JP4746765B2 - 開口補強部材及びコンクリート壁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート、プレキャストコンクリート等の壁の開口部のコーナー部のひび割れの発生の防止を行うための開口補強部材及びコンクリート壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄筋コンクリート造の建物においては、鉄筋コンクリートからなる壁の開口部の四隅の部分に応力が集中しやすく、コンクリートの収縮等によるクラックが発生する可能性があった。これらのひび割れを防止するため、従来から、開口部の隅部に補強筋を配置する方法が一般的に用いられている。
【0003】
例えば、開口部の隅部を補強する補強部材として、実開平5−30344公報に、鉄筋を台形状に曲げ両端部を溶着して閉鎖状とした台形鉄筋に、鉄筋を略V字状に曲げたV字鉄筋を溶着した補強金物が提案されている。
【0004】
また、上記公報には従来の技術として、図6に示すように異形鉄筋を所定長さに切断加工した直材を、ひびわれ方向と直角方向に複数本並列に配筋してひび割れ防止に対応させたものや、一双の異形鉄筋の直材に直向して複数の異形鉄筋の短材を溶着して梯子状の補強金物を製作し、ひび割れ方向と直角方向に配設してひび割れ防止に対応させたものや、溶接金網を逆L字形平面に切断加工して補強金物を製作し、開口部の隅部に配設してひび割れ防止に対応させたもの等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示される方法では、補強部材のコンクリートに対する定着力や開口部の隅部への応力集中を防止する効果が不十分であった。また、上記公報で挙げた方法は、いずれも補強金物が平面的な構造であり、開口部の隅部に取付けた場合に、コンクリート壁の面方向への引っ張り又は収縮による力には有効な効果がみられるが、開口部の隅部にかかる応力は一定の方向のみならず、多方向からの力が継続的に作用するため、従来からの補強金物を開口部の隅部に配置する方法では、ひび割れの防止に十分ではなかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、開口部の隅部でのコンクリートのひび割れを防止できる補強金物、及びこの補強金物を使った開口部を有するコンクリート壁を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の発明はコンクリート壁100の開口部150の二辺に挟まれた隅部200に配置されてコンクリート壁を補強する開口補強部材であって、前記開口部の二辺に沿う二つの固定片10、20を備えたアングル状で、かつ、前記隅部にコンクリート壁の厚み方向に沿ってコンクリート壁にほぼ埋設された状態で配置される補強部材本体1と、該補強部材本体から前記開口部の反対側に延出してコンクリート壁に埋設される複数の延出部材とを備えており、前記延出部材は、先端部が基部より拡径されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される複数の棒状部材(スタッドボルト15)と、前記補強部材本体の二つの固定片の両方に接合されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される板状部材30とを有しており、前記板状部材に、コンクリート壁の厚み方向に沿って延在する棒状部材が設けられていることを特徴とする。なお、補強部材本体の内面が開口部の二辺に沿った状態で開口部側に露出しても良い。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、開口部の隅部において、開口補強部材の二つの固定片がコンクリート壁の開口部の隅部に押えられた状態で、開口部補強部材から開口部の反対側に延出して埋設された複数の延出部材が、コンクリートの乾燥収縮や外力等の応力集中により生じる引張力を受けることで、コンクリートへの負担を軽減して、コンクリートの開口部の隅部にクラックが発生するのを防止するとともに、クラックが発生してしまった場合でも、発生後のひび割れ幅の増大を防止することができる。
また、延出部材のうちの板状部材がコンクリートに対して広い面で定着させられるが、定着面を余り広くしてしまうとコンクリートの充填性が悪化し、前記棒状部材は、拡径された先端部により定着力を向上できるが、広い範囲に渡って定着させることができない。そこで、これら棒状部材と板状部材とを組み合わせることにより、互いの欠点を補いクラックの発生を防止する機能を向上することができる。
なお、板状部材の表面には、コンクリートに対する定着力を向上するように凹凸が形成されていることが好ましい。
さらに、板状部材にコンクリートの厚み方向に沿って棒状部材を設けることにより、板状部材の定着力を向上することができる。
また、板状部材及び棒状部材の配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、コンクリート壁100の開口部150の二辺に挟まれた隅部200に配置されてコンクリート壁を補強する開口補強部材であって、前記開口部の二辺に沿う二つの固定片10、20を備えたアングル状で、かつ、前記隅部にコンクリート壁の厚み方向に沿ってコンクリート壁にほぼ埋設された状態で配置される補強部材本体1と、該補強部材本体から前記開口部の反対側に延出してコンクリート壁に埋設される複数の延出部材とを備えており、前記延出部材は、先端部が基部より拡径されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される複数の棒状部材(スタッドボルト15)と、前記補強部材本体の二つの固定片の両方に接合されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される板状部材30とを有しており、前記板状部材に、複数の孔が形成され、該孔のうちの少なくとも一つを貫通するように、コンクリート壁の厚み方向に沿って鉄筋が配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、開口部の隅部において、開口補強部材の二つの固定片がコンクリート壁の開口部の隅部に押えられた状態で、開口部補強部材から開口部の反対側に延出して埋設された複数の延出部材が、コンクリートの乾燥収縮や外力等の応力集中により生じる引張力を受けることで、コンクリートへの負担を軽減して、コンクリートの開口部の隅部にクラックが発生するのを防止するとともに、クラックが発生してしまった場合でも、発生後のひび割れ幅の増大を防止することができる。
また、延出部材のうちの板状部材がコンクリートに対して広い面で定着させられるが、定着面を余り広くしてしまうとコンクリートの充填性が悪化し、前記棒状部材は、拡径された先端部により定着力を向上できるが、広い範囲に渡って定着させることができない。そこで、これら棒状部材と板状部材とを組み合わせることにより、互いの欠点を補いクラックの発生を防止する機能を向上することができる。
なお、板状部材の表面には、コンクリートに対する定着力を向上するように凹凸が形成されていることが好ましい。
さらに、板状部材の孔に貫通するとともに、コンクリートの厚み方向に沿って鉄筋を配置することにより、板状部材の定着力を向上することができる。
また、板状部材には、複数の孔が設けられているので、必要な強度等に合わせて板状部材を貫通する鉄筋の本数を変えたり、鉄筋の配置位置を変えたりすることができる。
さらに、板状部材及び棒状部材と鉄筋との配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の開口補強部材を用いた開口部を有するコンクリート壁であって、
前記開口部の隅部に前記開口補強部材が配置されるとともに、前記補強部本体から延出する延出部と前記コンクリート壁の厚み方向に重なる位置を通り、かつ、該隅部挟む開口部の二辺に対して斜めになるように補強筋が配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、壁開口補強部材と補強筋との相乗効果により、クラックの発生を予防する効果を増大することができる。
また、板状部材及び棒状部材の配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る鉄筋コンクリート壁100の開口部150の隅部200に使用する補強金物A(開口補強部材)の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1から図4までは、鉄筋コンクリート壁100の開口部150の隅部200に設ける本発明に係る補強金物A、B、C、Dの例を示す。また図5では、鉄筋コンクリート壁100の開口部150の隅部200に、図1から図4までに取り上げた補強金物(開口補強部材)A、B、C、Dを実際に取付けた状態を示す。
【0019】
まず、本発明で開口部150の隅部200に設置する補強金物Aの構成について説明する。図1に示すように、この例の補強金物Aは補強部材本体1を備え、この補強部材本体1は第1固定片10及び第2固定片20を直角に接合した形状を有するものであり、ここでは、金属のアングル材が使われている。
また、補強部材本体1は壁の開口部150の隅部200にコンクリート壁100の厚み方向に配置され、それぞれの固定片10,20は開口部150の隅部200を挟む2辺に沿って配置される。
【0020】
また、この補強金物Aの補強部材本体1のコンクリートと接触する側の表面には周囲のコンクリートとの付着性を良くするため、付着手段として適宜な大きさのスタッドボルト15(延出部材、棒状部材)をコンクリート壁100の面方向に沿って、補強部材本体1の固定片10,20の開口部150の反対側、固定片10,20に対して直角に設ける。さらに、前記補強部材本体1の両端部11、12には防錆処理を施す。
また各固定片10、20には、長手方向に沿って図示しない釘等の固定部材を挿通させる釘穴13が、それぞれ少なくとも2箇所ずつ設けられている。
【0021】
前記スタッドボルト15は、例えば軸部35bと軸部35bより径の大きな頭部35aとを備える。
またスタッドボルト15とそれぞれの固定片10、20の固定方法は、スタッドボルト15の軸部15bの端部とそれぞれの固定片10、20を溶接して固定する。
【0022】
そして、この補強金物Aの長手方向のほぼ中央には、壁の面方向に沿って四分円状の切欠部を有する略円状の板状部材30を補強部材本体1に垂直な方向に設ける。その際、板状部材の前記切欠部側の端面31が第1固定片10及び第2固定片20に溶接され固定されている。
また、前記板状部材30の表面には周囲のコンクリートとの付着性を良くするため、付着手段として適宜な大きさの凹凸(突起)が多数設けられている。この突起は、例えば半球状に形成されている。付着手段としては、これ以外にも目荒らしなども用いることもできる。
また前記板状部材30には該板状部材30と垂直な方向、すなわち壁の面方向に沿ってスタッドボルト35を設ける。このスタッドボルト35の構成は上述した各固定片10、20に溶接したものと同様に頭部10aと軸部10bを備えた構成とする。前記板状部材30とスタッドボルト35は溶接により取付けられている。
【0023】
次に上記で説明した補強金物Aの変形例について説明する。図2は第1の実施の形態の第1変形例を示す斜視図並びに断面図である。
図2に示すように、第1変形例の補強金物Bは、上記例と主な構成はほぼ同じであり、上記で説明した上記例と同様に、補強部材本体1をほぼ直角に屈曲した形状に、第1固定片10及び第2固定片20が形成されている。そして、前記固定片10、20の端部11、12に設ける防錆処理、釘穴13、そしてスタッドボルト15等の構成は上記例の構成とほぼ同じである。
【0024】
そして、上記例においては補強部材本体1の中央に設置する略円盤状の板状部材30にスタッドボルト35を固定したが、上記例と異なる構成として、第1変形例ではスタッドボルト35に代え、例えば後述する鉄筋40を設ける。
【0025】
使用する鉄筋40はコンクリートとの付着を良くするため、普通丸鋼に比べて付着特性が高い異形鉄筋を使用するものとしても良い。また、異形鉄筋のふしの間隔、高さ、傾きなどの表面形状も付着特性に大きな影響を及ぼすため、例えば異形鉄筋のふしの間隔が小さく、またふしの高さが大きい異形鉄筋を使用するものとしても良い。
【0026】
次いで、鉄筋40を前記板状部材30に固定するため、まず板状部材30上に該板状部材30の外周に沿うように複数の貫通孔36を設ける。この貫通孔36の直径は鉄筋40が挿通可能なように鉄筋40の直径よりやや大きくする。
そして、それぞれの貫通孔36には所定の長さに切断した鉄筋40を挿通させる。なお、貫通孔36の表面側と裏面側の入口部分と前記鉄筋40の外周部分を溶接し固定しても良い。
【0027】
図2に示すように、前記板状部材30上には複数の貫通孔36を設けているが、この貫通孔36に固定する鉄筋30の本数や鉄筋30の配置は適宜変更しても良い。なお、コンクリートが開口部150の隅部200に十分充填されるために、各鉄筋40間のかぶり厚等を考慮した上で鉄筋40の本数、配置を決定する。
【0028】
次に第2変形例について説明する。図3は第2変形例を示す斜視図並びに断面図である。
図3に示すように、第2変形例は、上記例と主な構成はほぼ同じであり、上記で説明した上記例と同様に、補強部材本体1をほぼ直角に屈曲した形状に、第1固定片10及び第2固定片20が形成されている。そして、前記固定片10、20の端部11、12に備える防錆処理、釘穴13、そしてスタッドボルト15等の構成は上記例の構成とほぼ同じである。
【0029】
そして、上記例と異なる構成として、第2変形例においては補強部材本体1の中央に1箇所、略円盤状の板状部材30を固定したが、第2変形例では補強部材本体1の左右に2箇所、略円盤状の板状部材30a、30bを設ける構成とする。
【0030】
図3に示すように、前記補強部材本体1の中央から所定の距離だけ離れたそれぞれの位置に、上記で説明した略円盤状の板状部材30a、30bを補強部材本体1に垂直に設けるが、それぞれの板状部材30a、30bには上記例で説明したように、板状部材30a、30bにスタッドボルト35を固定する。
【0031】
次に第3変形例について説明する。図4に示すように第3変形例における補強金物Dは、固定片10、20板状部材30a、30b、スタッドボルト15などを備えて建築物の開口部150の補強として備えるものである。そして基本的な構成は、上記例における補強金物Aと同様である。
【0032】
第3変形例では、第2変形例で説明したように、補強部材本体1の左右に2箇所、略円盤状の板状部材30a、30bを設ける構成とする。そして、前記の板状部材30a、30bには第1変形例で示すような、板状部材30a、30bの外周に沿って複数の貫通孔36を設ける。この左右に設けるそれぞれの板状部材30a、30bにおいては全く同様の構成とした。
そして、上述した鉄筋40を一方の板状部材30aの貫通孔36に挿通させ、さらに他方の板状部材30bの同一線上に位置する貫通孔36を挿通して鉄筋40を配置する。なお、板状部材30a,30bに鉄筋40を溶接により固定しても良い。
【0033】
次に、図5に基づき上記で説明した本実施の形態に係る補強金物A、B、C、Dを開口部150の隅部200に固定させる作業について説明する。
【0034】
図5は、前記補強金物A、B、C、Dを開口部150に適用した例を示す正面図で、コンクリート壁100には先ず、壁筋110である縦筋115と横筋120を、互いに所定箇所で結束線で緊結しながら配筋する。前記の壁筋110は耐震性を考慮してダブル配筋を行う。また、開口部150には開口縁部を補強するために開口に沿って横方向縁鉄筋と縦方向縁鉄筋を配筋しても良い。
【0035】
次いで、開口部150の周りの上面、下面、左面、右面に型枠250を設け、前記型枠250に本発明の補強金物A、B、C、Dを固定する。まず、開口部150に設けた型枠250のコンクリート壁100の隅部200に補強金物A、B、C、Dの折曲部分をコンクリート壁100の厚み方向に沿って当接させ、前記固定片10、20の釘穴13に図示しない釘又はネジを打ち込み前記型枠250と固定する。この状態において、壁筋110がダブル配筋されているので、室内側と屋外側の壁筋110の間に十分なスペースを取ることができ、補強金物A、B、C、Dの略円盤状の板状部材30、30a、30bやスタッドボルト15が取付の際の妨げにならない。
【0036】
図5は、上記補強金物A、B、C、Dの設置後の状態を示しており、このように、開口部150の四隅には補強金物A、B、C、Dが開口部150の隅部200に壁筋110の間を縫うように固定され、室内側と屋外側の壁筋110の間を埋めるように、立体的な構成とされている。また図5に示すように、隅部200挟む開口部150の二辺に対して斜めになるように補強筋125を配置しても良い。この際に、補強筋125と板状部材30、30a、30bやスタッドボルト15がコンクリート壁100の厚み方向に重なるようにする。
【0037】
次に、室内側と屋外側の壁筋110の両側から図示しない型枠を設ける。なお両側の型枠どうしは、所定箇所に設けられる図示しないセパレータによって、互いに所定間隔が保たれている。
次に、コンクリートを打設する。コンクリート打設の際には、図示しないコンクリート打設管を移動させながら、図示しないバイブレータによって十分締め固める。 コンクリート打設後、所定期間養生を行いコンクリートを硬化させる。
【0038】
以上のように、実施の形態によれば、補強金物A、B、C、Dに備えた複数のスタッドボルト15、35や複数の鉄筋40、そして略円盤状の板状部材30により、開口部150の隅部200でのコンクリートの引張り及び収縮力を吸収し、ひび割れの発生を有効に防止することができる。
また、この実施の形態に係る補強金物A、B、C、Dを有効に機能させるために図示しない他の補強金物と組合せて使用することで、さらにひび割れを防止する効果を向上することが可能となる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、開口部の隅部において、補強部材本体から開口部の反対側に延出して埋設された板状部材や棒状部材が、コンクリートの乾燥収縮や外力等の応力集中により生じる引張力を受けることで、コンクリートへの負担を軽減して、コンクリートの開口部の隅部にクラックが発生するのを防止するとともに、クラックが発生してしまった場合でも、発生後のひび割れ幅の増大を防止することができる。
また、棒状部材と板状部材とを組み合わせることにより、コンクリートの充填性を悪くすることなく、クラックの発生を防止する機能を向上することができる。
さらに、板状部材にコンクリートの厚み方向に沿って棒状部材を設けることにより、板状部材の定着力を向上することができる。
また、板状部材及び棒状部材の配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、開口部の隅部において、補強部材本体から開口部の反対側に延出して埋設された板状部材や棒状部材が、コンクリートの乾燥収縮や外力等の応力集中により生じる引張力を受けることで、コンクリートへの負担を軽減して、コンクリートの開口部の隅部にクラックが発生するのを防止するとともに、クラックが発生してしまった場合でも、発生後のひび割れ幅の増大を防止することができる。
また、棒状部材と板状部材とを組み合わせることにより、コンクリートの充填性を悪くすることなく、クラックの発生を防止する機能を向上することができる。
さらに、板状部材の孔に貫通するとともに、コンクリートの厚み方向に沿って鉄筋を配置することにより、板状部材の定着力を向上することができる。また、板状部材には、複数の孔が設けられているので、必要な強度等に合わせて板状部材を貫通する鉄筋の本数を変えたり、鉄筋の配置位置を変えたりすることができる。さらに、板状部材及び棒状部材と鉄筋との配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【0044】
請求項3記載の発明によれば、壁開口補強部材と補強筋との相乗効果により、クラックの発生を予防する効果を増大することができる。また、板状部材及び棒状部材の配置が立体的な構成であるため、多方向から継続的に作用するコンクリートの乾燥収縮や外力等の引張力を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の補強金物A(開口補強部材)を示す斜視図である。
【図2】図1における補強金物Aの変形例で、補強金物Bを示す斜視図である。
【図3】図1における補強金物Aの変形例で、補強金物Cを示す斜視図である。
【図4】図1における補強金物Aの変形例で、補強金物Dを示す斜視図である。
【図5】上記の補強金物A,B,C,Dを開口部に取付けた状態を説明する断面概略図である。
【図6】上記の補強金物A,B,C,Dを開口部に取付ける前の状態を説明する断面概略図である。
【符号の説明】
A、B、C、D 補強金物(開口補強金物)
1 補強部材本体
10、20 固定片
13 釘穴
15、35 スタッドボルト(棒状部材)
30、30a、30b 板状部材
36 貫通孔
40 鉄筋
100 コンクリート壁
110 壁筋
150 開口部
200 隅部
250 型枠
Claims (3)
- コンクリート壁の開口部の二辺に挟まれた隅部に配置されてコンクリート壁を補強する開口補強部材であって、
前記開口部の二辺に沿う二つの固定片を備えたアングル状で、かつ、前記隅部にコンクリート壁の厚み方向に沿ってコンクリート壁にほぼ埋設された状態で配置される補強部材本体と、
該補強部材本体から前記開口部の反対側に延出してコンクリート壁に埋設される複数の延出部材とを備えており、
前記延出部材は、先端部が基部より拡径されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される複数の棒状部材と、
前記補強部材本体の二つの固定片の両方に接合されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される板状部材とを有しており、
前記板状部材に、コンクリート壁の厚み方向に沿って延在する棒状部材が設けられていることを特徴とする開口補強部材。 - コンクリート壁の開口部の二辺に挟まれた隅部に配置されてコンクリート壁を補強する開口補強部材であって、
前記開口部の二辺に沿う二つの固定片を備えたアングル状で、かつ、前記隅部にコンクリート壁の厚み方向に沿ってコンクリート壁にほぼ埋設された状態で配置される補強部材本体と、
該補強部材本体から前記開口部の反対側に延出してコンクリート壁に埋設される複数の延出部材とを備えており、
前記延出部材は、先端部が基部より拡径されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される複数の棒状部材と、
前記補強部材本体の二つの固定片の両方に接合されるとともに、前記コンクリート壁のほぼ面方向に沿って配置される板状部材とを有しており、
前記板状部材に、複数の孔が形成され、該孔のうちの少なくとも一つを貫通するように、コンクリート壁の厚み方向に沿って鉄筋が配置されていることを特徴とする開口補強部材。 - 請求項1または2に記載の開口補強部材を用いた開口部を有するコンクリート壁であって、
前記開口部の隅部に前記開口補強部材が配置されるとともに、前記補強部本体から延出する延出部と前記コンクリート壁の厚み方向に重なる位置を通り、かつ、該隅部挟む開口部の二辺に対して斜めになるように補強筋が配置されていることを特徴とするコンクリート壁。
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JPS59106656A (ja) * | 1982-12-11 | 1984-06-20 | 株式会社 坪井善勝研究室 | 鉄筋の定着構造 |
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