JP4746329B2 - 大口径望遠ズームレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、銀塩カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に用いられる大口径望遠ズームレンズに関するものである。
大口径望遠ズームレンズやFナンバーが2.8クラスのズームレンズとしては例えば特開2000−19398号公報、特開平7−294816号公報、特開2004−94056号公報、特開平7−13079号公報が知られている。
特開2000−19398号公報 特開平7−294816号公報 特開2004−94056号公報 特開平7−13079号公報
上記特許文献のうち、特開2000−19398号公報は大きく重い第1レンズ群内部にフォーカス群を有しており、また特開平7−294816号公報も大きく重い第2レンズ群をフォーカス群としており、迅速なフォーカシングが困難であった。また、特開2004−94056号公報は、変倍時に大きく重い第1レンズ群を移動させるので、重量バランスを欠いた。
特開平7−13079号公報は、変倍時にレンズ全長が固定であり、フォーカス群を第4レンズ群内部の小型軽量なレンズ群にすることで迅速なフォーカシングが可能であるが、機構的なスペースが少ない結像面側にフォーカス機構を入れなければならず、機構条件を満足することは非常に困難であった。近年では、大口径で変倍時にもレンズ全長が固定で、迅速なフォーカシングが求められている。
本発明は、変倍時にレンズ全長が固定で、フォーカシングをレンズ径が小さく構成枚数を少なくできる第3レンズ群で行うことで迅速なフォーカシングが可能であり、光学性能が良好な大口径望遠ズームレンズを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明では、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群から成り、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第4レンズ群は光軸に対して固定であり、第2レンズ群は光軸上を像面に向かって移動し、フォーカシングは第3レンズ群を光軸方向に移動させる。
本発明の好ましい態様によれば、レンズ全系の結像面の最大像高をih、任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面の最大主光線高及び最も像面側の面と結像面との光軸上の距離をそれぞれhG4、Bfとし、以下の条件を満足させる。
(1)|(ih−hG4)/Bf|≦0.23
但し、ih:レンズ全系の結像面の最大像高
G4:任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面の最大主光線高
Bf:任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面と結像面との光軸上の距離
また、第1レンズ群及び望遠端におけるレンズ全系の焦点距離をそれぞれf 、f 、望遠端における第3レンズ群の結像倍率をβ 3T とし、以下の条件を満足させる。
(2)0.5≦f /f ≦0.9
(3)4.5≦β 3T ≦9.0
但し、f :第1レンズ群の焦点距離
:望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
β 3T :望遠端における第3レンズ群の結像倍率
また、第1レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数をν とし、以下の条件を満足させる。
(4)70.0<ν
但し、ν :第1レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数
また、第4レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数をν とし、以下の条件を満足させる。
(5)75.0<ν
但し、ν :第4レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数
また、広角端と望遠端の最短撮影距離をそれぞれIO、IOとし、以下の条件を満足させる。
(6)0.95≦IO/IO≦1.05
但し、IO:広角端での結像面から被写体までの最短撮影距離
IO:望遠端での結像面から被写体までの最短撮影距離
本発明によれば、物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群から成り、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第4レンズ群は光軸に対して固定であり、第2レンズ群は光軸上を像面に向かって移動し、フォーカシングは第3レンズ群を光軸方向に移動させて行うことで、迅速なフォーカシングが行え、光学性能が良好な大口径ズームレンズを達成することができる。
近年では、撮像素子にCCD、CMOSを用いたデジタルカメラが主流となり、撮像素子への入射角が大きくなるとシェーディングが問題となってくるので、周辺光束の射出角が小さくなる光学系が求められている。
条件式(1)は、第4レンズ群G4の最も像面側の面の最大主光線高と射出角を規定するものである。条件式(1)の範囲を越えると第4レンズ群G4の最も像面側の面の最大主光線の射出角が大きくなり、デジタルカメラに用いられる撮像素子へ到達する光線の入射角が大きくなるのでシェーディングが問題となる。
条件式(2)は、第1レンズ群G1の焦点距離と望遠端における全系の焦点距離の比率を規定するものである。条件式(2)の上限値を越えると、第1レンズ群G1の焦点距離が大きくなりすぎて収差補正には有利であるが、レンズ全系をコンパクト化することができない。条件式(2)の下限値を越えると、レンズ全系のコンパクト化には有利であるが、十分な収差補正が困難となり、光学性能を良好にすることができない。
条件式(3)は、望遠端での第3レンズ群G3の結像倍率を規定するものである。条件式(3)の上限値を越えると第3レンズ群G3の結像倍率は大きくなるのでフォーカシング移動量が小さくなり、コンパクト化には有利となるが、フォーカシング時の収差変動が大きくなり、光学性能を良好に補正することができない。条件式(3)の下限値を越えると、フォーカシング時の収差変動が小さくなり光学性能を良好にすることが可能となるが、フォーカシング移動量が大きくなり、コンパクト化には不向きとなる。
条件式(4)は第1レンズ群G1中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数を規定するものである。条件式(4)の下限値を越えると、軸上色収差と倍率色収差を良好に補正することができない。
条件式(5)は第4レンズ群G4中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数を規定するものである。条件式(5)の下限値を越えると、軸上色収差の2次スペクトルを良好に補正することができない。
条件式(6)は、広角端と望遠端の最短撮影距離の比率を規定したものである。条件式(6)の範囲を越えると、広角端と望遠端の最短撮影距離の差が大きくなるので変倍によるピント変動が大きくなり、ズームレンズとしての使用感を損ねる。
以下に、本発明の大口径望遠ズームレンズの実施例1および実施例2を示す。ここで(全体諸元)中、fは焦点距離、FnoはFナンバー、2ωは画角を示す。(レンズ諸元)中、番号は物体側から順にレンズの面番号、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ面間隔、nはd線の屈折率、νはアッベ数を示す。また、Bfはバックフォーカス、Objは被写体からレンズ第1面までの距離を示す。
(全体諸元)
f=90.95〜248.91mm
Fno=2.86
2ω=14.0°〜5.0°
(レンズ諸元)
番号 r d n ν
[1] 303.0303 3.6000 1.80518 25.4
[2] 158.2278 0.4000
[3] 165.3294 12.9075 1.49700 79.3
[4] −342.6515 0.5000
[5] 114.4800 10.6099 1.49700 79.3
[6] 514.0033 d6
[7] 126.5572 7.2777 1.80518 25.5
[8] −97.3517 4.0000 1.58144 40.9
[9] 97.3517 2.7247
[10]−1000.00 2.0000 1.83481 42.7
[11] 44.1278 4.6360 1.80518 25.5
[12] 91.7211 4.9694
[13] −64.7005 1.8000 1.80610 40.7
[14] 250.5384 d14
[15] 185.7807 8.7278 1.48749 70.4
[16] −42.2040 1.9164 1.80610 40.7
[17] −66.1154 d17
[18] 125.3059 5.6671 1.69680 55.5
[19] −125.3059 0.3614
[20] 39.3540 7.7928 1.49700 81.6
[21] −555.6497 1.8647 1.80610 33.3
[22] 75.6659 7.2000
[23] 絞り 10.9938
[24] −185.2456 3.0000 1.77250 49.6
[25] 142.4966 14.2983
[26] 67.5773 6.1449 1.84666 23.8
[27] −27.8177 3.6728 1.80518 25.5
[28] 27.8177 19.7241
[29] 49.0535 5.6750 1.70154 41.1
[30] −250.0000
(無限遠撮影時の変倍における可変間隔)
f 90.95 150.52 248.91
d6 19.6268 53.7367 75.4497
d14 45.2255 31.2025 6.3585
d17 43.8896 23.8027 26.9324
Bf 42.72 42.66 42.68
(有限物体距離撮影時の変倍における可変間隔)
f 90.95 150.52 248.91
Obj 2196.0763 2196.1327 2196.1142
d6 19.6268 53.7367 75.4497
d14 49.0058 40.2551 27.9014
d17 40.1093 14.7501 5.3895
Bf 42.72 42.66 42.68
(条件値)
(1)|(ih−hG4)/Bf|=0.052 (f=90.95mmの場合)
|(ih−hG4)/Bf|=0.054 (f=150.52mmの場合)
|(ih−hG4)/Bf|=0.029 (f=248.91mmの場合)
(2)f /f =0.74
(3)β 3T =7.45
(4)ν =79.3
(5)ν =79.3
(6)IO/IO=1.00
(全体諸元)
f=90.12〜249.93mm
Fno=2.87
2ω=14.2°〜5.2°
(レンズ諸元)
番号 r d n ν
[1] 212.7004 3.6032 1.80518 25.4
[2] 127.6626 12.6661 1.49700 79.3
[3] −594.7570 0.4514
[4] 126.4259 9.5433 1.49700 79.3
[5] 888.8917 d5
[6] 155.5189 7.5118 1.80518 25.5
[7] −80.6835 2.1766 1.58144 40.9
[8] 80.6835 3.0693
[9] 355.7196 2.0019 1.80610 40.7
[10] 32.6782 5.0185 1.75520 27.5
[11] 107.2705 5.1400
[12] −54.3832 1.7224 1.83400 37.3
[13] 445.0870 d13
[14] 294.8020 8.1917 1.60625 63.7
[15] −43.6576 1.9164 1.83400 37.3
[16] −79.3554 d16
[17] 142.0510 5.9191 1.60625 63.7
[18] −96.8800 0.1500
[19] 43.2367 6.3561 1.49700 81.6
[20] 391.0322 1.4464
[21] −277.0892 1.6400 1.80610 33.3
[22] 125.7130 9.3960
[23] 絞り 17.9461
[24] 129.7694 2.5613 1.58144 40.9
[25] 47.3253 3.6770
[26] 71.4299 5.7264 1.80518 25.5
[27] −29.5546 1.5488 1.74077 27.8
[28] 29.5545 21.2884
[29] 52.4597 5.4562 1.58144 40.9
[30] −187.9068
(無限遠撮影時の変倍における可変間隔)
f 90.12 150.56 249.93
d5 17.0302 51.2830 72.8187
d13 42.6540 28.2757 2.7955
d16 54.5633 34.6944 38.6275
Bf 42.21 42.20 42.22
(有限物体距離撮影時の変倍における可変間隔)
f 90.12 150.56 249.93
Obj 1697.4140 1697.4197 1697.4109
d5 17.0302 51.2830 72.8187
d13 47.3066 39.3395 28.6185
d16 49.9107 23.6306 12.8045
Bf 42.21 42.20 42.22
(条件値)
(1)|(ih−hG4)/Bf|=0.065 (f=90.12mmの場合)
|(ih−hG4)/Bf|=0.071 (f=150.56mmの場合)
|(ih−hG4)/Bf|=0.043 (f=249.93mmの場合)
(2)f /f =0.72
(3)β 3T =6.96
(4)ν =79.3
(5)ν =79.3
(6)IO/IO=1.00
実施例1のレンズ断面図である。 実施例1の無限遠撮影時の広角端の諸収差図である。 実施例1の無限遠撮影時の中間焦点距離の諸収差図である。 実施例1の無限遠撮影時の望遠端の諸収差図である。 実施例1の有限物体距離撮影時の広角端の諸収差図である。 実施例1の有限物体距離撮影時の中間焦点距離の諸収差図である。 実施例1の有限物体距離撮影時の望遠端の諸収差図である。 実施例2のレンズ断面図である。 実施例2の無限遠撮影時の広角端の諸収差図である。 実施例2の無限遠撮影時の中間焦点距離の諸収差図である。 実施例2の無限遠撮影時の望遠端の諸収差図である。 実施例2の有限物体距離撮影時の広角端の諸収差図である。 実施例2の有限物体距離撮影時の中間焦点距離の諸収差図である。 実施例2の有限物体距離撮影時の望遠端の諸収差図である。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群

Claims (4)

  1. 物体側より順に正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群から成り、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第4レンズ群は光軸に対して固定であり、第2レンズ群は光軸上を像面に向かって移動し、フォーカシングは第3レンズ群を光軸方向に移動させて行う大口径望遠ズームレンズであって、レンズ全系の結像面の最大像高をih、任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面の最大主光線高及び最も像面側の面と結像面との光軸上の距離をそれぞれhG4、Bf、第1レンズ群及び望遠端におけるレンズ全系の焦点距離をそれぞれf 、f 、望遠端における第3レンズ群の結像倍率をβ 3T とし、以下の条件を満足することを特徴とする大口径望遠ズームレンズ。
    (1)|(ih−hG4)/Bf|≦0.23
    (2)0.5≦f /f ≦0.9
    (3)4.5≦β 3T ≦9.0
    但し、ih:レンズ全系の結像面の最大像高
    G4:任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面の最大主光線高
    Bf:任意の変倍時における第4レンズ群の最も像面側の面と結像面との光軸上の距離
    :第1レンズ群の焦点距離
    :望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
    β 3T :望遠端における第3レンズ群の結像倍率
  2. 第1レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数をνとし、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の大口径望遠ズームレンズ。
    )70.0<ν
    但し、ν:第1レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数
  3. 第4レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数をνとし、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の大口径望遠ズームレンズ。
    )75.0<ν
    但し、ν:第4レンズ群中の少なくとも1枚以上の正レンズのアッベ数
  4. 広角端と望遠端の最短撮影距離をそれぞれIO 、IO とし、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の大口径望遠ズームレンズ。
    (6)0.95≦IO /IO ≦1.05
    但し、IO :広角端での結像面から被写体までの最短撮影距離
    IO :望遠端での結像面から被写体までの最短撮影距離
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