JP4749006B2 - 被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置 - Google Patents

被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えば金属部品を加工したときに付着する油分等の異物を被洗浄物から洗浄除去した後、その被洗浄物に錆が発生するのを防止するために用いられる被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置に関する。
上述のような被洗浄物に付着した油分を除去する洗浄方法には、例えばコーソルベント洗浄方法があるが、被洗浄物に残着する炭化水素系洗浄剤を除去するときに使用されるフッ素系洗浄剤(HFE/HFC)は、洗浄剤である塩素系洗浄剤・フロン系洗浄剤の環境に与える影響が大きく、成分中の汚染物を排除しつつ、洗浄処理に有効な速乾性・低表面張力・低蒸発潜熱を残したものである。ただ、洗浄剤として有効な塩素成分が汚染物の一つで物質であり、排除すると洗浄力が失われてしまうため、被洗浄物に付着する油分を炭化水素系洗浄剤により予め洗浄除去しておき、フッ素系洗浄剤によりすすぎ洗浄すれば必要な洗浄効果が得られる。
つまり、炭化水素洗浄剤が低粘度炭化水素で構成されており、フッ素系洗浄剤に比較的溶解しやすく、また、分離されやすいため、残渣として残らないからであるが、特に鉄のような金属製の被洗浄物に付着する加工油等の油分を洗浄除去すると、油分による防錆効果が失われ、時間の経過、周辺の環境、加工精度の具合、材質の種類等によって発錆しやすいため、防錆処理する必要がある。
上記方法により洗浄された被洗浄物の防錆方法としては、例えば図6に示すように、加工油等の油分が付着する鉄製の被洗浄物Aを、第1洗浄槽12及び第2洗浄槽13に貯液された炭化水素系洗浄剤Bに浸漬し、被洗浄物Aに付着する油分を洗浄除去した後、油分が除去された被洗浄物Aを、すすぎ槽14に貯液されたフッ素系洗浄剤Cに浸漬し、被洗浄物Aに残着する炭化水素系洗浄剤Bを洗浄除去した後、炭化水素系洗浄剤Bが除去された被洗浄物Aを、防錆槽15に貯液されたフッ素系溶剤と防錆油とをエマルジョン化してなる防錆剤Dに浸漬して防錆処理する。
且つ、防錆剤Dは、防錆槽15に接続した攪拌槽16から供給され、攪拌槽16に貯液されたフッ素系溶剤中に、規定の防錆濃度となる防錆油を適量投入し、例えば攪拌装置、あるいはポンプの液循環力等により均一に混ぜ合わせてエマルジョン化するので、防錆剤Dを、防錆槽15に貯液したまま放置すると、フッ素系溶剤と防錆油とが時間の経過と共に分離し始めるため、防錆剤Dを再び攪拌槽16に戻してエマルジョン化させなければならない。また、フッ素系溶剤と防錆油とはエマルジョン化しただけであり、防錆油をフッ素系溶剤に溶解させることは不可能であるため、厳密にいえば、被洗浄物Aを防錆油により均一に防錆処理することができない。また、エマルジョン化が不十分あるいは分離化した高粘度の油分が防錆槽15等に残存し、機器に悪影響を与え、誤動作の原因や洗浄不良が起きることがある。
他の方法として、例えば洗浄処理された鋼材を防錆剤の溶液中に浸漬し、該溶液中から鋼材を引き上げて防錆処理する特許文献1の鋼材の防錆方法があるが、金属製の小さな部品の隙間、小さな孔等に防錆剤が浸透しにくく、部品全体を均一に防錆処理することができない。
特開昭63−183971号公報
この発明は上記問題に鑑み、被洗浄物全体を防錆油により均一に覆われた状態に防錆処理することができる被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置の提供を目的とする。
請求項1に記載した発明の被洗浄物防錆方法は、油分が付着する被洗浄物を洗浄剤中に浸漬して、該被洗浄物に付着する油分を洗浄剤により洗浄除去した後、上記油分が洗浄除去された被洗浄物を、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤を溶解し、かつ、該一方の溶剤に対し防錆油を溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理することを特徴とする。
上記洗浄剤は、例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)等のフッ素系溶剤を主成分とするフッ素系洗浄剤と、例えばナフテン系炭化水素、芳香族系炭化水素、テルペン系炭化水素等の炭化水素系溶剤を主成分とする炭化水素系洗浄剤とで構成することができる。また、炭化水素系溶剤の代わりに、防錆油の溶解をアルコール・エーテル系溶剤により補助してもよい。また、炭化水素系溶剤及びアルコール・エーテル系溶剤の両方で補助することもできる。
前記防錆剤は、上記のようなフッ素系溶剤と、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤と、下記のような防錆油で構成される。防錆油は、炭化水素洗浄剤のような低粘度の溶剤に対する溶解性はあるが、中高粘度の溶剤に対する溶解性はない。また、その特性上(低揮発性・表面均一量の安定)、比較的粘度の高いものが使用されるか、あるいは混合されていることが多い。また、塩素系洗浄剤・フロン系洗浄剤は油分に対する溶解性があるが、フッ素系洗浄剤(HFE/HFC)に対する溶解性はない。
且つ、被洗浄物を防錆油により防錆する場合、防錆油が変化・汚れないこと、被洗浄物の外面全体に対して略2%〜略3%程度の濃度にて均一量・成分で覆われる必要がある。また、略2%以下又は略3%以上の濃度に変更してもよい。
つまり、油分が付着する被洗浄物を洗浄剤中に浸漬して、鉄製の被洗浄物に付着する油分を炭化水素系洗浄剤(HC)等の洗浄剤により洗浄除去する。また、洗浄処理された被洗浄物に残着する洗浄剤をフッ素系洗浄剤(HFE/HFC)等の別の洗浄剤によりすすぎ洗浄してもよい。次に、油分が洗浄除去された被洗浄物を、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤を溶解し、かつ、該一方の溶剤に対し防錆油を溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理する。乾燥時において、防錆処理済みの被洗浄物に付着する防錆剤中のフッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤が蒸発気化し、被洗浄物全体が防錆油により均一に覆われた状態に防錆処理される。
請求項2に記載した発明の被洗浄物防錆方法は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記防錆剤を、10℃から80℃の範囲に含まれる所定の温度に防錆剤加温手段により加温することを特徴とする。つまり、例えば加熱管、電熱ヒーター等で構成される防錆剤加温手段により、防錆工程において使用する防錆剤を状況に応じて10℃から80℃の範囲に含まれる加温(例えば略60℃)し、防錆油の溶解を促進させ、溶解率を向上させる。
請求項3に記載した発明の被洗浄物防錆方法は、上記請求項1又は2に記載の構成と併せて、上記防錆剤を防錆剤循環手段により循環させることを特徴とする。つまり、例えば攪拌装置あるいは出力の大きいポンプ等により強制的に混ぜ合わせなくても、出力の小さいポンプの移送力により循環させるだけで、防錆剤に含まれる防錆油が効率よく溶解される。
請求項4に記載した発明の被洗浄物防錆装置は、油分が付着する被洗浄物を洗浄剤中に浸漬して、該被洗浄物に付着する油分を洗浄剤により洗浄除去する洗浄工程の洗浄槽と、上記油分が洗浄除去された被洗浄物を、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤に対し防錆油を溶解し、かつ、該防錆油が含まれる一方の溶剤をフッ素系溶剤に溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理する防錆工程の防錆槽とを備えたことを特徴とする。
つまり、洗浄工程において、油分が付着する被洗浄物を洗浄槽内の洗浄剤中に浸漬して、被洗浄物に付着する油分を炭化水素系洗浄剤等の洗浄剤により洗浄除去する。また、洗浄処理された被洗浄物に残着する洗浄剤をフッ素系洗浄剤等の別の洗浄剤によりすすぎ洗浄してもよい。次に、防錆工程において、油分が洗浄除去された被洗浄物を、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤を溶解し、かつ、該一方の溶剤に対し防錆油を溶解してなる防錆槽内の防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油を溶解させるとともに、該炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤に対して防錆油を溶解してなる防錆剤により防錆処理する。乾燥時において、防錆処理済みの被洗浄物に付着する防錆剤中のフッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤が蒸発気化し、被洗浄物全体が防錆油により均一に覆われた状態に防錆処理される。
請求項5に記載した発明の被洗浄物防錆装置は、上記請求項4に記載の構成と併せて、上記防錆槽に、上記防錆剤を、10℃から80℃の範囲に含まれる所定の温度に加温する防錆剤加温手段を備えたことを特徴とする。つまり、防錆槽に貯液された防錆剤を状況に応じて10℃から80℃の範囲に含まれる加温(例えば略60℃)し、防錆油の溶解を促進させ、溶解率を向上させる。
請求項6に記載した発明の被洗浄物防錆装置は、上記請求項4又は5に記載の構成と併せて、上記防錆槽に、上記防錆剤を循環させる防錆剤循環手段を備えたことを特徴とする。つまり、例えば攪拌装置あるいは出力の大きいポンプ等により強制的に混ぜ合わせなくても、出力の小さいポンプの移送力により循環させるだけで、防錆剤に含まれる防錆油が効率よく溶解される。
請求項7に記載した発明の洗浄物防錆装置は、上記求項4〜6のいずれか一つに記載の構成と併せて、上記フッ素系溶剤に対する炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤の溶解量を、10%の溶解量に設定したことを特徴とする。また、防錆剤を構成する炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤の溶解量に応じて、その溶剤に溶解する防錆油の量が変化するため、被洗浄物に被覆される防錆油の濃度を調整することができる。
なお、防錆剤の温度を、略10℃以下に加温してもよい。また、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤の溶解量を、数%以下又は数十%以上に変更してもよい。
この発明によれば、洗浄剤により洗浄された被洗浄物を、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤を溶解し、かつ、該一方の溶剤に対し防錆油を溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理すれば、乾燥時において、被洗浄物全体が防錆油により均一に覆われる状態に防錆処理され、洗浄後の発錆を防止することができる。
また、防錆剤を状況に応じて所定の温度に加温すれば、防錆油の溶解が促進され、溶解率が向上する。さらに、例えば攪拌装置あるいは出力の大きいポンプ等により混ぜ合わせなくても、出力の小さいポンプの移送力により循環させるだけで、溶剤中に防錆油が効率よく溶解することができる。
この発明は、洗浄処理後において、被洗浄物に錆が発生するのを防止することができるという目的を、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤に対し防錆油を溶解し、該防錆油が含まれる一方の溶剤をフッ素系溶剤に溶解してなる防錆剤により防錆処理することで達成した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、洗浄処理済みの被洗浄物に錆が発生するのを防止するために用いられる被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置を示し、図1に於いて、この被洗浄物防錆方法を用いた被洗浄物洗浄装置1は、油分が付着する鉄製の被洗浄物Aを、第1洗浄槽2と第2洗浄槽3とに貯液された炭化水素系洗浄剤B中に浸漬して、被洗浄物Aに付着する油分を洗浄除去する洗浄工程aと、洗浄処理された被洗浄物Aをすすぎ槽4に貯液されたフッ素系洗浄剤C(HFE/HFC)に浸漬して、被洗浄物Aに残着する炭化水素系洗浄剤B(HC)を洗浄除去するすすぎ工程bと、すすぎ処理された被洗浄物Aを、防錆槽5に貯液されたフッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤を溶解させるとともに、その炭化水素系溶剤に対して防錆油Daを溶解してなる防錆剤Dに浸漬して、被洗浄物Aを防錆剤Dに溶解した防錆油Daにより均一に防錆処理する防錆工程cとを備えている。
上記洗浄工程aは、被洗浄物Aに付着する油分を洗浄除去するに適した洗浄力を有する炭化水素系洗浄剤Bを、隣り合う位置に配設した第1洗浄槽2と第2洗浄槽3とに所定量貯液している。また、洗浄槽を1槽又は2槽以上設けてもよい。
前記すすぎ工程bは、被洗浄物Aに残着する炭化水素系洗浄剤Bを洗浄除去するのに適した洗浄力を有するフッ素系洗浄剤Cを、上記第2洗浄槽3の側部に配設したすすぎ槽4に所定量貯液している。なお、フッ素系洗浄剤Cは、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)等のいずれか一方又は両方で構成される。
前記防錆工程cは、被洗浄物A全体を防錆油Daにより均一に防錆処理する防錆剤Dを、上記すすぎ槽4の側部に配設した防錆槽5に所定量貯液している。なお、防錆剤Dは、フッ素系溶剤に対して溶解性の高い炭化水素系溶剤を所定量溶解させるとともに、その炭化水素系溶剤に対して防錆油Daを所定量投入して溶解させている。また、炭化水素系溶剤の代わりに、アルコール・エーテル系溶剤を所定量溶解してもよい。
且つ、フッ素系溶剤に対する炭化水素系溶剤の基本溶解量は、フッ素系溶剤に対して略10%の溶解量に設定するが、例えば数%から数十%の範囲に含まれる所望の溶解量に変更してもよい。つまり、防錆剤Dを構成する炭化水素系溶剤の溶解量に応じて、その炭化水素系溶剤に対して溶解される防錆油Daの量が変化するため、防錆油Daの濃度を濃くするか、薄くする等の濃度調整が行える。
また、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤を溶解させ、その炭化水素系溶剤に対して防錆油Daを溶解させるので、高粘度の防錆油Daにより防錆処理することができる。
且つ、防錆槽5の外部(又は内部)には、例えば所定温度に加熱した媒体を循環供給して発熱する加熱管、通電により発熱する電熱ヒーター等で構成される防錆剤加温装置6が備えられ、防錆槽5に貯液された防錆剤Dを、略10℃から液沸点に近い温度の範囲に含まれる所定の温度(例えば略40℃〜略80℃の範囲に含まれる液沸点温度)に加温(例えば略60℃)すれば、炭化水素系溶剤に対する防錆油Daの溶解が促進し、溶解率が向上する。また、加温時の温度を、略40℃以下又は略80℃以上に設定してもよく、防錆剤加温装置6により所定の温度に加熱した防錆剤Dを防錆槽5に供給してもよい。
また、防錆槽5の下部貯液領域と上部貯液領域とを、防錆剤循環装置7を構成するバルブ8及びポンプ9、循環路10を介して接続している。つまり、ポンプ9を駆動して、防錆剤加温装置6により所定の温度に加温した防錆剤Dを循環供給すれば、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤(あるいはアルコール・エーテル系溶剤)が溶解しやすく、これに溶解させたい防錆油Daを完全溶解させることができる。あるいは一定期間の疑似溶解を達成することができる。
また、従来例のように攪拌装置あるいは出力の大きいポンプ等により強制的に混ぜ合わせる必要がなく、ポンプ9の出力が小さくて済み、小型化が図れる。
なお、各槽に貯液された各液に超音波振動を誘起する超音波振動装置を、第1洗浄槽2、第2洗浄槽3、すすぎ槽4、防錆槽5の外部(又は内部)に設けてもよく、各液が有する洗浄力と、各液に誘起される超音波振動との相乗作用により、被洗浄物Aの隙間、小さな孔等に付着する油分、残液を効率よく洗浄除去することもできる。
なお、第1洗浄槽2、第2洗浄槽3、すすぎ槽4、防錆槽5は密閉可能な構造を有しており、被洗浄物Aを搬入及び搬出するときに開閉される。また、各槽を、密閉可能な処理室内に設けてもよい。
また、炭化水素系洗浄剤B、フッ素系洗浄剤Cの洗浄力及び防錆剤Dの浸透力が低下した場合、例えば蒸留再生、比重分離、オーバーフロー等の分離手段により異物や不純物を分離して、元の状態に回復させる。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、特に鉄製の被洗浄物Aに付着する油分を洗浄除去した後、その被洗浄物Aに錆が発生するのを被洗浄物防錆方法により防止する方法を説明する。
先ず、図1に示すように、洗浄工程aにおいて、油分が付着する鉄製の被洗浄物Aを、運搬手段により保持したまま矢印方向に水平移動及び垂直移動させて、第1洗浄槽2と第2洗浄槽3とに貯液された炭化水素系洗浄剤B(HC)に順次浸漬し、被洗浄物Aに付着する油分を洗浄除去した後、洗浄処理済みの被洗浄物Aを、第2洗浄槽3外部に搬出して、すすぎ工程bに移動する。
次に、すすぎ工程bにおいて、洗浄処理された被洗浄物Aを、すすぎ槽4に貯液されたフッ素系洗浄剤C中に浸漬し、被洗浄物Aに残着する炭化水素系洗浄剤Bを洗浄除去した後、すすぎ処理済みの被洗浄物Aをすすぎ槽4外部に取り出して、防錆工程cに移動する。
次に、防錆工程cにおいて、すすぎ処理された被洗浄物Aを、防錆槽5に貯液されたフッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤を溶解させ、その炭化水素系溶剤に対して防錆油Daを溶解してなる防錆剤D中に浸漬し、被洗浄物A全体を防錆剤Dに溶解した防錆油Daにより均一に防錆処理した後、防錆処理済みの被洗浄物Aを防錆槽5外部に取り出して、被洗浄物A全体を自然乾燥又は乾燥手段により強制乾燥させてから次工程に移動する。
且つ、乾燥時において、被洗浄物Aに付着する防錆剤D中のフッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤を蒸発気化させるので、洗浄剤の残渣がなく、被洗浄物A全体が防錆油Daにより均一に覆われることとなり、洗浄処理された被洗浄物Aに錆が発生するのを防止することができる。
且つ、フッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤の表面張力が小さいので、その炭化水素系溶剤に溶解させた防錆油Daが被洗浄物Aの隙間、小さな孔等に浸透しやすく、被洗浄物A全体を防錆油Daの膜により均一に被覆保護することができる。
また、低沸点(高揮発性)又は高沸点(低揮発性)の炭化水素系溶剤を選定して防錆油Daの溶解に使用する。例えば低沸点(高揮発性)の炭化水素系溶剤を用いた場合、自然乾燥時において炭化水素系洗浄剤Bの残渣がない。
また、高沸点(低揮発性)の炭化水素系溶剤を用いた場合、自然乾燥させることが困難である為、図2に示すように、防錆槽5外部に取り出した被洗浄物Aを、その近くに配設した乾燥工程dの乾燥室11内部に入れて、フッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤が蒸発気化する温度に加熱された高温の熱風Hを被洗浄物Aに吹き付け、被洗浄物Aに付着する防錆剤D中のフッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤を蒸発気化させて、被洗浄物A全体が防錆油Daにより均一に覆われた状態に強制的に乾燥処理した後、乾燥処理済みの被洗浄物Aを乾燥室11外部に取り出して、次工程に移動する。
また、すすぎ処理及び防錆処理された被洗浄物Aを再すすぎ洗浄する場合、図3に示すように、防錆槽5外部に取り出した被洗浄物Aを、その側部に配設した再すすぎ工程bに移動させ、再すすぎ槽4に貯液されたフッ素系洗浄剤C中に浸漬して再すすぎ洗浄する。
あるいは、図4に示すように、防錆槽5外部に取り出した被洗浄物Aを、再すすぎ槽4内に放出されたフッ素系溶剤の蒸気Caにより蒸気洗浄するか、図5に示すように、再すすぎ槽4に貯液されたフッ素系洗浄剤C中に浸漬して洗浄する浸漬洗浄と、その再すすぎ槽4上方に放出されたフッ素系溶剤の蒸気Caによる蒸気洗浄とを併用してもよい。
以上のように、洗浄工程a及びすすぎ工程bにおいて洗浄処理された被洗浄物Aを、フッ素系溶剤に対して炭化水素系溶剤を溶解させるとともに、その炭化水素系溶剤に対して防錆油Daを溶解してなる防錆剤Dにより防錆処理すれば、乾燥時において、防錆処理済みの被洗浄物Aに付着する防錆剤D中のフッ素系溶剤及び炭化水素系溶剤のみが蒸発気化し、被洗浄物A全体が防錆油Daにより均一に覆われた状態に防錆処理され、洗浄後の発錆を防止することができる。且つ、工程及び装置の全体構成を単純化、高濃度防錆、高粘度防錆が可能であり、防錆油Daの成分変化がない。
また、防錆剤Dを状況に応じて所定の温度に加温すれば、防錆油Daの溶解が促進され、溶解率が向上する。さらに、例えば攪拌装置あるいは出力の大きいポンプ等により混ぜ合わせなくても、出力の小さいポンプの移送力により循環させるだけで、溶剤中に防錆油Daが効率よく溶解することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の錆剤加温手段は、防錆剤加温装置6に対応し、
以下同様に、
防錆剤循環手段は、実施例の防錆剤循環装置7に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
本発明の被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置は、フッ素系洗浄剤に溶解しないコーテング剤によるコーテング処理にも応用できると思われる。
被洗浄物防錆方法及び被洗浄物防錆装置を示す断面図。 熱風による乾燥処理を示す断面図。 フッ素系洗浄剤による再すすぎ洗浄を示す断面図。 フッ素系溶剤の蒸気による再すすぎ洗浄を示す断面図。 フッ素系溶剤の浸漬及び蒸気による再すすぎ洗浄を示す断面図。 従来例の防錆方法及び防錆装置を示す断面図。
a…洗浄工程
b…すすぎ工程
c…防錆工程
d…乾燥工程
A…被洗浄物
B…炭化水素系洗浄剤
C…フッ素系洗浄剤
Ca…蒸気
D…防錆剤
Da…防錆油
H…熱風
1…被洗浄物防錆装置
2…第1洗浄槽
3…第2洗浄槽
4…すすぎ槽
5…防錆槽
6…防錆剤加温装置
7…防錆剤循環装置
11…乾燥室

Claims (7)

  1. 油分が付着する被洗浄物を洗浄剤中に浸漬して、該被洗浄物に付着する油分を洗浄剤により洗浄除去した後、
    上記油分が洗浄除去された被洗浄物を、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤に対し防錆油を溶解し、かつ、該防錆油が含まれる一方の溶剤をフッ素系溶剤に溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理する
    被洗浄物防錆方法。
  2. 上記防錆剤を、10℃から80℃の範囲に含まれる所定の温度に防錆剤加温手段により加温する
    請求項1に記載の被洗浄物防錆方法。
  3. 上記防錆剤を防錆剤循環手段により循環させる
    請求項1又は2に記載の被洗浄物防錆方法。
  4. 油分が付着する被洗浄物を洗浄剤中に浸漬して、該被洗浄物に付着する油分を洗浄剤により洗浄除去する洗浄工程の洗浄槽と、
    上記油分が洗浄除去された被洗浄物を、炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤のいずれか一方の溶剤に対し防錆油を溶解し、かつ、該防錆油が含まれる一方の溶剤をフッ素系溶剤に溶解してなる防錆剤中に浸漬して、該被洗浄物全体を防錆剤に溶解した防錆油により防錆処理する防錆工程の防錆槽とを備えた
    被洗浄物防錆装置。
  5. 上記防錆槽に、上記防錆剤を、10℃から80℃の範囲に含まれる所定の温度に加温する防錆剤加温手段を備えた
    請求項4に記載の被洗浄物防錆装置。
  6. 上記防錆槽に、上記防錆剤を循環させる防錆剤循環手段を備えた
    請求項4又は5に記載の被洗浄物防錆装置。
  7. 上記フッ素系溶剤に対する炭化水素系溶剤あるいはアルコール・エーテル系溶剤の溶解量を、10%の溶解量に設定した
    求項4〜6のいずれか一つに記載の被洗浄物防錆装置。
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