JP4747411B2 - 4−アルキルレゾルシンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4−アルキルレゾルシンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−アルキルレゾルシンは医薬品やその中間体、樹脂の添加剤や原料として工業的に用いられている。中でも、4−n−へキシルレゾルシンは回虫や十二指腸虫の駆虫剤として使用されている。
【0003】
4−アルキルレゾルシンの製造方法としては、例えば米国特許第4093667号明細書にはレゾルシンとn−へキシル臭素塩等を反応させてエーテルを合成し、その後、転位させて4−n−へキシルレゾルシンを製造する方法が示されている。しかし、この製造方法は、2段の反応であるため装置が複雑になりコストが高くなるという問題点がある。
【0004】
英国特許第1581428号明細書には、アルミナを触媒とし、レゾルシンとn−へキサノールを液相で反応させて4−n−へキシルレゾルシンを製造する方法が記載されている。しかし、この製造方法では4−n−へキシルレゾルシンの選択率が30%以下であり、目的とする4−アルキルレゾルシンの選択率が低いという問題点がある。また、ルイス酸を用いたフリーデル・クラフツ反応によるアルキル化も広く知られているが、この手法は腐食性の高い物質を用いるので装置の腐食が進み易いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、4−アルキルレゾルシンを、1段の反応でかつ腐食性の高い物質を用いることなく、高選択率で製造することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の状況に鑑み、4−アルキルレゾルシンを製造する方法について鋭意研究を続け、特定の範囲の金属の酸化物および水酸化物から選ばれる一種以上を触媒として用い、アルコールを超臨界状態にしてレゾルシンと反応させることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、レゾルシンとアルコールとを該アルコールが超臨界状態になる条件下で、周期表の1A、2A、3A、4A、6A、7A、8、4B族に属する金属の酸化物および水酸化物から選ばれる一種以上を触媒として用いて反応させる4−アルキルレゾルシンの製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の製造方法において、出発原料であるアルコールは、一般式(2)
R1−OH ……(2)
(R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
で示される
【0009】
一般式(2)で示されるアルコールとして、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−へキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノールおよびn−ドデカノールがあげらけ、これらのうちメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノールおよびn−へキサノールが工業的に有用であり好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびi−プロパノールがさらに好ましい。
【0010】
レゾルシンに対するアルコールのモル比は、1から1000の範囲が好ましく、2から300の範囲がより好ましく、5から50の範囲がさらに好ましい。
【0011】
本発明の製造方法は、アルコールが超臨界状態になる条件下で反応させることを特徴とする。
物質には、固有の気体、液体、固体の3態があり、さらに、臨界温度および臨界圧力以上になると、圧力をかけても凝縮(液化)しない流体相がある。この状態を超臨界状態といい、超臨界状態にある物質を超臨界流体という。
【0012】
超臨界流体は、液体や気体の通常の性質と異なる性質を示す。超臨界流体の密度はその物質の液体に近く、超臨界流体の粘度はその物質の気体に近く、熱伝導率と拡散係数は、気体と液体の中間的性質を示す。超臨界流体は「液体ではない溶媒」であり、超臨界流体が高密度、低粘性および高拡散性であるために反応が進み易くなるものと思われるが、機構は明らかではない。また、超臨界流体を用いた反応は、超臨界流体がその物質の液相に近い密度を持つため、気相反応と比較して反応装置を小さくできる利点がある。
【0013】
本発明の製造方法においては、アルコールが超臨界状態になる条件下で反応させることが必要である。アルコールとしてメタノールを用いる場合には、メタノールは臨界温度が240℃で臨界圧力が8.0MPaなので、240℃以上および8.0MPa以上の条件で反応を行う。エタノールを用いる場合には、エタノールは臨界温度が241℃で臨界圧力が6.1MPaなので、241℃以上および6.1MPa以上の条件で反応を行う。n−プロパノールを用いる場合には、n−プロパノールの臨界温度は264℃で臨界圧力は5.2MPaなので、264℃以上および5.2MPa以上の条件で反応を行う。n−ブタノールを用いる場合には、n−ブタノールの臨界温度は290℃で臨界圧力は4.4MPaなので、290℃以上および4.4MPa以上の条件で反応を行う。n−ペンタノールを用いる場合には、n−ペンタノールの臨界温度は315℃で臨界圧力は3.9MPaなので、315℃以上および3.9MPa以上の条件で反応を行う。n−ヘキサノールを用いる場合には、n−ヘキサノールの臨界温度は337℃で臨界圧力は3.4MPaなので、337℃以上および3.4MPa以上の条件で反応を行う。
【0014】
本発明の製造方法においては、反応温度はレゾルシンが分解しないように450℃以下であることが好ましい。反応装置の耐圧を増すためにコストがかかるので、反応圧力は工業的実施が容易な25MPa以下であることが好ましく、20MPa以下であることがさらに好ましい。本発明の製造方法における反応時間は、1分〜24時間の範囲が好ましく、さらに好ましくは1分〜5時間の範囲である。
【0015】
本発明で用いる触媒としては、金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウム、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化オスミウム、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化白金、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化サマリウムが挙げられる。また、金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化スカンジウム、水酸化イットリウム、水酸化チタン、水酸化ジルコニウム、水酸化ハフニウム、水酸化クロム、水酸化モリブデン、水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化ルテニウム、水酸化オスミウム、水酸化コバルト、水酸化ロジウム、水酸化イリジウム、水酸化ニッケル、水酸化パラジウム、水酸化白金、水酸化ゲルマニウム、水酸化錫、水酸化ランタン、水酸化セリウム、水酸化サマリウムが挙げられる。これらの触媒のうち、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫が好ましく、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マンガンが選択率向上効果が高くさらに好ましい。
【0016】
本発明の製造方法において用いる触媒量は、反応に用いるレゾルシン100重量部に対して、0.01から50重量部の範囲が好ましく、0.1から20重量部の範囲がより好ましい。
【0017】
本発明は種々の反応態様で実施できる。例えば、回分方式で行っても良いし、流通方式で行っても良い。
【0018】
本発明の製造方法において反応終了後の反応混合物には、4−アルキルレゾルシンのほかに、未反応の原料、副反応による生成物が含まれることもある。各種の用途に必要な純度まで、4−アルキルレゾルシンを分離することができる。分離の方法は、特に限定されず、蒸留、抽出等の通常工業的に使用できる方法が適用できる。
【0019】
本発明の製造方法によれば、レゾルシンとアルコールから腐食性の高い物質を用いることなく1段の反応でかつ高選択率で4−アルキルレゾルシンを製造する方法が提供できる。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例において反応後に残存した原料および生成物は、ガスクロマトグラフィー質量分析装置HP−6890(GC:ヒューレット・パッカード製)−HP−5973(MS:ヒューレット・パッカード製)を用いて同定し、FID(水素炎イオン化検出器)が付属しているガスクロマトグラフィー装置GC−353B(ジーエルサイエンス製)を用いて定量分析を行った。
【0021】
転化率は、(転化率)={1−(反応液中に未反応で残存したレゾルシンのクロマトグラフの面積)/(反応液中に未反応で残存したレゾルシンおよび全反応生成物のクロマトグラフの面積の和)}×100(%)の式を用いて計算した。また、選択率は、(選択率)={(特定の反応生成物のガスクロマトグラフの面積)/(全反応生成物のガスクロマトグラフの面積の和)}×100(%)の式を用いて計算した。
【0022】
実施例1
レゾルシン(和光純薬製、試薬特級)を0.097gとn−ヘキサノール(和光純薬製、試薬特級)を1.511g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比17)と、酸化ストロンチウム(SrO)(高純度化学製試薬、純度99%)を4.8mg(レゾルシン100重量部に対して4.9重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は40モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は53モル%であった。また、副生物として2−n−へキシルレゾルシンが選択率1モル%、ジヘキシルレゾルシンが選択率12モル%で生成した。
【0023】
本オートクレーブには圧力計が付属しないので、反応中の圧力を推定(圧力計を取付けるとオートクレーブの内容積が少し増加するため値が僅かにズレるので推定値しか得られない)するため、以下の実験を行った。同一のオートクレーブに圧力計を付け、同量のレゾルシンとn−ヘキサノールを仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温して、圧力を測定した。圧力の値は5MPaであり、反応中の圧力も5MPaと推定された。
【0024】
実施例2
レゾルシンを0.109gとn−ヘキサノールを1.512g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比15)と酸化バリウム(BaO)(高純度化学製試薬、純度99%以上)を5.0mg(レゾルシン100重量部に対して4.6重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は44モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は59モル%であった。また、副生物として2−n−へキシルレゾルシンが選択率1モル%、ジヘキシルレゾルシンが選択率3モル%で生成した。反応中の圧力は5MPaと推定された。
【0025】
実施例3
レゾルシンを0.103gとn−ヘキサノールを1.498g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比16)と酸化マンガン(MnO2)(高純度化学製試薬、純度99.99%)を4.8mg(レゾルシン100重量部に対して4.7重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は12モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は73モル%であった。また、副生物としてジヘキシルレゾルシンが選択率4モル%で生成した。反応中の圧力は5MPaと推定された。
【0026】
実施例4
レゾルシンを0.101gとn−ヘキサノールを1.550g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比17)と酸化マグネシウム(MgO)(高純度化学製試薬、純度99%)を5.0mg(レゾルシン100重量部に対して5.0重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は15モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は70モル%であった。また、副生物として2−n−へキシルレゾルシンが選択率3モル%で生成した。反応中の圧力は5MPaと推定された。
【0027】
比較例1
レゾルシンを0.107gとn−ヘキサノールを1.514g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比15)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は2モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は49モル%であった。また、副生物として2−n−へキシルレゾルシンが選択率4モル%で生成した。反応中の圧力は5MPaと推定された。
【0028】
比較例2
レゾルシンを0.021gとn−ヘキサノールを0.300g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比15)と、酸化ストロンチウム(SrO)を1.1mg(レゾルシン100重量部に対して5.2重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は3モル%で、4−n−へキシルレゾルシンは生成しなかった。
【0029】
本オートクレーブには圧力計が付属しないので、反応中の圧力を推定するため、同一のオートクレーブに圧力計を付け、同量のレゾルシンとn−ヘキサノールを仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温して、圧力を測定した。圧力の値は1MPaであり、反応中の圧力も1MPaと推定された。この反応は気相で行われた。
【0030】
実施例5
レゾルシンを0.105gとエタノール(和光純薬製、試薬特級)を1.510g((エタノール)/(レゾルシン)モル比35)と酸化カルシウム(CaO)(和光純薬製試薬、純度99.9%)を6.0mg(レゾルシン100重量部に対して5.7重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は79モル%で、4−エチルレゾルシンの選択率は65モル%であった。また、副生物としてジエチルレゾルシンが選択率31モル%で生成した。
【0031】
本オートクレーブには圧力計が付属しないので、反応中の圧力を推定(するため、同一のオートクレーブに圧力計を付け、同量のレゾルシンとエタノールを仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温して、圧力を測定した。圧力の値は10MPaであり、反応中の圧力も10MPaと推定された。
【0032】
実施例6
レゾルシンを0.106gとエタノールを1.502g((エタノール)/(レゾルシン)モル比35)と、酸化ストロンチウム(SrO)を5.2mg(レゾルシン100重量部に対して4.9重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。15分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は38モル%で、4−エチルレゾルシンの選択率は85モル%であった。また、副生物として2−エチルレゾルシンが選択率1モル%で、ジエチルレゾルシンが選択率6モル%で生成した。反応中の圧力は10MPaと推定された。
【0033】
実施例7
レゾルシンを0.105gとメタノール(和光純薬製、試薬特級)を1.341g((メタノール)/(レゾルシン)モル比44)と、酸化ストロンチウム(SrO)を4.9mg(レゾルシン100重量部に対して4.7重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。15分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は47モル%で、4−メチルレゾルシンの選択率は73モル%であった。また、副生物として2−メチルレゾルシンが選択率4モル%で、ジメチルレゾルシンが選択率16モル%で生成した。
【0034】
本オートクレーブには圧力計が付属しないので、反応中の圧力を推定(圧力計を取付けるとオートクレーブの内容積が少し増加するため値が僅かにズレるので推定値しか得られない)するため、以下の実験を行った。同一のオートクレーブに圧力計を付け、同量のレゾルシンとメタノールを仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温して、圧力を測定した。圧力の値は13MPaであり、反応中の圧力も13MPaと推定された。
【0035】
比較例3
レゾルシンを0.105gとn−ヘキサノールを1.493g((n−ヘキサノール)/(レゾルシン)モル比15)と、酸化アルミニウム(Al2O3)(和光純薬製試薬、200メッシュ)を4.7mg(レゾルシン100重量部に対して4.5重量部)とをオートクレーブ(SUS316製、内容積4.5ml、圧力計なし)に仕込み、サンドバスにて350℃まで昇温し反応を開始した。30分後オートクレーブを急冷し、室温(約25℃)に戻った後に反応液をオートクレーブから取り出した。上記の方法により定量したところレゾルシンの転化率は25モル%で、4−n−へキシルレゾルシンの選択率は16モル%であった。また、副生物として2−n−へキシルレゾルシンが選択率17モル%、ジヘキシルレゾルシンが選択率7モル%で生成した。反応中の圧力は5MPaと推定された。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、レゾルシンとアルコールから1段の反応でかつ腐食性の高い試薬を用いることなく、高選択率で4−アルキルレゾルシンを製造することができる。
Claims (2)
- レゾルシンとアルコールとを、該アルコールが超臨界状態になる条件下で、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの酸化物および水酸化物から選ばれる一種以上を触媒として用いて反応させることを特徴とする4−アルキルレゾルシンの製造方法。
- アルコールが一般式(1)
R1−OH ……(1)
(R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。)
で示されるアルコールである請求項1記載の4-アルキルレゾルシンの製造方法。
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