JP5319504B2 - 交流atき電回路のき電保護装置及び方法 - Google Patents

交流atき電回路のき電保護装置及び方法

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本発明は電気鉄道における交流ATき電回路のAT区間に発生する短絡あるいは地絡故障を検出するためのき電保護技術に関する。
交流電気鉄道におけるATき電回路の一般的な系統構成例を図17に示す。鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源をき電区分所SPで区分している。さらに、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。変電所、及びそれぞれのき電区分所には単巻変圧器ATを備えている。き電区分所で双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電と言い、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電と言う。電車線には下り線と上り線があり、変電所では上下線にき電し、それぞれのき電区分所に備える上下線タイ開閉器により分離又は結合して運用する。
図18に示すように、ATき電回路はトロリ線T、き電線F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とき電線を帰還し、変電所SSの電源に流れる。
変電所SSで検出する一般的な電車線の線路短絡インピーダンスを図19に示す。T−F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡、及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールRと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむ。き電回路の保護方式としては、このようなATき電回路のインピーダンス特性をカバーするように、故障検出領域が平行四辺形の形状を持った距離継電器(#44F)が一般に使用されてきている。図20にその特性を示す。
さらにこの距離継電器とは別に、き電電流の急峻な変化分から故障を検出する交流ΔI形継電器(#50F)が使用され、上記#44Fと併用してき電回路の故障検出を行っている。図21にその特性を示す。これら#44F、#50Fは電源元の変電所SSだけでなく、き電区分所SP、補助き電区分所SSP、電車線路上に配置する各電気所にも設備し、き電形態に応じ分布変化する故障電流に対して少なくとも故障点近傍の電気所で故障を検出できるように構成されている。これら保護要素(#44F、#50F)の配置例を図22に示す。図22は、A変電所AssとB変電所Bssとの間の配置例である。
このような従来のATき電回路には、次のような問題点があった。鉄道き電回路電車線の上下線それぞれは、大別すると電気車に電力を送電するトロリ線T、き電線F、レールR、保護線PWなどの電車線から成るき電区間、及び、上下線を開閉器で結合あるいは分離するき電ポストSS、SSP、SPから構成されている。しかしながら、故障は多様な箇所でT−R、T−PW、F−R、F−PW短絡故障、あるいはT、F地絡故障、さらには、T−F短絡故障が発生する。
一方で電気車両の負荷電流はその走行状態に応じて激しく変動する上、き電区間に進入してくる電気車電流には過大な車両用変圧器の無負荷励磁突入電流が発生して急峻な電流の増加を伴う。さらにき電回路には再閉路機能が備えられ、再閉路時にはき電区間内の複数電気車と複数単巻変圧器ATが一斉に再加圧されて過大な励磁突入電流が発生する。き電回路に設備される保護リレーには、このような負荷電流変動と故障電流とを確実に判別する性能が要求される。ところが変電所建設の都合上変電所間隔が長くなると、在線する車両数が増えるので負荷電流は増加し、線路長の延伸に応じた線路定数の増加で故障電流は減少する。そのため、図23に示す重なり部分のように、最大列車負荷電流と短絡故障電流の領域が近接し、あるいは重なり、遠端故障の検出が困難となる場合が生じる。図23の電流例で、最大負荷電流がTR(トロリ線−レール)故障電流を上回る領域の故障検出が困難であった。
特開2008−221898号公報 特開2004−74924号公報 特開2003−2088号公報
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたもので、長大なき電区間においても故障を確実に検出することができる交流ATき電回路のき電保護装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、交流単巻変圧器き電回路において、任意距離区間毎に配置される電気所の単巻変圧器を境界とする電車線の故障を検出するき電保護装置であって、保護する電車線区間の両端電気所の電車線と単巻変圧器の電気量をそれぞれの電気所端で取り込む電気量取り込み手段と、それぞれの電気所端で取り込む電気量を両端相互に高速通信してそれぞれの電気所端にて両端の同時系列電気標本量を情報として一元共有する情報共有手段と、保護区間両端の電気標本量を合成演算して前記保護区間に流入する電流と保護区間の電車線に流入する電気量を求める電気量算出手段と、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のベクトル変化量を求めるベクトル変化量演算手段と、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のスカラ増加量を求めるスカラ増加量演算手段と、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して求めた保護区間の流入電気量をフィルタリングして、基本波と第二調波成分とを求め、かつ前記第二調波の含有率を算出する高調波含有率演算手段と、求めた区間流入電気量のベクトル変化量、スカラ増加量、第二調波含有率、及び予め定めた演算定数を用いて区間故障と故障箇所及び故障した電車線を判定演算する故障判定手段とを備えた交流ATき電回路のき電保護装置を特徴とする。
また、本発明は、交流単巻変圧器き電回路において、任意距離区間毎に配置される電気所の単巻変圧器を境界とする電車線の故障を検出する交流ATき電回路のき電保護方法であって、保護する電車線区間の両端電気所の電車線と単巻変圧器の電気量をそれぞれの電気所端で取り込むステップと、それぞれの電気所端で取り込む電気量を両端相互に高速通信してそれぞれの電気所端にて両端の同時系列電気標本量を情報として一元共有するステップと、保護区間両端の電気標本量を合成演算して前記保護区間に流入する電流と保護区間の電車線に流入する電気量を求めるステップと、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のベクトル変化量を求めるステップと、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のスカラ増加量を求めるステップと、前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して求めた保護区間の流入電気量をフィルタリングして、基本波と第二調波成分とを求め、かつ前記第二調波の含有率を算出するステップと、求めた区間流入電気量のベクトル変化量、スカラ増加量、第二調波含有率、及び予め定めた演算定数を用いて区間故障と故障箇所及び故障した電車線を判定演算するステップとを有する交流ATき電回路のき電保護方法を特徴とする。
本発明の交流ATき電回路のき電保護装置及び方法によれば、保護区間の両端の電気所の電気量を合成し、電車線毎、及び上下線毎の区間流入電流を算出し、上下線双方において合成電流のベクトル変化量とスカラ増加量、さらに第二調波含有率を演算し、これらの演算結果と予め定める判定定数とから保護区間の電車線を走行する負荷の電流変化と故障時の電流変化とを選別して保護区間の故障を検出し、故障箇所と故障線を判定することができる。
本発明の第1〜第3の実施の形態のき電保護装置を適用する交流ATき電回路の基本構成の回路図。 上記の交流ATき電回路において保護区間に流れる電気車走行電流の説明図。 上記の交流ATき電回路において切替セクションに進入する電気車に流れる区間電流例のグラフ。 上記の交流ATき電回路において加速走行電気車に流れる区間電流例のグラフ。 上記の交流ATき電回路において異区間を通過する電気車による区間電流50%急変の様子を示すグラフ。 上記の交流ATき電回路において電気車の切替セクション抜けと回生制動による区間電流の急減と反転の様子を示すグラフ。 本発明の第1の実施の形態のき電保護装置の回路図。 上記実施の形態による区間差電流保護の原理を示すブロック図。 上記実施の形態のき電保護装置による区間差電流保護の演算ブロック図。 本発明の第2の実施の形態のき電保護装置の回路図。 上記実施の形態のき電保護装置による区間端の電車線電流を導入する計器用変流器位置に対し単巻変圧器ATが保護区間側に位置する場合の区間差電流保護の演算ブロック図。 本発明の第3の実施の形態のき電保護装置の回路図。 上記実施の形態のき電保護装置による複数区間の上下線を一括で保護する区間差電流保護の演算ブロック図。 交流ATき電回路における従来のき電保護方式の保護要素の配置を示す回路図。 交流ATき電回路における本発明のき電保護方式の保護要素の配置を示す回路図。 交流ATき電回路における最大負荷電流が流れている状態を模擬した回路図。 交流ATき電回路における最小故障電流が流れている状態を模擬した回路図。 交流ATき電回路における従来のき電保護方式の高調波捕捉機能の説明図。 交流ATき電回路における本発明のき電保護方式の高調波捕捉機能の説明図。 一般的な交流ATき電回路の回路図。 一般的な交流ATき電回路のき電原理の説明図。 一般的な交流ATき電回路の短絡の種類によるインピーダンス特性のグラフ。 従来使用されている距離継電器(#44F)の動作特性図。 従来使用されている交流ΔI形継電器(#50F)の動作特性図。 従来例のき電保護装置の回路図。 従来例のき電保護方式による短絡故障検出の課題を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
[第1の実施の形態]
図1は、従来技術として示した図17の交流電気鉄道における一般的なATき電回路の系統構成と同様である。図2は、この図1に示した交流電気鉄道における一般的なATき電回路の系統構成におけるき電区分所SPを境界とする左側の変電所SS電源に属する二つのAT区間(区間1、2)の下り線を代表例として示している。この図2は、区間を走行する電気車電流を説明するために用いる。電車線を流れる区間電流は、区間を走行する電気車編成数に応じ、故障電流に近い値となることが想定されることに加えて、切替セクションへの電気車進入や区間走行車両の加速(力行)、制動(回生)、及び異区間相互通過電気車の前方/後方パンタグラフまたぎ、切替セクションへの電気車走出時の電源切替に応じた急変化を伴う。つまり、き電回路の保護には電車線の故障電流と区間走行負荷電流との選択性を備えることが重要である。
図3はセクションに進入する電気車に流れる区間電流例であり、測定波、1f実効値、2f実効値、3f実効値をそれぞれ示している。セクションに進入する電気車に流れる区間電流は大きな急変突入電流ではあるが、第二調波2fの含有率によって故障電流との選別が可能である。
図4は電気車が定格電流に加速(力行)するときの電流の増加推移である。複数編成の電気車が同一区間内で同時加速すれば区間電流はこれら複数電気車電流の総和値となり、検出すべき故障電流を超過することが懸念される。ところが、電気車加速電流の増加時定数dI/dtは、故障電流が急変するのに比べ遥かに緩やかな傾斜である。そのため、数サイクル前の値とのベクトル変化分電流を抽出することによって、故障電流変化との選別は可能である。
図5はエアセクションで分離された補助き電区分所SSPの両翼区間を電気車が通過する際に区間相互に移行する1編成分電気車電流の急減と急増である。電気車の先頭パンタグラフがエアセクションをまたいだ時点(1)で電気車電流の50%が走行方向の区間に急移行し、電気車の最後尾パンタグラフがエアセクションを抜けた時点(2)で電気車電流の100%が移行する。この50%移行電流は故障電流変化と同様な急変化で生じるので、故障検出感度は1編成電気車定格電流の60%以上とする必要がある。
図6は区間走出車両(切替セクション抜け)、制動車両(回生)により急変化する区間電流例である。100%定格電流走行の電気車電流が0%急変化、あるいは50%反転して大きなベクトル変化電流は生じる。しかしながら、絶対値で比較すれば減少するので、数サイクル前後の絶対値比較により故障電流との選別は可能である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の交流ATき電回路のき電保護装置1を示している。本実施の形態のき電保護装置1は、差電流保護回路にて構成される。保護する電車線区間の両端に位置する電気所の始点側(ここでは補助き電区分所SSPを電気所A、終点側(ここではき電区分所SP)を電気所Bとしている。保護区間の両端電気所はトロリ線とき電線との電車線で接続され、トロリ線とき電線とは各電気所で単巻変圧器ATに接続してATの中点をレールに接続する。さらに保護区間の両端の電気所では、上下タイ(断路器89FTなど)により上下線の接続と分離が行えるように構成される。区間を走行する電気車電流はトロリ線とレールとを帰還して両端ATの中点に吸い上げられ、トロリ線とき電線とに流れるATの変換比電流が電源に帰還する。
本実施の形態のき電保護装置1は保護区間両端の遠隔電気所A、Bのそれぞれに端末装置2、3を備え、両端末装置2、3間を高速リアルタイム通信装置4で接続して両端末装置2、3が電気情報を一元共有できるように構成している。保護区間5、6の両端の端末装置2、3はそれぞれ、両端電気所A、Bに備えられている計器用変流器CTからトロリ線とき電線の下り電車線電流It1A、It1B、If1A、If1Bと上り電車線電流It2A、It2B、If2A、If2B、さらに下り線ATの中点吸い上げ電流Iat1A、Iat1B、上り線ATの中点吸い上げ電流Iat2A、Iat2Bをそれぞれ導入する。この情報の相互伝送には高速リアルタイム通信装置4を利用する。
図8を用いて、本実施の形態による区間差電流方式によるき電保護方法の原理を説明する。図8は、図1のATき電回路における任意AT区間を簡略化した回路図であり、保護原理の説明に必要な電気標本量を示している。同図において、保護区間両端の電気所は始点側を電気所A、終点側を電気所Bとし、それぞれの電気所A、Bには保護区間のトロリT、レールR、き電Fの各電車線接続点に備える計器用変流器CTから、各電車線電流を導入する。保護区間を走行する電気車の負荷電流ILはトロリ線とレールを帰還して両端のATに吸い上げられる(ILA、ILB)。この負荷電流ILは前記の図3、図4、図5、図6で述べたように保護区間を走行する電気車の編成数と走行位置、加速や制動などの走行状態に応じて大きく変化するので、負荷電流と故障電流との見極めが必要になる。
従来技術として図18を用いて説明したように、保護区間には複数の電車線があり、故障種別には電車線間相互の短絡故障と電車線の地絡故障とがある。図8の短絡故障電流IFはF−R短絡故障を例として示している。T−F短絡故障を除くすべての電車線故障電流IFA、IFBは図8の例と同様に故障線(図8の例では故障線がき電線Fからレールを帰還して両端のATに吸い上げられる。
ここで、保護区間に発生するT−F短絡を含むすべての故障電流は必ず両端のトロリ線とき電線の双方又は一方を通過することに着目し、図9を用いて本実施の形態のき電保護装置1による区間差電流方式でのき電保護方法を説明する。
標本量合成ステップにて、標本量合成部11は、保護区間の両端A、Bから電気標本量IatA、ItA、IfA、IatB、ItB、IfBを導入し、トロリ線Tとき電線Fそれぞれの両端電流ItA;ItB、IfA;IfBを合成し、区間内流入電流σIt、σIfと全流入電流σIを式1、式2、式3で求める。
σIt=ItA+ItB …(式1)
σIf=IfA+IfB …(式2)
σI=σIt−σIf …(式3)
フィルタリングステップにて、フィルタリング部12は、区間の全流入電流σIに含まれる基本波電流σI1fと第二調波電流σI2fを求める。
第二調波(2f)含有率演算・判定ステップにて、第二調波含有率演算・判定部13は、フィルタリング部12によるフィルタリングステップで求めた基本波電流に対する第二調波電流の比率2f%を式4で求め(第二調波含有率演算ステップ)、予め整定して格納した含有率比較定数k2fとの比較判定を実行し、動作判定関数k2を式5のように生成する(第二調波含有率判定ステップ)。この第二調波含有率演算・判定部13での第二調波含有率演算により前述の図3で説明したセクション侵入車両の急変突入電流と故障電流との選別を行う。
2f%=σI2f/σI1f …(式4)
(If 2f%<k2f then k2=1、else k2=0) …(式5)
電流変化量演算ステップにて、電流変化量演算部14は、区間流入電流のベクトル変化量dIとスカラ増加量dI+を演算する(ベクトル変化量演算ステップ、スカラ増加量演算ステップ)。ベクトル変化量dIでは、図4で述べた複数編成電気車が同時加速してその総和電流が故障電流域に達することを回避するように作用させるために用いるものであり、式6のように演算する。また、スカラ増加量dI+は、図6で説明した電気車切替セクション抜け、電気車制動(回生)による区間電流の急峻な減少で生じるベクトル変化と故障電流増加で生じるベクトル変化との選別を行うために用いるものであり、式7により求める。さらに、電流変化量演算部14は、スカラ増加量判定ステップにおいて、スカラ増加量演算ステップにて求めたスカラ増加量dI+と予め整定して格納した含有率比較定数k+との比較判定を実行し、動作判定関数k1を式8のように生成する。
dI=σI−0−σI−n …(式6)
dI+=|σI−0|−|σI−n| …(式7)
(If dI+≧k+ then k1=1、else k1=0) …(式8)
但し、σI−0:現在値、σI−n:任意のnサイクル前の値(過去値)である。
トロリ線Tとき電線Fの故障判定の関数を求める故障判定関数算出部15は、前述の標本量合成部11で算出したそれぞれの電車線電流σIt、σIfの区間電流相互差比率dI%を式9で算出する。
dI%=(|σIt|−|σIf|)/|σIt−σIf| …(式9)
故障判定ステップにて、故障判定部16は、区間故障の検出と故障電車線の判定を行う。この区間故障の検出は、前述の第二調波含有率演算部13による動作判定関数k2、及び、電流変化量演算部14にて算出したベクトル変化量dIとスカラ増加量dI+から求めた動作判定関数k1、さらに、予め整定して格納した動作判定定数kIを式10に代入することにより行う。
k1・k2・dI≧kI …(式10)
故障判定部16による故障線の判定ステップでは、前述した故障判定関数算出部15で求めた電車線電流の区間電流相互差比率dI%を関数に式11で故障線を判定する。この故障線の判定は、区間故障有りと判定された時、つまり、上記の式10が成立した時に有効とする。
(If dI%≧kt then T線故障、If dI%≦kf then F線故障、else TF線故障) …(式11)
但し、kt:T線故障の判定定数、kf:F線故障の判定定数である。
このように、本実施の形態のATき電回路におけるき電保護装置及び方法では、保護区間の両端の電気所A、Bのトロリ線Tとき電線FおよびAT中性点Nに設けられた計器用変流器CTから取り込んだ保護区間両端の電気量を合成して、各電車線TとF毎、及び上下線毎の区間流入電流を算出し、上下線双方において合成電流のベクトル変化量dIとスカラ増加量dI+、さらに第二調波含有率を演算する。そして、これらの演算結果と予め定める判定定数から、保護区間の電車線を走行する負荷電流変化と故障時の電流変化とを選別して保護区間の故障を検出し、故障箇所(下り線と上り線)と故障線(T、F、TF)を判定する。
これにより、本実施の形態の保護装置及び方法によれば、次のような効果がある。
1)区間両端に備える従来の保護要素数を半減できる。
図14Aに従来方式、図14Bに本実施の形態の差電流方式を対比して示している。本実施の形態の方式によれば、保護すべき区間の両端に備える保護要素は区間差電流保護設備に統括でき、これにより、保護区間の両端に備える保護要素数を従来より半減できる。
2)負荷電流に対する故障時の電流変化量を増大できる。
図15Aに従来方式(50FV)、図15Bに本実施の形態の差電流方式の故障時に生じる電流変化を対比して示している。図15Aは保護区間の上下線それぞれを一定の間隔で走行する複数の電気車電流I1、I2、I3を配置した最大負荷の模擬、同図15Bは保護区間下り線の遠端に生じる故障と検出すべき最小故障電流IFminを模擬している。同図15A、図15Bにおいて保護区間の電源側に位置する50FVが検出する故障前の電流と故障後の電流の変化量dIAは式12の値である。また、区間の電源より遠端側の50FVが検出する故障前の電流dIBは、上下線負荷の位置と電流I1、I2、I3を同等と模擬すると、ほとんど零に近い値から故障時には故障電流の最大50%が健全側の上り線から迂回するので、故障後の変化電流はIFmin/2の値を検出する。ここで、変化電流の比較を簡略するために保護区間の上下線を走行する最大負荷時の全負荷電流2×(I1+I2+I3)と保護区間の遠端に生じる検出すべき最小故障電流IFminとの値は同等、双方電流の位相差θは75°として比較する。すなわち、2×(I1+I2+I3)=IFmin∠75°である。
dIA=現在のIA−故障前のIA
=IFmin/2−(I1+I2+I3)
=IFmin√(1−cosθ)/2 …(式12)
式12から分かるように、最大負荷電流と検出すべき最小故障電流の値が接近すると電源端側に生じる変化電流は故障電流の1/2以下で故障点に抵抗が介在して負荷と故障の電流位相が接近するにつれてさらに減少する。一方、本実施の形態の区間差電流方式によれば、区間両端電流の合成により、故障線(下り線)の電源端から流れる故障電流と健全側(上り線)を迂回して故障線(下り線)の遠端から流れる電流の双方が加算されるので検出感度が安定し、従来方式に比べて2倍以上の改善が実現できる。
3)故障区間を判別できる。
図14Aから明らかなように、従来方式では故障電流が健全区間の電車線を通過して遠端の故障点に流れる。そのため、故障点位置と上下タイの接続状態及び故障検出位置に応じ、各電気所に備えた故障検出リレーは一斉に故障検出する場合と故障点に近い電気所の故障検出リレーが故障検出する場合とがあり、故障区間を特定できない。一方、区間両端合成電流から故障を検出する本実施の形態による区間差電流方式では、健全区間では故障電流が通過して合成電流が両端相殺され、故障区間では両端流入により全故障電流が合成電流として算出されるので、故障区間の判定が明確になる。
4)トロリ線故障、き電線故障、トロリ〜き電線故障の三種を選別できる。
5)突入電流に含まれる高調波成分を確実に捕捉できる。
図16Aは従来方式(50FV)、図16Bは本実施の形態による高調波の捕捉性能を対比して示している。同図16A、図16Bでは、電車線にき電回路電圧の安定、補償制御を行う系統安定化装置として静止形無効電力補償装置SVCを接続している。電源切替セクションに進入した電気車の電源再加圧時に流れる車両用変圧器励磁突入電流ILに含まれる第二調波成分I2のほとんどはSVCの高速制御で補償される。故に、変電所の電源に流れる電流には急峻な基本波成分I1とわずかな第二調波成分I2が流れる。その結果として、従来方法では、セクションに進入する電気車の急峻な電流変化に対する第二調波の検出抑制が効かないおそれがあった。一方、区間両端合成電流から故障を検出する本実施の形態の区間差電流方式では、SVCが補償する第二調波電流I2をSVC側の区間端から導入するので、セクションに進入する電気車の急峻な電流変化に対する第二調波の捕捉と故障検出の抑制が確実にできる。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態のATき電回路のき電保護装置及び方法は、本発明の基本原理を使用したものであった。つまり、保護区間両端の電車線電流を故障判定の標本量として導入するものであった。ところが、前述した交流電気鉄道におけるATき電回路の系統には、保護区間の電車線と電気所の境界点とに計器用変流器CTを備えない構成(電気所の単巻変圧器ATが電流導入点よりも保護区間側に位置する)も多く存在している。
図10は保護区間のA端側(変電所A)の導入電流ItA、IfA位置に対しATが保護区間側に位置する場合の本発明の第2の実施の形態のき電保護装置1Aの構成を示している。尚、本実施の形態のき電保護装置1Aも第1の実施の形態と同様に両端の端末装置2、3とそれらの両端末装置2、3間を接続する高速リアルタイム通信装置4により構成される。
保護区間に流れる電流は、負荷電流であれ故障電流であれ、電車線を通過して両端の単巻変圧器ATに吸い上げられ、AT比変換電流が電源に帰還するので、両端合成電流にはATが吸い上げる電流とAT変換比に応じた電流差が生じている。
図11は、上述した、電気所の単巻変圧器ATが電流導入点よりも保護区間側に位置する場合の本実施の形態のき電保護装置1Aによる演算ブロック図であり、本実施の形態のき電保護方法をも示す。同図11において、図9において使用した符号と同一の符号のブロックは両者で同様であり、それらによる処理ステップも同様であるので説明は省略する。
本実施の形態では、標本量合成ステップにて、標本量合成部17が、ATが保護区間側に位置する場合にATが吸い上げる電流とAT変換比に応じて両端の導入電流に生じる電流差を、式2−1、式2−2、式2−3を用いて保護区間端の電車線電流に等価し、区間両端の差電流を求める。
σIt=(1−kAct)・ItA+(kAct・IatA/Nat)+(1−kBct)・ItB+(kBct・IatB/Nat) …(式2−1)
σIf=(1−kAct)・IfA+(kAct・IatA/Nat)+(1−kBct)・IfB+(kBct・IatB/Nat) …(式2−2)
σI=σIt−σIf …(式2−3)
但し、kAct:予め定めて記憶するA端の電流導入点に対するAT位置定数(外「1」、内「0」)、kBct:予め定めて記憶するB端の電流導入点に対するAT位置定数(外「1」、内「0」)、Nat:予め定めて記憶するAT変換比である。
このように、本実施の形態のき電保護装置及び方法によれば、保護区間端の電気所のトロリ線Tとき電線F電流を導入する計器用変流器CTが電気所のATを境界とし、保護区間の電車線側に位置するか、或いは反対側に位置するかに応じて予め定める定数を用いて行う電気量合成により、保護区間端の電気所のATが電流導入点よりも保護区間側に位置する場合にATが吸い上げる電流とAT変換比に応じて両端の導入電流に生じる電流差を補償する。これにより、本実施の形態のATき電回路におけるき電保護装置及び方法によれば、電気所に備える計器用変流器の設置位置(電流導入点)を制約しないので、既設設備構成に対して柔軟に対応が可能となる効果がある。
[第3の実施の形態]
図12に、本発明の第3の実施の形態のATき電回路におけるき電保護装置1Bによる区間差保護の構成を示す。尚、本実施の形態のき電保護装置1Bも第1の実施の形態と同様に、端末装置2、3と両端末装置2、3を接続する高速リアルタイム通信装置4にて構成される。
本実施の形態のき電保護装置1Bは、中間電気所を介して連なる複数区間の上下線を一括で保護することを特徴とし、上下線を含めた一括区間の両端(電気所A、B)に備えた計器用変流器CTから下り線の電車線電流ItAD、IfAD、ItBD、IfBDと単巻変圧器AT吸い上げ電流IatAD、IatBD、同様に上り線の電車線電流ItAU、IfAU、ItBU、IfBUと単巻変圧器AT吸い上げ電流IatAU、IatBUを一括区間保護の標本量として導入する。
保護区間内の中間電気所では、上下線を接続、あるいは分離するための上下タイが設置されている。中間電気所の上下タイは電源供給や負荷状況に応じて運用される。ところが、中間電気所の上下タイが閉じて上下線が接続された状態で生じる電車線故障電流は、健全線側の両端と中間電気所の上下タイを迂回する。故に、上下線をそれぞれ個別にして区間の流入電流を算出する方法では故障点に流れる電流に対し、健全線側を迂回する電流の減少が生じて故障検出感度の低下を招く。
図13は本実施の形態による複数区間の上下線を一括で保護する区間差電流保護の演算ブロック図である。この図13において、図9において使用した符号と同一の符号のブロックは両者で同様であり、それらによる演算ステップも同様であるので説明は省略する。
上下線区間一括保護の標本量合成ステップにて、上下線区間一括保護の標本量合成部18は、区間一括で電車線毎にトロリ線流入電流σItを、式3−1を用いて算出し、き電線流入電流σIfを式3−2、区間一括で上下線毎に下り線流入電流σIDを式3−3、上り線流入電流σIUを式3−4、区間一括流入電流σIを式3−5をそれぞれ用いて算出する。
σIt=σItD+σItU …(式3−1)
σIf=σIfD+σIfU …(式3−2)
σID=σItD−σIfD …(式3−3)
σIU=σItU−σIfU …(式3−4)
σI=σIt+σIf …(式3−5)
但し、
σItD=(1−kAct)・ItAD+(kAct・IatAD/Nat)+(1−kBct)・ItBD+(kBct・IatBD/Nat)
σIfD=(1−kAct)・IfAD+(kAct・IatAD/Nat)+(1−kBct)・IfBD+(kBct・IatBD/Nat)
σItU=(1−kAct)・ItAU+(kAct・IatAU/Nat)+(1−kBct)・ItBU+(kBct・IatBU/Nat)
σIfU=(1−kAct)・IfAU+(kAct・IatAU/Nat)+(1−kBct)・IfBU+(kBct・IatBU/Nat)
である。
また、kAct:予め定めて記憶するA端の電流導入点に対するAT位置定数(外「1」、内「0」)、kBct:予め定めて記憶するB端の電流導入点に対するAT位置定数(外「1」、内「0」)、Nat:予め定めて記憶するAT変換比である。
故障判定ステップにて、故障判定部19は、区間故障の検出と故障電車線、及び故障箇所(上下線)の判定を行う。区間故障の検出は、前述した図9の第二調波含有率演算部13による第二調波含有率演算ステップで算出する動作判定関数k2、同様に、前述した図9の変化量演算部14によるベクトル変化量とスカラ増加量の変化量演算ステップそれぞれで算出するベクトル変化量dIとスカラ増加量dI+から求めた動作判定関数k1、さらに、予め整定して格納した動作判定定数kI、これらを関数として式3−6に代入して判定する。
k1・k2・dI≧kI …(式3−6)
次に、故障判定部19による故障線の判定ステップでも、前述した図9の故障判定関数算出部15による故障判定関数算出ステップで求めた電車線電流の区間電流相互差比率dI%を関数として式3−7を用いて故障線を判定し、この判定結果は区間故障と判定されたとき、つまり上記の式3−6が成立したときに有効とする。
(If dI%≧kt then T線故障、If dI%≦kf then F線故障、else TF線故障) …(式3−7)
但し、kt:T線故障の判定定数、kf:F線故障の判定定数である。
加えて、故障判定部19は、上述の標本量合成部18による標本量合成ステップで上下線毎にそれぞれ算出した下り線の区間流入電流σIDと上り線の区間流入電流σIUとを関数として式3−8を用いて故障箇所の判定を行う。
(If σID>σIU then 下り線故障、If σID<σIU then 上り線故障、else 判定不能) …(式3−8)
本実施の形態の交流ATき電回路におけるき電保護装置及び方法では、中間電気所で区分され複数区間が連なる保護区間において、上下線両端電車線電流の総和合成電気量から複数区間に生じる電車線故障を上下線一括で検出し、電車線毎、上下線毎の合成電気量から故障箇所(下り線、又は上り線)と故障電車線(T、F、T−F)を判定する。
これにより、本実施の形態のATき電回路におけるき電保護装置及び方法によれば、次の効果がある。
1)区間両端、及び上下線双方に備える従来の保護装置を包括できる。つまり、図14Bで示す区間差電流方式の左右区間と上下線を包括できる。
2)上下タイ運用(上下線の結合と分離)に係わらず故障検出感度は劣化しない。全区間を一括で上下線の両端電流を合成するので、上下のタイ運用と故障線(下り線と上り線)、故障区間に係わらず全故障電流を検出するので故障検出の感度は安定する
3)上下線における故障箇所選別ができる。つまり、上下線毎の合成電流比較により中間電気所の近端故障を除き上下線における故障箇所選別ができる。
4)き電回路構成の変化を回路構成定数により網羅できるので既存設備への適用柔軟性が高まる。
1、1A、1B き電保護装置
2 端末装置
3 端末装置
4 高速リアルタイム通信装置
5、6 保護区間
11 標本量合成部
12 フィルタリング部
13 第二調波含有率演算部
14 電流変化量演算部
15 故障判定関数算出部
16 故障判定部
17 標本量合成部
18 標本量合成部
19 故障判定部
AT 単巻変圧器
CT 計器用変流器
SS 変電所
SP き電区分所
SSP 補助き電区分所

Claims (6)

  1. 交流単巻変圧器を備えた交流ATき電回路において、任意距離区間毎に配置される電気所の単巻変圧器を境界とする電車線の故障を検出するき電保護装置であって、
    保護区間の両端電気所の電車線と単巻変圧器の電気量をそれぞれの電気所端で取り込む電気量取り込み手段と、
    それぞれの電気所端で取り込む電気量を両端相互に高速通信してそれぞれの電気所端にて両端の同時系列電気標本量を情報として一元共有する情報共有手段と、
    保護区間両端の電気標本量を合成演算して前記保護区間に流入する電流と保護区間の電車線に流入する電気量を求める電気量算出手段と、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のベクトル変化量を求めるベクトル変化量演算手段と、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のスカラ増加量を求めるスカラ増加量演算手段と、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して求めた保護区間の流入電気量をフィルタリングして基本波と第二調波成分とを求め、かつ前記第二調波の含有率を算出する高調波含有率演算手段と、
    求めた区間流入電気量のベクトル変化量、スカラ増加量、第二調波含有率、及び予め定めた演算定数を用いて区間故障と故障箇所及び故障した電車線を判定演算する故障判定手段とを備えたことを特徴とする交流ATき電回路のき電保護装置。
  2. 前記電気量算出手段は、電気所の単巻変圧器を境界として保護区間の反対方面の電車線に流れ出る電流と前記保護区間端の単巻変圧器の電気量と予め定めた演算定数とを用いて当該保護区間端の電車線を通過する電気量を求めることを特徴とする請求項1に記載の交流ATき電回路のき電保護装置。
  3. 前記電気量算出手段は、複数区間を有する上下線の区間総和と電車線毎総和、及び上下線毎総和の区間流入電気量それぞれを求め、
    前記故障判定手段は、前記上下線の区間総和の区間流入電気量から故障を検出し、前記上下線毎総和の区間流入電気量の差から故障箇所を判定し、前記電車線毎総和の電気量比率から故障線を判定することを特徴とする請求項1に記載の交流ATき電回路のき電保護装置。
  4. 交流単巻変圧器き電回路において、任意距離区間毎に配置される電気所の単巻変圧器を境界とする電車線の故障を検出する交流ATき電回路のき電保護方法であって、
    保護する電車線区間の両端電気所の電車線と単巻変圧器の電気量をそれぞれの電気所端で取り込むステップと、
    それぞれの電気所端で取り込む電気量を両端相互に高速通信してそれぞれの電気所端にて両端の同時系列電気標本量を情報として一元共有するステップと、
    保護区間両端の電気標本量を合成演算して前記保護区間に流入する電流と保護区間の電車線に流入する電気量を求めるステップと、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のベクトル変化量を求めるステップと、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して保護区間の流入電気量のスカラ増加量を求めるステップと、
    前記保護区間両端の同時系列電気標本量を演算して求めた保護区間の流入電気量をフィルタリングして基本波と第二調波成分とを求め、かつ前記第二調波の含有率を算出するステップと、
    求めた区間流入電気量のベクトル変化量、スカラ増加量、第二調波含有率、及び予め定めた演算定数を用いて区間故障と故障箇所及び故障した電車線を判定演算するステップとを有することを特徴とする交流ATき電回路のき電保護方法。
  5. 前記電気量を求めるステップにおいて、電気所の単巻変圧器を境界として保護区間の反対方面の電車線に流れ出る電流と前記保護区間端の単巻変圧器の電気量と予め定めた演算定数を用いて当該保護区間端の電車線を通過する電気量を求めることを特徴とする請求項4に記載の交流ATき電回路のき電保護方法。
  6. 前記電気量を求めるステップにおいて、複数区間を有する上下線の区間総和と電車線毎総和、及び上下線毎総和の区間流入電気量それぞれを求め、
    前記区間故障と故障箇所及び故障した電車線を判定演算するステップにおいて、前記上下線の区間総和の区間流入電気量から故障を検出し、前記上下線毎総和の区間流入電気量の差から故障箇所を判定し、前記電車線毎総和の電気量比率から故障線を判定することを特徴とする請求項4に記載の交流ATき電回路のき電保護方法。
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