JPH0670449A - 距離リレー装置 - Google Patents

距離リレー装置

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JPH0670449A
JPH0670449A JP4217790A JP21779092A JPH0670449A JP H0670449 A JPH0670449 A JP H0670449A JP 4217790 A JP4217790 A JP 4217790A JP 21779092 A JP21779092 A JP 21779092A JP H0670449 A JPH0670449 A JP H0670449A
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JP
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phase difference
transmission line
distance relay
circuit
reactance
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JP4217790A
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Shigeto Oda
重遠 尾田
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障時のオーバリーチ現象又はアンダリーチ
現象の発生を防ぐ。 【構成】 通信回線6で接続されていることにより、第
1、第2の合成回路5a及び5bで第1、第2のCT2
a、2bから出力された電流Ica、Icbの合成電流が得
られる。第1の位相差検出回路7aでは電流Icaと合成
電流Ica+Icbとの位相差が得られる。第1の距離リレ
ー8aは、リアクタンス特性をこの位相差の分だけ傾け
て補正し、故障検出時は第1の出力リレー9aにリレー
動作信号を出力して故障区間を切り離す。故障により第
1の距離リレー8aから見るリアクタンス分が小さくな
る場合は、動作域が狭くなるようにリアクタンス特性を
傾けてオーバリーチ現象の発生を防ぐ。故障によりリア
クタンス分が大きくなる場合は、動作域が広くなるよう
に傾けてアンダリーチ現象の発生を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力用送電線を保護する
距離リレー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電力系統において良質の電力供給を常時
行うために、系統状態を常に監視し、いったん故障、例
えば短絡又は接地等の故障が発生すれば、これを直ちに
検出して故障区間を切り離す保護継電器がある。距離リ
レーはこの保護継電器の1種であり、電圧及び電流の
比、すなわち送電線の距離の尺度となるインピーダンス
を監視して一定値以下になったときに動作する。
【0003】図12は従来の距離リレー装置のブロック
図、図13はその距離リレーの動作特性を示す図であ
る。図12において、1は保護の対象となる送電線、2
は送電線1に流れる電流を距離リレー用の入力とするた
めに適当な電流値に変換する変流器であるCT、3は送
電線1の電圧を距離リレー用の入力とするために適当な
電圧値に変換する変圧器であるPT、8はCT2、PT
3から出力された電流、電圧の入力によりインピーダン
ス演算を実行し、インピーダンスが動作域であればリレ
ー動作信号を出力する距離リレー装置の本体である距離
リレー、9は故障区間を遮断する図示しない遮断器を制
御する出力リレーである。図13において、Rはインピ
ーダンスの抵抗分を示す複素平面上の実軸、jXはイン
ピーダンスのリアクタンス分を示す虚軸、100は送電
線リアクタンスを監視するための実軸Rに平行な直線で
あるリアクタンス特性、101は送電線アドミタンスを
監視するための複素平面上で円となるモー特性である。
【0004】図13の複素平面上で、実軸Rの正方向
(右方向)は距離リレー8の設置された位置から前方、
すなわち負荷方向を示し、実軸Rの負方向は後方、すな
わち電源方向であることを示す。リアクタンス特性10
0は送電線インピーダンスのリアクタンス分を測定して
判定するためのもので、その特性は直線であり、あらか
じめ一定値に設定して設定値以下であれば故障と判定す
る。短絡等による故障の抵抗はR(抵抗)成分でリアク
タンス特性100は実軸Rに平行なので、通常は故障点
抵抗の影響をあまり受けない。反面、方向を判定するこ
とができないので、通常方向性のあるモー特性101と
組み合わせて使用する。モー特性101は送電線インピ
ーダンスの逆数、すなわちアドミタンスを測定して判定
するためのもので、その特性は原点を通る円であり、あ
らかじめ設定された直径の円内であれば故障と判定す
る。図13に示すように前方に広く後方に狭い方向選択
性を有するので、リアクタンス特性100と組み合わせ
て故障を監視する所望の動作域、すなわち図13の斜線
部の特性を得る。距離リレー8のその動作域の設定は常
時負荷では動作しないようにモー特性の動作域を設定
し、送電線の保護区間に合わせてリアクタンス特性の動
作域を設定する。
【0005】次に、図12の距離リレー装置についてそ
の動作を説明する。CT2、PT3から出力された電
流、電圧により距離リレー8の内部ではインピーダンス
が演算される。距離リレー8は設定された動作域内にイ
ンピーダンスが入ると送電線故障と判定し、リレー動作
信号を出力する。リレー動作信号が入力された出力リレ
ー9は送電線1に設置された図示しない遮断器を制御し
てこれを開放させ、故障区間を切り離す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の距離リレー装置
は以上のように構成されているが、送電線の両端に電源
があってその位相が異なっている場合には、故障点抵抗
により故障点を含めたインピーダンスのリアクタンス分
が故障がない場合の送電線インピーダンスのリアクタン
ス分より小さくなることがある。その場合は見かけ上動
作域が広がったことに相当するので、距離リレー8のリ
アクタンス特性の設定値より距離の遠い故障点でも動作
する(以下オーバリーチ)という問題点があった。ま
た、逆に故障点を含めたインピーダンスのリアクタンス
分が故障がない場合の送電線インピーダンスのリアクタ
ンス分より大きくなることもあり、その場合は設定値よ
り距離の近い故障点でも距離リレー8が動作しない(以
下アンダリーチ)という問題点があった。本発明は上記
課題を解決するために、故障点抵抗のある故障であって
も送電線を保護できるリアクタンス特性が得られる距離
リレー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、送電線上の異
なる2点を流れる送電線電流を合成する合成回路と、2
点のうち一方の点に設置され、その点を流れる送電線電
流と合成回路から出力された合成電流との位相差を検出
する位相差検出回路と、リアクタンス特性の傾きを位相
差検出回路から出力された位相差の分だけ変化させる距
離リレーとを有することを特徴とする。また、送電線上
の故障を検出して故障検出期間中は保持信号を出力する
故障検出回路と、故障が発生する前の送電線電流と送電
線電圧との位相差を出力する位相差検出回路と、位相差
検出回路から出力された位相差を故障検出回路から保持
信号が出力されている間継続して保持する保持回路と、
リアクタンス特性の傾きを保持回路から出力された位相
差の分だけ変化させる距離リレーとを有することを特徴
とする。また、送電線電流と送電線電圧との位相差があ
らかじめ設定された一定値より大きい場合に判定信号を
出力する位相差判定回路と、位相差判定回路から出力さ
れた判定信号を一定時間保持する保持回路と、保持回路
から判定信号が入力されるとリアクタンス特性をあらか
じめ設定された傾きに変化させる距離リレーとを有する
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、送電線上の異なる2点を流れ
る送電線電流を合成した合成電流と2点のうち一方の点
を流れる送電線電流との位相差を検出してリアクタンス
特性にその位相差分の傾きをつけることにより、故障点
抵抗による影響を補正することができる。また、故障発
生前の送電線電流と送電線電圧との位相差を検出してリ
アクタンス特性にその位相差分の傾きをつけることによ
り、故障点抵抗による影響を補正することができる。ま
た、故障発生前の送電線電流と送電線電圧との位相差が
一定値より大きい場合にリアクタンス特性にあらかじめ
設定した傾きをつけることにより、故障点抵抗による影
響を補正することができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示す距離リレー装
置のブロック図、図2はその距離リレーの動作特性を示
す図、図3は図1で故障点抵抗が存在する場合のインピ
ーダンスの関係を示す図である。図1において、1は送
電線、2aは第1の位置であるA点に設置された第1の
CT、2bは第2の位置であるB点に設置された第2の
CT、3a及び3bは同じく第1及び第2のPT、4a
は第1のCT2aから出力された電流Icaを適当な電圧
に変換して出力する第1の変換回路、4bは同じく第2
の変換回路、5aは第1の変換回路4aから出力された
電圧と第2の変換回路4bから第1及び第2の位置を相
互に電気的に接続する通信回線6を通して出力された電
圧とをベクトル和合成する第1の合成回路、5bは同じ
く第2の合成回路、7aは第1の変換回路4aから出力
された電圧と第1の合成回路5aから出力された合成電
圧との位相差を検出する第1の位相差検出回路、7bは
同じく第2の位相差検出回路、8aは第1の位相差検出
回路7aから出力された位相差の分だけリアクタンス特
性100の傾きを変化させる回路を有する距離リレー装
置の本体である第1の距離リレー、8bは同じく第2の
距離リレー、9a及び9bは同じく第1及び第2の出力
リレーである。Ea及びEbは位相の異なる第1及び第
2の電源、Icbは第2のCT2bから出力された電流で
ある。
【0010】図2において、Rは実軸、jXは虚軸、1
00はリアクタンス特性、101はモー特性、102及
び103はリアクタンス特性100をそれぞれ位相差θ
1の分だけ左右に傾けた特性である。図3において、Z
sa、Zsbはそれぞれ第1、第2の点A、Bから見た電源
のインピーダンス、Ra+jXa、Rb+jXbは第
1、第2の点A、Bより故障点Fまでの送電線インピー
ダンス、RF は故障点抵抗、Ia、Ibは第1、第2の
点A、Bを流れる送電線電流である。
【0011】本実施例では、電流Ica、Icbは第1、第
2の変換回路4a、4bにて電圧に変換されて位相差検
出等を行うが、対象となるのは実際には電流なので、以
後は動作説明も含めてすべて電流で説明することとす
る。
【0012】図3において、第1、第2の点A、Bに設
置された第1、第2の距離リレー8a、8bから見たイ
ンピーダンスZa、Zbは次式となる。 Za =〔(Ra+jXa)Ia+RF (Ia+Ib)〕/Ia ・・・(1) Zb =〔(Rb+jXb)Ib+RF (Ia+Ib)〕/Ib ・・・(2) 複素平面上に送電線電流Ia、Ib及びその合成電流I
a+Ibのベクトルを描くために、電源EaがEbより
位相が進んでいると仮定すると、送電線電流IaとIb
とにも同様の位相差が生じて図4のようになる。式
(1)の分母Iaのベクトルを基準である実軸R方向に
したので、分子(Ra+jXa)Ia+RF(Ia+I
b)、すなわち第1の距離リレー8aから見た故障点F
を含めた電圧のベクトルをインピーダンスの複素平面上
で描けばインピーダンスZaのベクトルを求めることが
できる。まず、電圧ベクトル(Ra+jXa)Iaに相
当するベクトルOC1を描き、電圧ベクトルRF (Ia
+Ib)に相当するベクトルC1D1を描く。次に、式
(1)の分子はその加算なので、インピーダンスZaの
ベクトルはベクトルOC1とベクトルC1D1を加えた
ベクトルOD1となる。
【0013】したがって、第1の距離リレー8aの見る
インピーダンスZaのリアクタンス分は送電線インピー
ダンスのリアクタンス分jXaより図4のδ1分だけ小
さくなり、本来設定したリアクタンスの特性範囲よりも
広がることになるので、設定より距離の遠い故障点でも
距離リレーが動作するオーバリーチ現象が発生する。逆
に、第2の距離リレー8bの見るインピーダンスZbは
図4と同様に描いて図5に示される。第2の距離リレー
8bの見るインピーダンスZbのリアクタンス分は送電
線インピーダンスのリアクタンス分jXbより図5のδ
2分だけ大きくなり、本来設定したリアクタンスの特性
範囲よりも狭くなるので、設定より距離の近い故障点で
も距離リレーが動作しないアンダリーチ現象が発生す
る。
【0014】図1の距離リレー装置は送電線上の異なる
点を流れる2つの電流を合成し、一方の電流との位相差
を求めることにより、図4、5の位相差θ1又はθ2を
得てリアクタンス特性100を補正するもので、次にそ
の動作を説明する。通信回線6で相互に通信することに
より、第1、第2の合成回路5a及び5bで合成電流I
ca+Icbが得られるので、第1の位相差検出回路7aで
は電流Icaと合成電流Ica+Icbとの位相差が得られ
る。この位相差は、図4に示す送電線電流Iaと合成電
流Ia+Ibとの位相差θ1に等しい。第1の距離リレ
ー8aは、第1の位相差検出回路7aから入力された位
相差θ1によりリアクタンス特性100を位相差θ1の
分だけ傾けてリアクタンス特性を補正し、故障検出時は
第1の出力リレー9aにリレー動作信号を出力する。
【0015】つまり、送電線電流Iaが合成電流Ia+
Ibに対して位相差θ1だけ進んでいる場合は、見かけ
上第1の距離リレー8aの動作域が広がるので、図2の
ようにリアクタンス特性100を位相差θ1の分だけ右
に傾けて特性103とし、動作域を狭くする。図5のよ
うに送電線電流Ibが合成電流Ia+Ibに対して位相
差θ2だけ遅れている場合は、見かけ上第2の距離リレ
ー8bの動作域が狭くなるので、リアクタンス特性10
0を位相差θ2の分だけ左に傾けて特性102とし、動
作域を広くする。したがって、リアクタンス特性100
を補正してオーバリーチ現象又はアンダリーチ現象の発
生を防ぐことができる。
【0016】また、単一の設置点の電流、電圧だけでも
ある程度補正することができる。図6は本発明の他の実
施例を示す距離リレー装置のブロック図、図7は図6で
線路故障を簡単化した模擬図である。図6において、1
1は後述する距離リレーのモー特性と同等以上の大きさ
の特性を有し、送電線上の故障を検出する故障検出回
路、12はCT2、PT3から出力された電流と電圧と
の位相差を検出し、故障検出回路11の故障検出時間分
遅れて位相差を出力する位相差検出回路、13は位相差
検出回路12から出力された位相差を故障検出回路11
から保持信号が出力されている間継続して保持する保持
回路、8cは図1の例と同様の特性を有し、保持回路1
3から出力された位相差の分だけリアクタンス特性10
0の傾きを変化させる回路を有する距離リレーである。
図7において、E1及びE2は位相の異なる電源電圧、
Fは故障点、Z1は電源E1より故障点Fまでのインピ
ーダンス、Z2は電源E2より故障点Fまでのインピー
ダンス、Z3は故障点抵抗、I1はインピーダンスZ1
を流れる電流、I2は故障点抵抗Z3を流れる電流であ
る。
【0017】図7における電流I1、I2は次式のよう
に求められる。
【0018】 I1=E1/〔Z1+(Z2-1+Z3-1-1〕 −{E2/〔Z2+(Z1-1+Z3-1-1〕}Z3/(Z1+Z3) =〔Z2E1+Z3(E1−E2)〕/(Z1Z2+Z1Z3+Z2Z3) ・・・(3)
【0019】 I2={E1/〔Z1+(Z2-1+Z3-1-1〕}Z3/(Z2+Z3) +{E2/〔Z2+(Z1-1+Z3-1-1〕}Z1/(Z1+Z3) =(Z2E1+Z1E2)/(Z1Z2+Z1Z3+Z2Z3) ・・・(4)
【0020】故障発生前のI1はZ3→∞なので、式
(3)より次式(5)となる。 I1=(E1−E2)/(Z1+Z2) ・・・(5)
【0021】上記の電流をベクトル表示するために、電
圧E1、E2のベクトルを図8のように描くと、ベクト
ル(E1−E2)を求めることができる。ここで、ベク
トルの描画を簡単にするためにインピーダンスZ1、Z
2がリアクタンス分であると仮定すると式(5)の分母
(Z1+Z2)はリアクタンス分なので、故障発生前の
電流I1のベクトルはベクトル(E1−E2)に対して
90゜位相が遅れたベクトルとなる。次に、故障発生後
の電流I1、I2のベクトル関係は式(4)、(5)の
分母が同一なので、分子のみで比較する。図9におい
て、Z2E1のベクトルはZ2がリアクタンス分なの
で、ベクトルE1に対して90゜位相が進み、Z1E2
のベクトルも同様にベクトルE2に対して90゜位相が
進む。故障点抵抗Z3は抵抗分なので、Z3(E1−E
2)のベクトルはベクトル(E1−E2)と同相であ
る。これで、故障発生後の電流I1のベクトルはベクト
ルZ2E1とベクトルZ3(E1−E2)との合成ベク
トル、故障発生後の電流I2のベクトルはベクトルZ2
E1とベクトルZ1E2の合成ベクトルとなる。
【0022】故障発生前の電流I1と電圧E1との位相
差θ3はベクトルZ3(E1−E2)、故障発生前のベ
クトルI1の位相差が90°で、ベクトルE1、ベクト
ルZ2E1の位相差が90°であるので、図9ではベク
トルZ3(E1−E2)とベクトルZ2E1との位相差
がθ3に相当する。すなわち、図9のベクトル上から故
障発生前の電流I1と電圧E1の位相差θ3は故障発生
後の電流I1、I2の位相差θ4と比較して大きな差の
ないことが分かる。したがって、本来なら位相差θ4だ
けリアクタンス特性の傾きを設けるべきところを近似的
に故障発生前の位相差θ3の傾きとすることでリアクタ
ンス特性を補正することができることになる。
【0023】図6の距離リレー装置は上記の近似的な補
正を利用したもので、次にその動作を説明する。故障検
出回路11は故障を検出すると保持信号を出力し、故障
を検出している間中は保持信号を継続して出力する。位
相差検出回路12は故障検出回路11の故障検出時間、
すなわち故障を検出して保持信号を出力するまでの時間
遅れてCT2及びPT3から出力された電流、電圧の位
相差を出力するので、故障検出回路11が故障を検出し
て保持信号を出力した時点では故障発生前の位相差を出
力している。この位相差は故障発生前の送電線電流I
1、送電線電圧E1の位相差θ3と等しい。保持回路1
3は保持信号が出力されている間、この位相差θ3を保
持して距離リレー8cへ出力する。距離リレー8cでは
図1の例と同様にリアクタンス特性100を位相差θ3
の分だけ傾けてリアクタンス特性を補正し、出力リレー
9にリレー動作信号を出力するので、オーバリーチ現象
又はアンダリーチ現象の発生をを防ぐことができる。
【0024】なお、本実施例では故障検出回路11を新
たに設けたが、距離リレー8c内に故障発生前に入力さ
れた位相差を保持する回路を設ければ上記同様のことが
実現できる。また、故障発生前の送電線電流I1、送電
線電圧E1の位相差θ3と故障発生後の電流I1、I2
の位相差θ4との誤差を考慮してθ3→kθ3(k≦
1)となる常数kをあらかじめ設定してθ3を補正する
こともできる。特に図2の特性102のように動作域を
広げる場合、位相差θ3が実際のθ4より大きいと動作
域を過度に広げるためにオーバリーチ現象を引き起こす
こともあるので、位相差θ3を補正して傾きを小さくす
ることでオーバリーチ現象の発生を防ぐことができる。
【0025】また、故障発生前の電流、電圧の位相の遅
れ又は進みのみを検出してリアクタンス特性の傾きをつ
ける方法もある。図10は本発明の他の実施例を示す距
離リレー装置のブロック図、図11はその動作特性を示
す図である。図10において、14は電圧が電流よりあ
る一定値以上位相が進んでいるかどうかを検出して一定
値以上進んでいる場合は判定信号を出力する位相差判定
回路、15はその判定信号を一定時間保持する保持回
路、8dはあらかじめ設定された傾き角の分だけリアク
タンス特性100の傾きを変化させる回路を有する距離
リレーである。図11において、104はリアクタンス
特性100をあらかじめ設定された一定の傾き角θ5だ
け右に傾けた特性である。
【0026】次に、図10の距離リレー装置の動作を説
明する。位相差判定回路14はCT2、PT3から出力
された電流、電圧の位相差を検出し、電圧が電流よりあ
る角度、例えば5゜以上進んでいる場合には判定信号を
出力する。故障発生時に電流、電圧の位相が変化してし
まうとこの判定信号が出力されなくなってしまうことが
あるので、保持回路15はある一定の時間、すなわち距
離リレー8dが故障を検出して故障区間を切り離すまで
の時間以上判定信号を保持する。距離リレー8dでは、
この保持された判定信号が入力されるとあらかじめ設定
された傾き角θ5だけリアクタンス特性100に傾きを
つけて図11の特性104とし、故障時はリレー動作信
号を出力して故障区間を切り離す。つまり、このような
動作は図6の実施例で、故障発生前の送電線電流I1と
送電線電圧E1との位相差θ3がある一定値以上の場合
に、リアクタンス特性100をあらかじめ設定した角度
で補正することに相当する。本実施例がリアクタンス特
性100の補正として特性104への変化のみを行うの
は、オーバリーチ現象が設定外の変電所の先の区間まで
動作してしまうためにアンダリーチ現象よりも問題が大
きく、本実施例では電流と電圧との位相差の進み又は遅
れのどちらか一方のみを検出しているからである。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、送電線上の異なる2点
を流れる送電線電流を合成した合成電流と2点のうち一
方の点を流れる送電線電流との位相差を検出してリアク
タンス特性にその位相差分の傾きをつけることにより、
故障点抵抗による影響を補正することができるので、故
障時のオーバリーチ現象又はアンダリーチ現象の発生を
防ぎ、送電線保護範囲の誤差をなくすことができる。ま
た、故障発生前の送電線電流と送電線電圧との位相差を
検出してリアクタンス特性にその位相差分の傾きをつけ
ることにより、故障点抵抗による影響を補正することが
できるので、故障時のオーバリーチ現象又はアンダリー
チ現象の発生を防ぎ、送電線保護範囲の誤差をなくすこ
とができる。また、故障発生前の送電線電流と送電線電
圧との位相差が一定値より大きい場合にリアクタンス特
性にあらかじめ設定した傾きをつけることにより故障点
抵抗による影響を補正することができるので、故障時の
オーバリーチ現象の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す距離リレー装置のブロ
ック図である。
【図2】図1の距離リレーの動作特性を示す図である。
【図3】図1で故障点抵抗が存在する場合のインピーダ
ンスの関係を示す図である。
【図4】図1の第1の距離リレーからみたインピーダン
スのベクトルを示す図である。
【図5】図1の第2の距離リレーからみたインピーダン
スのベクトルを示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す距離リレー装置のブ
ロック図である。
【図7】図6で線路故障を簡単化した模擬図である。
【図8】図7における故障発生前の電流I1、電圧E
1、E2のベクトルを示す図である。
【図9】図7における故障発生後の電流I1、I2のベ
クトルを示す図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す距離リレー装置の
ブロック図である。
【図11】図10の距離リレーの動作特性を示す図であ
る。
【図12】従来の距離リレー装置のブロック図である。
【図13】図12の距離リレーの動作特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 送電線 2a 第1のCT 2b 第2のCT 3a 第1のPT 3b 第2のPT 4a 第1の変換回路 4b 第2の変換回路 5a 第1の合成回路 5b 第2の合成回路 6 通信回線 7a 第1の位相差検出回路 7b 第2の位相差検出回路 8a 第1の距離リレー 8b 第2の距離リレー 9a 第1の出力リレー 9b 第2の出力リレー Ea 第1の電源 Eb 第2の電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力用送電線のインピーダンスのリアク
    タンス分を演算し、動作域であるリアクタンス特性の範
    囲内にあれば故障と判定して故障の区間を切り離す距離
    リレー装置において、 送電線上の異なる2点を流れる送電線電流を合成する合
    成回路と、 前記2点のうち一方の点に設置され、その点を流れる送
    電線電流と前記合成回路から出力された合成電流との位
    相差を検出する位相差検出回路と、 リアクタンス特性の傾きを前記位相差検出回路から出力
    された位相差の分だけ変化させる距離リレーとを有する
    ことを特徴とする距離リレー装置。
  2. 【請求項2】 電力用送電線のインピーダンスのリアク
    タンス分を演算し、動作域であるリアクタンス特性の範
    囲内にあれば故障と判定して故障の区間を切り離す距離
    リレー装置において、 送電線上の故障を検出して故障検出期間中は保持信号を
    出力する故障検出回路と、 故障が発生する前の送電線電流と送電線電圧との位相差
    を出力する位相差検出回路と、 前記位相差検出回路から出力された位相差を前記故障検
    出回路から保持信号が出力されている間継続して保持す
    る保持回路と、 リアクタンス特性の傾きを前記保持回路から出力された
    位相差の分だけ変化させる距離リレーとを有することを
    特徴とする距離リレー装置。
  3. 【請求項3】 電力用送電線のインピーダンスのリアク
    タンス分を演算し、動作域であるリアクタンス特性の範
    囲内にあれば故障と判定して故障の区間を切り離す距離
    リレー装置において、 送電線電流と送電線電圧との位相差があらかじめ設定さ
    れた一定値より大きい場合に判定信号を出力する位相差
    判定回路と、 前記位相差判定回路から出力された判定信号を一定時間
    保持する保持回路と、 前記保持回路から判定信号が入力されるとリアクタンス
    特性をあらかじめ設定された傾きに変化させる距離リレ
    ーとを有することを特徴とする距離リレー装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076608A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Toshiba Corp 交流atき電回路用故障点標定装置の故障検知装置
JP2015154670A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 中国電力株式会社 短絡保護継電システム
JP2022049007A (ja) * 2020-09-15 2022-03-28 ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト 1つ以上の伝送線路におけるソースインピーダンスを推定するための方法および装置

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US11916367B2 (en) 2020-09-15 2024-02-27 Hitachi Energy Switzerland Ag Method and device for estimating source impedances across one or more transmission lines

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