JP4751629B2 - 第4級アンモニウム塩、電解質、電解液並びに電気化学デバイス - Google Patents
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Description
1.式(1)で表される第4級アンモニウム塩。
式(7)において、Mは、H又はNa、K、Li等のアルカリ金属原子、Ca、Mg、Ba等のアルカリ土類金属原子、Ag等の金属原子を含む。
式(5)で表される第3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルメチル−n−プロピルアミン、エチルメチル−iso−プロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジエチル−n−プロピルアミン、メチルジ−n−ロピルアミン、エチルジ−n−プロピルアミン、メチルジ−iso−プロピルアミン、エチルジ−iso−プロピルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジメチル−iso−ブチルアミン、ジメチル−tert−ブチルアミン等を挙げることができる。
式(6)で表される化合物としては、2−クロロエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ヨードエチルメチルエーテル、2−クロロエチルエチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、2−ヨードエチルエチルエーテル、2−クロロエチル−n−プロピルエーテル、2−ブロモエチル−n−プロピルエーテル、2−ヨードエチルエチル−n−プロピルエーテル、2−クロロエチル−iso−プロピルエーテル、2−ブロモエチル−iso−プロピルエーテル、2−ヨードエチルエチル−iso−プロピルエーテル、2−ブロモエチル−n−ブチルエーテル、2−ブロモエチル−iso−ブチルエーテル、2−ブロモエチル−tert−ブチルエーテル等を挙げることができる。
用いられる溶媒としては、式(5)で表される第3級アミン及び式(6)で表される化合物を溶解し得、反応に悪影響を及ぼさない溶媒である限り、公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を挙げることができる。
好ましくは、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン等のケトンが良い。斯かる溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して使用できる。
これらの溶媒は、好ましくは、無水溶媒(水分1000ppm以下)が良い。
原料として用いられる式(7)で表される化合物は、公知化合物である。例えば、HPF6、LiPF6、NaPF6、KPF6、AgPF6等を挙げることができる。
このような溶媒としては、例えば、水;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル:ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。
好ましくは、メタノール等の低級アルコール類;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素:水が良い。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して使用できる。
塩交換反応は、該樹脂中のアニオンを予めPF6アニオンへ交換しておき、式(1a)で表される第4級アンモニウム塩を溶解した溶液を該樹脂中に通すことで達成できる。ここで使用される溶媒は、式(1a)を溶解でき、且つ塩交換反応に悪影響を及ぼさない限り公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、水、アルコール類等を挙げることができる。
またハロゲンの混入を嫌う用途の場合、一度ハロゲン塩を中和、塩交換した後、更に目的に応じた塩に変換することで、ハロゲンの混入を削減することもできる。
中和剤としては、各種アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アルカリ金属塩、銀塩等を挙げることができる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、硫酸銀、硝酸銀、過塩素酸銀等を挙げることができる。
反応形式は、先の式(1)で表される第4級アンモニウム塩を合成する手法にて行うことができ、更に続く目的に応じた塩へ変換する手法も式(1)で表される第4級アンモニウム塩を合成する手法を適用できる。
式(1a)で表される第4級アンモニウム塩をジクロロメタンに溶解し、この溶液に所定量のソディウムヘキサフルオロホスフェート水溶液を添加し、5℃〜150℃で30分程度反応させる。反応により生成する有機層を抽出し、水にて洗浄を繰り返す。抽出層を減圧濃縮し、乾燥することにより、目的化合物を単離することができる。
式(9)で表される化合物としては、2−クロロエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ヨードエチルメチルエーテル等を挙げることができる。
用いられる溶媒としては、式(8)で表されるメチルピロリジン及び式(9)で表される化合物を溶解し得、反応に悪影響を及ぼさない溶媒である限り、公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、上記反応式−1で用いたと同様の溶媒を挙げることができる。
このような溶媒としても上記反応式−1で用いたと同様の溶媒を挙げることができる。
塩交換反応は、該樹脂中のアニオンを予めPF6アニオンへ交換しておき、式(2a)で表される第4級アンモニウム塩を溶解した溶液を該樹脂中に通すことで達成できる。ここで使用される溶媒は、式(2a)を溶解でき、且つ塩交換反応に悪影響を及ぼさない限り公知のものを広く使用できる。このような溶媒としては、例えば、水、アルコール類等を挙げることができる。
式(2a)で表される第4級アンモニウム塩をジクロロメタンに溶解し、この溶液に所定量のソディウムヘキサフルオロホスフェート水溶液を添加し、5℃〜150℃で30分程度反応させる。反応により生成する有機層を抽出し、水にて洗浄を繰り返す。抽出層を減圧濃縮し、乾燥することにより、目的化合物を単離することができる。
有機溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ラクトン化合物、鎖状エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン化合物等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが挙げられ、好ましくは、プロピレンカーボネートが良い。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、メチル−iso−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチル−iso−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジ−iso−プロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが良い。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
ラクトン化合物としては、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、メチルプロピオネート、メチルアセテート、エチルアセテート、メチルホルメートなどが挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリルなどが挙げられる。
アミド化合物としては、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
スルホラン化合物としては、スルホラン、メチルスルホランなどが挙げられる。
好ましくは、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、ニトリル化合物、スルホン化合物が良い。
混合有機溶媒としては、例えば、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル同士、スルホラン化合物同士を挙げることができる。
環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとしては、例えば、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート等を挙げることができる。
鎖状炭酸エステル同士としては、例えば、ジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等を挙げることができる。
スルホラン化合物同士としては、例えば、スルホランとメチルスルホラン等を挙げることができる。
好ましくは、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとエチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等を挙げることができる。
電気化学デバイスとしては、例えば、電気二重層キャパシタ、二次電池等を挙げることができる。本発明の電解質又は電解液は、公知の電気二重層キャパシタ及び二次電池に使用されている電解質又は電解液と同じように使用できる。
本発明の式(1)で表される第4級アンモニウム塩が液体の場合には、それ自身を電解液として使用でき、また、該塩を適当な有機溶媒と混合して使用することができる。電気二重層キャパシタ用電解液を調製するに当っては、水分が電気二重層キャパシタの性能に悪影響を与える為、大気が混入しない環境、例えば、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気のグローブボックス内において調製することが好ましい。作業環境の水分を露点計で管理することができる。露点が−60℃以下になるように、作業環境を設定するのが好ましい。露点が−60℃を超えた場合、作業時間が長くなると、電解液が雰囲気中の水分を吸収する為、電解液中の水分が上昇するので好ましくない。電解液中の水分は、カールフィッシャー水分計で測定することができる。
N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートとエチルメチルカーボネートからなる電解液の場合、N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートの組成は40〜70重量%である。
N,N−ジエチル−N−メトキシエチル−N−メチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートとエチルメチルカーボネートからなる電解液の場合、N,N−ジエチル−N−メトキシエチル−N−メチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートの組成は40〜90重量%が好ましく、より好ましくは40〜80重量%である。
本発明の式(1)で表される第4級アンモニウム塩は、それ自体が液体の場合は、第4級アンモニウム塩にリチウム塩を溶解させることにより電解液が得られる。また、本発明の式(1)で表される第4級アンモニウム塩を適当な有機溶媒と混合し、この混合物にリチウム塩を溶解させることにより電解液が得られる。
リチウム塩は、六フッ化リン酸リチウム、硼フッ化リチウム、過塩素酸リチウム、トリフロロメタンスルホン酸リチウム、スルホニルイミドリチウム、スルホニルメチドリチウムなど、種々のリチウム塩を使用できる。リチウム塩の析出が生じない限り、その種類は特に限定されない。
有機溶媒としては、前記と同様の環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、リン酸エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ラクトン化合物、鎖状エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン化合物等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、メチル−iso−プロピルカーボネート、n−ブチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、エチル−iso−プロピルカーボネート、n−ブチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジ−iso−プロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート等が挙げられ、好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが良い。
これらの溶媒は1種でも2種以上を混合してもよい。
混合有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネート等を挙げることができる。
特定の有機添加剤としては、例えば、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレントリチオカーボネート、ビニレントリチオカーボネート、エチレンサルファイト等を挙げることができる。これらの中で、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネートが好ましい。これらの有機添加剤は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
上記特定の有機添加剤は、希釈剤としての機能も併せ持つ物質が含まれている。
炭素材料としては、活性炭材料が好ましく、具体的には、おがくず活性炭、やしがら活性炭、ピッチ・コークス系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、ポリアクリロニトリル系活性炭、セルロース系活性炭等を挙げることができる。
金属酸化物系材料としては、例えば、酸化ルテニウム、酸化マンガン、酸化コバルト等を上げることができる。
導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール膜、ポリチオフェン膜、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)膜等を挙げることができる。
上記において、1>x>0、1>y>0、1>z>0、y+z<1である。
正極は、これらの正極活物質を、公知の導電助剤及び結着剤と共に加圧成型することにより、又は正極活物質を公知の導電助剤及び結着剤と共にピロリドン等の有機溶剤に混合し、ペースト状にしたものをアルミニウム箔等の集電体に塗工後、乾燥することにより得ることができる。
負極は、これらの負極活物質を、公知の導電助剤及び結着剤と共に加圧成型することにより、又は負極活物質を公知の導電助剤及び結着剤と共にピロリドン等の有機溶剤に混合し、ペースト状にしたものを銅箔等の集電体に塗工後、乾燥することにより得ることができる。
N−メチルピロリジン(試薬:東京化成製)31.10gを124.30gのトルエンに溶解し、窒素置換した。27℃でブロモエチルメチルエーテル(試薬:アルドリッチ製)61.22gを1時間かけて滴下した。徐々に昇温し、60〜70℃にて37時間攪拌し、反応を終了した。室温まで冷却し、生じた固体を窒素中で濾別した。70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥した(茶褐色固体 78.99g)。得られた固体は200gのアセトンに懸濁し、室温にて攪拌洗浄、窒素中で濾別した(これを2回繰り返した)。減圧乾燥し、収量62.64gを得た。着色があった為、水131.83gに溶解し、活性炭(カルボラフィン 武田薬品工業株式会社製)6.00gを加え12時間90〜95℃にて攪拌処理した。室温まで、冷却し、活性炭を濾別した。減圧濃縮、減圧乾燥し、収量58.34gを得た。アセトン200.48g、クロロホルム27.22gの混合溶媒に加熱溶解し、再結晶した。生成した白色固体は窒素中で濾別し、アセトン50gにて洗浄、減圧乾燥した。収量34.10g
1H−NMR(CD3OD)δppm:
2.24(m 4H),3.15(S 3H),3.40(S 3H),3.65(m 6H),3.83(m 2H)
1H−NMR(CD3OD)δppm:
2.21(m 4H),3.10(S 3H),3.39(S 3H),3.56(m 6H),3.81(m 2H)
ジエチルメチルアミン(試薬:東京化成製)35.53gを161.37gのトルエンに溶解し、窒素置換した。27℃下ブロモエチルメチルエーテル(試薬:アルドリッチ製)68.00gを1時間で滴下した。徐々に昇温し、60〜70℃にて44時間攪拌し、反応を終了した。室温まで冷却し、生じた固体を窒素下濾別した。70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥した(茶褐色固体 67.30g)。着色が激しい為、水131.52gに溶解し、活性炭(カルボラフィン 武田薬品工業株式会社製)7.02gを加え12時間90〜95℃にて攪拌処理した。室温まで、冷却し、活性炭を濾別した。減圧濃縮、減圧乾燥し、収量58.34gを得た。アセトン200.48g、クロロホルム27.22gの混合溶媒に加熱溶解し、再結晶した。生成した白色固体は窒素下濾別し、アセトン50gにて洗浄、減圧乾燥した。収量47.58g
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.35(m 6H),3.07(s 3H),3.39(s 3H),3.40〜3.57(m 6H),3.80(m 2H)
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.32(m 6H),3.02(s 3H),3.37(s 3H),3.38〜3.49(m 6H),3.7(m 2H)
実施例1で製造したN−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートとエチルメチルカーボネート(キシダ化学株式会社製、リチウムバッテリーグレード)とを、種々濃度で、露点が−60℃以下の窒素雰囲気ドライボックス内で混合した。混合後の溶液の水分をカールフィッシャー水分計(平沼産業株式会社製、AQ−7)で測定し、30ppm以下であることを確認した。混合濃度は表1に掲げる通りとし、各種組成物の電気伝導度を測定した。
上記各種組成物を、ドライボックス内で4ccずつ、スクリュー栓が付いたガラス容器に移し、ドライボックスの外に取り出した。各種溶液が入ったガラス容器を恒温槽に浸漬し、25℃、0℃、−30℃でそれぞれ5時間保持し、目視で状態を確認した。表において、「−」は二層分離を、「固」は固体状態を示す。
混合状態の観察後、分離していない、或いは固化していない液体状態の溶液について、再度ドライボックス内から溶液を取り出し電気伝導度を測定した。電気伝導度の測定には、導電率計(CDM210 Radiometer社製)を使用した。測定セルにはXE−100(Radiometer社製)を使用した。
実施例2で製造したN,N−ジエチル−N−メトキシエチル−N−メチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェートとエチルメチルカーボネート(前記に同じ、リチウムバッテリーグレード)とを、種々濃度で、露点が−60℃以下の窒素雰囲気ドライボックス内で混合した。混合後の溶液の水分をカールフィッシャー水分計(AQ−7)で測定し、30ppm以下であることを確認した。混合濃度は表2に掲げる通りとし、各種組成物の電気伝導度を測定した。
N−メチルピロリジン(試薬:東京化成製)31.10gを124.30gのトルエンに溶解し、窒素置換した。27℃下ブロモエチルメチルエーテル(試薬:アルドリッチ製)61.22gを1時間で滴下した。徐々に昇温し、60〜70℃にて37時間攪拌し、反応を終了した。室温まで冷却し、生じた固体を窒素下濾別した。70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥した(茶褐色固体 78.99g)。得られた固体は200gのアセトンに懸濁し、室温にて攪拌洗浄、窒素下濾別した(2回繰り返した)。減圧乾燥し、収量62.64gを得た。着色があった為、水131.83gに溶解し、活性炭(カルボラフィン)6.00gを加え12時間90〜95℃にて攪拌処理した。室温まで、冷却し、活性炭を濾別した。減圧濃縮、減圧乾燥し、収量58.34gを得た。アセトン200.48g、クロロホルム27.22gの混合溶媒に加熱溶解し、再結晶した。生成した白色固体は窒素下濾別し、アセトン50gにて洗浄、減圧乾燥し、N−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムブロマイド34.10gを得た。
1H−NMR(CD3OD)δppm:
2.24(m 4H),3.15(s 3H),3.40(s 3H),3.65(m 6H),3.83(m 2H)
1H−NMR(CD3OD)δppm:
2.22(m 4H),3.10(S 3H),3.39(S 3H),3.58(m 6H),3.81(m 2H)
ジエチルメチルアミン(試薬:東京化成製)35.53gを161.37gのトルエンに溶解し、窒素置換した。27℃下ブロモエチルメチルエーテル(試薬:アルドリッチ製)68.00gを1時間で滴下した。徐々に昇温し、60〜70℃にて44時間攪拌し、反応を終了した。室温まで冷却し、生じた固体を窒素下濾別した。70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥した(茶褐色固体 67.30g)。着色が激しい為、水131.52gに溶解し、活性炭(カルボラフィン)7.02gを加え12時間90〜95℃にて攪拌処理した。室温まで、冷却し、活性炭を濾別した。減圧濃縮、減圧乾燥し、収量58.34gを得た。アセトン200.48g、クロロホルム27.22gの混合溶媒に加熱溶解し、再結晶した。生成した白色固体は窒素下濾別し、アセトン50gにて洗浄、減圧乾燥し、目的物(N,N−ジエチル−N−メトキシエチル−N−メチルアンモニウムブロマイド)47.58gを得た。
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.35(m 6H),3.07(s 3H),3.39(s 3H),3.40〜3.57(m 6H),3.80(m 2H)
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.33(m 6H),3.03(s 3H),3.38(s 3H),3.39〜3.52(m 6H),3.77(m 2H)
N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムクロライド(試薬:東京化成製)100gをメタノール100gに溶解し、30wt%HBF4のメタノール溶液200.0gを添加した。30分攪拌するとN,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムテトラフルオロボレートの結晶が析出した。溶液を濾過後、結晶をイソプロピルアルコールで洗浄してから、130℃の加熱下、窒素気流中にて乾燥し、副生した塩化水素と過剰のHBF4およびメタノール、イソプロピルアルコールを除き目的物(白色固体)127.1gを得た。
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.31(m 9H),2.95(S 3H),3.34(q 6H)
N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムクロライド(試薬:東京化成製)150.0gをメタノール300gに溶解した。リチウムヘキサフルオロホスフェート106.2gを氷冷したメタノール300gに1時間かけて溶解させた溶液に、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムクロライド/メタノール溶液を2時間で滴下し、白色固体を得た。白色固体を濾別後、メタノール200gで洗浄し、さらに濾過を行った。この操作を2回繰り繰り返した後、110℃で乾燥することで白色固体の目的物136.0gを得た。
1H−NMR(d−DMSO)δppm:
1.19(m 9H),2.87(S 3H),3.25(q 6H)
テトラエチルアンモニウムブロマイド(試薬:関東化成製)120gをメタノール120gに溶解し、30wt%HBF4のメタノール溶液172gを添加した。30分攪拌するとN,N,N,N−テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートの結晶が析出した。溶液を濾過後、結晶をイソプロピルアルコールで洗浄してから、130℃の加熱下、窒素気流中にて乾燥し、副生した臭化水素と過剰のHBF4およびメタノール、イソプロピルアルコールを除き目的物(白色固体)118gを得た。
1H−NMR(CD3OD)δppm:
1.28(m 12H),3.29(q 8H)
N,N,N,N−テトラエチルアンモニウムクロライド(試薬:東京化成製)150.0gをメタノール300gに溶解した。リチウムヘキサフルオロホスフェート97.2gを氷冷したメタノール300gに1時間かけて溶解させた溶液に、N,N,N,N−テトラエチルアンモニウムクロライド/メタノール溶液を2時間で滴下し、白色固体を得た。白色固体を濾別後、メタノール200gで洗浄し、さらに濾過を行った。この操作を2回繰り繰り返した後、110℃で乾燥することで白色固体の目的物141.2gを得た。
1H−NMR(d−DMSO)δppm:
1.16(m 12H),3.20(q 8H)
実施例5
実施例1で製造したN−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートを、エチルメチルカーボネート(前記に同じ、リチウムバッテリーグレード)およびジメチルカーボネート(キシダ化学株式会社製、リチウムバッテリーグレード)とを1対1の体積比で混合した溶液に、濃度が2Mとなるように溶解し電気化学的安定性の測定をおこなった。調液は露点が−60℃以下の窒素雰囲気ドライボックス内でおこなった。混合後の溶液の水分をカールフィッシャー水分計(AQ−7)で測定し、30ppm以下であることを確認した。電気化学的安定性の測定は3電極式電気化学セルを使用した。作用極として、φ1.0mm、電極面積0.0079cm−2のグラシーカーボン電極(BAS株式会社製)、参照極として銀ワイヤー(株式会社ニラコ製、純度99.99%)、対極としてφ0.5×50mmの白金電極(BAS株式会社製、11−2233)を使用した。定電位試験をおこない、作用極に一定電位を印加した後、180秒後に流れている電流値を測定した。この電流値と印加した電位との関係を図3に示した。
実施例1で製造したN−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムヘキサフルオロホスフェートを、エチルメチルカーボネート(前記に同じ、リチウムバッテリーグレード)に濃度が2Mとなるように溶解し電気化学的安定性の測定をおこなった。調液は露点が−60℃以下の窒素雰囲気ドライボックス内でおこなった。混合後の溶液の水分をカールフィッシャー水分計(AQ−7)で測定し、30ppm以下であることを確認した。電気化学的安定性の測定は実施例5と同様におこない、結果を図3に示した。
比較例3で製造したN,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウムテトラフルオロボレートを、プロピレンカーボネート(キシダ化学株式会社製、リチウムバッテリーグレード)に濃度が1.5Mとなるように溶解し電気化学的安定性の測定をおこなった。調液は露点が−60℃以下の窒素雰囲気ドライボックス内でおこなった。混合後の溶液の水分をカールフィッシャー水分計(AQ−7)で測定し、30ppm以下であることを確認した。電気化学的安定性の測定は実施例5と同様におこない、結果を図3に示した。
実施例7
実施例5で調製された電解液を使用して図1の構造を有する電気二重層キャパシタを製造した。電極1及び電極2は、活性炭を主成分とする電導性物質、バインダー、N−メチルピロリドンとともに混練して得られたペーストをアルミニウム箔に150μmの厚さで塗工後、乾燥して得られたシート状電極を円板状に切り出したものである。容器体1、容器体2、スペーサー、スプリングは共にステンレス鋼製であり、セパレータは、ポリプロピレン不織布である。電気二重層キャパシタの組み立てはアルゴンガスを満たしたグローブボックス内でおこなった。電極1、電極2、容器体1、容器体2、スプリング、スペーサーは120℃の加熱下、24時間真空乾燥した後、グローブボックス内に持ち込んだ。実施例58の電気二重層キャパシタ用電解液を電極1、電極2、セパレータに含浸させ、図1の構成で容器体1と容器体2をガスケットを介してかしめることによって電気二重層キャパシタを得た。
実施例7において、実施例5で調製した電解液に代えて、実施例6で調製した電解液を使用した以外は、実施例7と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
実施例7において、実施例5で調製した電解液に代えて、比較例7で調製した電解液を使用した以外は、実施例7と同様にして電気二重層キャパシタを得た。
実施例7、実施例8及び比較例8で作製されたコイン型電気二重層キャパシタに関し、漏れ電流値の測定をおこなった。漏れ電流値の測定は25℃において実施した。コイン型セルを専用のホルダにセットした後、恒温槽に浸漬してコイン型セルの温度を一定に保つようにした。この際、ホルダ全体をビニール袋で覆い、コイン型セルが恒温槽内の冷媒に接液しないようにした。所定の温度に設定した恒温槽に、コイン型セルを浸漬し、4時間保持した後、電気ニ重層キャパシタの充放電を開始した。電流密度が0.5mAcm−2の定電流充電をおこない、電圧が2.5Vに達した時点で定電圧充電に切り替えた。2.5Vで300分保持した後、0.5mAcm−2の定電流放電をおこない、電圧が0Vに達した時点で低電圧放電に切り替え0Vで300分間保持した。続いて0.5mAcm−2の定電流充電をおこない2.7Vで300分保持した後、0.5mAcm−2の定電流放電をおこない、電圧が0Vに達した時点で定電圧放電に切り替え0Vで300分保持した。以降、定電圧充電の設定を3.0V、3.3Vとし同様にサイクルをおこなった。定電圧充電時の300分後における電流値を漏れ電流値とした。結果を表9に示した。
2 電極
3 セパレータ
4 容器体
5 容器体
6 ガスケット
7 スペーサー
8 スプリング
11 正極
12 負極
13 多孔質セパレータ
14 正極缶
15 負極缶
16 ガスケット
17 スペーサー
18 スプリング
Claims (5)
- 鎖状炭酸エステルが、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートから選ばれる1種以上の鎖状炭酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の電解液。
- 鎖状炭酸エステルが、エチルメチルカーボネートであることを特徴とする請求項3に記載の電解液。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液を用いたことを特徴とする電気化学デバイス。
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