JP4745000B2 - 交流atき電回路用故障点標定装置の故障検知装置 - Google Patents

交流atき電回路用故障点標定装置の故障検知装置 Download PDF

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本発明は、電気鉄道における交流ATき電回路に発生する地絡故障や短絡故障の故障種別と故障個所を特定するための交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置に関する。
一般に交流電気鉄道におけるATき電回路は、図12に示すような系統構成となっている。
図12において、鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源をき電区分所SPで区分している。更に、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。これら変電所SS及びそれぞれのき電区分所SP,SSPには単巻変圧器ATを備えている。
ここで、き電区分所SPで双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電といい、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電という。
上記電車線には下り線と上り線があり、上下線は変電所及び各区分所に備える上下線タイ開閉器により分離または結合して運用する。
ATき電回路は、図13に示すようにトロリ線T、フィーダ線(き電線)F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。また、変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。さらに、トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とフィーダ線に帰還し、変電所SSの電源に流れる。
ところで、このようなATき電回路の系統構成において、故障点の標定は、次のようにして行われている。
まず、変電所SSでは、一般的に図14に示すような電車線の線路短絡インピーダンスを検出している。
図14に示すように、T−F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむインピーダンス特性を有している。このため、線路リアクタンスから求める故障点標定は、T−F短絡以外の故障に対し、標定精度が著しく低下する。また、電車線路の構成からT−F短絡は発生頻度が少なく、故障の多くは碍子せん絡や飛来物によるT−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡かT及びFの地絡である。
そこで、線路インピーダンスが上部に膨らむ故障については、AT区間の故障電流がレールRと保護線PWとで接続される区間両端のAT中性点に流れることを利用して故障点の標定を行っている。
次に図15にT−R短絡故障の一般的な故障電流分布を示す。
図15において、トロリ線TとレールRに流れる故障点電流は、故障区間両端のAT中性点に吸上げられ、ATによってき電電圧基準に変換(1/2)された電流が変電所(SS)に帰還するので、故障区間両端のATは電気車電圧基準の電源として作用する。
また、図16に故障電流のAT吸上げ原理図を示す。図16は簡略のため両端AT,ATを同じ電圧、位相の電源とし、き電電圧基準系を無視している。
図16に示す原理図から故障区間両端ATの吸上げ電流(I1,I2)は次式で求まる。
1=V・(Z2)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (1)
2=V・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、V:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT−F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。
図17は上述した従来の故障点標定における故障標本量測定装置の構成図である。
図17は電車線路の上下線に配置される複数のAT区間の任意AT区間ATnを代表例として示している。ATn区間両端の故障標本量測定装置13は、両端ATn、ATn+1のき電電圧と中性点電流を上下線ともに電気量入力として取り込み、故障発生時には装置外部の保護装置13aが検知した故障検知信号を保護遮断までの短時間に、事故検知トリガ同期通信回路13bと専用通信線13cを介して同一電源領域のき電区間に配置されている全ての標本量測定装置13が同時に標本量を測定するように構成している。
上記標本量測定装置13において、故障相検知ブロック13dはき電電圧とAT中性点電流の位相関係から図18に示すように電圧と電流の位相(θ)関係から故障種別(故障相)を判別している。つまり電圧と電流位相θが同位相領域であればトロリ線故障、逆位相領域であればフィーダ線故障とする故障相検知を行っている。
なお、位相角θは図18に示す一般的な数式例による電圧と電流の有効・皮相電力の比からも求めることができる。
また、電流実行値演算ブロック13eは、AT中性点電流の1サイクル波形演算から実行値を算出し、AT中性点電流標本量を常時測定している。
標定情報記憶・送信ブロック13fは事故検知トリガ時点の故障相情報と電流標本量測定情報を保存して、図示しない遠隔の事故点標定演算装置に保存した情報を2桁のディジタル符号に変換して送信する。
図示しない遠隔の故障点標定演算装置は、電車線路の各AT区間の両端から送信された故障発生時の標本量情報、つまりそれぞれのATの中性点電流の値から上述の図16に示した原理に基づいて故障点距離を算出している。
このように鉄道き電回路電車線の上下線は、大別すると電気車に電力を送電するトロリ線T、フィーダ線F、レールR、保護線PWなどの電力線からなる送電区間と、上下線タイ開閉器で結合或いは分離するき電ポスト(SS、SSP、SP)から構成されている。
しかるに、故障は多様な個所でT地絡故障、F地絡故障、或いはT−R短絡故障、T−PW短絡故障,F−R短絡故障,F−PW短絡故障、さらにはT−F短絡故障が発生する。
一方、故障点標定装置には一旦故障が発生した場合の迅速な復旧処置のために故障発生点の選択性と故障点標定距離の正確性が求められる。
しかしながら、上述したAT区間両端のAT吸上電流比による故障点標定原理には次に述べる不具合(ア),(イ),(ウ)がある。
(ア)T−F短絡故障電流は、トロリ線とフィーダ線に帰還し、AT中性点に流れない。このため、AT吸上電流比標定の原理ではT−F短絡故障点を特定できない。T−F短絡故障は故障点までの線路インピーダンスが故障点距離とほぼ直線的な関係を示すので、リアクタンス標定は可能であるが、境界点近傍の故障では変電所で検出する故障リアクタンスが両区間とも同等になるので、故障区間を特定することはできない。また、上述のように、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールRと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむため、他の故障種別に対して故障区間の特定は困難である。
(イ)AT近傍の故障は、ATより起点側の電車線故障、き電ポスト構内故障、ATより終点側の電車線故障の三区間に区分されるが、いずれで発生する故障もATの中性点電流では故障区間を判別できない。
(ウ)電車線路に配置されるSS、SSP、SPには、それぞれ上下線を結合−分離する上下線タイ開閉器を備えている。この上下線タイ開閉器で上下線が結合される場合は故障電流が上下線のATにほぼ半分ずつ流れる。このため各AT個所では上下線ATの中性点電流を合計して区間両端の吸上げ電流比を求めることから、結果として故障発生個所が上り線か下り線であるかを特定できない。
本発明は上記のような問題を解消し、T−F短絡故障を含む全故障種別に対し、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく、区間境界の近傍で発生する故障や、区間内に発生する故障と故障種別を確実に検知することができる交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離区間毎に配置された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障を検知する交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、前記AT区間の両端の電気量をそれぞれ取り込んで任意形態の電気量情報に変換するアナログ入力変換手段と、このアナログ入力変換手段により取り込まれたAT区間両端の電気量情報のベクトル合成値を算出する電気量演算手段と、この電気量演算手段で算出したAT区間両端のベクトル合成値から故障発生と故障種別とを判定する故障検知手段とを備える。
また、本発明は交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離区間毎に配置された単巻変圧器AT設置点の両翼のき電区分所構内に発生する故障を検知する交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、前記単巻変圧器AT設置点の両翼の電気量をそれぞれ取り込んで任意形態の電気量情報に変換するアナログ入力変換手段と、前記AT構内両翼のトロリ電流とフィーダ電流のベクトル総和電流とAT吸上げ電流を求める電気量演算手段と、この電気量演算手段で求められたAT構内両翼のトロリ電流とフィーダ電流のベクトル総和電流からき電区分所構内に発生する故障を検知し、前記ベクトル総和電流とAT吸上げ電流の比率値から故障種別を判定する故障検知手段とを備える。
本発明によれば、従来のAT吸上電流比標定及びリアクタンス標定による故障点判別性能の不足点を解消し、T−F短絡故障を含む全故障種別に対し、T−F短絡故障を含む全故障種別に対し、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく、区間境界の近傍で発生する故障や、区間内に発生する故障と故障種別を確実に検知することができる。
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明による交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置の第1の実施形態を示す構成図であり、本実施形態では図12に示す系統構成のATき電回路下り線の任意AT区間を代表例として説明する。
図1において、電車線はトロリ線T、レールR、フィーダ線Fに代表される電力送電線で構成され、それぞれのAT区間(ATn区間)は、単巻変圧器ATが設置される変電所SS、又はき電区分所SP或いは、補助き電区分所SSPなどを境界としてそれぞれ区分されている。
図1の任意ATn区間で示すように、それぞれのAT区間は両端のトロリ線Tとフィーダ線Fに設けられた計器用変流器CTTbn,CTFbn,CTTan+1、CTFan+1の二次電流ITn,IFn,ITn+1,IFn+1を故障区間検知のための電気情報として故障検知装置1に導入する。
ここでは、トロリ線T、フィーダ線Fともに計器用変流器からの導入電流はATn区間方向を基準極性として示した一例である。
上記故障検知装置1は、単巻変圧器AT設置点の起点側と終点側両翼の電気量情報を取り込む入力変換手段2と、この入力変換手段2により取り込まれたAT区間両端の電気量情報のベクトル合成値を算出する電気量演算手段3と、この電気量演算手段3で算出したAT区間両端ベクトル合成値から故障発生と故障種別とを判定する故障検知手段4とから構成されている。
入力変換手段2は、導入電流ITn,IFn,ITn+1,IFn+1をそれぞれ任意電気量情報(アナログ情報、或いはCPU処理のためのディジタルサンプリング情報など情報の形態は限定しない)に変換して取り込む。
電気量演算手段3は、ATn区間両端の各々同一端同士のトロリ線電流とフィーダ線電流から区間に流入する対地或いはレールに帰還する区間流入合成電流情報を算出する。
事故区間検知手段4は、電気量演算手段3で算出した区間流入合成電流値と予め定めた任意値との比較判定からATn区間の故障を検知する。
電気量演算手段3における区間流入合成電流情報の算出と、事故区間検知手段4における比較判定は次式により行われる。
区間流入合成電流情報を求める式
ΣI=ITbn+IFbn
ΣI=ITan+1+IFbn+1
事故区間検知(区間流入電流)の比較判定式
ΣI+ΣI≧k
事故種別検知(区間流入電流)の比較判定式
ΣI+ΣI≧k…… トロリ故障
ΣI+ΣI≦-k…… フィーダ故障
但し、ΣI:AT区間の起点(電源)方面端の合成電流
ΣI:AT区間の終点(反電源)方面端の合成電流
Tbn:AT区間の起点(電源)方面端のトロリ線電流
Fbn:AT区間の起点(電源)方面端のフィーダ線電流
Tan+1 :AT区間の終点(反電源)方面端のトロリ線電流
Fan+1:AT区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線電流
k:予め定めた判定比較定数
図2及び図3はAT区間で発生する故障電流の分布例であり、図2はトロリ〜レール短絡故障例、図3はフィーダ〜レール短絡故障例を示し、区間両端の計器用変流器からの導入電流はトロリ、フィーダともにAT区間方向を基準極性として示した一例である。
図2において、故障電流はトロリ線から区間故障点に流入してレールに帰還し、区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点から吸上げられ、それぞれの単巻変圧器ATn,ATn+1に吸上げられた中点電流(IATn、IATn+1)は単巻変圧器のトロリ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IATn、0.5IATn+1)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn区間の両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表1に示す値となる。つまり、比較判定値はトロリ線から区間に流入する故障電流IATn+IATn+1で、正(+)の値である。
Figure 0004745000
また、図3に示すようにフィーダ線故障の場合、故障電流はフィーダ線故障点からレールに帰還し、区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点に吸上げられ、トロリ線故障電流とは逆位相となる。
各単巻変圧器ATn,ATn+1に吸上げられた中点電流IATn、IATn+1は単巻変圧器のフィーダ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IATn、0.5IATn+1)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn区間の両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表2に示す値となる。つまり、比較判定値はフィーダ線から区間に流入する故障電流−(IATn+IATn+1)で負(−)の値である。
Figure 0004745000
このように上記第1の実施形態では、各区間の両端において、区間両端のベクトル合成電流和から区間流入電流を求め、この区間流入電流の値から故障発生を検知する。故障発生の当該故障点には、当該区間両翼の境界点からAT区間故障点に、或いはAT構内両翼から構内故障点に故障電流の流入電流成分が発生する。
一方、健全なAT構内及びAT区間では、故障電流が構内両翼、及び区間両端を逆位相で通過するため相殺されて流入電流成分は発生しないが、健全区間を走行する電気車負荷電流は区間両端から区間流入電流成分となって発生する。
しかるに、故障電流が区間を走行する電気車負荷電流よりも明らかに大きいき電回路への適用において、故障個所(AT構内・上り線・下り線)と故障種別(トロリ・フィーダ・トロリ〜フィーダ)を確実に検知することが可能となる。
次に本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端でトロリ電流とフィーダ電流とをベクトル合成して区間端合成電流を求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求めた区間端の合成電流の変化量から故障発生と故障種別とを判定するようにしたものである。
区間を走行する電気車負荷電流はトロリ線とレールを帰還して両端の単巻変圧器ATに吸上げられるので、故障電流と同様に区間合成流入電流となる。このため、上述した現在電流から求めた区間流入電流で故障を検知する方法は、予め定める判定比較定数kの値を電気車負荷電流に対し十分大きな値に整定して定常の列車走行による不要検知を避けることが必要になる。つまり、故障点にインピーダンスが介在するような高抵抗−小電流故障に対し、十分な検出感度を期待することができない場合もある。
このような高抵抗−小電流故障に対しては、現在電流から過去任意時点電流との変化量から検知する方法を用いれば、より高感度な故障区間検知が可能になる。
電気量演算手段3における区間流入変化電流情報の算出と、事故区間検知手段4における区間流入変化電流の比較判定は次式により行われる。
区間流入合成変化電流情報を求める式
ΣΔIa=(ITbn (0)+IFbn (0))-(ITbn (m)+IFbn (m))
ΣΔIb=(ITan+1 (0)+IFan+1 (0))-(ITan+1 (m)+IFan+1 (m))
事故区間検知(区間流入変化電流)の比較判定式
ΣΔIa+ΣΔIb≧k
事故種別検知(区間流入変化電流)の比較判定式
ΣΔIa+ΣΔIb≧k…… トロリ故障
ΣΔIa+ΣΔIb≦-k…… フィーダ故障
但し、ΣΔIa:ATn区間の起点(電源)方面端の合成変化電流
ΣΔIb:ATn区間の終点(反電源)方面端の合成変化電流
Tbn (0):ATn区間の起点(電源)方面端のトロリ線現在(0)電流
Fbn (0):ATn区間の起点(電源)方面端のフィーダ線現在(0)電流
Tan+1 (0):ATn区間の終点(反電源)方面端のトロリ線現在(0)電流
Fan+1 (0):ATn区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線現在(0)電流
Tbn(m):ATn区間の起点(電源)方面端のトロリ線過去任意時点(m)電流
Fbn(m):ATn区間の起点(電源)方面端のフィーダ線過去任意時点(m)電流
Tan+1 (m):ATn区間の終点(反電源)方面端のトロリ線過去任意時点(m)電流
Fan+1 (m):ATn区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線過去任意時点(m)電流
k:予め定めた判定比較定数
図4に電流ベクトル変化の原理図を示す。
通常時の区間流入電流は電気車の力行負荷電流ILであり、電気車電流は高力率(力率=1)で制御される。区間故障が発生すると電気車は瞬時にき電電圧降下を検知して力行制御を停止するので、区間に流入する電流は故障電流Ifとなる。故障電流位相は電車線の線路インピーダンスと故障点インピーダンスが合成された故障インピーダンス角θであるから、故障前の電気車負荷電流Iと故障電流Ifには電流位相差θが発生する。
しかるに、故障発生前と故障発生後の両者電流ベクトル変化量ΔIは、両者の電流値と位相差を関数とする次式で求まる。
ΔI=√(IL 2+If 2−2・IL・If・cosθ)
仮に、定常負荷電流と故障電流の両者に電流差が無い(IL=If=I)場合も、
ΔI=(√2・(1-cosθ))・Iの変化量を得ることができる。
従って、上述した区間流入合成変化電流を求める数式の過去任意時点(m)電流をI、現在電流をIとする電流変化量による故障検知方法は、より高感度な検知特性を得ることができる。
図5に電気車負荷電流変化と故障電流変化による電流ベクトル変化量トレンドの一例を示す。
電気車負荷流はノッチ制御(速度)に応じて変化し、停止車両(制御電流0A)が最高速ノッチ電流Iに到達する電流増加時定数をdtとして、前述した現時点から過去任意時点までの時間をtmとすると、電気車負荷電流が最高ノッチ電流(=最大負荷電流)で安定するまでの電流増加域で検出される電流ベクトル変化量ΔILは次式で求まる。
ΔI=IL・tm/dt
但し、現時点と過去任意時点の負荷電流は同相(θ=0)とする。仮に、電気車最大電流I=1,000A、最大ノッチ制御時間(電流増加時定数)=1 sec、過去任意時点までの時間(基本周波数50Hzのサイクル数)=5サイクルとすると、
ΔIL=1,000A×5サイクル/50サイクル=100Aである。
一方、故障発生時の電流ベクトル変化量ΔIは図4で上述したΔIの数式から求まる。仮に故障電流Ifを故障前の負荷電流と同等(IL=If=1,000A)、位相変化θ=45°とすると
ΔIf=(√2・(1−cos45°))×1,000A=414Aである。
しかるに、予め定める電流変化量の判定比較値IkをΔIL<Ik<ΔIfの領域に整定すれば、電気車の電流変化に応ずることなく、電気車負荷電流よりも小さな値の故障電流変化を検知することが可能である。
このように第2の実施形態では、区間両端の現在(故障発生時)ベクトル合成電流と過去任意時点(故障発生前)のベクトル合成電流との変化量をそれぞれ求め、これら区間両端の変化量のベクトル合成和(区間流入電流)の値から故障発生箇所を検知するようにしたものである。
電源から遠端で発生する故障や、故障点にインピーダンスが介在するような場合、故障電流が著しく減少する。その結果、故障電流と電気車負荷電流とがほぼ同等となるような場合は検知できない故障領域が発生する。
一方、近年の電気車はその殆どが高力率車であり、故障発生前の電気車負荷電流と電車線故障電流との間には急峻で明らかな位相差が発生するのに対し、電気車負荷電流の増減変化は故障時の位相急変に比べ、遥かに緩やかな時定数で変化する。
故に、任意時間経過における故障発生時の電流変化量は、電気車負荷電流の電流変化量に比べ遥かに大きな値となる。つまり、区間流入電流の変化量による検知方法は電気車負荷電流領域の故障において、故障個所(AT構内・上り線・下り線)と故障種別(トロリ・フィーダ・トロリ〜フィーダ)を確実に検知することが可能である。
次に本発明の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端でトロリ電流とフィーダ電流とをベクトル合成してそれぞれ区間端合成電流を求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求めた両端の合成電流の比率値から故障発生箇所と故障種別とを判定するようにしたものである。
故障には電源供給元変電所(SS)の直近区間で発生する大電流故障と区間遠端で故障点に故障インピーダンスが介在する小電流故障がある。これら大電流故障と小電流故障の双方に対し、ATn区間両端の区間流入合成電流の差電流比率により故障を検知すれば、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて増加する差電流の影響を受けないより一定で安定した故障検知特性を得ることができる。
区間流入合成電流情報を求める式
ΣIa=ITbn+IFbn
ΣIb=ITan+1+IFbn+1
事故区間検知(区間流入差電流比率)の比較判定式
(ΣIa+ΣIb)/(|ΣIa|+|ΣIb|)≧k
事故種別検知(区間流入電流比率)の比較判定式
(ΣIa+ΣIb)/(|ΣIa|+|ΣIb|)≧k…… トロリ故障
(ΣIa+ΣIb)/(|ΣIa|+|ΣIb|)≦-k…… フィーダ故障
このように第3の実施形態では、区間両端のそれぞれのベクトル合成電流の和から区間流入電流を求め、その区間流入電流と区間両端のベクトル合成電流スカラ和の比率値から故障発生箇所を検知するようにしたものである。
故障発生の当該区間故障点には、区間両端から対地・レールを流れる電流が流入する、故障当該区間では両端を通過するトロリ線電流とフィーダ線電流の合成スカラ和とベクトル和の比は、故障電流の大小に係わらず概100%となる。
一方、健全区間に流れる故障電流は区間両端を逆位相で通過するため、区間両端のベクトル合成電流のスカラ和とベクトル和の比は故障電流の大小に係わらず概0%となる。
しかるに、第1の実施形態と同様に故障電流が健全区間を走行する負荷電流よりも明らかに大きいき電回路への適用において、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて増加する差電流の影響を軽減し、一定で安定した故障検知特性を得ることができる。
次に本発明の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端でトロリ電流とフィーダ電流とをベクトル合成して区間端合成電流をそれぞれ求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3により求めたトロリ電流とフィーダ電流とのベクトル合成電流の変化率の値から故障発生箇所と故障種別とを判定するようにしたものである。
このようにすれば、故障発生個所や故障点抵抗に応じた故障電流差が大きく、且つ最小故障電流と定常時の最大負荷電流とが接近する場合には、ATn区間両端の区間流入合成変化電流の差電流比率により故障を検知すれば、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて増加する差電流の影響を受けない、より一定で安定した高感度な故障検知特性を得ることができる。
区間流入合成変化電流情報を求める式
ΣΔIa=(ITbn (0)+IFbn (0))−(ITbn (m)+IFbn (m))
ΣΔIb=(ITan+1 (0)+IFan+1 (0))−(ITan+1 (m)+IFan+1 (m))
事故区間検知(区間流入差電流比率)の比較判定式
(ΣΔI a +ΣΔI b )/(|ΔΣI a |+|ΣΔI b |)≧k
事故種別検知(区間流入電流比率)の比較判定式
(ΣΔI a +ΣΔI b )/(|ΣΔI a |+|ΣΔI b |)≧k…… トロリ故障
(ΣΔI a +ΣΔI b )/(|ΣΔI a |+|ΣΔI b |)≦-k…… フィーダ故障
次に本発明の第5の実施形態を説明する。
第5の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端それぞれでトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値とを求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値から故障発生箇所と故障種別とを判定するようにしたものである。
以下その詳細について図6を用いてATn区間両端の通過電流合成情報からATn区間故障を検知する一例を述べる。
図6は、図1と同様にATn区間両端のトロリ線とフィーダ線に備えた計器用変流器CTTbn,CTFbn,CTTan+1、CTFan+1の二次電流ITn,IFn,ITn+1,IFn+1を故障区間検知のための電気情報としてそれぞれ故障検知装置1に導入する。
これら導入電流ITn,IFn,ITn+1,IFn+1は入力変換手段2でそれぞれ任意電気量情報(アナログ情報、或いはCPU処理のためのディジタルサンプリング情報など情報の形態は限定しない)に変換して取り込む。
電気量演算手段3は、ATn区間両のトロリ線同志及び、フィーダ線同志の両端通過電流を合成してそれぞれの電車線区間に流入して対地或いはレール、又は他の電車線に帰還する電車線区間流入電流情報を算出する。
事故区間検知手段4は、電気量演算手段3で算出したトロリ線及びフィーダ線の各電車線区間流入電流値(ΣIT、ΣIF)と予め定めた任意値との比較判定からATn区間の故障を検知する。
ここで、電気量演算手段3における区間流入合成電流情報の算出と、事故区間検知手段4における比較判定は次式により行われる。
電車線区間流入合成電流情報を求める式
ΣIT=ITbn+ITan+1
ΣIF=IFbn+IFan+1
故障区間検知(電車線区間流入電流)の比較判定式例を次の(ア)、(イ)に示す。
(ア) ΣIT≧k
(イ) ΣIF≦-k
事故種別検知(電車線区間流入電流)の比較判定式例を次の(ウ)〜(オ)に示す。
(ウ) ΣIT≧k…… トロリ故障
(エ) ΣIF≦-k…… フィーダ故障
(オ) |ΣIT|・|ΣIF|≧k2…… トロリ〜フィーダ故障
但し、ΣIT:ATn区間のトロリ線両端合成電流
ΣIF:ATn区間のフィーダ線両端合成電流
Tbn:ATn区間の起点(電源)方面端のトロリ線電流
Fbn:ATn区間の起点(電源)方面端のフィーダ線電流
Tan+1:ATn区間の終点(反電源)方面端のトロリ線電流
Fan+1:ATn区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線電流
k:予め定めた判定比較定数
図2、図3及び図7にATn区間で発生する故障電流の分布例を示す。図は順にそれぞれトロリ〜レール短絡故障例、フィーダ〜レール短絡故障例、トロリ〜フィーダ短絡故障例を示す。
区間両端の計器用変流器導入電流はトロリ、フィーダともにATn区間方向を基準極性として示した一例である。
図2において、区間故障点にトロリ線から流入してレールに帰還する故障電流は区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点から吸上げられ、それぞれの単巻変圧器ATn,ATn+1に吸上げられた中点電流IATn、IATn+1は単巻変圧器のトロリ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IATn、0.5IATn+1)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn区間両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表3に示す値となる。つまり、比較判定値はトロリ線から区間に流入する故障電流IATn+IATn+1で、正(+)の値である。
Figure 0004745000
図3において、フィーダ線故障の場合、フィーダ線故障点とレールとを帰還する故障電流は区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点に吸上げられトロリ線故障電流とは逆位相となる。それぞれの単巻変圧器ATn,ATn+1に吸上げられた中点電流(IATn、IATn+1)は単巻変圧器のフィーダ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IATn、0.5IATn+1)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn区間両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表4に示す値となる。つまり、比較判定値はフィーダ線から区間に流入する故障電流−(IATn+IATn+1)で負(−)の値である。
Figure 0004745000
図7において、トロリ〜フィーダ線故障の場合、故障電流は故障点に於いてトロリ線からフィーダ線に帰還するが、実際にはレール及び対地に夫々電車線相互インピーダンスに応じた僅かな漏れ電流が流れる。この漏れ電流は故障検知に影響しない値なので無視する。トロリ線から故障点に流れる故障電流IFnは逆位相でフィーダ線から電源に帰還する。
しかるに、ATn区間両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表5に示す値となる。つまり、比較判定値はトロリ線、フィーダ線共に、故障点に流入する故障電流にほぼ等しい値であり、それぞれ正(IATn+IATn+1)、負−(IATn+IATn+1)の値である。
Figure 0004745000
次に本発明の第6の実施形態を説明する。
第6の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端それぞれでトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値とを求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化量から故障発生区間と故障種別とを判定するようにしたものである。
区間を走行する電気車負荷電流はトロリ線とレールを帰還して両端の単巻変圧器ATに吸上げられるので故障電流と同様に区間両端合成流入電流となる。このため、上述した現在電流から求めた区間両端流入電流で故障区間検知する方法は、予め定める判定比較定数kの値を電気車負荷電流に対し十分大きな値に整定して定常の列車走行による不要検知を避けることが必要になる。つまり、故障点にインピーダンスが介在するような高抵抗−小電流故障に対し、十分な検出感度を期待することができない場合もある。このような高抵抗−小電流故障は、現在電流から過去任意時点電流との変化量から検知する方法を用いればより高感度な故障検知が可能になる。
ここで、区間両端流入合成変化電流情報を求める式
ΣΔIT=(ITbn (0)+ITan+1 (0))−(ITbn (m)+ITan+1 (m))
ΣΔIF=(IFbn (0)+IFbn+1 (0))−(IFbn (m)+IFan+1 (m))
故障区間検知(電車線区間流入電流)の比較判定式例を次の(ア)〜(イ)に示す。
(ア) ΣΔIT≧k
(イ) ΣΔIF≦-k
事故種別検知(電車線区間流入電流)の比較判定式例を次の(ウ)〜(オ)に示す。
(ウ) ΣΔIT≧k…… トロリ故障
(エ) ΣΔIF≦-k …… フィーダ故障
(オ) |ΣΔIT|・|ΣΔIF|≧k2…… トロリ〜フィーダ故障
但し、ΣΔIT:ATn区間のトロリ線両端合成変化電流
ΣΔIF:ATn区間のフィーダ線両端合成変化電流
Tbn (0):ATn区間の起点(電源)方面端のトロリ線現在(0)電流
Fbn (0):ATn区間の起点(電源)方面端のフィーダ線現在(0)電流
Tan+1 (0):ATn区間の終点(反電源)方面端のトロリ線現在(0)電流
Fan+1 (0):ATn区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線現在(0)電流
Tbn (m):ATn区間の起点(電源)方面端のトロリ線過去任意時点(m)電流
Fbn (m):ATn区間の起点(電源)方面端のフィーダ線過去任意時点(m)電流
Tan+1 (m):ATn区間の終点(反電源)方面端のトロリ線過去任意時点(m)電流
Fan+1 (m):ATn区間の終点(反電源)方面端のフィーダ線過去任意時点(m)電流
k:予め定めた判定比較定数
次に本発明の第7の実施形態を説明する。
第7の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端それぞれでトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値とを求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流比率値から故障発生区間と故障種別とを判定するようにしたものである。
故障には電源供給元変電所(SS)の直近区間で発生する大電流故障と区間遠端で故障点に故障インピーダンスが介在する小電流故障がある。これら大電流故障と小電流故障の双方に対し、ATn区間両端の各電車線区間流入合成電流の差電流比率により故障を検知すれば、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて増加する差電流の影響を受けないより一定で安定した故障検知特性を得ることができる。
ここで、電気量合成手段3における区間流入合成電流情報の算出と、事故区間検知手段4における比較判定は次式により行われる。
区間流入合成電流情報を求める式
ΣIT=ITbn+ITan+1
ΣIF=IFbn+IFan+1
事故区間検知(区間流入差電流比率)の比較判定式
(ΣIT−ΣIF)/(|ΣIT|+|ΣIF|)≧k
図3、図4、図7の故障電流分布例において、上式で求まる比較判定値は前述の表3、表4、表5にそれぞれに示す。
事故種別検知(区間流入差電流比率)の比較判定式の一例を次の(ア)〜(ウ)に示す。
(ア) (ΣIT+ ΣIF)/(|ΣIT|+|ΣIF|)≧k…… トロリ故障
(イ) (ΣIT+ΣIF)/(|ΣIT|+|ΣIF|)≦−k…… フィーダ故障
(ウ) |ΣIT|・|ΣIF|≧k2…… トロリ〜フィーダ故障
次に本発明の第8の実施形態を説明する。
第8の実施形態では、電気量演算手段3において、AT区間両端それぞれでトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値とを求め、故障検知手段4において、電気量演算手段3で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化率の値から故障発生区間と故障種別とを判定するようにしたものである。
このようにすれば、故障発生個所や故障点抵抗に応じた故障電流差が大きく、且つ最小故障電流と定常時の最大負荷電流とが接近する場合には、ATn区間の電車線両端流入合成変化電流の差電流比率により故障を検知することで、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて増加する差電流の影響を受けないより一定で安定した高感度な故障検知特性を得ることができる。
ここで、電気量演算手段3における区間流入変化電流情報の算出と、事故区間検知手段4における区間流入変化電流の比較判定は次式により行われる。
電車線両端流入合成変化電流情報を求める式
ΣΔIT=(ITbn (0)+ITan+1 (0))−(ITbn (m)+ITan+1 (m))
ΣΔIF=(IFbn (0)+IFan+1 (0))−(IFbn (m)+IFan+1 (m))
事故区間検知(区間流入電流比率)の比較判定式
(ΣΔI T −ΣΔI F )/(|ΣΔI T |+|ΣΔI F |)≧k
図2、図3及び図7に示す故障電流分布例において、上式で求まる比較判定値は前述の表3〜5それぞれに示す。事故種別検知(区間流入電流比率)の比較判定式の一例を次の(ア)〜(ウ)に示す
(ア) (ΣΔI T +ΣΔI F )/(|ΣΔI T |+|ΣΔI F |)≧k…… トロリ故障
(イ) (ΣΔI T +ΣΔI F )/(|ΣΔI T |+|ΣΔI F |)≦−k…… フィーダ故障
(ウ) |ΣΔI T |・|ΣΔI F ≧k2…… トロリ〜フィーダ故障
図8は本発明による交流ATき電回路用故障点標定装置の第9の実施形態を示す構成図であり、本実施形態では図12に示す系統構成のATき電回路下り線の任意AT区間(ATn区間)を代表例として説明する。
図8において、ATn構内を中心とする両翼AT区間のトロリ線とフィーダ線及び単巻変圧器ATnの中点吸上げ線に備えた計器用変流器CTTan,CTFan,CTTbn,CTFbn,CTATの二次電流ITan,IFan,ITbn,IFbn,IATnを構内故障検知のための電気情報としてそれぞれ故障検知装置1に導入する。
ここでは、トロリ線、フィーダ線ともに計器用変流器導入電流は構内を中心に両翼のAT区間方向を、単巻変圧器ATnの計器用変流器はレールからAT中点方向を夫々基準極性として示した一例である。
入力変換手段2は、これらの導入電流ITan,IFan,ITbn,IFbn,IATnを任意電気量情報(アナログ情報、或いはCPU処理のためのディジタルサンプリング情報など情報の形態は限定しない)にそれぞれ変換して取り込む。
電気量演算手段3は、ATn構内を中心とする両翼AT区間のトロリ線とフィーダ線全ての電流をベクトル合成して構内流入電流値ΣIを算出する。
事故区間検知手段4は電気量演算手段3で算出した構内流入電流値ΣIと予め定めた任意値との比較判定から構内故障を検知し、構内流入電流値ΣIと前述の単巻変圧器中点吸上げ電流値IATnとの比率値ΣI%を求め、求めた値ΣI%と予め定めた任意値との比較判定から故障種別を検知する。
次に電気量演算手段3における区間流入合成電流ΣIの算出と、事故検知手段4における比較判定の具体例を示す。
構内流入合成電流ΣIを求める式
ΣI=(ITan−IFan)+(ITbn−IFbn
構内故障検知(区間流入電流判定)の比較判定式
|ΣI|≧k
構内故障種別検知(区間流入電流比率)の比較判定式
(ア)−(1/(1+α))≦ΣI/(IAT+α・k)≦−1…… トロリ故障
(イ)(ΣI)/(IAT+α・k)≧(1/(1+α))…… フィーダ故障
(ウ)(ΣI)/(IAT+α・k)≦−(1/α)…… トロリ〜フィーダ故障
但し、k:予め定めた判定比較定数
α:数式の計算結果を安定させる為の係数
図9乃至図11はAT構内で発生する故障電流の分布例であり、図9はトロリ〜レール短絡故障例、図10はフィーダ〜レール短絡故障例、図11にトロリ〜フィーダ短絡故障例を示し、トロリ線、フィーダ線ともに計器用変流器導入電流は構内を中心に両翼のAT区間方向を、単巻変圧器ATの計器用変流器はレールからAT中点方向を夫々基準極性として示した一例である。
図9において、トロリ線から流入してレールに帰還する故障電流は、ATn構内で単巻変圧器ATnの中点に吸上げられ、単巻変圧器ATn吸上げられた中点電流IFは単巻変圧器のトロリ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IF)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn構内両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnと前述したそれぞれの合成電流ΣIは表6に示す値となる。つまり、比較判定値は構内のトロリ線に流れる故障電流IFで、負(−)の値である。
Figure 0004745000
図10において、フィーダ線故障の場合、フィーダ線故障点とレールとを帰還する故障電流はATn構内で単巻変圧器ATnの中点にトロリ線故障電流とは逆位相で吸上げられる。単巻変圧器ATnで吸上げられた中点電流IFは単巻変圧器のフィーダ〜中点巻数とトロリ〜フィーダ両端の巻き数比(1/2)に応じた電流値(0.5IF)に変換されて電源に帰還する。
しかるに、ATn構内両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnと前述したそれぞれの合成電流ΣIは表7に示す値となる。つまり、比較判定値は構内故障点のフィーダ線に流れる故障電流IFで、正(+)の値である。
Figure 0004745000
図11において、トロリ〜フィーダ線故障の場合、故障電流は故障点においてトロリ線からフィーダ線に帰還するが、実際にはレール及び対地に夫々電車線相互インピーダンスに応じた僅かな漏れ電流が流れる。この漏れ電流は故障検知に影響しない値なので無視する。トロリ線から故障点に流れる故障電流IFnは逆位相でフィーダ線から電源に帰還する。
しかるに、ATn区間両端のトロリ線電流ITbn、ITan+1とフィーダ線電流IFbn、IFan+1と前述したそれぞれの合成電流は表5に示す値となる。つまり、比較判定値はトロリ線、フィーダ線共に、故障点に流入する故障電流にほぼ等しい値であり、それぞれ正(IATn+IATn+1)、負(−(IATn+ IATn+1 ))の値である。
また、ATn構内両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnと前述したそれぞれの合成電流ΣIは表8に示す値となる。つまり、比較判定値は構内故障点のトロリ線とフィーダ線に流れる故障電流IFの2倍で、負(−)の値である。
Figure 0004745000
上述した構内故障検知において、構内流入電流値ΣIとATn両翼のトロリ線とフィーダ線のスカラ総和値との電流比率でも構内故障を検知できる。具体例として次に示す電流比率IF%による数式を用いれば、計器用変流器の比率誤差と故障電流の大きさに応じて、増加する差電流の影響を受けない、より一定で安定した高感度な故障検知特性を得ることができる。
F%=ΣI/(|ITan|+|IFan|+|ITbn|+|IFbn|)
構内故障検知(区間流入電流判定)の比較判定式
|IF%|≧k
本発明による交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置の第1乃至第4の実施形態を示す構成図。 第1の実施形態において、ATn区間で発生するトロリ〜レール短絡故障時の故障電流の分布図。 第1の実施形態において、ATn区間で発生するフィーダ〜レール短絡故障時の故障電流の分布図。 第2及び第3の実施形態を説明するための電流ベクトル変化原理図。 第2の実施形態において、電気車負荷電流と故障電流の電流ベクトル変化量トレンドの一例を示す図。 本発明による交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置の第5乃至第7の実施形態を示す構成図。 第5及び第8の同実施形態において、トロリ〜フィーダ短絡故障時の故障電流分布図。 本発明による交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置の第9の実施形態を示す構成図。 同実施形態において、トロリ〜レールAT構内短絡故障時の故障電流分布図。 同実施形態において、フィーダ〜レールAT構内短絡故障時の電流分布図。 同実施形態において、トロリ〜フィーダAT構内短絡故障時の電流分布図。 従来の交流ATき電回路の基本構成を示す系統図。 同じく交流ATき電回路の原理説明図。 交流ATき電回路のインピーダンス特性図。 T−R短絡故障時の一般的な故障電流分布を示す図。 故障電流のAT吸い上げ原理図。 従来の故障点標定における故障標本量測定装置を示す系統構成図。 従来の故障点故障検知例を示す系統構成図。
符号の説明
1……故障検知装置、2……入力変換手段、3……電気量演算手段、4……故障検知手段。

Claims (8)

  1. 交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離区間毎に配置された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障を検知する交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記AT区間の両端の電気量をそれぞれ取り込んで任意形態の電気量情報に変換するアナログ入力変換手段と、
    このアナログ入力変換手段により取り込まれたAT区間両端の電気量情報のベクトル合成値を算出する電気量演算手段と、
    この電気量演算手段で算出したAT区間両端のベクトル合成値から区間内に発生する故障発生と故障種別とを判定する故障検知手段と、
    を備えたことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  2. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
    前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の変化量から故障発生と故障種別を判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  3. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
    前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の比率値から故障発生と故障種別を判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  4. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
    前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の変化率から故障発生と故障種別を判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  5. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
    前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  6. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
    前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化量から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  7. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
    前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流比率値から故障発生と故障種別とを判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
  8. 請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
    前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
    前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化率値から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
    ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
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