JP4750919B2 - ズレンジイソシアネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(1)1,2,4,5−テトラメチル−ベンゼン(以後「ズレン」と称する)を硫酸中で硝酸と反応させ、(2)得られた2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼン(以後「ジニトロズレン」と称する)を接触水素化し、(3)得られた2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼン(以後「ズレンジアミン」と称する)をホスゲン化することにより、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン(以後「ズレンジイソシアネート」と称する)を製造する改良された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ズレンジイソシアネートの製造は公知である。公知の方法の一つは、英国特許明細書第779,806号に開示されている。この英国特許明細書第779,806号では、ズレンジアミンをクロロベンゼンに溶解し、次いで気体塩化水素と反応させてズレンジアミンジヒドロクロリドを生成し、これを更にクロロベンゼン中懸濁液として高温でホスゲンと反応させる。
ズレンジアミンはかなり以前から知られており、通常は還元によりジニトロズレンから製造される。ラネーニッケルを触媒として添加し、エタノール中でジニトロズレンを水素化してズレンジアミンを生成する方法は、例えばJournal of the American Chemical Society,Vol.70,p.2227およびVol.72,p.132に記載されている。
【0003】
ジニトロズレンも同様に以前から知られており、通常はズレンのニトロ化によって製造される。米国特許明細書第3,153,099号には、ジニトロズレンの改良された製造方法が開示されている。この米国特許明細書第3,153,099号では、濃縮硫酸水溶液中ズレン懸濁液を、有機溶媒の不在下に、5℃〜10℃の温度で硝酸−硫酸−水混合物と反応させ、得られた懸濁液を氷−水混合物中に撹拌しながら注入し、ジニトロズレンを濾過し、水で洗浄し、60℃〜70℃で乾燥する。
米国特許明細書第3,153,099号が教示しているように、ズレンを有機溶媒に溶解し、その溶液をニトロ化するというわかりやすい手順は、多くの欠点を有する。これらの欠点のうち最大のものは、ジニトロズレンの収率が低く副産物の量が多いことである。これらの欠点は、本明細書の実施例1(比較実施例)で明らかにされている。
確かに、硫酸懸濁液中でのズレンのニトロ化は有機溶媒溶液中でのニトロ化より良い。しかしながら、米国特許明細書第3,153,099号に記載の方法は重大な欠点を有する。例えば、好ましいと記載されている反応温度範囲5℃〜10℃では、反応時間が不経済なほど長くなる。これも、本明細書の実施例2(比較実施例)で確認されている。
【0004】
米国特許明細書第3,153,099号に記載の方法の別の欠点は、最終反応混合物を氷−水混合物中で攪拌することにある。このように、発生する混合熱を制御するために氷を使用して濃硫酸を水で希釈する方法は、実験室規模の操作では一般的で実行可能であるが、大規模製法には適していない。この方法は、大量の氷の入手および取り扱いを要すると共に、氷の製造および輸送にかかわるかなりの技術的努力および経費を必要とする。また、この方法では、比較的強力な撹拌機モーターを任意に使用して、大容量容器で氷を処理しなければならない。この操作ステップの結果の一つとして、反応に使用した硫酸は全部が希釈されるため、無価値な廃棄物として処分するか、または再濃縮する必要が生じる(複雑でコストの高いプロセス)。
米国特許明細書第3,153,099号に記載の方法の更に別の欠点は、濾過した粗ジニトロズレンを水洗浄だけで精製することにある。これでは、ジニトロズレン粒子中に捕捉された硫酸のような不純物が分離されない。その一方で、特に第3段、第47〜50行に教示されているように還元でズレンジアミンを生成するためにジニトロズレンを使用する場合には、最小限必要な品質がジニトロズレンに要求される。これは通常、生成されたジニトロズレンを、例えば再結晶のような別の操作ステップで精製しなければならないことを意味する。
【0005】
ジニトロズレンをズレンジアミンに還元するための工業的方法として技術的に実現可能なのは、接触水素化だけである。ジニトロズレンを硫化アンモニウム、亜鉛または塩化スズ(II)で変換させるといったような別の公知の方法は、実験室規模での変換には適しているが、経済的および環境的理由から、ズレンジアミンの大規模製造には適していない。
エタノールのようなプロトン性溶媒中で接触水素化を行うための公知の方法は、ホスゲンでのズレンジアミンの変換に関して、溶媒を反応混合液から実質的に完全に除去しなければならないという欠点を有する。溶媒を実質的に除去しないと、ホスゲン化時に溶媒とホスゲンとの望ましくない反応生成物が形成される。これは、ズレンジアミン溶液を複雑な操作ステップで完全に蒸発させ、次いで残留固体ズレンジアミンを非プロトン性溶媒に再溶解しなければならないことを意味する。
ズレンジアミンジヒドロクロリドをホスゲンと反応させてズレンジイソシアネートを製造する英国特許明細書第779,806号に記載の方法も、重大な欠点を有する。例えば、気体塩化水素を用いるズレンジアミンジヒドロクロリドの製造は費用と時間がかかる。また、懸濁液でのジヒドロクロリドとホスゲンとの反応は手間がかかり、プロセス排気ガスが比較的大量の塩化水素で汚染されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ズレンジイソシアネートを製造するための技術的方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、不経済なほど長い反応時間をかけずに、より高い収率でズレンジイソシアネートを製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、大量の廃棄物および副産物の発生を伴わずにズレンジイソシアネートを製造する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、多大な技術的努力および経費を必要としないズレンジイソシアネートの製造方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、個々の反応ステップおよび操作段階が互いに適合しているズレンジイソシアネートの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的および当業者に明らかであろう他の目的は、(1)硫酸の存在下でズレンを硝酸と反応させ、(2)得られた反応混合物を水で希釈して懸濁液を形成し、(3)得られた懸濁液を非プロトン性有機溶媒と混合してジニトロズレンを溶解して2つの液相を形成し、(4)前記液相を分離してジニトロズレンの有機溶媒溶液を回収し、(5)触媒の存在下でジニトロズレンを水素化し、(6)水素化混合物から水および触媒を除去し、(7)(5)で得られたジアミノズレンをホスゲン化することにより達成される。
本発明は、ズレンを硫酸中で硝酸と反応させ、生成されたジニトロズレンを接触水素化し、得られたズレンジアミンをホスゲン化することによりズレンジイソシアネートを製造するための改良された方法である。この方法では、硫酸中でズレンと硝酸との反応が完了した後、実質的に硫酸からなる反応混合物の液相を水と混合することによって希釈する。得られた懸濁液を、実質的に水と混和せず且つ水素に対して不活性である非プロトン性有機溶媒と充分に混合して、ジニトロズレンを溶媒中に溶解し、2つの液相からなる混合物を形成する。溶媒中のジニトロズレン溶液を相分離によって前記混合物から分離し、次いで任意に水での抽出により精製する。このようにして得たジニトロズレン溶液を、任意に溶媒の蒸発分離で濃縮した後、固体不溶性触媒の存在下で水素化にかける。水素化反応混合物から水および触媒を分離し、生成されたズレンジアミンの残留溶液をホスゲン化する。
【0008】
極めて意外なことに、本発明の方法では、中間生成物ジニトロズレンおよびズレンジアミンを分離し別個に精製しなくても、ズレンジイソシアネートが極めて高い収率で生成される。特に驚くべきは、非プロトン性溶媒に溶解するだけで、ジニトロズレンをズレンと硝酸との反応により形成された反応混合物から極めて純粋な状態で分離することができ、後続の接触水素化を首尾よく実施できることである。
本発明の方法では、硫酸中でのズレンと硝酸との反応を米国特許明細書第3,153,099号に記載の手順に従って実施するが、相違点として、本発明の方法では生成物ジニトロズレンの処理を行わない。
本発明の方法では、懸濁液でできるだけ完全な変換を達成するために、ズレンを微細な形態で使用する。
本発明の方法で使用する懸濁液を調製するためには、ズレンを、重量で5〜20倍、好ましくは7〜15倍の量の濃硫酸と混合する。濃硫酸の水含量は通常2〜40重量%、好ましくは4〜20重量%である。
ズレンとの反応には純硝酸を使用し得る。しかしながら、硝酸と硫酸および/または水との混合物を使用してもよい。この種の混合物の硫酸の割合は0〜75重量%にし得、水の割合は0〜40重量%にし得る。
【0009】
ニトロ化反応では、硝酸をズレン1モル当たり約2.0〜約2.2モル、好ましくは約2.0〜約2.1モルの量で使用する。
本発明の方法では、ズレンと硝酸との反応を15℃までの温度、好ましくは10〜15℃、最も好ましくは11〜13℃の温度で実施する。10℃未満の反応温度も原理上は可能であるが、その結果反応速度が遅くなるため、反応混合物中の硝酸濃度が増加する危険が増大する。硝酸濃度が高いと、制御不可能な発熱反応が生起し得る。この危険性を最小にするために、通常は10℃未満の反応温度を回避すべきである。
本発明の実施具体例の一つでは、実質的割合の液相をジニトロズレンの濾過または遠心分離によりニトロ化反応混合物から分離する。このようにして分離される廃酸(spent acid)の割合は通常、液相全体の約50〜約95重量%、好ましくは約60〜約90重量%である。分離される廃酸の量は、濾過または遠心分離操作の効率によって限定される。
本発明の好ましい具体例では、廃酸を次のズレンと硝酸との反応に再使用する。そのためには通常、廃酸を、ニトロ化反応の前に、補足量の濃硫酸もしくは硫酸水溶液、または任意に純硫酸と混合する。加える硫酸の濃度および量は、分離した廃酸の量および組成に依存する。しかしながら一般的には、各ズレン−硝酸反応毎にほぼ同じ重量比のズレン、硫酸および水を使用するようにする。
【0010】
本発明の方法では、ズレンと硝酸との反応の最終反応混合物を水と混合する。操作を特定具体例に従って(即ち、水と混合する前に、生成された粗ジニトロズレンを濾過または遠心分離により分離して)実施しない場合には、通常、反応容器に水を加え、この水に反応混合物を混入すると都合がよい。しかしながら、最終反応混合物の連続流を混合ユニットで水流と混合し、それによって混合物を冷却しても有利であり得る。
粗ジニトロズレンを、水と混合する前に、濾過または遠心分離によって分離する場合には、ジニトロズレン濾塊を水中に懸濁するとよい。所望であれば、得られた懸濁液を同時に水流で別の容器に移送してもよい。
混合に使用する水の量は、粗ジニトロズレンと混合する硫酸の量に依存する。通常は、結果として得られる液体の硫酸含量が40重量%未満、好ましくは30重量%未満となるのに充分な量の水を使用する。一般的には、形成される混合物の温度を100℃以下にするのに充分な量の水を使用する。不経済なほど多量の水の使用を回避するために、効果的な外部冷却下で水との混合を実施すると有利であり得る。しかしながら、水との混合の前に反応混合物を実質的な割合の液相から(例えば濾過または遠心分離によって)分離しておけば、冷却は通常不要である。
【0011】
本発明の方法では、水との混合によって形成された粗ジニトロズレン懸濁液を、実質的に水と混和しない非プロトン性有機溶媒と充分に混合する。適当な溶媒は、硫酸水溶液およびズレンジイソシアネートに対して不活性であり且つ接触水素化およびホスゲン化条件下でも不活性であるような化合物である。適当な溶媒の具体例としては、イソオクタン、洗浄ナフサ、デカヒドロナフタレン、トルエン、m−キシレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエンおよび1−クロロナフタレンが挙げられる。本発明の方法では、適当な溶媒の混合物も使用し得る。しかしながら、好ましくは、トルエンまたはクロロベンゼンを溶媒として使用する。
本発明では、ジニトロズレン懸濁液と有機溶媒との充分な混合を低温度で実施し得る。しかしながら、有利には、溶解プロセスを促進するために、該混合を高温で実施する。温度は当該溶媒の沸点以下、通常は30〜95℃にする。溶媒中への溶解について所望の高温を得るために、混合用の水の量を相応に少なくして、ジニトロズレン懸濁水の温度を約90〜95℃に調整すると有利であり得る。勿論、加熱溶媒の使用および/または溶解時の外部加熱により温度を上げることも可能である。
【0012】
ジニトロズレンの溶解に使用する溶媒の量は、溶媒の溶解力および混合物の温度に依存し、適当な予備実験で容易に決定できる。ジニトロズレンの溶解に必要な量を大幅に上回る量の溶媒は使用しない方がよい。溶媒での高度の希釈は通常不利である。なぜなら、溶液の調製および処理に大容量の容器が必要となるからである。通常は、生成ジニトロズレン1kg当たり3〜100kg、好ましくは4〜20kgの量の溶媒を使用する。
水相からのジニトロズレン溶液の分離は、本発明の方法では、相分離によって実施し得る。充分な分離に必要な時間は、相の組成および使用する溶媒の性質に大きく依存する。できるだけ速い相分離を達成するためには、相の濃度を、相の密度が大幅に異なるように選択するとよい。
有機相の分離後は、該相を、水との充分な混合および補足的相分離により精製すると有利であり得る。これは、不充分な相分離に起因して、乳化した酸水溶液が有機相中にかなりの割合で残存している場合に特に有利である。
ジニトロズレンの水素化には、極めて薄い溶液を使用し得る。しかしながら通常は、高時空収率を得るために、できるだけ濃縮した溶液を水素化するのがよい。従って、水素化の前に、溶媒の一部を蒸留によりジニトロズレン溶液から分離すると有利であり得る。従って、ジニトロズレン濃度8〜40重量%のジニトロズレン溶液が有利である。
【0013】
本発明の方法では、ジニトロズレン溶液を、実質的に溶媒に不溶性の固体触媒の存在下で水素化する。この目的には、当業界で慣用のニトロ芳香族の接触水素化に使用されている触媒が適している。適当な触媒の具体例としては、ラネーニッケル、ラネーニッケル−鉄およびラネーコバルトが挙げられる。勿論、パラジウムまたはプラチナのような貴金属触媒も原理上は使用し得るが、通常は経済的な理由および核水素化(nuclear hydrogenation)の危険により、前述のものほど適当ではない。
水素化に使用する触媒の量は、触媒の性質、溶媒の種類、並びに溶解ジニトロズレンの濃度および純度に依存し、広い範囲で変化させ得る。最適重量比は適当な予備実験によって容易に決定し得る。通常は、水素化すべきジニトロズレン100kg当たり0.1〜10kgの量の触媒を使用する。
ジニトロズレン溶液の接触水素化の反応温度も、使用する触媒の種類および使用する溶媒の種類に依存し、50〜250℃の範囲で変化させ得る。
本発明の方法では、ジニトロズレン溶液の接触水素化を1.1〜200バール、好ましくは3〜100バールの水素圧で実施し得る。
接触水素化の最終反応混合物は、ズレンジアミン有機溶媒溶液以外に、固相としての触媒、および第2の液相としての水素化由来の水を含む多相混合物である。本発明では、ズレンジアミン溶液をホスゲン化で使用する前に、反応混合物から水および触媒を完全に除去すると有利であり得る。
【0014】
本発明の好ましい実施具体例では、触媒を分離する前に、部分蒸留で反応混合物から水を除去する。水素化を溶媒の沸点より高い温度で実施する場合は、最終反応混合物をフラッシュ蒸留によって冷却すると有利であり得る。このようにすると、使用する加圧反応器内の圧力が緩和され、混合物が冷却され、混合物が部分的に蒸留するため、余計なエネルギーを消費せずに水が分離される。圧力補正後、反応混合物が実質的に無水になるまで、充分な溶媒を水と共に蒸留除去し得る。これは、加圧反応器内でフラッシュ蒸発の直後に実施し得る。別の蒸留容器は必要ない。
水素化の反応混合物または無水ズレンジアミン溶液からの触媒の分離は、当業界で一般的に使用されている方法のうち任意の方法(例えば濾過または遠心分離)で実施し得る。
粗ズレンジアミンの無水無触媒溶液とホスゲンとを一般的な量(ズレンジアミン1モル当たり約2〜8モル、好ましくは3〜6モルのホスゲン)で反応させてズレンジイソシアネートを生成する操作は、一般的なコールドホットホスゲン化(cold-hot hosgenation)によって実施し得る。即ち、例えば前に使用した有機溶媒中のホスゲン溶液を、最初に低温(約0〜30℃)でホスゲン化反応器に加え、任意に冷却しながらズレンジアミン溶液を混入する。次いで、得られた懸濁液を加熱して還流させ、任意にホスゲンを更に加えて、還流下で反応を終了させる。
【0015】
本発明の方法の好ましい実施具体例では、場合により熱くしたズレンジアミン溶液を、機械駆動混合装置で溶媒中のホスゲン溶液と継続的に激しく混合し、得られた懸濁液を下流反応器に送って反応を完了させる。混合装置としては、当業界で一般的に使用されている装置、例えば混合ポンプまたは有歯ミキサーが適当である。剪断力によって均一混合を作る混合装置を使用すると、副産物の形成が最小に抑えられる。また、反応混合物を冷却する必要がなく、下流反応器内で直接加熱還流できる。
ホスゲン化終了後は、反応混合物を、溶媒の一部と共に残存しているホスゲンの蒸留分離によって処理するのが普通である。次いで、形成されたズレンジイソシアネートを、英国特許明細書第779,806号に記載のように、結晶化によって回収し、再結晶によって精製し得る。ジイソシアネートは、有利には、蒸留によって回収し、分留によって精製し得る。ズレンジイソシアネートは200℃以下の温度で分解せずに蒸留できる。そのためには、減圧(例えば、1〜22mbarの圧力のような、大きい工業的規模で問題なく発生させることができるもの)が必要である。
反応混合物の蒸留処理は結晶化による処理よりも有利である。なぜなら、実質的により単純であり、純度のより高いズレンジイソシアネートを生成するからである。更に、溶媒が純粋な状態で回収されるため、粗ジニトロズレンの溶解に再使用できる。また、分留では、粗生成物中に依然残存している可能性があるどんな少量の未反応ズレンでも、次のニトロ化で再使用するのに適した純粋な形態で回収することができる。
【0016】
本発明の方法は、全体または個々の部分的ステップを、連続的または回分式に実施し得る。
本発明の方法は先行技術と比べて下記の重要な利点を有する。
・ 中間生成物ジニトロズレンおよびズレンジアミンを固体生成物として複雑な方法で処理するのではなく、取り扱いのより容易な溶解形態で処理する。
・ 中間生成物ジニトロズレンおよびズレンジアミンを複雑な方法で分離し精製するのではなく、生成後に直接処理する。
・ 硫酸の希釈に、先行技術で使用されている取り扱いのより困難な氷ではなく、水を使用する。
・ 製造プロセス全体で有機溶媒を1種類しか使用しないため、貯蔵容器および蒸留塔といったような、操作の実施に必要な設備および装置の数が少ない。
・ 本発明の方法は、ズレンと硝酸との反応における廃酸を分離し再使用するため、環境への悪影響がより少ない。
本発明の方法で製造したズレンジイソシアネートは、ウレタンプラスチックを製造するための重要な出発生成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。尚、実施例中の部および%は特に指摘がない限り総て重量部および重量%である。
【0018】
【実施例】
以下の実施例は本発明の方法をより詳細に説明するためのものである。
比較例1
n−ヘキサン600ml中ズレン100gの溶液を、滴下漏斗を具備した容量2リットルの丸底フラスコ内に配置した。該溶液に硝酸(100%)100gを、20〜25℃で撹拌しながら1時間以内で滴下した。反応熱は氷浴での冷却により散逸させた。次いで、反応混合物を25℃で更に2時間撹拌し、分離漏斗で、水500mlと共に振盪することにより抽出した。水相の分離後、蒸留により有機相からn−ヘキサンを除去した。透明黄色液が残った。ガスクロマトグラフィーおよび赤外分光分析の結果、反応生成物は少量のズレン以外に、数種の同定不能な化合物を含んでいた。反応生成物混合物中にジニトロズレンは検出できなかった。
【0019】
実施例2:比較実施例
110kgの95.8%硫酸を、エナメル撹拌機と外部ブライン冷却溶液とを備えたエナメルボイラー内に配置し、5℃に冷却した。撹拌下でボイラーに10.0kgの粉砕ズレンを加えた。該混合物を15分間撹拌して均質懸濁液を形成した。2.1kg(化学量論的に必要な量の6.4%に対応)の酸混合物(硝酸28.4重量%、硫酸57.6重量%、水14.0重量%)を、5〜7℃で緩やかに冷却しながら、15分以内で前記懸濁液に撹拌注入した。僅かな反応熱が観察されたため、酸混合物の添加を中止した。反応混合物から試料を採取し、氷中に撹拌しながら注入し、分析した。硝酸変換率は36%にすぎなかった。
【0020】
実施例3:ズレンジイソシアネートの製造
エナメル撹拌機と外部ブライン冷却溶液とを備えたエナメルボイラーに136kgの濃硫酸(硫酸89.8重量%、水10.2重量%)を加え、10℃に冷却した。撹拌下でボイラーに11.4kgの粉砕ズレンを加えた。該混合物を15分間撹拌して均質懸濁液を形成した。反応温度が11〜13℃になるように、充分なブライン冷却および激しい撹拌の下に、2.8時間以内で、前記懸濁液に32.5kgのニトロ化用酸(硝酸33重量%、硫酸67重量%)を計量注入した。得られたパルプ状混合物を11〜13℃で更に1時間撹拌した。撹拌機および外部冷却を備えた別のボイラーに水400リットルを15℃で加えた。温度が95℃を超えないように、撹拌し冷却しながら、前記水に反応混合物を計量注入した。形成された容易に撹拌できる懸濁液にクロロベンゼン100リットルを加え、該混合物全体を30分間激しく撹拌した。相分離後(30分後)、下方水相を分離した。残りの有機層からクロロベンゼン40リットルを蒸留除去した。このようにして濃縮した溶液にラネーニッケル400gを加え、オートクレーブで、温度180℃、圧力40〜50バールで水素化を実施した。水素の取込みは4.5時間後に完了した。次いで、フラッシュ蒸発によりオートクレーブを130℃に冷却した。次いで、反応混合物から水がなくなるまでクロロベンゼンおよび水を蒸発除去した(合計22リットルのクロロベンゼン)。次いで、熱い無水クロロベンゼン(合計14リットル)を添加しながら、110〜120℃で、圧力吸引フィルター(pressure suction filter)を介する濾過により、反応混合物からラネーニッケルを除去した。次いで、温度110℃である透明な濾液に、ホスゲンのクロロベンゼン中25重量%冷溶液110kgを加えた。得られた反応混合物をボイラーに加え、ホスゲンを静かに導入しながら還流まで加熱し、還流下で更に1時間ホスゲン化した。透明溶液が形成された。過剰なホスゲンおよびクロロベンゼンを蒸留によって反応混合物から除去した。残留粗生成物を18mbarの減圧下でフラッシュ蒸留した。黄色がかった蒸留物が13.5kg得られた。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、この蒸留物は97.0%のズレンジイソシアネートおよび2.7%のズレンを含んでいた。該生成物を真空分留で精製して、沸点が18mbarで182〜184℃の無色蒸留物を回収し、これを固化すると、融点113〜114℃の結晶が形成された。
【0021】
実施例4:ズレンジイソシアネートの製造
濃硫酸136kg中11.4kgのズレンを、実施例3と同様に、32.5kgのニトロ化用酸と反応させた。ニトロ化用酸の添加後、反応混合物を11〜13℃で更に1時間撹拌し、次いで窒素圧力を用いて圧力吸引フィルターで濾過した。その結果、廃酸(硫酸88.3重量%、水10.3重量%)が透明暗色液として125kg得られた。濾塊を水120リットルで15℃で懸濁し、ボイラーに流し入れた。形成された容易に撹拌し得る70℃懸濁液に100リットルのクロロベンゼンを加え、混合物全体を30分間激しく撹拌した。その後の操作ステップは実施例3と同様に実施した。ジイソシアネートを96.8重量%含むフラッシュ蒸留ズレンジイソシアネートが13.7kg得られた。
【0022】
実施例5:ズレンジイソシアネートの製造
ズレンジイソシアネートを実施例4と同様に製造した。但し、粗ジニトロズレンの濾過で得られた実施例4の廃酸(125kg、硫酸88.3重量%)は、反応前に更に13kgの濃硫酸(水7.0重量%)を加えてからズレン(11.4kg)のニトロ化に使用した。ニトロ化終了後、ジニトロズレンの濾過で128kgの廃酸(硫酸87.3重量%、水10.2重量%)が得られた。
粗ズレンジイソシアネートのフラッシュ蒸留の結果、2.6%のズレンと96.5%のズレンジイソシアネートとを含む黄色がかった生成物が13.5kg回収された。
【0023】
実施例6:ズレンジイソシアネートの製造
濃硫酸136kg中11.4kgのズレンを実施例3と同様の方法で32.5kgのニトロ化用酸と反応させた。最終反応混合物を水400リットル中で撹拌した。得られた懸濁液を、70℃で45分間にわたり、120リットルのトルエンと激しく混合した。その後の相分離後に、下方水相を分離した。残りの有機相から60リットルのトルエンを蒸発除去した。このようにして濃縮した溶液に400gのラネーニッケルを加え、オートクレーブで温度170℃、圧力41〜54バールで水素化を実施した。水素の取込みは4時間後に完了した。オートクレーブをフラッシュ蒸発により110℃に冷却した。次いで、反応混合物から水がなくなるまで、トルエンおよび水を蒸発除去した。次いで、100〜110℃で圧力吸引フィルターを介して濾過することにより、反応混合物からラネーニッケルを除去した。透明な100℃濾液に、ホスゲンのトルエン中25重量%冷溶液110kgを有歯ミキサーを介して加えた。得られた反応混合物をボイラーに加え、ホスゲンを静かに導入しながら加熱還流し、還流下で更に2時間ホスゲン化した。透明溶液が形成された。過剰なホスゲンおよびトルエンを蒸留で反応混合物から除去した。残留粗生成物を18mbarの減圧下でフラッシュ蒸留した。その結果、純度96.9%のズレンジイソシアネートが13.6kg得られた。
【0024】
実施例3〜6が示すように、本発明の3段階反応プロセスでは、高収率のズレンジイソシアネートを技術的に簡単に得ることができる。
以上、本発明を明らかにすべく詳細な説明を行ってきたが、これらの詳細はそのためのものに過ぎず、特許請求の範囲によって限定され得る以外は種々の変形が本発明の思想および範囲を逸脱せずに当業者により実施され得る。
【0025】
以下、本発明の実施態様を要約すれば次の通りである:
1. 2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼンの製造方法であって、
a)1,2,4,5−テトラメチルベンゼンを硫酸の存在下で硝酸と反応させて2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンを生成し、
b)a)で得られた液体反応混合物を水で希釈して懸濁液を形成し、
c)b)で得られた懸濁液を、水に対して実質的に不混和性であり且つ水素に対して不活性である非プロトン性有機溶媒と激しく混合して、懸濁液中に存在する2,3,5,6−テトラメチルジニトロベンゼンを溶解して2つの液相を形成し、
d)c)で得られた液相を分離して2,3,5,6−テトラメチルジニトロベンゼンの有機溶媒溶液を回収し、
e)2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンを触媒の存在下で水素化して2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼンを生成し、
f)前記水素化混合物から水および触媒を除去して2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼン溶液を得、
g)f)で得た2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼン溶液をホスゲン化して2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼンを生成する
ことからなる前記2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼンの製造方法。
【0026】
2. ステップd)で得た2,3,5,6−テトラメチルジニトロベンゼン溶液を、ステップe)を実施する前に蒸留で溶媒を除去することにより濃縮する上記第1項に記載の方法。
3. ステップd)で得た2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼン溶液を、ステップe)の前に水での抽出により精製する上記第1項に記載の方法。
4. ステップa)の反応を約10〜約15℃の温度で実施する上記第1項に記載の方法。
5. ステップb)の前に、濾過または遠心分離によって、ステップa)で形成された反応混合物から廃酸を除去する上記第1項に記載の方法。
6. 除去した廃酸を次のステップa)で使用する上記第5項に記載の方法。
7. 非プロトン性有機溶媒がトルエンである上記第1項に記載の方法。
8. 非プロトン性有機溶媒がクロロベンゼンである上記第1項に記載の方法。
【0027】
9. ステップf)を、
(1) 水素化混合物を蒸留して存在する水を完全に除去し、
(2) (1)の混合物から触媒を分離し、
(3) (2)で得られた混合物をc)で使用したものと同じ溶媒で希釈することにより実施する上記第1項に記載の方法。
10. ステップg)を、
(1) h)(3)で得られた混合物を機械的に作動する混合装置でホスゲンの有機溶媒溶液と継続的に激しく混合し、
(2) g)(1)で得られた混合物を下流反応器に加え、
(3) 下流反応器の温度を上昇させて2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン生成反応の完了を促進する
ことにより実施する上記第9項に記載の方法。
11. ステップg)(3)で下流反応器にホスゲンを加える上記第10項に記載の方法。
12. ステップg)を、
(1) h)で得られた混合物を機械的に作動する混合装置でホスゲンの有機溶媒溶液と継続的に激しく混合し、
(2) g)(1)で得られた混合物を下流反応器に加え、
(3) 下流反応器の温度を上昇させて2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン生成反応の完了を促進する
ことにより実施する上記第1項に記載の方法。
13. ステップg)(3)で下流反応器にホスゲンを加える上記第12項に記載の方法。
Claims (4)
- 2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼンの製造方法であって、
a)1,2,4,5−テトラメチルベンゼンを硫酸の存在下で硝酸と反応させて
2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンを生成し、
b)前記ステップa)で得られた液体反応混合物を水で希釈して懸濁液を形成し、
c)前記ステップb)で得られた懸濁液を、水に対して実質的に不混和性であり
且つ水素に対して不活性である非プロトン性有機溶媒と激しく混合して、
懸濁液中に存在する2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンを
溶解して2つの液相を形成し、
d)前記ステップc)で得られた液相を分離して2,3,5,6−テトラメチル
−1,4−ジニトロベンゼンの有機溶媒溶液を回収し、
e)2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンを触媒の存在下で
水素化して2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノベンゼンを
生成し、
f)前記水素化混合物から水および触媒を除去して2,3,5,6−テトラメチル
−1,4−ジアミノベンゼンを得、
g)前記ステップf)で得た2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジアミノ
ベンゼン溶液をホスゲン化して2,3,5,6−テトラメチル−1,4−
ジイソシアナトベンゼンを生成する
ことからなり、
前記触媒が、ラネーニッケル、ラネーニッケル−鉄、およびラネーコバルトから選択される、
前記2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼンの製造方法。 - 前記ステップe)で水素化される2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンは、前記ステップd)で使用された前記有機溶媒の少なくとも一部の中にある、
請求項1に記載の製造方法。 - 前記ステップe)が実行される前に、前記ステップd)からの2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジニトロベンゼンの溶液が、蒸留による溶媒除去によって濃縮される、
請求項1に記載の製造方法。 - 前記ステップb)の前に、前記ステップa)で生成した反応混合物から、廃酸を濾過または遠心分離によって除去する、
請求項1に記載の製造方法。
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