H6と命名されるモノクローナル抗体とモルベースで少なくとも約90%の有効性で競合し、これらのタクロリムスの代謝物それぞれと約8%未満の交叉反応性を有する。
【0050】
本発明の他の態様は上述のようにモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマである。これには、1H6と命名されるタクロリムスに対するIgG1λモノクローナル抗体が包含される。これにはまた、その抗体とモルベースで少なくとも約80%の有効性で競合し、上述のようにタクロリムスの代謝物と限られた程度の交叉反応性を有するモノクローナル抗体を上述のように産生するハイブリドーマが包含される。
【0051】
本発明の他の実施態様は人化モノクローナル抗体である。ある種の適用においてはモノクローナル抗体が人化されるように抗体の定常領域の少なくとも一部がヒト定常領域により置換された人化モノクローナル抗体であることが好ましい。典型的にはこのような操作は、ヒト抗体上にマウスの相補性決定領域(CDR)をグラフトすることを包含する。フレームワーク内の個々のアミノ酸の付加的な変化が抗原結合部位の創製のために必要な場合もある。典型的には、この技術には、小レベルの縮重を有する合成オリゴヌクレオチドプライマーのサブセットによるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いるマウスハイブリドーマの重鎖および軽鎖の可変領域のPCR増幅が包含される。必要ならば突然変異の誘発が標準方法によって行われる。典型的には、可変領域を有する人化V遺伝子が適当な発現ベクターにクローン化され、CHO細胞またはCHO−K1細胞のような細胞中で発現される。他の突然変異は必要に応じて行われる。このような人化モノクローナル抗体の製造は一般的に本技術分野において周知であり、たとえば C.A.K. Borrebaeck,“Antibody Engineering" 2nd ed., Oxford University Press, New York, 1995(引用により本明細書に導入される)に記載されている。
【0052】
したがって、本発明の他の実施態様は一本鎖組換え抗体(sFv)であり、
(1) 競合アッセイにより測定して1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と比較した場合、モルベースで少なくとも約80%の有効性で1H6と命名されるIgG1λモノクローナル抗体と競合し、
(2) 15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスそれぞれと約10%未満の交叉反応性を有するタクロリムスに対するモノクローナル抗体の可変領域が包含される。
【0053】
sFv一本鎖抗体を製造するための戦略は本技術分野において周知であり、たとえば C.A.K. Borrebaeck,“Antibody Engineering”前出(引用により本明細書に導入される)に記載されている。一般的に、sFvの構築には重鎖および軽鎖の可変領域の操作を包含し、これらは適当なペプチドリンカーのためのコドンのオリゴヌクレオチド配列によって遺伝子レベルで連結されなければならない。リンカーは選ばれたFvのVHおよびVLドメインを、ドメイン間の接触を混乱させたり、ドメインのフォールディングに干渉したりすることなく連結させなければならない。用いられる典型的なリンカーはそれぞれが4つのグリシン残基ついでセリン残基を有する3つの反復ユニットから構成される15−残基ペプチドである(J.H. Hustonら,“Protein Engineering of Antibody Binding Sites: Recoveryof Specific Activity in an Anti-Digoxin Single-Chain Fv Analog Produced in Escherichia coli," Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1988, 85: 5879-5883)。通常このような一本鎖抗体は細菌の封入体中で産生される。活性は通常、封入体から発現されたポリヌクレオチドの再フォールディングを要し、これを実施するための条件は一般的に周知である。
したがって、このような一本鎖抗体またはsFvもまた本発明の範囲内に包含される。
【0054】
本発明の他の実施態様は、高分子量タンパク質に接合したタクロリムスの非結合ドメインにおいてカルボキシメチルオキシム残基で誘導体化されたタクロリムスで免疫処置された抗体産生哺乳動物からの抗体産生細胞の、適当な融合パートナーとの融合によって製造されたタクロリムスに対するモノクローナル抗体である。好ましくは、タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子は炭素22である。上に指摘したように免疫処置に使用される高分子量タンパク質はキーホールリンペットヘモシアニンである。
【0055】
モノクローナル抗体の製造は本技術分野において周知であり、ここでさらに詳細に説明す必要はないものと考える。たとえば、モノクローナル抗体の製造は、J.W. Goding,“Monoclonal Antibodies: Principles and Practice" 2nd ed., Academic Press, London, 1986(引用により本明細書に導入される)に記載されている。
【0056】
一般に、その操作における第一工程は標準技術、たとえば、抗体産生動物たとえばマウス、ラット、ヤギ、ヒツジまたはウシの抗原での免疫処置によるポリクローナル抗体の製造である。抗原は通常、高分子量担体たとえば上述の高分子量タンパク質である。免疫処置はアジュバントたとえば完全フロイントアジュバントもしくは他のアジュバントたとえばモノホスホリルリピドAおよび合成トレハロースジコリノミコレートアジュバントを用いまたは用いないで実施することができる。一般的にはアジュバントを用いて免疫処置するのが好ましい。次の工程は抗体産生動物からの脾臓細胞の単離および抗体産生動物の脾臓細胞と適当な融合パートナー、典型的には骨髄腫細胞のたとえばプロピレングリコールの使用または他の技術による融合である。典型的には、用いられる骨髄腫細胞はヒポキサチン−チミジン(HT)メジウム中では正常に増殖するが、融合細胞の選択に用いるヒポキサチン−アミノプチリン−チミジン(HAT)メジウム中では増殖できない。次の工程は、融合細胞の典型的にはHATメジウムによる選択である。次の工程はイムノアッセイたとえば固相酵素免疫測定法(ELISA)または他のスクリーニングに適当なイムノアッセイを用いる適当な抗体産生のためのクローン化ハイブリドの選択である。この場合も、これらの工程は本技術分野において周知であり、さらに説明する必要はないものと考える。
【0057】
本発明の他の実施態様は、上述のような高分子量タンパク質に接合するタクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子においてカルボキシメチル残基で誘導体化されたタクロリムスによる抗体産生哺乳類動物の免疫処置で産生されたタクロリムスに対するポリクロナール抗体とすることができる抗体である。タクロリムスの非結合ドメインにおける炭素原子は好ましくは炭素22である。
【0058】
本発明の他の態様は、検出可能な標識に直接または間接的に接合した上述の本発明の抗体からなる接合体である。抗体は、標識と抗体の間に共有結合リンクが存在するように、検出可能な標識に直接接合させることができる。このような方法は本技術分野において周知であり、このような技術はたとえば G.T. Hermanson,“Bioconjugate Techniques", Academic Press, San Diego, 1996(引用により本明細書に導入される)に記載されている。一般的にこのような技術は抗体および標識上の反応性の基を典型的にはリンカーまたはスペーサーを介して連結させる。リンカーまたはスペーサーの長さは抗体の活性および特異性が保存されるように調整することが可能であり、標識によって抗体の活性に干渉することなく検出可能なシグナルが産生されることを保証する。
【0059】
このような標識は本技術分野において周知であり、詳細に説明する必要はないものと考える。このような標識には、それらに限定されるものではないが、酵素標識、放射性標識、蛍光標識、化学ルミネセンス標識、バイオルミネセンス標識または粒子標識が包含される。
【0060】
酵素標識は本技術分野において周知である。典型的には用いられる酵素は肉眼で検出できるシグナルたとえば着色生成物または不溶性生成物を産生できる酵素である。使用できる酵素にはとくに、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、ライソザイム、マレエートデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼおよびリボヌクレアーゼAがある。イムノアッセイに使用できる他の酵素は本技術分野において周知である。
【0061】
使用できる粒子標識には、とくにラテックス標識およびコロイド状金属標識たとえばコロイド状金、銀、錫および他の金属がある。
多くの様々な放射性、蛍光、化学ルミネセンスおよびバイオルミネセンス標識が本技術分野で周知である。これらの標識についてここにさらに説明する必要はないものと考えられる。
【0062】
抗体と標識の間の直接的な共有結合の別法として、結合はたとえばビオチン−アビジン結合のような間接的なものとすることもできる。アビジンまたはその細菌性類縁体、ストレプトアビジンへのビオチンの結合は本技術分野ではよく理解されている。この結合は高い特異性およびきわめて高い親和性を有する。典型的には、抗体はビオチン残基に接合され、標識はアビジンまたはストレプトアビジンに結合させる。他のアレンジメントも使用できる。アビジン−ビオチン結合については、たとえば、 G.T. Hermanson, 前出, pp. 570-592 に記載されている。
【0063】
III.イムノアッセイ
本発明の他の態様は、上述の抗体を使用するタクロリムスに対するイムノアッセイである。一般的に、このようなイムノアッセイはタクロリムスの検出または測定方法である。本明細書において用いられる「検出」の語はサンプル中におけるタクロリムスの存在または不存在を検出する定性的アッセイを意味し、一方、「測定」の語はサンプル中におけるタクロリムスの濃度を決定する定量的または半定量的アッセイを意味する。
【0064】
一般に、このようなイムノアッセイ法は以下の工程:
(1) タクロリムスの含有が疑われるサンプルを準備し、
(2) サンプルを
(a) タクロリムスに対する上述の抗体、および
(b) 場合によって、タクロリムス類縁体と反応させ(この場合、抗体またはタクロリムス類縁体の1つは検出可能なシグナルで標識される)、
(3) サンプル中のタクロリムスの存在または濃度を検出または定量するために以下の1つ:
(a) 抗体に結合したタクロリムスに伴うシグナル、
(b) 抗体に結合していないタクロリムスに伴うシグナル、または
(c) 存在する総シグナル
を観察または測定する各工程からなる。
【0065】
このようなアッセイは均一または不均一アッセイのいずれかとして記載される。不均一アッセイにおいては、抗原に結合した抗体は抗原に結合していない抗体から分離される。この分離は本技術分野において周知の多くの工程、たとえば溶解度、他の抗体との反応性または他の性質の差によって行われる。このようなアッセイは本技術分野においてはよく知られていて、ここにさらに詳細に説明する必要はないものと考える。抗体に結合したタクロリムスに伴うシグナルまたは抗体に結合していないタクロリムスに伴うシグナルのいずれを検出または定量するかにより、不均一アッセイが実施される。これに対し、均一アッセイでは、存在する総シグナルが検出または定量される。均一アッセイにおいては、抗原−抗体複合体の存在がシグナルを修飾し、したがって、抗体に結合した抗原を抗体に結合していない抗原から分離することなく、シグナルレベルの変化が測定される。

【0066】
多くの不均一イムノアッセイフォーマットが本技術分野においては周知であるが、本発明の関連では一般的に、均一イムノアッセイ系の使用が好ましい。本発明の抗体を使用するタクロリムスのイムノアッセイのために好ましい均一イムノアッセイ系の例には、EMITとして知られ、D.D. Schottelius,“Homogeneous Immunoassay System (EMIT) for Quantitation of Antiepileptic Drugs in Biological Fluids", in Antiepileptic Drugs: Quantitative Analysis and Interpretation, C.E. Pippengerら, Raven Press, New York, 1978, Ch. 10, pp. 98-101(引用により本明細書に導入される)に記載され、Rubensteinら、米国特許3,817,837(引用により本明細書に導入される)にさらに記載されている均一アッセイ系がある。
【0067】
一般的にこのアッセイでは、酵素たとえばグルコース−6−デヒドロゲナーゼが酵素の活性が有意に変化しないような様式でアッセイされるアナライト(この場合、タクロリムス)に接合される。しかしながら、このアナライト−酵素接合体がアナライトに対する抗体に結合する場合には、酵素の活性部位が遮断され、したがってその基質が排除されるようにコンフィギュレーションが変化する。これは酵素活性の低下を生じる。複合体が結合しない場合には、活性部位は基質との相互作用に利用される。未知サンプル中に遊離のアナライトが存在すると、その場合、遊離のアナライトは抗体に結合する。これはアナライト−酵素接合体の結合は妨害し、サンプル中のアナライトの濃度に比例して抗体誘発酵素不活性化は低下する。したがって、このような均一アッセイにおいては、サンプル中のアナライト濃度が大きいほど、酵素標識によって産生されるシグナルは増大する。これが上述の均一アッセイである。
【0068】
IV.試験キット
本発明の他の態様はとくに上述のEMIT均一イムノアッセイに使用するための試験キットに関する。このような試験キットは、
(1) 上述のような抗体および
(2) 酵素標識により直接もしくは間接的に標識されたタクロリムス類縁体
を別個の容器中にパッケージして構成される試験キットである。
【0069】
タクロリムス類縁体は直接的または間接的に標識され、一般的にはタクロリムス類縁体はビオチン化タクロリムス分子とストレプトアビジン化酵素によって間接的に標識される。しかしながら、タクロリムスは炭素22において上述のようなEMITアッセイにおける使用に適当な酵素とカップリングさせることができる。
試験キットにはまた、別個にパッケージされた容器に、他の成分たとえば基質、緩衝剤、安定剤、補酵素、およびイムノアッセイの実施に必要な他の成分を包含させることができる。
【0070】
【実施例】
本発明を次に以下の実施例によって例示する。実施例は例示的な目的のみで提供されるものであり、本発明の限定を意図するものではない。
【0071】
実施例1
タクロリムスの炭素−22−置換誘導体の製造
タクロリムスの炭素22における誘導体化の可能性を検討するため、この分子のモデルとして酷似した分子、FK−520の誘導体化を実施した。FK−520は炭素21におけるアリル基の代わりにエチル基を有するほかはタクロリムスと同じ構造である。
【0072】
これらの実験では、試薬および溶媒は市販の等級で、それらを供給されたまま使用し、さらに精製することはしなかった。小規模でのFK−520との反応は以下のように実施した。0.32mLのメタノール中FK−520(0.9mg,1.1μmol)の溶液に酢酸ナトリウム(1.5mg,18.3μmol,16equiv.)およびカルボキシメトキシルアミン塩酸塩(3.0mg,13.7μmol,12equiv.)を加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で3時間撹拌した。ついで溶媒をアルゴン気流で洗浄しながら蒸発させた。Analtechからのプレート(10×20cm刻線付,250μ)上、残留物を5:6:1.1:0.5%(CH2Cl2/EtOAc/MeOH/HOAc)で薄層クロマトグラフィーに付すと、FK−520モノオキシムのゲノムの2つの異性体が高速原子衝突質量スペクトル分析による分析に十分な量得られた。C4572214のLSIMSは863.3の[M−H]-を与えることが期待される。質量スペクトルの関連部分を図1および図2に示す。図2は図1に示すスペクトルの部分であり、その中心ピークの周辺で拡大したものである。
【0073】
ついで、タクロリムスのモノオキシムを製造するために同様の操作を用いた。タクロリムスはタクロリムス一水和物1.02gおよび約6倍過剰のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有するカプセル中固体混合物として提供した。30カプセルからの固体混合物を合して各回12mLの酢酸エチルで4回抽出した。有機抽出液を合して真空下に濃縮して49mgの粗製タクロリムスを得て、これをそのまま以下の反応に使用した。
【0074】
3.5mLのメタノール中粗製タクロリムス49mg(理論的には36.5μmol)に酢酸ナトリウム(16.7mg,204μmol,5equiv.)およびカルボキシメトキシルアミン塩酸塩(40mg,183μmol,5equiv.)を加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で12時間撹拌した。溶媒および揮発性物質を減圧下に除去して、粗製の固体残留物を得た。Analtechからの予めコーティングしたシリカゲルプレート(20×20cm,1000μ)上30:70:11:0.6(CH2Cl2/EtOAc/MeOH/HOAc)で粗精製物を薄層クロマトグラフィーに付すと、タクロリムスモノオキシムのゲノムの2つの異性体が白色固体として得られた。C4672214のLSIMSは[M+Na]+として899.4および[N+K]+として915.4を与えることが期待された。結果は図3および4に示す。図4は図3のデータを高い分解能でスペクトルの関連部分を中心に示したものである。
【0075】
カルボキシメトキシルアミン塩酸塩のタクロリムスとの反応生成物のCDCl3中250MHzにおける1H NMRを図5に示す。カルボキシメトキシルアミン塩酸塩のタクロリムスとの反応生成物のCDCl3中250MHzにおける13C NMRを図6に示す。図7におけるCDCl3中500MHzの13C NMRは対照としてのタクロリムスのNMRである。NMRスペクトルはすべてBrukerの装置で記録した。
【0076】
実施例2
タクロリムス−キーホールリンペットヘモシアニンの製造
1.05mLの無水ジメチルホルヌアミド中タクロリムスモノオキシム(32.3mg,36.8μmol)に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDAC)(11mg,57.4μmol, 1.5equiv.)およびN−ヒドロキシスクシンアミド(7.3mg, 63.4μmol, 1.7equiv.)を加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で1時間撹拌した。ついで混合物をシリンジを介して、5.0mLのリン酸塩緩衝食塩溶液(0.1M,pH8.0)および0.25mLのジメチルホルムアミド中キーホールリンペットヘモシアニン(74mg, 54%純度)の溶液に添加した。室温で2時間撹拌したのち、得られた懸濁液をPBC(10mM,pH7.0)に対して透析した(1×4L,4℃,2時間)。
【0077】
得られた混合物をついで3回CH2Cl2で抽出して未反応タクロリムスモノオキシムの痕跡量を除去した。混合物の定量分析はビシンコニン(BCA)タンパク質アッセイ溶液を用いて行い、8mLのPBS中イムノーゲン50mg(10mM,pH7.0)を示した。
【0078】
TNBS法(A.F.S.A.Habeeb, Anal.Biochem. 1966, 14: 328)を用いるハプテン数の定量では1300のハプテン数を与えた。イムノーゲンはドライアイス−アセトンを用いて直ちに凍結し、保存には−20℃に保持した。
【0079】
実施例3
タクロリムス−ビオチン接合体の製造
0.3mLの無水ジメチルホルムアミド中、タクロリムスモノオキシム(12mg,13.7μmol)にEDAC(4mg, 23.4μmol, 1.7equiv.)およびN−ヒドロキシスクシンアミド(2.7mg, 23.4μmol, 1.7equiv.)を加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で1時間撹拌した。これにトリエチルアミン(10μL, 75μmol)および1.0mLのDMF中LC−ビオチンの溶液(10mg,25μmol, 2equiv.)を加えた。撹拌をさらに3時間続け、混合物を高真空下に濃縮し、無色の残留物を得た。粗生成物をWhatmanからのC−18プレート(PKLC18F,20×20cm,1000μ)逆相プレパラティブ薄層クロマトグラフィー(PTLC)(13:7 CH3OH/H2O)に付すと8mgの生成物が無色の固体として得られた。C64103716SのLSIMSからの期待される結果は[M+H]+ 1258.5であった。マススペクトルの結果は図8および9に示す。図9は興味ある領域の周辺を中心に高分解能で図8のスペクトルの部分を示すものである。CDCl3中350MHzにおける1H NMRを実施し、結果を図10に示す。
この実施例はタクロリムスの位置22における誘導体化の例である。
【0080】
実施例4
タクロリムスのブロモアセチル誘導体の製造
位置22において誘導体化したタクロリムスの他の誘導体はブロモアセチル誘導体である。ブロモアセチル誘導体は酵素または他のタンパク質のスルフヒドリル基と反応することができ、タクロリムス−酵素接合体を生成する。
【0081】
タクロリムスのブロモアセチル誘導体を形成させるためには、まずテトラヒドロフラン(THF)6mL中スクシンイミジルブロモアセテート(740mg, 3.14mmol)の溶液に4℃、アルゴン下にシリンジを介して純粋なモノ−N−BOC−エチレンジアミンを滴下して加えた。添加完了後、反応混合物を室温まで加温し、3時間撹拌した。ついで反応溶液を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を水で1回、飽和NaHCO3水溶液で2回、食塩水で1回洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固すると、粗製の固体440mgが白色固体として得られた。クロマトトロンを用いシリカゲル上で精製すると(1:19 MeOH/CH2Cl2)、純粋なブロモアセチルエチレンジアミン−モノ−t−BOC 386mgが白色固体として得られた。
【0082】
2mLのCH2Cl2中ブロモアセチルエチレンジアミン−モノ−t−BOC(50mg,0.178mmol)の溶液に室温でシリンジを介して純粋なトリフルオロ酢酸(TFA,0.29mL, 3.76mmol)を滴下して加えた。反応混合物を3時間撹拌し、ついで真空下に濃縮した。痕跡量のTFAをトルエンとの共沸によって除去し、得られた黄色油状の生成物、ブロモアセチルエチレンジアミンのTFA塩をそのまま次の反応に使用した。
【0083】
2mLのTHF中タクロリムスのカルボキシメチルオキシム誘導体(位置22で誘導体化)(100mg, 0.14mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(19mg, 0.165mmol)の溶液にアルゴン下シリンジを介して純粋なジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(23μL, 0.147mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、ついでシリンジを介してTHF 3mL中ブロモアセチルエチレンジアミンのTFA塩(0.178mmol)の溶液に移した。ついでこの反応溶液に純粋なジイソプロピルエチレンアミン(DIEA)(40μL, 0.23mmol)を加えた。撹拌を2.5時間続け、反応混合物を真空中で濃縮して粗製の油状物を得た。プレパラティブ薄層クロマトグラフィー(TLC)(7:3:1 EtOAc/CH2Cl2/MeOH)で精製するとブロモアセチルタクロリムス44mg(37%)が無色の固体として得られた。
【0084】
実施例5
タクロリムスに対するモノクローナル抗体の製造
タクロリムスに対するモノクローナル抗体の製造は以下のように実施した。イムノーゲンは実施例2のタクロリムスのキーホールリンペットヘモシアニンとの接合体とした。イムノーゲンはBalb/cマウスの免疫処置に使用した。最初の免疫処置は、モノホスホリル脂質Aおよび合成トレハロースジコリノミコレートアジュバント(RIBI MPL+TDM Emulsion, RIBI ImmunoChem Research Inc.)とともに容量200μL中25μgの腹腔内投与とした。5週後、モノホスホリル脂質Aおよび合成トレハロースジコリノミコレートアジュバント200μL中イムノーゲン25μgによりブースター免疫処置を腹腔内に行った。ついでさらに8週後に200μLのハンクの平衡塩溶液中イムノーゲン25μgの注入ブースター投与を静脈内および腹腔内に実施した。
3日後に、P3×63−AG8.653と命名された非分泌マウス骨髄腫を用いる標準方法によって融合を行った。クローニングは標準方法で実施した。
【0085】
クローンは以下のプロトコールに従い以下の逆ELISAイムノアッセイによりスクリーニングした。プレートは各ウエルあたり100μLのリン酸緩衝食塩溶液中ポリクロナールヤギ抗−マウスIgG(IgG+IgA+IgM)(Zymed)5μg/mLでコーティングした。プレートコーティングは室温で2時間もしくはそれ以上または4℃で一夜実施した。プレートはフィルムに包んで約4℃で数日間保存することができた。プレートをついで振盪乾燥し、ブロック緩衝希釈液(PBS中0.5%ウシ血清アルブミン,0.05%Tween20)をウエルあたり300μL使用してブロックした。プレートのブロックは、プレートを振盪しながら室温で15分間またはそれ以上インキュベートして行った。プレートをついで振盪乾燥した。スクリーニングするモノクローナル抗体をついで各ウエルに次のように添加した。ウエルあたり50μLのブロック緩衝希釈液を、相当するウエルから融合増殖プレートに移した細胞培養上清、ウエルあたり50μLとともに添加した。プレートを振盪しながら、室温で約1時間インキュベートした。プレートをS20スタッカー付きTiterteck Plusプレート洗浄器を使用して洗浄した。洗浄緩衝液は0.05%Tween 20を含むPBSとした。ブロック緩衝希釈液に1:4000に希釈しグルコース−6−ホスフェートヒドロキシラーゼに共有結合的にカップリングされたタクロリムスの酵素接合体をウエルあたり100μL添加した。プレートを振盪しながら室温で約1時間インキュベーションを行った。ついでプレートを洗浄し、ウエルあたり100μLの容量で色素形成溶液を添加した。色素形成溶液は0.593mMのp−ヨードニトロテトラゾリウムバイオレット、0.02MのNAD、0.033Mのグルコース−6−ホスフェート、0.055M Tris、0.02Mナトリウムアジドおよびジアフォラーゼ(リポイルデヒドロゲナーゼ)(Sigma, St. Louis, MO)を含有した。BSAは5%w/vol BSA溶液の1%(vol/vol)存在した。BSAは還元されたp−ヨードニトロテトラゾリウムバイオレットの迅速な沈殿の防止を助けるために使用された。
【0086】
スクリーニングから適当なモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択した。これは1H6と命名され、IgG1λ抗体である。この抗体はタクロリムスに対して約3.7×109L/moleの結合親和性を有し、13−デメチルタクロリムスと交差反応し、以下のタクロリムス代謝物:15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−ジデメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスのすべてと約8%未満の交差反応性を有する。
【0087】
実施例6
実施例4のモノクローナル抗体および他の抗体についてタクロリムスとの交叉反応性の比較
実施例5の抗体、クローニングから得られ14H04と命名された他の抗体およびその他の抗体をタクロリムスの代謝物(13−デメチルタクロリムス、15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−デメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムス)の交叉反応性について試験した。これらの代謝物は12−ヒドロキシタクロリムスを除いてすべて10ng/mLのタクロリムスを含む溶血血液中様々なレベルで試験し、12−ヒドロキシタクロリムスはタクロリムスを含まないサンプル中10ng/mLで試験した。この試験にはメタノール性抽出液を用いた。この試験のために発生させた標準曲線はこれらのアッセイの標準対照、MORE免疫抑制薬対照(More Diagnostic,Los Osos, California)1〜4レベルを用いて確認した。
【0088】
すべての抗体が13−デメチルタクロリムスに対して様々な程度の交叉反応性を示した。交叉反応性は以下の式:(交叉反応値ng/mL)−溶媒対照値(ng/mL)×100)/代謝物を抑制する標的(ng/mL)=%交叉反応性によって計算された。
【0089】
結果は表1に示す。13−デメチルタクロリムスを例外として、実施例5の1H6抗体試験した他のアナライトと8%未満の交叉反応性を示した。
【表1】
Figure 0004753514
【0090】
実施例7
タクロリムスに対するモノクローナル抗体を用いる均一イムノアッセイ
EMIT法に基づくタクロリムスに対するイムノアッセイは以下のプロトコールに従って実施された。サンプルまたは検量標準の一定容量(200μL)を微小遠沈管にピペットで採取した。同じ試験管に300mM CuSO4 50μLを200μLのメタノールとともにピペットで加えた。混合物に栓をし、5分間20800×gで遠心分離した。上清は、Roche Cobas Miraアナライザーのサンプルキャップにそのアナライザーのパラメーターに従って傾瀉した。以下の試薬をアナライザーのラックに配置した。試薬AはNaCl、Na2EDTA、抗−タクロリムスモノクローナル抗体(1H6)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、グルコース−6−ホスフェート、界面活性剤(Pluronic 25R2)、ナトリウムアジド、およびn−メチルイソチアゾロン、pH5.5を含有した。試薬BはTris、pH8.2を、Na2EDTA、界面活性剤(Pluronic 25R2)、ナトリウムアジド、およびn−メチルイソチアゾロンを含有した。試薬Cはタクロリムス−グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ接合体で、Na2HPO4、Na2EDTA、ウシ血清アルブミン、界面活性剤(Pluronic 25R2)およびナトリウムアジド中にpH7.0中に含有した。サンプルおよび試薬ラックをアナライザーに負荷し、試行はプレセットしたパラメーターに従って開始した。酵素率は試行時にミリ−od/分に換算してプリントアウトした。検量線は1H6および14H04と命名された他のモノクローナル抗体について図11に示す。
【0091】
実施例8
本発明のモノクローナル抗体を使用するタクロリムスのアッセイとLC−MS/MS法によるEMITアッセイの間の相関
タクロリムスを投与された70例の患者からの一連のサンプルを本発明の1H6モノクローナル抗体を用いるEMIT均一イムノアッセイでアッセイし、LC−MS/MS法と比較した。LC−MS/MS法は液体クロマトグラフィー、ついで縦列マススペクトルを用いるタクロリムスのアッセイ法である(P.J.Taylorら,“Sensitive, Specific Quantitative Analysis of Tacrolimus(FK506) in Bloodby Liquid Chromatography-Electrospray Tandem Mass Spectrometry," Clin.Chem. 1996, 42: 279-285)。結果は図12に示す。結果は相関係数0.929のきわめて高い相関を示す。
【0092】
実施例9
肝機能不全を有する患者からのサンプルについてEMIT均一イムノアッセイおよびLC−MS/MS法用いた結果の比較
モノクローナル抗体1H6は13−デメチルタクロリムス以外のタクロリムスの代謝物に対する交叉反応性を実質的に最小にしたが、13−デメチルタクロリムスとの一部の交叉反応性は残っている。13−デメチルタクロリムスがイムノアッセイにおけるこの抗体の使用を妨害するか否かを決定するために、重篤な肝機能不全を有し移植を待っていたが、タクロリムスを投与されていた70例の患者からのサンプルのパネルについて、1H6モノクローナル抗体を用いるEMITイムノアッセイ、LC−MS/MS法、およびタクロリムスの他のAbott製の市販イムノアッセイIMxイムノアッセイでアッセイした。このようなサンプルは通常臓器移植を受け、正常な肝機能を有する患者からのサンプルよりもタクロリムス代謝物のレベルが高い。タクロリムスレベルはこれらの3つのアッセイを用いてサンプルのパネルについて測定した。
【0093】
EMITアッセイとLC−MS/MSアッセイの間の比較は図13、またEMITアッセイとIMxアッセイ(Abott)の間の比較は図14に示す。結果の解釈にはデミングの回帰分析を用い、結果は表2に示す。1H6モノクローナル抗体を用いるEMITイムノアッセイは結果の傾斜に基づいて(表2参照)AbottのIMxアッセイよりLC−MS/MSアッセイとよく一致した。傾斜はEMITについて1.11、IMxについて1.45であった。70例のサンプルの平均濃度はLC−MS/MSで6.79ng/mL、1H6モノクローナル抗体を用いたEMITで6.96ng/mL、Abott IMxで7.93ng/mLであった。上記範囲より高い試験結果を示した2つのサンプルはのIMxによるもののみであった。70例の結果のBlant-Altman分析を1H6モノクローナル抗体を使用したEMITおよびAbott IMx対LC−MS/MSについて図15に示す。これらのプロットは一般に対LC−MS/MSの結果の注目すべき変動性がサンプルにつき約10ng/mLであることを例示する。イムノアッセイによるLC−MS/MSの差のパターンは、1H6モノクローナル抗体を使用したEMITおよびAbott IMxアッセイについて類似していた。
【0094】
【表2】
Figure 0004753514
【0095】
高レベルのタクロリムス代謝物を含有するこれらの患者でも、EMIT均一イムノアッセイにおいてモノクローナル抗体1H6を用いるアッセイは他の方法に対して高度の相関を示した。したがって、肝機能不全はこの抗体を使用するこのアッセイにはひどいインパクトを与えず、この結果から、イムノアッセイによる患者の臨床的管理が、タクロリムスに対するモノクローナル抗体1H6を用いるEMITアッセイまたは以前から利用されているAbott IMxイムノアッセイを使用して同様に達成できると解釈される。これは1H6モノクローナル抗体の臨床的な価値を示すものである。
【0096】
本発明の利点
本発明はタクロリムス代謝物との交差反応性を最小にするタクロリムスに対するモノクローナル抗体を提供する。本発明のモノクローナル抗体は、タクロリムスの他のイムノアッセイ法および非イムノアッセイ法とよく相関するタクロリムスの改良されたイムノアッセイに使用することができる。モノクローナル抗体を用いるイムノアッセイは、肝機能が障害されて彼らの血清中に高レベルのタクロリムス代謝物を含有すると考えられる患者を含めて、タクロリムスの投与を受けている患者の臨床的モニタリングに適当である。
【0097】
以上、本発明をそのある種の好ましいバージョンを参照しながらかなり詳細に説明してきたが、他のバージョンも可能である。したがって、上述の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書における好ましいバージョンの記載によって制限されるものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タクロリムスに構造の酷似したマクロライド抗生物質FK−520とカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
【図2】 図1のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
【図3】 タクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
【図4】 図3のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
【図5】 タクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける1H NMRスペクトルである。
【図6】 タクロリムスとカルボキシメトキシルアミンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける13C NMRスペクトルである。
【図7】 参考として提示するタクロリムスのCDCl3中250MHzにおける13CNMRスペクトルである。
【図8】 タクロリムスモノオキシムとLC−ビオチンの反応から生成した生成物のマススペクトル図である。
【図9】 図8のマススペクトル図の部分であり、拡大した分解能で最も高いピークの周辺を中心に示している。
【図10】 タクロリムスモノオキシムとLC−ビオチンの反応から生成した生成物のCDCl3中250MHzにおける1H NMRスペクトルである。
【図11】 位置22においてカルボキシメチルオキシムにより誘導体化されたタクロリムスをキーホールリンペットヘモシアニンに連結した接合体でマウスを免疫処置することにより産生させたモノクローナル抗体と、得られた抗体産生細胞と融合パートナーとの細胞融合を用いるタクロリムスの均一系酵素イムノアッセイの検量曲線である。
【図12】 図11に検量曲線を示したモノクローナル抗体との均一系酵素イムノアッセイを用いたタクロリムスのアッセイの結果と、ガスクロマトグラフィーおよび縦列マススペクトロスコピーを使用する方法(LC/MS/MS)を用いたタクロリムスのアッセイの結果との間の相関を示すグラフである。
【図13】 タクロリムスを投与された肝障害を有する70例の患者のパネルについて均一系酵素イムノアッセイおよびLC/MS/MSを用いたタクロリムスのアッセイの結果の間の相関を示すグラフである。
【図14】 図13の70例の患者のパネルについて均一系酵素イムノアッセイおよび市販品を入手できるイムノアッセイを用いたタクロリムスのアッセイの結果の間の相関を示すグラフである。
【図15】 図13および図14についての Bland-Altman 差分析プロットを示すグラフである。
【図16】 タクロリムスの構造式の図であり、分子のナンバリングを示す。

Claims (11)

  1. 炭素原子22におけるカルボキシメチルオキシム残基で高分子量タンパク質に接合して誘導体化されたタクロリムスにより免疫処置された、ヒト以外の抗体産生哺乳動物からの抗体産生細胞の、適当な融合パートナーとの融合によって作成されるハイブリドーマによって製造される、タクロリムスに対して3.7×109L/moleの結合親和性を有し、13−デメチルタクロリムスと交叉反応し、以下のタクロリムス代謝物:15−デメチルタクロリムス;31−デメチルタクロリムス;13,31−ジデメチルタクロリムス;15,31−ジデメチルタクロリムスおよび12−ヒドロキシタクロリムスのすべてとそれぞれ8%未満の交叉反応性を有するIgG1λモノクローナル抗体である、タクロリムスに対するモノクローナル抗体であって、1H6と名付けられたモノクローナル抗体
  2. 請求項1記載のIgG1λモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ。
  3. 高分子量タンパク質はキーホールリンペットヘモシアニンである請求項1記載のモノクローナル抗体。
  4. 検出可能な標識に直接もしくは間接的に接合された請求項1記載の抗体からなる接合体。
  5. 検出可能な標識は酵素標識、放射性標識、蛍光標識、化学ルミネセンス標識、バイオルミネセンス標識および粒子標識からなる群より選択される請求項記載の接合体。
  6. 標識は酵素標識である請求項記載の接合体。
  7. (a) タクロリムスの含有が疑われるサンプルを準備し、
    (b) そのサンプルを、請求項記載の抗体と反応させ、そして
    (c) サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために、
    (i) 抗体に結合したタクロリムスと会合しているシグナル;
    (ii) 抗体に結合していないタクロリムスと会合しているシグナル;または
    (iii) 存在する総シグナル
    のいずれかを観察または測定する各工程からなる、タクロリムスを検出または定量する方法。
  8. サンプルを酵素標識で標識されたタクロリムス類縁体と反応させ、サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために存在する総シグナルを観察または測定する請求項記載の方法。
  9. (a) タクロリムスの含有が疑われるサンプルを準備し、
    (b) そのサンプルを、
    (i) 請求項記載の抗体および
    (ii) タクロリムス類縁体と反応させ、ここで、抗体またはタクロリムス類縁体の1つは検出可能なシグナルを産生する標識によって標識されており、そして
    (c) サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために、
    (i) 抗体に結合したタクロリムスと会合しているシグナル;
    (ii) 抗体に結合していないタクロリムスと会合しているシグナル;または
    (iii) 存在する総シグナル
    のいずれかを観察または測定する各工程からなる、タクロリムスを検出または定量する方法。
  10. サンプルを酵素標識で標識されたタクロリムス類縁体と反応させ、サンプル中におけるタクロリムスの存在またはタクロリムスの濃度を検出または定量するために存在する総シグナルを観察または測定する請求項記載の方法。
  11. 別個の容器中にパッケージされた試験キットにおいて、
    (a) 請求項1記載の抗体および
    (b) 酵素標識により直接もしくは間接的に標識されたタクロリムス類縁体を含有する試験キット。
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