JP2007076607A - 交流き電回路用故障点標本量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく区間境界の近傍で発生する故障や、故障発生区間を確実に選択し、故障発生点距離を正確に求める。
【解決手段】AT区間のATをはさみ両方面の電気量情報を任意周期毎に測定する電気量測定手段4と、き電回路の系統運用情報を取り込むディジタル入力手段3と、通信衛星から取得する時刻情報手段5と、電気量測定手段4により測定された電気量測定情報からき電回路に発生する事故を検出する事故検知手段6と、この事故検知手段6により検知された事故検知情報及び電気量測定手段4により測定された電気量測定情報を時刻情報手段5より得られる時刻情報に基づいて事故検知時点前後の任意時間分、絶対時刻系列情報として記録する標定情報格納手段7と、この標定情報格納手段に格納された標定情報を任意遠隔標定演算装置に通信する標定情報通信手段8とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】AT区間のATをはさみ両方面の電気量情報を任意周期毎に測定する電気量測定手段4と、き電回路の系統運用情報を取り込むディジタル入力手段3と、通信衛星から取得する時刻情報手段5と、電気量測定手段4により測定された電気量測定情報からき電回路に発生する事故を検出する事故検知手段6と、この事故検知手段6により検知された事故検知情報及び電気量測定手段4により測定された電気量測定情報を時刻情報手段5より得られる時刻情報に基づいて事故検知時点前後の任意時間分、絶対時刻系列情報として記録する標定情報格納手段7と、この標定情報格納手段に格納された標定情報を任意遠隔標定演算装置に通信する標定情報通信手段8とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電気鉄道における交流ATき電回路に発生する地絡故障や短絡故障の故障個所と故障点距離を算出するための交流き電回路用故障点標本量測定装置に関する。
一般に交流電気鉄道に於けるATき電回路は、図23に示すような系統構成となっている。
図23において、鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源間をき電区分所SPで区分している。更に、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。これら変電所SS及びき電区分所SP,SSPには単巻変圧器ATを備えている。
ここで、き電区分所SPで双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電といい、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電という。
上記電車線には下り線と上り線があり、上下線は変電所及び各区分所に備える上下線タイ開閉器により分離または結合して運用する。
ATき電回路は、図24に示すようにトロリ線T、フィーダ線(き電線)F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。また、変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。さらに、トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とフィーダ線に帰還し、変電所SSの電源に流れる。
ところで、このようなATき電回路の系統構成において、故障点の標定は、次のようにして行われている。
まず、変電所SSでは、一般的に図25に示すような電車線の線路短絡インピーダンスを検出している。
図25に示すように、T−F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールRと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむインピーダンス特性を有している。このため、線路リアクタンスから求める故障点標定は、T−F短絡以外の故障に対し、標定精度が著しく低下する。また、電車線路の構成からT−F短絡は発生頻度が少なく、故障の多くは碍子せん絡や飛来物によるT−R短絡、T−PW短絡、F−PW短絡かT及びFの地絡である。
そこで、線路インピーダンスが上部に膨らむ故障については、AT区間の故障電流がレールRと保護線PWとで接続される区間両端のAT中性点に流れることを利用して故障点の標定を行っている。
次に図26にT−R短絡故障の一般的な故障電流分布を示す。
図26において、トロリ線TとレールRに流れる故障点電流は、故障区間両端のAT中性点に吸上げられ、ATによってき電電圧基準に変換(1/2)された電流が変電所(SS)に帰還するので、故障区間両端のATは電気車電圧基準の電源として作用する。
また、図27に故障電流のAT吸上げ原理図を示す。図27は簡略のため両端AT1,AT2を同じ電圧、位相の電源とし、き電電圧基準系を無視している。
図27に示す原理図から故障区間両端ATの吸上げ電流(I1,I2)は次式で求まる。
I1=VT・(Z2)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (1)
I2=VT・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、VT:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT−F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。
I2=VT・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、VT:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT−F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。
図28は上述した従来の故障点標定における故障標本量測定装置の構成図である。
図28は電車線路の上下線に配置される複数の任意AT区間ATnを代表例として示している。ATn区間両端の故障標本量測定装置13は、両端ATn、ATn+1のき電電圧と中性点電流を上下線ともに電気量入力として取り込み、故障発生時には装置外部の保護装置13aが検知した故障検知信号を保護遮断までの短時間に、事故検知トリガ同期通信回路13bと専用通信線13cを介して同一電源領域のき電区間に配置されている全ての標本量測定装置13が同時に標本量を測定するように構成している。
故障相検知ブロック13dはき電電圧とAT中性点電流の位相関係から電圧と電流が同位相方向であればトロリ線故障、逆位相方向であればフィーダ線故障とする故障相検知を行っている。
また、電流実行値演算ブロック13eは、AT中性点電流の1サイクル波形演算から実行値を算出し、AT中性点電流標本量を常時測定している。
標定情報記憶・送信ブロック13fは事故検知トリガ時点の故障相情報と電流標本量測定情報を保存して、その保存した情報を2桁のディジタル符号に変換して、図示しない遠隔の事故点標定演算装置に標定情報通信ライン14を介して送信する。
図示しない遠隔の故障点標定演算装置は、電車線路の複数AT区間の各区間両端から送信された故障発生時の標本量情報、つまり各ATの中性点電流の値から上述の図27に示した原理に基づいて故障点距離を算出している。
このように鉄道き電回路電車線の上下線は、大別すると電気車に電力を送電するトロリ線T、フィーダ線F、レールR、保護線PWなどの電力線からなる送電区間と、上下線を開閉器で結合或いは分離するき電ポスト(SS、SSP、SP)から構成されている。
しかるに、故障は多様な個所でT地絡故障、F地絡故障、或いはT−R短絡故障、T−PW短絡故障,F−R短絡故障,F−PW短絡故障、さらにはT−F短絡故障が発生する。
一方、故障点標定装置には一旦故障が発生した場合の迅速な復旧処置のために故障発生点の選択性と故障点標定距離の正確性が求められる。
しかしながら、上述したAT区間両端のAT吸上電流比による故障点標定原理には次に述べるような問題点(ア),(イ),(ウ)がある。
(ア)T−F短絡故障電流は、トロリ線とフィーダ線に帰還しAT中性点に流れない。このため、AT吸上電流比標定の原理ではT−F短絡故障点を標定できない。T−F短絡故障では故障点までの線路インピーダンスが故障点距離とほぼ直線的な関係を示すので、リアクタンス標定ロケータを用いれば可能であるが、故障種別を特定することが困難なため、双方の標定原理を用いた故障標本量測定装置の常設が必要であること、結果的に双方の故障点標本量測定装置が異なる標定結果を示すので、人為的な判断が必要になる。
(イ)AT近傍の故障は、ATより起点側の電車線故障、き電ポスト構内故障、ATより終点側の電車線故障の三区間に区分されるが、いずれで発生する故障もATの中性点電流では故障区間を判別できない。
(ウ)さらに、AT近傍の故障は、ATより起点側の電車線故障、き電ポスト構内故障、ATより終点側の電車線故障の三区間に区分されるが、いずれで発生する故障もATの中性点電流では故障区間を判別できない。
他方、電車線路に配置されるSS、SSP、SPには、上下線を結合−分離する上下線タイ開閉器を備えている。この上下線タイ開閉器で上下線が結合される場合は故障電流が上下線のATにほぼ半分ずつ流れる。このため、各AT個所では上下線ATの中性点電流を合計して区間両端の吸上げ電流比を求めるため、結果として故障発生個所が上り線か下り線であるか特定できない。
本発明は上記のような問題を解消し、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく区間境界の近傍で発生する故障や、故障発生区間を確実に選択して故障発生点距離を正確に計算するための標本量情報を採取することができる交流き電回路用故障点標定量測定装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離毎区間に配備された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障発生区間と故障発生点距離を測定する交流き電回路用故障点標本量測定装置において、ATをはさみ両方面の電気量情報を取り込むアナログ入力変換手段と、前記き電回路の系統運用情報を取り込むディジタル入力手段と、前記アナログ入力変換手段により変換されたアナログ入力変換情報(電気量)を任意周期毎に測定する電気量測定手と、通信衛星から取得する絶対時刻情報で現在時刻を任意の刻みで更新する時刻情報手段と、前記電気量測定手により測定された電気量測定情報からき電回路に発生する事故を検出する事故検知手段と、この事故検知手段により検知された事故検知情報及び前記電気量測定手により測定された電気量測定情報を前記時刻情報手段より得られる時刻情報に基づいて事故検知時点前後の任意時間分、絶対時刻系列情報として記録する標定情報格納手段、この標定情報格納手段に格納された標定情報を任意遠隔標定演算装置に通信する標定情報通信手段とを備える。
本発明によれば、上下線タイ開閉器の結合−分離に影響されることなく区間境界の近傍で発生する故障や、故障発生区間を確実に選択し、故障発生点距離を正確に計算するための標本量情報を採取することができる。また、各区間の境界点の通過電流と電圧から装置自身が確実に故障を検出して事故発生時刻同期が可能な標本量を採取することで、従来のAT吸上電流比標定で必要としたそれぞれの標定量測定装置間の標本起動トリガ通信線とその布設工事を省略することができる。
以下本発明実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明を適用した電気鉄道路線の任意の区間における交流き電回路の系統構成図である。
図1に示すように電車線は、上下線を備え、トロリ線T、レールR、フィーダ線Fに代表される電力送電線で構成されている。
上下電車線は、任意の区間毎にき電区分所Pn、Pn+1、Pn+2……により電車線区間ATn-1、ATn、ATn+1、……にそれぞれ区分される。これらき電区分所Pn、Pn+1、Pn+2……は、同様に構成されていて、各き電区分構内に備えた上下線タイ開閉器San、Sbn、STnで上下線ともに両翼の電車線、及び上下線相互の接続と切り離しが行えるようにに構成されている。
電車線は、数10km間隔ごとに配置される変電所SSから電力供給を受ける。き電区分所としては、図23に示した同一電源区間を必要に応じて限定区分する補助き電区分所SSP、変電所SS、相互の電源を区分するき電区分所SPに代表される。この場合、補助き電区分所SSPとき電区分所SPの機器構成は異なるが、上述した両翼電車線の接続と切り離し、あるいは上下電車線の接続と切り離しなど系統構成上の作用は同様である。
ここでは、一般的な例として補助き電区分所Pnについて説明する。
上下線両翼区間ATn-1、ATnの両方面電車線(トロリ線とフィーダ線)は、区分所構内(ATn構内)の上下線タイ開閉器San、Sbnで区分され、その中心位置に単巻変圧器ATnがトロリ線Tとフィーダ線Fに接続され、単巻変圧器ATnの中点がレールRに接続され、変電所SSが供するき電電圧(T−F間電圧)を電気車基準電圧(T−R間電圧)に変換する。
電車線区間を走行する電気車電流は、T−R間を帰還して区間両端の区分所構内に配置された単巻変圧器ATとの距離比に応じた値が各単巻変圧器AT中点に吸上げられ、き電電圧基準の電流に変換されたT−F帰還電流が変電所SSに流れる。
補助き電区分所Pn両翼の始点(a)方面と終点(b)方面の電車線T、Fには、計器用変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbn、及び計器用変圧器PTnが上下線とも同様に設置され、補助き電区分所Pnにおける上下線両翼夫々のトロリ線とフィーダ線を通過する電流及び電圧が標本量測定装置1に導入される。
図2は、図1により述べた補助き電区分所Pnの下り線を簡略したき電系統に接続された本発明の標本量測定装置の実施形態を示すブロック構成図である。
図2に示すように、補助き電区分所Pnの両翼区間上下線のトロリ線電流、フィーダ線電流、き電電圧は計器用変成器CTan、CTbn、PTnよりそれぞれ得られる二次電気量が標本量測定装置1のアナログ入力変換手段2に導入される。
アナログ入力変換手段2は、取り込んだ電気量入力を標本量測定装置に適した任意の値に変換し、アナログフィルタ回路により高調波成分量を抑制あるいは除去する。
ディジタル入力手段3は、図示しない任意の遠隔の故障点標定演算装置より伝送される複数AT区間の同一電源領域区間の判別に必要な当該き電区分所構内機器の開閉情報(系統情報)を取り込む。この場合、遠隔の故障点標定演算装置は、複数AT区間に配置された複数の標本量測定装置の系統情報から複数AT区間における限定区分領域と上下線結合、電源境界点の延長など、系統状態に応じた同一電源領域区間の標本量測定装置を認識することが可能になっている。
電気量測定手段4は、前記アナログ入力手段2の電気量情報からそれぞれの入力電気量を測定する。一般的な測定方法には、トランジスタ素子、IC素子、レベルスライサなどのアナログ回路測定と、任意周期ごとにサンプルホールドしてアナログ−ディジタル変換された入力電気量波形情報の測定、或いは入力電気量波形時系列情報の振幅値演算、移相演算、位相差演算などの数値演算から電気量を求めるディジタル演算測定とがあり、測定の方法は限定しない。
時刻情報手段5は、GPSアンテナが受信する通信衛星の絶対時刻電波情報を標本量測定装置に取り込み、定時或いは任意周期で標本量測定装置の現在時刻を補正し、複数AT区間に遠隔配置される複数標本量測定装置の標本量情報を、絶対時刻時系列整合に適した精度刻みで時刻情報を生成する。
事故検知手段6は、前記電気量測定手段4で求めた電気量測定情報から、次の方法(ア),(イ)で、き電回路に発生する事故を検知する。
(ア)トロリ線電流とフィーダ線電流をベクトル合成して、AT区間に流れるトロリ線〜フィダ線を流れる電流成分、あるいは電気車基準電流を求め、これら求めた現在値または、過去の任意時点における電流に対する現在電流増加量の値が任意値レベルを超過した場合に事故発生を検知する。
(イ)過去の任意時点におけるT−F電圧に対する現在のT−F電圧低下量が任意値レベルを超過した場合に事故発生を検知する。
事故検知手段6の構成は、前記電気量測定手段4で述べたようにアナログ回路による事故検知又はディジタル数値演算による事故検知とがあり、その構成は限定しない。
標定情報格納手段7は、任意周期ごとに前記ディジタル入力手段3、電気量測定手段4、時刻情報手段5、事故検知手段6の系統情報、電気量測定情報、時刻情報、事故検知情報をそれぞれ読み込んで現在から過去の任意時間分の絶対時刻付き時系列情報として記録・更新する。また、標定情報格納手段7は、事故検知手段6から読み込む事故検知情報から事故を検知した場合、事故検知時点を基準として予め定めた前後任意時間分の電気量測定情報を記録し、記録情報を更新する。さらに、標定情報格納手段7は、任意周期ごとに前記系統情報、事故検知情報を読み込んでディジタル入力手段3の系統情報が変化した場合には系統情報を、事故を検知した場合は事故検知情報をそれぞれ遠隔通信手段8に通知する。
遠隔通信手段8は、前記標定情報格納手段7の系統情報変化を検知した場合に、標定情報通信ライン12を介して遠隔の標定演算装置に標定情報格納手段が読み込んだ系統変化情報を送信する。
また、遠隔通信手段8は、前記標定情報格納手段7の事故検知を認知した場合に、標定情報通信ライン12を介して遠隔の標定演算装置に事故検知を通報した後、遠隔の標定演算装置から標本量情報の送信要求に応じて前記標定情報格納手段7に格納された電気量標本情報を遠隔の標定演算装置に送信する。
さらに、遠隔通信手段8が遠隔の標定演算装置に送信する系統情報は、遠隔の標定演算装置が複数のAT区間に配置された複数の標本量測定装置において、電車線区間の限定区分領域や上下線結合と電源境界点の延長など、系統状態に応じた同一電源区間グループを認識するための情報である。
また、遠隔通信手段8が遠隔の標定演算装置事故検知を通報し、遠隔の標定演算装置の送信要求に応じて電気量標本情報を送信することは、遠隔の標定演算装置が事故検知から、任意時間経過後に任意の順番で複数の標本量測定装置と順次通信して電気量標本情報を取得できるので、同一電源領域区間の複数標本量測定装置との多重・多量情報(電気量標本情報)の通信衝突を避けることが可能となる。
次に前記電気量測定手段4の電気フェーザ量情報の測定例について説明する。
フェーザ量情報の測定には、前記アナログ入力手段2で取り込まれて任意の値に変換された電気入力波形を時系列サンプリングデータとして測定する方法と、この時系列サンプリングデータを用い、振幅値演算・移相演算・位相演算などディジタル数値演算から電気入力をフェーザ量(スカラ値と任意入力基準に対する位相差)として測定する方法とがあるが何れを用いても良い。
一例として既に公開された技術を用い、フェーザ量を算出するための具体例について述べる。
図3は任意の値に変換された電気入力波形図である。この電気入力波形は図4に示すように、任意周期(基本波周波数の任意角速度ωt)毎に同期してサンプルホールドされたディジタル値Xm〜Xm-11に変換され、任意の時系列データとして毎周期毎に記録・更新される。入力電気量(スカラ量)は、記憶した反サイクル分時系列データXmの絶対値総和から求まる。
図5に加算形振幅値演算の例を示す、時系列データXm〜Xm-5のサンプリング周期を電気角速度30°とすれば入力電気量yは次式で求まる。
y=k×Σ{(Xm)} 但し、m=0→−5、kは任意に定める変換定数
入力電気量(スカラ量)は、電気角90°で直交成分に透過するサンプリング値の二乗加算からも求まる。
入力電気量(スカラ量)は、電気角90°で直交成分に透過するサンプリング値の二乗加算からも求まる。
図6に示す積形振幅値演算例において、上述と同様に時系列データのサンプリング周期を電気角速度30°とすれば、入力電気量yは次式で求まる。
y2=k×((Xm)2+(Xm-3)2) 但し、kは任意に定める変換定数
それぞれの入力電気位相(位相角)において、任意基準入力電気量をX1、それぞれ入力電気量をX2とすると、基準入力電気量に対するそれぞれ入力電気量の位相角θは、基準入力に対する有効成分XPと無効成分XQの比から求まる。
それぞれの入力電気位相(位相角)において、任意基準入力電気量をX1、それぞれ入力電気量をX2とすると、基準入力電気量に対するそれぞれ入力電気量の位相角θは、基準入力に対する有効成分XPと無効成分XQの比から求まる。
θ=tan-1(XQ/XP)
ただし
Xp=X1・X2・cosθ
Xq=X1・X2・sinθ
つまり、図7に示す積形位相演算例において、上述と同様に時系列データのサンプリング周期を電気角速度30°とすれば、入力電気位相θは次式で求まる。
ただし
Xp=X1・X2・cosθ
Xq=X1・X2・sinθ
つまり、図7に示す積形位相演算例において、上述と同様に時系列データのサンプリング周期を電気角速度30°とすれば、入力電気位相θは次式で求まる。
θ=tan-1(((X1m-3)(X2m)−(X1m)(X2m-3))/((X1m)(X2m)
+(X1m-3)(X2m-3))
上述の電気量測定手段4で測定された電気入力波形の時系列サンプリングデータ、或いはフェーザ量データは前記標定情報格納手段7で過去の任意時間分の時刻付き時系列情報として記録され、定常時は図8に示すように毎周期毎に更新されるが、事故検知時は図9に示すように事故検知時点を基準とする前後任意時系列分の測定データが標本量情報として格納される。
+(X1m-3)(X2m-3))
上述の電気量測定手段4で測定された電気入力波形の時系列サンプリングデータ、或いはフェーザ量データは前記標定情報格納手段7で過去の任意時間分の時刻付き時系列情報として記録され、定常時は図8に示すように毎周期毎に更新されるが、事故検知時は図9に示すように事故検知時点を基準とする前後任意時系列分の測定データが標本量情報として格納される。
図示しない遠隔の標定演算装置では、広域に配置された複数の標本量測定装置で測定された時刻付き時系列情報の同時刻情報を基準点として、事故区間両端の標本量情報をベクトル演算で標定すれば、より高精度な故障点標定と故障種別判定や故障区間判定が可能になる。
なお、図示しない遠隔の標定演算装置は、標本量測定装置の標本量情報が電気入力波形の時系列サンプリングデータの場合は、上述同様に振幅値演算、移相演算、位相演算などディジタル数値演算でフェーザ量を求めることができる。
次に前記電気量測定手段4における各方面のトロリ線〜レールを流れる電流の測定例を図10に示す。
図10は、一例として広域き電系統における下り線の一部を示している。
き電ATn区間電源側のATn構内(き電区分所)では、単巻変圧器ATn両翼それぞれのトロリ線電流とフィーダ線電流が標本量測定装置1に導入される。
ATn-1区間とATn区間の両方向のレールの帰還電流は、それぞれの方面毎のトロリ線電流とフィーダ線電流のベクトル合成値を測定して求める。
ATn-1区間に流れるレール電流成分IRn-1=ITan+IFan
ATn区間に流れるレール電流成分IRn=ITbn+IFbn
上述した測定式には、トランジスタ素子、IC素子、レベルスライサなどのアナログ回路を用いた測定と、それぞれの電気入力を任意周期ごとにサンプルホールドしてアナログ−ディジタル変換された入力電気量波形情報の過去任意の時系列情報を用い、同方面のトロリ線電流とフィーダ線電流とを同時系で加算して求めた値を振幅値演算、移相演算、位相差演算などのディジタル数値演算測定とがあり、測定の方法は限定しない。
ATn区間に流れるレール電流成分IRn=ITbn+IFbn
上述した測定式には、トランジスタ素子、IC素子、レベルスライサなどのアナログ回路を用いた測定と、それぞれの電気入力を任意周期ごとにサンプルホールドしてアナログ−ディジタル変換された入力電気量波形情報の過去任意の時系列情報を用い、同方面のトロリ線電流とフィーダ線電流とを同時系で加算して求めた値を振幅値演算、移相演算、位相差演算などのディジタル数値演算測定とがあり、測定の方法は限定しない。
また、き電回路はトロリ、レール、フィーダの電車線に代表され故障線短絡種別、地絡に応じてそれぞれの多線条岐路を経由してトロリ線〜レールを流れる電流、単巻変圧器中点吸上げ電流、トロリ・フィーダ帰還電流が流れる。
しかるにそれぞれの電車線を通過する電流成分を標本量とすれば、より高精度な故障点標定が可能となる他、事故発生前後の電気車電流の変化を把握することも可能となる。
図11は、き電回路に流れる電流分布の一例を示している。
ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流(電車線基準電圧電流)は、流入点を基準とする区間両方向に備えられた複数の単巻変圧器ATの中性点に流入点までのインピーダンス比に応じた値が流れる。
図11の例はATn区間に流入する電流が、区間両端の単巻変圧器ATn、ATn+1、及び図示しない電源側の単巻変圧器ATn-1の中性点に帰還する電流IATn、IATn+1、IATn-1をそれぞれ示している。
各単巻変圧器中性点電流は、それぞれ単巻変圧器両端(トロリ端とフィーダ端)の巻線比1/2に変換されたき電電圧基準の電流0.5IATn、0.5IATn+1、0.5IATn-1となってトロリ線とフィーダ線を帰還して電源に流れる。
上述の電流分布において、単巻変圧器ATn両翼のトロリ線とフィーダ線の変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbnの変流比を仮に1/1とすると、次の二次電流ITan、IFan、ITbn、IFbnがそれぞれに流れる。
(区間ATn-1方面)
トロリ線電流ITan=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
(区間ATn-1方面)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFbn=−(0.5IATn+1)
しかるに、前述したそれぞれの方面毎のトロリ線電流とフィーダ線電流をベクトル合成値して求める電流IRn-1、IRnからATn-1区間とATn区間の両方向それぞれのレールの帰還電流を測定できる。
トロリ線電流ITan=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
(区間ATn-1方面)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFbn=−(0.5IATn+1)
しかるに、前述したそれぞれの方面毎のトロリ線電流とフィーダ線電流をベクトル合成値して求める電流IRn-1、IRnからATn-1区間とATn区間の両方向それぞれのレールの帰還電流を測定できる。
ATn-1区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流IRn-1=ITan+IFan
=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)+(0.5IATn+0.5IATn+1)=−IATn-1
ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流IRn=ITbn+IFbn
=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)−(0.5IATn+1)=IATn+IATn-1
次に前述した実施形態の電気量測定手段4におけるAT吸上げ電流の測定方法を図12のき電回路構成を用い説明する。
=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)+(0.5IATn+0.5IATn+1)=−IATn-1
ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流IRn=ITbn+IFbn
=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)−(0.5IATn+1)=IATn+IATn-1
次に前述した実施形態の電気量測定手段4におけるAT吸上げ電流の測定方法を図12のき電回路構成を用い説明する。
図12は、広域き電系統における下り線の一部を一例として示した構成図である。
図12において、き電ATn区間の電源側のATn構内(き電区分所)では、前記標本量測定装置1の電気量測定手段4に単巻変圧器ATn両翼それぞれのトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnが導入される。
図13にアナログ合成によるAT吸上げ電流成分の抽出例を示す。AT吸上げ電流成分IATnは、電気量測定手段4に導入される単巻変圧器ATn両翼のそれぞれのトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnの全入力電気量の加算(次式)により求まる。
IATn=ITan+ITbn+IFan+IFbn
前述した図11に一例を示したように、ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流(電車線基準電圧電流)は、単巻変圧器ATn両翼のトロリ線とフィーダ線の変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbnの変流比を仮に1/1とすると、それぞれの変流器二次電流ITan、IFan、ITbn、IFbnには次の電流成分が含まれる。
前述した図11に一例を示したように、ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流(電車線基準電圧電流)は、単巻変圧器ATn両翼のトロリ線とフィーダ線の変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbnの変流比を仮に1/1とすると、それぞれの変流器二次電流ITan、IFan、ITbn、IFbnには次の電流成分が含まれる。
トロリ線電流ITan=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFbn=0.5IATn+1)
しかるに、全入力電気量加算の結果、当該単巻変圧器AT吸上げ電流IATnが測定される。さらに、AT吸上げ電流成分は図14に示すように前述した単巻変圧器ATn両翼のATn-1区間とATn区間の両方向のレールを帰還電流の加算(次式)により抽出できる。
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFbn=0.5IATn+1)
しかるに、全入力電気量加算の結果、当該単巻変圧器AT吸上げ電流IATnが測定される。さらに、AT吸上げ電流成分は図14に示すように前述した単巻変圧器ATn両翼のATn-1区間とATn区間の両方向のレールを帰還電流の加算(次式)により抽出できる。
IATn=IRn-1+IRn
前述の図10、図11を用いたレール電流成分の抽出で説明した値から、
IRn-1:ATn-1区間に流れるレール電流成分=−IATn-1
IRn:ATn区間に流れるレール電流成分=IATn+IATn-1
しかるに、両方向夫々のレールを帰還電流成分加算の結果、当該単巻変圧器AT吸上げ電流IATnが抽出される。
前述の図10、図11を用いたレール電流成分の抽出で説明した値から、
IRn-1:ATn-1区間に流れるレール電流成分=−IATn-1
IRn:ATn区間に流れるレール電流成分=IATn+IATn-1
しかるに、両方向夫々のレールを帰還電流成分加算の結果、当該単巻変圧器AT吸上げ電流IATnが抽出される。
図15は、電気量測定手段4のディジタル数値演算によるAT吸上げ電流成分の抽出例を示し、その原理は図13で説明したアナログ合成原理と同様である。
電気量測定手段4にそれぞれ導入された電気量ITan、ITbn、IFan、IFbnのアナログ波形は任意周期毎に同期してサンプルホールドされ、ディジタル値に変換される。ディジタル変換されたATn両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnのサンプリングデータは毎周期毎に加算されてサンプリング合成値ΣISPが算出される。
このサンプリング合成値ΣISPと任意の基準入力のサンプリング値φSpは、それぞれ周期毎に現時点から過去任意時系列分のデータが記憶されて更新される。AT吸上げ電流は、図5、図6、図7の説明と同様に、それぞれ周期毎にサンプリング合成値ΣISPの時系列記憶データを振幅値演算してスカラ値を求め、サンプリング合成値ΣISPと任意の基準入力サンプリングデータφSPとの位相演算から、基準入力に対する位相角(θを)求める。
次に前記実施形態の電気量測定手段4におけるT−F帰還電流(き電電圧基準)ITFan、ITFbnの測定例を図16に示す。前述した図12と同様にATn構内(き電区分所)の単巻変圧器ATn両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnが電気量入力として電気量測定手段4にそれぞれ導入される。
T−F帰還電流(き電電圧基準)ITFan、ITFbnは、導入されたそれぞれの電気量入力を区間ATn-1、ATnの夫々方面毎に次の(ウ)、(エ)、(オ)のように合成演算して求めることができる。
(ウ)同方面のトロリ・フィーダ電流において、次式からそれぞれの区間方面の電流総和値を求める。
ΣIan=ITan−ITFa
ΣIbn=ITbn−ITFb
但し、ΣIan:ATn-1区間の電流総和値、ΣIbn:ATn-1区間の電流総和値
(エ)同方面のトロリ・フィーダ電流において、次式からそれぞれの方面のトロリ線〜レールを流れる電流値を求める。
ΣIbn=ITbn−ITFb
但し、ΣIan:ATn-1区間の電流総和値、ΣIbn:ATn-1区間の電流総和値
(エ)同方面のトロリ・フィーダ電流において、次式からそれぞれの方面のトロリ線〜レールを流れる電流値を求める。
ΔIan=ITan+ITFa
ΔIbn=ITbn+ITFb
但し、ΔIan:ATn-1区間のトロリ線〜レールを流れる電流値、ΣIbn:ATn-1区間のトロリ線〜レールを流れる電流値
(オ)上述で求めた電流成分総和値と電車線電圧基準電流値から、次式で各区間のT−F帰還電流値(き電電圧基準)を求める。
ΔIbn=ITbn+ITFb
但し、ΔIan:ATn-1区間のトロリ線〜レールを流れる電流値、ΣIbn:ATn-1区間のトロリ線〜レールを流れる電流値
(オ)上述で求めた電流成分総和値と電車線電圧基準電流値から、次式で各区間のT−F帰還電流値(き電電圧基準)を求める。
ITFan=|(|ΣIan|−|ΔIan |)/2|
ITFbn=| (|ΣIbn|−|ΔIbn |)/2|
但し、ITFan:ATn-1区間の通過電流値、ITFbn:ATn-1区間の通過電流値
前述した図11に一例として示した電流分布から、ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流(電車線基準電圧電流)は、単巻変圧器ATn両翼のトロリ線とフィーダ線の変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbnの変流比を仮に1/1とすると、それぞれの変流器二次電流ITan、IFan、ITbn、IFbnには次の電流成分が含まれる。
ITFbn=| (|ΣIbn|−|ΔIbn |)/2|
但し、ITFan:ATn-1区間の通過電流値、ITFbn:ATn-1区間の通過電流値
前述した図11に一例として示した電流分布から、ATn区間に流れるトロリ線〜レールを流れる電流(電車線基準電圧電流)は、単巻変圧器ATn両翼のトロリ線とフィーダ線の変流器CTTan、CTFan、CTTbn、CTFbnの変流比を仮に1/1とすると、それぞれの変流器二次電流ITan、IFan、ITbn、IFbnには次の電流成分が含まれる。
トロリ線電流ITan=−(0.5IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流=IFbn=0.5IATn+1
しかるに、上述した電流成分分布から求められる各方面の合成電流は、それぞれ次の値となる。
フィーダ線電流IFan=(0.5IATn+0.5IATn+1)
トロリ線電流ITbn=(IATn+0.5IATn+1+IATn-1)
フィーダ線電流=IFbn=0.5IATn+1
しかるに、上述した電流成分分布から求められる各方面の合成電流は、それぞれ次の値となる。
ΣIan=ITan−ITFa=−(IATn-1+IATn+IATn+1)
ΣIbn=ITbn−ITFb=IATn-1
ΔIan=ITan+ITFa=(IATn-1+IATn+IATn+1)
ΔIbn=ITbn+ITFb=(IATn-1+IATn)
ITFan=|(|ΣIan|−|ΔIan |)/2|=0.5(IATn+IATn+1)
ITFbn=|(|ΣIbn|−|ΔIbn |)/2|=0.5ATn+1
つまり、求められるATn構内の単巻変圧器ATn両翼の各区間の通過電流ITFan、ITFbnは、電源に帰還するT−F帰還電流(き電電圧基準)であることが分かる。
ΣIbn=ITbn−ITFb=IATn-1
ΔIan=ITan+ITFa=(IATn-1+IATn+IATn+1)
ΔIbn=ITbn+ITFb=(IATn-1+IATn)
ITFan=|(|ΣIan|−|ΔIan |)/2|=0.5(IATn+IATn+1)
ITFbn=|(|ΣIbn|−|ΔIbn |)/2|=0.5ATn+1
つまり、求められるATn構内の単巻変圧器ATn両翼の各区間の通過電流ITFan、ITFbnは、電源に帰還するT−F帰還電流(き電電圧基準)であることが分かる。
図17は、電気量測定手段4のディジタル数値演算による区間通過電流成分の抽出例を示し、その原理は図16で説明した合成原理と同様である。
電気量測定手段4に導入されたそれぞれの電気量ITan、ITbn、IFan、IFbnのアナログ波形は任意周期毎に同期してサンプルホールドされ、ディジタル値に変換される。ディジタル変換されたATn両翼のトロリ線電流ITan、ITbnとフィーダ線電流IFan、IFbnのサンプリングデータは各周期毎に図16で説明したΣIan、ΣIbn、ΔIan、ΔIbnそれぞれの合成原理に基ずいて同時系列サンプリングデータを合成する。
次にサンプリング合成値ΣIan、ΣIbn、ΔIan、ΔIbnをそれぞれ振幅値演算して電気量ΣIan,ΣIbn、ΔIan、ΔIbnを算出し、図16の(ウ)に示した原理に基づいてそれぞれの方面の区間通過電流ITFan、ITFbnを算出する。
次に前述した実施形態の事故検知手段6の応用例を説明する。
図18はトランジスタ素子、IC素子、レベルスライサなどの一般的に公知とされるアナログ回路技術を用いた事故検出手段6の構成を示すブロック図である。
図2乃至図6で説明した電気量測定手段4で測定されたアナログ電気量(総称してAとする)を用い、事故検知手段6は、電気量(A)と予め定めた任意値(k)との電気量比較判定を行うと共に、電気量の現在値(A)と過去任意サイクル時点mの値(A-m )との変化量(ΔA)を検出して、その変化量(ΔA)と予め定めた任意値(Δk)との変化量比較判定を行う。
電流値から事故を検知する場合は、前記電気量比較判定(A≧k)と変化量比較判定(A−Am≧Δk)の双方が比較判定論理を満足する場合に事故であると検知する。
一方、電圧値から事故を検知する場合は、前記電気量比較判定(A≦k)と変化量比較判定(A−Am≦Δk)の双方が比較判定論理を満足する場合に事故であると検知する。
上述は代表例入力に対する原理説明であり、図18には示していないが、本発明で用いる電気量(A)は、図9と図16で説明したATn区間両翼のトロリ線〜レールを流れる電流(トロリ線〜レールを流れる電流)IRn-1、IRnとT−F帰還電流(トロリ線〜フィダ線を流れる電流)ITFn-1、ITFn、及びき電電圧Vnであり、各電気量に対し同様の原理で事故を検知する。
図19はディジタル数値演算による事故検知手段6の構成を示すブロック図である。
図2乃至図6で説明したように、電気量測定手段4では、ATn構内の両翼区間を通過する各方面のトロリ線電流とフィーダ線電流及びATn構内のき電電圧の入力電気量波形を任意周期毎にサンプルホールドしてアナログ−ディジタル変換された値を測定している。
事故検知演算手段6aは、電気量測定手段4の電流波形サンプリングデータITan、IFan,ITbn、IFbnと電圧波形サンプリングデータVnを用い、ATn構内の両翼区間を通過する前述の電流波形サンプリングデータITan、IFan,ITbn、IFbnを任意周期毎に同方面の電流サンプリング値を合成演算して、各方面の電流成分サンプリング値Ian、Ibnを求める。
この電流成分サンプリング値Ian、Ibnは各方面の代表電流として記載しており、図示していないが、本発明ではサンプリング合成値Ian、Ibnは、トロリ線〜レールを流れる電流(トロリ線〜レールを流れる電流)と各区間方面の総和電流とを次の(カ)、(キ)、(ク)、(ケ)のように求める。
(カ)ATn-1区間方面のトロリ線〜レールを流れる電流は次のようにサンプリング値を合成する。
Ian = ITan + IFan
(キ)ATn区間方面のトロリ線〜レールを流れる電流は次のようにサンプリング値を合成する。
(キ)ATn区間方面のトロリ線〜レールを流れる電流は次のようにサンプリング値を合成する。
Ibn=ITbn+IFbn
(ク)ATn-1区間方面の総和電流は次のようにサンプリング値を合成する。
(ク)ATn-1区間方面の総和電流は次のようにサンプリング値を合成する。
Ian=ITan−IFan
(ケ)ATn区間方面の総和電流は次のようにサンプリング値を合成する。
(ケ)ATn区間方面の総和電流は次のようにサンプリング値を合成する。
Ibn=ITbn−IFbn
上述で求めたそれぞれの電流成分サンプリング合成値と、き電電圧波形サンプリング値を用い、図示しないメモリに任意サイクルの時系列情報として記憶し周期毎に更新する。
上述で求めたそれぞれの電流成分サンプリング合成値と、き電電圧波形サンプリング値を用い、図示しないメモリに任意サイクルの時系列情報として記憶し周期毎に更新する。
事故検知演算手段6aでは、記憶された時系列情報を振幅値演算、移相演算、位相差演算などの一般的に公知とされるディジタル演算技術を用い、図8の説明と同様な事故検知原理及び手順で事故を検知する。
次に前記実施形態の事故検知手段6の更なる応用例を説明する。
図20は図19に示す事故検知演算手段6aを詳細に示すブロック図で、ディジタル数値演算による電流電気量の事故検知例を示している。
入力電流Ian、Ibnは、図19に示したサンプリング合成値のサンプリング周期間隔で任意数連続した時系列記憶情報であり、交流き電回路の電車線に任意の区間毎に配置される任意の単巻変圧器ATn構内の両翼それぞれの方面のトロリ線〜レールを流れる電流(電車電圧基準)、或いはき電電圧基準の電流情報である。
基本波フィルタ6b、高調波フィルタ6cは、サンプリング周期毎に入力電流Ian、Ibnの時系列記憶情報から、任意次数調波演算に必要な過去の任意角速度に応じたサンプリング値を合成してき電回路の定格周波数サンプリング値、及び定格周波数に対する任意の低次数高調波のサンプリング値としてそれぞれ算出し、これら算出した各々の次数のサンプリング値は図示しないメモリにサンプリング周期間隔で任意数の時系列情報として記憶し周期毎に更新する。
この場合、目的次数調波を抽出するディジタルフィルタ演算技術は、定格周波数と任意次数調波の電気角速度、サンプリング周期角速度、ゲイン補正係数の関数からなる一般的に公開された既知の数式と係数を用いて行う。
基本波振幅値演算手段6d、高調波振幅値演算手段6eは、それぞれ基本波フィルタ6b、高調波フィルタ6cで算出されて記憶された基本調波、及び任意次数調波の電流サンプリング時系列情報を用いた振幅値演算によりそれぞれの成分の電流量を算出し、基本波電流は図示しないメモリにサンプリング周期間隔で任意数の時系列情報として記憶し周期毎に更新する。
電流量を算出する振幅値演算の一例は、前記電気量測定手段4の図4乃至図8のディジタル数値演算技術で説明している。
変化電流検出手段6fは、前記基本波振幅値演算手段6dで算出されて記憶された電流量時系列情報を用い、現在の電流値と過去の任意サイクルの電流値との差分電流量を算出する。
ΔI=I−Im
但し、ΔI:差分電流量、I:現在サンプリング時点の電流量、Im:過去mサイクル前の電流量
比較判定手段6g,6hは、基本波の差分電流量及び現在電流量のそれぞれの予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式成立情報をそれぞれが事故検知6に通知する。
但し、ΔI:差分電流量、I:現在サンプリング時点の電流量、Im:過去mサイクル前の電流量
比較判定手段6g,6hは、基本波の差分電流量及び現在電流量のそれぞれの予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式成立情報をそれぞれが事故検知6に通知する。
比較判定手段6gの判定式
ΔI≧Δk
但し、ΔI:基本波の差分電流量、Δk:予め定めた基本波変化電流判定値
比較判定手段6hの判定式
I≧k 基本波電流判定値
高調波含有率判定手段6iは、前記基本波振幅値演算手段6dと高調波振幅値演算手段6eで算出された基本波電流に対する任意次数の高調波電流の現在電流比率を算出し、算出した比率値と判定と予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式成立情報を事故検知手段6に通知する。
ΔI≧Δk
但し、ΔI:基本波の差分電流量、Δk:予め定めた基本波変化電流判定値
比較判定手段6hの判定式
I≧k 基本波電流判定値
高調波含有率判定手段6iは、前記基本波振幅値演算手段6dと高調波振幅値演算手段6eで算出された基本波電流に対する任意次数の高調波電流の現在電流比率を算出し、算出した比率値と判定と予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式成立情報を事故検知手段6に通知する。
高調波含有率の算出式
Fn%=Ifn/If1、又はFn%=(Ifn+Ifn+n+……)/If1
高調波含有率の判定式
Fn%≧fnk
但し、Fn%:高調波含有率、fnk:予め定めた高調波含有率判定値
事故検知手段6jは、前記比較判定手段6g,6hと高調波含有率判定手段6iのそれぞれの判定結果が予め定めた論理条件成立で事故発生を検知して図2の標本量格納手段7に事故検知を通知する。
Fn%=Ifn/If1、又はFn%=(Ifn+Ifn+n+……)/If1
高調波含有率の判定式
Fn%≧fnk
但し、Fn%:高調波含有率、fnk:予め定めた高調波含有率判定値
事故検知手段6jは、前記比較判定手段6g,6hと高調波含有率判定手段6iのそれぞれの判定結果が予め定めた論理条件成立で事故発生を検知して図2の標本量格納手段7に事故検知を通知する。
事故検知は、基本波電流及び基本波電流の変化量との双方が予めそれぞれに定めた任意の値を超過し、高調波含有率が定めた任意の値よりも小さいことを論理条件としている。
事故検知=(ΔI≧Δk)×(I≧k)×(Fn%<Ifn/If1)
次に前記実施形態における事故検知手段6の更なる応用例を説明する。
次に前記実施形態における事故検知手段6の更なる応用例を説明する。
図21は、図19に示す事故検知演算手段6aの詳細を示すブロック図で、ディジタル数値演算による電圧電気量の事故検知例を示している。
図21において、入力電圧Vnは図19に示すサンプリング周期間隔で任意数連続した時系列記憶情報であり、交流き電回路の電車線に任意の区間毎に配置される任意の単巻変圧器ATn構内のき電電圧情報である。
基本波フィルタ6lは、サンプリング周期毎に入力電圧Vnの時系列記憶情報から、基本波演算に必要な過去の任意角速度に応じたサンプリング値を合成してき電回路の定格周波数サンプリング値を算出し、図示しないメモリにサンプリング周期間隔で任意数連続する時系列情報として記憶し、周期毎に更新する。
基本波振幅値演算手段6mは、基本波フィルタ6lで算出されて記憶されたサンプリング時系列情報を用いた振幅値演算により基本波電圧量を算出し、図示しないメモリにサンプリング周期間隔で任意数連続の時系列情報として記憶し、周期毎に更新する。
この場合、振幅値演算例は、図20と同様である。
変化電圧検出6nは、前記基本波振幅値演算手段6mで算出されて記憶された電圧量時系列情報を用い、現在の電圧値と過去任意サイクルの電圧値との差分電圧量を算出する。
ΔV=V−Vm
但し、ΔV:差分電圧量、V:現在サンプリング時点の電圧量、Vm:過去mサイクル前の電圧量
比較判定手段6o,6pは、基本波の差分電圧量及び現在電圧量のそれぞれの予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式の成立情報をそれぞれ事故検知手段6jに通知する。
但し、ΔV:差分電圧量、V:現在サンプリング時点の電圧量、Vm:過去mサイクル前の電圧量
比較判定手段6o,6pは、基本波の差分電圧量及び現在電圧量のそれぞれの予め定めた任意値との比較判定を行い、比較判定式の成立情報をそれぞれ事故検知手段6jに通知する。
比較判定手段6oの判定式
ΔV≧Δk
但し、ΔV:基本波の差分電圧量、Δk:予め定めた基本波変化電圧判定値
比較判定手段6pの判定式
V≧k
但し、ΔV:基本波の電圧量、k:予め定めた基本波電圧判定値
事故検知手段6qは、図20に示した事故検知手段6jの論理条件に加え、本図の比較判定手段6o,6pのそれぞれが共に判定式が成立した場合に事故発生を検知して図2の標本量格納手段7に事故検知を通知する。
ΔV≧Δk
但し、ΔV:基本波の差分電圧量、Δk:予め定めた基本波変化電圧判定値
比較判定手段6pの判定式
V≧k
但し、ΔV:基本波の電圧量、k:予め定めた基本波電圧判定値
事故検知手段6qは、図20に示した事故検知手段6jの論理条件に加え、本図の比較判定手段6o,6pのそれぞれが共に判定式が成立した場合に事故発生を検知して図2の標本量格納手段7に事故検知を通知する。
次に前記実施形態における事故検知手段6の更なる応用例を説明する。
図22は、ディジタル数値演算による電流変化量補正の事故検知例を示すブロック図である。本図は、交流き電回路の電車線に任意の区間毎に配置される任意の単巻変圧器ATn両翼の電流成分Ian、Ibn双方の事故検知手段6aを示しており、双方の符号が同一の処理ブロックはそれぞれ同様に作用する。
更に、図22において、図20と同一処理ブロックは同一符号を付してその説明を省略する。各方面の電流Ian、Ibn双方の事故検知手段6aの抑制量演算6kは、互いにそれぞれの方面相互の変化電流検出手段6fで算出する差分電流量ΔIで当該方面の差分電流量ΔIを抑制する。次に示す例は、電流成分Ianの差分電流量補正例であり、双方対象、同様原理で抑制する。
ΔI=ΔIa−k×|(ΔIb/m)|
ΔI−=Σ{(−ΔIbωt)}
但し、ωt=0→2πm/ωt
ΔI:当該方面差分電流を抑制した値、ΔI−:相手方面の差分電流積算量の平均値、
−ΔIb:反対方面差分電流(減少成分のみ有効、増加成分は破棄する)、
h:積分時間定数(任意サイクル数)、ωt:サンプリング周期間隔の角速度、
k:固定定数(補正率調整)
交流き電回路の電車線を走行する電車負荷は、高速移動負荷である。この為、任意の区間毎に配置される任意の単巻変圧器ATn構内の両翼を電車が高速度で通過する際には、ATn構内両翼の電流が急変する。この電流変化量は列車負荷量に応じ、電流変化の時間ずれタイミングは走行速度に応じて一定しないが、走行電車が抜けた区間の電流は減少して、電車侵入区間の電流は増加する事に着目すれば、電流電車変動による定常の電流増加による事故検知を上述した原理で抑制できる。
ΔI−=Σ{(−ΔIbωt)}
但し、ωt=0→2πm/ωt
ΔI:当該方面差分電流を抑制した値、ΔI−:相手方面の差分電流積算量の平均値、
−ΔIb:反対方面差分電流(減少成分のみ有効、増加成分は破棄する)、
h:積分時間定数(任意サイクル数)、ωt:サンプリング周期間隔の角速度、
k:固定定数(補正率調整)
交流き電回路の電車線を走行する電車負荷は、高速移動負荷である。この為、任意の区間毎に配置される任意の単巻変圧器ATn構内の両翼を電車が高速度で通過する際には、ATn構内両翼の電流が急変する。この電流変化量は列車負荷量に応じ、電流変化の時間ずれタイミングは走行速度に応じて一定しないが、走行電車が抜けた区間の電流は減少して、電車侵入区間の電流は増加する事に着目すれば、電流電車変動による定常の電流増加による事故検知を上述した原理で抑制できる。
また、事故電流に対する検出感度は積分時間定数mと抑制率調整の固定定数k、及び図20で述べた比較判定手段6gの基本波電流変化量反定値Δkで調整する。
このように本発明の実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
鉄道き電回路電車線の上下線は、大別すると電気車に電力を送電するトロリ線T、フィーダ線F、レールR、保護線PWなどの電力線と送電区間及び上下線を開閉器で結合或いは分離するき電ポスト(SS、SSP、SP)から構成されている。
しかるに、故障は多様な個所でT、F地絡故障、或いは、T−R短絡故障、T−PW短絡故障,F−R短絡故障,F−PW短絡故障、さらには、T−F短絡故障が発生する。一旦故障が発生した場合の迅速な復旧処置のために故障点標定装置には故障発生点の選択性と故障点標定距離の正確性が求められており、本発明による事故標本量測定装置はこれらの求められる要求に対し、以下の(コ)、(サ)、(シ)、(ス)のような利点がある。
(コ)き電区間の境界点に備えたAT吸上げ電流情報を標本量とする従来方式では、故障電流の流入する故障個所の判別が困難であるに対し、本発明の事故標本量測定装置は、標本量を電車線区間の境界点電流情報から採取するので、故障電流が流入する故障個所(上・下線、AT構内、き電区間)の判別と、故障種別(T−R短絡、F−R短絡、T−F短絡)の判別が可能になる。
(サ)き電区間の境界点に備えたAT吸上げ電流情報を標本量とする従来方式では、T−F短絡故障の場合、故障電流がAT中性点に流れないため故障点距離標定が困難であるに対し、本発明の事故標本量測定装置は、電車線区間の境界点電流情報を標本量として採取するので、T−F短絡故障の故障点距離標定が可能になる。
(シ)き電区間の境界点に備えたAT吸上げ電流の絶対値情報を標本量とする従来方式に対し、本発明の事故標本量測定装置は、電車線区間の境界点電流のベクトル情報を標本量として採取するので、トロリ線、フィーダ線、保護線、レールなどそれぞれの電車線インピーダンス位相差に応じた故障電流位相に影響されないベクトル演算が可能になり、故障点距離標定の精度を向上できる。
(ス)従来方式に対し、本発明の事故標本量測定装置は、装置自身がき電区間故障を検知できる。絶対時刻情報付き標本量を測定するので、夫々の標本量情報の絶対時刻同期が可能となり、標本量測定装置間のトリガ同期の外部装置と布設工事を省略できる。
1…標本量測定装置、2…アナログ入力変換手段、3…ディジタル入力手段、4…電気量測定手段、6…事故検知手段、7…標定情報格納手段、8…遠隔通信手段、12…標定情報通信ライン
Claims (10)
- 交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離毎区間に配備された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障発生区間と故障発生点距離を測定する交流き電回路用故障点標本量測定装置において、
ATをはさみ両方面の電気量情報を取り込むアナログ入力変換手段と、
前記き電回路の系統運用情報を取り込むディジタル入力手段と、
前記アナログ入力変換手段により変換されたアナログ入力変換情報(電気量)を任意周期毎に測定する電気量測定手段と、
通信衛星から取得する絶対時刻情報で現在時刻を任意の刻みで更新する時刻情報手段と、
前記電気量測定手段により測定された電気量測定情報からき電回路に発生する事故を検出する事故検知手段と、
この事故検知手段により検知された事故検知情報及び前記電気量測定手段により測定された電気量測定情報を前記時刻情報手段より得られる時刻情報に基づいて事故検知時点前後の任意時間分、絶対時刻系列情報として記録する標定情報格納手段と、
この標定情報格納手段に格納された標定情報を遠隔標定演算装置に通信する標定情報通信手段と、
を備えたことを特徴とする交流き電回路用故障点標定量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記電気量測定手段は、故障標定のための電気量情報をフェーザ量として算出することを特徴とする交流き電回路用故障点標定量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記電気量測定手段は、ATをはさみ両方面のトロリ線電流とフィーダ線電流をもとに各方面のトロリ線〜レールを流れる電流を算出することを特徴とする交流は電回路用故障点標本量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記電気量測定手段は、ATをはさみ両方面のトロリ線電流とフィーダ線電流をもとにAT吸上げ電流を算出することを特徴とする故障点標本量測定装置。 - 請求項3記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記電気量測定手段は、トロリ線〜レールを流れる電流からAT吸上げ電流を算出することを特徴とする交流き電回路用故障点標本量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記電気量測定手段は、ATをはさみ両方面のトロリ線〜フィダ線を流れる電流を算出することを特徴とする交流き電回路用故障点標本量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記事故検知手段は、トロリ線〜フィダ線を流れる電流の現在値の任意値超過で、事故検知することを特徴とする交流き電回路用故障点標定量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記事故検知手段は、トロリ線〜フィダ線を流れる電流の変化量の任意値超過で、事故検知することを特徴とする交流き電回路用故障点標本量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記事故検知手段は、き電電圧低下変化量の任意値超過で、事故検知することを特徴とする交流き電回路用故障点標定量測定装置。 - 請求項1記載の交流き電回路用故障点標定量測定装置において、
前記事故検知手段は、ATをはさみ両方面の電流低下変化量で、相互に反対方面の電流変化量を補正することを特徴とする交流き電回路用故障点標定量測定装置。
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JP2009220706A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Railway Technical Res Inst | 異電源並列接続点通過電流算出方法及び装置 |
JP2010183746A (ja) * | 2009-02-05 | 2010-08-19 | Mitsubishi Electric Corp | 過電流検出装置及び方法 |
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KR101653954B1 (ko) * | 2015-03-18 | 2016-09-06 | 한국철도공사 | 교류전기철도 단권변압기 급전시스템에서 전차선과 급전선 전류를 이용한 고장점 표정 시스템 및 그 방법 |
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-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005270574A patent/JP2007076607A/ja active Pending
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