JP4750019B2 - 2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレートの製造および使用 - Google Patents

2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレートの製造および使用 Download PDF

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Description

2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレートの追加的な製造方法が必要とされている。かかる化合物としては、作物保護剤、医薬品、写真現像剤および他のファインケミカルの製造のために有用な中間体が挙げられる。特許文献1および特許文献2には、塩基の存在下でのマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと置換ヒドラジンとの縮合による2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレートの製造についてが記載されている。しかしながら、より高い収率をもたらす可能性のある別の方法が依然として必要とされている。
米国特許第3,153,654号明細書 国際公開第03/015519号パンフレット
発明の概要
本発明は、適切な酸掃去剤および溶媒の存在下で、式II
Figure 0004750019
[式中、
は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2aはH、ORまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2bはHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
各Rは独立してOR、N(Rまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、そして
各Rは場合により置換されていてもよい炭素部分から選択され、
Xは脱離基であり、そして
Yは脱離基である]
のコハク酸誘導体を式III
Figure 0004750019
[式中、
LはH、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい第三級アルキル、−C(O)R、−S(O)または−P(O)(Rである]
の置換ヒドラジンと接触させることを含んでなる式I
Figure 0004750019
[式中、
L、R、R2aおよびR2bは上記定義のとおりである]
の2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレート化合物の製造方法に関する。
また本発明は、式Ia
Figure 0004750019
[式中、Rは場合により置換されていてもよい炭素部分である]
の化合物を使用して式IV
Figure 0004750019
[式中、
はハロゲンであり、
はCH、F、ClまたはBrであり、
はF、Cl、Br、I、CNまたはCFであり、
8aはHまたはC〜Cアルキルであり、
8bはHまたはCHであり、
各Rは独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)アミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cトリアルキルシリルであり、
ZはNまたはCR10であり、
10はHまたはRであり、そして
nは0〜3の整数である]
の化合物を製造する方法にも関する。
本方法は、上記方法によって式Ia(すなわち、式Iの亜属)の化合物を製造することを特徴とする。
本発明は、重量基準で約20%〜99%の式II[式中、R、R2a、R2b、R、RおよびRは上記の通りであり、XはCl、BrまたはIであり、そしてYはF、Cl、BrまたはIであり、ただし、R2aおよびR2bがそれぞれHであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、Rはベンジル以外であり、そしてR2aおよびR2bがそれぞれフェニルであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、Rはメチルまたはエチル以外である]の化合物を含んでなる組成物をさらに提供する。
本発明は、少なくとも約90重量%の式VI
Figure 0004750019
[式中、R2aおよびR2bはHであり、XはBrであり、そしてRはメチルである]
の化合物を含んでなる結晶性組成物をさらに提供する。
発明の詳細な記述
本明細書の記述において、用語「炭素部分」は、その基を分子の残部に連結する炭素原子を含んでなる基を指す。置換基R、R2a、R2b、R、RおよびRが反応中心から離れている場合、それらは、合成有機化学の近代方法によって製造可能な、非常に様々な炭素をベースとする基を包括し得る。また置換基Lは、水素に加えて、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい第三級アルキル、−C(O)R、−S(O)または−P(O)(Rから選択される広範囲の基を包括し得る。これらは、本発明の方法の環化位置化学と立体電子的に配列される。従って、本発明の方法は、広範囲の式IIの出発化合物および式Iの生成化合物に一般的に適用可能である。
従って、「炭素部分」は、アルキル、アルケニルおよびアルキニルを含み、それらは、直鎖または分枝鎖であり得る。また「炭素部分」は、炭素環および複素環も含み、それらは、飽和、部分的飽和または完全不飽和であり得る。さらに、ヒュッケル則が満たされる場合、不飽和環は芳香族であり得る。炭素部分の炭素環および複素環は、一緒に連結している複数の環を含んでなる多環式環系を形成し得る。用語「炭素環」は、環骨格鎖を形成する原子が炭素のみから選択される環を示す。用語「複素環」は、環骨格鎖原子の少なくとも1個が炭素以外である環を示す。「飽和炭素環」は、単結合によってもう一方と連結している炭素原子からなる骨格鎖を有する環を指し、特記されない限り、残りの炭素原子価は、水素原子によって占められる。用語「芳香族環系」は、多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である完全不飽和炭素環および複素環を示す。芳香族は、各環原子が本質的に同一平面に存在し、かつ環平面に対して垂直なp−軌道を有し、かつ(4n+2)π電子は、nが0または正の整数である場合、環に関連してヒュッケル則に従うことを表す。用語「芳香族炭素環系」は、完全芳香族炭素環および多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である炭素環を含む。用語「非芳香族炭素環系」は、完全飽和炭素環、ならびに環系における環がいずれも芳香族ではない部分的または完全不飽和炭素環を示す。用語「芳香族複素環系」および「芳香族複素環」は、完全芳香族複素環および多環式環系の少なくとも1個の環が芳香族である複素環を含む。用語「非芳香族複素環系」は、完全飽和複素環、ならびに環系における環がいずれも芳香族ではない部分的または完全不飽和複素環を示す。用語「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族であり、芳香族環が分子の残りの部分への連結を提供する炭素環または複素環もしくは環系を示す。
、R2a、R2b、R、RおよびRに関して明示される炭素部分、ならびにLに関して明示されるアリールおよび第三級アルキル基は、場合により置換されていてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらの炭素部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。同様に、用語「場合により置換されていてもよい」は、アリールおよび第三級アルキルに関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有するアリールおよび第三級アルキル基を指す。実例となる任意の置換基としては、それぞれさらに場合により置換されていてもよい、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヒドロキシカルボニル、ホルミル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、シクロアルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、シクロアルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アリールアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルケニルオキシカルボニルアミノ、アルキニルオキシカルボニルアミノおよびアリールオキシカルボニルアミノ;ならびにハロゲン、シアノ、およびニトロが挙げられる。任意のさらなる置換基は、ハロアルキル、ハロアルケニルおよびハロアルコキシのような、L、R、R2a、R2b、R、RおよびRに対して追加の置換基を与えるために置換基自体に関して上記で説明されたもののような基から独立して選択される。さらなる例として、アルキルアミノはアルキルによってさらに置換され得、ジアルキルアミノが得られる。また1個もしくは2個の水素原子を2個の置換基のそれぞれまたは1個の置換基から比喩的に除去し、そして分子構造を支持し、そして基を連結して、置換基を支持する分子構造に縮合または結合された環式および多環式構造を製造することによって、置換基を一緒に結合することもできる。例えば、フェニル環に結合された隣接するヒドロキシ基とメトキシ基とを一緒に結合することにより、連結基−O−CH−O−を含有する縮合ジオキソラン構造が得られる。ヒドロキシ基と、それが結合されている分子構造とを一緒に結合することにより、エポキシドを含む環状エーテルを得ることができる。また実例となる置換基としては酸素も挙げられ、これは、炭素に結合された場合、カルボニル官能性を形成する。同様に、イオウは、炭素に結合された場合、チオカルボニル官能性を形成する。L、R、R2a、R2b、R、RまたはR部分内で、置換基を一緒に結合することによって、環および多環構造を形成することができる。また、R、R2aおよびR2b部分の少なくとも2個が同一基に含有される(すなわち、環系が形成される)実施形態も、R、R2aおよびR2bの実例である。ピラゾリジン部分が1個の環を構成する場合、R2a(もしくはOR)またはR2bと同一基に含有されるR部分は、縮合二環式または多環式環系を生じる。同一基に含有される2個のR2aおよびR2b部分は、スピロ環系を生じる。
本明細書に記述される場合、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで使用される用語「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、または種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。「第三級アルキル」は、分子の残部に連結する炭素原子が基中の3個の炭素原子にも結合している分枝鎖状アルキル基を示す。「第三級アルキル」の例としては、−C(CH、−C(CHCHCHおよび−C(CH)(CHCH)(CHCHが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルのようなポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部分も挙げることができる。「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルケニルオキシ」としては、直鎖または分枝鎖アルケニルオキシ部分が挙げられる。「アルケニルオキシ」の例としては、HC=CHCHO、(CHC=CHCHO、(CH)CH=CHCHO、(CH)CH=C(CH)CHOおよびCH=CHCHCHOが挙げられる。「アルキニルオキシ」としては、直鎖または分枝鎖アルキニルオキシ部分が挙げられる。「アルキニルオキシ」の例としては、HC≡CCHO、CHC≡CCHOおよびCHC≡CCHCHOが挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体のような分枝鎖または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両エナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)、ならびに種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(O)、CHCHS(O)、CHCHCHS(O)、(CHCHS(O)、ならびに種々のブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノ」、「アルケニルチオ」、「アルケニルスルフィニル」、「アルケニルスルホニル」、「アルキニルチオ」、「アルキニルスルフィニル」、「アルキニルスルホニル」等は、上記例と同様に定義される。「アルキルカルボニル」の例としては、C(O)CH、C(O)CHCHCHおよびC(O)CH(CHが挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)、(CHCHOC(=O)、ならびに種々のブトキシまたはペントキシカルボニル異性体が挙げられる。「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。用語「シクロアルコキシ」としては、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシのような、酸素原子によって連結された同一基が挙げられる。「シクロアルキルアミノ」は、アミノ窒素原子がシクロアルキル基と水素原子とに結合されていることを意味し、そしてシクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノのような基が挙げられる。「(アルキル)(シクロアルキル)アミノ」は、水素原子がアルキル基によって置換されているシクロアルキルアミノ基を意味し、例としては、(メチル)(シクロプロピル)アミノ、(ブチル)(シクロブチル)アミノ、(プロピル)シクロペンチルアミノ、(メチル)シクロヘキシルアミノ等のような基が挙げられる。「シクロアルケニル」としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルのような基、ならびに1,3−および1,4−シクロヘキサジエニルのような1より多い二重結合を有する基が挙げられる。
用語「ハロゲン」としては、単独または「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語のいずれかで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。用語「1−2ハロゲン」は、1個もしくは2個の置換基に利用可能な位置が、独立して選択されるハロゲンであってよいことを示す。さらに「ハロアルキル」のような組み合わせられた単語で使用される場合、前記アルキルは、同一であっても、または異なっていてもよいハロゲン原子により部分的または完全に置換されていてよい。「ハロアルキル」の例としては、FC、ClCH、CFCHおよびCFCClが挙げられる。
用語「スルホネート」は、−OS(O)−を含んでなる基を指す。ここで、イオウ原子が炭素部分に結合し、かつ酸素原子が分子の残部に結合し、従って、スルホネート基の結合点として機能する。一般的に使用されるスルホネートとしては、−OS(O)Me、−OS(O)Et、−OS(O)−n−Pr、−OS(O)CF、−OS(O)Phおよびおよび−S(O)Ph−4−Meが挙げられる。
置換基中の全炭素原子数を接頭辞「C〜C」で表し、ここで、iおよびjは、例えば、1〜3の数であり、例えば、C〜Cアルキルは、メチルからプロピルまでを示す。
本発明の方法に適切な式I、IIおよびIIIの大きさに対する明確な限定はないが、典型的に式Iは、5〜100個、より一般的に5〜50個、そして最も一般的に5〜25個の炭素原子、および5〜25個、より一般的に5〜15個、そして最も一般的に5〜10個のヘテロ原子を含んでなる。典型的に式IIは、5〜50個、より一般的に5〜25個、そして最も一般的に5〜12個の炭素原子、および5〜15個、より一般的に5〜10個、そして最も一般的に5〜7個のヘテロ原子を含んでなる。典型的に式IIIは、0〜50個、より一般的に6〜25個、そして最も一般的に6〜13個の炭素原子、および2〜12個、より一般的に2〜7個、そして最も一般的に2〜5個のヘテロ原子を含んでなる。ヘテロ原子は、一般的に、ハロゲン、酸素、イオウ、窒素およびリンから選択される。式IおよびII中の3個のヘテロ原子は、カルボン酸エステル基(ROC(O)−)中の2個の酸素原子、および他のカルボニル基中の酸素原子である。式IおよびIII中の2個のヘテロ原子は、ピラゾリン環および前駆体ヒドラジン中の2個の窒素原子である。XおよびYはそれぞれ少なくとも1個のヘテロ原子を典型的に含んでなる。
、R2a、R2b、R、RおよびRの大きさに対して明確な限定はないが、R、R2a、R2b、R、RおよびRの場合により置換されていてもよいアルキル部分は、一般的に1〜6個の炭素原子、より一般的に1〜4個の炭素原子、そして最も一般的に1〜2個の炭素原子をアルキル鎖中に含む。R、R2a、R2b、R、RおよびRの場合により置換されていてもよいアルケニルおよびアルキニル部分は、一般的に2〜6個の炭素原子、より一般的に2〜4個の炭素原子、そして最も一般的に2〜3個の炭素原子をアルケニルまたはアルキニル鎖中に含む。Lの場合により置換されていてもよい第三級アルキル部分は、一般的に4〜10個の炭素原子、より一般的に4〜8個の炭素原子、そして最も一般的に4〜6個の炭素原子を含む。
上記で示される通り、R、R2a、R2b、R、RおよびRの炭素部分は、(中でも)芳香族環または環系であってよい。またLのアリール部分も、芳香族環または環系である。芳香族環または環系の例としては、フェニル環、5員もしくは6員芳香族複素環、芳香族8員、9員もしくは10員縮合炭素二環式環系および芳香族8員、9員もしくは10員縮合複素二環式環系が挙げられ、ここでは各環または環系は場合により置換されていてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらのR、R2a、R2b、R、RおよびR炭素部分、ならびにLのアリール部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。これらの炭素部分は、いずれかの利用可能な炭素または窒素原子において、水素以外の置換基によって水素原子を置換することにより、適応可能な限り多くの任意の置換基によって置換されていてもよい。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1〜4の範囲に及ぶ。1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよいフェニルの例は、提示1においてU−1として説明される環であり、ここではRはいずれかの水素以外の置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい芳香族8員、9員もしくは10員縮合炭素二環式環系の例としては、提示1においてU−85として説明される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよいナフチル基、およびU−86として説明される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい5員もしくは6員芳香族複素環の例としては、提示1に説明される環U−2〜U−53が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは1〜4の整数である。1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよい芳香族8員、9員もしくは10員縮合複素二環式環系の例としては、提示1に説明される環U−54〜U−84が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基、例えば、Rのような置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。L、R、R2a、R2b、R、RおよびRの他の例としては、提示1においてU−87として説明される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよいベンジル基、およびU−88として説明される1〜4個の置換基によって場合により置換されていてもよいベンゾイル基が挙げられ、ここではRはいずれかの置換基であり、そしてrは0〜4の整数である。
構造U−1〜U−85においてR基が示されるが、それらは任意の置換基であるため、存在する必要はないことは注目されるべきである。それらの原子価を充填するために置換を必要とする窒素原子は、HまたはRによって置換される。ここで注目すべき点は、いくつかのU基は、4未満のR基によってのみ置換され得ることである(例えば、U−14、U−15、U−18〜U−21およびU−32〜U−34は、1個のRによってのみ置換され得る)。ここで注目すべき点は、(RとU基との間の結合点が固定されていない状態で図示される場合、(RはU基のいずれかの利用可能な炭素原子または窒素原子に結合可能であることである。ここで注目すべき点は、U基上の結合点が固定されていない状態で図示される場合、U基のいずれかの利用可能な炭素を通して、水素原子を置換することにより、U基は式I、IIおよびIIIの残部に結合可能であることである。
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
上記で示される通り、R、R2a、R2b、R、RおよびRの炭素部分は、(中でも)飽和または部分的飽和炭素環および複素環であり、これらはさらに場合により置換されていてもよい。用語「場合により置換されていてもよい」は、これらのR、R2a、R2b、R、RおよびR炭素部分に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する炭素部分を指す。これらの炭素部分は、いずれかの利用可能な炭素または窒素原子において、水素以外の置換基によって水素原子を置換することにより、適応可能な限り多くの任意の置換基によって置換されていてもよい。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1〜4の範囲に及ぶ。飽和または部分的飽和炭素環の例としては、場合により置換されていてもよいC〜Cシクロアルキルおよび場合により置換されていてもよいC〜Cシクロアルキルが挙げられる。飽和または部分的飽和複素環の例としては、場合により置換されていてもよい、C(=O)、SOまたはS(O)よりなる群から選択される1個もしくは2個の環員を場合により含む、5員もしくは6員非芳香族複素環が挙げられる。かかるR、R2a、R2b、R、RおよびR炭素部分の例としては、提示2においてG−1〜G−35として説明されるものが挙げられる。ここで注目すべき点は、これらのG基における結合点が固定されていない状態で図示される場合、G基のいずれかの利用可能な炭素または窒素を通して、水素原子を置換することにより、G基は式IおよびIIの残部に結合可能であることである。水素原子を置換することにより、任意の置換基をいずれかの利用可能な炭素または窒素に結合可能である(前記置換基は任意の置換基であるため、提示2において図示されていない)。ここで注目すべき点は、Gが、G−24〜G−31、G−34およびG−35から選択される環を含んでなる場合、Qは、O、S、NHまたは置換されたNから選択されてよいことである。
Figure 0004750019
、R2a、R2b、R、RおよびRの炭素部分、ならびにLのアリールおよび第三級アルキル部分が場合により置換されていてもよいことは注目すべきである。上記の通り、R、R2a、R2b、R、RおよびR炭素部分は、一般的に、中でも、1〜4個の置換基によりさらに場合により置換されていてもよいU基またはG基を含んでなってもよい。Lアリール部分は、一般的に、中でも、1〜4個の置換基によりさらに場合により置換されていてもよいU基を含んでなってもよい。従って、R、R2a、R2b、R、RおよびR炭素部分は、U−1〜U−88またはG−1〜G−35から選択されるU基またはG基を含んでなってもよく、かつ1〜4個のUまたはG基を含む追加の置換基(これらは同一であっても異なっていてもよい)によってさらに置換されており、そしてコアUまたはG基および置換基UまたはG基の両方は場合によりさらに置換されていてもよい。L部分は、U−1〜U−88から選択されるU基または第三級アルキル基を含んでなってもよく、かつ1〜4個のUまたはG基を含む追加の置換基(これらは同一であっても異なっていてもよい)によってさらに置換されており、そしてコアU基(または第三級アルキル基)および置換基UまたはG基の両方は場合によりさらに置換されていてもよい。ここで特に注目すべきは、1〜3個の追加の置換基によって場合により置換されていてもよいU基を含んでなるL炭素部分である。例えば、Lは、提示3に示されるように、1−窒素に結合したRが基U−41であるU−11であり得る。
Figure 0004750019
本明細書に一般的に定義される場合、「脱離基」は、求核置換反応において置換可能な原子または原子群を示す。特に「脱離基」は、本発明の方法による反応において置換される置換基XおよびYを指す。当業者に周知の通り、求核反応脱離基は置換時に、結合している電子対を運搬する。従って、脱離基の置換の容易さは、結合している電子対を運搬する脱離基種の安定性と一般的に相互関係がある。この理由のため、強い脱離基(例えば、Br、Cl、IおよびOS(O)CHのようなスルホネート)は、強酸の共役塩基としてみなすことができる置換種を与える。高い電気陰性度のため、フッ化物(F)も、フッ化アシルにおけるようにsp炭素中心からの強い脱離基であり得る。
スキーム1に示される通り、本発明の方法に従って、式IIの化合物と式IIIの化合物とを反応させることによって式Iの化合物を製造する。
Figure 0004750019
[式中、R、R2a、R2b、L、XおよびYは前記で定義された通りである]
式Vの中間体化合物を単離することができる場合もあるが、この化合物は、式Iの対応する化合物へと室温で自発的に環化するため、通常は単離されない。室温で環化が遅くなる場合もあるが、高温では通常の速度で進行する。
スキーム1において、式Iの5−オキソ−ピラゾリン生成物はラクタムとして示されているが、スキーム2に示される通り、それが式Ibのラクトールと互変異性であることを当業者は認識する。
Figure 0004750019
[式中、R、R2a、R2bおよびLは前記で定義された通りである]
これらの互変異性体が容易に平衡となるように、それらは化学的に同等であるものとしてみなされる。他に特記されない限り、本明細書における式Iに対する全ての言及は、式Ibも含むものとして解釈される。
合成の容易さ、より良好な収率、より高い純度、より低いコストおよび/または生成物の有効性の理由のため、Lが好ましくはH、場合により置換されていてもよいアリールまたは場合により置換されていてもよい第三級アルキルである本発明の方法が好ましい。より好ましくは、LはHまたは場合により置換されていてもよいアリールである。さらにより好ましくは、Lは場合により置換されていてもよいアリールである。最も好ましくは、Lはそれぞれ場合により置換されていてもよいフェニルまたはピリジルである。Rは好ましくは、ハロゲン、C〜Cアルコキシまたはフェニルから選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって、それぞれ場合により置換されていてもよいC〜C16アルキル、C〜C16アルケニルまたはC〜C16アルキニルである。より好ましくは、RはC〜Cアルキルである。さらにより好ましくは、RはC〜Cアルキルである。最も好ましくは、Rはメチルである。好ましくは、R2aはHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分である。より好ましくは、R2aはHである。最も好ましくは、R2aおよびR2bはそれぞれHである。好ましくは、各RはORまたは場合により置換されていてもよい炭素部分から独立して選択される。より好ましくは、各Rは場合により置換されていてもよい炭素部分から独立して選択される。さらにより好ましくは、各RはハロゲンまたはC〜Cアルコキシから選択される1個もしくはそれ以上の基によって場合により置換されていてもよいC〜Cアルキル、あるいはハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基によって場合により置換されていてもよいフェニルから独立して選択される。最も好ましくは、各RはC〜Cアルキル、フェニルまたは4−メチルフェニルから独立して選択される。好ましくは、各RはハロゲンまたはC〜Cアルコキシから選択される1個もしくはそれ以上の基によって場合により置換されていてもよいC〜Cアルキルから独立して選択される。より好ましくは、各RはC〜Cアルキルから独立して選択される。
本発明の方法において、式IIの出発化合物の脱離基Yが最初に置換されて、式Vの中間化合物が得られ、この化合物から脱離基Xを置換して、式Iの最終生成物が得られる。本発明において、XおよびYに関して、強い脱離基が一般的に適切である。好ましくは、脱離基Yが脱離基Xより前に置換されるように、置換に対するそれらの相対的な感応性を考慮して、XおよびYに関して脱離基が選択される。しかしながら、エステルの2位と比較して、アシル中心において求核置換は本質的により迅速であり、強い脱離基のほとんどの組み合わせは、本発明におけるXおよびYに関して良好に作用する。Xは好ましくは、Cl、Br、Iまたはスルホネート(例えば、OS(O)CH、OS(O)CF、OS(O)Ph、OS(O)Ph−4−Me)である。より好ましくは、XはCl、BrまたはIである。さらにより好ましくは、XはClまたはBrである。最も好ましくは、XはBrである。Yは好ましくは、F、Cl、BrまたはIである。より好ましくは、YはClまたはBrである。最も好ましくは、YはClである。BrであるXとClであるYとの組み合わせは、高い収率および位置選択性で式Iの化合物が得られる本発明の方法による迅速な縮合のため、注目に値する。
適切な酸掃去剤の存在下で反応を実行する。本発明の方法のために適切な酸掃去剤としては、塩基、ならびに塩基とは典型的に考えられないにもかかわらず、塩化水素および臭化水素のような強酸との反応が可能であり、かつそれを消費可能な化学化合物も挙げられる。非塩基性酸掃去剤としては、プロピレンオキシドのようなエポキシド、および2−メチルプロペンのようなオレフィンが挙げられる。塩基としては、イオン性塩基および非イオン性塩基が挙げられる。非イオン性塩基としては、有機アミンが挙げられる。最良の結果をもたらす有機塩基としては、適度にのみ塩基性および求核性であるアミン、例えば、N,N−ジエチルアニリンが挙げられる。有用なイオン性塩基としては、アルカリおよびアルカリ土類金属元素のフッ化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩およびリン酸塩が挙げられる。例としては、NaF、MgO、CaO、LiHCO、LiCO、LiOH、NaOAc、NaHCO、NaCO、NaHPO、NaPO、KHCO、KCO、KHPOおよびKPOが挙げられる。特に良好な結果をもたらすものは、アルカリ金属元素を含んでなる無機炭酸塩およびリン酸塩塩基(例えば、LiHCO、LiCO、LiHPO、LiPO、NaHCO、NaCO、NaHPOおよびNaPO)である。これらの中で、コストの低さ、ならびに優れた結果のためNaHCO、NaCO、NaHPOおよびNaPOが好ましい。NaHCOおよびNaPOが特に好ましい。NaHCOが最も好ましい。本発明の方法において、好ましくは少なくとも2当量の酸掃去剤を利用する。典型的に、約2〜2.5当量の酸掃去剤を使用する。例えばLが−S(O)である、相対的に酸性である式IIIのヒドラジンの反応に関して、式Vの中間体の形成間に式IIIのヒドラジン部分の脱プロトン化を回避するために強塩基ではない酸掃去剤を最初に添加し、次いで式Vのヒドラジン部分を脱プロトン化して縮合を促進するために強塩基を添加し、式Iの最終生成物を得ることが都合がよい。
適切な溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルスルホキシド、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトニトリル等のような極性非プロトン性溶媒が挙げられる。アセトニトリル、プロピオニトリルおよびブチロニトリルのようなニトリル溶媒も、最適収率および生成物純度をしばしばもたらす。本発明の方法のための溶媒として、コストの低さおよび優れた有効性のため、アセトニトリルが特に好ましい。
広い温度範囲で本発明の方法を実行することができるが、約−10℃と80℃との間の温度で典型的に実行する。式Vの中間体化合物を80℃以上で形成することができるが、最良の収率および純度は、約0℃と周囲温度(例えば、約15℃〜25℃)との間のようなより低い温度で形成することによってしばしば達成される。典型的に反応物質の添加の間、−5℃〜5℃、最も都合よくは約0℃の温度まで反応混合物を冷却する。反応物質を組み合わせた後、温度は周囲温度付近まで典型的に増加する。次いで、式Vの化合物から式Iの化合物への環化速度を増加させるために、通常は約30℃〜80℃の範囲、より典型的に約30℃〜60℃、そして最も典型的に約40℃の温度を利用する。
溶媒のエバポレーション、クロマトグラフィーおよび結晶化のような当業者に周知の通常の方法によって、式Iの生成物を単離することができる。2〜5の範囲のpKを有する酸を添加することによって、過剰塩基を緩衝することができ、そして(蒸留による溶媒の除去のような)水および熱を伴う単離工程の間の式Iの生成物の鹸化および分解を防止することができる。この目的に関して、酢酸が良好に作用する。また、式Iの特定の生成物の濃縮溶液への酢酸のような酸の添加も、それらの結晶化を促進し得る。
本発明の好ましい方法としては、以下のスキーム3に示されるような、式IIの出発化合物が式IIaであり、式IIIの出発化合物が式IIIaであり、そして式Iの生成化合物が式Iaである方法が挙げられる。
Figure 0004750019
[式中、Rは式IおよびIIに関して定義された通りであり、
XおよびYは式IIに関して定義された通りであり、
各Rは独立してC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)アミノ、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cトリアルキルシリルであり、
ZはNまたはCR10であり、
10はHまたはRであり、そして
nは0〜3の整数である]
当業者は、式Iaは式Iの亜属であり、式IIaは式IIの亜属であり、式IIIaは式IIIの亜属であり、そして式Vaは式Vの亜属であることを認識するであろう。
スキーム3の方法に関して式IaのエステルのRとして、すでに記載されたような広範囲の場合により置換されていてもよい炭素部分が有用であるが、一般的にRは18までの炭素原子を含有する基であり、そしてアルキル、アルケニルおよびアルキニル、ならびにベンジルおよびフェニルから選択され、これらは、アルキルおよびハロゲンによってそれぞれ場合により置換されていてもよい。好ましくは、RはC〜Cアルキルであり、より好ましくは、RはC〜Cアルキルであり、そして最も好ましくは、Rはメチルである。好ましくは、XはClまたはBrであり、そしてより好ましくは、XはBrである。好ましくは、YはClである。注目すべきは、ZがNであり、nが1であり、そしてRがClまたはBrであり且つ3位に位置するスキーム3に示された方法である。
スキーム4に示されるように、式VIの対応するカルボン酸を適切な試薬によって処理して、カルボン酸官能性のヒドロキシ基を脱離基へと変換することによって、式IIの化合物を製造することができる。
Figure 0004750019
[式中、R、R2a、R2b、XおよびYは前記で定義された通りである]
例えば、スキーム5に示されるように、塩化チオニル(S(O)Cl)のような、カルボン酸を塩化アシルへと変換するための試薬と式VIの対応するカルボン酸を接触させることによって、式IIb(すなわち、YがClである式II)の化合物を製造することができる。
Figure 0004750019
[式中、R、R2a、R2bおよびXは前記で定義された通りである]
式VIのカルボン酸と塩化チオニルとの反応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、クロロベンゼンまたはトルエンのような適度な極性非プロトン性溶媒の存在下で典型的に実行される。N,N−ジメチルホルムアミドの添加によって、反応を触媒することができる。典型的に、反応温度は約30℃〜80℃の範囲内である。ジクロロメタンを溶媒として使用する場合、ほぼその沸点である40℃で反応を都合よく実行する。反応によって生じる塩化水素を迅速に除去することが望ましく、塩化水素の溶解性を制限する溶媒を沸騰させることによってこれを促進することができる。その適度な沸点のため、ジクロロメタンが溶媒として好ましい。
式VIの化合物を、YがClである式II(すなわち、式IIb)の化合物へと容易に、かつあまり費用がかからずに変換することができるため、YがClであることは本発明の方法に関して好ましい。しかしながら、他の脱離基も本方法においてYとして有用である。直接的に式VIの対応する化合物から、または式IIbの化合物から、当業者に周知の方法(例えば、H.W.ジョンソン(H.W.Johnson)およびD.E.ブブリッツ(D.E.Bublitz),ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)1958,80,3150−3152(VIからIIへ(YはBrである));G.オラー(G.Olah)ら,ヒェーミッシュ ベリヒト(Chem.Ber.)1956,89,862−864(IIbからIIへ(YはFである));R.N.ハゼルダイン(R.N.Haszeldine),ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ(J.Chem.Soc.)1951,584−587(IIbからIIへ(YはIである))を参照のこと)によって、YがCl以外の脱離基である式IIの化合物を製造することができる。
上記で論じられた通り、式VIの対応するカルボン酸から、塩化チオニル(YがClであるものに関して)、またはYがもう一方のハロゲン化物であるものに関しては他の試薬と接触させることによって、あるいはYがClである式IIの化合物を、Yをもう一方のハロゲンへと変換するための適切な試薬と接触させることによって、式IIのハロゲン化アシル化合物は容易に製造される。式IIのハロゲン化アシル化合物は容易に製造されるが、それらは典型的に結晶性ではなく、そして化学的製造のために一般的に利用可能な減圧下で、それらの沸点は典型的にそれらの分解温度より高く、それによってそれらの蒸留は不可能であるため、100%の濃度で単離することは簡単ではない。減圧下での溶媒のエバポレーションまたは蒸留のような方法によって式IIのハロゲン化アシル化合物から溶媒を除去することはできるが、典型的に十分な溶媒を同伴して、式II化合物の濃度は100%未満のままとなる。しかしながら、式IIの化合物を製造するために使用される溶媒は、一般的に本発明の方法に適合し、従って、式II化合物の濃度が100%未満である式IIの化合物の組成物から出発しても、本発明の方法は良好に作用する。従って、本発明の方法に関して有用な式IIの化合物の組成物は、典型的に溶媒も含んでなり、特に式IIの化合物を製造するために使用された溶媒を含んでなる。典型的な溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、クロロベンゼンまたはトルエンが挙げられる。典型的に、前記組成物は、重量基準で約20%〜99%の式IIの化合物を含んでなる。好ましくは、前記組成物は、約40重量%〜99重量%の式IIの化合物を含んでなる。より好ましくは、前記組成物は、約50重量%〜99重量%の式IIの化合物を含んでなる。また好ましくは、前記組成物は、組成物中の式IIの化合物(全ての立体異性体を含む)の重量および式IIの化合物の位置異性体の重量の合計を基準として、少なくとも約80%の式IIの化合物を含んでなる。(この計算に関して、式IIの化合物(全ての立体異性体を含む)の重量を、式IIの化合物(全ての立体異性体を含む)の重量および式IIの化合物の位置異性体の重量の合計によって除算し、次いで、得られた除算の商に100%を掛け算する。式IIの位置異性体は、例えば、XとR2aまたはR2bとの配置交換を伴う。)より好ましくは、前記組成物は、組成物中の式IIの化合物およびその位置異性体の総重量(すなわち、前記重量の合計)を基準として、少なくとも約90%の式IIの化合物を含んでなる。最も好ましくは、前記組成物は、組成物中の式IIの化合物およびその位置異性体の総重量を基準として、少なくとも約94%の式IIの化合物を含んでなる。YがClであり、かつXがCl、BrまたはIであり、好ましくはClまたはBrであり、そしてより好ましくはBrである、式IIの化合物を含んでなる組成物が好ましい。注目すべきは、R2aおよびR2bがそれぞれHであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、Rはベンジル以外であり、そしてR2aおよびR2bがそれぞれフェニルであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、Rはメチルまたはエチル以外である式IIの化合物を含んでなる前記好ましい組成物を含む組成物である。R2aおよびR2bがそれぞれHであり、XがBrであり、YがClであり、そしてRがメチルである式IIの化合物を含んでなる組成物が特に好ましい。R2aおよびR2bがそれぞれHであり、XがBrであり、YがClであり、そしてRがエチルである式IIの化合物を含んでなる組成物も特に好ましい。また本発明は、好ましい組成物および注目すべき組成物を含む前記組成物が含んでなる式IIの化合物にも関する。
文献に開示された様々な化学的ルートによって、式VIの化合物を製造することができる。例えば、R2aおよびR2bがHであり、XがBrであり、そしてRがエチルである式VIの化合物を、U.エバーハード(U.Aeberhard)ら,ヘルベティカ キーミカ アクタ(Helv.Chim.Acta)1983,66,2740−2759に記載の通り製造することができる。R2aおよびR2bがHであり、XがClであり、そしてRがベンジルである式VIの化合物を、J.E.バルドウィン(J.E.Baldwin)ら,テトラヘドロン(Tetrahedron)1985,41,5241に記載の通り製造することができる。R2aおよびR2bがHであり、XがOS(O)Meであり、そしてRが、メチル、エチル、イソプロピルまたはベンジルである式VIの化合物を、S.C.アーノルド(S.C.Arnold)およびR.W.レンツ(R.W.Lenz),マクロモレキュラー ヒェミー マクロモレキュラー シンポシア(Makromol.Chem.Macromol.Symp.)1986,6,285−303、ならびにK.フジシロ(K.Fujishiro)ら,リキッド クリスタルズ(Liquid Crystals)1992,12(3),417−429に記載の通り製造することができる。当業者は、これらのルートの例を一般化することができることを認識する。その結晶性が精製を促進するため、R2aおよびR2bがHであり、XがBrであり、そしてRがメチルである式VIの化合物が特に興味深い。従って、本発明は、R2aおよびR2bがHであり、XがBrであり、そしてRがメチルである式VIの化合物を少なくとも約90重量%、好ましくは、少なくとも約95重量%含んでなる結晶性組成物(例えば、結晶)にも関する。前記結晶性組成物中の不純物は、例えば、式VIの化合物の位置異性体および/または結晶格子に同伴した結晶化溶媒を含んでなり得る。
文献に報告された多種多様な方法によって、式IIIの化合物を製造することができる。例えば、G.H.コールマン(G.H.Coleman)、オーガニック シンテシス(Org.Syn.)Coll.Vol.I,1941,442−445(Lはアリールである);O.ダイエルズ(O.Diels),ヒェーミッシュ ベリヒト(Chem.Ber.)1914,47,2183−2195(Lは−C(O)Rである);L.F.オウドリエス(L.F.Audrieth)およびL.H.ダイアモンド(L.H.Diamond),ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)1954,76,4869−4871(Lは第三級アルキルである);L.フライドマン(L.Friedman)ら、オーガニック シンテシス(Org.Syn.)1960,40,93−95(LはS(O)である);ならびにV.S.サウロ(V.S.Sauro)およびM.S.ワーケンチン(M.S.Workentin),カナディアン ジャーナル オブ ケミストリー(Can.J.Chem.)2002,80,250−262(LはP(O)(Rである)を参照のこと。前記を使用する当業者は、本発明を最大限の範囲まで利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。以下の実施例における工程は、全合成転換における各工程の手順を説明し、そして各工程の出発材料は、他の実施例または工程において手順が記載される特定の製造の実行によって必ずしも製造されなくてもよい。クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、または特記されない限り、パーセントは重量によるものである。特記されない限り、クロマトグラフィー溶媒混合物に関する部およびパーセントは体積によるものである。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのppm低磁場で報告される。「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、そして「br s」は広域一重項を意味する。「ABX」は、H NMRの3個のプロトンのスピン系を指し、ここでは2個のプロトン「A」および「B」は、それらのスピン−スピンカップリングと比較して相対的に小さい化学シフト差を有し、そして第3のプロトン「X」は、プロトン「A」および「B」とのスピン−スピンカップリングと比較して相対的に大きい差を有する化学シフトを有する。
実施例1
2−(3−クロロ−2−ピリジニル)−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボン酸メチル(Rがメチルであり、R2aおよびR2bがHであり、そしてLが3−クロロ−2−ピリジニルである式I)の製造
工程A:ブロモブタン二酸1−メチル水素の製造
酢酸中臭化水素の溶液(141.43g、33%、0.577モル)に、(2Z)−2−ブタン二酸メチル水素(マレイン酸のモノメチルエステルとしても既知である)(50g、0.385モル)を1時間かけて0℃で滴下して添加した。反応混合物を約5℃で一晩貯蔵した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。トルエン(100mL)を添加し、そして混合物を減圧下でエバポレーションした。さらにトルエン(3×100mL)を使用して、このプロセスを3回繰返した。次いで、トルエン(50mL)を添加し、そして混合物を−2℃まで冷却した。この混合物にヘキサン(50mL)を滴下して添加した。添加の完了時に、混合物を約30分間撹拌すると、生成物が結晶化した。次いで、濾過によって生成物を単離し、そして真空下で乾燥させて、白色固体として表題の化合物を得た(63.37g、収率81.8%)。トルエン/ヘキサンから再結晶化された試料は、38℃〜40℃で融解した。
IR(ヌジョール):1742、1713、1444、1370、1326、1223、1182、1148、1098、996、967、909、852cm−1
H NMR(CDCl)δ4.57(ABXパターンのX、J=6.1、8.9Hz、1H)、3.81(s、3H)、3.35(ABXパターンのABの1/2、J=8.8、17.7Hz、1H)、3.05(ABXパターンのABの1/2、J=6.1、17.8Hz、1H)。
工程B:2−ブロモ−4−クロロ−4−オキソブタン酸メチルの製造
還流下で加熱されたジクロロメタン(20mL)中ブロモブタン二酸1−メチル水素(すなわち、工程Aの生成物)(10g、47.4ミリモル)とN,N−ジメチルホルムアミド(5滴)との混合物に、ジクロロメタン(7mL)中塩化チオニル(6.54g、54.9ミリモル)を30分間かけて滴下して添加した。混合物をさらに60分間還流下で加熱し、次いで室温まで冷却させた。減圧下で溶媒を除去すると、表題の生成物が油状物として残った(11g、収率約100%)。
IR(ヌジョール):3006、2956、1794、1743、1438、1392、1363、1299、1241、1153、1081、977、846、832cm−1
H NMR(CDCl)δ4.56(ABXパターンのX、J=5.8、8.5Hz、1H)、3.87−3.78(m、4H)、3.53(ABXパターンのABの1/2、J=6、18.5Hz、1H)
工程C:2−(3−クロロ−2−ピリジニル)−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボン酸メチルの製造
アセトニトリル(60mL)中3−クロロ−2(1H)−ピリジノンヒドラゾン(あるいは、(3−クロロ−ピリジン−2−イル)−ヒドラジンという名称である)(6.55g、45.6ミリモル)と重炭酸ナトリウム(9.23g、0.110モル)との混合物に、アセトニトリル(25mL)中の工程Bの粗製生成物(すなわち、2−ブロモ−4−クロロ−4−オキソブタン酸メチル)(11.00g、〜47.4ミリモル)を65分間かけて0℃で添加した。次いで、混合物を室温まで加温し、そして3時間撹拌した。次いで、混合物を加温して38℃で8時間維持した。次いで、混合物を冷却させ、そして溶媒を減圧下でエバポレーションによって除去した。水(25mL)を添加し、そしてスラリーのpHが約5になるまで酢酸(約1.9mL)を添加した。2時間後、生成物を濾過によって単離し、水(10mL)ですすぎ、そして真空下で乾燥させて、淡黄色固体として表題の化合物を得た(11g、収率89.8%)。エタノールから再結晶化された試料は、147℃〜148℃で融解した。
IR(ヌジョール):1756、1690、1581、1429、1295、1202、1183、1165、1125、1079、1032、982、966、850、813cm−1
H NMR(DMSO−d)δ10.16(s、1H)、8.27(dd、J=1.4、4.6Hz、1H)、7.93(dd、J=1.6、7.8Hz、1H)、7.19(dd、J=4.6、7.8Hz、1H)、4.87(ABXパターンのX、J=1.6、9.6Hz、1H)、3.73(s、3H)、2.90(ABXパターンのABの1/2、J=9.7、16.7Hz、1H)、2.38(ABXパターンのABの1/2、J=1.6、16.9Hz、1H)。
当該分野で既知の方法と一緒に、本明細書に記載の手順によって、式IIおよびIIIの化合物を式Iの化合物へと変換することが可能である。式Ia、IIaおよびIIIaに関しては表1に、そしてより一般的に式I、IIおよびIIIに関しては表2に説明される通りである。表中、以下の略号を使用する:tは第三級であり、sは第二級であり、nはノルマルであり、iはイソであり、Meはメチルであり、Etはエチルであり、Prはプロピルであり、i−Prはイソプロピルであり、t−Buは第三級ブチルであり、Phはフェニルであり、そしてBnはベンジル(−CHPh)である。
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
Figure 0004750019
本発明の方法に従って製造可能な化合物の中でも、式Iaの化合物は、式IV
Figure 0004750019
[式中、Z、Rおよびnは上記で定義された通りであり、Xはハロゲンであり、RはCH、F、ClまたはBrであり、RはF、Cl、Br、I、CNまたはCFであり、R8aはHまたはC〜Cアルキルであり、そしてR8bはHまたはCHである]
の化合物を製造するために特に有用である。好ましくは、ZはNであり、nは1であり、そしてRはClまたはBrであり且つ3位に位置する。
式IVの化合物は、例えば、2001年9月27日公開のPCT国際公開第01/70671号パンフレット、2003年2月27日公開のPCT国際公開第03/015519号パンフレット、および2003年2月27日公開のPCT国際公開第03/015518号パンフレット、ならびにその開示がPCT国際公開第03/024222号パンフレットに2003年3月27日に実質的に公開された2001年9月21日出願の米国特許出願第60/323,941号明細書に記載の通り、殺虫剤として有用である。式9および式IVの化合物の製造については、全体的に本明細書に参照として組み入れられる2003年2月11日出願の米国特許出願第60/446451号明細書、および2003年2月11日出願の米国特許出願第60/446438号明細書、ならびに2003年2月27日公開のPCT国際公開第03/016283号パンフレットに記載されている。
スキーム6〜11に概説される方法によって、式Iaの対応する化合物から式IVの化合物を製造することができる。
スキーム6に説明される通り、通常、溶媒の存在下で式Iaの化合物をハロゲン化試薬によって処理し、式6の対応するハロ化合物を得る。
Figure 0004750019
[式中、R、R、Zおよびnは前記で定義された通りであり、そしてXはハロゲンである]
使用可能なハロゲン化剤としては、オキシハロゲン化リン、トリハロゲン化リン、ペンタハロゲン化リン、塩化チオニル、ジハロトリアルキルホスホラン、ジハロジフェニルホスホラン、塩化オキサリル、ホスゲン、四フッ化イオウおよび三フッ化(ジエチルアミノ)イオウが挙げられる。オキシハロゲン化リンおよびペンタハロゲン化リンが好ましい。完全な変換を得るために、式Iaの化合物に対して少なくとも0.33当量(すなわち、式Iaに対するオキシハロゲン化リンのモル比は少なくとも0.33である)、好ましくは約0.33と1.2との間の当量のオキシハロゲン化リンを使用するべきである。完全な変換を得るために、式Iaの化合物に対して少なくとも0.20当量、好ましくは約0.20と1.0との間の当量のペンタハロゲン化リンを使用するべきである。このハロゲン化のための典型的な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロブタン等のようなハロゲン化アルカン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン等のような芳香族溶媒、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン、ジエチルエーテル等のようなエーテル、およびアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等のような極性非プロトン性溶媒が挙げられる。場合により、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等のような有機塩基を添加することができる。N,N−ジメチルホルムアミドのような触媒の添加も任意である。溶媒がアセトニトリルであり、かつ塩基が存在しない方法が好ましい。典型的に、アセトニトリル溶媒が使用される場合、塩基も触媒も必要とされない。アセトニトリル中で式Iaの化合物を混合することによって、好ましい方法が実行される。次いで都合のよい時間にわたってハロゲン化剤を添加し、次いで反応が完了するまで所望の温度で混合物を保持する。反応温度は典型的に約20℃とアセトニトリルの沸点との間であり、かつ反応時間は典型的に2時間未満である。次いで、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のような無機塩基、または酢酸ナトリウムのような有機塩基で反応物質を中和する。例えば、抽出、結晶化および蒸留を含む当業者に既知の方法によって、所望の生成物である式6の化合物を単離することができる。
あるいは、スキーム7に示される通り、Xが、異なるハロゲンであるか(例えば、XがBrである式6を製造するためにはCl)、あるいはメタンスルホネート、ベンゼンスルホネートまたはp−トルエンスルホネートのようなスルホネート基である式6aの対応する化合物を、それぞれ臭化水素または塩化水素によって処理することによって、XがClまたはBrのようなハロゲンである式6の化合物を製造することができる。
Figure 0004750019
[式中、R、Rおよびnは式Iaに関して前記で定義された通りである]
この方法によって、式6a出発化合物におけるXハロゲンまたはスルホネート置換基は、それぞれ臭化水素または塩化水素からのBrまたはClによって置換される。ジブロモメタン、ジクロロメタン、酢酸、酢酸エチルまたはアセトニトリルのような適切な溶媒において、反応を実行する。気圧下、または気圧付近、あるいは圧力容器において気圧以上で反応を実行することができる。式6aの出発化合物および溶媒を含有する反応混合物に、気体の形態でハロゲン化水素出発材料を添加することができる。式6aの出発化合物のXがClのようなハロゲンである場合、反応から発生するハロゲン化水素をスパージングまたは他の適切な手段によって除去するような方法で、反応を好ましく実行する。あるいは、式6aの出発化合物と接触させる前に、そのまま、または溶液で、最初にハロゲン化水素出発材料を非常に溶解性が高い不活性溶媒(例えば、酢酸)に溶解することができる。また、式6aの出発化合物のXがClのようなハロゲンである場合、所望の変換のレベル次第で、実質的に1当量より多いハロゲン化水素出発材料(例えば、4〜10当量)が典型的に必要とされる。式6aの出発化合物のXがスルホネート基である場合、1当量のハロゲン化水素出発材料によって高い変換が提供され得るが、式6aの出発化合物が少なくとも1個の塩基官能性(例えば、窒素含有複素環)を含んでなる場合、1当量より多いハロゲン化水素出発材料が典型的に必要とされる。約0℃と100℃との間、最も都合よくは周囲温度付近(例えば約10℃〜40℃)、そしてより好ましくは約20℃と30℃との間で、反応を実行することができる。ルイス酸触媒(例えば、XがBrである式6の製造に関して、三臭化アルミニウム)の添加によって、反応を促進することができる。抽出、蒸留および結晶化を含む当業者に既知の通常方法によって、式6の生成物を単離する。
がClまたはBrである式6aの出発化合物も式6であり、そしてスキーム6に関してすでに記載されている通り、式Iaの対応する化合物から製造することができる。同様に、適切な溶媒中で、塩化スルホニル(例えば、塩化メタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニルまたは塩化p−トルエンスルホニル)および塩基による処理のような標準方法によって、式Iaの対応する化合物から、Xがスルホネート基である式6aの出発化合物を製造することができる。適切な溶媒としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等が挙げられる。適切な塩基として、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)および炭酸カリウムのようなイオン性塩基等が挙げられる。塩基として、第三級アミンが好ましい。完全な変換を得るために、式Iaの化合物に対して少なくとも1当量(好ましくは、わずかに過剰量、例えば、5〜10%)の塩化スルホニル化合物および塩基を一般的に使用する。約−50℃と溶媒の沸点との間、より一般的に、約0℃と周囲温度との間(すなわち約15℃〜30℃)の温度で、反応を典型的に実行する。反応は、数時間から数日で典型的に完了し、薄層クロマトグラフィおよびH NMRスペクトル分析のような当業者に既知の技術によって、反応の進行を監視することができる。次いで、例えば、水で洗浄し、有機相を乾燥させ、そして溶媒をエバポレーションすることによって、反応混合物を仕上げる。抽出、結晶化および蒸留を含む当業者に既知の方法によって、所望の生成物、Xがスルホネート基である式6aの化合物を単離することができる。
スキーム8に説明される通り、次いで、場合により酸の存在下で、式6の化合物を酸化剤によって処理する。
Figure 0004750019
[式中、R、R、Z、Xおよびnはスキーム6において式6に関して前記で定義された通りである]
この工程の出発材料として、RがC〜Cアルキルである式6の化合物が好ましい。酸化剤は、過酸化水素、有機ペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、モノ過硫酸カリウム(例えば、オキソン(Oxone)(登録商標))または過マンガン酸カリウムであり得る。完全な変換を得るために、式6の化合物に対して少なく1当量、好ましくは約1〜2当量の酸化剤が使用されるべきである。この酸化は、溶媒の存在下で典型的に実行される。溶媒は、テトラヒドロフラン、p−ジオキサン等のようなエーテル、酢酸エチル、炭酸ジメチル等のような有機エステル、またはN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等のような極性非プロトン性有機物であり得る。酸化工程で使用するために適切な酸としては、硫酸、リン酸等のような無機酸、および酢酸、安息香酸等のような有機酸が挙げられる。酸は、使用される場合、式6の化合物に対して0.1より高い当量で使用されなければならない。完全な変換を得るために、1〜5当量の酸を使用することができる。ZがCR10である式6の化合物に関して、好ましい酸化剤は過酸化水素であり、そして好ましくは、酸が存在しない状態で酸化を実行する。ZがNである式6の化合物に関して、好ましい酸化剤は過硫酸カリウムであり、そして好ましくは、硫酸の存在下で酸化を実行する。所望の溶媒、および使用される場合は酸において、式6の化合物を混合することによって、反応を実行することができる。次いで、都合のよい速度で酸化剤を添加することができる。反応を完了するために合理的な反応時間、好ましくは8時間未満を得るために、反応温度は、典型的に、約0℃程度の低さから溶媒の沸点まで変更される。抽出、クロマトグラフィ、結晶化および蒸留を含む当業者に既知の方法によって、所望の生成物である式7の化合物を単離することができる。
例えば、RがC〜Cアルキルである式7の対応するエステル化合物から、加水分解によってRがHである式7のカルボン酸化合物を製造することができる。無水条件下における求核開裂、または酸もしくは塩基のいずれかの使用を伴う加水分解法を含む様々な方法によって、カルボン酸エステル化合物をカルボン酸化合物へと変換することができる(方法の概説に関して、T.W.グリーン(T.W.Greene)およびP.G.M.ワッツ(P.G.M.Wuts),プロテクティブ グループス イン オーガニック シンテシス(Protective Groups in Organic Synthesis),第2版;ジョン ウィリー & サンズ インコーポレイテッド(John Wiley & Sons,Inc.):ニューヨーク(New York),1991,第224〜269頁を参照のこと)。式7の化合物に関して、塩基触媒による加水分解法が好ましい。適切な塩基としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム)の水酸化物が挙げられる。例えば、水と、エタノールのようなアルコールとの混合物中にエステルを溶解することができる。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによる処理によって、エステルは鹸化され、カルボン酸のナトリウムまたはカリウム塩が提供される。塩酸または硫酸のような強酸による酸化によって、RがHである式7のカルボン酸が得られる。抽出、蒸留および結晶化を含む当業者に既知の方法によって、カルボン酸を単離することができる。
がHである式7のピラゾールカルボン酸と式8のアントラニル酸とのカップリングによって、式9のベンゾオキサジノンが提供される。スキーム9において、トリエチルアミンまたはピリジンのような第三級アミンの存在下における、RがHである式7のピラゾールカルボン酸への塩化メタンスルホニルの連続添加、それに続く、式8のアントラニル酸の添加、それに続く、第三級アミンおよび塩化メタンスルホニルの第2の添加を経て、式9のベンゾオキサジノンを直接的に製造する。
Figure 0004750019
[式中、R、R、R、X、Zおよびnは式IVに関して定義された通りである]
この手順によって、一般的に、良好な収率のベンゾオキサジノンが得られる。
スキーム10は、直接的に式9のベンゾオキサジノンを提供するための、式11のピラゾール酸塩化物と式10のイサト酸無水物とのカップリングを伴う、式9のベンゾオキサジノンの別の製造を示す。
Figure 0004750019
[式中、R、R、R、X、Zおよびnは式IVに関して定義された通りである]
この反応に関して、ピリジンまたはピリジン/アセトニトリルのような溶媒が適切である。塩化チオニルまたは塩化オキサリルによる塩素化のような既知の手順によって、RがHである対応する式7の酸から、式11の酸塩化物を入手可能である。
スキーム11に概説される通り、式9のベンゾオキサジノンと、C〜Cアルキルアミンおよび式12の(C〜Cアルキル)(メチル)アミンとの反応によって、式IVの化合物を製造することができる。
Figure 0004750019
[式中、R、R、R8a、R8b、R、X、Zおよびnは前記で定義された通りである]
そのまま、あるいはアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタンまたはクロロホルムを含む様々な適切な溶媒中で、室温から溶媒の還流温度の範囲に及ぶ最適温度で、反応を実行することができる。アントラニルアミドを生成するベンゾオキサジノンとアミンとの一般的反応は、化学文献に十分に証明されている。ベンゾオキサジノンの化学に関する概説に関して、ジャコブセン(Jakobsen)ら、バイオーガニック アンド メディシナル ケミストリー(Biorganic and Medicinal Chemistry)2000,8,2095−2103、およびその中の引用文献を参照のこと。コッポラ(Coppola)、ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocyclic Chemistry)1999,36,563−588も参照のこと。

なお、本発明の特徴および態様を要約すれば以下のとおりである。
1. 適切な酸掃去剤および溶媒の存在下で、式II
Figure 0004750019
[式中、
1は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2aはH、OR4または場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2bはHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
各R3は独立してOR5、N(R52または場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
4は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
各R5は場合により置換されていてもよい炭素部分から選択され、
Xは脱離基であり、そして
Yは脱離基である]
のコハク酸誘導体を式III
Figure 0004750019
[式中、
LはH、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい第三級アルキル、−C(O)R3、−S(O)23または−P(O)(R32である]
の置換ヒドラジンと接触させることを含んでなる式I
Figure 0004750019
[式中、
L、R1、R2aおよびR2bは上記定義のとおりである]
の2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレート化合物の製造方法。
2. XがCl、BrまたはIである上記1に記載の方法。
3. XがBrである上記2に記載の方法。
4. YがClである上記1に記載の方法。
5. R1がC1〜C4アルキルである上記1に記載の方法。
6. 式Iの化合物が式Ia
Figure 0004750019
であり、式IIの化合物が式IIa
Figure 0004750019
であり、そして式IIIの化合物が式IIIa
Figure 0004750019
[式中、
各R9は独立してC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C4ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、(C1〜C4アルキル)(C3〜C6シクロアルキル)アミノ、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキルアミノカルボニル、C3〜C8ジアルキルアミノカルボニルまたはC3〜C6トリアルキルシリルであり、
ZはNまたはCR10であり、
10はHまたはR9であり、そして
nは0〜3の整数である]
である上記1に記載の方法。
7. XがBrである上記6に記載の方法。
8. YがClである上記6に記載の方法。
9. R1がCH3である上記6に記載の方法。
10. 式Ia
Figure 0004750019
[式中、R1は場合により置換されていてもよい炭素部分である]
の化合物を使用して式IV
Figure 0004750019
[式中、
1はハロゲンであり、
6はCH3、F、ClまたはBrであり、
7はF、Cl、Br、I、CNまたはCF3であり、
8aはHまたはC1〜C4アルキルであり、
8bはHまたはCH3であり、
各R9は独立してC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C4ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、(C1〜C4アルキル)(C3〜C6シクロアルキル)アミノ、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキルアミノカルボニル、C3〜C8ジアルキルアミノカルボニルまたはC3〜C6トリアルキルシリルであり、
ZはNまたはCR10であり、
10はHまたはR9であり、そして
nは0〜3の整数である]
の化合物を製造する方法であって、
前記式Iaの化合物を上記6に記載の方法によって製造することを特徴とする方法。
11. R1がC1〜C4アルキルである上記10に記載の方法。
12. ZがNであり、nが1であり、そしてR9がClまたはBrであり且つ3位に位置する上記11に記載の方法。
13. 重量基準で約20%〜99%の式II
Figure 0004750019
[式中、
1は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2aはH、OR4または場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
2bはHまたは場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
4は場合により置換されていてもよい炭素部分であり、
XはCl、BrまたはIであり、そして
YはF、Cl、BrまたはIであり、
ただし、R2aおよびR2bがそれぞれHであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、R1はベンジル以外であり、そしてR2aおよびR2bがそれぞれフェニルであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、R1はメチルまたはエチル以外である]
の化合物を含んでなる組成物。
14. R1がメチルであり、
2aおよびR2bがHであり、
XがBrであり、そして
YがClである、
上記13に記載の組成物。
15. R1がエチルであり、
2aおよびR2bがHであり、
XがBrであり、そして
YがClである、
上記13に記載の組成物。
16. 少なくとも約90重量%の式VI
Figure 0004750019
[式中、R2aおよびR2bはHであり、XはBrであり、そしてR1はメチルである]
の化合物を含んでなる結晶性組成物。

Claims (4)

  1. プロピレンオキシド、2−メチルプロペン、非イオン性塩基およびイオン性塩基から選択される適切な酸掃去剤および溶媒の存在下で、式II
    Figure 0004750019
    [式中、
    1は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    2aはH、OR4または場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    2bはHまたは場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    各R3は独立してOR5、N(R52または場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    4は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    各R5は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    XはCl、Br、Iおよびスルホネートから選択され、そして
    YはF、Cl、BrおよびIから選択される]
    のコハク酸誘導体を式III
    Figure 0004750019
    [式中、LはH、場合により置換されていてもよいアリール、場合により置換されていてもよい第三級アルキル、−C(O)R3、−S(O)23または−P(O)(R32である]
    の置換ヒドラジンと接触させることを含んでなる式I
    Figure 0004750019
    [式中、L、R1、R2aおよびR2bは上記定義のとおりである]
    の2−置換−5−オキソ−3−ピラゾリジンカルボキシレート化合物の製造方法。
  2. 式Ia
    Figure 0004750019
    [式中、R1は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環ある]
    の化合物を使用して式IV
    Figure 0004750019
    [式中、
    1はハロゲンであり、
    6はCH3、F、ClまたはBrであり、
    7はF、Cl、Br、I、CNまたはCF3であり、
    8aはHまたはC1〜C4アルキルであり、
    8bはHまたはCH3であり、
    各R9は独立してC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4ハロアルケニル、C2〜C4ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、(C1〜C4アルキル)(C3〜C6シクロアルキル)アミノ、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキルアミノカルボニル、C3〜C8ジアルキルアミノカルボニルまたはC3〜C6トリアルキルシリルであり、
    ZはNまたはCR10であり、
    10はHまたはR9であり、そして
    nは0〜3の整数である]
    の化合物を製造する方法であって、
    前記式Iaの化合物を請求項1に記載の方法によって製造することを特徴とする方法。
  3. 重量基準で20%〜99%の式II
    Figure 0004750019
    [式中、
    1は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    2aはH、OR4または場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    2bはHまたは場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    4は場合により置換されていてもよい直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであるか、または場合により置換されていてもよい飽和、部分的飽和または完全不飽和の炭素環もしくは複素環であり、
    XはCl、BrまたはIであり、そして
    YはF、Cl、BrまたはIであり、
    ただし、R2aおよびR2bがそれぞれHであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、R1はベンジル以外であり、そしてR2aおよびR2bがそれぞれフェニルであり、かつXおよびYがそれぞれClである場合、R1はメチルまたはエチル以外である]
    の化合物を含んでなる、請求項1に記載の製造方法に用いる組成物。
  4. 少なくとも90重量%の式VI
    Figure 0004750019
    [式中、R2aおよびR2bはHであり、XはBrであり、そしてR1はメチルである]
    の化合物を含んでなる、請求項3に記載の式IIの化合物の製造に使用するための結晶性組成物。
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