JP4749113B2 - トンネル掘削機のカッタビット交換装置 - Google Patents
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Description
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、ビット抜出装置に、ビット収容通路の外周端部で掘削する交換用ビットを保持し、かつ交換時に前記交換用ビットを保持した状態で前記ビット収容通路の外周端部からビット引抜通路に後退可能なビットホルダーを設けたものである。
請求項6記載の発明によれば、装填用シール装置により、ビット給排出部からビット収容通路に新規の交換用ビットを装填する時に、ビット給排出部内に流入する泥水などを効果的に止水することができる。
[実施の形態1]
図1,図2に示すように、このカッタビット交換装置1は、シールド掘進機のカッタヘッド2に設けられたものである。
このシールド掘進機のシールド本体3の前部には、地山の崩壊土圧を支持する圧力室4と、掘削したトンネルを介して地上側に連通される大気室5とを区画する圧力隔壁6が設けられており、この圧力隔壁6に旋回軸受7を介して回転筒体8がシールド軸心(回転軸心)O周りに回転自在に支持され、この回転筒体8の前部にカッタヘッド2が取り付けられている。前記圧力隔壁6の大気室5側には、カッタヘッド2を回転駆動するカッタ駆動装置9が設けられており、このカッタ駆動装置9は、回転筒体8の後端部周囲に設けられたリングギヤ9aと、リングギヤ9aに噛合される駆動ピニオン9bと、駆動ピニオン9bを回転駆動するカッタ駆動モータ9cとで構成される。また前記圧力隔壁6の下部には、カッタヘッド2により掘削した土砂を排出するスクリュ式の排土装置10が貫設されている。
このカッタビット交換装置1は、カッタヘッド2内で新規の交換用ビット20の装填と使用済の交換用ビット20の回収とを行うことができるように構成した点に特徴を有している。
(交換用ビット20について、その1)
前記交換用ビット20は、図5,図6に示すように、ブロック形のビット本体21の前面でカッタヘッド2の外周側(図では上部)に切刃22が突設され、またビット本体21の左右の側面に、ガイド溝(被ガイド部)23が装填方向にそれぞれ形成されている。さらに、ビット本体21の背面の所定位置に位置決め穴24が形成されている。さらにまた、ビット本体21の天面25と底面26が後部内周側(図では下方)に傾斜されて、ビット引抜通路61の傾斜角θに同じか、または近似する傾斜角の傾斜面に形成されている。
前記ビット給排出部30は、図2,図3に示すように、各カッタスポーク13のビット収容通路51にそれぞれ交換用ビット20を装填、回収するために、センター筒体11内にシールド軸心O周りに回転自在に配置された回転調整筒34と、回転調整筒34を回転させる回転調整装置35とを設け、この回転調整装置35により回転調整筒34を回転させて回転調整筒34に設けられたビット装填装置43による交換用ビット20の装填方向を、各カッタスポーク13のビット収容通路51にそれぞれ対向させることができる、いわゆるリボルバー形式に構成されている。なお、ここでは交換する目的の交換用ビット20を有するカッタスポーク13を、上方に向く垂直姿勢で停止させて交換作業が行われる。
ビット装着部50のビット収容通路51は、図2,図4,図10〜図12に示すように、各カッタスポーク13に長さ方向に沿って地山を掘削する交換用ビット20を1列で複数個(図では4個)を保持するビット収容溝52と、ビット収容通路51の外周端部で後述するビットホルダー63を介して交換用ビット20(図では1個)を保持するホルダー保持部53が設けられており、前記ビット収容溝52とホルダー保持部53は、それぞれカッタスポーク13の前面に開口されている。
交換用ビット20の装填時に、内周側のビット本体21の天面25が、外周側に隣接するビット本体21の底面26を押圧してビット収容溝52に沿って外周側に押し込まれる。この時、前記天面25と前記底面26とが傾斜角θで傾斜する傾斜面で互いに面接触していると、図6(d)に示すように、装填方向の押圧力F0は傾斜面に垂直な斜め方向に働き、ビット本体21を装填方向に推し進める分力Fvと、後方に押される分力Faが発生する。すなわち、各ビット本体21に作用する力は、前後から挟まれることにより、回転力が発生し、その効力としてガイド溝23と凸条部54に摩擦力が発生してスムーズな装填が困難になり、これによりガイド溝23と凸条部54に磨耗や損傷が発生するおそれがある。
ビット回収部60には、図4,図10〜図13に示すように、ビット引抜通路61とビット回収通路71とを具備し、ビット抜出装置62とビット離脱回収装置67とが設けられている。
上記構成における交換用ビット20の交換手順を図14〜図19を参照して説明する。
まず、カッタ駆動装置9により交換しようとする目的の交換用ビット20を有するカッタスポーク13を上方に向く位置で停止させる。ついで、回転調整装置35により回転調整筒34を回転させてビット装填口36をそのカッタスポーク13の供給用開口部32に合致させる。掘削状態では、第1ゲート装置33が閉、(第2ゲート装置41が閉)、第3ゲート装置66が開、第4ゲート装置68が閉で、ホルダー保持部用シール装置69によりビット引抜通路の入口が止水されている。そして、回転調整筒34にビット給排出筒38が取り付けられビット供給回収装置42が組み立てられる。
図14に示すように、第1ゲート装置33により供給用開口部32が閉じられ、第4ゲート装置68によりビット回収通路71の入口が閉じられて止水されている。まずバルブ付き配水管38aのバルブを開けて回転調整筒34およびビット給排出筒38内から排水する。ついで第2ゲート装置41を開動して出し入れ用開口部40を開け、この出し入れ用開口部40から新規の交換用ビット20をビット出し入れ室39に搬入しビット保持具45に保持させる。第2ゲート装置41を閉動して出し入れ用開口部40を閉じた後、供給回収用ジャッキ47を進展させて、ビット保持具45およびビット回収具46をビット出し入れ室39の供給排出位置からビット給排出室34aの装填回収位置に移送する。この時、装填用シール装置31によりビット給排出室34aの前部が閉鎖され止水される。
図15に示すように、ビット回収部60において、ホルダー引き込みジャッキ64を収縮してビットホルダー63をホルダー保持部54からビット引抜通路61に後退させ、使用済の交換用ビット20を引き出す。ビットホルダー63が引き出されると、第3ゲート装置66を閉動してビット引抜通路61の入口を閉鎖し止水する。ここでは、カッタスポーク13の外周端の交換用ビット20のみの後退であるため、地山への影響が最小限に抑えられる。なお、カッタヘッド2の前面に充填剤や泥しょう(泥水)を注入して土砂と置換することにより、ビット引抜通路61への土砂の浸入を効果的に防止することができる。
図16に示すように、第4ゲート装置68を開動してビット回収通路71の入入口を開放し、ビット引抜通路61とビット回収通路71とを連通させる。ついでビット離脱回収装置67を作動してビットホルダー63から使用済の交換用ビット20を引き落としビット回収通路71に落下させ、ビット回収口49からビット出し入れ室39のビット回収具46に回収される。
図17に示すように、第4ゲート装置68を閉じた後、第3ゲート装置66を開動してビット引抜通路61の入口を開放し、ついでホルダー引き込みジャッキ64を進展してビットホルダー63をホルダー保持部54に移動して待機させ、ホルダー保持部用シール装置69によりビット引抜通路61の入口を止水する。さらに図18に示すように、第1ゲート装置33を開動して供給用開口部32を開放するとともに、装填用ジャッキ48を進展させてビット保持具45に保持された新規の交換用ビット20をビット装填口36および供給用開口部32からビット収容溝52に装填する。これによりビット収容溝52内に収容された交換用ビット20をそれぞれ外周側にスライドさせて、外周端の交換用ビット20をビットホルダー63の収容空間63aに装填する。さらに装填用ジャッキ48を収縮させた後、第1ゲート装置33を閉動して供給用開口部32を閉じる。
図19に示すように、供給回収用ジャッキ47を収縮してビット保持具45およびビット回収具46を供給排出位置に後退させる。ついで第2ゲート装置41を開動して出し入れ用開口部40を開放し、ビット回収具46から使用済の交換用ビット20を回収する。さらにバルブ付き配水管38aをあけてビット出し入れ室39から排水する。
交換作業後、ここではビット供給回収装置42が分解されて取り外され、回転調整筒34からビット給排出筒38が取り外されて搬出される。
上記実施の形態によれば、カッタヘッド2の回転中心に配置された回転筒体8内にビット給排出部30を設け、各カッタスポーク13内に、複数の交換用ビット20を配列して収容するビット収容通路51を有するビット装着部50と、ビット引抜通路61およびビット回収通路71とを有するビット回収部60とを設け、ビット収容通路51の外周端の使用済の交換用ビット20を、ビット抜出装置62によりビット引抜通路61に引き抜き、さらにビット装填装置43により新規の交換用ビット20をビット給排出部30からビット収容通路51に装填する。さらにビット離脱回収装置67により、ビット抜出装置62から使用済の交換用ビット20をビット回収通路71を介してビット給排出部30に回収する。このようにカッタヘッド2内で交換用ビット20をビット給排出部30からビット収容通路51、ビット引抜通路61、ビット回収通路71を介してビット給排出部30に循環移動させる循環通路を形成したので、使用済の交換用ビット20をカッタヘッド2外周の地山に排出する必要がなくなり、小さい駆動力で、交換用ビット20をビット収容通路51に容易に装填し、使用済の交換用ビット20を確実に回収することができる。これにより掘削する地山の土質に影響されることがない。
2 カッタヘッド
8 回転筒体
11 センター筒体
13 カッタスポーク
20 交換用ビット
21 ビット本体
22 切刃
23 ガイド溝
24 位置決め穴
25 天面
25a 当接部
26 底面
26a 当接部
30 ビット給排出部
31 装填用シール装置
32 供給用開口部
33 第1ゲート装置
34 回転調整筒
35 回転調整装置
36 ビット装填口
37 区画板
38 ビット給排出筒
39 ビット出し入れ室
40 出し入れ用開口部
41 第2ゲート装置
42 ビット供給回収装置
43 ビット装填装置
44 ガイドレール
45 ビット保持具
46 ビット回収具
47 供給回収用ジャッキ
48 装填用ジャッキ
49 ビット回収口
50 ビット装着部
51 ビット収容通路
52 ビット収容溝
53 ホルダー保持部
54 凸条部
60 ビット回収部
61 ビット引抜通路
62 ビット抜出装置
63 ビットホルダー
64 ホルダー引き込みジャッキ
65 カバー部材
66 第3ゲート装置
67 ビット離脱回収装置
68 第4ゲート装置
69 ホルダー保持部用シール装置
71 ビット回収通路
Claims (8)
- カッタヘッド内に、回転軸心近傍に設けられて交換用ビットを供給・回収するビット給排出部と、前記ビット給排出部からカッタヘッドの外周端近傍に形成されたビット収容通路を有するビット装着部と、前記ビット収容通路の外周端部から後方に形成されたビット引抜通路および当該ビット引抜通路から前記ビット給排出部に接続されたビット回収通路を有するビット回収部とを具備し、
前記ビット給排出部に、新規の交換用ビットを前記ビット収容通路に装填するビット装填装置を設け、
前記ビット回収部に、前記ビット収容通路の外周端部に配置された使用済の交換用ビットを前記ビット引抜通路に引き抜くビット抜出装置と、当該ビット抜出装置に保持された使用済の交換用ビットを前記ビット回収通路から前記ビット給排出部に回収するビット離脱回収装置とを設けた
トンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビット引抜通路を、カッタヘッドの回転軸心側後方に所定の傾斜角で傾斜して形成した
請求項1記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビット抜出装置に、ビット収容通路の外周端部で掘削する交換用ビットを保持し、かつ交換時に前記交換用ビットを保持した状態で前記ビット収容通路の外周端部からビット引抜通路に後退可能なビットホルダーを設けた
請求項1または2記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビットホルダーがビット収容通路の外周端部に配置された時に、当該ビットホルダーの周囲とビット引抜通路の入口部との間で止水するホルダー保持部用シール装置を設けた
請求項3に記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビット給排出部から、ビット収容通路、ビット引抜通路、ビット回収通路を介して前記ビット給排出部に至る交換用ビットの循環通路に、少なくとも1つの止水用のゲート装置を設けた
請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビット給排出部内に、ビット装填装置によりビット収容通路に装填される新規の交換用ビットを含む前部空間と、当該前部空間の後方の後部空間との間を止水する装填用シール装置を設けた
請求項1乃至5のいずれかに記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - 交換用ビットのビット本体をビット収容通路にスライド可能に配列収容し、
前記ビット本体のカッタヘッドの回転軸心側の底面と外周側の天面とを、互いに平行でビット引抜通路に平行または略平行な傾斜面に形成した
請求項2乃至6のいずれかに記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。 - ビット収容通路の両側に、交換用ビットの装填方向に沿ってガイド部をそれぞれ形成し、
交換用ビットのビット本体に、前記ガイド部にそれぞれスライド自在に嵌合される被ガイド部を形成し、
前記ビット本体の天面と底面の少なくとも一方に、ビット装填装置による交換用ビットの装填方向に垂直な面または線を介して隣接するビット本体に当接する当接部を形成した
請求項7記載のトンネル掘削機のカッタビット交換装置。
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