本発明は、車載用の通信装置に関する。
従来、車々間通信としては、各車両に搭載された無線通信装置によりアドホックネットワークを構成して、通信を行う手法が知られている。また、アドホックネットワークとしては、各ノードが、周辺に存在するノードの位置情報を周期的に取得し、最終送信先地点と同一方向に位置するノードに宛てて、パケットを転送することにより、送信元から最終送信先地点へとパケットを転送するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、この種のネットワークとしては、周辺に存在するノードの位置情報を取得することなく、最終送信先地点へとパケットを転送するものも知られている。具体的には、送信元のノードで、送信元地点から最終送信先地点へ延びるベクトル方向に、パケットの伝送領域(伝送角度)を設定して、パケット受信先のノードでは、転送元地点から自装置の現在地点へ延びるベクトルと、自装置の現在地点から最終送信先地点へ延びるベクトルと、がいずれも上記伝送領域に収まっている場合に、パケットの転送を行うことで、送信元から最終送信先地点へとパケットを転送するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、他のネットワークとしては、送信元のノードで、送信元地点から最終送信先地点までの道路に沿った経路を探索し、この経路を構成する各リンクのベクトルに基づき、パケットの伝送領域(伝送角度)を設定し、送信元から最終送信先地点へと順次パケットを転送するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−310484号公報
特開2005−045340号公報
しかしながら、従来、自動車等の高速移動するノード間で通信を行うネットワークでは、周辺に存在するノードの位置情報を周期的に取得して、パケットを送信元から最終送信先地点へと転送しようとしても、高速移動する各ノードの現在位置を正確に把握するのが困難で、適切なノードに宛ててパケットを転送することができない場合があった。即ち、事前に取得した位置情報と、各ノードの現在位置とが異なることが原因で、適切にパケットを転送することができない場合があった。
また、従来技術としては、周辺に存在するノードの位置情報を周期的に取得することなく、パケットの転送を実現するネットワークが知られているが、この種のネットワークでは、送信元のノードでパケットの伝送領域(伝送角度)を設定し、この設定内容に従って、最終送信先地点に一致する方角にパケットを転送する程度であるため、最終送信先地点が存在する方角に、道路が延びておらず、高層ビルや丘等の電波障害物が存在する場合などには、適切にパケットを転送できない場合があった。
また、従来技術としては、送信元地点から最終送信先地点までの道路に沿った経路を探索し、この経路を構成する各リンクのベクトルに基づいて、伝送領域を拡大することで、上記問題を解決する手法が知られているが、このような手法を採用した場合には、伝送領域(角度)が広くなるため、無駄なパケット転送が増大するといった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、従来よりも効率的且つ安定的に、パケットを送信先地点まで転送可能な技術を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の通信装置は、データ送信指令が入力されると、データ送信指令の入力元から指定された送信対象データを格納したパケットであって、データ送信指令の入力元から指定された送信先地点を付属情報として記したパケットを、パケット送出手段にて生成し、このパケットを、無線通信手段を介してネットワークに送出する。
具体的に、パケット送出手段は、データ送信指令が入力されると、自車の現在位置を始点とし、データ送信指令の入力元から指定された送信先地点を終点とする道路に沿ったデータ伝送経路を決定し、無線通信手段が通信可能な領域において、上記データ伝送経路に合わせて、自車の現在位置からデータ伝送経路の終点方向に、パケットの転送範囲を決定し、データ送信指令の入力元から指定された送信対象データを格納したパケットであって、上記決定したデータ伝送経路及び転送範囲と、送信先地点とを付属情報として記したパケットを生成する。
また、この通信装置は、無線通信手段を介してパケットを受信すると、受信パケットが示す送信先地点及び位置情報取得手段が取得した現在位置情報が示す自車の現在位置に基づき、宛先判断手段にて、受信パケットが自装置宛のパケットであるか否かを判断し、受信パケットが自装置宛のパケットであると判断すると、データ受付手段にて、この受信パケットを、自装置宛のパケットとして処理する。
その他、この通信装置は、パケットを受信すると、受信パケットに記された付属情報及び位置情報取得手段の取得情報が示す自車の現在位置に基づき、受信パケットの転送が必要であるか否かを転送要否判断手段にて判断し、受信パケットの転送が必要であると判断すると、パケット転送手段にて、この受信パケットに基づいた転送パケットを生成し、生成した転送パケットを、無線通信手段を介して、ネットワークに送出する。
具体的に、転送要否判断手段は、受信パケットが示す転送範囲内に自車が存在し、受信パケットが自装置宛のパケットではない場合、受信パケットの転送が必要であると判断し、パケット転送手段は、転送要否判断手段により受信パケットの転送が必要であると判断されると、無線通信手段が通信可能な領域において、この受信パケットが示すデータ伝送経路に合わせて、自車の現在位置からデータ伝送経路の終点方向に、パケットの転送範囲を決定する。そして、パケット転送手段は、受信パケットが示す転送範囲を、上記決定した転送範囲に置換して転送パケットを生成し、生成した転送パケットを、無線通信手段を介して、ネットワークに送出する。
このように、本発明では、パケットの送信元装置で、データの伝送方向を決定するのではなく、データ伝送経路を決定して、これをパケットに記述し、転送先装置では、このデータ伝送経路に基づいて、パケットの転送範囲を決定する。従って、本発明の通信装置を用いてネットワークを構成すれば、パケットの転送が不要な方向に連鎖していくのを抑制することができ、パケットの送信元装置で定めたデータ伝送経路に沿うようにして、効率的に送信先地点までパケットを転送することができる。また、データ伝送経路に沿うようにパケットを転送するので、本発明では、送信先地点の方角に直線的にパケットを転送するよりも、電波障害物によりパケットの転送が阻害されないようにすることができる。従って、この発明によれば、従来よりも効率的且つ安定的に、パケットを、送信先地点まで転送することができ、安定した車々間通信を実現することができる。
尚、データ伝送経路に合わせて、パケットの転送範囲を決定する方法としては、転送範囲にデータ伝送経路の一部が含まれるように、パケットの転送範囲を決定する方法を挙げることができる。
その他、パケット転送手段は、自車の現在位置から最も遠い地点を、データ伝送経路上に配置するようにして、パケットの転送範囲を決定する構成にすることができる。このように構成された通信装置(請求項2)によれば、パケットの転送範囲内で、最も効率的にパケットを転送することができる自車の現在位置から最も遠い地点を、車両が存在する可能性の高いデータ伝送経路上に配置するので、結果として、効率的にパケットを転送することができる。尚、パケットの転送範囲の決定方法に関しては、パケット送出手段に対して、パケット転送手段と同様の手法を適用してもよい。
また、パケットの転送範囲は、固定形状にされるとよく、特に、円形にされるとよい。固定形の領域を、パケットの転送範囲とすれば、転送範囲を、簡単なパラメータで表すことができて、パケットに占める転送範囲に関するデータの量を小さくすることができる。その他、自車の現在位置が、転送範囲内にあるか否かを簡単な演算で判定することができる。
また、自車の現在位置を基点として円形にパケットの転送範囲を決定するように、通信装置を構成する場合、パケット転送手段は、次のように構成されるとよい。即ち、パケット転送手段は、自車の現在位置及び円の中心点を通る直線と円弧との交点を、データ伝送経路上に合わせるようにして、パケットの転送範囲を決定する構成にされるとよい。このように構成された通信装置(請求項3)によれば、自車の現在位置に対向する円の最遠端を、データ伝送経路上に合わせることができる。従って、この通信装置を用いてネットワークを構成すれば、効率よく、データ伝送経路に沿って、送信先地点までパケットを転送することができる。
但し、データ伝送経路が大きく屈曲している箇所では、上記のようにパケットの転送範囲を決定すると、屈曲点に位置する交差点等が、パケットの転送範囲に収まらなくなる可能性がある(図6(a)参照)。交差点等では、車両密度が高いため、このような交差点が、パケットの転送範囲に収まらないと、パケットの転送に失敗する確率が上がり、通信の安定性が損なわれる原因となる。
従って、パケット転送手段は、次のように構成されてもよい。即ち、パケット転送手段は、自車の現在位置を基点として円形にパケットの転送範囲を決定する構成にされ、円の内側の特定点(例えば、円の中心)をデータ伝送経路上に合わせるようにして、パケットの転送範囲を決定する構成にされてもよい。
このように構成された通信装置(請求項4)によれば、ネットワーク全体から見た場合にパケットの転送回数が増加する可能性があるが、図6(b)に示すように、データ伝送経路の屈曲点周辺において、交差点等がパケットの転送範囲から外れてしまうのを防止することができるので、安定した車々間通信を実現することができる。
また、パケット転送手段は、請求項5記載のように、データ伝送経路に沿って、データ伝送経路を中心とする所定幅の領域を、パケットの転送範囲に決定する構成にされてもよい。このようにパケットの転送範囲を決定した場合でも、円形に転送範囲を決定する場合と同様、転送範囲を、簡単なパラメータで表現することができ、パケットに占める転送範囲に関するデータの量を抑えることができる。
また、パケット転送範囲内に存在する全ての車両(通信装置)がパケットの転送動作を実行すると、ネットワークの負荷が大きくなるので、本発明の通信装置は、具体的に、次のように構成されるとよい。
即ち、通信装置には、無線通信手段を通じてパケットを受信すると、この受信パケットが示す転送範囲に対する自車の現在位置に応じて、待機時間を設定する設定手段を設け、パケット転送手段は、転送要否判断手段により受信パケットの転送が必要であると判断されると、設定手段により設定された待機時間の経過後に、上記生成した転送パケットを、無線通信手段を介して、ネットワークに送出する構成にされるとよい。その他、この通信装置には、設定手段により設定された待機時間が経過するまでの期間に、パケット転送手段が送出する予定の転送パケットと、元パケット(オリジナルのパケット)が同一のパケットを、予め定められた上限個数より多く受信した場合、パケット転送手段による転送パケットの送出を禁止する禁止手段を設けるとよい。
このように構成された通信装置(請求項6)によれば、他車の所定数が、同一種類のパケットを転送している場合に、パケットの転送を中止するので、ネットワークトラフィックを抑えることができる。尚、ここでいう元パケットとしては、送信元車両で生成されたパケットや、一つ前の転送元車両で生成されたパケットを挙げることができる。
また、この通信装置によれば、受信パケットが示す転送範囲に対する自車の現在位置に応じて、待機時間を設定するので、転送パケット数に上限を持たせても、送信先地点に効率よくパケットを転送することができる。例えば、送信先地点に近い車両の待機時間を短くすることで、効率よくパケットを、送信先地点に転送することができる。
また、上記通信装置においては、自車の現在位置を付属情報としてパケットに記すようにパケット送出手段及びパケット転送手段を構成し、設定手段は、受信パケットが示す転送元車両の位置に対応するデータ伝送経路上の地点から、自車の現在位置に対応するデータ伝送経路上の地点までのデータ伝送経路に沿った距離を算出し、この距離が長い程、待機時間を短く設定する構成にされるとよい。
このように構成された通信装置(請求項7)を用いてネットワークを構成すれば、パケットの転送範囲内において、送信先地点に近い通信装置から優先的に、パケットを転送することができ、効率的にパケットを送信先地点へと転送することができる。
また、上記設定手段は、請求項8記載のように、受信パケットが示す送信先地点から自車の現在位置までのデータ伝送経路に沿った距離を算出し、算出した距離が長い程、待機時間を長く設定する構成にされてもよい。このような構成の設定手段を備えた通信装置を用いてネットワークを構成すれば、上記通信装置(請求項7)と同様に、送信先地点に近い通信装置から優先的に、パケットを転送することができ、効率的に、パケットを送信先地点へと転送することができる。
その他、設定手段は、次のように構成されてもよい。即ち、設定手段は、受信パケットが示す転送元車両の位置と転送元車両から最も離れた受信パケットが示す転送範囲内の地点とを結んだ直線に沿った距離であって、転送元車両の位置から自車の現在位置までの距離を算出し、この距離が長い程、待機時間を短く設定する構成にされてもよい。
このような構成の設定手段を備えた通信装置を用いてネットワークを構成した場合でも、送信先地点に近い通信装置から優先的に、パケットを転送することができ、効率的に、パケットを送信先地点へと転送することができる。また、この通信装置(請求項9)では、データ伝送経路に沿った距離を算出する上記通信装置よりも、待機時間の設定に必要な距離を、少ない演算量で求めることができる。
その他、禁止手段を備える上述の通信装置には、自車周辺の車両密集度を判定する密集度判定手段を設けて、この密集度判定手段の判定結果に基づき、上限設定手段にて、禁止手段に対し上限個数を設定するように、通信装置を構成するとよい。
このように構成された通信装置(請求項10)を用いてネットワークを構成すれば、車両密度が高い地域において、ネットワークの負荷が増大するのを抑制することができる。また、車両密度が低い地域において、上限個数を上げることで、安定した車々間通信を実現することができる。
また、ネットワークの負荷を抑制するには、パケットの転送範囲を、自車周辺の車両密集度に応じたサイズに決定するようにしてもよい。このように構成された通信装置(請求項11)を用いれば、車両密度の高い地域において、転送範囲のサイズを小さくし、車両密度の低い地域において、転送範囲のサイズを大きくすることで、転送範囲内に収まる車両数を調整することができ、ネットワークの負荷が増大するのを抑制しつつ、安定した車々間通信を実現することができる。
その他、転送要否判断手段は、自車がデータ伝送経路上に位置しなくても、受信パケットが示す転送範囲内に自車が存在し、受信パケットが自装置宛のパケットではない場合には、受信パケットの転送が必要であると判断する構成にされてもよいが、このように転送要否判断手段を構成すると、道路以外の地点からパケットが転送される可能性が高くなり、建造物に囲まれた通信環境の良くない場所からパケットが転送される可能性が高くなる。このような現象は、転送パケットの数に上限を持たせる場合、多少なりとも通信の安定性に影響を与える可能性がある。
従って、転送要否判断手段は、受信パケットが示すデータ伝送経路上に自車が存在しない場合、受信パケットの転送が必要ではないと判断する構成にされるとよい。このように構成された通信装置(請求項12)を用いて、ネットワークを構成すれば、データ伝送経路以外の地点からパケットが転送されることがなくなるので、電波障害等によりパケットの転送に失敗する可能性を、十分に抑えることができる。
但し、パケットの転送にかかる条件を厳しくすると、転送元車両の周囲に、パケットの転送を引き継ぐことのできる車両が少なくなり、パケットの転送に失敗する可能性が高くなるため、上述の通信装置には、転送パケットの再送機能を設けるとよい。
即ち、上述の通信装置には、パケット転送手段が送出した転送パケットと元パケットが同一の転送パケットを、この転送パケットの送出後、他車の通信装置から受信したか否かを判定する受信判定手段を設け、パケット転送手段は、受信判定手段にて、元パケットが同一の転送パケットを、他車の通信装置から受信していないと判定されると、自車の現在位置に基づき、先に送出した転送パケットに代わる新たな転送パケットを生成して、これを無線通信手段を介してネットワークに送出する構成にされるとよい。具体的に、パケット転送手段は、先に送出した転送パケットを生成する原因となった受信パケットが有する付属情報に基づき、先に送出した転送パケットと同様の手法でパケットの転送範囲を再決定し、この決定内容に従って、新たな転送パケットを生成する構成にすることができる。
このように構成された通信装置(請求項13)によれば、転送パケットの送出後、これと同種の転送パケットがネットワークに流れているのを確認し、流れていない場合には、転送パケットを再送するため、パケットの転送が途絶えてしまうのを防止することができる。従って、この通信装置を用いてネットワークを構成すれば、一層安定した車々間通信を実現することができる。
また、パケット転送手段は、上記元パケットが同一の転送パケットを、他車の通信装置から受信していないと判定されると、先に送出した転送パケットに記した転送範囲よりも広範囲の転送範囲を記した新たな転送パケットを生成する構成にされると好ましい。
このようにパケット転送手段を構成すれば、初回のパケット転送時には、転送範囲を小さくして、ネットワークの負荷を抑えることができると共に、パケットの再送時には、転送範囲を広げることで、パケットの転送に再度失敗するのを抑制することができる。即ち、この通信装置(請求項14)によれば、効率的且つ安定的に、パケットを転送することができる。
その他、パケットの転送範囲内には、データ伝送経路から外れる方向に走行する車両も存在するため、このような車両においては、パケットの転送時(転送パケットの再送時などに)、無線通信可能な領域において、データ伝送経路が存在しない場合がある。この場合には、データ伝送経路が位置する方角にパケットの転送範囲を決定することが考えられるが、このように転送範囲を決定すると、道路の設置状況とは関係なく、パケットの転送範囲を決定するため、転送範囲に車両が存在しない確率が上がる。
また、通信装置を、常に、転送範囲内にデータ伝送経路が含まれるように、パケットの転送範囲を決定する構成にすると、車両がデータ伝送経路に近づくまでパケットの転送範囲を決定することができず、結果的にパケットの転送がいつまでもできないことになる。
従って、上述のパケット転送手段には、データ伝送経路を変更する機能を設けるとよい。即ち、パケット転送手段は、無線通信手段が通信可能な領域において、データ伝送経路が存在しない場合、自車の現在位置から受信パケットが示す送信先地点までの道路に沿った経路を、新たなデータ伝送経路として決定し、無線通信手段が通信可能な領域において、上記決定したデータ伝送経路に合わせて、自車の現在位置からデータ伝送経路の終点方向に、パケットの転送範囲を決定すると共に、受信パケットが示す転送範囲を上記決定した転送範囲に置換し、受信パケットが示すデータ伝送経路を、上記決定したデータ伝送経路に置換して、転送パケットを生成する構成にされるとよい。
このように構成された通信装置(請求項15)を用いて、ネットワークを構成すれば、パケットの転送に失敗する確率を一層小さくすることができ、一層安定した車々間通信を実現することができる。
また、パケット送出手段は、自車の現在位置から送信先地点までの経路の内、幹線道路を優先的に選択した経路を、データ伝送経路として決定する構成にされてもよい。このように構成された通信装置(請求項16)によれば、交通量の多い幹線道路に沿って、パケットを、送信元地点から送信先地点へと転送することができ、安定的にパケットを、送信先地点へと転送することができる。
以下、本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1(a)は、第一実施例の車載システム1の構成を表す説明図であり、図1(b)は、無線通信装置30が有する通信制御部33の動作を示した説明図である。また、図2は、この車載システム1を備える車両群により実現されるアドホックネットワークを示す説明図である。
図1に示すように、本実施例の車載システム1は、車両に搭載されたナビゲーション装置10及び無線通信装置30が、車両内で互いに通信可能に接続された構成にされている。ナビゲーション装置10は、GPS受信機11と、地図データベース13と、液晶ディスプレイやスピーカ等で構成される表示部15と、VICS通信部17と、操作スイッチ群19と、これらを統括制御するナビ制御部21と、無線通信装置30に接続されたインタフェース部23と、を備え、ユーザ(車両乗員)からの指示に従って経路案内等を実行する。
具体的に、GPS受信機11は、GPS(Global Positioning System)衛星からの送信電波を受信して、自車の現在位置を検出し、この現在位置を表す検出信号を、ナビ制御部21に入力するものである。また、地図データベース13は、地図データを記憶し、ナビ制御部21からの指示に従って、地図データをナビ制御部21に入力するものである。この地図データベース13は、地図データとして、道路の接続関係を表すデータ(リンク及びノードのデータ)、地形データ、施設データ等を有する他、経路案内用の音声データ等を有する。
その他、VICS通信部17は、道路に敷設されたビーコンと情報のやりとりを行うものであり、ビーコンを通じ、VICS(Vehicle Information Communication System)センタから道路交通情報等を取得する。尚、道路交通情報としては、渋滞情報等を挙げることができる。
また、操作スイッチ群19は、表示部15と一体に構成されたタッチパネル及び表示部15の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチから構成されている。その他、ナビ制御部21は、CPU、RAM、ROM等から構成され、ROMに記憶された各種プログラムを実行することにより、装置内各部を統括制御すると共に、地図表示機能、経路探索機能、目的地までの経路案内機能などを実現する。
例えば、ナビ制御部21は、GPS受信機11の検出信号が示す自車の現在位置に基づき、地図データベース13から、自車の現在地周辺の地図データを取得し、この地図データに基づき、現在地周辺の地図を、表示部15に表示する。また、ナビ制御部21は、経路探索指令が入力されると、経路探索部21aとして機能し、自車の現在地から、指定された地点までの最適な経路(道路に沿った経路)を、ダイクストラ法などの周知の技法を用いて探索し、この経路情報を、指令入力元へ出力する。
その他、ナビ制御部21は、操作スイッチ群19を通じてユーザから経路案内指令が入力されると、経路探索部21aを通じて、自車の現在地から、指定された目的地までの最適な経路を算出し、この経路案内を、表示部15を通じて行う。具体的には、自車の現在地周辺の地図に重ねて、案内経路を、太線等で表示すると共に、車両の移動に合わせ、交差点付近等で、車両の旋回方向を、スピーカを通じ、音声にて案内する。
その他、本実施例のナビゲーション装置10は、無線通信装置30を通じ、他の車両と通信するための各種アプリケーションソフトウェアを有し、ナビ制御部21は、このアプリケーションソフトウェアを実行することにより、無線通信装置30を通じ、他の車両と通信を行う。尚、アプリケーションソフトウェアとしては、ユーザから指定された地域に向けて、渋滞情報の要求コマンドを送信し、この地域の車両から渋滞情報を取得するアプリケーションソフトウェア等を挙げることができる。
また、無線通信装置30は、無線通信部31と、通信制御部33と、タイマー35と、ナビゲーション装置10に接続されたインタフェース部37と、を備える。この無線通信装置30は、無線通信部31にて、外部から送信されてきた無線信号を受信し、この受信信号からパケットを抽出して、これを通信制御部33に入力すると共に、通信制御部33から入力されたパケットを無線信号にして、アンテナから出力する。
また、通信制御部33は、CPU、ROM、RAM等からなり、上記アプリケーションソフトウェアを通じて、データ送信指令が入力されると、データ送信指令の入力元(アプリケーションソフトウェア)から指定された送信対象データを格納したパケットであって、データ送信指令の入力元から指定された送信先エリアを表す送信先エリア情報と、自車の現在位置から送信先エリアの中心Peまでのパケットの伝送経路を表す伝送経路情報と、パケットの転送範囲を表す転送範囲情報とを記したパケットを生成し、このパケットを無線通信部31を介してネットワークに送出する。
また、この通信制御部33は、無線通信部31を介して外部からパケットを受信すると、受信パケットが有する送信先エリア情報及び自車の現在位置に基づき、受信パケットが自車宛のパケットであるか否かを判断し、受信パケットが自車宛のパケットであると判断すると、このパケットを、対応するアプリケーションソフトウェアに出力する。
その他、通信制御部33は、パケットを受信すると、受信パケットに記された転送範囲情報に基づき、自車がパケットの転送範囲に存在するか否かを判断し、転送範囲に存在する場合には、受信パケットに記された伝送経路情報が示す伝送経路に合わせるように、自車からの無線信号が届く地域において、パケットの転送範囲を決定し、この転送範囲を記した転送パケットを、無線通信部31を介してネットワークに送出する。
本実施例では、このような通信制御部33の動作により、送信元車両から発せられたパケットを、複数の車両を通じて、送信元地点から、パケットが示す送信先エリアまで、予め決定した伝送経路(図2に示す太線)に沿うようにして転送し、送信元車両から、送信先エリアに存在する車両に、データを提供する。
以下では、この通信制御部33の動作の詳細について説明する。図3は、上記アプリケーションソフトウェアを通じて、データ送信指令が入力されると、通信制御部33が実行するパケット生成送信処理を表すフローチャートである。
パケット生成送信処理を開始すると、通信制御部33は、まず、新規生成するパケットに付すパケット番号を生成する(S110)。パケット番号は、パケット固有の番号であり、通信制御部33は、例えば、当該無線通信装置30の個体番号と、パケット生成送信処理にて生成するパケットの通し番号とを組み合わせることにより、パケット番号として、ネットワーク上で生成される他のパケット(但し、このパケットを元パケットとした転送パケットを除く)と重複しない固有の番号を生成する。
そして、この処理を終えると、通信制御部33は、S120に移行し、データ送信指令の入力元から指定された送信先エリアの中心Peの位置(緯度及び経度)及びエリア半径rを表す送信先エリア情報を生成する。また、S120での処理を終えると、通信制御部33は、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得し(S125)、この情報に基づき、自車の現在位置(緯度及び経度)を表す送信元地点情報を生成すると共に、自車の現在位置(緯度及び経度)を表す転送元地点情報を生成する(S130)。
その他、S130での処理を終えると、通信制御部33は、S140に移行して、自車の現在地点P0から、送信先エリアの中心Peまでの道路に沿った経路を、ナビ制御部21の経路探索部21aに探索させ、経路探索部21aから、地点P0−Pe間の経路を表す経路情報を取得する。そして、この取得情報に基づき、地点P0−Pe間のパケットの伝送経路を表す伝送経路情報を生成する(S150)。尚、パケットの伝送経路は、経路探索部21aから取得した経路情報が示す経路と同一である。
また、このようにして伝送経路情報を生成すると、通信制御部33は、S160に移行し、生成した伝送経路情報及び送信先エリア情報を参照対象に設定し、図4に示す転送範囲情報生成処理を実行する。図4は、通信制御部33が実行する転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。
転送範囲情報生成処理を開始すると、通信制御部33は、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円と、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路とが交わる地点を検索する(S210)。尚、半径Dの長さは、予め定められているものとする。具体的に、半径Dの長さは、装置の設計段階で、無線通信部31の無線信号を受信可能な円形地域の半径を最大値として、それ以下に設定される。
そして、S210での検索の結果、該当地点が発見されると(S220でYes)、通信制御部33は、S230に移行し、検索の結果発見された該当地点の内、伝送経路終点方向が円の外側に向いた地点(即ち、伝送経路が、円の外側に向かって終点Pe側に延びている地点)であって、伝送経路に沿った距離が、自車の現在地点P0から伝送経路終点方向で最も近い地点を、基準地点P1に決定する。
また、このようにして基準地点P1を決定すると、通信制御部33は、自車の現在地点P0と、基準地点P1とを結んだ線分P0P1の中点を、中心Cとする半径D/2の円が囲む領域を、パケットの転送範囲として決定する(S240)。尚、図5(a)(b)及び図6(a)は、S230〜S240における転送範囲の決定方法を示した説明図である。但し、図5及び図6においては、塗りつぶされた道路が、パケットの伝送経路に設定され、領域Rが転送範囲に対応するものとする。
また、S240での処理を終えると、通信制御部33は、S250に移行し、自車が伝送経路上に位置しているか否かを判断し、自車が伝送経路上に位置していないと判断すると(S250でNo)、S240で決定した転送範囲を、中心Cの位置及び円の直径Dで記述した転送範囲情報を生成し(S290)、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
一方、自車が伝送経路上に位置していると判断すると(S250でYes)、通信制御部33は、自車の現在地点P0から基準地点P1までの伝送経路に、屈曲点が存在するか否かを判断する(S260)。尚、本実施例では、経路が90度以上折れ曲がっている地点を、屈曲点として取扱うものとする。
そして、地点P0から基準地点P1までの伝送経路に、屈曲点が存在しないと判断すると(S260でNo)、通信制御部33は、S290に移行し、S240で決定した転送範囲を、中心Cの位置及び円の直径Dで記述した転送範囲情報を生成し(S290)、その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
一方、通信制御部33は、地点P0から基準地点P1までの伝送経路に、屈曲点が存在すると判断すると(S260でYes)、地点P0から基準地点P1までの伝送経路上の地点であって、地点P0から直線距離D/2離れた地点を、基準地点P2に決定し(S270)、この基準地点P2を中心Cとする半径D/2の円が囲む領域を、パケットの転送範囲に決定する(S280)。尚、図6(b)は、S270〜S280における転送範囲の決定方法を示した説明図である。
S240で、図6(a)に示す領域Rが転送範囲に決定された場合には、伝送経路に屈曲点があることが原因で、この屈曲点に存在する交差点周辺が、転送範囲から一部外れてしまうが、車両密度の高い交差点周辺が転送範囲から外れてしまうと、転送範囲内の車両密度が低くなるため、安定した車々間通信を実現する上で都合が悪い。S270〜S280では、このような不都合を解消する目的で、パケットの転送範囲の決定方法を変更し、図6(b)に示すように、転送範囲内に交差点周辺が収まるようにしているのである。
S280での処理を終えると、通信制御部33は、S290に移行し、S280で決定した転送範囲を、中心Cの位置及び円の直径Dで記述した転送範囲情報を生成し(S290)、その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
その他、通信制御部33は、S210での検索の結果、該当地点が発見されないと(S220でNo)、S221に移行し、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円内に、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路の終点Peが存在するか否かを判断する。そして、上記円内に、伝送経路の終点Peが存在すると判断すると(S221でYes)、自車の現在地点P0と伝送経路の終点Peとを結ぶ直線上で、地点P0から直線距離D/2離れた地点を中心Cとした半径D/2の円が囲む領域を、パケットの転送範囲として決定する(S223)。
また、この処理を終えると、通信制御部33は、S225に移行して、パケットの転送範囲が、参照対象の送信先エリア情報が示す送信先エリアをカバー(網羅)しているか否かを判断し、送信先エリアをカバーしないと判断すると(S225でNo)、S290に移行し、S223で決定した転送範囲を記述した転送範囲情報を生成し、その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
一方、通信制御部33は、S225で、パケットの転送範囲が送信先エリアをカバーしていると判断すると(S225でYes)、S227に移行して、この送信先エリアを、パケットの転送範囲に決定する。その後、S290に移行して、S227で決定した転送範囲を記述した転送範囲情報を生成し、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
また、通信制御部33は、S221で、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円内に、伝送経路の終点Peが存在しないと判断すると(S221でNo)、エラー判定を下して(S229)、当該転送範囲情報生成処理を終了する。尚、S160で行われる転送範囲情報生成処理では、自車の現在地点P0が伝送経路の始点と一致するため、転送範囲情報生成処理にてエラー判定が行われることはないものとする。
また、このようにして、S160での転送範囲情報生成処理を終了すると、通信制御部33は、S110で生成したパケット番号、S120で生成した送信先エリア情報、S130で生成した送信元地点情報及び転送元地点情報、S150で生成した伝送経路情報、及び、S160で生成した転送範囲情報を、ヘッダ情報として記述したパケットであって、データ送信指令の入力元から指定された送信対象データを付属データとして格納したパケットを生成する(S170)。
尚、図7は、無線通信装置30で生成されるパケットの構成を表す説明図である。データ送信指令の入力元から提供される送信対象データは、入力元のアプリケーションソフトウェアが用いるプロトコルに応じて様々な形態を採るが、例えば、送信対象データとしては、送信元アドレスや送信先アドレスをヘッダ情報として有するデータを挙げることができる。
また、S170において、このような構成のパケットを生成すると、通信制御部33は、S180に移行し、生成したパケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する。その後、当該パケット生成送信処理を終了する。
続いて、通信制御部33が、無線通信装置30の動作中に繰返し実行するパケット受信転送処理について説明する。図8は、通信制御部33が実行するパケット受信転送処理を表すフローチャートである。
パケット受信転送処理を開始すると、通信制御部33は、無線通信部31を介して外部からパケットを受信するまで待機し(S310)、パケットを受信すると(S310でYes)、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得し(S315)、この情報と、受信パケットが有する送信先エリア情報とに基づき、自車が送信先エリア内に存在するか否かを判断する(S320)。
そして、自車が送信先エリア内に存在すると判断すると(S320でYes)、受信パケットを、ナビ制御部21が実行する上記アプリケーションソフトウェアに向けて出力し、このアプリケーションソフトウェアのタスクに、受信パケットを処理させる(S325)。このような動作により、ナビゲーション装置10では、例えば、受信パケットに格納された付属データが示す情報(渋滞情報等)が、表示部15に表示される。また、S325での処理を終えると、通信制御部33は、一旦当該パケット受信転送処理を終了し、その後、次のパケットを受信するまで待機する(S310)。
一方、S320にて、自車が送信先エリア内に存在しないと判断すると(S320でNo)、通信制御部33は、S330に移行し、受信パケットが有する転送範囲情報に基づき、自車がパケットの転送範囲内に存在するか否かを判断する(S330)。そして、自車がパケットの転送範囲内に存在しないと判断すると(S330でNo)、一旦当該パケット受信転送処理を終了し、その後、S310にて次パケットを受信するまで待機する。
また、S330において、自車がパケットの転送範囲内に存在すると判断すると(S330でYes)、通信制御部33は、S340に移行し、図9に示す時間計測処理を実行する。図9は、通信制御部33が実行する時間計測処理を表すフローチャートである。
時間計測処理を開始すると、通信制御部33は、まずS410にて、受信パケットの転送元地点情報及び伝送経路情報に基づき、転送元地点Pbが伝送経路上に存在するか否かを判断し、転送元地点Pbが伝送経路上に存在すると判断すると(S410でYes)、転送元地点Pbを基準地点X1に設定する(S420)。その後、S430に移行する。
一方、通信制御部33は、転送元地点Pbが伝送経路上に存在しない、即ち、伝送経路から外れていると判断すると(S410でNo)、受信パケットが示すパケット転送範囲内の伝送経路上の地点であって、最も伝送経路始点(パケット送信元地点)寄りの地点を、基準地点X1に設定する(S425)。その後、S430に移行する。
その他、S430に移行すると、通信制御部33は、自車が伝送経路上に存在するか否かを判断し、自車が伝送経路上に存在すると判断すると(S430でYes)、自車の現在地点P0を、基準地点X2に設定する(S440)。その後、S450に移行する。一方、自車が伝送経路上に存在しないと判断すると(S430でNo)、通信制御部33は、自車の現在地点P0を中心とした円と、伝送経路との接点Psであって、現在地点P0との間の直線距離が最も短い接点Psを、基準地点X2に設定する(S445)。その後、S450に移行する。
また、S450に移行すると、通信制御部33は、伝送経路終点方向の距離を正値とする上記基準地点X1から基準地点X2までの伝送経路に沿った距離Zを算出し、算出した距離Zを用いて、時間Tを次式に従って算出し、これをタイマー値Tとして、タイマー35に設定する(S460)。
T=A・(M−Z)/M
但し、上式におけるAは、任意の定数であり、Mは、基準地点X1から、パケット転送範囲内の伝送経路上の地点であって、最も終点Pe寄りの地点までの伝送経路の長さである。また、距離Zは、0≦Z≦Mに制限される。即ち、時間Tは、距離Zが負値である場合、Z=0に設定され、距離ZがM以上である場合、Z=Mに設定されて算出される。このようにして、S460では、自車が伝送経路終点Pe寄りの地点に存在する程、タイマー値Tを小さく設定する。
また、S460での処理を終えると、通信制御部33は、タイマー35を作動させて、時間計測を開始し(S470)、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了するまで待機する。即ち、時間Tが経過するまで待機する(S480)。そして、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了すると(S480でYes)、当該時間計測処理を終了する。
また、このようにしてS340での時間計測処理を終了すると、通信制御部33は、S350に移行して、S310で受信したパケットが示すパケット番号とパケット番号が同一のパケットを、S310でパケットを受信した直後から現在までの期間に、予め定められた個数であるN個以上受信したか否かを判断し、N個以上のパケットを受信したと判断すると(S350でYes)、一旦当該パケット受信転送処理を終了し、その後、S310にて次パケットを受信するまで待機する。
これに対し、N個以上のパケットを受信していないと判断すると(S350でNo)、通信制御部33は、S360に移行して、図10に示す転送パケット送信処理を実行する。その後、当該パケット受信転送処理を終了する。
図10は、通信制御部33が実行する転送パケット送信処理を表すフローチャートである。この転送パケット送信処理を開始すると、通信制御部33は、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得する(S500)と共に、受信パケットが有する伝送経路情報及び送信先エリア情報を参照対象に設定して、転送範囲情報生成処理(図4参照)を実行する(S510)。
そして、転送範囲情報生成処理を終了すると、S520に移行し、直前に実行した転送範囲情報生成処理にてエラー判定がなされたか否かを判断し、エラー判定がなされていないと判断すると(S520でNo)、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成し(S530)、その後、受信パケットが有する転送範囲情報を、S510で生成した転送範囲情報に置換し、受信パケットが有する転送元地点情報を、S530で生成した転送元地点情報に置換して、受信パケットに対応する転送パケットを生成し(S540)、生成した転送パケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S590)。その後、当該転送パケット送信処理を終了する。
一方、S520にて、エラー判定がなされたと判断すると(S520でYes)、通信制御部33は、転送範囲情報生成処理をやり直すために、伝送経路情報生成処理を実行して、新たな伝送経路情報を生成する(S550)。図11は、通信制御部33が実行する伝送経路情報生成処理を表すフローチャートである。
伝送経路情報生成処理を開始すると、通信制御部33は、まずS551にて、受信パケットの伝送経路情報が示す伝送経路上の地点の内、自車の現在地点P0から最も近い地点を、合流地点Pcに決定する(図12(a)参照)。
また、この処理を終えると、通信制御部33は、S553に移行し、自車の現在地点P0から上記決定した合流地点Pcまでの経路を、経路探索部21aに探索させて、その経路情報を、経路探索部21aから取得する。また、S553での処理を終えると、通信制御部33は、受信パケットの伝送経路情報が示す上記合流地点Pcから終点Peまでの伝送経路に、経路探索部21aから取得した経路情報が示す自車の現在地点P0から合流地点Pcまでの経路を接続してなる経路を、新たなパケットの伝送経路に決定し、この伝送経路を表す伝送経路情報を生成する(S555)。
尚、図12は、伝送経路情報生成処理における伝送経路の決定方法を示した説明図である。例えば、受信パケットの伝送経路情報が図12(a)に塗りつぶして示す伝送経路を示す場合、通信制御部33は、自車の現在地点P0に対応する道路と、伝送経路との交差点を、合流地点Pcに決定して、地点P0から地点Pcまでの経路と、地点Pcから受信パケットが示す終点Peまでの経路とを接続した図12(b)に塗りつぶして示す経路を、新たな伝送経路に決定し、この伝送経路を表す伝送経路情報を生成する。
また、このようにして新たに伝送経路情報を生成すると、通信制御部33は、当該伝送経路情報生成処理を終了する。その他、S550での処理を終えると、通信制御部33は、S550で生成した伝送経路情報及び受信パケットの送信先エリア情報を参照対象に設定して、転送範囲情報生成処理(図4参照)を実行することにより、新たな伝送経路に基づき、パケットの転送範囲を決定し、この転送範囲を表す転送範囲情報を生成する(S560)。
そして、S560での処理を終えると、通信制御部33は、S570に移行し、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成する。その後、受信パケットが有する転送範囲情報を、S560で生成した転送範囲情報に置換し、受信パケットが有する転送元地点情報を、S570で生成した転送元地点情報に置換し、更に、受信パケットが有する伝送経路情報を、S550で生成した伝送経路情報に置換して、受信パケットに対応する転送パケットを生成し(S580)、生成した転送パケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S590)。その後、当該転送パケット送信処理を終了する。
以上、第一実施例の車載システム1について説明したが、本実施例の車載システム1群により構成されるネットワークでは、パケットの送信元車両にて、パケット伝送方向ではなく、パケットの伝送経路を決定し、転送先車両では、この伝送経路に基づいて、パケットの転送範囲を決定するので、電波障害物を考慮して広範囲の方角にパケットを転送する従来ネットワークよりも、パケットの転送が不要な方向に連鎖していくのを抑制することができ、パケットの送信元車両で定めた伝送経路に沿うように、効率的に送信先エリアまでパケットを転送することができる。また、本実施例によれば、伝送経路(道路)に沿うようにパケットを転送するので、送信先エリアの地点に向けて、直線的にパケットを転送するよりも、電波障害物によりパケットの転送が阻害されないようにすることができる。
その他、本実施例によれば、周囲車両の位置情報なしにパケットを転送する手法を採用しているので、周囲車両の位置情報の誤差が原因で通信が不安定になるといった問題を考慮せずに済む。従って、この実施例によれば、従来ネットワークよりも効率的且つ安定的に、パケットを、送信先エリアまで転送することができ、ネットワーク内において、安定した車々間通信を実現することができる。
また、本実施例の車載システム1では、パケットの転送範囲内で、最も効率的にパケットを転送することができる地点である自車の現在位置から最も遠い地点(円の中心を挟んで反対側の地点)を、車両が存在する可能性の高い伝送経路上に配置するようにして、パケット転送範囲を決定するので、非常に効率的にパケットを転送することができる。また、本実施例では、円形にパケットの転送範囲を設定するので、円の中心C及び直径Dを記述する程度で、転送範囲を表す転送範囲情報を生成することができ、パケットに収めるヘッダ情報のデータ量を低く抑えることができる。
その他、本実施例の車載システム1では、自車の現在地点P0から地点P1までの伝送経路に屈曲点がある場合には、円の中心を伝送経路上に合わせるようにして、自車の現在位置を基点とし円形にパケットの転送範囲を決定するようにした。従って、本実施例によれば、伝送経路が交差点等で右左折を伴うものであっても、この右左折を伴う交差点周囲がパケットの転送範囲に収まらなくなるのを抑制することができ、車両密度の高い交差点周囲の車両を利用して、安定的に転送パケットを、送信先エリアまで送信することができる。
また、本実施例では、パケット転送範囲内に存在する車両の内、伝送経路終点Peに近い車両に短い待機時間Tを設定し、待機時間Tが経過した車両から転送パケットを送出するようにして、伝送経路終点Peに近い車両からN個の車両が転送パケットを送出した場合には、これ以上の転送パケットを他の車両から転送しないようにした。従って、本実施例によれば、ネットワークトラフィックを抑えて、効率的にパケットを転送することができ、効率的且つ安定的な車々間通信を実現することができる。
尚、本実施例のヘッダ情報は、「特許請求の範囲」記載の付属情報に対応する。また、パケット送出手段は、本実施例において、図3に示すパケット生成送信処理にて実現され、宛先判断手段は、S320の処理にて実現され、データ受付手段は、S325の処理にて実現されている。その他、転送要否判断手段は、S330の処理にて実現され、パケット転送手段は、S360の処理にて実現されている。また、設定手段は、S340の処理にて実現され、禁止手段は、S350の処理にて実現されている。
また、本実施例の時間計測処理では、転送元地点Pbを基準として、時間Tを算出するようにしたが、例えば、時間計測処理は、終点Peを基準として、時間Tを算出する構成にされてもよい(第二実施例)。
図13は、第二実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する時間計測処理を表すフローチャートである。第二実施例の車載システム1は、第一実施例の車載システム1における時間計測処理(図9)を、図13に示す時間計測処理に変更した程度のものである。従って、以下では、第二実施例として、変更した時間計測処理の内容についてのみ説明することにする。
図13に示す時間計測処理を開始すると、通信制御部33は、第一実施例と同様に、S410〜S445までの処理を実行し、その後、S450に代えて、S650の処理を実行する。
S650では、伝送経路終点Peから基準地点X1までの伝送経路に沿った距離Lを算出する。また、この処理を終えると、通信制御部33は、S655に移行し、伝送経路終点Peから基準地点X2までの伝送経路に沿った距離Zを算出する。
また、S655での処理を終えると、通信制御部33は、算出した距離Z及び距離Lを用いて、時間Tを次式に従って算出し、これをタイマー値Tとして、タイマー35に設定する(S660)。
T=A・(Z−L+M)/M
但し、上式におけるAは、任意の定数であり、Mは、基準地点X1から、パケット転送範囲内の伝送経路上の地点であって、最も終点Pe寄りの地点までの伝送経路の長さである。また、距離Zは、L−M≦Z≦Lに制限される。即ち、時間Tは、距離ZがL−M未満である場合、Z=L−Mに設定され、距離ZがL以上である場合、Z=Lに設定されて算出される。このようにして、S660では、自車が伝送経路終点Pe寄りの地点に存在する程、タイマー値Tを小さく設定する。
また、S660での処理を終えると、通信制御部33は、タイマー35を作動させて、時間計測を開始し(S670)、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了するまで待機する。即ち、時間Tが経過するまで待機する(S680)。そして、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了すると(S680でYes)、当該時間計測処理を終了する。
以上、第二実施例の車載システム1について説明したが、第二実施例のように時間計測処理を実行しても、第一実施例と同様の効果を得ることができる。
また、伝送経路に沿った距離を算出してタイマー値Tを算出する場合には、タイマー値Tの算出に係る演算量が多くなるため、時間計測処理は、経路に沿った距離を求めずにタイマー値Tを算出する構成にされてもよい(第三実施例)。
図14は、第三実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する時間計測処理を表すフローチャートである。第三実施例の車載システム1は、第一実施例の車載システム1における時間計測処理(図9)を、図14に示す時間計測処理に変更した程度のものである。従って、以下では、第三実施例として、変更した時間計測処理の内容についてのみ説明する。
図14に示す時間計測処理を開始すると、通信制御部33は、まず、S710にて、受信パケットが示す転送元地点Pbと、受信パケットが示すパケット転送範囲(円)の中心Cとを結んだベクトルPbCの単位ベクトルと、転送元地点Pbと自車の現在地点P0とを結んだベクトルPbP0との内積を、地点Pbから地点P0までの距離であって、転送元地点Pbと地点Pbから最も離れた転送範囲内の地点Paとを結んだ直線に沿った距離Zとして算出する。
Z=(転送元地点Pbから自車の現在地点P0までの距離)・cosΘ
但し、角度Θは、ベクトルPbCと、ベクトルPbP0とのなす角度である。
また、S710での処理を終えると、通信制御部33は、S720に移行し、算出した距離Zを用いて、次式に従い時間Tを算出し、これをタイマー値Tとして、タイマー35に設定する(S720)。
T=A・(D−Z)/D
但し、上式におけるAは、任意の定数であり、Dは、パケット転送範囲(円)の直径Dである。
また、S720での処理を終えると、通信制御部33は、タイマー35を作動させて、時間計測を開始し(S730)、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了するまで待機する。即ち、時間Tが経過するまで待機する(S740)。そして、タイマー35によりカウントダウン(時間計測)が終了すると(S740でYes)、当該時間計測処理を終了する。
以上、第三実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1によれば、伝送経路に沿った距離を算出してタイマー値Tを設定する第一及び第二実施例の車載システム1よりも、タイマー値T算出に係る演算量を抑えることができる。
また、第一〜第三実施例では、伝送経路上に位置しない車両であっても、パケット転送を実行するように車載システム1を構成したが、伝送経路上に位置しない車両では、パケット転送を実行しないようにしてもよい(第四実施例)。
図15は、第四実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行するパケット受信転送処理を表すフローチャートである。第四実施例の車載システム1は、第一〜第三実施例の車載システム1におけるパケット受信転送処理(図8参照)を、図15に示すパケット受信転送処理に変更した程度のものである。従って、以下では、変更したパケット受信転送処理の内容についてのみ説明する。
第四実施例の車載システム1では、基本的に、上述したS310からS360までの処理を実行して、転送パケットを送信するのであるが、S330からS340に移行する過程で、S335の処理を実行する。
即ち、通信制御部33は、パケットを受信すると(S310でYes)、受信パケットが有する送信先エリア情報に基づき、自車が送信先エリア内に存在するか否かを判断し(S320)、自車が送信先エリア内に存在しないと判断すると(S320でNo)、受信パケットが有する転送範囲情報に基づき、自車がパケットの転送範囲内に存在するか否かを判断する(S330)。そして、自車がパケットの転送範囲内に存在すると判断すると(S330でYes)、S335に移行する。
また、S335に移行すると、通信制御部33は、自車が伝送経路上に位置しているか否かを判断し、自車が伝送経路上に位置していないと判断すると(S335でNo)、一旦当該パケット受信転送処理を終了し、その後、S310にて次パケットを受信するまで待機する。一方、自車が伝送経路上に位置していると判断すると(S335でYes)、S340に移行し、上述したS340以降の処理を実行する。
以上、第四実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1によれば、S425,S445の処理を実行せずに済むので、時間計測処理等を簡素化することができる。また、パケット転送範囲内のN個の車両からパケットを転送するのではなく、パケット転送範囲内に位置し且つ伝送経路上に位置するN個の車両からパケットを転送するので、伝送経路に沿ってパケットを確実に転送することができ、電波障害等によりパケットの転送に失敗する可能性を、十分に抑えることができる。尚、本実施例において、転送要否判断手段は、S330〜S335(図15)の処理にて実現されている。
また、パケットを転送する車両を、伝送経路上に位置する車両に限定すると、伝送経路上に多くの車両が走行している場合には、問題ないものの、伝送経路上を走行している車両が少ない場合には、パケットの転送を引き継ぐ車両が途中でいなくなり、不都合が生じる可能性がある。従って、パケットの転送範囲は、伝送経路に沿った所定幅の領域に決定されるようにしてもよい(第五実施例)。
図16は、第五実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。また、図17は、第五実施例における転送範囲の決定方法を示した説明図である。第五実施例の車載システム1は、第一〜第四実施例の車載システム1における転送範囲情報生成処理(図4)を、図16に示す転送範囲情報生成処理に変更した程度のものである。従って、以下では、第五実施例として、変更した転送範囲情報生成処理の内容についてのみ説明する。
図16に示す転送範囲情報生成処理を開始すると、通信制御部33は、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円と、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路とが交わる地点を検索する(S810)。尚、半径Dの長さは、予め定められているものとする。具体的に、半径Dの長さは、装置の設計段階で、無線通信部31の無線信号を受信可能な円形地域の半径を最大値として、それ以下に設定される。
そして、S810での検索の結果、該当地点が発見されると(S820でYes)、通信制御部33は、S830に移行し、検索の結果発見された該当地点の内、伝送経路終点方向が円の外側に向いた地点であって、伝送経路に沿った距離が、自車の現在地点P0から伝送経路終点方向で最も近い地点を、基準地点P1に決定する。
また、このようにして基準地点P1を決定すると、通信制御部33は、S840に移行して、自車が伝送経路上に位置しているか否かを判断し、自車が伝送経路上に位置していると判断すると(S840でYes)、自車の現在地点P0を、基準地点Xに決定する(S850)。その後、S860に移行する。一方、S840において、自車が伝送経路上に位置していないと判断すると(S840でNo)、通信制御部33は、自車の現在地点P0を中心とした円と、伝送経路との接点Psであって、現在地点P0との間の直線距離が最も短い接点Psを、基準地点Xに設定する(S855)。その後、S860に移行する。
また、S860に移行すると、通信制御部33は、図17に示すように、基準地点Xから基準地点P1までの伝送経路(図17では塗りつぶして示す)における中央ラインから両側所定幅Wの領域Rを、パケットの転送範囲に決定する。また、このようにして、パケットの転送範囲Rを決定すると、通信制御部33は、決定したパケットの転送範囲Rを、基準地点X,P1の位置及び幅Wにて記述した転送範囲情報を生成する(S890)。その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
一方、通信制御部33は、S810での検索の結果、該当地点が発見されないと(S820でNo)、S870に移行し、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円内に、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路の終点Peが存在するか否かを判断する。そして、円内に、伝送経路の終点Peが存在すると判断すると(S870でYes)、S880に移行して、参照対象の送信先エリア情報が示す送信先エリアが、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円内に収まっているか否かを判断し、送信先エリアが円内に収まっていると判断すると(S880でYes)、伝送経路の終点Peを中心とした送信先エリアと同一領域を、パケットの転送範囲に決定する(S881)。そして、この転送範囲を表した転送範囲情報を生成し(S890)、その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
また、S880において、送信先エリアが、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円内に収まっていないと判断すると(S880でNo)、通信制御部33は、S883に移行し、自車が伝送経路上に位置しているか否かを判断する。そして、自車が伝送経路上に位置していると判断すると(S883でYes)、自車の現在地点P0を、基準地点Xに決定した後(S885)、S889に移行する。一方、S883において、自車が伝送経路上に位置していないと判断すると(S883でNo)、通信制御部33は、自車の現在地点P0を中心とした円と、伝送経路との接点Psであって、現在地点P0との間の直線距離が最も短い接点Psを、基準地点Xに設定する(S887)。その後、S889に移行する。
また、S889に移行すると、通信制御部33は、基準地点Xから地点Peまでの伝送経路における中央ラインから両側所定幅Wの領域を、パケットの転送範囲に決定する。また、このようにして、パケットの転送範囲を決定すると、通信制御部33は、決定したパケットの転送範囲を、地点X,Peの位置及び幅Wにて記述した転送範囲情報を生成する(S890)。その後、当該転送範囲情報生成処理を終了する。
以上、第五実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1を用いてネットワークを構成すれば、伝送経路上の車両と、伝送経路の近くに存在する車両とにパケットの転送を引き継がせることができるので、パケットの転送を伝送経路上の車両に限定して引き継がせる場合よりも、引継車両がいなくなるのを抑制することができる。また、概ね伝送経路に沿ってパケットを転送することができるので、電波障害等によりパケットの転送に失敗する可能性を、十分に抑えることができる。
ところで、自車周辺の車両密度を考慮せずに、上述のパラメータDを一定値にすると、車両密度が低い地域と、車両密度が高い地域とでは、パケットの転送範囲に収まる車両の数が大幅に変化する。そして、パケットの転送範囲内に多くの車両が存在すると、多くの車両が時間計測処理等を行わなければならなくなる。更に、これらの車両群の間で、複数種のパケットがやり取りされている場合には、各車両での通信に係る負荷が非常に増大する。従って、上述の車載システム1では、パラメータDの値を、自車周辺の車両の密集度に応じて変更するようにしてもよい(第六実施例)。
図18は、第六実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。また、図19(a)は、第六実施例の車載システム1において通信制御部33のROMに内蔵された距離設定テーブルの構成を表す説明図である。
以下では、第六実施例の車載システム1を説明するが、第六実施例の車載システム1は、第一〜第五実施例の車載システム1における転送範囲情報生成処理(図4,図16)の先頭に、S200〜S205の手順を追加すると共に、通信制御部33のROMに、図19(a)に示す距離設定テーブルを記録した程度のものである。従って、以下では、第六実施例として、変更した転送範囲情報生成処理及び距離設定テーブルの内容についてのみ説明する。
図18に示すように、第六実施例の車載システム1では、転送範囲情報生成処理を開始すると、S210又はS810の処理を実行する前に、S200〜S205の処理を実行する。即ち、転送範囲情報生成処理を開始すると、通信制御部33は、まずS200にて、自車周辺の車両密集度を判定する。S200では、例えば、VICS通信部17が受信した自車周辺の渋滞情報に基づき、自車周辺の車両密集度を判定する。
また、S200での処理を終えると、通信制御部33は、ROMが記憶する距離設定テーブルに基づき、自車周辺の車両密集度の判定値に対応した距離を、後のS210又はS810で用いるパラメータDの値として設定する。尚、本実施例では、車両密集度として、レベル1〜3の3段階の判定を下すようにしており、距離設定テーブルには、各レベルにおいて、パラメータDに設定すべき距離が記述されている。
具体的に、車両密集度が最も低いレベル1に対しては、無線通信部31の無線信号を受信可能な円形地域の半径の最大値が、パラメータDに設定すべき距離として記述され、車両密集度が通常のレベル2に対しては、上記最大値よりも一段階小さい値が、設定すべき距離として記述され、車両密集度が最も高いレベル3に対しては、最大値よりも二段階小さい値が、設定すべき距離として記述されている。即ち、本実施例では、図19(b)に示すように、自車周辺の車両密集度が大きい程、小さい距離Dを設定するようにしている。
そして、距離Dを設定すると、通信制御部33は、S210又はS810にて、自車の現在地点P0を中心とした半径D(上記距離D)の円と、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路とが交わる地点を検索し、この処理を終えると、S220又はS820以降の処理を実行する。
以上、第六実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1によれば、自車周辺の車両密集度に応じて、S210又はS810で交点を求める際に用いる円の半径Dの値を変更し、車両密集度の高い地域においては、転送範囲のサイズを小さくし、車両密集度の低い地域においては、転送範囲のサイズを大きくする。従って、本実施例によれば、転送範囲内に収まる車両数を調整することができ、車両密集度の高い地域において、ネットワークの負荷が増大するのを抑制することができる。尚、「特許請求の範囲」の記載の密集度判定手段は、本実施例において、S200の処理にて実現されている。
また、第一〜第六実施例の車載システム1にて構成されるネットワークでは、車両の密集度に関係なく、一定個数(N個)の車両に、パケットを転送させるため、車両の密集度が高い地域においては、ネットワークの負荷が増大する。従って、上述の車載システム1は、車両の密集度に応じて、パラメータNの値を変更する構成にされると一層好ましい(第七実施例)。
図20は、第七実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行するパケット受信転送処理を表すフローチャートである。また、図21(a)は、第七実施例の車載システム1において、通信制御部33のROMに内蔵された転送数設定テーブルの構成を表す説明図である。以下では、第七実施例の車載システム1を説明するが、第七実施例の車載システム1は、第一〜第六実施例の車載システム1における受信転送処理(図8,15)のS340とS350との間に、S343〜S347の手順を追加し、通信制御部33のROMに、図21(a)に示す転送数設定テーブルを記録した程度のものである。従って、以下では、第七実施例として、パケット受信転送処理及び転送数設定テーブルの内容についてのみ説明する。
図20に示すように、第七実施例のパケット受信転送処理では、S340における時間計測処理を実行し、時間Tの計測が終了した後、S343に移行して、自車周辺の車両密集度を判定する。S343では、例えば、VICS通信部17が受信した自車周辺の渋滞情報に基づき、自車周辺の車両密集度を判定する。
また、S343での処理を終えると、通信制御部33は、ROMが記憶する転送数設定テーブルに基づき、自車周辺の車両密集度の判定値に対応した数値を、後のS350で用いるパラメータNの値として設定する(S347)。
尚、本実施例では、車両密集度として、レベル1〜3の3段階の判定を下すようにしており、転送数設定テーブルには、各レベルにおいて、パラメータNに設定すべき数値が記述されている。具体的に、車両密集度が最も低いレベル1に対しては、最大値が記述され、車両密集度が最も高いレベル3に対しては、最小値が記述され、車両密集度が通常のレベル2に対しては、上記最小値よりも大きく上記最大値よりも小さい値が記述されている。即ち、本実施例では、図21(b)に示すように、車両密集度が大きい程、パラメータNに小さい値を設定するようにしている。
そして、パラメータNの値を設定すると、通信制御部33は、S350に移行して、S310で受信したパケットが示すパケット番号とパケット番号が同一のパケットを、S310でパケットを受信した直後から現在までの期間に、S347で設定した個数であるN個以上受信したか否かを判断し、N個以上のパケットを受信したと判断すると(S350でYes)、一旦当該パケット受信転送処理を終了し、その後、S310にて次パケットを受信するまで待機する。これに対し、N個以上のパケットを受信していないと判断すると(S350でNo)、通信制御部33は、S360に移行して、転送パケット送信処理を実行した後、当該パケット受信転送処理を終了する。
以上、第七実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1によれば、車両密集度が高い地域において、ネットワークの負荷が増大するのを抑制することができると共に、車両密集度が低い地域においては、多くの車両にパケットを転送させることができ、安定した車々間通信を実現することができる。尚、「特許請求の範囲」の記載の密集度判定手段は、本実施例において、S343の処理にて実現され、上限設定手段は、S347の処理にて実現されている。
また、上述の車載システム1では、転送パケットの送出後に、転送パケットの転送が引き継がれているか否かを判定しないので、転送元車両の周囲に、パケットの転送を引き継ぐことのできる車両が少なくなると、パケットの転送に失敗する可能性が高くなる。従って、上述の無線通信装置30に対しては、転送パケットの再送機能を設けるとよい(第八実施例)。
図22は、第八実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行するパケット生成送信処理を表すフローチャートであり、図23は、第八実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。また、図24は、第八実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行するパケット受信転送処理を表すフローチャートであり、図25は、第八実施例の車載システム1において、通信制御部33が実行する転送パケット送信処理を表すフローチャートである。
以下、第八実施例の車載システム1について説明するが、第八実施例の車載システム1は、第一〜第七実施例の車載システム1におけるパケット生成送信処理、転送範囲情報生成処理、パケット受信転送処理、及び、転送パケット送信処理を変更した程度のものである。従って、以下では、第八実施例として、変更した上記各処理の内容についてのみ説明する。
まず、データ送信指令が入力された際に、通信制御部33が実行するパケット生成送信処理(図22)について説明する。このパケット生成送信処理を開始すると、通信制御部33は、まず再送信フラグを生成して、この再送信フラグをオフに設定し(S900)、その後、S110での処理と同様に、新規生成するパケットに付すパケット番号を生成する(S910)。
そして、この処理を終えると、通信制御部33は、S920に移行し、データ送信指令の入力元から指定された送信先エリアの中心Peの位置及びエリア半径rを表す送信先エリア情報を生成する。また、S920での処理を終えると、通信制御部33は、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得し(S925)、この情報に基づき、自車の現在位置を表す送信元地点情報を生成すると共に、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成する(S930)。
また、S930での処理を終えると、通信制御部33は、S940に移行し、自車の現在地点P0から、送信先エリアの中心Peまでの道路に沿った経路を、ナビ制御部21の経路探索部21aに探索させ、経路探索部21aから、地点P0−Pe間の経路を表す経路情報を取得する。そして、この取得情報に基づき、通信制御部33は、地点P0−Pe間のパケットの伝送経路を表す伝送経路情報を生成する(S950)。
また、このようにして伝送経路情報を生成すると、通信制御部33は、S960に移行し、生成した伝送経路情報及び送信先エリア情報を参照対象に設定し、図23に示す転送範囲情報生成処理を実行する。尚、図23に示す転送範囲情報生成処理は、図4に示す転送範囲情報生成処理におけるS210の処理実行前、又は、図16に示す転送範囲情報生成処理におけるS810の処理実行前に、S1000〜S1030の手順を付加したものである。
図23に示す転送範囲情報生成処理を開始すると、通信制御部33は、再送信フラグがオンに設定されているか否かを判断し(S1000)、再送信フラグがオンに設定されていない(即ちオフに設定されている)と判断すると(S1000でNo)、S1010に移行し、S200(図18参照)と同様の手法で、自車周辺の車両密集度を判定する。
また、S1010での処理を終えると、通信制御部33は、ROMが記憶する距離設定テーブルに基づき、自車周辺の車両密集度の判定値に対応した距離を、後のS210又はS810で用いるパラメータDの値として設定する(S1020)。尚、本実施例における距離設定テーブルは、第六実施例のものと同一である。
また、S1020で距離Dを設定すると、通信制御部33は、S210又はS810に移行し、S1020で設定されたパラメータDの値を用いて、自車の現在地点P0を中心とした半径D(距離D)の円と、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路とが交わる地点を検索し、この処理を終えると、S220又はS820以降の処理を実行する。
一方、通信制御部33は、送信フラグがオンに設定されていると判断すると(S1000でYes)、S1030に移行して、パラメータDに、車両密集度がレベル1の時に設定される値と同一の値を設定する。即ち、パラメータDに、最大値を設定する。
また、このS1030での処理を終えると、通信制御部33は、S210又はS810に移行し、S1030で設定されたパラメータDの値を用いて、自車の現在地点P0を中心とした半径Dの円と、参照対象の伝送経路情報が示す伝送経路とが交わる地点を検索し、この処理を終えると、S220又はS820以降の処理を実行する。
また、このようにして、S960での転送範囲情報生成処理を終了すると、通信制御部33は、この転送範囲情報生成処理にて、エラー判定がなされたか否かを判断し(S965)、エラー判定がなされたと判断すると(S965でYes)、S925に移行し、エラー判定がなされていないと判断すると(S965でNo)、S970に移行する。
また、S970に移行すると、通信制御部33は、当該パケット生成送信処理にて生成したパケット番号、送信先エリア情報、送信元地点情報及び転送元地点情報、伝送経路情報、及び、転送範囲情報を、ヘッダ情報として記述したパケットであって、データ送信指令の入力元から指定された送信対象データを付属データとして格納したパケットを生成する(S970)。その後、このパケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S980)。尚、本実施例では、一度のパケット生成送信処理にて、複数回、転送範囲情報及び伝送経路情報を生成することがあるが、この場合には、最後に生成した転送範囲情報及び伝送経路情報を、ヘッダ情報として記述する。
また、S980での処理を終えると、通信制御部33は、S990に移行し、上記パケットの送信後の所定時間内に、S980で送信したパケットと同一パケット番号のパケットを、無線通信部31を通じて外部から受信したか否かを判断し、S980で送信したパケットと同一パケット番号のパケットを、外部から受信したと判断すると(S990でYes)、パケットの転送に成功したとして、当該パケット生成送信処理を終了する。
一方、所定時間内に、S980で送信したパケットと同一パケット番号のパケットを、外部から受信できなかった場合、通信制御部33は、S990でNoと判断して、S991に移行し、再送信フラグをオンに設定する。また、この処理を終えると、S993にて、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得し、この情報に基づき、自車の現在位置を表す送信元地点情報を生成すると共に、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成する(S995)。
その後、通信制御部33は、S960に移行し、S993の取得情報が示す自車の現在位置に基づき、転送範囲情報生成処理を実行する。また、この処理を終えると、S965に移行して、エラー判定がなされたか否かを判断する。尚、自車の現在位置が、初期位置から大幅にずれて、伝送経路から大幅に離れてしまった場合には、S960での転送範囲情報生成処理にてエラー判定がなされるので、S965でYesと判断し、S925に移行する。このようにして、本実施例では、パケット生成送信処理を行う。
次に、本実施例の通信制御部33が繰返し実行するパケット受信転送処理について説明する。パケット受信転送処理(図24)を開始すると、通信制御部33は、無線通信部31を介して外部からパケットを受信するまで待機し(S310)、パケットを受信すると(S310でYes)、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得し(S315)、この情報と、受信パケットが有する送信先エリア情報とに基づき、自車が送信先エリア内に存在するか否かを判断する(S320)。
そして、自車が送信先エリア内に存在すると判断すると(S320でYes)、受信パケットの転送範囲情報を空情報(ヌル)に置換してなるパケットを、上記受信パケットを受信した旨を表す応答パケットとして生成し、これを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S321)。また、この処理を終えると、上述した受信パケットを、ナビ制御部21が実行する上記アプリケーションソフトウェアに向けて出力し、このアプリケーションソフトウェアのタスクに、受信パケットを処理させる(S325)。その後、その後、当該パケット受信転送処理を終了する。
一方、S320にて、自車が送信先エリア内に存在しないと判断すると(S320でNo)、通信制御部33は、図8又は図15又は図20に示すS330以降の処理を実行し、その後、当該パケット受信転送処理を終了する。
また、このパケット受信転送処理のS360で転送パケット送信処理を開始すると、通信制御部33は、図25に示すように、再送信フラグを生成して、再送信フラグをオフに設定し(S1100)、ナビ制御部21から自車の現在位置情報を取得する(S1105)。また、この処理を終えると、受信パケットが有する伝送経路情報及び送信先エリア情報を参照対象に設定して、図23に示す転送範囲情報生成処理を実行する(S1110)。
そして、転送範囲情報生成処理を終了すると、通信制御部33は、S1120に移行し、直前に実行した転送範囲情報生成処理にてエラー判定がなされたか否かを判断し、エラー判定がなされていないと判断すると(S1120でNo)、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成し(S1130)、その後、受信パケットが有する転送範囲情報を、S1110で生成した転送範囲情報に置換し、受信パケットが有する転送元地点情報を、S1130で生成した転送元地点情報に置換して、受信パケットに対応する転送パケットを生成し(S1140)、この転送パケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S1190)。
一方、S1120にて、エラー判定がなされたと判断すると(S1120でYes)、通信制御部33は、伝送経路情報生成処理(図11)を実行して、新たな伝送経路情報を生成する(S1150)。
また、S1150での処理を終えると、通信制御部33は、S1150で生成した伝送経路情報及び受信パケットの送信先エリア情報を参照対象に設定して、転送範囲情報生成処理(図23)を実行することにより、新たな伝送経路に基づき、パケットの転送範囲を決定し、この転送範囲を表す転送範囲情報を生成する(S1160)。
そして、S1160での処理を終えると、通信制御部33は、S1170に移行し、自車の現在位置を表す転送元地点情報を生成する。その後、受信パケットが有する転送範囲情報を、S1160で生成した転送範囲情報に置換し、受信パケットが有する転送元地点情報を、S1170で生成した転送元地点情報に置換し、更に、受信パケットが有する伝送経路情報を、S1150で生成した伝送経路情報に置換して、受信パケットに対応する転送パケットを生成し(S1180)、生成した転送パケットを、無線通信部31を通じてネットワークに送出する(S1190)。
また、S1190での処理を終えると、通信制御部33は、S1200に移行し、S1190でのパケットの送信後、所定時間内に、S1190で送信したパケットと同一パケット番号のパケットを、無線通信部31を通じて外部から受信したか否かを判断し(S1200)、同一パケット番号のパケットを、外部から受信したと判断すると(S1200でYes)、パケットの転送に成功したとして、当該転送パケット送信処理を終了する。
一方、所定時間内に、同一パケット番号のパケットを、外部から受信できなかったと判断すると(S1200でNo)、通信制御部33は、S1210に移行し、再送信フラグをオンに設定する。また、この処理を終えると、S1105に移行し、新たに自車の現在位置情報を取得し、その後、S1110にて、この取得情報が示す自車の現在位置に基づき、転送範囲情報生成処理(図23)を実行する。また、この処理を終えると、S1120以降の処理を実行する。
以上、第八実施例の車載システム1について説明したが、この車載システム1によれば、転送パケットの送出後、これと同種の転送パケットがネットワークに流れているのを確認し、流れていない場合には、転送パケットを再送するため、パケットの転送が途絶えてしまうのを防止することができる。従って、この車載システム1を用いてネットワークを構成すれば、一層安定した車々間通信を実現することができる。
また、本実施例の車載システム1によれば、初回のパケット転送時に、車両の密集度が高い場合には、車両の密集度に合わせて、転送範囲のサイズを小さく設定するので、ネットワークの負荷を抑えることができると共に、転送パケットの再送信時には、転送範囲のサイズを大きくするので、パケットの転送に再度失敗するのを抑制することができる。従って、この車載システム1を用いてネットワークを構成すれば、効率的且つ安定的に、パケットを転送することができる。尚、「特許請求の範囲」に記載の受信判定手段は、本実施例において、S1200の処理にて実現されている。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の通信装置は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、ナビゲーション装置10には、幹線道路を優先的に選択した経路を探索する機能を有したものが広く知られているため、この機能を利用して、通信制御部33は、経路探索部21aに、幹線道路を優先的に選択した経路を探索させることにより、自車の現在位置から送信先エリアの中心Peまでの経路の内、幹線道路を優先的に選択した経路を、パケットの伝送経路に決定する構成にされてもよい。このように無線通信装置30を構成すれば、交通量の多い幹線道路に沿って、パケットを、送信元から送信先へと転送することができ、安定的にパケットを、送信先へと転送することができる。
車載システム1の構成を表すブロック図である。
車載システム1群により実現されるネットワークを示す説明図である。
通信制御部33が行うパケット生成送信処理を表すフローチャートである。
通信制御部33が行う転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。
転送範囲の決定方法を示した説明図である。
S230〜S240における転送範囲の決定方法(a)及びS270〜S280における転送範囲の決定方法(b)を示した説明図である。
パケットの構成を表す説明図である。
通信制御部33が行うパケット受信転送処理を表すフローチャートである。
通信制御部33が行う時間計測処理を表すフローチャートである。
通信制御部33が行う転送パケット送信処理を表すフローチャートである。
通信制御部33が実行する伝送経路情報生成処理を表すフローチャートである。
伝送経路情報生成処理における伝送経路の決定方法を示す説明図である。
第二実施例にて通信制御部33が行う時間計測処理を表すフローチャートである。
第三実施例にて通信制御部33が行う時間計測処理を表すフローチャートである。
第四実施例にて通信制御部33が行うパケット受信転送処理を表すフローチャートである。
第五実施例にて通信制御部33が行う転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。
第五実施例における転送範囲の決定方法を示した説明図である。
第六実施例にて通信制御部33が実行する転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。
距離設定テーブルの構成を表す説明図(a)及び車両密集度と距離Dとの関係を示すグラフ(b)である。
第七実施例にて通信制御部33が行うパケット受信転送処理を表すフローチャートである。
転送数設定テーブルの構成を表す説明図(a)及び車両密集度と個数Nとの関係を示すグラフ(b)である。
第八実施例にて通信制御部33が行うパケット生成送信処理を表すフローチャートである。
第八実施例にて通信制御部33が行う転送範囲情報生成処理を表すフローチャートである。
第八実施例にて通信制御部33が行うパケット受信転送処理を表すフローチャートである。
第八実施例にて通信制御部33が行う転送パケット送信処理を表すフローチャートである。
符号の説明
1…車載システム、10…ナビゲーション装置、11…GPS受信機、13…地図データベース、15…表示部、17…VICS通信部、19…操作スイッチ群、21…ナビ制御部、21a…経路探索部、23,37…インタフェース部、30…無線通信装置、31…無線通信部、33…通信制御部、35…タイマー