JP4747477B2 - コイン精米機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コインの投入金額に応じて客の持参した玄米等を精米して販売するコイン精米機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コインの投入金額に応じて客の持参した玄米等を精米して販売する、いわゆるコイン精米機はすでによく知られている。かかるコイン精米機は、一般に建屋内部に客室と機械室を有し、機械室内部には、投入ホッパ、石抜き装置、異物除去装置、精米装置、白米貯留タンク、および穀粒をこれら各装置に供給、搬送する手段等を設置して構成されており、コインの投入によって客が持参した玄米等の精米を行うようになっている。また、上記の他に更に籾摺装置を備えている精米機も存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平8−192060号公報には、精米作業が進行すると、あらかじめ決められた時間の経過毎にコインメックに投入されたコイン枚数が減算され、順次投入コイン表示手段に減算表示され、コイン0枚の表示により精米作業が終了する作業進行表示装置が開示されている。
しかし、このような従来装置によると、投入された金額表示が0になると、前記石抜き機内の残留米や、精米装置内の残留米を装置から取り出し、つぎの客に備える動作である終了動作に移行するため、金額投入を忘れた場合はホッパ内の玄米をそのままにして終了動作が完了するまで所定時間待つ必要があり、すでに終了動作に移行中であることが分からない客にとっては、運転動作が遅いという不満が多く出されていた。
【0004】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、利用者の待ち時間が少なく、慣れない客により操作手順が遅くなっても投入金を無駄にせず、確実に、速やかに動作するコイン精米機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1の発明は、玄米を投入する投入ホッパ(11)に、玄米の所定量を検出する玄米センサ(Sa)と、投入ホッパ(11)内の玄米を精米手段に搬送する搬送手段とを備え、投入された金額に応じた時間、精米手段により精米工程を行い、あらかじめ決められた時間の経過毎に投入金額を引き落とし、玄米センサ(Sa)がオフになると、所定時間(Ta)経過後に精米手段内の残留米を取り出す終了動作を開始するコイン精米機において、
残金があるにも拘わらず前記玄米センサ(Sa)により投入ホッパ(11)内の玄米が無くなったオフ状態を検出した場合に、
検出してから所定時間(Ta)このオフ状態が続くときは、この所定時間(Ta)中に投入金額を引き落とす時間が経過しても投入金額を引き落とさず終了動作を開始すると共に、所定時間(Ta)中に玄米センサ(Sa)がオンになると玄米の再投入と判断して直ちに残金に応じた精米運転を開始することを特徴とする。
【0006】
このような請求項1の発明により、玄米検出手段の検出状態、搬送手段の動作状態、残高の有無、夫々の状態に基づいて、精米工程および/または残米処理工程の終了動作を開始する時間が変更され、客が希望する動作を行う。
【0007】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、残金があるにも拘わらず玄米センサ(Sa)により投入ホッパ(11)内の玄米が無くなったことを検出した場合に、検出してから所定時間(Ta)このオフ状態が続くときは、この所定時間(Ta)中に投入金額を引き落とす時間が経過しても投入金額を引き落とさず終了動作を開始するので、玄米がなくなったにもかかわらず投入金額を引き落とされる不都合を回避することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1はコイン精米機のコインメックを示す図、図2はコイン精米機の建屋内部の平面図である。
図1に示すコインメックのパネル1において、2はコイン投入口、3はもち米利用選択ボタンであり、もち米利用時はこのボタンを押す。4は搗精白度選択ボタンであり、好みの白さのボタン(上白:4a、標準:4b、8分:4c)を選択して設定する。そして、5は運転開始スイッチである。
【0009】
本発明に係るコイン精米機の建屋は、図2に示すように客室Aと機械室Bとからなり、機械室B内部に投入ホッパ11、籾摺用昇降装置13、籾摺機14、石抜き装置15、精米用昇降装置16、玄米タンク17、精米装置18、白米貯留タンク(以下「白米タンク」と称する)21(取出口は客室Aに臨んでいる)等を備え、また客室Aと機械室Bの仕切壁23には上述のコインメック(操作盤)22が設けられ、機械室Bの後方のスペースには糠袋25が設置され、さらに籾摺機14で発生する籾殻を機外へ排出するパイプ24が設置されている。
【0010】
図2に示すように、客は客室A側に立って、客の持参した穀粒(籾、玄米)をホッパ11の投入口に投入する。そして、穀粒量に見合う運転時間を確保できるだけのコインをコインメック22の投入口2に投入する。次に、コインメック22に設けた白度選択ボタン4を選択して精白度を設定する。これらの設定準備が完了し、運転開始スイッチ5をオンにすると、制御部は投入コインの枚数を読み込み、運転時間を算出し、当該運転時間にわたり精米施設の装置各部は運転を開始する。投入されたコイン枚数はコインメック22の表示部6に表示される。そして、投入ホッパ11に投入された穀粒は搬送装置12でホッパ11から繰り出される。ホッパ11内の穀粒の有無は、ホッパ11内に取り付けた玄米センサSa(穀粒検知センサ)によって検知される。次いで、穀粒は籾摺用昇降装置13により上方へ搬送され、籾摺機14に送られる。籾摺後、続く石抜き装置15によって異物、石等が除かれる。そして、精米用昇降装置16で上方に搬送され、玄米タンク17に投入され、続いて精米装置18に送られて精米が行われる。
【0011】
精米後の白米はそのまま排出パイプ19を経て精米排出口20から排出されて白米タンク21に貯留される。発生する糠は糠処理用サイクロンにて糠袋25に収容される。
【0012】
ここで、本発明の第1の参考例を説明する。
この動作は、残金があり、従って搬送装置12が運転状態の時に、ホッパ11内の玄米が無くなった場合である。
料金が残存し、上記搬送装置12が運転状態でホッパ11内の玄米センサがオフになると、所定時間Ta経過後に前記石抜き機内の残留米や、精米装置内の残留米を装置から取り出し、つぎの客に備える動作である終了動作を開始し、さらに所定時間α経過後に搬送装置が停止する。図3の(1)は本参考例のタイムチャートを示している。
玄米センサは米のブリッジ等の理由により米があるのにオフする場合がある。その場合、終了動作を容易に決定してしまうと規定料金内で精米できなかったり、残米処理などの後行程を待ってからの精米となるので利用者を待たせる不具合が生じるので、終了動作の決定は玄米センサのオン・オフだけで簡単に行うには不都合がある。よって、上記の所定時間Taは充分長く設定する必要がある。
【0013】
また、投入ホッパ11に設ける玄米センサは玄米がすべて無くなった位置で検出する位置に取り付けるのが望ましいが、投入時の検出が出来なかったりして取付上困難である。そのため、搬送装置は玄米センサがオフして一定時間運転してから停止するとホッパ内の穀粒を残すことなくすべての排出が行える。上記の所定時間αはこれを考慮して設定する。
なお、搬送装置を停止してから終了動作を開始してもよいが、運転時間が長くなる弊害が生じるので、終了動作への移行が決定すると搬送装置を運転したまま終了動作へ移行する。
【0014】
次に、第2の参考例を説明する。
この動作は、ホッパ11内に玄米が残っているのに残金が0になり、従って所定時間Tb後に搬送装置12が停止する場合である。
一単価が終了し投入金額が0でホッパ11の玄米センサがオンであると、搬送装置を所定時間Tb経過後に停止し、精米行程および/または残米処理行程を行わずに停止する。このとき、ホッパ11内は玄米が残存した状態で停止する。図3の(2)はこの参考例のタイムチャートを示している。
【0015】
この所定時間Tbは、再起動の際の過負荷を防止するための時間がある。即ち、籾等が噛み込んだ状態で再起動するとサーマルトリップを発生するなどの不具合を発生することがあった。そこで、このTb時間内にシーケンス制御により籾あるいは玄米を、噛み込み箇所等から取り除いているが、ホッパ11内の玄米が少量の時には、このTb時間内に玄米センサがオフになる可能性がある。従来この場合は、残金も0であり、玄米残量も少量であると判断した客が、不足金額を投入することなく、搬送系に残留米が残った状態のままにしていた。このような、搬送系に残留米が残った状態のままになることは好ましくないため、Tbはあまり長くないほうが好ましい(例えば、前述の参考例におけるTbよりも短い)。
【0016】
この動作パターンの場合、明らかに料金不足であることから、利用者が料金の追加を行い、装置を再起動させることが予想される。そのため残米排出などの時間がかかる後工程は行わずに停止することにより、利用者の待ち時間を短縮することが出来る。
【0017】
次に、第3の参考例を説明する。
この動作は、残金が0になり、過負荷防止のシーケンス制御運転を行った際(前記Tb時間中)に、玄米センサがオフになった場合である。
この場合は、前記理由により搬送系に残留米が残ったままになる可能性があるため、第1の参考例と同様の終了動作を行って、機内に残留米が残り、次の客に不快感を与えないようにしている。
図3の(3)はこの参考例におけるタイムチャートを示す。
【0018】
次に、本発明の第4の参考例を説明する。
この動作は、残金が残っており、従って搬送装置も運転され、玄米がホッパ11に残っている場合である。
この状態は、通常の精米運転であるから、一単価引き落とし後、直ちに(Tc時間後)通常運転する。
なお、前記Tc時間を長く設定すると、搬送装置が一時停止してしまうという不都合になるから、微小時間に設定している。
図3の(4)はこの参考例におけるタイムチャートを示す。
【0019】
次に、本発明の実施形態を説明する。
この動作は、残金が残っており、従って搬送装置も運転されている状態の時、玄米センサがオフになる場合であり、玄米センサがオフになり、終了動作を開始するまでの所定時間Ta中に投入金額が引き落とされる点が第1参考例と異なる。
この場合は、玄米が無くなったにもかかわらず、玄米センサがオフになり、終了動作を開始するまでの所定時間Ta中に残金を引き落とされることになり、損をしたように感じる。
そこで、このような場合は、Ta時間中に玄米センサのオン、オフを再度検出し、オフ状態がTa時間続いたときは、前記引き落としを行わないで終了動作を開始する。
また、玄米センサがオフになり、終了動作を開始するまでの所定時間Ta中に玄米センサがオン状態になると、玄米の再投入と判断し、直ちに残金に応じた通常の精米運転を開始する。
図3の(5)はこの実施形態におけるタイムチャートを示す。
【0020】
本発明は、このように、玄米センサでの判定時間を通常運転の場合と一単価終了時の場合とで異なる時間設定をするとともに、一単価終了時の判断に玄米センサを組み込み、さらには終了条件によって終了方法が異なるように構成している。
【0021】
次に、本発明に関連して、前記石抜き装置の構成について説明する。
図4は石抜き装置の一般的な構成を示しており、ホッパ31の底の排出口より排出された玄米は選別板32上に落下する。この選別板32は前後方向に揺動するように構成され、該選別板32の下方にはファン33を配置し、その回転による送風が行われる。この揺動する選別板32と下からの送風により石等の夾雑物が玄米から分離され、石排出部35より排出される。
そして、上記選別板32に精米機の運転装置のオン・オフ動作により磁性機能をオン・オフできる磁性体を配置する。例えば、図5に示すように、選別板32上面の両側の長手方向に沿って磁性体34を配置したり、図6に示すように、選別板32上面の一側に磁性体34を配置する。あるいは、図7に示すように、選別板32の背面より左右に磁性体34を配置する。そして、選別運転中はこの磁性体34をオン操作し、メンテナンス時はオフ操作する。
【0022】
従来、例えば特開平9−276720号公報には、玄米を受ける受け部材に磁石を設けることで金属製の夾雑物を除去する方法が開示されているが、無人運転するコイン精米機の場合、磁石に一旦吸着した金属を除去するには手間がかかる。
上述の構成とすることにより、自動で金属製の夾雑物を石等とともに除去でき、メンテナンス時は磁性機能をオフして除去した金属を簡単に取り除ける。
【0023】
次に、コイン精米機の昇降手段の一部に振動センサを設け、その振動特性の違いに基づいて玄米と籾の判別を行う構成を説明する。
図8に示すように、コイン精米機の昇降装置13の上部投げ口に開閉自在なシャッタ36を設け、該シャッタ36に振動センサ37を取り付ける。同図の(a)はシャッタ36の閉状態、(b)は開状態を示す。また、38は籾/玄米切替手段である。
コイン精米機に使用される籾または玄米の水分は著しい差異はなく、概ね14%〜15.5%の水分である。この穀粒を所定回転数で搬送する昇降装置13のバケットで掬い、所定位置で放擲されたときの振動を電気変換すると、図9に示すように籾と玄米とを明瞭に判別することが出来る。
【0024】
図10のフローチャートに基づいて説明すると、シャッタ36を閉じた状態で、搬送装置12を一定時間駆動する(ステップ1)。穀粒は所定時間の間、昇降装置内を循環し、上部投げ口で投擲されシャッタ36に当たったときの振動を振動センサ37で検出する(ステップ2)。そして、籾か玄米かを判定し(ステップ3)、その判定結果に基づいて上記籾/玄米切替手段38を切り替える(ステップ4)とともに後行程(籾摺り、精米、石抜き)の諸制御量を調節する。次いで、シャッタ36を開いて(ステップ5)、搬送装置12を再起動させ(ステップ6)、穀粒を搬送する。
このように、穀粒の速度を一定として振動板に衝突させ、このときの振動板による音や変位あるいは周波数などの振動特性を検出することにより、籾と玄米に明瞭に判別できるため、所定の速度をもつ箇所であれば設置個所を選ばない、駆動部のない簡単な籾・玄米判別センサを得ることができる。
【0025】
次に、前記精米装置における白度制御について説明する。
すなわち、精米ロール駆動モータの回転を検出する手段と、該検出値を比較するための基準となる信号を発する手段を設け、駆動モータの回転検出値を予め設定している基準値と比較し、その回転検出値が基準値を中心とする所定範囲内にないときは、駆動モータの回転検出値が上記基準範囲内に入るように駆動モータの回転数を補正する精米機において、前記基準値と回転検出値との差による補正量を記憶する手段を有し、駆動モータの回転の検出手段がノイズ等により検出できず、補正量が算出できないときは、記憶手段に記憶された補正量から得られた時間に基づいて駆動モータを回転する構成とした。
図11は前記関係を示す図であり、このように構成すると、精米機を駆動するベルト等が経年変化し、同じ駆動モータの回転数でありながら精米機の精米ロール回転数が徐々に低下した場合で、且つ、駆動モータの回転の検出手段がノイズ等により検出できない場合でも、安定して精米を行うことができる効果がある。
【0026】
次に、コイン精米機の消音手段について説明する。
たとえば、コイン精米機の換気窓等に通気型遮音パネル等を配置した共鳴室を構成し、該共鳴室の共鳴周波数はコイン精米機を構成する装置のうち、騒音度合いの大きな装置の周波数に一致させる。これにより、換気を行いながら外部へ漏れる音を低減できる。図12は換気扇後部に、入り口径よりも広い空洞と通気用の貫通孔とを交互に配設した共鳴室を取り付けた実施例であり、騒音を低減しながら、機内の温度上昇の防止や制御機器の負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイン精米機のコインメックを示す図である。
【図2】本発明に係るコイン精米機の建屋内部の平面図である。
【図3】本発明における制御のタイムチャートである。
【図4】石抜き装置の一般的な構成図である。
【図5】石抜き選別板に磁性体を配置した状態の平面図である。
【図6】同じく石抜き選別板に磁性体を配置した状態の平面図である。
【図7】同じく石抜き選別板に磁性体を配置した状態の側面図である。
【図8】昇降装置に振動センサを設けた概略構成図である。
【図9】振動センサの検出チャートである。
【図10】籾/玄米判定のフローチャートである。
【図11】基準となる駆動モータの回転信号と検出した回転信号の関係を示す図である。
【図12】コイン精米機の換気扇に消音手段を設けた図である。
【符号の説明】
1 コインメックパネル
11 投入ホッパ
12 搬送装置
13 籾摺用昇降装置
14 籾摺機
15 石抜き装置
16 精米用昇降装置
18 精米装置
21 白米タンク
22 コインメック
32 選別板
34 磁性体
37 振動センサ
Claims (1)
- 玄米を投入する投入ホッパ(11)に、玄米の所定量を検出する玄米センサ(Sa)と、投入ホッパ(11)内の玄米を精米手段に搬送する搬送手段とを備え、投入された金額に応じた時間、精米手段により精米工程を行い、あらかじめ決められた時間の経過毎に投入金額を引き落とし、玄米センサ(Sa)がオフになると、所定時間(Ta)経過後に精米手段内の残留米を取り出す終了動作を開始するコイン精米機において、
残金があるにも拘わらず前記玄米センサ(Sa)により投入ホッパ(11)内の玄米が無くなったオフ状態を検出した場合に、
検出してから所定時間(Ta)このオフ状態が続くときは、この所定時間(Ta)中に投入金額を引き落とす時間が経過しても投入金額を引き落とさず終了動作を開始すると共に、所定時間(Ta)中に玄米センサ(Sa)がオンになると玄米の再投入と判断して直ちに残金に応じた精米運転を開始することを特徴とするコイン精米機。
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