JP4750870B2 - 被洗浄物の洗浄方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品、機械部品、医療機器等の被洗浄物を簡易な構成で廉価に液洗浄及び
蒸気洗浄するとともに、この液洗浄及び蒸気洗浄に使用した溶剤を蒸留再生するための、
被洗浄物の洗浄方法及びその方法に使用する装置に関するものである。
従来、電子部品、機械部品、医療機器等の被洗浄物を液洗浄及び蒸気洗浄するためのもの
として、特許文献1に示す如き装置が公知となっている。この従来技術は、内部を加熱可
能とする常圧型の蒸気発生槽を常圧型の洗浄槽に開閉バルブを介して接続している。そし
て、前記蒸気発生槽内の溶剤を加熱して発生させた溶剤蒸気を、前記開閉バルブを介して
前記洗浄槽内に導入して被洗浄物の常圧蒸気洗浄を行うものである。
また、上述の如き被洗浄物の蒸気洗浄を減圧状態で行うための装置として、特許文献2に
示す如き技術が公知となっている。この従来技術は、内部を減圧及び加熱可能とする耐圧
製の蒸気発生槽を、同じく耐圧製とした洗浄槽に開閉バルブを介して接続している。そし
て、前記蒸気発生槽内の溶剤を減圧状態で加熱して発生させた溶剤蒸気を、前記開閉バル
ブを介して前記洗浄槽内に導入して被洗浄物の減圧蒸気洗浄を行うものとしている。
特開平6−99148号公報 特開平7−80422号公報
上記特許文献1、2に示す如き洗浄装置においては、被洗浄物の洗浄過程に於いて、被洗
浄物の表面に付着していた切削油、研削油、研磨油等の油分や固形汚物等が溶剤に混入し
、溶剤が汚染されるものとなる。そして、洗浄作業を繰り返して溶剤の汚染度が高まると
、純度の高い溶剤蒸気を発生させることが困難となる。この点、特許文献1に示す如き常
圧型の洗浄装置に於いては、溶剤を加熱して蒸留すれば、溶剤の汚染度を低下させること
が可能である。しかしながら、このような常圧での加熱を行うと、それに伴って溶剤の熱
劣化が進行し、溶剤の使用可能期間を短いものとする。そのため、ランニングコストが高
くなるとともに、溶剤の廃棄に伴う環境への負荷も高いものとなっていた。
一方で、特許文献2に示す装置に於いては、蒸気発生槽の内部を減圧し、この減圧した蒸
気発生槽内に於いて溶剤の真空蒸留再生を行うこととしている。このように蒸気発生槽内
を減圧して溶剤の真空蒸留再生を行うことにより、溶剤の沸点を低下させることが可能と
なるため、溶剤の蒸留再生を、常圧より低い温度で行うことが可能となる。そのため、溶
剤を熱劣化させることなく溶剤の汚染度を低下させることが可能となるため、溶剤の再生
利用が長期間可能となり、この点に於いては、コストダウンを図ることができる。
しかしながら、特許文献2に於いては前述の如く、被洗浄物の洗浄作業も減圧で行うこと
としているため、蒸気発生槽のみならず、洗浄槽及び洗浄槽と蒸気発生槽の接続部分につ
いても耐圧構造としている。そのため、装置の製造工程が繁雑化するとともに、装置の製
造コストが高価なものとなっていた。また、被洗浄物の洗浄時には蒸気発生槽及び洗浄槽
を減圧する必要があるため、ランニングコストも高価なものとなっていた。
そこで本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、被洗浄物の洗浄を簡
易且つ廉価に行うことを可能とするとともに、上記洗浄作業により汚染された溶剤を熱劣
化させることなく蒸留再生することにより、溶剤の再利用を可能とし、ランニングコスト
を低くすることを可能とするものである。
本願発明は上述の如き課題を解決するため、内部を減圧及び加熱可能とする耐圧製の蒸気発生槽を常圧型の洗浄槽に開閉バルブを介して接続している。そして、この開閉バルブを開放した状態で、前記蒸気発生槽内の溶剤を加熱して常圧状態で発生させた溶剤蒸気を、前記開閉バルブを介して前記常圧型の洗浄槽内に導入して被洗浄物の常圧蒸気洗浄を行う。また、前記開閉バルブを閉止した状態で、前記蒸気発生槽の内部を減圧し、前記蒸気発生槽内に於いて溶剤の真空蒸留再生を行う。
また、上記方法を実施する装置は、内部を減圧及び加熱可能とし、内部に収納した溶剤を常圧状態で加熱して溶剤蒸気を発生可能とするとともに、溶剤を減圧状態で加熱して溶剤の真空蒸留再生を可能とする耐圧製の蒸気発生槽と、この蒸気発生槽と蒸気導入管を介して接続し、前記蒸気発生槽内で常圧状態で発生させた溶剤蒸気を導入して被洗浄物の常圧蒸気洗浄を行う常圧型の洗浄槽と、前記蒸気導入管に配置した開閉バルブと、前記蒸気発生槽内を減圧可能とする減圧機構と、前記蒸気発生槽内を加熱するための加熱機構とを備えたもので
ある。
また、蒸気発生槽は、真空機構との間に溶剤蒸気の凝縮部を介在させ、この凝縮部を洗浄
槽又は再生液回収部のいずれか一方と選択的に接続可能としたものであっても良い。この
ように形成することにより、真空機構への溶剤蒸気の流入を防止するとともに凝縮部で回
収した溶剤を、蒸気洗浄槽への導入が必要であれば蒸気洗浄槽へ、蒸気洗浄槽への導入が
不要であれば再生液回収部に、選択的に導入することが可能となり、装置の使用性を高め
ることが可能となる。
本発明は上述の如く構成したものであって、常圧型の洗浄槽と耐圧製の蒸気発生槽とを組
み合わせ、この耐圧製の蒸気発生槽に於いて常圧で発生させた溶剤蒸気を常圧型の洗浄槽
に導入し、常圧で被洗浄物の蒸気洗浄を行うものである。そのため、洗浄槽は減圧に耐え
る構成が不要となり、耐圧製の洗浄槽を用いて被洗浄物の蒸気洗浄を行う場合と比較して
、装置の構成を簡易なものとし、装置の製造コストを廉価なものとすることが可能となる
。また、被洗浄物の蒸気洗浄を常圧で行うものであるから、ランニングコストも廉価なも
のとすることが可能となる。また、上述の如く蒸気発生槽に於いて常圧で発生させた溶剤
蒸気は、洗浄槽内に於いて凝縮蒸留されるものとなるため、溶剤の汚染の進行を遅らせる
ことが可能となる。即ち、前述の被洗浄物の蒸気洗浄作業に伴い、溶剤の常圧蒸留再生を
行うことが可能となる。
また、溶剤の汚染度が高まった場合には、上述の如く耐圧製とした蒸気発生槽において、
溶剤の真空蒸留再生を行うことを可能としている。そして、真空状態に於いては、常圧と
比較して溶剤の沸点を低下させることが可能となるため、常圧と比較して低い温度で溶剤
の蒸留再生を行うことが可能となり、溶剤の熱劣化を防止することが可能となる。そのた
め、溶剤の耐用期間を長くして、ランニングコストを低くすることが可能となる。また、
このように溶剤を蒸留再生して再利用することにより、蒸留後の廃液中に含まれる溶剤の
量をわずかなものとすることが可能となり、塩素系溶剤、フッ素系溶剤、臭素系溶剤等の
環境汚染物質を溶剤として使用する場合であっても、環境への負荷を小さくすることが可
能となる。
また、上述の如く、蒸留後の廃液中に含まれる溶剤の量をわずかなものとすることができ
るため、蒸留後の廃液中には、被洗浄物の表面に付着していた切削油、研削油、研磨油等
の油分と固形汚物とが高い割合で残存するものとなる。そのため、この油分と固形汚物を
分離することで、上記油分を加工油として再利用することが可能となり、この点に於いて
も、ランニングコストを低くすることが可能となる。
本願発明は上述の如く、常圧型の洗浄槽と耐圧製の蒸気発生槽とを組み合わせるとともに
、上述の如く耐圧製とした蒸気発生槽を、常圧又は減圧にそれぞれ切り換えて使用するも
のである。そして、このような構成により、被洗浄物の蒸気洗浄を簡易且つ廉価に行うこ
とを可能とするとともに、蒸留再生時の溶剤の熱劣化を抑制して溶剤を再利用可能とし、
溶剤の耐用期間を長くして、ランニングコストを低くすることができる。
実施例1を示す概念図。
本発明の実施例1を図1において説明すると、(1)は常圧型の洗浄槽で、内部の減圧に耐
える構成とはなっておらず、上端部に被洗浄物(2)を出入させるための開口部(3)を
形成している。このように、常圧型の洗浄槽(1)を用いることにより、耐圧用の洗浄槽
(1)を用いる場合と比較して、装置の構成を簡易なものとし、装置の製造コストを廉価
なものとすることが可能となる。なお、本明細書中に於いては、上部、下部等の用語は、
図1を基準として用いる。
また、洗浄槽(1)は、被洗浄物(2)を溶剤(4)に浸漬して液洗浄を行うための液洗
浄部(5)を下部に形成するとともに、この液洗浄部(5)の上方に、被洗浄物(2)の
蒸気洗浄を行うための蒸気洗浄部(6)を形成しており、被洗浄物(2)を液洗浄部(5
)から蒸気洗浄部(6)に移動させることにより、被洗浄物(2)の液洗浄及び蒸気洗浄
を連続的に行うことを可能としている。
また、この蒸気洗浄部(6)の上方には、洗浄槽(1)の内面に冷却コイル(8)を配置
することにより、溶剤蒸気を冷却凝縮して回収するための冷却乾燥部(7)を形成してお
り、被洗浄物(2)を蒸気洗浄部(6)から冷却乾燥部(7)に移動させることにより、
被洗浄物(2)の蒸気洗浄及び冷却乾燥を連続して行うことを可能としている。また、こ
の冷却乾燥部(7)に於いて、上記冷却コイル(8)に凝縮回収した溶剤(4)は、水分
分離器(10)を設けた戻し管(11)を介して前記液洗浄部(5)に環流可能としてい
る。
また、上記洗浄槽(1)は、図1に示す如く、ベーパーカット用の開閉バルブ(12)を
設けた蒸気導入管(13)を介して耐圧製の蒸気発生槽(14)と接続している。そして
、後述の被洗浄物(2)の蒸気洗浄時には、蒸気発生槽(14)内で発生させた溶剤蒸気
を、前記蒸気導入管(13)を介して洗浄槽(1)内に導入可能としている。また、洗浄
槽(1)は、第1バルブ(15)を設けたオーバーフロー管(16)を介して、液洗浄部
(5)の上端を前記蒸気発生槽(14)内と接続しており、洗浄槽(1)の液洗浄部(5
)内の溶剤(4)が一定量を超えた場合には、上記オーバーフロー管(16)を介して洗
浄槽(1)から蒸気発生槽(14)に溶剤(4)を導入可能としている。
また、洗浄槽(1)は、第2バルブ(17)を設けた溶剤導入管(18)を介して、液洗
浄部(5)の下端を蒸気発生槽(14)と接続しており、後述の汚染された溶剤の蒸留再
生時には、上記溶剤導入管(18)を介して洗浄槽(1)内の溶剤(4)を蒸気発生槽(
14)内に導入可能としている。この汚染された溶剤(4)の導入は、第2バルブ(17
)を蒸気発生槽(14)内の溶剤(4)の通常の液面よりも上方に配置し、第2バルブ
(17)を閉止した状態で、後述の真空機構(21)により蒸気発生槽(14)内を一定圧まで減圧した後に、第2バルブ(17)を開放し、蒸気発生槽(14)内の負圧を利用して洗浄槽(1)内の汚染された溶剤(4)を導入するものである。このように、蒸気発生槽(14)内の負圧を利用して溶剤(4)を導入することにより、溶剤(4)を蒸気発生槽(14)内に急激に導入することができるため、溶剤(4)中に含まれる鉄細片、切り粉等の汚物を確実に導入することが可能となる。
また、上述の如く洗浄槽(1)と接続する蒸気発生槽(14)は、洗浄槽(1)から前記
オーバーフロー管(16)又は溶剤導入管(18)を介して溶剤(4)を導入するための
溶剤導入部(22)を下部に形成し、この溶剤導入部(22)内の溶剤(4)を加熱する
ための加熱源(23)を下端に設けている。そして、被洗浄物(2)の蒸気洗浄時及び溶
剤(4)の蒸留再生時には、後述の如く、上記加熱源(23)により溶剤導入部(22)
内の溶剤(4)を加熱することにより、溶剤蒸気を発生可能としている。
また、蒸気発生槽(14)の溶剤導入部(22)には、蒸気発生槽(14)への溶剤(4
)の過剰な導入を感知して防止するための第1液位センサー(24)を上部に配置すると
ともに、溶剤(4)の不足した状態での空炊きを防止するための第2液位センサー(25
)を下部に配置している。また、前記溶剤導入部(22)の下部には温度センサー(26
)を配置して、蒸気発生槽(14)内の過熱化による溶剤(4)の熱劣化を防止可能とし
ている。また、溶剤導入部(22)の下端を、第3バルブ(27)を配置した廃液回収管
(28)を介して、廃液回収部(30)と接続している。また、蒸気発生槽(14)の上
端を蓋体(31)で気密的に被覆するとともに、この蓋体(31)に減圧センサー(32
)を接続し、後述の如く蒸気発生槽(14)内を減圧した際の減圧度を測定可能としてい
る。
また、前記蒸気発生槽(14)は、真空機構(21)に接続して槽内を減圧可能としてい
る。この蒸気発生槽(14)と真空機構(21)との接続について説明すると、図1に示
す如く、蒸気発生槽(14)に第1真空配管(33)を接続しており、この第1真空配管
(33)に第2真空配管(34)を接続している。また、この第2真空配管(34)の上
端を、溶剤蒸気の凝縮部(35)内に配置した凝縮管(36)の下端に接続している。こ
の凝縮部(35)は、冷却媒体の導入路(37)を下端に接続するとともに、冷却媒体の
導出路(38)を上端に接続しており、導入路(37)から導入した冷却媒体を、凝縮部
(35)内を流動させた後に導出路(38)から導出することにより、内部を冷却可能と
している。
また、前記凝縮管(36)の上端を、第3真空配管(40)と接続しており、この第3真
空配管(40)の上端を真空解除用の第4バルブ(41)と接続するとともに、第3真空
配管(40)の上下方向中央を、第5バルブ(42)を配置した第4真空配管(43)を
介して真空機構(21)と接続している。そして、後述の溶剤(4)の蒸留再生時には、
前記開閉バルブ(12)、第1バルブ〜第4バルブ(15)(17)(27)(41)を
閉止するとともに第5バルブ(42)を開放した状態で、真空機構(21)を稼働ことに
より、第1真空配管〜第4真空配管(33)(34)(40)(43)を介して前記蒸気
発生槽(14)内を減圧可能としている。
また、前述の如く蒸気発生槽(14)と真空機構(21)との間に介在させた凝縮部(3
5)を、前記洗浄槽(1)及び再生液回収部(44)と接続している。この凝縮部(35
)と洗浄槽(1)及び再生液回収部(44)との接続について説明すると、上記凝縮部(
35)の凝縮管(36)の下端には、前述の如く、第2真空配管(34)の上端を接続し
ている。また、この第2真空配管(34)の下端を、第3液位センサー(45)を設けた
水分分離槽(46)と接続し、この水分分離槽(46)を、第6、第7バルブ(47)
(48)を配置した環流管(50)を介して、洗浄槽(1)の液洗浄部(5)と接続している。また、上記環流管(50)の第6バルブ(47)と第7バルブ(48)との間には、第8バルブ(51)を設けた再生液回収管(53)を接続し、この再生液回収管(53)を、再生液回収部(44)と接続している。
上述の如く構成したものに於いて、被洗浄物(2)の液洗浄、蒸気洗浄及び冷却乾燥を行
うには、洗浄槽(1)の液洗浄部(5)及び蒸気発生槽(14)の溶剤導入部(22)に
溶剤(4)を充填し、開閉バルブ(12)及び第1バルブ(15)を開放するとともに第
2バルブ(17)〜第8バルブ(17)(27)(41)(42)(47)(48)(5
1)を閉止する。そして、蒸気発生槽(14)の加熱源(23)により、溶剤導入部(2
2)内の溶剤(4)を加熱して、蒸気発生槽(14)内に蒸気洗浄用の溶剤蒸気を常圧で
発生させる。
そして、前述の如く蒸気発生槽(14)内で発生させた溶剤蒸気を、開閉バルブ(12)
を開放した蒸気導入管(13)を介して、前述の如く常圧型とした洗浄槽(1)の蒸気洗
浄部(6)に導入する。そして、まず、上述の如く液洗浄部(5)内に充填した溶剤(4
)に被洗浄物(2)を図1に矢印aで示す如く浸漬して、被洗浄物(2)の常温又は冷却
液洗浄を行う。この液洗浄は、超音波洗浄であっても、被洗浄物(2)を揺動させて行う
ものであっても良い。次に、この液洗浄を終えた被洗浄物(2)を、図1に矢印bで示す
如く蒸気洗浄部(6)に移動させ、前述の如く蒸気洗浄部(6)に導入した溶剤蒸気に接
触させて、被洗浄物(2)の蒸気洗浄を常圧で行う。本願発明に於いてはこのように、被
洗浄物(2)の蒸気洗浄を常圧で行い、洗浄槽(1)内を減圧する必要がないため、ラン
ニングコストを廉価なものとすることが可能となる。
また、被洗浄物(2)の蒸気洗浄完了後は、図1に矢印cで示す如く、被洗浄物(2)を
冷却乾燥部(7)に移動させて冷却乾燥し、図1に矢印dで示す如く、開口部(3)から
外部に取り出す。また、上述の冷却乾燥作業に於いて冷却コイル(8)に回収した溶剤(
4)は、水分分離器(10)で水分と分離した後、戻し管(11)を介して液洗浄部(5
)に導入する。この戻し管(11)からの溶剤(4)の導入により液洗浄部(5)内の溶
剤(4)が増加して一定量を超えると、第1バルブ(15)を開放したオーバーフロー管
(16)を介して溶剤(4)が蒸気発生槽(14)の溶剤導入部(22)に環流される。
このように洗浄槽(1)から蒸気発生槽(14)に溶剤(4)を環流することにより、こ
の環流した溶剤(4)を加熱源(23)により再度加熱して溶剤蒸気を発生させることが
可能となるため、上述の如き被洗浄物(2)の蒸気洗浄を連続的に行うことが可能となる
また、上述の如く被洗浄物(2)の蒸気洗浄作業を行うと、被洗浄物(2)の表面に付着
していた切削油、研削油、研磨油等の油分や固形汚物が、洗浄過程において溶剤(4)中
に混入し、溶剤(4)が汚染されるものとなる。この点、本願発明においては、前述の如
く蒸気発生槽(14)内において溶剤(4)を常圧で加熱して溶剤蒸気を発生させており
、この蒸気が洗浄槽(1)内の被洗浄物(2)、冷却コイル(8)等と接触して凝縮蒸留
されるため、溶剤(4)の汚染の進行を遅らせることが可能となる。即ち、前述の被洗浄
物(2)の蒸気洗浄作業に伴い、溶剤(4)の常圧蒸留再生を行うことが可能となる。
しかしながら、洗浄作業を繰り返すことにより、蒸気発生槽(14)内の溶剤(4)中に
多量の油分や固形汚物が含まれるようになった場合、即ち、溶剤(4)の汚染度が高まっ
た場合には、上述の蒸気発生に伴う溶剤(4)の常圧蒸留だけでは不充分となり、純度の
高い溶剤蒸気を発生させることが困難となる。そこで、本願発明においては、被洗浄物(
2)の蒸気洗浄作業により溶剤(4)の汚染度が高まった場合には、減圧した蒸気発生槽
(14)内において、溶剤(4)の真空蒸留再生を行うこととしている。
この溶剤(4)の真空蒸留再生を行うには、まず、開閉バルブ(12)及び第1バルブ(
15)を閉止し、第5バルブ(42)を開放するとともに真空機構(21)を稼働して、
蒸気発生槽(14)内を一定圧まで減圧する。そして、この減圧の後に、第2バルブ(1
7)を開放し、蒸気発生槽(14)内の負圧を利用して洗浄槽(1)内の汚染された溶剤
(4)を蒸気発生槽(14)内に導入する。
そして、この導入の完了後、第2バルブ(17)を閉止する。そして、真空機構(21)
により第1真空配管〜第4真空配管(33)(34)(40)(43)を介して蒸気発生
槽(14)内を減圧するとともに、加熱源(23)により溶剤導入部(22)内の溶剤(
4)を加熱し、減圧状態で溶剤蒸気を発生させる。そして、上述の如く発生させた溶剤蒸
気を、真空機構(21)により第1、第2真空配管(33)(34)を介して凝縮部(3
5)に吸引導入して冷却し、凝縮液化させる。
本願発明に於いてはこのように、耐圧製の蒸気発生槽(14)内に於いて減圧状態で溶剤
蒸気を発生させて、溶剤(4)の真空蒸留再生を行うものである。そして、真空状態に於
いては、常圧と比較して溶剤(4)の沸点を低下させることが可能となるため、常圧と比
較して低い温度で溶剤(4)の蒸留再生を行うことが可能となり、溶剤(4)の熱劣化を
防止することが可能となる。そのため、溶剤(4)の耐用期間を長くして、ランニングコ
ストを低くすることが可能となる。
また、本願発明は上述の如く、常圧型の洗浄槽(1)と耐圧製の蒸気発生槽(14)とを
組み合わせるとともに、上述の如く耐圧製とした蒸気発生槽(14)を、被洗浄物(2)
の蒸気洗浄時には常圧、溶剤(4)の蒸留再生時は減圧にそれぞれ切り換えて使用するも
のである。そして、このような構成により、被洗浄物(2)の蒸気洗浄を簡易且つ廉価に
行うとともに、蒸留再生時の溶剤(4)の熱劣化を抑制して溶剤(4)を再利用可能とし
、溶剤(4)の耐用期間を長くして、ランニングコストを低くすることができる。
また、前述の如く凝縮部(35)に回収して凝縮液化した溶剤(4)は、第2真空配管(
34)を介して前記水分分離槽(46)内に導入し、溶剤(4)に混入した水分と分離す
る。そして、洗浄槽(1)への溶剤(4)の環流が必要な場合には、第6、第7バルブ(
47)(48)を開放するとともに第8バルブ(51)を閉止して、上述の如く水分と分
離した溶剤(4)を、環流管(50)を介して洗浄槽(1)に環流する。また、洗浄槽(
1)への溶剤(4)の環流が不要な場合には、第6、第8バルブ(47)(51)を開放
するとともに第7バルブ(48)を閉止して、環流管(50)及び再生液回収管(53)
を介して、溶剤(4)を再生液回収部(44)に導入する。本実施例に於いてはこのよう
に、前記凝縮部(35)を、水分分離槽(46)を介して洗浄槽(1)又は再生液回収部
(44)のいずれか一方と選択的に接続可能とし、凝縮部(35)に於いて凝縮した溶剤
(4)を、洗浄槽(1)への導入が必要であれば洗浄槽(1)へ、洗浄槽(1)への導入
が不要であれば再生液回収部(44)に、選択的に導入することを可能としている。その
ため、装置の使用性を高めることが可能となる。
また、上述の溶剤(4)の蒸留再生が完了した後には、第3、第4バルブ(27)(41
)を開放して、蒸気発生槽(14)内に残留した廃液を、廃液回収管(28)を介して廃
液回収部(30)に回収する。本願発明に於いては前述の如く、溶剤(4)の蒸留再生を
減圧した蒸気発生槽(14)内で行うことにより、溶剤(4)の熱劣化を防止し、溶剤(
4)の再生利用を可能としているため、上記廃液中に含まれる溶剤(4)の量をわずかな
ものとすることが可能となる。そのため、塩素系溶剤、フッ素系溶剤、臭素系溶剤等の環
境汚染物質を溶剤(4)として使用する場合であっても、これらの溶剤(4)が廃液とし
て捨てられる量がわずかであるため、環境への負荷を小さくすることが可能となる。
また、上述の如く、蒸留後の廃液中に含まれる溶剤(4)の量をわずかなものとすること
ができるため、蒸留後の廃液中には、被洗浄物(2)の表面に付着していた切削油、研削
油、研磨油等の油分と固形汚物とが高い割合で残存するものとなる。そのため、この油分
と固形汚物とを分離することで、上記油分を加工油として再利用することが可能となり、
この点に於いても、ランニングコストを低くすることが可能となる。
1 洗浄槽
2 被洗浄物
4 溶剤
6 蒸気洗浄部
7 冷却乾燥部
8 冷却コイル
12 開閉バルブ
14 蒸気発生槽
18 蒸気導入管
21 真空機構
23 加熱源
35 凝縮部
44 再生液回収部

Claims (4)

  1. 内部を減圧及び加熱可能とする耐圧製の蒸気発生槽を常圧型の洗浄槽に開閉バルブを介し
    て接続し、この開閉バルブを開放した状態で、前記蒸気発生槽内の溶剤を加熱して常圧状態で発生させた溶剤蒸気を、前記開閉バルブを介して前記常圧型の洗浄槽内に導入して被洗浄物の常圧蒸気洗浄を行い、前記開閉バルブを閉止した状態で、前記蒸気発生槽の内部を減圧し、この減圧した蒸気発生槽内に於いて溶剤の真空蒸留再生を行うことを特徴とする被洗浄物の洗浄方法。
  2. 内部を減圧及び加熱可能とし、内部に収納した溶剤を常圧状態で加熱して溶剤蒸気を発生
    可能とするとともに、溶剤を減圧状態で加熱して溶剤の真空蒸留再生を可能とする耐圧製
    の蒸気発生槽と、この蒸気発生槽と蒸気導入管を介して接続し、前記蒸気発生槽内で常圧状態で発生させた溶剤蒸気を導入して被洗浄物の常圧蒸気洗浄を行う常圧型の洗浄槽と、前記蒸気導入管に配置した開閉バルブと、前記蒸気発生槽内を減圧可能とする減圧機構と、前記蒸気発生槽内を加熱するための加熱機構とを備えたことを特徴とする被洗浄物の洗浄装置。
  3. 蒸気発生槽は、真空機構との間に溶剤蒸気の凝縮部を介在させ、この凝縮部を洗浄槽又は
    再生液回収部のいずれか一方と選択的に接続可能としたことを特徴とする請求項1の被洗
    浄物の洗浄方法。
  4. 蒸気発生槽は、真空機構との間に溶剤蒸気の凝縮部を介在させ、この凝縮部を、洗浄槽又
    は再生液回収部のいずれか一方と選択的に接続可能としたことを特徴とする請求項2の被
    洗浄物の洗浄装置。
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