JP6541227B2 - き電用故障点標定装置 - Google Patents
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Description
短絡事故が発生すると、電源電圧が急激に低下し吸上電流が急峻に立ち上がる。これを検出した保護継電器は、遮断器を動作させて回路を遮断する。このときの吸上電流を、直流分が重畳しているタイミングを避けて、回路が遮断される直前に、各変電所で同時計測する。こうして計測された吸上電流を、上記の特許文献に記載されたような計算に使用して、故障点標定を行う。
交流き電回路に所定区間毎に接続された各単巻変圧器において、送電電圧と吸上電流値とを観測して、観測データを一定時間分ディジタル信号化して記憶装置に記憶させる観測装置と、
いずれかの上記単巻変圧器から上記交流き電回路に供給される電力が遮断されたとき、その遮断器を制御した保護継電器の制御信号の受信もしくは、連絡回線を通じて上記遮断器が制御されたことを通知する制御信号を受信する制御信号受信装置と、
上記制御信号の受信時刻を含む前後の一定時間の上記観測データを解析対象として上記記憶装置から読み出す解析対象データ抽出装置と、
読み出された解析対象データに含まれる送電電圧信号の時間変化を解析して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻を検出し、この検出時刻から予め定めたリードタイムだけ経過した時刻の吸上電流値を、上記解析対象データから読み出して、故障点標定用として出力する吸上電流値取得装置を備えたことを特徴とするき電用故障点標定装置。
上記制御信号の受信時刻を含む前後の一定時間は、故障発生時刻から遮断器により回路が遮断されるまでの応答時間の最大値に、解析対象データの読み出し不足を生じない安全率を掛けた時間に設定することを特徴とする構成1に記載のき電用故障点標定装置。
上記吸上電流値取得装置は、
読み出された解析対象データに含まれる送電電圧信号の時間変化を解析して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻を検出することができなかったとき、
読み出された解析対象データに含まれる吸上電流の時間変化を解析して、吸上電流が、故障判定のための閾値以上に上昇した時刻を検出して、
この検出時刻から予め定めたリードタイムだけ経過した時刻の吸上電流値を、上記解析対象データから読み出して、故障点標定用として出力することを特徴とする構成1または2に記載のき電用故障点標定装置。
上記吸上電流値取得装置は、読み出された解析対象データから、(交流の1周期T)/N(Nは正の整数)時間毎に、1周期T時間分のディジタルデータ群を取りだして集計して実効値を算出するという処理を実行して、算出した実効値を閾値と比較して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻または、吸上電流が、故障判定のための閾値以上に上昇した時刻を求める手段を備えたことを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のき電用故障点標定装置。
本発明では、故障点を挟む2つの変電所でそれぞれ個別に最適なタイミングで吸上電流を取得する。個別に動作しても、2つの変電所でほぼ同一のタイミングで吸上電流を取得することができる。図1には、並列き電方式を採用する隣接する2つの変電所12Aと変電所12Bを表示した。両者の間に故障点24が存在するものとし、他の変電所の表示は省略した。変電所12Aと変電所12Bとは、図の交流き電回路14に電力を供給している。
図4と図1を参照しながら、本発明のき電用故障点標定装置10の構成及び動作を説明する。図1に示すように、本発明のき電用故障点標定装置10には、記憶装置30と観測装置32と制御信号受信装置40と解析対象データ抽出装置44と吸上電流値取得装置46とが設けられている。
例えば、図のように、送電電圧Vや吸上電流Iを、サンプリング周期1m秒のディジタルデータで読み出す。そして、送電電圧Vについては、半波長分、吸上電流Iについては1波長分のデータの絶対値を合計し、平均値を算出した後で波形率を使用して実効値を求める。これを閾値と比較する。読み出すデータを1m秒ずつ時間シフトさせながら、同様の計算と比較処理を繰り返す。閾値を越えたら演算処理を停止する。
上記の装置を組み立てて、事故波形生成装置を使用して、実際に、図6(a)や(b)に示すような信号を入力した。その結果、変電所Aのき電用故障点標定装置10も変電所Bのき電用故障点標定装置10も、ほぼ同時刻t1に吸上電流を取得して出力することができた。繰り返し実験をしたところ、両者の吸上電流取得タイミングの時間的な誤差は数m秒以下で、故障点標定に全く支障のない範囲であった。また、送電電圧の低下検出でも、吸上電流の上昇検出でも、故障時刻t0の判定誤差は数m秒以内であった。
ステップS11からステップS15までは、観測装置32の処理である。ステップS11では送電電圧の測定をする。ステップS12では、吸上電流の測定をする。ステップS13では、例えば、測定データをサンプリング周期1m秒でディジタル化処理する。ステップS14では、送電電圧データファイルの更新をする。ステップS15では、吸上電流データファイルの更新をする。こうして、一定のサイズのデータファイルを古いデータから上書きして連続処理をする。
この判断の結果がイエスのときはステップS21の処理に移行し、ノーのときは処理を終了する。ノーのときは、先に説明した別処理をしてもよい。
12 変電所
14 交流き電回路
16 単巻変圧器
18 フィーダ
20 トロリー
22 レール
24 故障点
26 遮断器
28 観測データ
30 記憶装置
32 観測装置
34 保護継電器
36 制御信号
38 連絡回線
40 制御信号受信装置
42 解析対象データ
44 解析対象データ抽出装置
46 吸上電流値取得装置
48 吸上電流値
Claims (4)
- 交流き電回路に所定区間毎に接続された各単巻変圧器において、送電電圧と吸上電流値とを観測して、観測データを一定時間分ディジタル信号化して記憶装置に記憶させる観測装置と、
いずれかの上記単巻変圧器から上記交流き電回路に供給される電力が遮断されたとき、その遮断器を制御した保護継電器の制御信号の受信もしくは、連絡回線を通じて上記遮断器が制御されたことを通知する制御信号を受信する制御信号受信装置と、
上記制御信号の受信時刻を含む前後の一定時間の上記観測データを解析対象として上記記憶装置から読み出す解析対象データ抽出装置と、
読み出された解析対象データに含まれる送電電圧信号の時間変化を解析して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻を検出し、この検出時刻から予め定めたリードタイムだけ経過した時刻の吸上電流値を、上記解析対象データから読み出して、故障点標定用として出力する吸上電流値取得装置を備えたことを特徴とするき電用故障点標定装置。 - 上記制御信号の受信時刻を含む前後の一定時間は、故障発生時刻から遮断器により回路が遮断されるまでの応答時間の最大値に、解析対象データの読み出し不足を生じない安全率を掛けた時間に設定することを特徴とする請求項1に記載のき電用故障点標定装置。
- 上記吸上電流値取得装置は、
読み出された解析対象データに含まれる送電電圧信号の時間変化を解析して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻を検出することができなかったとき、
読み出された解析対象データに含まれる吸上電流の時間変化を解析して、吸上電流が、故障判定のための閾値以上に上昇した時刻を検出して、
この検出時刻から予め定めたリードタイムだけ経過した時刻の吸上電流値を、上記解析対象データから読み出して、故障点標定用として出力することを特徴とする請求項1または2に記載のき電用故障点標定装置。 - 上記吸上電流値取得装置は、読み出された解析対象データから、(交流の1周期T)/N(Nは正の整数)時間毎に、1周期T時間分のディジタルデータ群を取りだして集計して実効値を算出するという処理を実行して、算出した実効値を閾値と比較して、送電電圧が、故障判定のための閾値以下に低下した時刻または、吸上電流が、故障判定のための閾値以上に上昇した時刻を求める手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のき電用故障点標定装置。
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