JP4744743B2 - 三次元立体画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高画質で高情報量を有する三次元立体画像を、特殊な眼鏡等を使用せず日常生活と同様の感覚で鑑賞することが可能な三次元立体画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、三次元立体画像表示装置としては、特殊な眼鏡を使用する眼鏡式、特殊眼鏡を使用しない無眼鏡式、多眼式、奥行標準化式、ホログラフィー式、空間時分割式等多くの方式が提案され、一般家庭用、業務用としてその実用化が試みられている。しかし、これらの諸方式では、風景画の再生が可能なこと、多人数による同時観察が可能なこと、見る者の自由な視点移動や自由な眼の焦点調節が可能なこと等の各種条件をすべて満足させることはできていない。このため、通常の平面テレビと同様の感覚で、表示される三次元立体画像を鑑賞することは困難であった。
一方、写真の分野では、一般的にインテグラルフォトグラフィと呼ばれる立体像表示方式が提案されている。しかし、写真を利用する立体像表示方式では、表示制御パネルに設けられた小孔の間隔を狭くして解像度を上げて鮮明な像を得ようとすると、表示される正立陽画像の面積が小さくなって、見る者の視野角度が狭くなるという問題点を有している。また、動画を得ることが極めて困難である点や、最初に被写体の視点位置の異なる倒立陰画像を撮影し、次に正立陽画像を形成するという2段階の極めて手間のかかる作業を必要とするため、実用化が困難という問題点が存在した。
このため、広い視野角で鮮明な三次元立体像を見ることが可能な三次元立体画像表示装置として、多数の微小透光部を有する表示制御パネルを設けてその背後に微小透光部に対応して小画像を表示する多数の画像表示部を有する画像表示パネルを配置し、微小透光部を高速度で逐次選択的に透光可能にして、それと同時に透光可能となった微小透光部に対応した画像表示パネル上の位置に小画像を表示する装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の三次元立体画像表示装置では、表示制御パネル内で微小透光部を高速度で逐次透光可能にするのと同期して、微小透光部に対応する小画像を画像表示パネルに逐次表示する必要があり、そのためには高速応答性を有する画像表示パネルを使用することが条件となっていた。このような高速応答性を有する画像表示パネルとしては、現状では、LEDディスプレイ装置、マイクロ電子銃を多数使用した平面テレビ等が利用できるが、これらの表示装置の応答性にも限界があり、画質に優れ高情報量を有する三次元立体画像を表示するには限界が発生していた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高画質で高情報量を有する三次元立体画像を特殊な眼鏡等を使用せず日常生活と同様の感覚で見ることが可能な三次元立体画像表示装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る三次元立体画像表示装置は、各々は、立体像の基となる多数の小画像が非重複状態で並べて同時表示されていると共に、実質的に少しずつ異なる位置から対象物を見た複数の群画像をそれぞれ表示する複数の画像再生パネルと、複数の前記画像再生パネルにそれぞれ表示された前記群画像を、時分割で順次表示する画像表示パネルと、前記画像表示パネルの前側に配置され、常時は閉となり時分割で該画像表示パネルに表示された前記群画像の各小画像に同期して開閉する複数の群微小透光部を備えた表示制御パネルとを有する。ここで、小画像とは、現実の三次元物体の表面上の1つの物点から射出され光円錐を形成する光線束の中から、一部の光線を選択して形成する画像を指す。群画像とは、現実の三次元物体の表面上の複数の物点から射出され光円錐を形成する各光線束の中から、一部の光線を選択して形成する各小画像の集合画像である。また、光線束に含まれる多数の光線から一部の光線を選択する選択方法に応じて、1つの物点に対して複数の小画像が形成されることになる。光線束に含まれる多数の光線から一部の光線を選択することは、1つの物点から特定方向に射出された光線を選択することと等価である。従って、群画像は、3次元物体を実質的に少しずつ異なる方向、すなわち、少しずつ異なる位置から観察したときに得られる画像と考えることもできる。
なお、群画像では、群画像を形成する光線密度が低いため、1個の群画像を観察するだけでは三次元物体を明確に認識することはできない。従って、人間の肉眼の残像効果を利用して、残像保持時間内に時分割で群画像を高速で表示して各群画像を形成する光線を蓄積すると、見掛け上光線密度が増加したことになり、複数の群画像から3次元物体を明確に認識することが可能となる。
【0005】
複数の群画像の表示を複数の画像再生パネルを使用して行なうので、画像再生パネル1台当たりが表示しなければならない単位時間当たりの群画像の数は少なくなる。このため、多数の群画像を表示する際に、使用する画像再生パネルの数を調整することにより、画像再生パネルが表示しなければならない表示枚数を画像再生パネルの表示応答速度から決定される最大可能表示枚数以下に設定することができる。例えば、複数の透光性を有する画像再生パネルを全て同時に表示し、それぞれの画像再生パネルに用意された、例えば発光器を順次フラッシュして行くことにより、画像再生パネルの表示応答速度に律速されないで複数の群画像を高速で画像表示パネルに表示することが可能となる。
【0006】
三次元視覚情報である光線情報は、各群画像毎に各小画像の発光起点とその前方に配置された表示制御パネルのそのとき開口、すなわち透光可能となった群微小透光部を結ぶ直線の延長方向に、射出される。従って、観察者は、開口した群微小透光部を通して表示されている各小画像を見ることができ、各小画像を構成している光線が観察者の肉眼に入射する。更に、画像表示パネルに別の群画像の各小画像が表示されると、各小画像の変化に伴って透光可能となる群微小透光部内の微小透光部も変化するので、観察者は、表示されている別の各小画像を見ることができ、別の各小画像を構成している光線が観察者の肉眼に入射する。
このとき、表示制御パネルの全面積に対し、透光可能となった群微小透光部の総開口率はかなり低く、立体像としては暗く、粗い像となる。そこで、観察者の肉眼の残像保持時間以内に全群画像を時分割表示し、しかもそれぞれの群画像の各小画像に対応して開口する群微小透光部を通して見ることができるようにすると、観察者は明るく、高精細な立体像を認識できる。
【0007】
本発明に係る三次元立体画像表示装置において、複数の前記画像再生パネルは、並べて配置された複数の透過型液晶パネルであって、それぞれの該透過型液晶パネルの背部に順次点灯するフラッシュライトが設けられ、それぞれの前記透過型液晶パネルの画像を光学結像手段によって前記画像表示パネルに再生することが好ましい。
各透過型液晶パネルに群画像を同時に表示し、各透過型液晶パネルの背部からフラッシュライトを順次点灯させて、その投影像を画像表示パネルに表示するので、画像の切り換え速度をフラッシュライトの点灯速度と実質的に同等にすることができ、画像表示パネルに高速に群画像を表示することができる。なお、フラッシュライトとして、例えば、ストロボ放電管を使用することができる。また、光学結像手段とは、例えば、拡大用、結像用等の各種レンズ、光ファイバー等の光輸送経路を指す。
【0008】
本発明に係る三次元立体画像表示装置において、前記群微小透光部はピンホール状又はスリット状の多数の微小透光部を有していることが好ましい。
微小透光部の形状が、ピンホール状であると、微小透光部の入口側から入射した光線は、微小透光部の出口側から出る際に光円錐状に拡散する。このため、光線が光円錐状に拡散する範囲内に観察者が存在すれば、その観察者には群微小透光部を介して群画像を見ることにより、三次元立体画像を鑑賞することができる。また、スリット状の微小透光部と、ピンホール状の微小透光部を比較すると、スリット状の微小透光部が水平方向だけの視差情報を持つのに対して、ピンホール状の微小透光部は水平、垂直、斜め方向と全方位にわたって視差情報を持つ。この情報量の違いは、群画像と密接に関係し、同一条件で被写体を表示する場合、必要となる群画像数は下記のようになる。すなわち、
スリット状の微小透光部の場合:N枚
ピンホール状の微小透光部の場合:N×N枚
ここで、人間の肉眼は起立又は着座状態では、水平方向に配置されるので、起立又は着座状態で観察する場合には、垂直方向の視差を省略しても立体視覚にほとんど支障を来さない。なお、スリット状の微小透光部の制約として、スリット長さ方向は観察者の両眼を結ぶ方向に対し、直交する方向に形成する必要がある。なお、微小透光部は、ピンホール状又はスリット状の単なる孔としても、ピンホール状又はスリット状の孔に微小レンズを設けた構造としてもよい。微小レンズを設けることにより、微小透光部から光円錐状に射出する光線の拡散範囲を調整することができ、明るい小画像を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る三次元立体画像表示装置の概略構成を示す概念図、図2は同三次元立体画像表示装置の複数の透過型液晶パネルに表示された各群画像を透過型スクリーンに表示する説明図、図3は群画像作製装置の概念図、図4は群画像作製装置による群画像作製の説明図である。
図1に示すように本発明の一実施の形態に係る三次元立体画像表示装置10は、複数の群画像をそれぞれ表示する複数の画像再生パネルの一例である透過型液晶パネル11と、複数の透過型液晶パネル11に表示された群画像を、時分割で順次表示する画像表示パネルの一例である透過型スクリーン12と、透過型スクリーン12の前側に配置され各群画像内の各小画像に同期して開閉する複数の群微小透光部13を備えた表示制御パネルの一例である透過型液晶パネル14と、これらを制御する表示制御手段15とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0010】
複数の透過型液晶パネル11は所定の台数並べて配置され、それぞれの透過型液晶パネル11の背部には順次点灯するフラッシュライトの一例であるキセノンランプを使用したストロボ放電部16が設けられている。また、透過型液晶パネル11と透過型スクリーン12の間には、透過型液晶パネル11に表示された群画像を透過型スクリーン12に結像させる光学結像手段の一例である拡大レンズ16aが設けられている。
並べて配置する透過型液晶パネル11の台数は、立体像の合成に使用する群画像の使用数と、透過型液晶パネル11の表示応答速度から決定される。すなわち、群画像の数が多くなると透過型液晶パネル11の使用台数が多くなり、透過型液晶パネル11の表示応答速度が遅くなると透過型液晶パネル11の使用台数も多くなる。また、透過型液晶パネル11の設置形態は、透過型液晶パネル11を設置する場所の形状と広さに依存し、設置場所の形状が、例えば水平方向に長い場合は水平方向に並べて配置されることになる。任意の方向に配置可能な場合は、例えば、水平方向あるいは垂直方向の特定方向に並べて配置するのではなく、水平方向及び垂直方向に均等に配置するのが、省スペースの点から好ましい。
【0011】
各透過型液晶パネル11、各透過型液晶パネル11の背部に設置されるストロボ放電部16、及び透過型液晶パネル11の前側に設置される透過型スクリーン12の位置関係は、各透過型液晶パネル11に表示された群画像を画像に歪みが発生しないで透過型スクリーン12上に投影されるように、図2に示すように、拡大レンズ16aを用いて調整されている。このような構成とすることにより、各透過型液晶パネル11にそれぞれ群画像を再生し、表示したい群画像が表示されている透過型液晶パネル11の背部に設けられたストロボ放電部16を順次放電させて、そのとき発生する閃光により透過型スクリーン12上に群画像を逐次投影して行くことができる。
複数の群画像は複数の透過型液晶パネル11で分担して表示するため、
各透過型液晶パネル11においては、現在表示している群画像の透過型スクリーン12への投影が完了して次に群画像が表示されるのは、残り全ての透過型液晶パネル11に表示された群画像の透過型スクリーン12への投影が全て行なわれた後である。従って、透過型液晶パネル11を複数準備することにより、一つの透過型液晶パネル11で群画像の投影が行なわれてから次の群画像を表示するまでの時間的余裕を十分に確保することが可能となる。このため、透過型液晶パネル11の表示応答速度に律速されずに複数の群画像を各透過型液晶パネル11に逐次表示することができ、その結果、透過型スクリーン12上に各透過型液晶パネル11に表示された群画像を各ストロボ放電部16の放電速度で逐次表示して行くことが可能となる。
【0012】
複数の群微小透光部13を備えた透過型液晶パネル14は、透過型液晶パネル14の大きさに従って、実際には1万〜100万個の群微小透光部13が形成されている。表示制御手段15は、例えば、マイクロコンピュータを有し、各群画像を透過型液晶パネル11に表示するのを制御する再生制御部17と、各ストロボ放電部16の放電制御を行なう放電制御部18と、群微小透光部13内の各微小透光部19の開閉動作を制御する開閉制御部20とを有している。更に、表示制御手段15には、再生制御部17、放電制御部18、開閉制御部20の連携動作を制御する総合制御部21が設けられている。このような構成とすることにより、各群画像を予め決められている順番に決められた透過型液晶パネル11に再生し、その背部に設けられた各ストロボ放電部16を放電させて、透過型スクリーン12に群画像を表示することができる。更に、透過型スクリーン12に群画像を表示すると共に、透過型スクリーン12の前側に配置された透過型液晶パネル12に設けられた群微小透光部13の中で透過型スクリーン12に表示された群画像の各小画像に対応した各微小透光部19を開口させることができる。従って、開口した各微小透光部19を通して、透過型スクリーン12に表示されている群画像中の各小画像を見ることができる。
【0013】
次に、本発明の一実施の形態に係る三次元立体画像表示装置10を適用した三次元立体像表示方法について詳細に説明する。
先ず、立体像の基となる多数の小画像(実質的に異なる位置から対象物を見たときの状態を記録している画像)が非重複状態で並べて同時表示されている群画像の作製方法について説明する。群画像の作製に使用する群画像作製装置22は、図3に示すように、例えば、対象物の前面に設けられた、スリット状の微小透光部を多数備えた撮像制御パネル23と、撮像制御パネル23を介して撮像される各小画像の光量を電気信号に変換する、例えばCCD等の撮像素子24を備えた撮像部25とを有している。このような構成とすることにより、例えば、対象物の異なる領域A、B、C、Dは、撮像制御パネル23の微小透光部a、b、c、dを介して、撮像部25の表面に小画像A´、B´、C´、D´として結像させることができ、その光量を撮像素子24で電気信号に変換することができる。
【0014】
撮像制御パネル23としては、例えば、透過型液晶パネルを使用することができる。群画像作製装置22の図示しない制御部からの制御信号によって、微小透光部を逐次選択的に開閉し、撮像制御パネル23の微小透光部の開口時に同期して対象物を撮像して、その画像データを群画像作製装置22のデータメモリー26に蓄えるようになっている。ここで、微小透光部が開閉するとは、常時は閉状態となっている微小透光部が、一旦、開状態となった後、再度閉状態となることをいう。
なお、複数の微小透光部を同時に開閉可能とする場合、撮像制御パネル23の対象物側にフードを設けることが好ましく、これによって個々の微小透光部を介して形成される複数の小画像が重複して形成されることを防止できる。
【0015】
撮像制御パネル23に形成されている微小透光部を逐次的開閉する方法について、図4を参照しながら説明する。先ず、撮像制御パネル23の面を複数の領域27に分割し、それぞれの領域27内の微小透光部、例えばaを同時に開口し、微小透光部の背後の撮像部25に結像させて、撮像素子24によって電気信号に変換する。ここで、それぞれの領域27の大きさは、同時に開口した隣合う微小透光部(この場合はa)によって結像される小画像が重なり合わないように定めてある。次に、各領域27の微小透光部aを閉じた後、それぞれ同一領域27内の次の微小透光部、例えばbを同時に開き、これによって撮像される多数の小画像を背部の撮像部25に結像させて撮像素子24によって電気信号に変換する。
【0016】
同様の操作を微小透光部c、及び微小透光部dを開口した場合についても行なうと、最終的には領域27内の微小透光部aを開口して対象物を撮像したときの群画像Pに相当する電気信号に変換されたデータ、領域27内の微小透光部bを開口して対象物を撮像したときの群画像Qに相当する電気信号に変換されたデータ、領域27内の微小透光部cを開口して対象物を撮像したときの群画像Rに相当する電気信号に変換されたデータ、及び領域27内の微小透光部dを開口して対象物を撮像したときの群画像Sに相当する電気信号に変換されたデータがそれぞれ得られる。従って、群画像P、Q、R、Sを全て重ね合わすと、対象物を画像として完全に再生することができる。また、群画像P、Q、R、Sに相当する電気信号に変換された各データは、各群画像が得られたときの群画像作製装置22の動作条件を設定した動作制御信号と共にデータメモリー26に記録すると共に、三次元立体画像表示装置10の表示制御装置15に入力される。
【0017】
続いて、三次元立体画像表示装置10における三次元立体画像の表示方法について説明する。
総合制御部21は表示制御装置15に入力された群画像作製装置22の各動作条件と各群画像のデータを読み込み、再生制御部17を起動させて各群画像のデータを表示順番に並べて逐次各透過型液晶パネル11に表示させる。また、開閉制御部20を起動させて透過型液晶パネル14を群画像作製装置22の各領域27にそれぞれ対応する領域に分割させる。次に、総合制御部21は透過型スクリーン12に始めに表示する群画像(例えばPとする)について、その群画像が得られたときに領域27内で開口していた微小透光部を確認し(aに相当する)、開閉制御部20に指示して開口していた微小透光部と同一の位置に存在する微小透光部19を開口させる。また、同時に、総合制御部21は放電制御部18を起動させ、始めに表示する群画像を表示している透過型液晶パネル11の背部に設けられたストロボ放電部16を放電させて、透過型スクリーン12に群画像を投影させる。以上の操作から、透過型液晶パネル14の前側に存在する見る者は、開口した微小透光部19を通して群画像(P)を見ることができる。次に2番目に表示する群画像(例えばQとする)、3番目に表示する群画像(例えばRとする)、4番目に表示する群画像(例えばSとする)についても同様の操作を行なうと、見る者は2番目の群画像(Q)、3番目群画像(R)、4番目群画像(S)を続けて開口した微小透光部19を通して見ることができる。従って、全ての群画像を眼の残像保持時間(例えば1/30秒)内に表示することにより、群画像作製装置22によって撮像された対象物の全群画像から構成される立体像を三次元立体画像表示装置10により見ることができる。
【0018】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、撮像制御パネル及び表示制御パネルとして使用した透過型液晶パネルの面を分割した一領域(群微小透光部)毎に、4個のスリット状の微小透光部を形成したが、これより多い場合であっても少ない場合であっても、本発明は適用される。また、撮像制御パネル及び表示制御パネルとして使用した透過型液晶パネルの面をパネル面の水平方向に関してのみ分割して一領域(群微小透光部)を形成し、一領域内のスリット状の微小透光部は透過型液晶パネルの垂直方向全体にわたって形成されるようにすることも可能である。更に、微小透光部の形状をピンホール状としてもよい。
また、群画像作製装置と三次元立体画像表示装置との間を有線によって結んでいるが、群画像作製装置から信号及び画像データを変調して電波により送信し、それらを復調して三次元立体画像表示装置に入力することも可能であり、また、ビデオレコーダー等に前記信号及び画像データを記録しておき、三次元立体画像表示装置により再生表示することも可能である。
更に、撮像制御パネルには多数の微小透光部を設けたが、微小透光部にマイクロレンズを使用し、マイクロレンズによって結像されるそれぞれの小画像を撮像素子により撮像することも可能であり、これによって更に明るい画像を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の三次元立体画像表示装置においては、各々は、立体像の基となる多数の小画像が非重複状態で並べて同時表示されていると共に、実質的に少しずつ異なる位置から対象物を見た複数の群画像をそれぞれ表示する複数の画像再生パネルと、複数の画像再生パネルにそれぞれ表示された群画像を、時分割で順次表示する画像表示パネルと、画像表示パネルの前側に配置され、時分割で画像表示パネルに表示された群画像の各小画像に同期して開閉する複数の群微小透光部を備えた表示制御パネルとを有するので、画像再生パネルの表示応答速度に律速されないで複数の群画像を高速で表示することができ、実際に対象物を見るのと同程度の画像情報を有する鮮明な三次元立体画像を鑑賞することが可能となる。
【0020】
特に、請求項2記載の三次元立体画像表示装置においては、複数の画像再生パネルは、並べて配置された複数の透過型液晶パネルであって、それぞれの透過型液晶パネルの背部に順次点灯するフラッシュライトが設けられ、それぞれの透過型液晶パネルの画像を画像表示パネルに再生するので、透過型液晶パネルに過度の高速応答性を要求せずに画像表示パネルに高速で複数の群画像を表示することができ、多くの画像情報を有する高画質で鮮明な三次元立体画像を鑑賞することが可能となる。
【0021】
請求項3記載の三次元立体画像表示装置においては、群微小透光部はピンホール状又はスリット状の多数の微小透光部を有しているので、ピンホール状の微小透光部を使用した場合では、全方向性の三次元立体像を表示することが可能となる。また、スリット状の微小透光部を使用した場合では、画像表示パネルに表示する群画像の枚数を少なくできて、画像再生パネルの表示応答速度に高速応答性を要求する必要がなく、現状の透過型液晶パネルを使用しても多くの画像情報を有する高画質で鮮明な三次元立体画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る三次元立体画像表示装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】同三次元立体画像表示装置の複数の透過型液晶パネルに表示された各群画像を透過型スクリーンに表示する説明図である。
【図3】群画像作製装置の概念図である。
【図4】群画像作製装置による群画像作製の説明図である。
【符号の説明】
10:三次元立体画像表示装置、11:透過型液晶パネル(画像再生パネル)、12:透過型スクリーン(画像表示パネル)、13:群微小透光部、14:透過型液晶パネル(表示制御パネル)、15:表示制御装置、16:ストロボ放電部(フラッシュライト)、16a:拡大レンズ(光学結像手段)、17:再生制御部、18:放電制御部、19:微小透光部、20:開閉制御部、21:総合制御部、22:群画像作製装置、23:撮像制御パネル、24:撮像素子、25:撮像部、26:データメモリー、27:領域
Claims (3)
- 各々は、立体像の基となる多数の小画像が非重複状態で並べて同時表示されていると共に、実質的に少しずつ異なる位置から対象物を見た複数の群画像をそれぞれ表示する複数の画像再生パネルと、
複数の前記画像再生パネルにそれぞれ表示された前記群画像を、時分割で順次表示する画像表示パネルと、
前記画像表示パネルの前側に配置され、常時は閉となり時分割で該画像表示パネルに表示された前記群画像の各小画像に同期して開閉する複数の群微小透光部を備えた表示制御パネルとを有することを特徴とする三次元立体画像表示装置。 - 請求項1記載の三次元立体画像表示装置において、複数の前記画像再生パネルは、並べて配置された複数の透過型液晶パネルであって、それぞれの該透過型液晶パネルの背部に順次点灯するフラッシュライトが設けられ、それぞれの前記透過型液晶パネルの画像を光学結像手段によって前記画像表示パネルに再生することを特徴とする三次元立体画像表示装置。
- 請求項1又は2記載の三次元立体画像表示装置において、前記群微小透光部はピンホール状又はスリット状の多数の微小透光部を有していることを特徴とする三次元立体画像表示装置。
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