JP4744732B2 - 洗浄剤 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、足の洗浄等に有用な液状洗浄剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来は、身体洗浄用には、石鹸やボディシャンプーが使用されており、頭髪には専用のシャンプーが使用されていた。しかし、最近の清潔ブームにより、身体の特定部分専用の洗浄剤も開発され、実際に市販されているものもある。例えば、足専用のシャンプーは、様々な製品が販売されている。足専用シャンプーには、足特有の汚れに対し洗浄力を有する成分の他に、水虫予防のために抗菌成分を配合している場合が多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
足の洗浄は、一般の人にとっても重要であるが、糖尿病患者にとっては、重要性がさらに高い。糖尿病患者は、自立神経障害による発汗減少で皮膚の自浄作用が低下しており、また免疫力も落ちていることが多いため、足の細かい傷（ひび割れなど）から白癬菌が侵入しやすく、足病変を引き起こす可能性が大きい。したがって、糖尿病患者の足は、ごしごし強くこすって洗うことができず、また、洗浄剤自身に抗菌性があることが求められる。糖尿病患者の足を穏やかに洗浄する方法として、液状洗浄剤を泡立て、この泡でやさしく洗うことが考えられる。
また、白癬菌に対する抗菌成分としては、ウンデシレン酸が知られている。しかしながら、ウンデシレン酸を液状洗浄剤に配合すると、沈殿が生じ、洗浄力が落ちる他、泡立ちも悪くなる。
【０００４】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、沈殿がなく、洗浄力および白癬菌に対する抗菌性に優れ、泡立ちも良好な液状洗浄剤の提供をその目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の洗浄剤は、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンおよびヒドロキシエタンジスルホン酸を含有する。
【０００６】
本発明者らは、ウンデシレン酸、界面活性剤およびキレート剤の組み合わせを中心に一連の研究を重ねたところ、前記２種類の界面活性剤と前記特定のキレート剤とを配合すれば、ウンデシレン酸を配合しても沈殿が生じない液状洗浄剤が得られることを見出し、本発明に到達した。本発明の液状洗浄剤は、使用時には泡立て使用することが好ましい。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の液状洗浄剤は、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンおよびヒドロキシエタンジスルホン酸を水に溶解若しくは分散することにより調製できる。
【０００８】
ウンデシレン酸は、抗菌成分であり、人間の汗や涙の中にも含まれており、皮膚糸状菌の発育を阻害し、特に白癬菌に対する抗菌性に優れている。ウンデシレン酸は、ＣＨ2ＣＨＣＨ2（ＣＨ2）6ＣＨＣＯＯＨの化学式で表される脂質誘導体であり、通常、ヒマシ油から得られる。ウンデシレン酸の配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．０１〜１０質量％の範囲であり、好ましくは０．１〜５質量％の範囲であり、より好ましくは０．１〜１質量％の範囲である。ウンデシレン酸は市販品を使用してもよい。
【０００９】
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドは、界面活性剤であり、その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜３０質量％の範囲であり、好ましくは１〜１０質量％の範囲であり、より好ましくは３〜８質量％の範囲である。
【００１０】
Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンも、界面活性剤であり、その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜５０質量％の範囲であり、好ましくは１０〜４０質量％の範囲であり、より好ましくは２５〜３５質量％の範囲である。
【００１１】
ヒドロキシエタンジスルホン酸は、キレート剤であり、水中の金属イオンの影響を排除するために使用される。その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．００５〜１質量％の範囲であり、好ましくは０．０１〜０．１質量％の範囲であり、より好ましくは０．０３〜０．０８質量％の範囲である。
【００１２】
本発明の液状洗浄剤に使用される水は、精製水が好ましく、その割合は、前記必須成分および下記任意成分の残部である。
【００１３】
本発明の液状洗浄剤は、前記必須成分の他に、マスキング剤、保湿剤、防腐剤、香料、消炎成分、エモリエント成分等の任意成分を含有していてもよい。
【００１４】
前記マスキング剤としては、ティーツリーオイル、ユーカリオイル、ペパーミント、オレンジ、レモングラス等があり、このなかで抗菌性も有するティーツリーオイルが好ましい。ティーツリーオイルの配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．０１〜１質量％の範囲であり、好ましくは０．０５〜０．２質量％の範囲であり、より好ましくは０．０５〜０．５質量％の範囲である。
【００１５】
前記保湿剤としては、例えば、グリセリン、キトサン、グリシン、キシリトール等があり、このなかでグリセリンが好ましい。グリセリンの配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜１５質量％の範囲であり、好ましくは２〜１０質量％の範囲であり、より好ましくは３〜８質量％の範囲である。
【００１６】
前記防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチル等がある。
【００１７】
本発明の液状洗浄剤は、そのまま使用することもできるが、泡立て、この泡で洗うことが好ましい。したがって、本発明の液状洗浄剤は、泡立て機能を備えた容器に充填することが好ましい。また、本発明の液状洗浄剤のｐＨは、例えば、ｐＨ４．５〜６．５の範囲であり、好ましくはｐＨ５〜６の範囲であり、より好ましくはｐＨ５．５〜６．０の範囲である。
【００１８】
【実施例】
つぎに、実施例について説明する。
【００１９】
下記表１の各成分を同表に示す割合で配合し、液状組成物を調製（ｐＨ５．６）した。
【００２０】
この液状洗浄剤について白癬菌に対する抗菌性を、下記の方法により調べた。
その結果を下記表２に示す。
【００２１】
（抗菌性評価）
抗菌性は、石炭酸係数法により評価した。液状洗浄剤１０ｍｌに１０7の菌液０．１ｍｌを接種し、２０℃でインキュベーションして３時間後の生菌数を測定した。初期菌数は、リン酸緩衝液（１／１５Ｍ、ｐＨ７．２）１０ｍｌに菌液０．１ｍｌを接種し、この菌数を測定した。なお、コントロールは蒸留水を用いた。また、白癬菌は、Trichopyton metagrophytes IFO-6124を用いた。
【００２２】
【００２３】
前記表２からわかるように、実施例の液状洗浄剤は優れた抗菌性を有する。また、この液状洗浄剤について、目視で沈殿の有無を観察したところ、沈殿物はなかった。また、泡立ちおよび洗浄力も良好であった。
【００２４】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液状洗浄剤は、沈殿がなくしかも抗菌性および洗浄力に優れ、泡立ちも良い。したがって、本発明の液状洗浄剤は、例えば、足のデリケートな洗浄および白癬菌感染防止を必要とする糖尿病患者に最適である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、足の洗浄等に有用な液状洗浄剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来は、身体洗浄用には、石鹸やボディシャンプーが使用されており、頭髪には専用のシャンプーが使用されていた。しかし、最近の清潔ブームにより、身体の特定部分専用の洗浄剤も開発され、実際に市販されているものもある。例えば、足専用のシャンプーは、様々な製品が販売されている。足専用シャンプーには、足特有の汚れに対し洗浄力を有する成分の他に、水虫予防のために抗菌成分を配合している場合が多い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
足の洗浄は、一般の人にとっても重要であるが、糖尿病患者にとっては、重要性がさらに高い。糖尿病患者は、自立神経障害による発汗減少で皮膚の自浄作用が低下しており、また免疫力も落ちていることが多いため、足の細かい傷（ひび割れなど）から白癬菌が侵入しやすく、足病変を引き起こす可能性が大きい。したがって、糖尿病患者の足は、ごしごし強くこすって洗うことができず、また、洗浄剤自身に抗菌性があることが求められる。糖尿病患者の足を穏やかに洗浄する方法として、液状洗浄剤を泡立て、この泡でやさしく洗うことが考えられる。
また、白癬菌に対する抗菌成分としては、ウンデシレン酸が知られている。しかしながら、ウンデシレン酸を液状洗浄剤に配合すると、沈殿が生じ、洗浄力が落ちる他、泡立ちも悪くなる。
【０００４】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、沈殿がなく、洗浄力および白癬菌に対する抗菌性に優れ、泡立ちも良好な液状洗浄剤の提供をその目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の洗浄剤は、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンおよびヒドロキシエタンジスルホン酸を含有する。
【０００６】
本発明者らは、ウンデシレン酸、界面活性剤およびキレート剤の組み合わせを中心に一連の研究を重ねたところ、前記２種類の界面活性剤と前記特定のキレート剤とを配合すれば、ウンデシレン酸を配合しても沈殿が生じない液状洗浄剤が得られることを見出し、本発明に到達した。本発明の液状洗浄剤は、使用時には泡立て使用することが好ましい。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の液状洗浄剤は、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンおよびヒドロキシエタンジスルホン酸を水に溶解若しくは分散することにより調製できる。
【０００８】
ウンデシレン酸は、抗菌成分であり、人間の汗や涙の中にも含まれており、皮膚糸状菌の発育を阻害し、特に白癬菌に対する抗菌性に優れている。ウンデシレン酸は、ＣＨ2ＣＨＣＨ2（ＣＨ2）6ＣＨＣＯＯＨの化学式で表される脂質誘導体であり、通常、ヒマシ油から得られる。ウンデシレン酸の配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．０１〜１０質量％の範囲であり、好ましくは０．１〜５質量％の範囲であり、より好ましくは０．１〜１質量％の範囲である。ウンデシレン酸は市販品を使用してもよい。
【０００９】
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドは、界面活性剤であり、その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜３０質量％の範囲であり、好ましくは１〜１０質量％の範囲であり、より好ましくは３〜８質量％の範囲である。
【００１０】
Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンも、界面活性剤であり、その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜５０質量％の範囲であり、好ましくは１０〜４０質量％の範囲であり、より好ましくは２５〜３５質量％の範囲である。
【００１１】
ヒドロキシエタンジスルホン酸は、キレート剤であり、水中の金属イオンの影響を排除するために使用される。その配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．００５〜１質量％の範囲であり、好ましくは０．０１〜０．１質量％の範囲であり、より好ましくは０．０３〜０．０８質量％の範囲である。
【００１２】
本発明の液状洗浄剤に使用される水は、精製水が好ましく、その割合は、前記必須成分および下記任意成分の残部である。
【００１３】
本発明の液状洗浄剤は、前記必須成分の他に、マスキング剤、保湿剤、防腐剤、香料、消炎成分、エモリエント成分等の任意成分を含有していてもよい。
【００１４】
前記マスキング剤としては、ティーツリーオイル、ユーカリオイル、ペパーミント、オレンジ、レモングラス等があり、このなかで抗菌性も有するティーツリーオイルが好ましい。ティーツリーオイルの配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、０．０１〜１質量％の範囲であり、好ましくは０．０５〜０．２質量％の範囲であり、より好ましくは０．０５〜０．５質量％の範囲である。
【００１５】
前記保湿剤としては、例えば、グリセリン、キトサン、グリシン、キシリトール等があり、このなかでグリセリンが好ましい。グリセリンの配合割合は、液状洗浄剤全体に対し、例えば、１〜１５質量％の範囲であり、好ましくは２〜１０質量％の範囲であり、より好ましくは３〜８質量％の範囲である。
【００１６】
前記防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチル等がある。
【００１７】
本発明の液状洗浄剤は、そのまま使用することもできるが、泡立て、この泡で洗うことが好ましい。したがって、本発明の液状洗浄剤は、泡立て機能を備えた容器に充填することが好ましい。また、本発明の液状洗浄剤のｐＨは、例えば、ｐＨ４．５〜６．５の範囲であり、好ましくはｐＨ５〜６の範囲であり、より好ましくはｐＨ５．５〜６．０の範囲である。
【００１８】
【実施例】
つぎに、実施例について説明する。
【００１９】
下記表１の各成分を同表に示す割合で配合し、液状組成物を調製（ｐＨ５．６）した。
この液状洗浄剤について白癬菌に対する抗菌性を、下記の方法により調べた。
その結果を下記表２に示す。
【００２１】
（抗菌性評価）
抗菌性は、石炭酸係数法により評価した。液状洗浄剤１０ｍｌに１０7の菌液０．１ｍｌを接種し、２０℃でインキュベーションして３時間後の生菌数を測定した。初期菌数は、リン酸緩衝液（１／１５Ｍ、ｐＨ７．２）１０ｍｌに菌液０．１ｍｌを接種し、この菌数を測定した。なお、コントロールは蒸留水を用いた。また、白癬菌は、Trichopyton metagrophytes IFO-6124を用いた。
【００２２】
前記表２からわかるように、実施例の液状洗浄剤は優れた抗菌性を有する。また、この液状洗浄剤について、目視で沈殿の有無を観察したところ、沈殿物はなかった。また、泡立ちおよび洗浄力も良好であった。
【００２４】
【発明の効果】
以上のように、本発明の液状洗浄剤は、沈殿がなくしかも抗菌性および洗浄力に優れ、泡立ちも良い。したがって、本発明の液状洗浄剤は、例えば、足のデリケートな洗浄および白癬菌感染防止を必要とする糖尿病患者に最適である。
Claims (2)
- ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミンおよびヒドロキシエタンジスルホン酸を含有する洗浄剤。
- さらに、ティーツリーオイルを含有する請求項１記載の洗浄剤。
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|---|---|---|---|
| JP2001205230A JP4744732B2 (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | 洗浄剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001205230A JP4744732B2 (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | 洗浄剤 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003020496A JP2003020496A (ja) | 2003-01-24 |
| JP4744732B2 true JP4744732B2 (ja) | 2011-08-10 |
Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001205230A Expired - Fee Related JP4744732B2 (ja) | 2001-07-05 | 2001-07-05 | 洗浄剤 |
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| Country | Link |
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| JP6533362B2 (ja) * | 2013-11-27 | 2019-06-19 | 株式会社ニイタカ | 皮膚身体殺菌洗浄剤組成物 |
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| JP4205226B2 (ja) * | 1998-12-03 | 2009-01-07 | 日本ゼトック株式会社 | 細胞賦活剤、それを含む皮膚外用剤及び皮膚洗浄剤 |
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| JP2000345190A (ja) * | 1999-06-04 | 2000-12-12 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 界面活性剤組成物 |
-
2001
- 2001-07-05 JP JP2001205230A patent/JP4744732B2/ja not_active Expired - Fee Related
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