以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。なお、本実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物等のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
<パチンコ機1の概略>
本実施形態のパチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
<パチンコ機1の詳細>
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、この筐体6に開閉可能に装着された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配置されている。前扉7における遊技盤3の左右及び上部には演出用照明装置11が配置されており、前扉7における上部左右及び下部には夫々、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12が配置されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配置されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示し、符号15はアウト口を示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口15に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における左上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部には、該皿ユニット16上の遊技球を球発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aと、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bとが配置されている。
また、前扉7における皿ユニット16の右側下方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、灰皿21と遊技者参加ボタン22とが配置されている。なお、筐体6及び前扉7等から遊技機本体が構成される。
また、遊技領域3aの中央部分には、遊技球ステージSを有するセンター飾り(ユニット役物)23が配設されている。センター飾り23の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の直下方には、始動チャッカー(入賞口)27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド14(図12参照)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の左上方に風車31が配設されており、遊技球ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。このスルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、その中央部に、遊技盤3側に固定された図柄表示装置35を露出する開口部36を有し、かつ左上部にワープ導入口37を有しており、このワープ導入口37に対向するように一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は遊技球ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
次に、センター飾り23について、図2ないし図4を参照して詳細に説明する。なお、図2は本パチンコ機1に搭載されたセンター飾り23を単体で示す斜視図、図3は図2のセンター飾り23を水平方向にやや回転させた状態で示す斜視図、図4はセンター飾り23の正面図である。
すなわち、図2ないし図4に示すように、センター飾り23は、開口部36を中央部に有する略筒状の前枠部40、後枠部42、及びこれらの間に位置する中枠41を備えている。前枠部40の周縁部には、その複数箇所から外方に張り出すようにブラケット部43が形成されており、各ブラケット部43には、センター飾り23を遊技盤3にその前側から埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔43aが形成されている。
センター飾り23は、開口部36の左方に位置するワープ導入口37と、開口部36の下方左側に位置する入球演出装置50と、開口部36の下方右側に位置する遊技球ステージSと、入球演出装置50の左側部に位置する側部照明装置45と、遊技球ステージSの右方に位置する牛車の車輪を模った車輪型照明装置46と、開口部36の上部に位置する月型照明装置(発光照明装置)47とを備えている。この月型照明装置47は、間接照明装置57a,57bの領域内にあって自ら発光する発光照明装置を構成している。
月型照明装置47から左右及び下方に垂れるように雲状に形成され且つ桜等の花びらが描かれた装飾パネル51が形成されており、装飾パネル51の更に下方には竹状の装飾パネル52が形成されている。月型照明装置47左側の装飾パネル51の裏側、及び月型照明装置47右側の装飾パネル51,52の裏側には夫々、蛍火状に発光させるために点在する複数の光放出孔hを有する間接照明装置57a,57b(図4)が配設されている。
月型照明装置47の左方の装飾パネル51内には、大当たり抽選保留表示装置53と、大当たり抽選結果を報知する特別図柄表示装置55とが互いに隣接して配置されている。大当たり抽選保留表示装置53は、複数個(本実施形態では4個)を放射状に配列した4個の発光部56を点灯又は消灯させる発光駆動を行うことにより、大当たり抽選の複数回分(本実施形態では4回分)に対応する表示を行う(つまり、大当たり抽選の結果を表示する)ものである。特別図柄表示装置55は、大当たり抽選の結果を特別図柄で表示するものであり、7セグメント表示装置によって構成されている。発光部56はいずれも、本パチンコ機1のテーマである例えば純日本風の設定に合わせて、漢数字(一、二、三、四)が描かれた花びらが発光するように構成されている。
月型照明装置47右側下方の装飾パネル51,52の裏側には、月形発光部59a及び花形発光部59bからなる普通図柄表示装置59と、この普通図柄表示装置59の上部に配置された4個の発光部60aの発光で開放抽選の4回分に対応する表示を行う開放抽選保留表示装置60とが設けられている。
上記開放抽選とは、後述する主基板61(図20参照)に備えた開放抽選手段(図示せず)が、スルーゲート32(図1参照)への遊技球通過をスルーゲート球通過検知センサ(図示せず)が検知した際の検知信号の入力時に、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、所定時間(確率変動当たり時にあっては例えば1〜3秒、通常当たり時にあっては例えば0.1〜0.5秒)だけ始動チャッカー27を開放動作させるか否かを、不図示の抽選用メモリから当選乱数値を取得しつつ実行することを意味する。上記普通図柄表示装置59は、スルーゲート32への入球(球通過)の契機として行われる、始動チャッカー27を開放させるための開放抽選の結果を、普通図柄で表示するものである。
なお、図3における符号63は、中継基板を示し、符号64,65は夫々、中継基板63をサブ基板62(図20参照)に電気的接続ケーブルであるハーネス(図示せず)を介して接続するためのコネクタソケットを示している。
次に、図5及び図6を参照して、センター飾り23に装備された入球演出装置50及び遊技球ステージS等に関して説明する。なお、図5は図4中のA-A線に沿って切断した平面断面図、図6は図4中のB-B線に沿って切断した側面断面図である。更に図7は入球演出装置50を単体で示す正面図、図8は図7の斜視図、図9は図7の左側面図である。
すなわち、図5及び図6に示すように、入球演出装置50は、球導入路66及び球回転部67を有しており、球導入路66はワープ導入口37に連通し、球回転部67はワープ導入口37から球導入路66を介して導入される遊技球を遊技球ステージSに導くように構成される。球回転部67は、ほぼ裁頭(截頭)円錐形状を呈しており、竹状に模るための竹節模様67a,67bを表面に有している。つまり、球回転部67は、図4を併せて参照するとより理解できるように、遊技球ステージS上の左側において該ステージSに対して上面67eがほぼ平行に延びると共に、下面67fが遊技球ステージSに向かって次第に下降するように傾斜する構成を有している。球回転部67は、一端が球導入路66に連結され、他端が、遊技球放出部67cを介して遊技球ステージSに連絡されている。上記球回転部67は、内方で回転動作する遊技球を視認し易くする目的から、透過性の合成樹脂材、つまり、透明、半透明或いは所謂曇りガラス状の合成樹脂材によって形成される。
球導入路66は、遊技球Baが同時に1つだけ通過可能な内径を有する案内路として形成され、センター飾り23の左側部に略鉛直となるように設けられている。この球導入路66の一端をなす最上部66a(図7〜図9参照)は、球回転部67の内径に比して十分高い位置まで延在している。また、一方の球導入路66の他端をなす最下部66b(図7〜図9参照)は、球導入路66のほぼ中間に位置する中間部66c(図7〜図9参照)から、図7及び図8における矢印Xの向きへ緩やかに湾曲されると共に、図8及び図9における矢印Yの向きへも緩やかに湾曲され、球回転部67の内周面へと円滑に連結されている。なお、図5中の符号67dは、球回転部67に連結されて遊技球ステージS上を庇状に覆う庇部を示している。
上記構成を有する入球演出装置50は、図7ないし図9に示すように、遊技領域3aに打ち出されてワープ導入口37から導入された遊技球を、球導入路66の一端をなす最上部66aから他端をなす最下部66bへと落下させるように案内する。更に、最下部66bから球回転部67へと進入した遊技球は、上記落下時の勢いにより、球回転部67の内周面に沿って矢印Cirの向きに複数回数の旋回を行う。そして、遊技球は、この旋回し続ける回転力が減少するにつれ、裁頭円錐形状をなした球回転部67の下降する傾斜が向かう遊技球放出部67c方向へとその旋回位置を徐々に移動させると共に、庇部67dを介して遊技球ステージS上へと放出される。このように、入球演出装置50は、ワープ導入口37から導入された遊技球を、遊技球ステージSの左右幅方向の一側(本実施形態では左側)にて視認可能に集中的に転動(つまり、ステージSの半分以下という比較的短い範囲にある筒状の回転部67の軸方向位置(図7の左右方向位置)を進行方向に向け次第に変えつつ回転部67内周面を転がり移動)させた後、遊技球ステージS上に放出する。
球回転部67の後側(図5の上側)には、図柄表示装置35(図1参照)との間に位置するように遊技球受け面69が設けられている。この遊技球受け面69は、遊技球ステージSとの間に段差部69aを有し、該ステージSより所定寸法高く(例えば2[cm]程度)形成されており、遊技領域3aの遊技球ステージ下方に存する道釘(図示せず)等で弾き返された遊技球を受けて遊技球ステージS側に転動させ得るように傾斜している。
また、遊技球ステージSは、図2ないし図5に示すように、センター飾り23の右側部における、図柄表示装置35との間に位置する壁部68と、段差部69aとで囲まれた領域に形成されており、中心側に向かって徐々に深くなる楕円形状の凹部72を有している。遊技球ステージSには更に、遊技球放出部67cから放出される遊技球を凹部72に案内するように該凹部72側に傾斜した案内壁部70,71を有している。楕円状の凹部72には、不図示の2定点(焦点)の中間部分からセンター飾り23前方に末広がり状に下降するように傾斜する球案内溝74が形成されている。
センター飾り23の前部中央、つまり、球回転部67と遊技球ステージSとの境界部には、球放出凹部49が形成されている。この球放出凹部49は、ワープ導入口37から入球演出装置50を経由して遊技球ステージS上に導入された遊技球を、始動チャッカー27(図1参照)に向けて落下させ、一対の障害釘30(図1参照)の間を通過させて始動チャッカー27にほぼ確実に(つまり、97〜99%の高確率で)入賞させ得る。遊技球ステージS前部には、凹部72から球案内溝74を介して誘導される遊技球を、移行する際のその動き(バランス)に応じて、球放出凹部49側又は落下用凹部76に振り分けるための段差部75aが設けられている。段差部75aは、遊技球ステージS前部の左右方向に延在する、球放出凹部49への連絡路75の端部に設けられており、該連絡路75の上方は庇部73で覆われている。落下用凹部76は、連絡路75より所定寸法(例えば、5〜6[mm]程度)だけ低くなるように形成されている。庇部73の段差部75a側には、遊技球の動きがより良く視認できるように切欠き73aが形成されている。
なお、図中の符号80は、落下用凹部76から段差部77を経て一段高くなる面を示し、この面80は、凹部72側との境界壁79と段差部81とに囲まれて、遊技球ステージS下方の不図示の道釘等で弾き返された遊技球が境界壁79や段差部81に当接した際に、この遊技球を落下用凹部76に導き、遊技領域3aに再度落下させるように機能する。
上記段差部75aは、図5を参酌するとより理解できるように、球案内溝74の延長線上から若干量、球放出凹部49側にずらして形成されており、球案内溝74に沿って単に転がり移動するだけでは球放出凹部49側に移行できず、球案内溝74内で左右に転動しながら段差部75aに到達する際の転動方向(重心の移動方向)が球放出凹部49側に向いている際に球放出凹部49側に移行できるように構成される。
続いて、図2ないし図4、及び図16ないし図19に沿って、各部の照明系に関して詳細に説明する。なお、図16は図4中のC-C線に沿って切断した状態を示す側面断面図である。図17は月型照明装置47を構成する各部材を分解して個々に示す図であり、同図(a)は裏面に半透過部材87を配置した状態の透明部材86を示す正面図、同図(b)は半透過部材88を示す正面図、同図(c)は光区画部材89を示す正面図である。図18は図17に示す光区画部材89を右斜め上方から見下ろす状態で示す斜視図、図19は照明基板90を示す正面図である。なお、図16では、極めて薄い半透過部材87を透明部材86の内面に密着した状態で描いているため、見かけ上、透明部材86と一体化した状態で表われている。
すなわち、側部照明装置45は、図2ないし図4に示すように、透明な外壁パネル45pの内部に配置された不図示の発光ダイオード(LED)の発光によって、開口部36から露出する図柄表示装置35や、遊技球ステージSを左方から照明する構成を備えている。
また、月型照明装置47は、後枠部42(つまり、センター飾り23)の開口部36の右上方に配置された形で、月面を模った立体造形物状に形成されており、この立体造形物を適時照明させることで光演出する構成を備える。月型照明装置47は、図16に示すように、センター飾り23上部に設けられた装着部85に固定されており、前側(図16の左側)から順に、透明部材86、半透過部材87、半透過部材88、光区画部材89、及び照明基板90を積層して備えている。月型照明装置47は更に、センター飾り23に対面して遊技を行う遊技者が視認し易いように、鉛直方向から全体的に前側に20゜程度傾斜して配置されている。なお、透明部材86、半透過部材87及び半透過部材88によって、本発明に係る光拡散部材が構成されている。
透明部材86は、月面の凹凸模様が形成された半透明な半球状を呈しており、図17(a)に示すように、センター飾り23への装着状態における左右に、固定用の一対のブラケット84が夫々形成されている。これらブラケット84には夫々、上下で2個ずつの固定ネジ挿入用の孔84aが穿設されている。半透過部材87は、透明部材86の内面に隙間なく収まるように直径が透明部材86より若干小さく形成され、表面に月面形状が模写された薄膜状(例えば、0.09〜0.1[mm])で且つ半透過状に構成されている。
半透過部材88は、図17(b)に示すように、半透過部材87の内面に収まるように直径が半透過部材87より若干小さく形成されると共に、いわゆる曇りガラス状の球面状に形成されている。半透過部材88は更に、外周縁部の左右に、照明基板90に備えた一対の係合開口90a(図19参照)に係合すべき係合爪88aが形成されている。
光区画部材89は、図17(c)及び図18に示すように、半透過部材88とほぼ同径の円筒状基部(枠体)89aを有しており、この円筒状基部89aには、半透過部材88の内面88aに対する若干(例えば1.0〜1.5[mm])の間隙spをもって収まるようにやや小径に形成された円弧状の外縁部89e,89fを夫々有する2枚の鍔部(分割壁部)89b,89cが設けられている。鍔部89b,89cは夫々、外径側の途中部分から外縁部89e,89fに向かって次第に薄くなるように形成されている。なお、図18中の符号89dは、半透過部材88に備えた位置決め溝88c(図17(b)参照)に係合することで、光区画部材89の半透過部材88に対する位置を決定するための係合突起89dである。
照明基板90は、図19に示すように、半透過部材88及び光区画部材89を装着した状態で透明部材86(半透過部材87も含む)の背面に嵌合され得るように、透明部材86の内径とほぼ等しい円板状に形成されている。照明基板90の外周縁部における左右には夫々、後枠部42の上部に設けられた係合鉤(図示せず)に係合すべき係合切欠き90bが形成されており、これら一対の係合切欠き90bの近傍には、上記一対の係合開口90aが形成されている。
照明基板90は、図17(c)に示した光区画部材89の円筒状基部89aと鍔部89bとによって区画される発光領域91aと、円筒状基部89aと鍔部89b,89cとによって区画される発光領域91bと、円筒状基部89aと鍔部89cとによって区画される発光領域91cとを有している。発光領域91aには、発光部材としてのLED92a,92b,92c,92d,92e,92f,92g,92hが上下方向に点在するように実装されている。発光領域91bには、発光部材としてのLED93a,93b,93c,93d,93e,93fが上下方向に点在するように実装されている。発光領域91cには、発光部材としてのLED94a,94b,94c,94d,94e,94fが上下方向に点在するように実装されている。
上記LED92a〜92hのうち、LED92a,92c,92d,92f,92g,92hは、いずれも同レベルの光量を発生し得る規格のものであり、LED92b,92eは、これらLED92a,92c,92d,92f,92g,92hより多い光量を発生し得る規格のものである。上記LED93a〜93fのうち、LED93a,93c,93d,93fは、いずれも同レベルの光量を発生し得る規格のものであり、LED93b,93eは、これらLED93a,93c,93d,93fより多い光量を発生し得る規格のものである。上記LED94a〜94fのうち、LED94a,94c,94d,94fは、いずれも同レベルの光量を発生し得る規格のものであり、LED94b,94eは、これらLED94a,94c,94d,94fより多い光量を発生し得る規格のものである。
上記構成の月型照明装置47は、内側に光区画部材89を収容した形で装着部85に照明基板90が固定されると共に、内側に半透過部材87を隙間なく収めた形で半透過部材88を前側から覆う透明部材86がその孔84aに固定ネジ(図示せず)を挿入させることで装着部85に固定される。センター飾り23に対してこのように装着された月型照明装置47は、後述する遊技制御手段109及び第2演出制御手段117の制御によって、発光領域91a〜91c夫々の発光状態の組み合わせにより、発光形態に応じて三日月、半月、満月として遊技者に夫々認識させるように適時変化させられる。なお、これら遊技制御手段109及び第2演出制御手段117によって、本発明に係る発光表示制御手段が構成されている。
つまり、月型照明装置47では、発光領域91cのLED94a〜94fが全て或いは一部(即ち、LED94b,94e)だけ点灯(又は点滅)する際、各LEDからの点状光が、半透過部材88、半透過部材87及び透明部材86を通して面状の光となり、かつ鍔部89cで区切られた隣りの発光領域91bにあまり影響を及ぼすことなく、光量が二段階に異なる三日月状に発光する。また、発光領域91cでの発光に加え、発光領域91bのLED93a〜93fが全て或いは一部(即ち、LED93b,93e)だけ点灯(又は点滅)する際には、各LEDからの点状光が、上記と同様に面状の光となり、かつ鍔部89bで区切られた隣りの発光領域91aにあまり影響を及ぼすことなく、光量が二段階に異なる半月状に発光する。更に、発光領域91b,91cでの発光に加え、発光領域91aのLED92a〜92hが全て或いは一部(即ち、LED92b,92e)だけ点灯(又は点滅)する際には、各LEDからの点状光が、上記と同様に面状の光となり、光量が二段階に異なる満月状に発光する。これらの場合、鍔部89b,89cが、半透過部材88の内面88aから若干の間隙spをもって収まると共に、外縁部89e,89fに向かって次第に薄くなるように形成されているので、発光時、特に半月状の発光時や満月状の発光時に、鍔部89bや鍔部89cの陰影が透明部材86の表面に表れる不都合を回避でき、各発光領域での照射光を合わせて月の形状を自然に変化させることができる。
次に、図4、図8ないし図15を参照して、上記間接照明装置57a,57bについて説明する。なお、図10は前枠部40を背面側から見た背面図、図11は間接照明装置57bにおける反射部95b,95cの背面に配設される照明基板128を斜め背面側から見た斜視図、図12は図11の反射部95b,95cを背面側から見た背面図、図13は図12中のD-D線に沿って切断した平面断面図、図14は月型照明装置47等を装着した状態の後枠部42を示す正面図、図15は図14の後枠部42を斜め上方から見下ろす状態で示す斜視図である。
すなわち、図4に示すように、間接照明装置57aは、開口部36周囲における上部左側に設けられ、かつ間接照明装置57bは、開口部36周囲における上部右側からその下方の右側部にかけて設けられており、センター飾り23の手前側(対面している遊技者側、つまり図4の紙面手前側)から奥側(対面する遊技者から見て奥側、つまり図4の紙面奥側)に向けて光照射する図10に示す照射部82,83,84と、これら照射部82〜84との間の空隙を介して当該照射部82〜84から受ける光の反射で開口部36周囲を照明する図13及び図14に示す反射部95a,95b,95cとを有している。上記空隙は、図4中には表れていないが、図10の前枠部40が図14の後枠部42の前側を被覆した状態において、相互に対応する照射部82と反射部95aの間、照射部83と反射部95bの間、照射部84と反射部95cの間には夫々、対向する照射部82〜84と反射部95a〜95cとの夫々の凹凸状況に応じて異なる寸法(例えば1〜3[cm])の隙間(空隙)が設けられている。この空隙の存在により、照射部82,83,84は夫々、後述する照明基板96a,96b,96cから半透過パネル100,101,102を通して照射される光を反射(つまり、照り返し)して、あたかも面発光しているように自身が光り且つ周囲を照明する。これら間接照明装置57a,57bの領域内には、自ら発光する上述の月型照明装置47が配置されている。
反射部95a,95b,95cは、パール光沢を得るための「パール加工」が施された合成樹脂からなり、かつ図14に示す後枠部42から取り外しできるパーツとして構成されており、その前面には、階段状に整地された棚田のように領域毎に高さ(図4及び図14の奥行き方向の距離)が異なる凹凸部78を有し、これら各領域は装飾パネル51と同様に霞或いは雲をイメージさせる流体的な形状に形成されている。反射部95a〜95cの上記棚田状の凹凸部78には、複数の放出孔hが形成されている。なお、上記「パール加工」とは、光の規則的多重反射によるパール光沢を得るために、例えば、天然の雲母に酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化物をコートしたパール顔料を、合成樹脂で形成された上記反射部95a,95b,95c等に含有或いはコーティングさせる加工技術を意味する。
図14及び図15に示すように、反射部95a,95b,95cは、立体造形物である月型照明装置47を中心として広がる壁面状に形成されている。そして、上述の照明基板96a,96b,96cは、図10に示すように、後枠部42の上記反射部95a,95b,95cに夫々対向するように前枠部40に配設されており、夫々に複数ずつのLED97,98,99を実装している。照射部82,83,84夫々の後枠部42と対面する位置には、上記半透過パネル100,101,102が位置決め配置されている。これら半透過パネル100,101,102は、いわゆる曇りガラス状に形成されていて、LED97,98,99の点状の照射光を拡散させて面発光状にする。従って、これら各LED97〜99によって、前枠部40の背面からその奥側に配設された反射部95a〜95cに向けて、ほぼ均一な光が満遍なく投射される。これにより、間接照明装置57a,57b全体が、各LEDによる照射光を鈍く反射することで、センター飾り23の開口部36周囲が間接的に照明されることになる。
また、前述したように間接照明装置57a,57bの反射部95a〜95cには、導光路126の内径より十分に小さい内径を有する複数の光放出孔hが穿設されている。そして、この光放出孔hの背面側(すなわち、反射部95b,95cの背面)には、図13に示すような、複数の円筒形状の導光路126を有する突起125が垂設され、その各底面をなす底面部129の中心には光放出孔hが位置している。この底面部129は、該底面部129の外周縁部(すなわち突起125の内周縁部)が、反射部95b,95cの厚さt1よりやや薄目の厚さt2として設けられており、更にその外周縁部から中心に位置する光放出孔hに向けて徐々に下降するように傾斜する面取り部127が設けられている。
更に、例えば、反射部95b,95cに穿設される各光放出孔hに対しては、図11に示すような照明基板128が、反射部95b,95cの背面側に配設されている。この照明基板128上には、反射部95b,95cの各光放出孔hに対応する位置にLED128aが複数実装され、これら各LED128aからの投射光が各光放出孔hに対して供給される。
そして、このLED128aからの投射光は、突起125の円筒形状をなす導光路126内をその指向が揃えられるように導かれて貫通孔である光放出孔hから放出される。また、上述したような導光路126内を導かれた投射光のうち突起125の底面部129に対して照射されたものは、該底面部129の厚さが薄いため、これを光透過することによっても放出されることとなる。更に、底面部129の厚さは、面取り部127によってその中心部に向けて徐々に薄く形成されているため、上記光透過する量は光放出孔h近傍ほど多くなる。これにより、間接照明装置57bの前面側からは、最も照度の高い光放出孔hを中心として、その光放出孔hを囲むような薄い光の輪が同心状に形成されて視認でき、あたかも蛍火が発光しているかのような演出効果を得ることができるようになる。
なお、間接照明装置57aの反射部95aと間接照明装置57bの反射部95b,95cとは、その形状及び夫々が有する各光放出孔hの数は異なるものの、各光放出孔hから光を放出させて発光装飾する構造については同様であるため、反射部95aについてはその説明を省略する。
上記車輪型照明装置46は、例えば図2ないし図4に示すような、牛車の車輪を模った造形役物46aと、その内部に配設される不図示のLEDとを備えている。更に、該造形役物46aには、その車輪枠組みを内側から覆うような半透明状の拡散レンズ46bが配置されており、この拡散レンズ46bには不図示であるが、その車輪前面部46cに光拡散用のディンプルと、車輪外周面部46dにストライプ状の光拡散溝とが夫々形成されている。これにより、車輪型照明装置46は、上記LEDが造形役物46a及び拡散レンズ46bを内側から適時発光照明し、センター飾り23の前面側(図4の紙面手前側)及び内面側(つまり図柄表示装置35方向)に同時に光演出するように構成されている。
照明装置120は、図6に示すように、照明基板122に実装されたLED121からの光を、この照明基板122を囲むように配設された遊技球受け面69及び球回転部67を光透過させるように構成されている。照明基板122は、遊技球受け面69の下方であってセンター飾り23の前面側(図6の紙面左方)にその上面が傾斜するように約20度の角度をもって配設されており、この照明基板122に実装されたLED121は各種演出動作に応じて適宜発光状態とされる。そして、LED121が発光状態となった際、その投射光のうちの一方は、光透過性を有すると共にストライプ状の光拡散溝123を有した遊技球受け面69を通過することによって、センター飾り23の内側(図6の紙面上方)に向けて照明される。また、上記投射光のうちの他方は、光透過性を有すると共にストライプ状の光拡散溝124を有した球回転部67を通過することによって、センター飾り23の前面側(図6の紙面左方)に向けて照明される。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図20に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、主基板61と、この主基板61に接続されたサブ基板62とを備えている。主基板61は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板61は、入賞判定手段105、入賞信号出力手段106、第1抽選手段107、第2抽選手段108、遊技制御手段109、保留手段110、作動制御手段111、作動判定手段112、作動決定手段113、及び信頼度決定手段150を備えている。また主基板61には、始動チャッカー開閉ソレノイド114及びアタッカー開閉ソレノイド115が接続されている。
入賞判定手段105は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段106は、入賞判定手段105によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段107は、入賞信号出力手段106からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段108は、第1抽選手段107での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が図柄表示装置35の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第2抽選手段108はまた、第1抽選手段107での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。第2抽選手段108は更に、第1抽選手段107での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
遊技制御手段109は、放音装置12、演出用照明装置11、側部照明装置45、間接照明装置57a,57b、照明装置120に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を、サブ基板62の演出制御手段116に送信する。
演出制御手段116は、上記指令に応答し、例えば、月型照明装置47に、発光領域91cのLED94a〜94fを全て或いは一部(即ち、LED94b,94e)だけ点灯(又は点滅)させて、明るさ(輝度)の異なる複数種の、つまり光量が二段階に異なる三日月状に発光させる演出や、該演出に加えて、発光領域91bのLED93a〜93fを全て或いは一部(即ち、LED93b,93e)だけ点灯(又は点滅)させて、明るさの異なる複数種の、つまり光量が二段階に異なる半月状に発光させるように制御する。更には、それらの演出に加えて、発光領域91aのLED92a〜92hを全て或いは一部(即ち、LED92b,92e)だけ点灯(又は点滅)させて、明るさの異なる複数種の、つまり光量が二段階に異なる満月状に発光させるように制御する。これらの際、LEDに、フルカラーLEDを採用すれば、明るさと共に色彩も変化する月明かりにすることができる。
また、遊技制御手段109は、予め設定された演出データや、第1抽選手段107、第2抽選手段108での抽選結果に応じて、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、サブ基板62の表示制御手段118に送信する。
保留手段110は、第2抽選手段108から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置53(図2参照)に、最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段110は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段110は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段110は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段107で行われる始動チャッカー27への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段111は、作動決定手段113の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド114に駆動信号を送って該ソレノイド114を作動させて始動チャッカー27を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段111は、アタッカー開閉ソレノイド115に駆動信号を送って該ソレノイド115を作動させ、第1抽選手段107での抽選による大当たり発生時にアタッカー5を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段112は、始動チャッカー開閉ソレノイド114及びアタッカー開閉ソレノイド115を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド114にあって、始動チャッカー27の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板61において第1抽選手段107の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド115にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー5の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段113は、作動判定手段112からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド114、アタッカー開閉ソレノイド115の作動開始を夫々に決定する。
信頼度決定手段150は、第1抽選手段107での大当たり抽選の結果とは別に、予めテーブルデータとして用意された信頼度乱数から抽選によって、大当たりが当選する見かけ上の確率、つまり、大当たり抽選の結果に関する大当たりとなる確率を示す信頼度を、10%、20%、・・・80%、90%等のような数値として決定する。信頼度決定手段150は、信頼度乱数からの抽選を行うか否かを、始動チャッカー27への入賞後に別途行う抽選によって決める。信頼度決定手段150は更に、当該抽選時に、第2演出制御手段117の制御時の月型照明装置47の三日月、半月、満月発光時の各明るさ(輝度)も決定する。
始動チャッカー開閉ソレノイド114は、作動制御手段111から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー27を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド115は、作動制御手段111から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー5を開閉動作させる。
一方、サブ基板62は、演出制御手段116及び表示制御手段118を有しており、サブ基板62には、放音装置12、演出用照明装置11、側部照明装置45、月型照明装置47、間接照明装置57a,57b、車輪型照明装置46、照明装置120、及び図柄表示装置35が接続されている。
演出制御手段116は、遊技制御手段109からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置11、側部照明装置45、間接照明装置57a,57b、照明装置120を発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
また演出制御手段116は、遊技制御手段109からの指令に応答して、月型照明装置47を、発光領域91cのLED94a〜94fを全て或いは一部だけ点灯(又は点滅)させ、明るさ(輝度)の異なる複数種の三日月状に発光させる演出や、該演出に加えて、発光領域91bのLED93a〜93fを全て或いは一部だけ点灯(又は点滅)させ、明るさの異なる複数種の半月状に発光させる。更には、それらの演出に加えて、発光領域91aのLED92a〜92hを全て或いは一部だけ点灯(又は点滅)させ、明るさの異なる複数種の満月状に発光させ、遊技者の視覚に訴える演出を行う。
これらの三日月、半月、満月としての形状や明るさ(輝度)の変化は、信頼度決定手段150で決定される信頼度(期待度)の程度の違いを表現するために用いられ、三日月、半月、満月の順に信頼度が高くなり、かつ発光の輝度が上がるほど信頼度が高くなるように設定される。
また、LED92a〜92h、LED93a〜93f及びLED94a〜94fのいずれかをフルカラーLEDに代えて、或いは、LED92a〜94fの全てをフルカラーLEDに代えて構成することが可能である。その場合、発光色を、例えば白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色の順に信頼度が高くなるように設定しておき、演出制御手段116により、フルカラーLEDの発光状態(発光色の状態)を段階的に変更するように制御することができる。なお、上記フルカラーLEDは、赤、緑、青(RGB)の光3原色を単一のパッケージ内に収容したもの、つまり、RGBを組み合わせた赤、緑、青に加えて赤紫、白、水色、黄色を有し、かつこれらに階調を加えたタイプのLEDを意味する。
更に、放音装置12による効果音量を、例えば小音量、中音量、大音量の順に信頼度が高くなるように設定しておき、演出制御手段116により、効果音量を段階的に変更するように制御することも可能である。
表示制御手段118は、遊技制御手段109からの信号に従って、図柄表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図21のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口15から遊技盤3背面側に排出される。
つまり、遊技領域3aに向けて打ち出された多数の遊技球は、その一部がワープ導入口37から導入される。ワープ導入口37から導入された遊技球は、球導入路66及び球回転部67を介して遊技球放出部67cから遊技球ステージSに放出される。この際、遊技球は、導入路66を落下するように転動し、勢い良く球回転部67へと導入されることによって、球回転部67の内周に沿って旋回するような遊技球演出が行われる。
そして、遊技球ステージSに放出された遊技球Baは、図5に示すように、凹部72内で転がり移動しながら球案内溝74及びその傾斜に沿って遊技球ステージ前方に誘導され、その際の段差部75aに到達する際の転動方向(重心の移動方向)が球放出凹部49側に向いていれば、球放出凹部49側に移行する。これにより、遊技球Baは、連絡路75を介して球放出凹部49に進入し、該球放出凹部49からその傾斜に沿って始動チャッカー27に向けて落下し、始動チャッカー27に高確率で入賞する。しかしこの際、障害釘30への当接状況によっては、始動チャッカー27に入賞できないこともある。
一方、球案内溝74から段差部75aに到達する際の転動方向が球放出凹部49側に向いていなければ、遊技球Baは、段差部75aから落下用凹部76に進入し、該凹部76の傾斜に沿って、始動チャッカー27とは異なる方向に落下することになる。この際、落下する遊技球Baは、その落下方向が、始動チャッカー27上の一対の障害釘(命釘)30の間を通過して入球し得る方向と異なるが、障害釘30の左右に打ち込まれた不図示の所謂ジャンプ釘や、当該ジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘30に絡んでその間を落下して始動チャッカー27に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー27や入賞口25,26の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段105が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段106が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段110は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段109を介して表示制御手段118に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段110は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段107で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段107が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段108が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第2抽選手段108は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、第2抽選手段108は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段109が、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、サブ基板62の表示制御手段118に送信することに基づき、表示制御手段118は、図柄表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
このような演出表示において、例えばスーパーリーチに発展した場合、演出制御手段116が、大当たり確定の信頼度(期待度)を更に高めるために、月型照明装置47を発光駆動させることがある。その際、演出制御手段116は、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置11、側部照明装置45、間接照明装置57a,57b、照明装置120を発光駆動すると共に、月型照明装置47を、例えば、発光領域91cのLED94a〜94fを全て或いは一部だけ発光させ、三日月状に発光させる演出を行う。これにより、遊技者は、現在進行しているスーパーリーチの大当たり当選の信頼度があまり高くない(例えば11〜30%)ことを認識する。この際、三日月状発光の輝度が高い場合には、大当たりとなる確率を示す信頼度はやや高くなる(例えば16〜35%)。
或いは、演出制御手段116が月型照明装置47を、例えば、三日月状の上記発光演出に加えて、発光領域91bのLED93a〜93fを全て或いは一部だけ発光させ、半月状に発光させる演出を行う。これにより、遊技者は、現在進行しているスーパーリーチの大当たり当選の信頼度がやや高い(例えば31〜50%)ことを認識する。この際、半月状発光の輝度が高い場合には、信頼度はより高くなる(例えば36〜55%)。
或いは、演出制御手段116が月型照明装置47を、例えば、上記半月状の発光演出に加えて、発光領域91aのLED92a〜92hを全て或いは一部だけ発光させ、満月状に発光させる演出を行う。これにより、遊技者は、現在進行しているスーパーリーチの大当たり当選の信頼度がかなり高い(例えば51〜80%)ことを認識する。この際、満月状発光の輝度が高い場合には、信頼度は更に高くなる(例えば56〜85%)。
なお、上述した発光輝度の段階的変化による信頼度表示とともに、発光色の段階的変化や、放音装置12による効果音量の段階的変化を加味すれば、興趣及び演出性を更に高め、遊技性をより向上させることができる。
そして、図柄表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段111は、作動決定手段113の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド115に駆動信号を送り、当該ソレノイド115を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上説明した本実施形態では、図柄表示装置35とは別にセンター飾り23に配置された月型照明装置47によって信頼度表示を行うことにより、大当たりするか否かの信頼度を、図柄表示装置35とは別個に行うことができる。従って、信頼度表示を数値や画像で同時に行わせたり、図柄表示又は演出表示の上から覆うように表示させたり、画面分割等して表示させたりする等の煩雑な手法を不要にし、遊技者にとって視認が容易となる表示を実現することができる。
そして、演出制御手段116により月型照明装置47を制御し、所定数ずつに区切ったLED92a〜92h,93a〜93f,94a〜94fを発光領域91a,91b,91cごとに独立して発光させ、その射出光を、光拡散部材としての透明部材86及び半透過部材87,88にて面状に拡散させる。従って、発光領域91a,91b,91cごとのLED92a〜92h,93a〜93f,94a〜94fを、その全て或いは一部だけ発光させ、互いに異なる形状に発光させる新奇な表示による演出を実行できる。
これにより、現在進行中の例えばスーパーリーチでの、大当たりとなる確率を示す信頼度の程度が高いか低いかを、遊技者に認識させることができる。しかも、このような信頼度の表示を、図柄表示装置35の画面内の情報とは全く別個に配置された月型照明装置47の段階的な照明で行うので、図柄表示装置35での表示情報過多に陥ることなく、遊技者にとって極めて視認し易い状況を実現することができる。
また本実施形態では、円筒状基部89aと2つの鍔部89b,89cとでLED92a〜92h,93a〜93f,94a〜94fを発光領域91a,91b,91cに対応して区切って構成している。従って、例えば、多数のLEDを必要な形状に対応させて配列し夫々に異なる所定形状(例えば、三日月形状、半月形状、満月形状)の発光形態を実現しようとする場合に比して、発光領域91a,91b,91cごとのLEDを単に発光させるだけで、他の発光領域への光漏れの無いくっきりとした所定形状の発光形態を、確実に得ることができる。
更に、本実施形態では、円筒状基部89aを円筒状に形成し、2つの鍔部89b,89cを円弧鍔状に形成し、遊技制御手段109及び第2演出制御手段117の制御により、発光領域91a,91b,91c夫々の発光状態を組み合わせて、三日月状、半月状、満月状の発光形態を夫々に現出できる。従って、制御手段109,117の制御に係る情報量を削減して、制御上の処理を簡素化させることができる。
そして、本実施形態では、鍔部89b,89cが、光拡散部材の最も光区画部材側に向いた内面、即ち半透過部材88の内面88aに対し間隙spを有してなるので、当該間隙spを有しない場合に比して、発光時の各発光領域91a,91b,91c間の境界部の陰影が、光拡散部材の表面、つまり透明部材86の表面に表れる不都合を回避することができ、各発光領域91a,91b,91cでの照射光を合わせて、月の形状を自然に変化させることができる。
なお、本実施の形態では、主基板61に設けた信頼度決定手段150で、大当たり抽選の結果に関する大当たりとなる確率を示す信頼度を決定し、サブ基板62に設けた演出制御手段116により、信頼度に応じて月型照明装置47の発光状態を段階的に変更制御するように構成したが、これに限らず、例えば、信頼度決定手段150を演出制御手段116とともにサブ基板62に設けるように構成することも可能であり、その場合においても、上述と同様の効果を得られることは勿論である。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。