以下に、本発明に係る映像情報配信表示システムおよび映像情報配信表示方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る映像情報配信表示システムの全体構成を示す図である。本実施の形態に係る映像情報配信表示システムは、例えば複数台の車両(1号車〜n号車;nは2以上の整数)からなる列車上に構築された車上システム70と、地上システムとしての地上局51とから構成される。車上システム70は、列車情報装置10,11、映像情報配信装置20、分岐装置21、表示装置30、および無線送受信装置50等を備えている。車上システム70は、無線送受信装置50により、地上局51との間でデータの送受信を行うことができる。
列車情報装置10は例えば先頭車両(1号車)に搭載された列車情報中央装置であり、列車情報装置11はそれぞれ各車両に搭載された列車情報端末装置である。列車情報装置10,11は互いに伝送路12を介して接続され、相互に連係して列車情報の管理、収集等を行い、列車情報を共有する。なお、列車情報装置10は各種制御装置と接続され、列車情報装置11を統括する。列車情報装置10,11により管理される列車情報の一例を挙げれば、発駅情報、列車種別情報、号車情報、行先情報、列車名情報、走行位置情報、速度情報、ドア開閉情報などである。なお、これらの列車情報は、映像情報配信装置20から、伝送路22を介して、分岐装置21へ通知されてもよい。
映像情報配信装置20は、例えば先頭車両に搭載されており、必要に応じて保有する映像情報の配信を行う。映像情報配信装置20は、同車両の列車情報装置10および無線送受信装置50とそれぞれ接続されている。さらに、映像情報配信装置20は、各車両にそれぞれ搭載された分岐装置21と伝送路22を介して接続され、分岐装置21はそれぞれ例えば複数台の表示装置30と接続されている。すなわち、各車両にはそれぞれ例えば複数台の表示装置30が搭載されている。
地上局51からは車上システム70に対して路線の運行情報等が送信され、送信された路線の運行情報等が無線送受信装置50により受信される。受信された路線の運行情報等は、映像情報配信装置20を経由して、列車情報装置10に送信され、さらに伝送路12を介して各車両に搭載された列車情報装置11に送信される。また、列車情報装置10には、運行開始時に当該列車の運行情報(例えば、行先、列車種別、発駅など)が入力設定される。運行開始時に入力設定されたこれらの運行情報は、伝送路12を介して各車両の列車情報装置11に送信される。また、各車両の列車情報装置11により収集された列車情報は、伝送路12を介して互いに送受信され、これらの列車情報は列車情報装置11および列車情報装置10により共有される。各車両の列車情報装置11は、それぞれ分岐装置21を介して、列車情報を表示装置30に送信する。なお、これらの運行情報情報は、映像情報配信装置20から、伝送路22を介して、分岐装置21へ通知されてもよい。
また、映像情報配信装置20は、無線送受信装置50により、地上局51から映像情報を取得する。この映像情報は、例えば後述する部品コンテンツデータである。映像情報配信装置20は、受信した映像情報を、例えば列車情報の配信と同じ経路、すなわち、列車情報装置10、列車情報装置11、分岐装置21を経由して、各車両に搭載された表示装置30に送信する。なお、映像情報を地上局51から取得するかわりに、記憶媒体やノートPC等(図示せず)を用いて映像情報配信装置20に直接入力することもできる。また、映像情報配信装置20から表示装置30への映像情報の伝送経路は、上記の他に、列車情報装置10,11を経由せずに直接分岐装置21を経由して表示装置30に至る経路とすることもできる。このとき、分岐装置21は、伝送路22に流れる信号を各車両に設けられた表示装置30に分岐させる。このように、これらの列車情報は、映像情報配信装置20から、伝送路22を介して、分岐装置21へ通知されてもよい。
図2は、表示装置30の構成を示すブロック図である。表示装置30は、後述する種々の定義データおよび部品コンテンツデータ等を記憶するメモリ等の記憶部31と、この記憶部31に接続され映像情報の案内画面を作成する画面作成部32と、この画面作成部32の作成した案内画面を表示する表示部33と、を備えて構成される。画面作成部32は、例えばCPU等のハードウェアとこのハードウェアと協働して動作する所定のソフトウェアにより実現される。
図3は、記憶部31の記憶内容の一例を示す図である。図3に示すように、記憶部31は、案内画面の構成に用いられる部品レベルのコンテンツである部品コンテンツを記憶する部品コンテンツ記憶部31Aと、案内画面上での部品コンテンツの配置位置を定義する部品配置定義データを記憶する部品配置定義データ記憶部31Bと、案内画面上での部品コンテンツの動作を定義する部品動作定義データを記憶する部品動作定義データ記憶部31Cと、を備えている。後述するように、部品コンテンツは部品としての画像である。部品配置定義データは、部品配置定義データファイルに例えばテキスト形式で記載される。部品動作定義データは、部品動作定義データファイルに例えばテキスト形式で記載される。なお、図3では、記憶部31は表示装置30内の記憶領域を総括的して示したものである。したがって、必ずしも部品コンテンツ記憶部31A、部品配置定義データ記憶部31B、および部品動作定義データ記憶部31Cのすべてが同一の記憶媒体の中に記憶されていることを示すものではなく、それらが例えば個別の記憶媒体に記憶されていてもよい。
ここで、画面作成部32による案内画面作成処理の概要を説明する。なお、動作の詳細は後述する。まず、本実施の形態では、特許文献3に記載の静止画の場合と同様に、案内画面をパーツ(部品)を組み立てて構成する。例えば図4に示すように、案内画面1に列車種別101、行先102、号車番号103、案内種別104、および駅名105の各情報が表示される場合に、これらの情報をそれぞれパーツ(部品)として構成する。そして、画面作成部32は、列車情報装置11から列車情報を取得した後、各パーツごとに得られた列車情報に対応する部品コンテンツを部品コンテンツ記憶部31Aから選択する。例えば、列車情報に基づき列車種別が「各駅停車」であると判断された場合、画面作成部32は、列車種別101の表示に使用すべき部品コンテンツとして「各停_ゆき」を選択する。他の部品についても同様であり、画面作成部32は列車情報に対応した部品コンテンツを選択する。なお、部品コンテンツ記憶部31A内に記憶された部品コンテンツ群は静止画の画像データであり、映像情報配信装置20から配信されたものである。
つづいて、画面作成部32は、部品配置定義データ記憶部31Bに記憶された部品配置定義データを参照し、図4に示すように、案内画面1上の所定の位置に各部品コンテンツ(列車種別101、行先102、号車番号103、案内種別104、駅名105等)をそれぞれ配置する。すなわち、画面作成部32は、選択された各部品コンテンツを案内画面1に貼り付け、部品コンテンツを組み立てることにより案内画面1を構成する。このようにして構成された案内画面1は案内コンテンツを構成する初期画面(1枚目のフレーム)となる。
なお、各部品コンテンツは1枚の案内画面に比べてデータ容量が小さく、また、様々な案内コンテンツに対して部品コンテンツを流用することができるため、このような部品コンテンツを利用することでシステム全体としてのデータ記憶容量を低減することができる。
また、本実施の形態では、列車情報に依存して表示内容が変化する部分(例えば図4の列車種別101等)のみをパーツとするのみならず、表示内容が列車情報に依存しない部分(例えばベース部分など)もパーツとすることができる。また、少なくとも一つのパーツを定義した場合、案内画面1の残りの部分もパーツとみなすことができる。例えば、一様な背景色のベース部分に図4の列車種別101、行先102、号車番号103、案内種別104、駅名105等を貼り付ける構成を考えたときに、ベース部分もパーツとみなすことができる。表示内容が列車情報に依存しない部分も部品化することで、このような部品も、異なる案内コンテンツ間で共用できる場合があり、システム全体のコンテンツ記憶容量の低減に寄与する。例えば平面路線図に利用されるマップ部分のパーツ化などは共用できる可能性が高いので効果的である。
次に、画面作成部32は、部品動作定義データ記憶部31Cに記憶された部品動作定義データを参照する。部品動作定義データは、案内画面1上での各部品コンテンツの動作を定義している。部品コンテンツの動作としては、例えば、移動動作、回転動作、拡大もしくは縮小動作、出現もしくは消滅動作などがある。ここで、出現もしくは消滅動作は、部品コンテンツの透過度が時間的に変化し、透明状態から徐々に出現しもしくは徐々に透明状態に移行する変化を表す。また、色の変化(色相、色彩、明度などの変化)もこの動作に含めることができる。なお、その他にも種々の動作を定義することができる。
図5は、部品コンテンツ110の動作例を示す図である。図5(a)では、部品コンテンツ110が一方向に平行移動する動作を示している。矢印は移動方向を示す。図5(b)では、部品コンテンツ110Aが案内画面1内を右回りに回転する動作を示している。また、部品コンテンツ110Bはその表示内容が案内画面1に平行な水平軸を中心に矢印の方向に回転する動作を示している。この場合、部品コンテンツ110Bの配置位置は変化しないが、その表示内容が回転する。図5(c)では、部品コンテンツ110が拡大される動作を示している。図5(d)では、部品コンテンツ110が矢印の方向に平行移動するとともにその透過度が時間経過とともに増し、部品コンテンツ110が次第に透明化される動作を示している。
次に、画面作成部32は、部品動作定義データにしたがって各部品コンテンツを動作させた案内画面1を順次作成し、これを表示部33にて表示させることにより案内コンテンツの表示を行う。詳細は後述するが、初期画面に対して各部品コンテンツを僅かに動作させた画面を作成し、さらにこの作成された画面に対して各部品コンテンツを僅かに動作させた画面を作成し、というように部品動作定義データにしたがって部品コンテンツを動作させた複数枚の画面を順次作成し、これらの画面を時系列で表示することにより案内コンテンツの表示を行う。
次に、図6〜図10を参照して本実施の形態の動作を詳細に説明する。図6は画面作成部32の機能構成を示す図、図7は記憶部31の記憶内容のさらに詳細な例を示す図、図8は本実施の形態の動作を示すフローチャート、図9は図8に続くフローチャート、図10は駅間における案内表示例を示す図である。
図6に示すように、画面作成部32は、案内コンテンツを構成する時系列的に連続した複数のフレーム(構成画像)の作成指示内容を記載したファイルである画面作成指示ファイルを生成する画面作成指示ファイル生成部32Aと、この画面作成指示ファイルに基づいて各フレームを生成する画像ファイル生成部32Bとを備えて構成される。また、図7に示すように、記憶部31は、図3の構成に加えて、後述する駅停車中案内表示順データ、走行中案内表示順データ、および駅接近中案内表示順データを記憶する案内表示順データ記憶部31Dを備えている。
図8に示すように、まず、画面作成指示ファイル生成部32Aは、列車情報を取得する(S1)。列車情報は、列車情報装置11から直接取得するか、あるいは一旦記憶部31に保存した後に記憶部31から取得してもよい。
次に、画面作成指示ファイル生成部32Aは、取得した列車情報に基づいて列車状態を判断する(S2)。具体的には、列車状態は、例えば駅停車中、走行中、または次駅接近中に分類され、画面作成指示ファイル生成部32Aは、得られた列車情報から当該列車が前記3つの状態のいずれの状態にあるのかを判断する。なお、これら3つの状態は一例であって、その他の分類を採用してもよい。
S2における列車状態の判断の結果、当該列車が例えば駅停車中であると判断された場合、画面作成指示ファイル生成部32Aは、案内表示順データ記憶部31Dに記憶された駅停車中案内表示順データを参照して、当該停車駅にて順次表示すべき案内コンテンツ(ロールという。)を決定する(S3)。図10に示す例では、列車が例えば「国会議事堂前」駅に停車中の場合、案内コンテンツである「駅設備案内」を表示するが、これは当該駅にて「駅設備案内」を表示すべきことが停車中案内表示順データに記載されているからである。また、「駅設備案内」は、所定時間(この時間をT秒間とする。)を単位として繰り返し表示される。
また、S2における列車状態の判断の結果、当該列車が走行中であると判断された場合、画面作成指示ファイル生成部32Aは、案内表示順データ記憶部31Dに記憶された走行中案内表示順データを参照して、走行中に順次表示すべき案内コンテンツ(ロール)を決定する(S4)。図10に示す例では、列車は「国会議事堂前−霞ヶ関」駅間を走行中の場合、停車中案内表示順データの記載にしたがって、「近傍路線案内(日本語)」、「近傍路線案内(英語)」、「広域路線案内(日本語)」、および「乗換案内」をこの順で表示する。また、「近傍路線案内(日本語)」、「近傍路線案内(英語)」、「広域路線案内(日本語)」、および「乗換案内」の各案内コンテンツは、上記と同様にそれぞれT秒間を単位として表示され、さらにこれらのロールが繰り返し表示される。
また、S2における列車状態の判断の結果、列車が次駅に接近中であると判断された場合、画面作成指示ファイル生成部32Aは、案内表示順データ記憶部31Dに記憶された駅接近中案内表示順データを参照して、次駅接近中に順次表示すべき案内コンテンツ(ロール)を決定する(S5)。図10に示す例では、列車が例えば「霞ヶ関」駅に接近中の場合、駅接近中案内表示順データにしたがって、「次駅設備案内」および「ドア開案内」をこの順で表示する。また、「次駅設備案内」および「ドア開案内」の各案内コンテンツは、上記と同様にそれぞれT秒間を単位として表示され、さらにこれらのロールが繰り返し表示される。なお、列車が次駅に接近中であるか否かの判断は、例えば列車から次駅までの距離が所定距離以下であるか否かにより判断する。
次に、画面作成指示ファイル生成部32Aは、表示すべき案内コンテンツ(ロール)に応じて、列車情報に基づいて案内画面1の構成に用いる部品コンテンツを決定する(S6)。例えば、図4に示すように、列車種別101がパーツの一つである場合に、列車情報に基づき当該列車が「各駅停車」であると判断されたときは、部品コンテンツとして「各停_ゆき」を決定する。
つづいて、画面作成指示ファイル生成部32Aは、部品配置定義データ記憶部31Bに記憶された部品配置定義データを参照して各部品コンテンツの案内画面1上における初期配置情報を取得するとともに、部品動作定義データ記憶部31Cに記憶された部品動作定義データを参照して各部品コンテンツの動作の初期情報を取得し、これらの取得された情報から案内コンテンツを構成する1枚目のフレームを作成するための作成指示内容を記載した初期ファイル6Aを生成する(S7)。初期ファイル6Aは、前述した画面作成指示ファイル6の一つである。なお、画面作成指示ファイルは、例えば、案内コンテンツごとに予め用意されたテンプレートファイル(図示せず)に上記取得した情報を埋め込むこむ形で作成することができる。このような画面作成指示ファイルの基礎となるテンプレートファイルは、予め記憶部31に保存しておく。
ここで、部品配置定義データは、例えば案内コンテンツまたは案内の種別ごとに、構成に用いられる各部品コンテンツの配置位置を、例えば案内画面1上に設定されたXY座標による座標値で定義する。部品動作定義データは、案内画面1を構成するパーツごと(すなわち部品コンテンツごと)の動作を定義する。その具体例を挙げれば、例えばパーツP1に関しては、開始0秒から終了T秒までの間に案内画面1上を左回りに90°一定角速度で回転する旨が記載される。また、例えばパーツP2に関しては、開始0秒からT1秒までは静止した状態、T1秒からT2秒までは一定方向に等速で移動し、T2秒から終了T秒までは再び静止した状態である旨が記載される。例えばパーツP3に関しては、動作なしである旨記載される。また、例えばパーツP4に関しては、開始0秒からT3秒までは透過度100%であり、T3秒からT4秒までの間で透過度が50%まで減少し、T4秒から終了T秒までは再び一定の透過度で表示する旨が記載される。また、例えばパーツP5に関しては、開始0秒からT5秒までは100%の大きさで表示し、T5秒からT6秒までの間で大きさを150%まで拡大し、T5秒から終了T秒までは再び一定の大きさを維持する旨が記載される、などである。
初期ファイル6Aは、部品配置定義データから得られた部品コンテンツの初期配置位置の指示、部品コンテンツの透過度が時間的に変化する場合などは部品動作定義データから得られたその初期の透過度(すなわち、上述の動作の初期情報)の指示などを含む他、構成に使用される部品コンテンツと部品コンテンツ記憶部31A内に実際に格納された画像ファイルとの関連付け情報など、1フレーム目の作成に必要な情報を含んでいる。初期ファイル6Aは、データ記憶容量低減の目的から例えばテキストファイルとすることが好ましく、この場合、案内画面1の作成に必要な指示内容はテキスト形式で記載される。
次に、画面作成指示ファイル生成部32Aは、部品動作定義データに基づき、1枚目のフレームに続く残りすべてのフレームの作成指示内容を個別に記載した複数の差分ファイル6Bを生成する(S7)。これらの差分ファイル6Bは、連続するフレームに対してその差分表示内容を作成指示するファイルであり、前述した画面作成指示ファイル6である。
ここで、差分ファイル6Bについて具体的に説明するために、案内コンテンツは例えばT秒間で構成され、この間に例えばM枚のフレームが生成され表示されるとする(ただし、Mは2以上の整数。)。なお、Mは案内コンテンツがスムーズに表示される程度以上の数に設定される。また、部品動作定義データに記載されたパーツの動作例として、例えば前述のパーツP1の動作を例に説明する。すなわち、パーツP1は、T秒間で案内画面1上を左回りに90°回転するものとする。そうすると、パーツP1は、連続するフレーム間で左回りに(90/M)°回転することになる。画面作成指示ファイル生成部32Aは、この例のように部品動作定義データの記載に基づき各フレーム間での動作を差分情報として算出し、これを差分ファイル6Bに記載する。具体的には、画面作成指示ファイル生成部32Aは、初期ファイル6Aを生成した後、1枚目のフレームに続く2枚目のフレームの作成指示内容としてパーツP1が左回りに(90/M)°回転する旨などの差分情報を記載した1番目の差分ファイル6Bを生成する。この構成では、2枚目のフレームは、初期ファイル6Aおよび1番目の差分ファイル6Bにより作成できる。同様に、画面作成指示ファイル生成部32Aは、2枚目のフレームに続く3枚目のフレームの作成指示内容を当該フレーム間の差分表示内容として記載した2番目の差分ファイル6Bを生成する。3枚目のフレームは、初期ファイル6Aならびに1番目および2番目の差分ファイル6Bにより作成できる。その他の場合も同様である。なお、初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bは、記憶部31内に保存される。
このように本実施の形態では、案内コンテンツを構成する複数枚のフレームを作成するための画面作成指示ファイル6として、初期ファイル6Aと差分ファイル6Bを生成する。しかしながら、差分ファイル6Bを生成する代わりに、すべてのフレームについて初期ファイル6Aと同様のファイルを作成することもできる。例えば、2枚目のフレームに対応して上記1番目の差分ファイル6Bを生成する代わりに、初期ファイル6Aと上記1番目の差分ファイル6Bの内容を合わせたファイルを最初から生成することもできる。なお、本実施の形態のように、差分ファイル6Bを生成することにより、フレーム間で重複する内容を記載する必要がないので、その分データ記憶容量を低減できるという効果がある。
次に、画像ファイル生成部32Bによる案内コンテンツの表示処理について説明する。図9に示すように、画像ファイル生成部32Bは、まず、表示が1フレーム目の表示か否かを判定する(S8)。表示を開始するときは、1枚目のフレームの表示、すなわち1フレーム目の表示となるため(S8,yes)、この場合、画像ファイル生成部32Bは、初期ファイル6Aに基づき、部品コンテンツ記憶部31Aから必要な部品コンテンツを選択して、1番目の画像ファイル8を生成する(S9)。画像ファイル8は、例えばRGBファイルである。そして、画像ファイル生成部32Bは、生成された1番目の画像ファイル8に基づく画像を1枚目のフレームとして表示部33に出力する(S11)。
一方、S8における判定の結果、1フレーム目以降(1枚目のフレーム以外)の表示である場合(S8,No)、画像ファイル生成部32Bは、前回の表示で用いた画面作成指示データに表示対象のフレームを作成するための差分ファイル6Bの内容を反映させたデータ内容に基づいて、対応する画像ファイル8を生成する(S9)。ここで、前回の表示で用いた画面作成指示データとは、直前に表示されたフレームの作成に用いられた初期ファイル6A、または初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bのデータである。例えば2枚目のフレームの表示をする場合は、前回の表示で用いた画面作成指示データは、初期ファイル6Aのデータである。また、例えば3枚目のフレームの表示をする場合は、前回の表示で用いた画面作成指示データは、初期ファイル6Aおよび1番目の差分ファイル6Bのデータである。つまり、1枚前のフレーム作成に用いられ既にメモリに展開されたデータに表示対象のフレームの差分ファイル6Bの内容を加えることで処理を簡素化するとともにデータ記憶容量の低減を図っている。
つづいて、画像ファイル生成部32Bは、生成された画像ファイル8に基づく画像を表示対象のフレームとして表示部33に出力する(S11)。以下、同様の動作をすべてのフレームの表示が終了するまで繰り返す。このように、画像ファイル生成部32Bは、生成されたフレーム数分の画面作成指示ファイル6に基づいてそれぞれ画像ファイル8を生成し、これらの画像ファイル8を表示部33で展開して時系列的に表示することで案内コンテンツ(ロール)を表示する。
ここで、画像ファイル生成部32Bは、画像ファイル8から実際の案内画面のサイズに合わせた画像を生成し、この画像を表示部33に設けられたフレームバッファ(図示せず)に保存する。そして、表示部33はフレームバッファ内の画像を読み出して画面表示する。
なお、フレームバッファは複数の案内コンテンツを格納可能な容量とすることが望ましい。この場合、画像ファイル生成部32Bは、フレームバッファ内に、表示中の案内コンテンツに関する画像群に加えて、次に表示予定の案内コンテンツに関する画像群などを保存することができる。これにより、表示中の案内コンテンツの表示終了後、ただちに次に表示予定の案内コンテンツに関する画像群を順次読み出して表示することができるので、表示切替がスムーズになる。
また、画像ファイル生成部32Bは、画像ファイル8から画像を生成し、この画像をフレームバッファに保存した後、画像生成の終えたこの画像ファイル8を消去することができる。こうすることで、データサイズの大きな画像ファイル8を画像生成後に保持する必要がなく、データ記憶容量を大幅に低減することができる。
また、図10の走行中案内では、4種類のロールを、それぞれT秒間を単位に順番に表示している。例えば、「近傍路線案内(日本語)」につづいて「近傍路線案内(英語)」を表示する。そこで、画像ファイル生成部32Bが、図9の処理を実施して「近傍路線案内(日本語)」を表示部33にて表示させている間に、画面作成指示ファイル生成部32Aが、次に表示する「近傍路線案内(英語)」についての図8の処理を実施し、初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bを生成させるようにすることができる。すなわち、表示中の案内コンテンツに関する画像ファイル生成部32Bによる画像ファイル作成処理と、次に表示予定の案内コンテンツに関する画面作成指示ファイル生成部32Aによる画面作成指示ファイル6の生成処理(図8)とを、並列的に処理させることができる。これにより、4種類のロールに対するすべての画面作成指示ファイル6が生成されるのを待って、表示処理を始める必要がなく、ロール間をスムーズに移行させるのに好適な構成となる。
また、図10において、例えば列車が走行状態にある場合に、表示中の案内コンテンツの次に表示予定の走行中案内コンテンツに関する画像ファイル生成部32Bによる画像生成処理と、次駅接近状態において表示予定の次駅接近中案内コンテンツに関する画像ファイル生成部32Bによる画像生成処理とを、並列的に処理することもできる。例えば、走行中案内コンテンツの「近傍路線案内(日本語)」の表示中に、「近傍路線案内(英語)」に関する画像生成処理と、次駅接近中案内コンテンツの「次駅設備案内」に関する画像生成処理とを並列して行うこともできる。これにより、列車状態変化が発生した場合に、画像ファイル生成部32Bに割り込み指示を行うことで、スムーズに表示切替を実現することができる。なお、並列処理で作成された各案内コンテンツの画像群は、上述のようにフレームバッファ内に格納される。
なお、画像ファイル生成部32Bは、初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bに基づき、部品コンテンツ記憶部31Aに格納されているデータのデータ形式が例えばいわゆるベクトルデータ(ベクターデータともいう)の場合、部品コンテンツを動作させた画像ファイルを容易に生成することができる。ただし、本実施の形態は、このデータ形式を利用した表示方法に限定されるわけではない。
図11は、上述した案内コンテンツの表示方法を模式的に示す図、図12は、図11に表示された部品コンテンツの一例を示す図である。図11では、案内画面1を構成するパーツの一つであるパーツPの表示内容が例えば2秒目から3秒目までの間に変化し、表示される駅名が入れ替わる例を示している。
すなわち、「霞ヶ関」から「かすみがせき」に文字が入れ替わる。
また、図12では、パーツPに配置される部品コンテンツ120およびパーツQに配置される部品コンテンツ121を示している。
部品コンテンツ120,121は、それぞれ「かすみがせき」および「霞ヶ関」が表記された静止画の画像である。
図11に示すように、1枚目のフレームである「フレーム1」に対し、初期ファイル6Aにはすべてのパーツに関する配置情報等が記載されており、この初期ファイル6Aに基づいて画像ファイル8が作成された後、表示部33にて対応する画像が出力される。また、開始0秒から例えば2秒目までは案内画面1の表示に変化はないので、差分ファイル6Bに動作の設定はされず、「フレーム1」と同じ画像ファイル8により同じ画像が出力される。なお、以下では、1秒間に例えばN枚のフレームが表示されるものとする。
つづいて、2秒経過後に表示される(2N+1)枚目のフレームである「フレーム(2N+1)」に対して、その作成に使用される差分ファイル6Bには「パーツPの透過度が−α、パーツQの透過度が+α変化する」旨が記載される。そして、この差分ファイル6Bと初期ファイル6Aとに基づいて画像ファイル8が作成された後、表示部33に対応する画像が出力される。これ以降、「フレーム(3N+1)」までの動作は図8および図9を用いて説明した通りである。
なお、図11のパーツPの表示内容と図12の部品コンテンツ120との比較からわかるように、開始から2秒目までは、部品コンテンツ120が表示され、2秒目から3秒目までの間に部品コンテンツ120の透過度が下がり、部品コンテンツ121の透過度が上がることで、3秒目で文字の入れ替えが終了するように動作が規定されている。
その結果、「かすみがせき」が表示される。
その動作は、図5(d)の部品コンテンツ110の動作を組み合わせたものである(ただし、平行移動は除く)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、部品コンテンツを用いて案内コンテンツの案内画面1を構成するようにしたので、表示に必要なデータ記憶容量、すなわち、記憶部31の容量を、大幅に低減することができる。
また、本実施の形態によれば、静止画を利用した場合に比べて、乗客に対する情報提供量および注目度を増やすことができ、乗客への視覚的な訴求効果が高くなり、より効果的に情報を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、案内画面1を部品コンテンツにより構成するとともに、部品コンテンツの配置および動作を部品配置定義データおよび部品動作定義データにより定義するようにしたので、表示内容の追加、修正にも容易に対応することができる。
また、本実施の形態では、2枚目以降のフレームを作成するための画面作成指示ファイルとして差分ファイル6Bを生成するようにしたので、フレーム間で重複する表示内容を記載する必要がなくなり、その分データ記憶容量を低減できる。
また、画像ファイル生成部32Bは、画像ファイル8から画像を生成し、この画像をフレームバッファに保存した後、画像生成の終えた画像ファイル8を消去することができる。こうすることで、データサイズの大きな画像ファイル8を画像生成後に保持する必要がなく、データ記憶容量を大幅に低減することができる。
また、表示中の案内コンテンツに関する画像ファイル生成部32Bによる画像ファイル生成処理と、次に表示予定の案内コンテンツに関する画面作成指示ファイル生成部32Aによる画面作成指示ファイルの生成処理とを、並列的に行うことができる。これにより、表示中の案内コンテンツの表示終了後に次の案内コンテンツの画面作成指示ファイルの作成を始めることがなくなり、案内コンテンツ間で表示がされない期間が発生することがなくなる。
また、図10において、表示中の案内コンテンツの次に表示予定の案内コンテンツに関する画像生成処理と、当該列車状態の次に予定される列車状態において表示予定の案内コンテンツに関する画像生成処理とを、並列的に行うこともできる。これにより、列車状態変化が発生した場合に、画像ファイル生成部32Bに割り込み指示を行うことで、スムーズに表示切替を実現することができる。
また、図10の例えば走行中案内においては、案内画面の下半分の表示領域の表示内容は案内コンテンツに応じて変化するが、上半分の表示領域の表示内容は案内コンテンツ間にわたって変化していない。例えば、案内コンテンツ「近傍路線案内(日本語)」と案内コンテンツ「近傍路線案内(英語)」とを比較すると、表示内容に変化があるのは、下半分の表示領域のみである。そこで、案内画面を複数の表示領域に分割し、表示領域単位で初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bを作成することにすれば、図10のようにT秒間を単位として案内コンテンツの繰り返し表示をする際に、表示内容に変化のない表示領域に関するこれらのファイルを互いに共用することができる。これにより、画面作成指示ファイル6の生成処理負荷を軽減することができる。
また、部分コンテンツの動作には、色の変化を加えることもできる。例えば、列車が次駅に近づくに応じて、例えば文字表示を黒→青→赤と徐々に変化させるなどして乗客の注目度を増やす表示をすることもできる。
なお、本実施の形態では、画面作成部32、部品コンテンツ記憶部31A、部品配置定義データ記憶部31B、および部品動作定義データ記憶部31Cなど案内コンテンツ作成に必要な機能を、表示装置30内に設ける構成とした。このような構成によれば、車両内に複数台の表示装置30が設けられている場合に、表示装置30ごとに異なる案内コンテンツを表示するのに適している。
一方、上記案内コンテンツ作成に必要な機能を、図1の例えば分岐装置21内に設けることもできる。図1では、複数台の表示装置30が1台の分岐装置21に接続されている。このような構成によれば、車両内に複数台の表示装置30が設けられている場合でも、分岐装置21の個数分の画面作成部32を設けることになるので、本実施の形態よりも安価な構成となる。ただし、このような構成は、その構成上、車両内のすべての表示装置30で同じ案内コンテンツを表示するのに適している。
さらに別の構成として、上記案内コンテンツ作成に必要な機能を、例えば映像情報配信装置20内に設けることもできる。このような構成では、画面作成部32の設置個数がさらに減るのでより一層安価な構成となるが、その構成上、列車内のすべての表示装置30で同じ案内コンテンツを表示するのに適している。また、この場合、映像情報配信装置20は、部品コンテンツを配信するのではなく、作成された案内コンテンツを表示装置30に配信する。
なお、本実施の形態により、静止画を表示することもできる。すなわち、部品動作定義データにてすべての部品コンテンツについて「動作なし」と定義すればよい。例えば図11では、表示開始から2秒目までは実質静止画を表示した状態である。
また、本実施の形態の案内コンテンツにおいて、案内画面1の一部に撮影映像を埋め込み、この撮影映像をフレーム表示と同じタイミングで表示させ、さらに撮影映像表示部分を案内画面1内で移動等動作させることもできる。ただし、撮影映像はデータサイズを要するので、データサイズを制限して使用することが好ましい。また、このような撮影映像を使用する場合は、特許文献3のように、映像情報配信装置20から表示装置30へデータを伝送する経路を部品コンテンツ伝送する場合と撮像映像を伝送する場合で分ける構成とすることもできる。すなわち、特許文献3では、撮像映像は、列車情報装置11を経由することなく、分岐装置21を直接経由して表示装置30へ伝送される。
実施の形態2.
実施の形態1では、列車情報装置11から得られた列車情報に基づき、予め部品コンテンツ記憶部31Aに記憶された部品コンテンツ群から案内コンテンツの構成に必要な部品コンテンツを選択し、これらの部品コンテンツを組み立て、さらに動作を付与して案内コンテンツの表示を行うシステムおよび方法について説明した。
本実施の形態では、列車情報装置11からは直接得られない情報であって、例えば列車外から提供された臨時情報を、案内コンテンツに組み込んで表示するシステムおよび方法について説明する。ここで、臨時情報は、例えば運行情報、事故情報、またはニュース速報などである。このような臨時情報は、例えば地上局51から無線通信により提供される。
図13は、本実施の形態による案内コンテンツの表示例を示す図、図14は、テキストで記載された臨時情報(例えば臨時的な運行情報)が文字描画として表された部品コンテンツの一例を示す図である。図13では、案内画面1の「駅設備案内」の表示部分上に、臨時情報を表示するパーツ80が上書きされる形で配置されている。また、このパーツ80として図14の部品コンテンツ125が選択されるとともに、この部品コンテンツ125は図13に示す矢印の方向に文字が移動するようにその動作が定義されている。このように、パーツ80では、臨時的な運行情報がいわゆるテロップ表示され、その表示内容が矢印の方向に移動しながら表示されている。
図13のような表示を行うためには、画面作成指示ファイル生成部32Aは、臨時情報が得られた後、その内容を文字描画に加工した部品コンテンツ125を作成する。また、部品配置定義データには、臨時情報に対応して作成された部品コンテンツの初期配置位置を予め定義しておくとともに、部品動作定義データには、臨時情報に対応して作成された部品コンテンツの動作を予め定義しておく。図13は、この初期配置位置および動作の一例を示すものである。画面作成指示ファイル生成部32Aは、部品配置定義データおよび部品動作定義データに基づき、作成された部品コンテンツ125他、案内画面1を構成する部品コンテンツに関し、実施の形態1で説明した初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bを生成する。そして、画像ファイル生成部32Bは、これらの初期ファイル6Aおよび差分ファイル6Bに基づき、順次、各フレームに対する画像ファイルを生成しこれに対応する画像を表示部33に出力する。
ところで、図13の表示例では、パーツ80による臨時的な運行情報の表示は、表示中の案内コンテンツ上に上書きされる形で行われている。したがって、案内コンテンツの一部が見えなくなるという問題がある。そこで、臨時情報を表示する際に、表示中の案内コンテンツ全体を案内画面1内に縮小して表示させ、形成された余白部分にパーツ80を配置し、このパーツ80で上記と同様のテロップ表示を行うように動作を定義することも可能である。この場合、案内コンテンツ全体は縮小されるため多少見難くなるもののテロップ表示が案内コンテンツの一部を上書きすることはないので、案内コンテンツの一部の情報が表示されないということはなくなる。
なお、上記説明では、臨時情報は、例えば地上局51から得られるとしたが、その他、例えば車上にて乗務員等により所定の入力手段を介して映像情報配信装置20に入力されるものであってもよい。例えば、乗務員は、自列車に発生した故障、事故、または病人発生等の臨時情報を、車上モニタ装置の入力画面等を介することにより映像情報配信装置20に入力することができる。このように車上にて入力された臨時情報を上記と同様に案内コンテンツ上にテロップ表示することで、地上局51からの情報よりもさらにリアルタイム性の高い情報を提供することができる。
本実施の形態によれば、例えば列車外から提供されまたは車上にて入力された臨時情報を文字描画として部品コンテンツに加工し、これを案内コンテンツの動画中に組み込んで表示させるようにしたので、乗客に対してリアルタイムで臨時情報を提供することができる。なお、本実施の形態のその他の構成、動作、および効果は実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
本実施の形態では、部品コンテンツの動作の具体例として、縮小/拡大動作の組み合わせにより案内画面上でパーツが回転しているように表示される動作について説明する。なお、本実施の形態の構成等は実施の形態1,2と同様であり、動作は部品動作定義データに定義される。
図15は、本実施の形態における部品コンテンツの動作例を示す図、図16は、部品コンテンツの一例を示す図、図17は、パーツRおよびパーツSの縮小方向を示す模式図である。
図15に示すように、案内画面上の例えば矩形領域では、パーツRが縮小しかつパーツSが拡大することにより、パーツR,Sが回転するように表示されている。
具体的には、パーツRの「かすみがせき」からパーツSの「Kasumigaseki」へと表示切替が行われている。
なお、同図中の最上段は動作開始状態を示し、最下段は動作終了状態を示す。また、パーツRは、図16の部品コンテンツ126に基づいて表示され、パーツSは、図16の部品コンテンツ127に基づいて表示されている。
まず、パーツRの動作について説明する。なお、同図中、上下方向を第1方向と呼び、第1方向に直交する方向を第2方向と呼ぶ。パーツRは、第1方向におけるその一端である端部E1を第1方向に動かないように固定した状態で、第1方向に例えば一定の縮小速度(第1の縮小速度という。)で縮小される。すなわち、パーツRは、動作開始から動作終了まで第1方向に関して縮小し、動作終了状態では第1方向の幅が0になるように動作が規定されている。したがって、端部E1に対向するパーツRの他端である端部E2は、上記第1の縮小速度で下方に移動し、これにより端部E2の上側にパーツSが表示される領域が形成されるとともに、この形成領域が次第に増大する。
また、パーツRは、第1方向に縮小するとともに第2方向にも縮小するが、第2方向におけるその縮小速度は、端部E2から端部E1に向かうにつれて0から所定の縮小速度(第2の縮小速度という。)まで一定の割合で増加している。したがって、端部E2の長さは固定されたままであるが、端部E1の長さは時間経過とともに短くなるので、時間的に変化する遠近感を持たせて表示させる効果があり、パーツRが第2方向を回転軸として下方に回転しているように見える。なお、図17の上段では、パーツRの縮小方向を矢印で模式的に示している。ここで、縮小速度が下方に向かうにつれて増大していることを示すために、水平方向の矢印の大きさが下方に向かうにつれて大きくなるように記載されている。
次に、パーツSの動作について説明する。パーツSの動作は、説明上の簡便性から、動作終了時から動作開始時まで時間反転してみたときの動作の逆動作として規定することにする。すなわち、図15の最下段の動作終了状態から最上段の動作開始状態に移行する場合、パーツSは、第1方向におけるその一端である端部F1を第1方向に動かないように固定した状態で、第1方向に上記第1の縮小速度で縮小される。すなわち、パーツSは、第1方向に関して縮小し、動作開始状態では第1方向の幅が0であるように動作が規定されている。また、パーツSは、第1方向に縮小するとともに第2方向にも縮小するが、第2方向におけるその縮小速度は、端部F2から端部F1に向かうにつれて0から上記第2の縮小速度まで一定の割合で増加している。これにより、パーツSについてもパーツRと同様に時間的に変化する遠近感を持たせて表示することができる。なお、図17の下段では、時間を反転してみた場合におけるパーツSの縮小方向を矢印で模式的に示している。ただし、パーツSの動作を時間正方向でみれば、実際には拡大動作に相当する。また、図15に示すように、パーツSの端部F2とパーツRの端部E2は、対向して配置される。
本実施の形態によれば、上記のようにパーツRの縮小動作の組み合わせとパーツSの拡大動作の組み合わせとを組み合わせることにより、パーツR,Sが回転しているように表示させることができる。
また、本実施の形態は、二つのパーツの場合のみならず、三つ以上のパーツの場合についても同様に適用することができる。なお、パーツRまたはパーツSの単独表示も当然可能であり、この場合、文字表示が回転するようにして消えまたは現れることとなる。
また、本実施の形態では、回転方向が図中下方である場合について説明したが、案内画面上の任意の方向である場合についても同様である。